JPH0613609B2 - アリ−レンスルフイドポリマ−の製法 - Google Patents

アリ−レンスルフイドポリマ−の製法

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JPH0613609B2
JPH0613609B2 JP59208039A JP20803984A JPH0613609B2 JP H0613609 B2 JPH0613609 B2 JP H0613609B2 JP 59208039 A JP59208039 A JP 59208039A JP 20803984 A JP20803984 A JP 20803984A JP H0613609 B2 JPH0613609 B2 JP H0613609B2
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はアリーレンスルフィドポリマーの製法に関す
る。
ポリフェニレンスルフィドを代表とするアリーレンスル
フィドポリマーは特公昭45−3368号に開示されて
いる如き方法で製造されている。即ち、N−メチルピロ
リドン等の有機溶媒中でp−ジクロルベンゼンと硫化ナ
トリウムを反応して得た樹脂液を反応容器から取り出
し、次いで溶媒を除いて製造されている。この方法で得
られるポリフェニレンスルフィドは極めて低重合度であ
りこのままでは使用に適さず、工業的にはこの低重合度
ポリマーを空気中で加熱し、酸化架橋させ、三次元架橋
により高分子量化して射出成形用などの実用用途に使用
されている。しかしこの高分子量化されたものでも押出
成形性に劣り、繊維、フィルム、パイプ、シートなどの
用途には使うことができなかった。
又、重合反応により比較的高分子量のアリーレルスルフ
ィドポリマーを得る方法も既に公知である。すなわち、
特開昭53−136100、特開昭51−14449
5、特開昭51−144497、特開昭56−2821
7号に示される如く、各種の重合助剤の存在下で重合反
応を行なうことにより比較的高分子量のポリマーが得ら
れる。
しかしながら、多くの用途においては従来よりも更に狭
い範囲の分子量分布を有する比較的高分子量アリーレン
スルフィドポリマー、時に低分子量成分を含まないアリ
ーレンスルフィドポリマーが要求されている。これを目
的とする特許も既に開示されている。すなわち特公昭4
8−16078には低分子量ポリフェニレンスルフィド
ポリマーを適当な溶剤で溶剤抽出し回収し重合時モノマ
ーとともに使用することにより、より高い分子量のポリ
フェニレンスルフィドを得る方法が示されている。しか
しながらこの方法にはいくつかの問題点がある。第1
に、重合工程の後で溶媒抽出工程が必要なことである。
すなわち、重合工程により製造される生成物は低分子量
ポリマーと高分子量ポリマーとの混合物であり、これを
分別するためには別に溶媒抽出工程が必要となる。この
抽出工程はN−メチルピロリドンを用いて135〜148.9℃
の温度範囲で、あるいは79.4〜148.9℃の温度
範囲におけるベンゼンを用いて、また110〜148.9℃の温
度範囲におけるトルエンおよびその類似物で行ない、抽
出溶媒が重合溶媒と異なる場合は勿論であるが、同じ場
合でも抽出温度が重合温度と異なる。第2にはこの特許
の実施例から明らかな如く、きわめて低分子量のアリー
レンスルフィドポリマーしか分別できず、残分の樹脂液
中のポリマーが比較的低分子量のポリマーを多く含むた
め分子量分布の狭い比較的高分子量のポリマーを得るこ
とが難しいことである。
本発明者らは鋭意検討の結果、アミド系極性溶剤中でポ
リハロ芳香族化合物とスルフィド化剤とを適宜条件を選
択して重合せしめることにより比較的高分子量ポリマー
のスラリー層又は分散層と比較的低分子量ポリマーの含
有層とが別個に存在し、分別し得ることを見い出し、本
発明に到達した。
すなわち、本発明はアミド系極性溶媒中で、重合助剤の
存在下ポリハロ芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応
せしめた後、比較的高分子量ポリマーのスラリー層もし
くは分散層(I)と比較的低分子量ポリマーの含有層(II)
とからなる生成樹脂液から該層(I)又は該層(II)を分別
することを特徴とするポリアリーレンスルフィドポリマ
ーの製法を提供する。
本発明の方法で用いるポリハロ芳香族化合物は芳香核に
直接接合した2個以上のハロゲン原子を有するハロゲン
化芳香族化合物であり、具体的にはp−ジクロルベンゼ
ン、m−ジクロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ト
リクロルベンゼン、テトラクロルベンゼン、ジクロルナ
フタレン、トリクロルナフタレン、ジブロムベンゼン、
トリブロムベンゼン、ジブロムナフタレン、ジヨードベ
ンゼン、トリヨードベンゼン、ジクロルジフェニルスル
ホン、ジブロムジフェルスルホン、ジクロルベンゾフェ
ノン、ジブロムベンゾフェノン、ジクロルジフェニルエ
ーテル、ジブロムジフェニルエーテル、ジクロルジフェ
ニルスルフィド、ジブロムジフェニルスルフィド、ジク
ロルビフェニル、ジブロムビフェニル等およびこれらの
混合物が挙げられる。通常はジハロ芳香族化合物が使用
され、好適にはp−ジクロルベンゼンが使用される。
尚、分岐構造によるポリマーの粘度増大を図るために、
1分子中に3個以上のハロゲン置換基をもつポリハロ芳
香族化合物を少量ジハロ芳香族化合物と併用させてもよ
い。
本発明で用いられるスルフィド化剤としては、硫化アル
カリ金属化合物あるいはイオウ源と水酸化アルカリ金属
化合物の併用等が挙げられる。
硫化アルカリ金属化合物としては硫化リチウム、硫化ナ
トリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウ
ム、およびこれらの混合物が含まれる。かかる硫化アル
カリ金属化合物は水和物および/または水性混合物とし
て、あるいは無水の形として用いることができる。な
お、硫化アルカリ金属中に微量存在する重硫化アルカリ
金属、チオ硫酸アルカリ金属と反応させるために少量の
水酸化アルカリ金属を加えても問題ない。尚、硫化アル
カリ金属化合物としては1〜2水塩の硫化ナトリウムが
好ましい。
イオウ源としては、例えば水硫化アルカリ金属化合物、
硫化水素、チオアミド、チオ尿素、チオカルバネート、
チオカルボン酸、二硫化炭素、チオカルボキシレート、
イオウ、五硫化燐等である。好ましいイオウ源としては
水硫化アルカリ金属化合物である。特に水硫化アルカリ
金属化合物としては、水硫化リチウム、水硫化ナトリウ
ム、水硫化カリウム、水硫化ルビジウム、水硫化セシウ
ムおよびこれらの混合物が含まれる。かかる水硫化アル
カリ金属化合物は水和物および/または水性混合物ある
いは無水の形で用いることができる。かかる水硫化アル
カリ金属化合物としては水硫化ナトリウムが好ましく、
水酸化アルカリ金属化合物と併用して用いられるが、該
化合物の代わりにN−メチル−4−アミノ酪酸ナトリウ
ム又は炭酸アルカリ金属化合物を併用しても良い。
又、水酸化アルカリ金属化合物としては、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジ
ウム、水酸化セシウムおよびこれらの混合物が挙げら
れ、水酸化ナトリウムが好ましい。
尚、イオウ源と水酸化アルカリ金属化合物との割合はイ
オウ元素1モルに対して水酸化アルカリ金属化合物0.
8〜3.0モルが適当である。特に水酸化アルカリ金属
化合物を併用する場合その使用量は水硫化アルカリ金属
化合物1.00モルに対し0.9〜1.2モルの範囲が
適当である。又、N−メチル−4−アミノ酪酸ナトリウ
ムを併用する場合のその使用量はアルカリ金属水硫化物
1.00モルに対し0.9〜1.2モルの範囲が適当で
ある。
上記硫化アルカリ金属化合物又は水硫化アルカリ金属化
合物の各水和物を使用する場合には予め溶媒中で脱水せ
しめた後に反応に用いる必要がある。尚、水硫化アルカ
リ金属化合物の脱水の際には水酸化アルカリ金属化合物
又はN−メチル−4−アミノ酪酸ナトリウムを共存せし
めた方がよい。
本発明の方法において使用される有機アミド系極性溶媒
としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−
エチル−2−ピロリドン、N−メチル−ε−カプロラク
タム、ヘキサメチルホスホルアミド等あるいはこれらの
混合物より選択される。これらの溶媒のうちではN−メ
チル−2−ピロリドン(NMP)が特に好ましい。
本発明で用いられるスルフィド化剤の使用量はジハロ芳
香族化合物1モルに対してイオウ元素が0.8〜1.2
モル、好ましくは0.9〜1.1モルとなるように選択
される。又、有機極性溶媒の使用量はジハロ芳香族化合
物に対するモル比で2.5ないし20の範囲で、好まし
くは3ないし10の範囲である。
重合助剤としては有機スルホン酸金属塩、ハロゲン化リ
チウム、カルボン酸金属塩、リン酸アルカリ塩がある。
有機スルホン酸金属塩は下記一般式I〜IVに示される群
から選ばれる。
(式中、R3は水素もしくは炭素数1ないし30のアルキ
ル基、nは0,1あるいは2の整数をあらわし、Mはナ
トリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムから選
ばれたアルカリ金属をあらわし、Xは直接結合、−CH2
−、−C(CH3)2−、−O−、−S−、 からなる群から選ばれることを示す。)これらのスルホ
ン酸金属を構成する酸基成分の具体例としては、ベンゼ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2,4−ジメ
チルスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン
酸、p−エチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼン
スルホン酸、α−ナフタレンスルホン酸、ビフェニルス
ルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ラウリルベ
ンゼンスルホン酸およびアルキルジフェニルエーテルジ
スルホン酸などが挙げられる。これらのスルホン酸の塩
は無水塩あるいは水和塩のいずれでもよいし、また水溶
液でもかまわないが、本発明の目的から無水塩のものが
好ましいことは言うまでもない。
ハロゲン化リチウムは塩化リチウム、臭化リチウム、沃
化リチウム、及びその混合物より選ばれる。
有機カルボン酸金属塩のカルボキシル基を除く有機基は
通常、その炭素数が1ないし50であり、また窒素、酸
素、ハロゲン、ケイ素、イオウを含んでいてもよく、好
ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基お
よびアルキルアリール基である。また、有機カルボン酸
金属塩の金属原子はリチウム、ナトリウム、カリウム、
ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、亜
鉛、ストロンチウム、カドミウム、バリウムから選ば
れ、特にアルカリ金属が好ましい。有機カルボン酸金属
塩の具体例としては、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、
酢酸カリウム、プロピオン酸リチウム、プロピオン酸ナ
トリウム、2−メチルプロピオン酸リチウム、酪酸ルビ
ジウム、吉草酸リチウム、吉草酸ナトリウム、ヘキサン
酸セシウム、ヘプタン酸リチウム、2−メチルオクタン
酸リチウム、ドデカン酸カリウム、4−エチルエトラデ
カン酸、ルビジウム、オクタデカン酸ナトリウム、ヘン
エイコサン酸ナトリウム、シクロヘキサンカルボン酸リ
チウム、シクロドデカンカルボン酸セシウム、3−メチ
ルシクロペンタンカルボン酸ナトリウム、シクロヘキシ
ル酢酸カリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウ
ム、安息香酸ナトリウム、m−トルイル酸カリウム、フ
ェニル酢酸リチウム、4−フェニルシクロヘキサンカル
ボン酸ナトリウム、p−トリル酢酸カリウム、4−エチ
ルシクロヘキシル酢酸リチウム、コハク酸二リチウム、
コハク酸二ナトリウム、コハク酸二カリウム、アジピン
酸二リチウム、アジピン酸二ナトリウム、アジピン酸二
カリウム、セバシン酸二リチウム、セバシン酸二ナトリ
ウム、セバシン酸二カリウム、デカンジカルボン酸二リ
チウム、デカンジカルボン酸二ナトリウム、デカンジカ
ルボン酸二カリウム、フタル酸二リチウム、フタル酸二
ナトリウム、フタル酸二カリウム、イソフタル酸二リチ
ウム、イソフタル酸二ナトリウム、イソフタル酸二カリ
ウム、テレフタル酸二リチウム、テレフタル酸二ナトリ
ウム、テレフタル酸二カリウム、トリメリット酸三リチ
ウム、トリメリット酸三ナトリウム、トリメリット酸三
カリウム、ピロメリット酸四リチウム、ピロメリット酸
四ナトリウム、ピロメリット酸四カリウム、トルエンジ
カルボン酸二リチウム、トリエンジカルボン酸二ナトリ
ウム、トルエンジカルボン酸二カリウム、ナフタレンジ
カルボン酸二リチウム、ナフタレンジカルボン酸二ナト
リウム、ナフタレンジカルボン酸二カリウム、酢酸マグ
ネシウム、酢酸カリシウム、安息香酸カルシウム、その
他の同種類の塩およびそれらの混合物が挙げられる。
リン酸アルカリ塩は下記一般式V〜VIに示される群から
選ばれる。
式中R4は水素、C1〜C20のアルキル、C5〜C20のシクロア
ルキル、C6〜C24のアリール、C7〜C24のアルカリール、
C7〜C24のアラルキル、C2〜C24のアルケニル、C2〜C20
のアルキニル又はC5〜C20のシクロアルケニルであり、
Mはアルカリ金属好ましくはナトリウムである。本発明
に適したリン酸アルカリ塩としてはリン酸三ナトリウム
および次の酸の二ナトリウム塩である。メタンフォスフ
ォン酸、エタン−1−フォスフォン酸、プロパン−1−
フォスフォン酸、ブタン−1−フォスフォン酸、ブタン
−2−フォスフォン酸、ペンタン−1−フォスフォン
酸、シクロヘキサン−1−フォスフォン酸、ビニル−1
−フォスフォン酸、プロペン−2−フォスフォン酸、ブ
テン−2−フォスフォン酸、インデン−2−フォスフォ
ン酸、フェニルメタンフォスフォン酸、(4−メチル−
フェニル)−メタン−フォスフォン酸、β−ナフチル−
メタンフォスフォン酸、2−フェニル−エタン−1−フ
ォスフォン酸、2,2−ジフェニル−エタン−1−フォ
スフォン酸、4−フェニル−ブタン−1−フォスフォン
酸、2−フェニル−エチレン−1−フォスフォン酸、
2,2−ジフェニルエチレン−フォスフォン酸、フェニ
ル−アセチレン−フォスフォン酸、4−フェニル−ブタ
ンジエン−フォスフォン酸、ベンゼン−フォスフォン
酸、4−メチル−ベンゼン−フォスフォン酸及び2−フ
ェノキシ−エタン−1−フォスフォン酸。
これらの重合助剤はすくなくとも一種類以上使用するこ
とが必要である。また、その種類としては有機スルホン
酸アルカリ塩および有機カルボン酸塩が好ましい。特
に、有機スルホン酸アルカリ塩と有機カルボン酸塩を併
用することが最も好ましい。
かかる重合助剤の使用量は重合時のアミド系極性溶媒に
溶解する範囲内で使用することが好ましい。溶解限度以
上に使用しても分離を促進せず不必要である。本発明の
方法で使用できる重合助剤の添加量は用いる化合物の種
類により異なるが、通常ポリハロ芳香族化合物に対して
1ないし300重量%、好ましくは5ないし200重量%
の範囲である。
かかる重合助剤の効果はただ単に重合反応活性の向上の
みでなく重合系におけるポリマーの系への溶解性を変え
るため比較的高分子量ポリマーと比較的低分子量ポリマ
ーの各濃厚層を生ぜせしめ、加えて比較的高分子量ポリ
マー濃厚層に於けるポリマーの活性末端が高濃度化する
ことによって反応速度が増大し、両者が相乗してより高
分子量のポリマーを濃厚に含む層を生成せしめるものと
推察する。
本発明で重合が行なわれる反応温度は一般に200℃〜
330℃、好ましくは210℃〜300℃である。圧力は
重合溶媒および重合モノマーであるハロ芳香族化合物を
実質的に液相に保持するような範囲であるべきであり、
一般に1.1kg/cm2〜200kg/cm2、好ましくは1.1
kg/cm2〜20kg/cm2の範囲より選択される。反応時間は
温度および圧力により異なるが、一般に10分ないし約
72時間の範囲であり、望ましくは1時間ないし48時
間である。
重合反応は不活性雰囲気下、例えば窒素ガス、二酸化炭
素中で行なうのが好ましく、又、各反応成分の混合の順
序には特に制限はなく、重合工程に際して上記成分を部
分的に少量づつあるいは一時に添加することにより行な
われる。また重合反応途中あるいは重合終了時に二酸化
炭素を吹き込むのが好ましく、これはポリアリーレンス
ルフィドの分解を防止し、生成ポリマーの高分子量化に
寄与するのみならずN−メチルピロリドンの分解防止に
も効果がある。
本発明に於いて、比較的高分子量ポリマー(以下、単に
高分子量ポリマーと略す)のスラリー層もしくは分散層
(I)と比較的低分子量ポリマー(以下、単に低分子量ポ
リマーと略す)の含有層とからなる樹脂層を形成し、各
層を分別するためには、以下に示す如き条件を選択する
のが好ましい。勿論、以下に示す条件以外でも層分離が
生じる条件であれば採用することができる。
前記アミド系極性溶媒/生成ポリマー比が重量比で20/
1乃至1/2の範囲である。この比が20/1を越えるとき高
分子量ポリマーも低分子量ポリマーも単一層に存在し、
2層分離しない。また比が1/2未満のとき高分子量ポリ
マーと低分子量ポリマーとが層分離せずに均一層であ
り、分別取出しは不可能である。かかる比は20/1乃至1
/1であることが好ましい。尚、かかる比は重合時に設定
されていても良いが、少なくとも分別時には調整される
必要がある。
重合助剤/アミド系極性溶媒比(前記アミド系極性溶媒
/生成ポリマー比は一定)は、溶媒及び重合助剤の種類
により異なるが、一般に重量比で2/1乃至1/20である。
この比が2/1を越えると、重合助剤及びポリマーが溶媒
に溶解せず、層分離せずに均一層であり、また、比が1
/20未満のとき、分離効果が十分でなく高分子量ポリマ
ー成分と低分子量成分が単一層に存在し本発明の目的を
逸脱する。尚、かかる比は重合時に設定されていても良
いが、少なくとも分別時には調整される必要がある。
また、分別時の温度は130℃乃至270℃の温度であ
る。130℃より低い温度では高分子量ポリマーと低分
子量ポリマーとが分離せず、単一層に存在し分別できな
いことになる。又、270℃より高い温度では、高分子量
ポリマーが溶解してスラリー又は分散状態とならない。
特に150乃至250℃が好ましい温度範囲である。
ポリマーの分別は、重合反応がある一定の度合以上に進
んだ時点でそのまま分別し、取出してもよく、また重合
時と分別取出時の条件が異なっていても前述の状態に合
致すれば差し支えない。たとえば、溶媒/ポリマー比に
ついては分別取出前に系内への追加仕込あるいは蒸留に
よる系外への除去などの操作によりその比を変動せしめ
ることも好適に行なうことができる。
分別取出の方法には特に制限はない。たとえば撹拌停止
状態または層流撹拌状態下でストロー方式でサンプル管
により高分子量ポリマー層または低分子量ポリマー層を
選択的に取出すことも可能であり、あるいは釜下部より
両層を選択的に順次分別して取出すことも可能である。
しかし、一般にアリーレンスルフィドポリマーの製造で
は高温で、必要により加圧して行なわれ、しかも取出し
を高温で行なうため、反応状態及び生成樹脂液の状態が
外部から見ることができない反応容器、例えばオートク
レーブ等を用いなければならない。そのため、本発明で
は生成樹脂液から高分子量ポリマー層及び低分子量ポリ
マー層を効率的に分離する観点から、高分子量ポリマー
層が主成分である取出し樹脂液のポリマーの対数粘度が
低分子量ポリマー層のポリマーの対数粘度に比べ対数粘
度の差が0.1以上、好ましくは0.15以上となるよ
うに分別されるのが好ましい。実質的には取出し重量割
合が30〜70重量%であるのが工業的に有利である。
勿論、反応容器の上部から低分子量ポリマー層を取出し
ても差しつかえなく、その際取出した樹脂液のポリマー
と反応容器に残存する樹脂液のポリマーとの対数粘度の
差が0.1以上、好ましくは0.15以上であり、取出
し重量割合が30〜70重量%となるように行なわれる
のが好適である。
本発明に於いて高分子量ポリマー層と低分子量ポリマー
層とを分離する方法として、両層を検出できるセンサー
で用いることもできる。これらのセンサーとしては両層
の物理的性質の差すなわち、比重、粘度、誘電率、導電
率屈折率、光透過率、色差などがある。また両層の重量
をあらかじめ予測し、取出量あるいは残存量の変化を測
定することにより分別取出を行なうことも可能である。
分別取出ができる方法であればよく、このような方法に
とくに拘わるものではない。
本発明によって取り出された樹脂液からポリマーを採取
する方法は通常の方法で差しつかえない。例えば、樹脂
液から蒸留もしくはフラッシュにより溶媒を除去し、次
いで水あるいはアセトン、メタノールなどの貧溶媒で洗
浄して精製ポリマーを得ることができる。
本発明の製造方法は低分子量ポリマー分をほとんど含ま
ない高分子量ポリマーを製造することができる。勿論低
分子量ポリマーの濃厚層を取り出した場合には高分子量
ポリマーをほとんど含まない低分子量ポリマーを製造す
ることができる。本発明によって得られる高分子量のア
リーレンスルフィドポリマーは、空気中で加熱架橋処理
する必要がないのは勿論、従来時に高分子量ポリマーが
必要であった繊維、シート、フィルム管、チューブなど
の押出成形用、ブロー成形用に用いることができる。ま
た、当然のことながら従来品の主要途である射出成形も
しくは圧縮成形用途にも用いることができる。
必要ならば本発明によって得られるアリーレンスルフィ
ドポリマーに充填剤、顔料、難燃剤、安定化剤、他のポ
リマーと配合することも好適である。例えば、機械強度
および耐熱性を向上させるためにガラス繊維を配合する
こともできる。
以下、本発明の方法を実施例に従って説明する。アリー
レンスルフィドポリマーの対数粘度値〔η〕は0.4g
/100ml溶液なるポリマー濃度において、α−クロル
ナフタレン中206℃で測定し、式 に従い算出した値である。
尚、例中の%は重量基準である。
実施例1 容器の最下部に取出口を有する50オートクレーブに
N−メチルピロリドン14.36Kg(145モル)、水酸
化ナトリウム0.028Kg(0.7モル)、60%硫化
ソーダフレーク4.33Kg(33.3モル)およびp−
トルエンスルホン酸ナトリウム5.43Kg(26.7モ
ル)を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら160℃よ
り205℃まで2時間を要して徐々に昇温して水1.2
1Kg、N−メチルピロリドン0.13Kgからなる留分を
系外に除去した。そののち、p−ジクロルベンゼン4.
9Kg(33.3モル)、1,2,4−トリクロルベンゼン
0.006Kg(0.033モル)およびN−メチルピロ
リドン3.6Kg(36.3モル)を加えた。次いで22
0℃で1時間、更に260℃、圧力10Kg/cm2で3時間
反応せしめた。
反応容器の上部から生成樹脂液の表層部分の一部を取
り、ポリマーの対数粘度を測定したところ、0.13で
あった。又、反応容器の最下部から樹脂液をサンプリン
グして同様にポリマーの対数粘度を測定したところ0.
310であった。
その後温度を230℃まで下げ、撹拌を停止し反応釜の
上部よりサンプル管を下ろして生成樹脂液の上部に先端
を入れた。その上部から取出を開始し、主として低分子
量ポリマーを含む樹脂液を2.62Kg取出容器K1に取
出した。
次いで、取出量と同重量のN−メチルピロリドンを残存
する主に高分子量ポリマーを含むスラリー状の樹脂液に
添加し撹拌した。次いで取出口の下部に取出用容器K2
をセットし、撹拌停止して残りの全量(樹脂分散液)を
取り出した。K1及びK2のそれぞれについてポリマー
の量及び対数粘度を測定した。これを実験No.1とし
た。
次いで、オートクレーブの上部からの樹脂液取出量及び
N−メチルピロリドン追加量を表1に示すように変える
以外は実験No.1と同様にして実験No.2〜10を行なっ
た。
各実験の結果を表1に示す。
表1からわかるように、高分子量ポリマーと低分子量ポ
リマーの分別取出が可能であった。
実施例2 実施例1の実験No.5を3回繰り返した。その結果を表
2に示す。
表2からわかるように再現性は良好であった。
実施例3及び実施例4,比較例1 実施例に於ける取出温度及び取出割合を表3に示す条件
に代え、取出時に反応釜を窒素ガスにて2Kg/cm2の圧力
まで加圧して実施した。高分子量ポリマーを含む樹脂液
は取出し時樹脂が分散状態であった。表4の比較例1に
於ては、高分子量ポリマーと低分子量ポリマーとが層分
離せずに均一層であり、分別取出は不可能であった。
実施例5,比較例2 本実施例及び比較例は、溶媒/ポリマー比(重量比)を
変化させたものである。
実施例5に於ては、重合助剤に安息香酸ナトリウムを用
い、表4の仕込量で、実施例1と同様の条件で反応させ
た。系外に留出した成分は水0.44Kg、N−メチルピ
ロリドン0.051Kgであった。低分子量ポリマー分の
取出量を表4に示すように実施するために実験を5回行
なった。溶媒/ポリマー比の調整は重合後に溶媒を追加
して行なった。高分子量ポリマーを含んだ分散層と、低
分子量ポリマーを含んだ液層との分別取出が可能であっ
た。
比較例2に於ては、重合助剤に安息香酸ナトリウムを用
い、表4の仕込量で、実施例1と同様の条件で反応させ
た。系外に留出した成分は水0.34Kg、N−メチルピロリ
ドン0.039Kgであった。実施例5と同様に取出量を
変えた実験を5回行なった。溶媒/ポリマー比の調整
は、重合後に溶媒を追加して行なった。比較例2に於て
は、高分子量ポリマーと低分子量ポリマーとが単一層に
存在しており、分別されなかった。
尚、実施例1は、溶媒/ポリマー比が5/1のものであ
る。
比較例3 比較例3に於ては、重合助剤にp−トルエンスルホン酸
ナトリウムを用い、実施例1と同様の条件で反応させ
た。低分子量ポリマー分の取出量を表5に示すように変
えるために実験を5回行なった。溶媒/ポリマー比の調
整は、重合後に溶媒を蒸留により除去して行なった。高
分子量ポリマーと低分子量ポリマーとが層分離せずに均
一層であり、分別取出は不可能であった。
実施例6,比較例4及び比較例5 本実施例及び比較例は、溶媒/ポリマー比(重量比)を
実施例1と同様の5/1に固定し、重合助剤/溶媒比(重
量比)を変化させたものである。実施例1の重合助剤/
溶媒比は1/3.3である。
実施例6及び比較例4にかかる各実験での仕込量、留出
量及び取出量は表6に示した。又、比較例5のそれは表
7に示した。
(実施例6に於ては高分子量ポリマーを含んだ分散層
と、低分子量ポリマーを含んだ液層との分別取出が可能
であった。) 比較例4に於ては、重合助剤及びポリマーが溶媒に溶解
せず、層分離しないで均一層であり、分別取出も出来な
かった。
比較例5に於ては、高分子量ポリマーと低分子量ポリマ
ーとが単一層に存在しており、分別取出出来なかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミド系極性溶剤中で、重合助剤の存在下
    ポリハロ芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応せしめ
    た後、比較的高分子量ポリマーのスラリー層もしくは分
    散層(I)と比較的低分子量ポリマーの含有層(II)とから
    なる生成樹脂液から該層(I)又は該層(II)を分別するこ
    とを特徴とするポリアリーレンスルフィドポリマーの製
    法。
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