JPH06135714A - 易焼結性アルミナ及びその製造方法 - Google Patents
易焼結性アルミナ及びその製造方法Info
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- JPH06135714A JPH06135714A JP4312657A JP31265792A JPH06135714A JP H06135714 A JPH06135714 A JP H06135714A JP 4312657 A JP4312657 A JP 4312657A JP 31265792 A JP31265792 A JP 31265792A JP H06135714 A JPH06135714 A JP H06135714A
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Abstract
易焼結性アルミナ及びその製造方法を提案するものであ
る。 【構成】 本発明の易焼結性アルミナは、水酸化アルミ
ニウム及び中間アルミナをスピネル化剤水溶液で処理し
た後に1000〜1400℃で焼成し、所望によって引
き続き希酸または希塩基で洗浄処理することによって製
造され、その表面に少量のスピネル層を形成したもので
ある。
Description
スピネル層を形成した易焼結性アルミナ並びにそれを得
るためのバイヤ−法水酸化アルミニウム及び/又は中間
アルミナを原料とした易焼結性アルミナの製造方法に関
するものである。
磨材、耐火物或いはIC基板等各種の焼結体原料として
汎用されているが、それらの用途の何れに於いても要求
品質が年々厳しくなっている。それへの主たる対応法と
して、焼結原料配合で工夫する方法或いは原料アルミナ
自体を工夫する方法がある。例えば、アルミナ焼結体を
得る際に、アルミナ焼結原料中にマグネシウム化合物を
配合することが特開昭58−223663号公報或いは
特開昭59−162170号公報等に提案されており、
スピネルの存在でアルミナの異常粒成長を抑制して従来
より高品位の焼結体を得ることが提案されている。しか
し、この方法でも、従来より低い焼結温度としたり微細
で均一な組織の焼結体を得ることが不十分であった。ま
た、アルミナ自体をより低温で焼結し易いアルミナとす
る方法としては、アルミナ自体を微粒状や特定の粒度配
合のものとすることが提案されているが、微粒化コスト
や微粒粉体の取扱性などの点から、限界に近づきつつあ
る。例えば、微粉砕アルミナを適用する方法もあるが、
このようなアルミナは、数十μm〜百数十μmレベルの
状態から1μm以下のレベルにするために、解砕更に進
んで粉砕操作を経て製造されている。しかし、このよう
なアルミナは、解砕及び粉砕操作に長時間必要として製
造コストがかさむと共に不純物が混入したり、得られた
アルミナ粒子の形状及び大きさも不揃いなものであるこ
とが多く、一定以上の高密度のものが得られ難いなどの
問題がある。一方、アルミナ表面にマグネシウムイオン
やカルシウムイオンを担持させるさせる方法も考えられ
るが、アルミナをスラリ−鋳込み法で成形する際に、ス
ラリ−粘度が経時的に上昇する現象が見られ、このため
高濃度スラリ−を調製して高密度焼結体を得ることが困
難である事実がある。更に、高品位の焼結体を得るため
に、用途に応じて、低ソ−ダ質(0.01重量%以下)
や低放射性元素質(0.05ppm以下)のアルミナを
適用することが試みられているが、そのための特別な工
程を経て製造されているため、原料コストが高くなると
いう問題がある。
於ける上記課題に対して種々検討した結果、アルミナ粒
子表面にスピネル層を形成することによって、易焼結性
アルミナを得ることが出来ることを見出したものであ
る。また、そのように表面処理したアルミナを引き続い
て希薄な酸又は塩基で洗浄処理することによって、表面
のスピネル層を溶解させることなく、スラリ−流動性の
改善や脱放射性元素化が可能であることを見出したもの
である。
は、主として表面にスピネル層を0.07〜1.05重
量%形成したアルミナであることを特徴とする易焼結性
アルミナである。また、第二発明は、水酸化アルミニウ
ム及び/又は中間アルミナを塩酸及び/又は塩化アルミ
ニウムと水溶性で且つ酸溶解性のマグネシウム塩とから
成るスピネル化剤水溶液で湿潤してMgO換算0.02
〜0.3重量%のマグネシウム塩を担持させた後、シャ
モット質容器に充填して1000〜1400℃で焼成す
ることを特徴とする易焼結性アルミナの製造方法であ
る。更に、本願の第三発明は、焼成後、引き続いて希酸
水溶液及び/又は希塩基水溶液で洗浄処理することを特
徴とする請求項2に記載の易焼結性アルミナの製造方法
である。
ニウムは、工業的に大量生産され安価に入手可能なバイ
ヤ−法によって製造されるギブサイト型水酸化アルミニ
ウムを用いることが経済的に有利である。また、原料中
間アルミナはそれを500〜1000℃で焼成して得た
α化率が10%以下であってBET比表面積が8〜10
0m2 /gのアルミナを用いるのが実用的であり、所望
によって原料としてこれらの両者の混合体を使用するこ
とも出来る。それらは、平均粒径5〜150μmのもの
が汎用的であり、アルミナ換算純度が99.6重量%以
上で全ソ−ダ含有量0.05〜0.4重量%、ウランや
トリウム等の放射性元素含有量が2ppm以下のものが
好ましい。このような水酸化アルミニウム及び/又は中
間アルミナ(以下、両者を含み「原料アルミナ」ともい
う)をスピネル化剤水溶液で湿潤処理する。スピネル化
剤水溶液は、塩酸及び/又は塩化アルミニウムと水溶性
で且つ酸溶解性のマグネシウム塩とから成る。この場
合、塩酸及び/又は塩化アルミニウムが原料アルミナ表
面を活性状態にすると共に原料アルミナの焼成時の吹き
溢れ防止剤として機能し、一方、マグネシウム塩がアル
ミナ表面のスピネル化剤として機能するものである。ス
ピネル化剤水溶液は、全体として、原料アルミナ1kg
に対して、塩酸及び/又は塩化アルミニウムを塩素イオ
ン(Cl- )として2〜20gの範囲になるように、ま
た水溶性で且つ酸溶解性のマグネシウム塩が酸化マグネ
シウムMgO換算で0.2〜3.0gの範囲となるよう
に、更に水が10〜200gの範囲となるように混合し
調合されたものを使用する。この場合、塩素源として塩
酸及び/又は、塩化アルミニウムが上記範囲になるよう
に添加されるが、20gを越えて添加する場合には添加
効果の向上も見られないばかりか焼成時の廃ガス中の塩
化水素量が多くなり使用設備を腐食したりして好ましく
なく、一方2g未満の添加量では添加効果が不十分であ
る。また、マグネシウム塩としては、塩化マグネシウ
ム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩基性炭酸
マグネシウム等の水溶性で且つ酸溶解性の化合物が使用
され、上記範囲になるように添加されるが、0.2g未
満での添加量の場合にはアルミナ表面でのスピネル形成
量が不十分で添加効果が見られず、一方3.0gを越え
て添加するときには,終結体の粒界のスピネル層が多く
なり機械的並びに電気的特性が低下するので好ましくな
い。更に、水の添加量は、原料アルミナ中の結晶水や付
着水等の水分量は対象外とし、上記範囲となるように、
例えば塩酸や塩化アルミニウム水溶液での水分或いはマ
グネシウム塩中の結晶水を引いた残り相当量が現実の添
加量となり、その量は原料アルミナを均一な湿潤状態に
するに必要な程度のものである。湿潤処理は、攪拌混合
機に原料アルミナを投入し、それにスピネル化剤水溶液
を添加して15〜35℃で30分〜5時間攪拌混合する
ことによって行い、これによりスラリ−が調製される。
得られたスラリ−は、所望によって100〜140℃で
2〜20時間乾燥処理する。次いで、該スラリ−または
その乾燥物を焼成容器に充填または充填しない状態でロ
−タリ−キルン・トンネルキルン・シャトルキルン・電
気炉等の焼成炉で1100〜1400℃で30分〜15
時間保持して焼成する。この場合、スラリ−またはその
乾燥物をシャモット質容器に充填して焼成するときに
は、原料アルミナ中の不純物が表面に拡散して来て後処
理でそれらの不純物を除去し易くなるので、より好まし
い状態となる。この際、1100℃未満の焼成ではスピ
ネル形成が不十分であり、1400℃を越えると生成ア
ルミナの一次粒子が成長して大きくなり焼結性が損なわ
れるようになるので好ましくない。焼成後は、所望によ
って、ボ−ルミル・振動ミル等の粉砕機で解砕処理し製
品とする。
スラリ−流動性の向上処理のための希酸水溶液による洗
浄処理、並びに脱放射性元素処理として希塩基水溶液に
よる洗浄処理を何れか一方またはその双方を行う。希酸
水溶液による洗浄処理は、塩酸・硫酸・硝酸等の鉱酸の
pH3〜6の水溶液を用い、15〜80℃でスラリ−濃
度100〜500g/リットルにて30分〜5時間攪拌
処理して行い、その後は濾過し水洗する。これによっ
て、焼結用グリ−ン体を調製する際の良好なスラリ−流
動性を保持することが容易となる。希塩基水溶液による
洗浄処理は、炭酸ソ−ダ・苛性ソ−ダ・アンモニア等の
pH8〜11の水溶液を用い、25〜100℃でスラリ
−濃度100〜500g/リットルにて30分〜5時間
攪拌処理して行い、その後は濾過し水洗する。これによ
って、表面から放射性元素が除去される。これらの希酸
水溶液及び希塩基水溶液による洗浄処理は、所望によっ
て、いずれか単独処理のみを施しても良いし、両者を共
に施しても良く、その処理順序も特に問わずいずれが先
でもよい。そして、後処理として濾過・水洗処理を行う
が、水洗に使用する水が工業用水である場合には、汚染
防止のために、使用水に0.1〜2.0g/リットルの
EDTAなどのキレ−ト化剤を添加するのが好ましい。
これらの洗浄工程を経た後は、前述のように常法によっ
て適宜乾燥・解砕・篩分け工程を経て製品とされる。
にスピネル層を0.07〜1.05重量%形成した平均
粒径0.4〜0.7μmの易焼結性アルミナであって、
1550〜1600℃でも容易に焼結する特性を保有す
る。また、焼成後に希酸水溶液で処理した場合には良好
なスラリ−流動性を保持するものとなり、成形加工作業
が容易となると共により高密度の焼結体が製造されるよ
うになる。他方、焼成後に希塩基水溶液で処理した場合
には放射性元素が除去されてIC基板に適用した場合に
α線による誤作動の発生がないものが得られるようにな
り、その双方の洗浄処理を行うときには双方の効果が共
に発揮される。
表層にスピネル(MgAl2 O4 )が存在するので、焼
結時に焼結体の全体で均一にアルミナの異常粒成長が抑
制されるので、閉気孔の発生や不均一な収縮等が防止さ
れ、例えば1550〜1600℃の焼結温度で焼結密度
が3.92g/cm3 以上の焼結体が安定して得られ
る。また、上述の第一の製造方法によりスピネル化剤水
溶液で湿潤・焼成処理する時には、付着する塩素イオン
が水酸化アルミニウムの400〜500℃での脱水によ
る急激な水蒸気の発生による焼成容器からの吹き溢れの
発生を抑制する効果を果たすと共にアルミナ表面を活性
にしてマグネシウム塩との反応性を高め、マグネシウム
塩がその活性化された水酸化アルミニウム及び中間アル
ミナの表面での化学反応が促進されスピネル層が適切に
形成される。また、焼成に際して、容器に充填せずにそ
のままの状態で焼成する場合と比較して、シャモット質
容器に充填して焼成することは、それによって生成アル
ミナ表面のナトリウムが揮散し易くなるのでより好まし
いものとなる。更に、スピネル層の形成後に希酸洗浄処
理すると、形成されたスピネル層が溶解されることな
く、ソ−ダ分等の酸溶解性不純物が除去されると共に、
表面の中間アルミナ(γ・δ・θ・κ・χ)相が予め十
分に再水和されるので、生スラリ−の調製時に再水和に
よるスラリ−粘度の上昇が無くなるために、スラリ−流
動性の経時的な変化がなく安定化し成形加工操作を安易
なものとなる。一方、スピネル層の形成後に希塩基洗浄
処理する場合には、形成されたスピネル層が溶解される
ことなくアルミナ表面に拡散して来た放射性元素が容易
に溶解除去されることになる。
体的に説明するが、これに限定されるものではない。ま
た、以下の実施例・比較例においては、共通して下記の
条件で試料調製及びその特性測定を行った。 (1)試料調製 原料水酸化アルミニウムとして、 全ソ−ダ(Na2 Oとして) 0.18重量% その他の金属不純物(酸化物として) 0.05重量% 放射性元素(Uとして) 0.2ppm 付着水分 8.0重量% であり平均粒度が70μm(篩粒度)のバイヤ−法水酸
化アルミニウムを共通して用いた。また、原料中間アル
ミナとしては、上記水酸化アルミニウムを1000℃で
10時間焼成して得たBET比表面積が20m2 /gで
α化率0%のものを使用した。これらの所定量の原料ア
ルミナをヘンシェルミキサ−に投入し、それに別途調製
したスピネル化剤水溶液を所定量加えて1時間混練し湿
潤処理した。得られたスラリ−を130℃で10時間乾
燥処理した後シャモット質容器に充填し、電気炉にて1
200℃で5時間保持して焼成処理し、α−アルミナを
得た。得られたアルミナを別途、酸及び塩基を用いて所
定条件での洗浄処理を施した後、200℃で12時間乾
燥処理して、表面処理したα−アルミナを得た。 (2)特性測定 上記によって得られたα−アルミナから1kgを分取し
たものを、内容積5.4リットルのポットを有する振動
ボ−ルミルで20mmφのアルミナボ−ル7500gを
入れた状態で16時間解砕処理し、特性測定用試料とし
た。また、特性の測定条件は以下の通りである。 1)スラリ−粘度:測定用α−アルミナ粉末900gを
純水162g、分散剤としてポリアクリル酸重合体(日
本化薬社製商品名カヤディスパ−C−72)9g、結合
剤としてアクリル酸エステル共重合体(日本化薬社製商
品名カヤバインダ−KS−900)27g及びセラミッ
クスボ−ル270gを用いて振動ボ−ルミルで20時間
混練した後、取り出して室温で24時間放置したものを
ビスコテスタ−で粘度測定した。 2)焼結特性:上記スラリ−粘度測定用に調製したスラ
リ−を用いて、成形圧力350kg/cm2 で20×4
0×9mmの板状に成形し、電気炉で所定条件下で焼結
処理した後、焼結密度を測定した。 3)ウラン含有量:iso−n−オクチルアミン抽出し
たものをフッ化ナトリウム蛍光光度法で測定した。
5重量%塩酸17.4gと硫酸マグネシウム1.1gを
200gの純水に添加して調製したスピネル化剤水溶液
を用いて、上記処理条件で処理して、α−アルミナを得
た。 実施例2 上記の水酸化アルミニウムを1000g用意し、塩化ア
ルミニウム(6水塩)13.7gと硝酸マグネシウム
(6水塩)2.3gを200gの純水に添加して調製し
たスピネル化剤水溶液を用いて、上記処理条件で処理し
て、α−アルミナを得た。 実施例3 上記の水酸化アルミニウムを1000g用意し、塩化ア
ルミニウム(6水塩)13.7gと塩化マグネシウム
(6水塩)1.8gを200gの純水に添加して調製し
たスピネル化剤水溶液を用いて、上記処理条件で処理し
て、α−アルミナを得た。 実施例4 上記の水酸化アルミニウムを1000g用意し、35.
5重量%塩酸17.4gと塩基性炭酸マグネシウム(3
水塩)3.3gを200gの純水に添加して調製したス
ピネル化剤水溶液を用いて、上記処理条件で処理して、
α−アルミナを得た。 実施例5 上記の水酸化アルミニウムを1000g用意し、塩化ア
ルミニウム(6水塩)13.7gと塩化マグネシウム
(6水塩)1.8gを200gの純水に添加して調製し
たスピネル化剤水溶液を用いて、上記処理条件で処理し
て、α−アルミナを得た。
ルミニウム(6水塩)13.7gのみを200gの純水
に添加して調製した水溶液を用いて、上記処理条件で処
理してα−アルミナを得た。 比較例2 比較例1で得たα−アルミナを振動ボ−ルミルで解砕す
るときに、塩基性炭酸マグネシウム(3水塩)を酸化マ
グネシウムとして0.055重量%になるように添加し
て、α−アルミナにマグネシウム塩が混合された粉末を
比較材として調製した。 比較例3 実施例1において、スピネル化剤水溶液中の硫酸マグネ
シウム量を11.0gとした以外は同様に処理した。以
上の結果得られた実施例及び比較例によるα−アルミナ
を用いて、それ自体の性状とその焼結特性を、上記条件
で測定した。その結果を表1に示す。
ルの水に35.5重量%塩酸28.2gを添加して調製
した希塩酸(pH3)中に投入し、25℃で1時間攪拌
処理し濾過した後、3倍容量の水で通水洗浄し、続いて
200℃で12時間乾燥処理した。 実施例7 実施例3で得られたα−アルミナ250gを、1リット
ルの水に炭酸ソ−ダ15.0gを添加して調製した希塩
基(pH11)中に投入し、60℃で1時間攪拌処理し
濾過した後、3倍容量の水で通水洗浄し、続いて200
℃で12時間乾燥処理した。 実施例8 実施例6で希塩酸処理し水洗した段階のα−アルミナ2
50gを、引き続いて1リットルの水に炭酸ソ−ダ1
5.0gを添加して調製した希塩基(pH11)中に投
入し、60℃で1時間攪拌処理し濾過した後、3倍容量
の水で通水洗浄し、続いて200℃で12時間乾燥処理
した。
1gとして、同様に処理した。 比較例5 実施例6において、希塩酸での洗浄に代えて、水洗のみ
として、以降同様に処理した。以上の結果得られた実施
例及び比較例によるα−アルミナを用いて、それ自体の
性状とその焼結特性を、上記条件で測定した。その結果
を表2に示す。
ミナとその製造方法に関するものであって、下記のよう
な効果が発揮され、工業的に極めて有用なものである。 (1)本願発明のアルミナは、その表面にスピネル層が
形成されているので、個々の粒子単位で易焼結性とな
り、比較的低温の1550〜1600℃の焼結温度でも
3.92g/cm3 以上の焼結密度の焼結体を安定的に
得ることが出来る。 (2)本願発明の第一の製造法によるときには、特定の
スピネル化剤水溶液を使用するので、焼成過程での焼成
容器からの粉末の吹き溢れ現象の発生を適切に抑制しな
がらスピネル化反応を発現させて、易焼結性アルミナを
経済的に得ることが出来る。 (3)また、第一の製造法での焼成工程に引き続いて希
酸洗浄を付加することによって、アルミナ焼結体を製造
する工程で生スラリ−を形成する時にスラリ−流動性が
経時的に変化しないので、例えば85重量%程度までの
高濃度スラリ−を調製し得るようになり、高密度で例え
ば30cm角レベルの大型の成形体の製造がより容易と
なる。また、これによって寸法精度の良好な焼結体が容
易に得られると共に、表面に拡散してきたソ−ダ分や鉄
分等が希酸洗浄の際に溶解除去されるので、焼結体の電
気特性も副次的に改善される。 (4)或いは、第一の製造法での焼成工程に引き続いて
希塩基洗浄を付加する時には、表面に拡散してきた放射
性元素が溶解除去されるので、本処理を施したアルミナ
を用いた焼結体はIC基板に適用するときにα線による
誤作動の発生がないようになる。それ故、IC基板用原
料アルミナ源として、特に従来のような高純度のものの
使用が望まれることなく、安価なアルミナ源の適用が可
能となる。 (5)更に、第一の製造法での焼成工程に引き続いて希
酸洗浄と希塩基洗浄との両工程を付加することによっ
て、個々の工程による効果を同時に発現させることが出
来る。
Claims (3)
- 【請求項1】 主として表面にスピネル層を0.07〜
1.05重量%形成したアルミナであることを特徴とす
る易焼結性アルミナ。 - 【請求項2】 水酸化アルミニウム及び/又は中間アル
ミナを塩酸及び/又は塩化アルミニウムと水溶性で且つ
酸溶解性のマグネシウム塩とから成るスピネル化剤水溶
液で湿潤してMgO換算0.02〜0.3重量%のマグ
ネシウム塩を担持させた後、所望によってシャモット質
容器に充填した状態としてから、1000〜1400℃
で焼成することを特徴とする易焼結性アルミナの製造方
法。 - 【請求項3】 焼成後、引き続いて希酸水溶液及び/又
は希塩基水溶液で洗浄処理することを特徴とする請求項
2に記載の易焼結性アルミナの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4312657A JP2658776B2 (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 易焼結性アルミナ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4312657A JP2658776B2 (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 易焼結性アルミナ及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06135714A true JPH06135714A (ja) | 1994-05-17 |
JP2658776B2 JP2658776B2 (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=18031856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4312657A Expired - Lifetime JP2658776B2 (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 易焼結性アルミナ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2658776B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001013424A1 (fr) * | 1999-08-12 | 2001-02-22 | Ibiden Co., Ltd. | Substrat en ceramique, element chauffant en ceramique, mandrin electrostatique et appareil de sondage de plaquette pour les dispositifs de fabrication et d'inspection des semiconducteurs |
CN115254025A (zh) * | 2022-08-19 | 2022-11-01 | 常州大学 | 一种印染污泥脱水剂制备及其调理印染污泥的方法 |
-
1992
- 1992-10-29 JP JP4312657A patent/JP2658776B2/ja not_active Expired - Lifetime
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EP1213753A1 (en) * | 1999-08-12 | 2002-06-12 | Ibiden Co., Ltd. | Ceramic substrate, ceramic heater, electrostatic chuck and wafer prober for use in semiconductor producing and inspecting devices |
US7078655B1 (en) | 1999-08-12 | 2006-07-18 | Ibiden Co., Ltd. | Ceramic substrate, ceramic heater, electrostatic chuck and wafer prober for use in semiconductor producing and inspecting devices |
CN115254025A (zh) * | 2022-08-19 | 2022-11-01 | 常州大学 | 一种印染污泥脱水剂制备及其调理印染污泥的方法 |
CN115254025B (zh) * | 2022-08-19 | 2024-04-05 | 常州大学 | 一种印染污泥脱水剂制备及其调理印染污泥的方法 |
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---|---|
JP2658776B2 (ja) | 1997-09-30 |
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