JPH06136172A - 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製法 - Google Patents

架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製法

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JPH06136172A
JPH06136172A JP4157806A JP15780692A JPH06136172A JP H06136172 A JPH06136172 A JP H06136172A JP 4157806 A JP4157806 A JP 4157806A JP 15780692 A JP15780692 A JP 15780692A JP H06136172 A JPH06136172 A JP H06136172A
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Shigeru Kobayashi
茂 小林
Munehiro Nakamura
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 架橋度が15〜80%のポリオレフィン系樹脂10
0 重量部にスチレン系単量体10〜300 重量部を含浸さ
せ、重合させ、ついでえられたスチレン含浸重合架橋ポ
リオレフィン系樹脂に発泡剤を含浸させ、発泡せしめる
ことを特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製
法。 【効果】 従来の発泡体の特性を維持し、さらに、高発
泡でスライス表面が美麗などで、かつ弾性に富むなどす
る発泡体がえられる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は架橋ポリオレフィン系樹
脂発泡体の製法に関する。さらに詳しくは、特定の架橋
ポリオレフィン系樹脂に特定量のスチレン系単量体を含
浸し重合せしめてえられたスチレン含浸重合架橋ポリオ
レフィン系樹脂を発泡せしめてなる架橋ポリオレフィン
系樹脂発泡体の製法に関する。 【0002】 【従来の技術・発明が解決しようとする課題】スチレン
含浸重合ポリオレフィン系樹脂発泡体はポリオレフィン
系樹脂発泡体と比較して強度に優れ、成形体に加工する
ばあいの成形体寸法精度が良く、その成形体は包装材と
して使用されるばあいに緩衝性能が良いなどの利点を有
している。しかし、スチレン成分の剛性のためにポリオ
レフィン系樹脂発泡体の特徴である感触の軟らかさや弾
力性などが劣化することおよび成形体をスライスした時
のスライス面のきめが粗くなりザラザラした感触となる
ことなどによりカメラ、時計、プリンターなど衝撃に弱
い物や高級塗装品など表面が傷付きやすい物を包装する
には好ましくない。 【0003】かかる欠点は発泡体のセルを均一微細化す
ることで改善できると推定され、その方法としては特公
昭51-46138号公報などで軟化温度の低い特定のポリエチ
レンを使用したスチレン含浸重合架橋ポリオレフィン系
樹脂発泡体について、また特公昭52-10150号公報でスチ
レン含浸重合未架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体につい
てそれぞれ提案されている。 【0004】しかし、上記方法でえられた発泡体は1mm
2 中に60〜150 個のセルを含み、セル径がまだ充分微細
化されておらずかつセル径の変動が大きく、大型のセル
が混在するためザラザラした触感は解消せず、軟らかさ
や弾力性も不充分なものである。さらに上記軟化温度の
低い特定のポリエチレンや未架橋ポリオレフィン系樹脂
は耐熱性に劣るため、かかる樹脂からえられるスチレン
含浸重合ポリオレフィン系樹脂発泡体もまた耐熱性に劣
る。 【0005】上記問題を解決し、任意の軟化温度のポリ
オレフィンが使用でき、さらにセルを微細化する方法と
して特公昭51-46138号公報などにポリオレフィン系樹脂
にスチレン系単量体を含浸して重合せしめたのち、かか
るポリオレフィン系樹脂を架橋する方法が開示されてい
る。しかしながら、その方法では、ポリオレフィン系樹
脂の非晶領域中の分子間隙に任意のスチレン系単量体が
含浸し重合するため、えられたスチレン含浸重合架橋ポ
リオレフィン系樹脂中のスチレン系ポリマー成分は少数
の大きな粒子として存在し、その結果、発泡せしめて生
じたセルは少数で大型化することがわかった。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは叙上の実情
に鑑み、均一微細化されたセルを含み、強度、成形体寸
法精度、緩衝性能に優れたスチレン含浸重合ポリオレフ
ィン系樹脂発泡体を開発する目的で鋭意研究を重ねた結
果、ポリオレフィン系樹脂として特定の架橋ポリオレフ
ィン系樹脂を用い、該樹脂にスチレン系単量体を特定量
含浸させ重合せしめるという方法を行うとポリオレフィ
ン系樹脂の非晶領域中の分子間隙が架橋により多数の微
小間隙に分割されるため含浸するスチレン系単量体は該
微小間隙に微少量しか入らず、その結果かかる方法でえ
られるスチレン含浸重合架橋ポリオレフィン系樹脂中の
スチレン系ポリマー成分は多数の微小分散粒として存在
し、その発泡体は造核剤を添加しなくても多数の均一微
細なセルを含むことを見出し、本発明を完成するにいた
った。 【0007】すなわち、本発明は、架橋度が15〜80%の
ポリオレフィン系樹脂100 部(重量部、以下同様)にス
チレン系単量体10〜300 部を含浸させ、重合させ、つい
でえられたスチレン含浸重合架橋ポリオレフィン系樹脂
に発泡剤を含浸させ、発泡せしめることを特徴とする架
橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製法に関し、この方法
により架橋度が15〜80%のポリオレフィン系樹脂100 部
に対し、10〜300 部のスチレン系単量体を含浸重合させ
たポリオレフィン系樹脂を基材とし、1mm2 中に200 個
以上のセルを含むことを特徴とする架橋ポリオレフィン
系樹脂発泡体が製造される。なお、本発明の製法による
発泡体の形状には制限はなく、粒子であってもよい。上
記架橋度が15〜80%のポリオレフィン系樹脂(以下、架
橋ポリオレフィン系樹脂ともいう)の架橋度とは、200
メッシュ金網に試料を入れ、沸騰キシレン中に24時間浸
漬抽出したのち不溶分として測定されたものである。 【0008】 【実施例】本発明に用いる架橋ポリオレフィン系樹脂と
しては、たとえばエチレン、プロピレン、ブテン-1、ペ
ンテン-1、3-メチルブテン-1、4-メチルブテン-1、4-メ
チルヘキセン-1などのようなモノオレフィンの単独重合
体もしくは共重合体、エチレン- 酢酸ビニル共重合体、
エチレン- 塩化ビニル共重合体、エチレン- メチルメタ
クリレート共重合体などのようなモノオレフィンと他の
重合性ビニルモノマーとの共重合体もしくはそれらの混
合物であって任意の密度、MI、軟化点を有するものを
常法に従いジクミルパーオキサイド、2,5-t-ブチルパー
ベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過
酸化物やα線、β線などの放射線の照射により架橋させ
該架橋度が15〜80%のものが好ましい。 【0009】架橋度が15%未満ではスチレン系単量体の
含浸が不均一になり、連泡化が起って空洞が発生した
り、スチレンポリマー粒の分散がわるくなって均一微細
なセルがえられにくくなる。さらに架橋度が低くなると
スチレン含浸重合樹脂の耐熱性がわるくなり、その発泡
体もまた耐熱性がわるくなる。一方、架橋度が80%を超
えると微細なセルをえることには問題はないが、多量の
架橋剤が必要となり、発泡粒子を加熱融着して発泡成形
体にするばあい粒子間の融着が困難になったりしていず
れも好ましくない。 【0010】架橋ポリオレフィン系樹脂に含浸させて重
合せしめる(含浸重合せしめる)スチレン系単量体とし
ては、たとえばスチレン、α- メチルスチレン、p- メ
チルスチレンなどのような核置換スチレンがあげられ、
含浸重合せしめる方法としてはリン酸カルシウム、ピロ
リン酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどのような無機
分散剤を分散剤とする水分散系に架橋ポリオレフィン系
樹脂を分散せしめ、そこにベンゾイルパーオキサイドな
どの重合触媒を溶解させたスチレン系単量体を一度にま
たは徐々に添加して含浸重合せしめる方法、スチレン系
単量体のみを前記系に一度にまたは徐々に添加してスチ
レン系単量体を架橋ポリオレフィン系樹脂に含浸せしめ
たのち重合触媒を添加して重合せしめる方法などがあげ
られる。 【0011】スチレン系単量体の含浸重合量は架橋ポリ
オレフィン系樹脂100 部に対し10〜300 部、換言すれば
えられるスチレン含浸重合架橋ポリオレフィン系樹脂中
に9〜75%含まれるのが好ましい。スチレン系単量体の
含浸重合量が10部未満ではセル径が充分小さくならず、
300 部を超えると逆にセル径が大きくなって滑らかな触
感の発泡体をうることができず、いずれも好ましくな
い。 【0012】かくしてえられた粒径0.25〜10mmのスチレ
ン含有重合架橋ポリオレフィン系樹脂粒子を常法に従っ
てそのまままたは水中に分散せしめ、加圧下、低沸点の
有機発泡剤を含浸することにより発泡性粒子を作製す
る。 【0013】上記低沸点の有機発泡剤としては、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素
類、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、
シクロヘキサンなどの環式脂肪族炭化水素類、メチルク
ロライド、エチルクロライド、トリクロロフルオロメタ
ン、ジクロロテトラフルオロエタン、テトラクロロジフ
ルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素類があげられる
が、脂肪族炭化水素類または環式脂肪族炭化水素類を発
泡剤として使用するばあい発泡剤含浸処理後発泡性粒子
を養生しないと均一微細なセルがえられないので、養生
しないでそのまま発泡せしめることのできる低沸点のハ
ロゲン化炭化水素類を使用するのが好ましい。 【0014】発泡剤を含浸させた発泡性粒子は水蒸気加
熱により発泡する方法、加圧下の含浸状態から一気に大
気圧下に放出して発泡させる方法などの公知の方法で発
泡せしめられる。 【0015】かくしてえられる本発明による架橋ポリオ
レフィン系樹脂発泡体は1mm2 中に200 個以上のセルを
含む。本明細書にいう1mm2 中に含まれるセル数とは、
少なくとも100 個以上の発泡粒子を切断し、セル径が平
均と思われる10個の発泡粒子の中心部の面積1mm2 中に
認められるセル数を計算した平均値である。発泡粒子の
中心部でセル数を計算したのは発泡粒子そのままのばあ
いは発泡粒子の最外部のセル2、3層付近のスキン部を
除き中心部と周辺部とでセル密度に大きな差はないが、
発泡粒子を金型に充填して成形体を作製したばあい成形
条件が不適切であると周辺部のセルの状態が乱れるばあ
いがあるため、かかる成形条件の影響を受けにくい中心
部でセル数を計算したものである。 【0016】発泡体スライス面のザラザラした感触をな
くし、表面性を改良するには1mm2中に200 個以上のセ
ルを含むようになるまでセルを均一微細化するとよい
が、さらに滑らかでソフトな感触を付与するためには、
1mm2 中に200 個以上のセルを含みかつ発泡倍率と関係
した式: 【0017】 【数1】 【0018】(式中、dは発泡体密度(g/cc)を表わ
し、0.02≦d≦0.08である)で表わされる個数のセルを
1mm2 中に含むことが好ましい。 【0019】発泡体密度d(g/cc)は水没法で発泡体の
容量を測定することにより求めたものであるが、0.02〜
0.08が好ましい。0.02未満であると、セルの連泡化が発
生しやすく均一微細なセルを有する粒子を安定にえるこ
とが困難となり、0.08を超えると、発泡倍率が低いので
発泡体が堅くなりソフトな感触がえられなくなっていず
れも好ましくない。 【0020】かかる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を
さらに発泡成形し、成形体として使用すると公知の方法
でえられるスチレン含浸重合ポリオレフィン系発泡体の
ように緩衝性能が良く、繰返し圧縮に耐え、耐薬品性に
優れるなどの特性を維持し、スライスした時の表面が美
麗で滑らかでソフトである。さらに、セル径が均一微細
化しているためセルの収縮や座屈が起りにくく、また高
発泡体がえられ、弾性に富み、圧縮、曲げに強い特性を
示す。 【0021】以上記述したごとく、本発明による発泡体
は、衝撃に弱い物や表面が傷付きやすい物の包装材とし
て非常に利用価値の高いものである。 【0022】以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳
しく説明するが本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。 【0023】実施例1〜4 エチレン- 酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量15%
(重量%、以下同様)、MI 1.5、ピカット軟化点67
℃、密度0.93(g/cc))をジクミルパーオキサイドで架橋
した架橋度77%の粒子100gと0.1gのジクミルパーオキサ
イドを溶解したスチレン単量体100gとを1リットル反応
器に入れ、ついでリン酸カルシウムを2.0g、乳化剤とし
てドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを0.1g添加し、50
0gの純水を加えて撹拌分散したのち130 ℃に昇温し、13
0 ℃で4時間保持してスチレン単量体を架橋エチレン-
酢酸ビニル共重合体に含浸重合せしめることにより、平
均粒径約1.2mm のスチレン含浸重合粒子をえた。 【0024】えられたスチレン含浸重合粒子を切断し、
テトラハイドロフラン中に24時間浸漬してスチレンのほ
ぼ全量を抽出したのちの切断面を電子顕微鏡で撮影した
写真(10000 倍)のスケッチ図が図1である。図1に示
すごとくスチレンポリマーが多数の非常に小さな粒子と
して分散していた。 【0025】かかるスチレン含浸重合粒子に50℃で、飽
和ジクロロジフルオロメタン雰囲気下、ジクロロジフル
オロメタンを含浸させて発泡性粒子とし、公知の加圧バ
ッチ式予備発泡機を用いて0.4 kg/cm2 Gの水蒸気圧
下、4秒、6秒、8秒、10秒間それぞれ加熱することに
より発泡せしめて表1に示すごとく4種の密度を有する
発泡粒子をえた。えられた発泡粒子のセル数を測定し、
結果を表1に示す。 【0026】えられた発泡粒子のセルはいずれも均一微
細であり、スライス面はザラザラした触感がなく、軟ら
かで美麗であった。 【0027】 【表1】 【0028】比較例1〜2 実施例1〜4で用いたのと同じエチレン- 酢酸ビニル共
重合体100gおよびジクミルパーオキサイド2g とベンゾ
イルパーオキサイド0.5gとを溶解したスチレン単量体10
0gを1リットル反応器に入れ、ついでピロリン酸マグネ
シウム1g 、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸
ソーダ0.4gを添加し、500gの純水を加えて撹拌分散した
のち80℃に昇温し、80℃で4時間保持してスチレン単量
体を含浸重合せしめた。ついで140 ℃に昇温し3時間保
持することにより架橋を行なって、平均粒径約1.2mm の
スチレン含浸重合粒子をえた。 【0029】えられたスチレン含浸重合粒子の切断面を
実施例1〜4と同様にして電子顕微鏡で撮影した写真
(10000 倍)のスケッチ図が図2である。図1と対比す
るとスチレンポリマー粒は粒径が不均一で、大粒子が多
く、数が少ないことがわかる。 【0030】ついで実施例1〜4と同様にしてジクロロ
ジフルオロメタンを含浸させたのち0.5kg/cm2 Gの水
蒸気圧下、それぞれ4秒、7秒間加熱して発泡せしめる
ことにより、表2に示す2種の発泡粒子をえ、それらの
セル数を測定した。結果を表2に示す。発泡粒子のセル
はいずれも大きく目視でき、不均一で数も少なかった。
また、それらのスライス面の触感は硬くザラザラしてい
た。 【0031】 【表2】 【0032】実施例5〜7および比較例3 低密度ポリエチレン(MI 1.5、ピカット軟化点95℃、
密度0.924(g/cc))を表3に示すごとく4種の添加量のジ
クミルパーオキサイドで架橋した粒子140gと0.3gのベン
ゾイルパーオキサイドを溶解したスチレン単量体60g と
を実施例1〜4と同様にしてそれぞれ1リットル反応器
中に分散させ、90℃で2時間スチレン単量体を含浸せし
めたのち、130 ℃に昇温して4時間保持することにより
スチレン単量体の重合を行ない、それぞれ平均粒径約2.
7mm のスチレン含浸重合粒子をえた。かくしてえられた
スチレン含浸重合粒子に60℃で、飽和ジクロロジフルオ
ロメタン雰囲気下、ジクロロジフルオロメタンを含浸さ
せて発泡性粒子とし、公知の加圧バッチ式予備発泡機を
用いて1.2 kg/cm2 Gの水蒸気圧下、それぞれ12秒間加
熱して4種の発泡粒子をえた。えられた発泡粒子の架橋
度、発泡粒子密度、セル数を測定し、それらの結果を表
3に示す。 【0033】 【表3】【0034】表3から明らかなように架橋度が低くなる
につれセルの連泡化が起り、発泡粒子が収縮し、セルの
変動幅が大きくなるため、架橋度の下限は15%程度であ
ることがわかる。 【0035】実施例8 低密度ポリエチレン(MI 1.5、ピカット軟化点95℃、
密度0.921(g/cc))の50%架橋粒子100 部に対し、0.5 %
のベンゾイルパーオキサイドを溶解したスチレン単量体
を表4に示すごとくそれぞれ0、10、15、20、30部含浸
せしめたのち実施例5〜7と同様にして重合することに
より、平均粒径約2mmのスチレン含浸重合粒子をえた。
ついで該粒子に実施例5〜7と同様にしてジクロロジフ
ルオロメタンを含浸し加圧バッチ式予備発泡機を用いて
1.2 kg/cm2 Gの水蒸気圧下、それぞれ10〜15秒の範囲
で加熱時間を調整して密度0.039 〜0.038g/ccの5種の
発泡粒子をえた。 【0036】えられた発泡粒子のセル数を調べたのち該
粒子を24時間養生して40mm×150mm×200mm の閉鎖しえ
るが密閉しえない金型に充填し、圧力1.0 kg/cm2 Gの
水蒸気で20秒間加熱することにより成形体を作製した。
該成形体を70℃で5時間乾燥したのちナイフでスライス
し、そのスライス面を調べた。結果を表4に示す。 【0037】 【表4】【0038】スチレン含浸量10部以上では粒子間および
粒子内でのセル径の変動がほとんどなくスライス面の外
観は、セルが均一美麗で表面感触も非常に良好であっ
た。 【0039】実施例9〜11および比較例4 エチレン- 酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量10%、
MI 1.5、ピカット軟化点73℃、密度0.93(g/cc))をジ
クミルパーオキサイドで架橋した架橋度52.4%の粒子2
kgを40リットル反応器に入れ、50g のピロリン酸マグネ
シウム、10g のドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを添
加し、25リットルの純水を加えて分散せしめた。その混
合液にスチレン単量体をそれぞれ1.8kg 、3.6kg 、5.4k
g 、 7.2kg添加し、80℃で3時間加熱することによりス
チレン単量体をそれぞれ含浸させた。ついで3%のベン
ゾイルパーオキサイドを溶解したスチレン単量体を順に
0.2kg 、0.4kg 、0.6kg 、0.8kg それぞれ80℃に維持し
つつ1時間かけて添加したのち、110 ℃に昇温し5時間
保持することにより重合せしめてそれぞれ平均粒径約2
mmのスチレン含浸架橋ポリエチレン粒子をえた。えられ
た粒子に60℃で飽和ジクロロフルオロメタン雰囲気下、
それぞれジクロロフルオロメタンを含浸させて発泡性粒
子とした。 【0040】それらの発泡性粒子を加圧バッチ式発泡機
中0.8 〜1.2 kg/cm2 Gの水蒸気圧下17秒間加熱して4
種の密度0.024(g/cc) の粒子をえた。それらのセル数を
調べた結果を表5に示す。 【0041】 【表5】【0042】スチレン含浸量が増加するにつれてセル径
が大きくなり、その上限は約300 部であった。 【0043】実施例12〜16 エチレン- 酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量5%、
MI2、ピカット軟化点83℃、密度0.92(g/cc))をジク
ミルパーオキサイドで架橋した架橋度64.7%の粒子10kg
とスチレン単量体10kgとを80リットルの重合機に入れ40
g のリン酸カルシウムと8g のドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダを添加し、40リットルの純水を加えて分散さ
せたのち、140 ℃に昇温し5時間保持して、架橋粒子に
スチレン単量体を含浸させるとともに残存ジクミルパー
オキサイドでスチレン単量体を重合させ粒径0.25〜10mm
のスチレン含浸架橋ポリエチレン粒子をえた。該粒子に
60℃で表6に示す発泡剤の飽和ガス雰囲気下、それぞれ
発泡剤を含浸させ加圧バッチ式発泡機を用いて0.5 kg/
cm2 Gの水蒸気圧下8秒間加熱することにより、それぞ
れ発泡粒子を5種えた。かくしてえられた発泡粒子の密
度、セル数を調べ、それらの結果を表6に示す。 【0044】 【表6】 【0045】n-ブタンまたはiso-ブタンを発泡剤として
使用したばあい、該発泡剤を含浸せしめたのち養生しな
いとセルが連泡化して発泡しないので、閉鎖容器内で半
日養生したのち発泡せしめた。 【0046】ジクロロフルオロメタンを発泡剤として発
泡せしめた粒子を閉鎖しえるが密閉しえない金型に入れ
て成形体を作製した。えられた成形体の密度は0.0268(g
/cc)であり、触感がソフトで弾力性に富み表面性に優れ
スライス面も滑らかでソフトな成形体であった。 【0047】図3は該成形体のスライス面の顕微鏡写真
(15倍)のスケッチ図、図4は公知の方法でポリエチレ
ン- 酢酸ビニル共重合体にスチレン単量体を含浸し、架
橋せしめた市販の発泡成形体(商品名ピオフレックス、
積水化成品工業(株)製)のスライス面の顕微鏡写真
(15倍)のスケッチ図である。 【0048】図3に示された本発明の方法による発泡体
からえられた成形体では、セルが図4に示された成形体
のセルより遥かに均一微細であることが明らかである。 【0049】 【発明の効果】本発明の方法による架橋ポリオレフィン
系樹脂発泡体を発泡成形し、成形体として使用すると、
公知の方法でえられるスチレン含浸重合ポリオレフィン
系発泡体のように緩衝性能が良く、繰返し圧縮に耐え、
耐薬品性に優れるなどの特性を維持し、スライスした時
の表面が美麗で滑らかでソフトである。さらに、セル径
が均一微細化しているためセルの収縮や座屈が起りにく
く、また高発泡体がえられ、弾性に富み、圧縮、曲げに
強い特性を示す。 【0050】以上記述したごとく、本発明の方法による
発泡体は、衝撃に弱い物や表面が傷付きやすい物の包装
材として非常に利用価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例でえられたスチレン含浸重合粒
子の断面組織の電子顕微鏡写真(10000 倍)のスケッチ
図である。 【図2】従来法でえられたスチレン含浸重合粒子の断面
組織の電子顕微鏡写真(10000倍)のスケッチ図であ
る。 【図3】本発明の実施例でえられた発泡体から作製され
た成形体の断面組織の顕微鏡写真(15倍)のスケッチ図
である。 【図4】従来法でえられた市販の発泡成形体の断面組織
の顕微鏡写真(15倍)のスケッチ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:02 25:00

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 架橋度が15〜80%のポリオレフィン系樹脂100 重量
    部にスチレン系単量体10〜300 重量部を含浸させ、重合
    させ、ついでえられたスチレン含浸重合架橋ポリオレフ
    ィン系樹脂に発泡剤を含浸させ、発泡せしめることを特
    徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製法。 2 発泡剤が低沸点のハロゲン化炭化水素である特許請
    求の範囲第1項記載の製法。
JP4157806A 1992-06-17 1992-06-17 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製法 Expired - Lifetime JPH0672193B2 (ja)

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