JPH0613587B2 - N−置換マレイミド系共重合体の製造法 - Google Patents

N−置換マレイミド系共重合体の製造法

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JPH0613587B2
JPH0613587B2 JP14504784A JP14504784A JPH0613587B2 JP H0613587 B2 JPH0613587 B2 JP H0613587B2 JP 14504784 A JP14504784 A JP 14504784A JP 14504784 A JP14504784 A JP 14504784A JP H0613587 B2 JPH0613587 B2 JP H0613587B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は成形材料に適した熱可塑性樹脂の製造法に関す
る。
(従来技術) ゴムにアクリロニトリル、スチレンをグラフト重合せし
めたゴム変性熱可塑性樹脂には、いわゆるABS樹脂、
AAS樹脂として知られているものがある。これらは加
工性、機械的強度、表面光沢、耐薬品性などのすぐれた
性能を有しているため、今日広く用いられているが使用
分野においては十分なる耐熱性を有しているとは言い難
い。そこでα−メチルスチレンを導入することにより、
耐熱性を改良できることが古くから知られており、α−
メチルスチレン−アクリロニトリル共重合体やα−メチ
ルスチレン−アクリロニトリル−メチルメタクリレート
共重合体をアクリロニトリル及びスチレンをゴム質重合
体にグラフトしたグラフト共重合体と混合する方法等が
提案されているが、この方法によっても耐熱性の向上に
は限界があり、昨今の自動車部品など耐熱性を必要とす
る分野には必ずしも満足できるものでない。
一方、スチレンなどのビニル系単量体にN−置換アルキ
ルマレイミドを共重合せしめた共重合体は高い熱変形温
度と熱分解温度を有しているが(高分子論文集、第36
巻,第7号,第447頁,1979年発行)耐衝撃性に
代表される機械的性質が劣る(L.E.Coleman
et al,j.polymer Sci、第38
巻,第241頁、1959年発行)ことが知られてい
る。そこで米国特許3721724号明細書では、ゴム
成分にマレイミド、オレフィン系不飽和ニトリル及び芳
香族ビニルを反応せしめる事によって得た衝撃強さと耐
熱性にすぐれる共重合体が記載されている。しかし、ゴ
ム成分存在下でマレイミドなどの重合反応を行なうこと
は著しく重合速度の低下を誘起し、又、ゴム成分との結
合に関与しない共重合体の量が増加するばかりでなく、
その分子量も低いものとなり易いため、所望の耐熱性を
付与せんとしてマレイミドの量を増せば、重合時間を長
くしなければならなくなると共に衝撃強さの低いものし
か得られない。
又、米国特許第3642949号明細書にはマレイミド
としてN−置換アルキルマレイミドとスチレンの共重合
体にゴム状重合体をベースとするグラフト共重合体を配
合した組成物が提案されている。このものはマレイミド
系共重合体とグラフト共重合体との相溶性を高めて、前
者の耐熱性と後者の耐衝撃性を両立せんとしているが、
未だ、十分な耐衝撃性を有しているとは言い難い。
そこで、N−置換マレイミド、芳香族ビニル並びにアク
リロニトリル又はメタクリル酸エステルの混合物を共重
合させて得られる共重合体とゴム状重合体をベースとす
るグラフト共重合体とをブレンドしてなる熱可塑性樹脂
組成物が提案され、優れた耐熱性と耐衝撃性を示すこと
が知られている(特開昭57−167341号公報には
ゴム状重合体としてブタジエンゴムについて、特開昭5
8−129043号公報にはゴム状重合体として特に、
ブタジエンゴム及びエチレン−プロピレン共重合体ゴム
について詳細に述べられる) ここに提案される熱可塑性樹脂組成物は、優れた耐衝撃
性及び耐熱性を示すものであるが、耐熱性及び耐衝撃性
成形材料としては、これらの両特性がさらに優れたもの
であることが必要とされる場合がある。すなわち、上記
提案においても耐衝撃性及び耐熱性の改善は不充分であ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記問題点を解決するものである。
すなわち、ゴム状重合体をベースとするグラフト共重合
体とブレンドしたときに、得られるブレンド物の衝撃強
さ及び耐熱性を同時に顕著に改善することができるN−
置換マレイミド系共重合体の製造法を提供するものであ
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、実質的に芳香族ビニルとN−置換マレイミド
の交互共重合体である二成分共重合体の存在下に、 (a)該共重合体中のN−置換マレイミド成分1モルに対
して、N−置換マレイミド単量体0.5〜4モル、 該N−置換マレイミド単量体1モルに対して、 (b)芳香族ビニル単量体3〜42モル、 (c)シアン化ビニル単量体2〜46モル 及び (d)メタクリル酸エステル単量体0〜4モルを共重合さ
せ、かつ該共重合に際し、上記N−置換マレイミド単量
体のうち、0〜50モル%は、上記共重合体と共に予め
存在させ、残りのN−置換マレイミド単量体は滴下しつ
つ、他の単量体は、上記共重合体と共に予め存在させ
て、又はN−置換マレイミド単量体と共に滴下して、共
重合反応を行なうことを特徴とするN−置換マレイミド
系共重合体の製造法に関する。ここで、他の単量体は、
上記共重合体と共に予め存在させて、またはN−置換マ
レイミド単量体と共に滴下してとは、他の単量体の全量
を上記共重合体と共に予め存在させること、他の単量体
の全量をN−置換マレイミド単量体と共に滴下すること
又は他の単量体の一部を上記共重合体と共に予め存在さ
せ、他の単量体の残りをN−置換マレイミド単量体と共
に滴下することを意味する。
上記二成分共重合体は、N−置換マレイミド単量体と芳
香族ビニル単量体の実質的に交互共重合体である。
上記二成分共重合体を製造するには、N−置換マレイミ
ド単量体と芳香族ビニル単量体を、溶液重合、塊状重
合、懸濁重合、乳化重合等任意の重合法により重合させ
て得られる。
この場合、N−置換マレイミド単量体同士又は芳香族ビ
ニル単量体同士の反応よりも、N−置換マレイミド単量
体と芳香族ビニル単量体との反応の方が速く、従ってこ
の重合によって、N−置換マレイミド単量体と芳香族ビ
ニル単量体の交互共重合体が生成する。
特に、芳香族ビニル単量体のうち、α−メチル−スチレ
ン又はその核置換体は、単独重合せず、従って、上記重
合によって、N−置換マレイミド単量体と芳香族ビニル
単量体の交互共重合体が生成する。
その他の芳香族ビニル単量体、例えば、スチレン等は、
単独重合可能であるがN−置換マレイミド単量体との反
応が速く、交互共重合体が生成されるが、N−置換マレ
イミド単量体がすべて反応したのち、芳香族ビニル単量
体のみの重合が起こるため、N−置換マレイミド単量体
の消費が終了した時点で速やかに反応を停止するのが好
ましい。
このように、上記二成分共重合体は、交互共重合体であ
るが、実質的に交互共重合体であれば、他のモノマーが
微量、好ましくは1モル%以下共重合されていてもよ
い。
上記N−置換マレイミド単量体としては、N−フェニル
マレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−ジメ
チルフェニルマレイミド、N−トリメチルフェニルマレ
イミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−フェニ
ルエチルマレイミド、N−ビフェニルマレイミド、N−
クロルフェニルマレイミド等のN−置換フェニルマレイ
ミド単量体、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイ
ミド等のN−置換アルキルマレイミド単量体等があり、
これらの中で、N−フェニルマレイミドが最も好まし
い。
上記芳香族ビニル単量体としてはスチレン、α−メチル
スチレン、核置換メチルスチレン、核置換ジメチルスチ
レン、核置換トリメチルスチレン、核置換t−ブチルス
チレン、核置換クロルスチレン、同様の核置換α−メチ
ルスチレンなどが挙げられるがスチレン及びα−メチル
スチレンが特に好ましい。
上記二成分共重合体の存在下に、N−置換マレイミド単
量体、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及び
必要に応じてメタクリル酸エステルが重合させられる。
この時の重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化
重合等任意の重合法が採用できる。
この重合においては、N−置換マレイミド単量体が生成
重合体の分子鎖の繰り返し単位として、分散した分布を
示すように、すなわち、N−置換マレイミド単量体を他
の単量体が交互共重合しないように重合させられる。そ
のために、N−置換マレイミド単量体は、重合系に滴下
しつつ反応させられる。他の単量体、すなわち、芳香族
ビニル系単量体、シアン化ビニル単量体及び必要に応じ
てメタクリル酸エステルは、上記二成分共重合体と共に
重合系に存在させても、N−置換マレイミド単量体と共
に滴下されてもよい。これは、N−置換マレイミド単量
体は、他の単量体との反応速度が速く、その反応速度を
調整して、この重合によって得られる重合体の分子鎖内
におけるN−置換マレイミド単量体成分の分布を適度に
分散させるためである。
また、このために、上記N−置換マレイミド単量体1モ
ルに対して、芳香族ビニル単量体3〜42モル%、シア
ン化ビニル単量体2〜46モル及びメタクリル酸エステ
ル0〜4モルの割合で使用されるのが好ましい。このよ
うな配合は、得られる共重合体の分子鎖中に、N−置換
マレイミド単量体が適度に分散するためだけでなく、耐
熱性と共に、耐衝撃性、加工流動性等の改善のために必
要である。すなわち、芳香族ビニル単量体が少なすぎる
と加工流動性が低下しやすくなり、多すぎると耐熱性、
衝撃強さが低下しやすくなる。シアン化ビニルが少なす
ぎると引張強度、曲げ強度、衝撃強さ等の機械的強度、
耐薬品性が低下しやすくなり、多すぎると耐熱性、加工
流動性が低下しやすくなる。
また、メタクリル酸エステルは使用してもよいが、多す
ぎると重合速度が著しく低下し、また最終重合率も低下
する。さらに得られた共重合体は、ゴムをベースとする
グラフト共重合体との相溶性が悪くなり、衝撃強さが低
下しやすくなる。
この重合に際し、N−置換マレイミド単量体のうち0〜
50モル%好ましくは、0〜25モル%は、予め、上記
二成分共重合体と共に存在させてもよい。この場合、重
合初期には、N−置換マレイミド単量体と他の単量体と
の交互共重合体が生成しやすいが、重合後期には上記し
たようにN−置換マレイミド単量体成分が適度に分子鎖
中に分散された共重合体が得られ、初期に生成する交互
共重合体の生成は、本発明の効果を低下させることはな
い。
また、この重合に際し、好ましくは、N−置換マレイミ
ド単量体は、他の単量体に溶解させて使用される。これ
は、N−置換マレイミド単量体は常温で固形であり、反
応を円滑に行なわせるためである。従って、N−置換マ
レイミド単量体を適当な有機溶剤に溶解させて使用して
もよい。
また、重合法としては、乳化重合が好ましい。これは、
他の重合法に比べて乳化重合法によれば高分子量の共重
合体が得られやすいためである。
なお、上記二成分共重合体とその存在下に反応させる単
量体は、該共重合体を構成するN−置換マレイミド成分
1モルに対して、単量体のうちN−置換マレイミド単量
体が0.5〜4モルになるように配合される。このような
配合をはずすと、本発明の効果である耐熱性及び耐衝撃
性が低下しやすくなる。
本発明に係る熱可塑性樹脂の製造法として好ましい方法
は、上記二成分共重合体の製造にひきつづいて、上記重
合を行なうことである。これについて次に詳述する。
まず、N−置換マレイミド単量体1モルに対して、芳香
族ビニル単量体を1/3モル以上、好ましくは1モル以
上配合して共重合させる。ここで、配合及び重合のさせ
方としては、N−置換マレイミド単量体と芳香族ビニル
単量体を予め混合してから重合してもよく、N−置換マ
レイミド単量体に芳香族ビニル単量体を滴下しつつ重合
してもよく、場合によりN−置換マレイミド単量体を芳
香族ビニル単量体に滴下しつつ重合させてもよい。
このようにして製造される二成分共重合体は、実質的に
交互共重合体である。このような共重合体を製造するに
際し、N−置換マレイミド単量体と反応させる芳香族ビ
ニル単量体としてα−メチルスチレン又はその核置換誘
導体を用いた場合は、該単量体は単独重合しないので、
上記のうち、いずれもの方法でも交互共重合体のみが生
成する。しかし、芳香族ビニル単量体として、スチレン
等の単独重合可能な単量体を使用するときは、N−置換
マレイミド単量体がすべて反応した後、芳香族ビニル単
量体が過剰に存在する場合は、該単量体の重合が起こる
ので、速やかに次の重合反応が行なわれる。
ここで、上記重合反応で、N−置換マレイミドは50〜
100モル%、好ましくは100モル%反応させられ
る。この時に、未反応のN−置換マレイミド単量体及び
/又は芳香族ビニル単量体は、ひきつづいて行なわれる
重合の原料として使用される。この場合、N−置換マレ
イミド単量体は、上記未反応N−置換マレイミド単量体
が0〜50モル%、好ましくは0モル%であって、上記
反応N−置換マレイミド単量体1モルに対して、0.5〜
4モルになるように追加配合される。芳香族ビニル単量
体は、上記未反応N−置換マレイミド単量体及び追加配
合されたN−置換マレイミド単量体の総量1モルに対し
て3〜42モルになるように追加配合され、場合によ
り、上記未反応分のみを使用し、追加配合されない。ま
た、シアン化ビニル単量体及びメタクリル酸エステル単
量体は、上記N−置換マレイミド単量体総量1モルに対
して、それぞれ、2〜46モル及び0〜4モルになるよ
うに配合される。
新たに追加配合されるN−置換マレイミド単量体、芳香
族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及びメタクリル
酸エステル単量体は、これらを均一な溶液として使用
し、第1の重合にひきつづき、滴下しつつ重合させるの
が好ましい。
以上のような重合法により、上記二成分共重合体の製造
工程を、分離された別工程とする必要がないため、工程
が簡略化されるので好ましい。
以上の重合法において、重合触媒としては、乳化重合で
は、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモ
ニウム等の過硫酸塩、キュメンハイドロパーオキサイ
ド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等
の水溶性過酸化物等、これらとレドックス系触媒を形成
する化合物との組合せなどがあり、他の重合法では、ベ
ンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド等
の油溶性過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のア
ゾ系触媒を用いることができる。これらは、通常、単量
体に対して0.05〜5重量%使用される。
また、乳化重合を行なう時、乳化剤としては、アニオン
系、カチオン系又はノニオン系界面活性剤が使用でき、
特に、アニオン系界面活性剤が好ましく、具体的には、
ラウリル硫酸ナトリウム,オレイン酸カリウム,不均化
ロジン酸カリウム,ジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等がある。
これらは、単量体に対して0.5〜7重量%使用される。
連鎖移動剤として、n−ドデシルメルカプタン,t−ド
デシルメルカプタン,キサントゲンジスルフィド,テル
ペン,テトラヒドロナフタレン等を重合系に添加しても
よい。これらは、単量体に対して0.01〜3重量%使用さ
れるのが好ましい。
乳化重合により共重合を終了したのち、共重合体を単離
するには、ラテックスと塩化カルシウム、硫酸マグネシ
ウム、硫酸アルミニウム等の塩析剤を混合し、塩析した
のち、過等により行なうのが好ましい。上記混合は、
塩析剤の温水水溶液に、上記ラテックスを滴下して行な
うのが好ましい。
塩析剤は、ラテックス固形分に対して、1〜15重量%
使用されるのが好ましい。
重合に際し、温度は40〜90℃が好ましい。また、溶
液重合及び単量体又は二成分共重合体を溶解させる場合
に使用される有機溶媒としては、メチルエチルケトン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン、テトラヒドロフラン等がある。
本発明により得られたN−置換マレイミド系共重合体
は、ゴムをベースとするグラフト共重合体とブレンドし
た時に、優れた耐衝撃性及び耐熱性を示す。
ここで、ゴムをベースとするグラフト共重合体とは、ゴ
ム状重合体の存在下に、芳香族ビニル単量体、シアン化
ビニル単量体及び必要に応じてメタクリル酸エステル単
量体をグラフト共重合体させて得られたものである。
ゴム状重合体としては、ポリブタジエンゴム,アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR),スチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)等のジエン系ゴ
ム,ポリブチルアクリレート,ポリ2−エチルヘキシル
アクリレート等のアクリル系ゴム,およびエチレン−プ
ロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)等を用いることが
できる。
アクリルゴムは、トリアリルイソシアヌレート,トリア
リルシアヌレート,ジビニルベンゼン,エチレングリコ
ールジメタクリレート等の多官能不飽和化合物、過酸化
物によって架橋されているのが好ましい。
芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及びメタク
リル酸エステル単量体としては、上記に例示したものと
同じものが使用できる。
上記グラフト共重合体は、公知方法によって行なうこと
ができる。例えば乳化重合法、塊状重合法、溶液重合
法、塊状−懸濁重合法等により行なうことができる。
ゴム状重合体とグラフトさせる単量体の割合は、ゴム状
重合体20〜80重量部に対し、単量体総量が80〜2
0重量部となるようにするのが好ましく、単量体は、芳
香族ビニル単量体50〜90重量%、シアン化ビニル単
量体10〜50重量%及びメタクリル酸エステル0〜2
0重量%で全体が100重量%になるように配合される
のが好ましい。このような配合割合の時に、特に、上記
N−置換イミド系共重合体との相溶性が優れ、したがっ
て、ブレンド物は衝撃強さが優れる。
上記N−置換マレイミド系共重合体とグラフト共重合体
のブレンドは、各粉末又はペレットをロール,スクリュ
ー,バンバリーミキサー,ニーダーなどで溶融混練する
方法、各々がラテックス状で存在するときは、両ラテッ
クスを混合後、塩析、脱水、乾燥を行なう方法、共に溶
液状で存在するときは両溶液を混合後揮発分を除去する
方法などによって行なうことができる。このような混練
又は混合に際して必要ならば酸化防止剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、顔料、ガラス繊維、可塑剤などを添加でき
る事は勿論である。更に押出し成形、射出成形などによ
って所望の成形品を作る事が可能で、そのすぐれた耐熱
性、機械的特性などを特徴として自動車部品、工業部
品、家電部品など広い用途への展開ができる。
(作用) 本発明で得られるN−置換マレイミド系共重合体は、N
−置換マレイミド単量体と芳香族ビニル単量体の二成分
共重合体を核として、N−置換マレイミド、芳香族ビニ
ル単量体,シアン化ビニル単量体及び場合によりメタク
リル酸エステル単量体の共重合体が生成されており、従
って、耐熱性に優れた核とそれを取りまく、ゴムをベー
スとするグラフト共重合体との相溶性の良好な共重合体
からなる。核を取りまく共重合体は、N−置換マレイミ
ド単量体成分が適当に分散されているため、ゴム状重合
体との相溶性が阻外されることなく、また、N−置換マ
レイミド系共重合体の耐熱性を低下させない。また、場
合により、上記二成分共重合体に、これを取りまく共重
合体がブロック共重合しているものが一部生成し、これ
は、本発明の効果をさらに高める作用を有する。
(実施例) 次に本発明の実施例及び比較例を示す。
参考例1 グラフト共重合体(B−1)の重合 窒素置換した反応器に脱イオン水240重量部、オレイ
ン酸カリウム0.4重量部、ナトリウムホルムアルデヒド
スルホキシレート0.16重量部、硫酸第一鉄0.004重量
部、エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム0.016重
量部、固形分換算でポリブタジエン60重量部を加え6
0℃に加熱攪拌した後アクリロニトリル10重量部、ス
チレン30重量部をキュメンハイドロパーオキサイド0.
16重量部、t−ドデシルメルカプタン0.28重量部と共に
4時間に亘り連続的に添加した。添加終了後、更に2時
間重合を継続した。重合終了後のラテックスの固形分か
ら重合率を計算したところ98%であった。
参考例2〜7 参考例1のグラフト共重合体(B−1)の重合において
表1に示すように配合を変える以外同様の方法でグラフ
ト共重合体(B−2)〜(B−7)を合成し、実施例2
と同様に熱可塑性樹脂(A−2)を配合し、物性を測定
した結果を表6に示した。
なお、参考例6及び7で使用したアクリルゴムは次のよ
うにして製造されたものである。
参考例8 アクリルゴムC−1の重合 窒素置換した反応器に脱イオン水200重量部、オレイ
ン酸ナトリウム2重量部、過硫酸カリウム0.1重量部、
亜硫酸ナトリウム0.02重量部を加え、60℃に加熱攪拌
した後、アクリル酸ブチル98重量部、トリアリルイソ
シアヌレート2重量部からなる単量体混合物を加え4時
間反応させ、その後さらに、80℃に昇温し3時間反応
させてアクリルゴムラテックスを得た。
参考例9 アクリルゴムC−2の重合 窒素置換した反応器に脱イオン水140重量部、ポリブ
タジエンラテックスを固形分換算で30重量部、過硫酸
カリウム0.04重量部、亜硫酸ナトリウム0.004重量部、
オレイン酸ナトリウム1重量部を加え60℃に加熱攪拌
した後、アクリル酸ブチル70重量部、トリアリルイソ
シアヌレート1.4重量部からなる単量体混合物を加え4
時間反応させ、アクリルゴムラテックスを得た。
比較例1 熱可塑性樹脂(A−1)の重合 窒素置換した反応器に脱イオン水300重量部、ラウリ
ル硫酸ナトリウム1.5重量部、過硫酸カリウム0.15重量
部、亜硫酸ナトリウム0.015重量部を加え60℃に加熱
攪拌した後、α−メチルスチレン62重量部、アクリロ
ニトリル23重量部、N−フェニルマレイミド15重量
部及びt−ドデシルメルカプタン1重量部からなる単量
体及び連鎖移動剤混合物を2時間に亘り、連続的に添加
した。添加終了後さらに3時間重合を継続した。重合終
了後のラテックスの固形分から重合率を計算したところ
97%であった。
このラテックスを95℃に加温した4%硫酸マグネシウ
ム水溶液中へ滴下して塩析し、脱水、乾燥後酸化防止剤
を加え、スクリュー押出機でペレットとした後射出成形
機にて試験片を作り、各物性とガラス転移点(動的損失
率の温度分散のピークより求めた。周波数10Hz)を求
め結果を表2に示した。
また、熱可塑性樹脂(A−1)のラテックスとグラフト
共重合体(B−1)のラテックスをそれぞれ固形分換算
で67重量部、33重量部の比率で混合した後、比較例
1と同様に塩析、脱水、乾燥後、押出し、射出成形によ
り試験片を作り、各物性を測定した。結果を表2に示し
た。
実施例1 熱可塑性樹脂(A−2)の重合 窒素置換した反応器に脱イオン水300重量部、ラウリ
ル硫酸ナトリウム1.5重量部、過硫酸カリウム0.15重量
部、亜硫酸ナトリウム0.015重量部を加え、60℃に加
熱攪拌した後、α−メチルスチレン50重量部にN−フ
ェニルマレイミド5重量部を溶解した単量体混合物を加
え、30分間重合を行なう。この時、ラテックスの固形
分から重合率を計算したところ15重量%であり、ま
た、N−フェニルマレイミドは100%反応していた。
以上を前段重合という。また、これより後の重合を後段
重合という。前段重合にひきつづき、a−メチルスチレ
ン12重量部、アクリロニトリル23重量部、N−フェ
ニルマレイミド10重量部及びt−ドデシルメルカプタ
ン1重量部からなる単量体及び連鎖移動剤混合物を2時
間に亘り連続的に添加した。添加終了後さらに3時間重
合を継続した。重合終了後のラテックスの固形分から重
合率を計算したところ97%であった。以下比較例1と
同様に塩析、脱水、乾燥後、スクリュー押出機にてペレ
ットとした後、射出成形機にて試験片を作り各物性とガ
ラス転移点(動的損失率の温度分散のピークより求め
た。周波数10Hz)を求め結果を表2に示した。
上記配合において、前段重合におけるN−フェニルマレ
イミド1モルに対して、α−メチルスチレンは前段重合
時14.7モル、後段重合時添加分3.52モル、アクリロニト
リル15.0モル、N−フェニルマレイミド(後段重合時添
加分)2モルの割合になる。
熱可塑性樹脂(A−2)のラテックスとグラフト共重合
体(B−1)のラテックスをそれぞれ固形分換算で67
重量部及び33重量部の比率で混合した後、比較例1と
同様に塩析、脱水、乾燥後押出し、射出成形により試験
片を作り、各物性を測定した。結果を表2に示した。ま
た、グラフト共重合体(B−1)の代わりにグラフト共
重合体(B−2)〜(B−7)を使用して同様に行なっ
た結果を表3に示す。
実施例2〜4 実施例1においてN−フェニルマレイミドに替えて、N
−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド及びN−メ
チルフェニルマレイミドを同重量使用した以外、同様の
方法で熱可塑性樹脂A−3〜A−5を合成した。さら
に、実施例1と同様に、これらとグラフト共重合体(B
−1)を配合し、物性を測定した結果を表4に示した。
実施例5〜10及び比較例2〜10 実施例1において、前段重合及び後段重合における単量
体及び連鎖移動剤の組成を表5に示すように換えて、他
は実施例1に準じて熱可塑性樹脂(A−6)〜(A〜2
0)を合成した。
これらの熱可塑性樹脂(A−6)〜(A〜20)とグラ
フト共重合体(B−1)を実施例1と同様にして配合
し、物性を測定した結果を表6に示す。
また、実施例7で得られた熱可塑性樹脂(A−8)80
重量部と参考例5で得られたグラフト共重合体(B−
5)20重量部を並びに実施例8で得られた熱可塑性樹
脂(A−10)35重量部と参考例4で得られたグラフ
ト共重合体(B−4)65重量部を、実施例1と同様に
して配合し、物性を測定した結果を表7に示す。
(発明の効果) 本発明により、ゴムをベースとするグラフト共重合体と
の相溶性が優れ、該グラフト共重合体とブレンドした時
にブレンド物の耐熱性及び耐衝撃性が優れたN−置換マ
レイミド系共重合体を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に芳香族ビニルとN−置換マレイミ
    ドの交互共童合体である二成分共重合体の存在下に、 (a)該共童合体中のN−置換マレイミド成分1モルに対
    して、N−置換マレイミド単量体0.5〜4モル、 該N−置換マレイミド単量体1モルに対して、 (b)芳香族ビニル単量体3〜42モル、 (c)シアン化ビニル単量体2〜46モル 及び (d)メタクリル酸エステル単量体0〜4モルを共重合さ
    せ、かつ該共童合に際し、 上記N−置換マレイミド単量体のうち、0〜50モル%
    は、上記共重合体と共に予め存在させ、残りのN−置換
    マレイミド単量体は滴下しつつ、他の単量体は、上記共
    重合体と共に予め存在させて、又はN−置換マレイミド
    単量体と共に滴下して、共重合反応を行なうことを特徴
    とするN−置換マレイミド系共童合体の製造法。
  2. 【請求項2】N−置換マレイミド単量体を他の単量体に
    溶解させて使用する特許請求の範囲第1項記載のN−置
    換マレイミド系共重合体の製造法。
  3. 【請求項3】共童合を乳化重合法によって行なう特許請
    求の範囲第1項又は第2項記載のN−置換マレイミド系
    共重合体の製造法。
  4. 【請求項4】N−置換マレイミド単量体1モルに対し
    て、芳香族ビニル単量体1/3モル以上を配合して共重
    合させて芳香族ビニルとN−置換マレイミドの二成分共
    重合体を生成せしめ、該共重合においてN−置換マレイ
    ミド単量体の1/3モル以上が反応した時点で、 (a)反応したN−置換マレイミド単量体1モルに対して
    上記共重合反応における未反応N−置換マレイミド単量
    体が50モル%以下になり、該未反応分を含めてN−置
    換マレイミド単量体が0.5〜4モルになるように、 (b)該N−置換マレイミド単量体総量1モルに対して、
    上記共重合反応における未反応分を含めて芳香族ビニル
    単量体が3〜42モルになるように、 (c)該N−置換マレイミド単量体総量1モルに対してシ
    アン化ビニル単量体か2〜46モルになるように、 及び (d)該N−置換マレイミド単量体総量1モルに対してメ
    タクリル酸エステルが0〜4モルになるように 調整し、上記共重合にひきつづいて、これらを共重合さ
    せる特許請求の範囲第1項、第2項又は第3項記載のN
    −置換マレイミド系共重合体の製造法。
  5. 【請求項5】新たに追加して反応させる芳香族ビニル単
    量体、N−置換マレイミド単量体、シアン化ビニル単量
    体及びメタクリル酸エステル単量体は、これらを均一な
    溶液として、重合系に滴下しつつ共重合させる特許請求
    の範囲第4項記載のN−置換マレイミド系共垂合体の製
    造法。
  6. 【請求項6】芳香族ビニル単量体がα−メチルスチレン
    又はその核置換体てある特許請求の範囲第1項、第2
    項、第3項、第4項又は第5項記載のN−置換マレイミ
    ド系共垂合体の製造法。
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