JPH06136246A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH06136246A
JPH06136246A JP4291352A JP29135292A JPH06136246A JP H06136246 A JPH06136246 A JP H06136246A JP 4291352 A JP4291352 A JP 4291352A JP 29135292 A JP29135292 A JP 29135292A JP H06136246 A JPH06136246 A JP H06136246A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性、靱性等の機械的強度に優れた樹脂
組成物を得る。 【構成】 (A)芳香族ポリエステル樹脂例えばポリブ
チレンテレフタレートと、(B)溶融状態のプロピレン
系重合体に芳香族ビニル単量体、例えばスチレン及び極
性官能基含有ビニル単量体、例えばエポキシ基含有ビニ
ル単量体、カルボキシル基含有ビニル単量体等を併用し
て溶融混練重合反応して得られる変性ポリプロピレンと
からなる樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は芳香族ポリエステル樹脂
および変性ポリプロピレン系重合体樹脂からなる、優れ
た耐熱変形性、耐衝撃性、剛性を有する熱可塑性樹脂組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レンテレフタレートに代表される熱可塑性の芳香族ポリ
エステル樹脂はそれ自体優れた耐熱性、耐薬品性を有し
ており、非強化樹脂およびガラス繊維などの強化材で強
化した成形材料は、自動車部品やエレクトロニクス関連
部品等の分野に於いて使用されており、近年、需要を大
きく伸ばしている。
【0003】しかし、該ポリエステル樹脂は耐衝撃性が
低く、特にポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、P
BTと略す)ではノッチ感度が高いため、ノッチ付きの
アイゾット衝撃値に於いて特に低いと言う欠点があっ
た。従って、PBT樹脂を成形する場合、ボスやリブの
根元には必ずRやテーパを必要とした。また、PBT樹
脂は耐加水分解性に劣り、60℃以上の熱水中や高温多
湿雰囲気下では事実上、長時間の使用ができない状態で
あった。
【0004】一方、ポリプロピレンは低コストで比重が
低く、耐加水分解性、耐薬品性、機械的強度に優れた樹
脂であるが、耐熱性、剛性が低く、用途を拡大する上で
問題となっていた。
【0005】
【従来技術】このような芳香族ポリエステルおよびポリ
プロピレンの両者の抱える問題を一挙に解決する方法と
して従来から両者のアロイ化が検討されている(特開昭
49−120949号公報など)。
【0006】しかしこれらの方法においては若干耐衝撃
性は向上するものの芳香族ポリエステルの用途を大幅に
拡大するには不十分なレベルであった。また芳香族ポリ
エステルとポリプロピレンの親和性が不足するため、機
械的物性の低下も大きいなどの各種の問題があった。さ
らに相剥離が生じ、実用上大きな問題があった。そこで
芳香族ポリエステルとポリプロピレンから成る樹脂組成
物に加えて、不飽和エポキシ化合物、エチレンの如きエ
チレン系不飽和化合物からなるエポキシ基含有共重合体
を併用する(特開昭61−60744号公報)、芳香族
ポリエステル、無水マレイン酸変性ポリプロピレンから
成る樹脂組成物に対して上記の如きエポキシ基含有共重
合体を併用する(特開昭61−60746号公報)など
が検討されている。また芳香族ポリエステルと不飽和エ
ポキシ化合物をポリプロピレンにグラフトした変性ポリ
プロピレンから成る樹脂組成物に対してエポキシ基含有
エチレン系共重合体を併用する方法(特開平1−213
352号公報)も知られている。
【0007】しかし、該公報に示されるような単に不飽
和エポキシ化合物をポリプロピレンに過酸化物を使用し
てグラフト化するだけでは十分な分子量をもつエポキシ
変性ポリプロピレンが得られず、耐衝撃性改良効果が十
分ではなく、該公報に示されるように他のポリマーを併
用しなければならなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の従
来法の欠点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、芳香族
ポリエステルに、溶融状態のプロピレン系重合体の存在
下、芳香族ビニル単量体及び極性官能基含有ビニル単量
体を溶融混練重合することにより得られた変性プロピレ
ン系重合体を配合することすることにより、上記目的を
達成することを見い出し、本発明を完成するにいたっ
た。
【0009】即ち、本発明は(A)芳香族ポリエステル
樹脂と(B)溶融状態のプロピレン系重合体に芳香族ビ
ニル単量体および極性官能基含有ビニル単量体を溶融混
練重合反応せしめてなる変性プロピレン系重合体樹脂と
からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関す
る。
【0010】本発明で用いられる(A)芳香族ポリエス
テル樹脂としては芳香環を連鎖単位に有するポリエステ
ル樹脂で芳香族ジカルボン酸あるいはそのエステル誘導
体とジオ−ルあるいはそのエステル誘導体とを主成分と
する縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体で
ある。
【0011】ここでいう芳香族ジカルボン酸としてはテ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
ビス(P−カルボキシフェニル)メタン、アントラセン
ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、1,2ビ
ス(P−カルボキシフェノキシ)エタンあるいはこれら
のエステル誘導体等が挙げられる。
【0012】なお酸成分として30モル%以下であれ
ば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン
ジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸等の脂環族ジカルボン酸およびそれらのエステル誘導
体等の芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸で置換し
ても良い。
【0013】また、ジオ−ル成分としては炭素数2〜1
0の脂肪族ジオ−ルすなわちエチレングリコ−ル、プロ
ピレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、3−メチ
ル−1,3−プロパンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、デカメチレングリコ−ル、シクロヘキサンジオ−
ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等が挙げられ、小量で
あれば分子量400〜6000の長鎖グリコ−ル、すな
わち、ポリエチレングリコ−ル、ポリ−1,3−プロピ
レングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等を共
重合せしめてもよい。
【0014】本発明で使用する好ましい芳香族ポリエス
テルの例としてはポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブ
チレンテレフタレ−ト、ポリヘキサメチレンテレフタレ
−ト、ポリシクロヘキシンジメチレンテレフタレ−ト、
ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト 、ポリブチレン
−2,6−ナフタレ−ト等が挙げられるが、なかでもポ
リブチレンテレフタレ−トが好ましい。
【0015】本発明において使用する芳香族ポリエステ
ルは30 ℃ のフェノ−ル/テトラクロロエタン=60
重量%/40重量%の混合溶剤中で測定した極限粘度が
0.5〜1.5dl/g、好ましくは0.6〜1.3d
l/gであることが好ましい。芳香族ポリエステルの極
限粘度が低すぎると、機械的性質が低くなる傾向があ
り、一方高すぎると成形性が悪くなり好ましくない。
【0016】本発明で用いられる(B)成分であるプロ
ピレン系重合体とはプロピレン単独重合体及びプロピレ
ンを主体とする他のオレフィンまたはエチレン性ビニル
単量体との共重合体(何れもプロピレン75重量%以上
の共重合体)であり、具体的にはアイソタチックポリプ
ロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン
−ブテン共重合体等がある。これらのプロピレン系重合
体を混合して使用することもできる。また、プロピレン
系重合体の性質を損なわない範囲で他の重合体を使用す
ることもできる。
【0017】芳香族ビニル単量体としては、例えば、ス
チレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシ
レン、エチルベンゼン、イソプロピルスチレン、クロロ
スチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げ
られ、単独または混合して用いられる。
【0018】更に芳香族ビニル単量体と併用される極性
官能基含有ビニル単量体としては、共重合可能なエポキ
シ基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル単量体、カル
ボン酸基含有ビニル単量体、オキサゾリン基含有ビニル
単量体等が挙げられる。好ましくは、エポキシ基含有ビ
ニル単量体あるいはオキサゾリン基含有ビニル単量体で
ある。
【0019】エポキシ基含有ビニル単量体としては、例
えば、グリシジルメタクリレ−ト、グリシジルアクリレ
−ト、アリルグリシジルエ−テル、メタクリルグリシジ
ルエ−テル等挙げられ単独または混合して用いられる。
特にグリシジルメタクリレ−トが好ましい。
【0020】水酸基含有ビニル単量体としては、例え
ば、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレ−ト、2−ヒドロキシエチルア
クリレ−ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、2
−ヒドロキシブチルメタクリレ−ト等が挙げられ単独ま
たは混合して用いられる。
【0021】カルボン酸基含有ビニル単量体とは、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレ
イン酸等及びそれらのアルキルエステル等が挙げられ、
これらの単独または混合物を適用して用いられる。
【0022】オキサゾリン基含有ビニル単量体としては
2−ビニル−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−
2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾ
リン、2−イソプロペニル−4−オキサゾリン等があ
る。
【0023】該芳香族ビニル単量体の添加量は、プロピ
レン系重合体の50重量%以下好ましくは1〜35重量
%である。50重量%を越えるとポリプロピレンの性能
が損なわれ好ましくない。また芳香族ビニル単量体は変
性プロピレン系重合体の低分子量化を防止および芳香族
ポリエステル樹脂との相溶性向上のため、極性官能基含
有ビニル単量体の添加量の少なくとも同量以上、好まし
くは1〜5倍量添加することが好ましい。
【0024】また、極性官能基含有ビニル単量体の添加
量はプロピレン系重合体の10重量%以下、好ましくは
0.1〜5重量%である。10重量%以上越えると生成
物の低分子量化が起こるだけでなく、組成物を増粘さ
せ、最終的にはゲル化を引き起こし好ましくない。
【0025】ラジカル開始剤としては本発明の特徴から
芳香族ビニル単量体に溶解し易く、また本反応がプロピ
レン系重合体の溶融混練温度で重合を行うために1分間
の反減期を得るための分解温度が130〜250 ℃で
あることが望ましい。具体例を挙げれば、t−ブチルパ
−オクテ−ト、ビス(t−ブチルパ−オキシ)トリメチ
ルシクロヘキサン、シクロヘキサノンパ−オキサイド、
ベンゾイルパ−オキサイド、ジクミルパ−オキサイド、
t−ブチルパ−ベンゾエ−ト、ジメチルジ(t−ブチル
パ−オキシ)ヘキサン、ジメチルジ(t−ブチルパ−オ
キシ)ヘキシン等が挙げられる。該有機過酸化物の使用
量は、該ビニル単量体100重量部に対して通常0.1
〜10重量部、好ましくは1〜5重量部とするのが良
い。
【0026】その他の添加剤として、ポリプロピレンは
ポリエチレンと異なりラジカル崩壊性ポリマ−であるの
で安定剤の添加が好ましい。但し、芳香族ビニル単量体
に重合を妨げないよう種類及び添加量を考慮するの必要
がある。例えば、ペンタエリスリチル−テトラキス
((ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
−ト)、オクデシル((ジ−t−ブチル−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネ−ト)、チオビス(メチルt−ブチ
ルフェノ−ル)、トリメチル−トリス(ジ−t−ブチル
ヒドロキシベンジル)等のヒンダントフェノ−ル系安定
剤、テトラキス(ジ−t−ブチルフェニル)フォスファ
イト等の燐系安定剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
カルシウム等の金属石鹸、酸化マグネシウム、ハイドロ
タルサイト等の制酸吸着剤がある。該安定剤の使用量は
プロピレン系重合体100重量部に対して通常0.01
〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部であ
る。
【0027】プロピレン系重合体と芳香族ビニル単量体
及び極性官能基含有ビニル単量体との溶融重合混練反応
は、バンバリ−ミキサ−等の密閉容器、押出機等の連続
混練機を用いてできる。押出機の方が造粒等工業的な生
産を考えた場合好ましい。更に2軸押出機の方が反応物
の供給、混練、重合時間等の管理が容易である。
【0028】製造方法としては、粉末またはペレット上
のプロピレン系重合体と混合した場合、押出機に供給し
加圧しながら130〜250 ℃に加熱して結晶性プロ
ピレン系重合体を溶融させ、芳香族ビニル単量体及び極
性官能基含有ビニル単量体を溶融混練重合反応後、ダイ
から排出されたストランドを冷却し、ペレタイザ−を用
いてペレットとする。
【0029】ビニル単量体は、あらかじめプロピレン系
重合体と混合した後、押出機に供給しても良いし、液体
用フィ−ダ−を用いて溶融状態のプロピレン系重合体に
供給しても良いがあらかじめプロピレン系重合体に混合
して含浸させておくことが好ましい。
【0030】ラジカル開始剤は、あらかじめビニル単量
体に溶解して添加しても良いし液体用フィ−ダ−を用い
てプロピレン系重合体とビニル単量体との混合物に添加
しても良い。また安定剤はプロピレン系重合体にあらか
じめヘンシェルミキサ−等を用いて混合しておく事が好
ましい。
【0031】プロピレン系重合体はエチレン系重合体と
異なりラジカル崩壊性ポリマ−であるため単に溶融加熱
すると主鎖の切断により分子量の低下が起こり易い。そ
のため有機過酸化物の存在下単に極性官能基含有ビニル
単量体溶融混練反応しても分子量の低い変性プロピレン
系重合体ができる。しかし本発明に溶融混練反応方法に
よれば、好ましくは安定剤の存在下で反応するにより芳
香族ビニル単量体及び極性官能基含有ビニル単量体が効
率よくグラフト反応された分子量低下の無く、芳香族ポ
リエステル樹脂と相溶性の改善された変性プロピレン系
重合体とする事ができる。
【0032】本発明の組成物における両者の添加割合に
ついては特に制限を受けるものではないが、芳香族ポリ
エステル樹脂(A)1〜99重量%、好ましくは5〜9
5重量%、変性プロピレン系重合体(B)99〜1重量
%、好ましくは95〜5重量%である。該組成物に於い
て変性プロピレン系共重合体が1重量%未満では実質的
に芳香族ポリエステル樹脂と同様の樹脂であり、99重
量%を越えると実質的に芳香族ポリエステル樹脂による
改良効果がなくなる。
【0033】本発明において極性官能基含有ビニル単量
体にエポキシ化合物を使用した場合、エポキシ基とカル
ボン酸との反応促進する化合物をさらに添加しても差し
支えない。これらの化合物としてはトリフェニルアミ
ン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノ−ルなどの3級アミン、トリフェニルホスファイト、
トリイソデシルホスファイトなどの亜リン酸エステル、
トリフェニルアリルホスホニウムブロミドなどのホスホ
ニウム化合物、トリフェニルホスフィンなどの3級ホス
フィン、ステアリン酸リチウムなどのカルボン酸金属
塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ナト
リウムなどのスルホン酸金属塩、ラウリル硫酸ナトリウ
ムなどの硫酸エステルなどが挙げられ、樹脂組成物当た
り0.001〜5重量%添加されるのが好ましい。
【0034】また本発明の組成物には必要に応じて、以
下に示す強化材および/または充填材を配合することが
できる。これら強化材および/または充填材としては、
粉粒状、平板状、鱗片状、針状、球状または中空状およ
び繊維状が挙げられる。具体的には硫酸カルシウム、珪
酸カルシウム、クレー、タルク、アルミナ、珪砂、ガラ
ス粉、金属粉、グラファイト、炭化珪素、チッ化珪素、
シリカ、チッ化ホウ素、チッ化アルミニウム、カーボン
ブラックなどの粉粒状充填材、雲母、ガラス板、セリサ
イト、アルミフレークなどの金属箔、黒鉛などの平板状
もしくは鱗片状充填材、シラスバルーン、金属バルー
ン、ガラスバルーンなどの中空状充填材、ガラス繊維、
炭素繊維、グラファイト繊維、ウィスカー、金属繊維、
アスベスト、ウォスナイト、繊維状充填材、芳香族ポリ
アミド繊維等の有機繊維状充填材を挙げることが出来
る。
【0035】本発明の組成物には他の熱可塑性樹脂を一
種以上添加しても差し支えない。他の熱可塑性樹脂とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
イミド変性ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレ−ト、AB
S樹脂、イミド変性ABS樹脂、AES樹脂、ポリサル
ホン、ポリフェニレンエ−テル、ポリフェニレンエ−テ
ルとポリスチレンとの共重合体および/または混合物、
ポリエ−テルサルホン、ポリエ−テルエ−テルケトン、
ポリアリ−ルサルホン、ポリアミドイミド等の熱可塑性
樹脂、ポリエステル系、ポリアミド系、ウレタン系、オ
レフィン系、スチレン系等の熱可塑性エラストマ−等が
挙げられる。好ましくはポリプロピレン、、ポリカ−ボ
ネ−ト、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリ
フェニレンエ−テル、ポリフェニレンエ−テルとポリス
チレンとの共重合体および/または混合物、オレフィン
系エラストマ−、スチレン系エラストマ−等がある。特
にポリプロピレン;エチレンープロピレン共重合体、エ
チレンープロピレンージエン共重合体、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、ブチルゴム等の如きオレフィン系
エラストマ−;スチレンーブタジエンブロック共重合
体、スチレンーイソプレン共重合体およびこれらの水素
添加物および/または不飽和基含有酸無水物含有物等如
きのスチレン系エラストマ−等を用いた場合、本発明の
変性プロピレン系重合体樹脂が好適な相溶化剤としては
働くので芳香族ポリエステルとの好適なアロイが得られ
易い。
【0036】本発明では、更に本発明の要旨を逸脱しな
い範囲に於て水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、三酸化アンチモン等の無機難燃剤、ハロゲン系、リ
ン系等の有機難燃剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑
剤、分散剤、カップリング剤、発泡剤、架橋剤、着色剤
等の添加剤を添加することができる。
【0037】本発明組成物の製造方法としては一般的な
方法が用いられる。最も一般的な方法は配合物を適当な
混合機例えばタンブラー、ヘンシェルミキサー、タンブ
ラー等で均一に混合し、押出機に供給して溶融混練し、
ストランド状に押し出したものを冷却し、切断し、成形
材料用の製品とする。更に簡単には、押出工程を省略し
て、本発明の配合物を直接成形機内で溶融、混練して成
形する方法もとることも出来るが、特にこれに規定する
ものではない。
【0038】
【実施例】さらに実施例により本発明を説明する。
【0039】メルトインデックス(MI)の測定 (1)芳香族ポリエステル樹脂 約6gのサンプルを120℃/3時間乾燥した後、直径
2.096mm,長さ8.001mmのオリフィスを用
いて所定の温度(250℃ )に設定したメルトインデ
クサ−(東洋精機製 T01型)に投入し、気泡を取り
除いた後、所定の荷重(325g)をかけ、5分間予熱
した後、測定する。
【0040】(2)変性プロピレン系重合体 約6gのサンプルを120℃/3時間乾燥した後、直径
2.096mm,長さ8.001mmのオリフィスを用
いて所定の温度(230℃ )に設定したメルトインデ
クサ−(東洋精機製 T01型)に投入し、気泡を取り
除いた後、所定の荷重(2160g)をかけ、5分間予
熱した後、測定する。
【0041】引っ張り試験 射出成形によって得られた引っ張り試験用ダンベル(A
STM IV号ダンベル1.6mm厚)を下記条件にて
引っ張り試験を行う。
【0042】 測定機 島津オ−トグラフ IS−2000 引っ張り速度 10mm/min 標線間距離 25mm グリップ間距離 50mm
【0043】アイゾット衝撃試験 射出成形によって得られたアイゾット衝撃値測定用試験
片を下記条件にてアイゾット衝撃試験を行う。
【0044】試験片寸法 長さ63.5mm×幅1
2.7mm×厚み3.17mm 切削ノッチ 測定器 万能衝撃試験器 ユニバ−サル型 東
洋精機製 ハンマ−荷重 30Kg-cm
【0045】参考例1(変性プロピレン系重合体の製
造) 粉末状のポリプロピレン(ハイポ−ルB200P、三井
石油化学社製)930部にイルガノックス1010(ヒ
ンダントフェノ−ル系安定剤、チバガイギ−社製)0.
5部、マ−ク2112(燐系安定剤、旭電化社製)0.
5部、ステアリン酸カルシウム1部をタンブラ−にて混
合した。ついでスチレン50部、グリシジルメタクリレ
−ト20部にパ−ヘキシン25B(日本油脂社製)2.
1部混合したものを前記粉末ポリプロピレン配合物にタ
ンブラ−にて混合した。この配合物をバレル温度200
℃ に設定した2軸押出機(TEM35B 東芝機械社
製)にて溶融混練してグラフト反応を行い、ストランド
状に押し出し、水冷固化したものをペレタイザ−にてペ
レット化し、変性プロピレン系重合体(B1)を得た。
この変性プロピレン系重合体(B1)のスチレン含量は
赤外線分光分析を用いて700cm1(スチレンに帰
属)と1380cm1(ポリプロピレンに帰属)との比
を用いた検量線からスチレン含量が4.8%であった。
また、MIは8.5g/10minであった。
【0046】参考例2(変性プロピレン系重合体の製
造) 参考例1の変性プロピレン系共重合体の製造に於いてス
チレン70部にふやし、それに伴って粉末状のポリプロ
ピレン(ハイポ−ルB200P、三井石油化学社製)を
900部に、パ−ヘキシン25B(日本油脂製)2.7
部としたい害は参考例1と同様にしてMI=5.1g/
minの変性ポリプロピレン系共重合体(B2)を得
た。
【0047】実施例1〜3、比較例1〜3 芳香族ポリエステル樹脂としてMIが4.0g/10m
inのPBT樹脂(極限粘度 1.04g/dl)、変
性プロピレン系重合体(B1)および(B2)を表−1
に示す配合でタンブラ−を用いてブレンドした。つい
で、バレル温度260℃に設定した二軸押し出し機(T
EM−35B 東芝機械製)で混練りし、押し出したス
トランドを冷却固化後、ペレット化した。得られたペレ
ットを120℃で4時間乾燥した後、射出成形機(IS
−50AM:東芝機械製)でシリンダ−温度 260
℃、金型温度 60℃で成形し、引っ張り試験用ダンベ
ル(ASTM IV号 厚み1.6mm)およびアイゾ
ット試験用試験片を得た。この試験片を用いて引っ張り
試験およびアイゾット試験を行った。比較例として、P
BT樹脂単独や変性ポリプロピレン系共重合体の製造に
使用したポリプロピレン(ハイポ−ルB200P、三井
石油化学社製)を用いた例を合わせて表−1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】結果から明らかのように本発明の組成物は
引張伸び、耐衝撃性に優れる。
【0050】実施例4〜6、比較例4〜6 MIが6.0g/10minのPBT樹脂(極限粘度
0.92g/dl)、変性プロピレン系重合体(B1)
に加えて、ポリプロピレンとしてショ−アロマ−MA5
10(昭和電工社製)を、オレフィン系エラストマ−と
してエチレン−プロピレンゴム(EP02P 日本合成
ゴム社製)を、スチレン系エラストマ−としてスチレン
−ブタジエンゴムの水素添加物(H1041 旭化成社
製)を表−2に示す配合でタンブラ−を用いてブレンド
した。ついで、バレル温度250℃に設定した二軸押し
出し機(TEM−35B 東芝機械製)で混練りし、押
し出したストランドを冷却固化後、ペレット化した。得
られたペレットを120℃で4時間乾燥した後、射出成
形機(IS−50AM:東芝機械製)でシリンダ−温度
260℃、金型温度 60℃で成形し、引っ張り試験
用ダンベル(ASTM IV号 厚み1.6mm)およ
びアイゾット試験用試験片を得た。この試験片を用いて
引っ張り試験およびアイゾット試験を行った。比較例と
して変性ポリプロピレン系共重合体を使用しない例を合
わせて表−2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】結果から明らかのように本発明の組成物は
引張伸び、耐衝撃性に優れる。
【0053】
【発明の効果】溶融状態のプロピレン系重合体に芳香族
ビニル単量体及び極性官能基含有ビニル単量体を併用し
溶融混練重合反応して得られる変性ポリプロピレンと芳
香族ポリエステル樹脂とからなる本発明組成物は、機械
的強度の優れた成形品を提供できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ポリエステル樹脂と(B)
    溶融状態のプロピレン系重合体に芳香族ビニル単量体お
    よび極性官能基含有ビニル単量体を溶融混練重合反応せ
    しめてなる変性プロピレン系重合体樹脂とからなること
    を特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 極性官能基含有ビニル単量体が、エポキ
    シ基含有ビニル単量体あるいはオキサゾリン基含有ビニ
    ル単量体である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリエステル樹脂(A)がポリブ
    チレンテレフタレート樹脂である請求項1項記載の樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の(A)芳香族ポリエス
    テル樹脂、(B)変性ポリプロピレン系重合体樹脂に加
    えて、さらに(C)ポリプロピレン、オレフィン系エラ
    ストマ−、スチレン系エラストマ−から選ばれる一種以
    上の熱可塑性樹脂を加えることを特徴とする熱可塑性樹
    脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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