JPH0613566B2 - 末端に反応性硅素基を含有するポリビニルアルコ−ル系成形物 - Google Patents

末端に反応性硅素基を含有するポリビニルアルコ−ル系成形物

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JPH0613566B2 JP20458084A JP20458084A JPH0613566B2 JP H0613566 B2 JPH0613566 B2 JP H0613566B2 JP 20458084 A JP20458084 A JP 20458084A JP 20458084 A JP20458084 A JP 20458084A JP H0613566 B2 JPH0613566 B2 JP H0613566B2
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【発明の詳細な説明】 (A)本発明の技術分野 本発明は強度特性に優れるポリビニルアルコール系成形
物に関する。さらに詳しくは末端に反応性硅素基を有す
る特定のポリビニルアルコール系重合体を用いることに
より、水系溶液の形で成形乾燥等により水分を除去する
ことにより、末端の反応性硅素基の反応により、高分子
化さらには架橋することができ、強度のすぐれた成形物
を提供するものである。
(B)従来技術 通常のポリビニルアルコール系重合体(以下、ポリビニ
ルアルコールのことをPVAと略称することがある。)
を常法により水溶液の形で成形、乾燥した繊維、フイル
ム、シート、パイプ、チューブ、ベルト、発泡体等の成
形物は、その強度が大きく、かつ吸湿性、結露防止性、
帯電防止性、耐油性、ガスバリアー性にすぐれるなどの
特徴を生かして広範に使用されている。これらPVA成
形物は通常水溶液の形で乾式法、湿式法などで成形し、
水分を乾燥等により除去し、必要に応じ熱処理する成形
加工法により製造される。
(C)発明が解決しようとする問題点 成形加工時のコスト、加工性からはPVAの重合度を下
げて、水溶液粘度を下げ、あるいはPVA濃度を高くす
ることが望ましい。しかし重合度を下げると成形物の強
度が低下するので好ましくなく、重合度を下げても強度
の低下しない、言いかえれば同一重合度でより強度の高
いPVA成形物が望まれている。通常のPVAでは重合
度200以下のものから強度特性の高い成形物をえること
は困難であった。
(D)問題点を解決するための手段 本発明者らはより強度のすぐれたPVA系成形物、ある
いはより低重合度でも(より低水溶液粘度でも)強度の
高い成形物のえられるPVA系重合体について鋭意検討
した結果、下記〔I〕式で示される反応性硅素基を分子
末端に含有し、ビニルアルコール単位の含有量50モル%
以上およびビニルエステル単位の含有量50モル%未満で
あり、重合度50〜1000のポリビニルアルコール系重合体
(以下、末端硅素PVAと略記することがある。)より
なることを特徴とする成形物を見出し、本発明を完成さ
せるに到った。
〔ただし、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を示し、M
は水素、アルカリ金属またはアンモニウム基を示し、R
は−C−または−C−を示し、nは1〜
3の整数である。〕 ここでnは3または2が好ましく、特に3のものが硅素
基の反応性が大きく好ましい。
本発明の末端硅素PVAはビニルアルコール単位50モル
%以上を含む水溶性の重合体である。なお本発明で言う
水溶性とは完全に水に溶解するもの以外に一部不溶物を
含むが水に分散できる水分散性のものも包含する。
本発明の効果をより効率よく発揮させるためにはビニル
アルコール単位を好ましくは70モル%以上、さらに好ま
しくは95モル%以上含む重合体が望ましい。
ビニルアルコール単位以外の成分単位については、ビニ
ルエステル単位であり、その含有量は50モル%未満であ
る。
本発明の末端硅素PVAの重合度は50〜1000である。
本発明における末端硅素PVAの重合度は、水溶液素の
極限粘度〔η〕を30℃で測定し、桜田式より求められ
る。
桜田式;logP=1.613×log{〔η〕×104/8.33} 本発明の末端硅素PVAの製造法としては、例えば加水
分解により本発明の反応性の硅素基を与えるシリル基を
含有するチオール化合物共存下に酢酸ビニル等のビニル
エステル類をラジカル重合し、えられる末端にシリル基
を有するポリ酢酸ビニル等のポリビニルエステル類をけ
ん化し、ビニルエステル単位のけん化と同時にシリル基
を加水分解する方法により、製造することができる。
末端にシリル基を効率良く導入するためには重合系中の
シリル基を有するチオール化合物のビニルエステルモノ
マーに対する濃度をできるだけ一定に保持することが望
ましい。該チオール化合物の連鎖移動定数が大きいた
め、例えば該チオール化合物とビニルエステルモノマー
を混合し、そのまま該チオール化合物を後添加すること
なくバッチ重合すると、該チオール化合物が急激に消費
され、なくなってしまい、重合率が進むに従い末端にシ
リル基を含まないポリビニルエステルが多量に副生す
る。従ってこれをけん化したPVAも末端に反応性の硅
素基を有しないPVAが多量に混入したPVAしかえら
れず好ましくない。従って末端に効率良く硅素基が導入
されたPVAをえるためには重合中に消費されるシリル
基含有チオール化合物を後添加により補給し、ビニルエ
ステルモノマーに対する濃度を一定に保持することが好
ましい。
また連続重合法により一定の該チオール化合物とビニル
エステルを連続的に重合槽へ供給し重合溶液を連続的に
抜き取る方法も重合系中の該チオール濃度を一定に保持
することができ、末端にシリル基を効率よく導入できる
ので好ましい。
末端にシリル基を有するチオール化合物として、以下の
化合物が使用される。
〔ただし、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を示し、R
は炭素数1または2のアルコキシ基が挙げられ、R
は−C−またはC−を示し、nは1〜3の
整数である。〕 例えば3−(トリメトキシシリル)プロピルメルカプタ
ン、3−(トリエトキシシリル)プロピルメルカプタ
ン、2−(トリメトキシシリル)エチルメルカプタン、
3−(ジメトキシ−メチルシリル)−プロピルメルカプ
タン、3−(モノメトキシ−ジメチルシリル)−プロピ
ルメルカプタン等が挙げられる。
ビニルエステルの重合は通常のラジカル重合開始剤を用
いて行なわれる。重合に際しては重合系の粘度を下げる
目的で適当な溶媒を用いることができる。重合温度、時
間は適宜選択することができる。重合終了後、未重合の
残存ビニルエステルモノマーを分離除去した後、えられ
た末端にシリル基を有するポリビニルエステルを常法に
よりけん化する。通常メタノール等のアルコール中、塩
基性あるいは酸性触媒を加えけん化する方法が好まし
い。ビニルエステル単位のけん化度は触媒量、けん化時
間、温度等のけん化条件を適宜選択することにより制御
できる。このけん化反応の際に、末端基中のRが大部
分加水分解され、一般式〔I〕に変換される。一般式
〔I〕におけるMは水素、アルカリ金属またはアンモニ
ウム基である。
なおビニルエステルの重合時に、本発明の効果を損わな
い範囲で、共重合可能な不飽和単量体を共存共重合さ
せ、けん化することにより末端硅素PVA系共重合体を
えることができる。例えばエチレン、プロピレン、ブチ
レン、α−ヘキセン等のオレフィン、(メタ)アクリル
酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸等の不飽和酸、およびそのアルカリエステル、ア
ルカリ塩、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、アルキルビニルエーテル、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸
含有単量体及びそのアルカリ塩、トリメチル−2−(1
−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルエチル)ア
ンモニウムクロリド等のカチオン性単量体があげられ
る。
更にビニルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシ
ラン等のシリル基含有不飽和単量体を少量共重合するこ
とも出来る。しかしこの場合は得られる末端硅素PVA
の水溶性が阻害されない範囲にすることが好ましい。シ
リル基含有不飽和単量体を共重合し主鎖中にシリル基を
導入する方法ではシリル基の導入がランダムに行なわれ
るため分子間でシリル基の含量が不均一となり、けん化
したPVAとして平均の導入量よりも硅素基導入量の多
いポリマー成分が生成する。その結果末端と主鎖に多く
の硅素基を含むPVAは硅素基間の反応架橋も多く生成
するためと思われるが水に不溶となる。このため硅素基
間の反応により生成した結合を分解するアルカリ化合物
例えば水酸化ナトリウム等を添加する必要があり、成形
物の表面にアルカリ化合物がブリードしたり、また成形
物が着色するなどの欠点があるので共重合により導入す
る硅素基は水に不溶にならない少量にすることが好まし
い。
本発明の末端に硅素基を有するPVAは水のみで溶解で
きるのが大きな特徴であり、硅素基成分を分子鎖中に共
重合で導入したものと大きく異なる点である。この両者
の差は後述の実施例5と比較例6で具体的に説明するが
以下のことが考えられる。つまり本発明の末端硅素PV
Aは硅素基とPVAの水酸基との反応が主体となり、硅
素基間の反応が少ないため硅素基による架橋結合が水中
で比較的容易に分解し、溶解するのに対し、共重合体中
の硅素基は硅素基間の反応が多く、水中でも分解し難い
ため、水には溶解し難くなる欠点があるものと考えられ
る。
本発明の成形物とは末端に硅素基を有するPVAを溶解
した水溶液から乾式法、あるいは湿式法で水分を除去、
成形したフイルム、シート、ベルト、パイプ、チュー
ブ、発泡体、繊維などの成形物を包含するものである。
例えば該末端硅素PVA水溶液をドラム上あるいはベル
ト上に流延し乾燥することにより成形したフイルム、水
分を吸収含水させた該末端硅素PVAを加熱混練半溶融
した高濃度水溶液をスリット、ノズル等の口金から押出
した後、乾燥することにより成形したフイルム、シー
ト、パイプ、チューブ、ベルト、繊維などの成形物、該
末端硅素PVA水溶液をNa2SO4等の塩水溶液中に押出
し、凝固成形した後、乾燥するいわゆる湿式成形するこ
とにより成形したフイルム、繊維、また成形時に発泡剤
あるいは成形後抽出できる成分例えばでんぷん、ポリエ
チレングリコール等の水に易溶性のポリマーを混合して
混合成形し、発泡させるか成形後水洗により易水溶性ポ
リマーを抽出除去する方法等により成形した発泡体等が
挙げられる。
成形に際しては本発明の末端に硅素基を有するPVA以
外に他の水溶性のポリマー、例えば通常のPVA、他の
変性PVA、でんぷんなど、および顔料、可塑剤、潤滑
剤、消泡剤、防腐剤、紫外線吸収剤等の添加剤を必要に
応じ、本発明の目的を阻害しない範囲で添加することが
できる。
更に乾燥後必要に応じ熱処理すると強度が上昇し好まし
い。熱処理温度としては100℃以上好ましくは130℃以上
が望ましい。上限としては220℃以下好ましくは200℃以
下が望ましい。熱処理時間としては数秒以上で、熱処理
効果が認められる時間が適宜選ばれる。通常低温では長
時間、高温では時間を短くすることが望ましい。
(E)作用及び発明の効果 本発明は末端に特定の反応性硅素基を有するPVAより
なる成形物で、該PVAの末端硅素基が水溶液系ではほ
とんど反応架橋していないが、成形し水が除去されると
硅素基が反応架橋し高分子化する特性を有し、その結
果、水に容易に溶解し同一重合度の末端に硅素基のない
通常のPVAより強度特性のすぐれた成形物となるとい
う優れた特徴を有するものである。
すなわち水溶液系ではより重合度の低い、低粘度あるい
は高ポリマー濃度にできる特徴があり、成形物にすると
強度特性が高いものがえられるという特有の効果があ
る。
本発明の成形物が強度特性がすぐれる理由は十分解明さ
れてはいないが、本発明の末端反応性硅素基の特異な反
応性によるものと思われる。すなわち末端反応性硅素基
は水中では解離し、あまり反応していないが、乾燥等に
より水分が除去されるに従いPVAのビニルアルコール
の水酸基と反応し、一部は硅素基同志が反応し、高分子
化架橋するものと考えられる。すなわち本発明の成形物
は末端硅素基の反応により架橋し、ジメチルスルホキシ
ドのような非プロトン溶剤に不溶となるが、その架橋結
合は水中では加水分解し、解離し溶解する。このような
特異な反応性を有する末端硅素PVAを用いることによ
り初めて、水溶液粘度が低く、かつ強度特性のすぐれた
成形物がえられたのである。
次に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発
明はこれにによってなんら限定されるものではない。な
お実施例中、特にことわりのないかぎり「%」および
「部」はいずれも重量規準を表わす。
(イ)末端硅素PVAの調整 実施例1 攪拌機、温度計、チッ素ガス導入管、還流冷却器および
チオール化合物添加装置を付した反応容器中に酢酸ビニ
ル2400部、メタノール500部を仕込み、攪拌しながら系
内をチッ素置換した後、内温を60℃まで上げた。この
系に3−(トリメトキシシリル)プロピルメルカプタン
2.4部を加え(チオールの初期添加と称することにす
る)、さらに2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.87
部をメタノール100部に溶解した溶液を添加し重合を
開始した。重合開始後3時間にわたって連続的に3−
(トリメトキシシリル)プロピルメルカプタン27部
(チオールの後添加と称することにする)を溶解したメ
タノール溶液80部を添加した。3時間重合を継続した
後、重合を停止した。この時点における系内固形分濃度
は40.9%(重合率51.0%)であった。
メタノール蒸気の導入により未反応の酢酸ビニル単量体
を追い出した後、シリル基を末端に有するポリ酢酸ビニ
ルの40%メタノール溶液を得た。この重合体のメタノ
ール溶液を40℃で攪拌しながら、この中に酢酸ビニル
単位に対して5モル%の水酸化ナトリウムを溶解したメ
タノール溶液を添加してケン化反応を行なった。得られ
た白色ゲルを粉砕し、メタノールで十分に洗浄した後、
乾燥して末端に硅素基を有するPVAを得た。得られた
PVAの末端硅素基の構造を重水中で核磁気共鳴スペク
トル分析したところCH3−O−Siのメトキシ基は認めら
れずHOSi又はNaOSiになっていることがわかった。得ら
れたPVAは1%水溶液の30℃における相対粘度(η
rel)が1.263〔重合度216(桜田の式より算出)〕で
あり、酢酸ビニル単位のケン化度は99.2モル%であっ
た。
実施例2〜5 チオールの初期添加量及びチオールの後添加量を変えた
以外は実施例1と同様にして各種重合度の、末端に硅素
基を有するPVAを得た。チオールの初期添加量及びチ
オールの後添加量、得られたPVAの重合度、ケン化度
をまとめて表1に示す。
実施例6 実施例1の3−(トリメトキシシリル)プロピルメルカ
プタンのかわりに3−(ジエトキシ−メチルシリル)プ
ロピルメルカプタンを用いた以外は実施例1と同様にし
て末端に硅素基を有するPVAを得た。用いたチオール
の量とPVAの重合度、ケン化度を表1に示す。
比較例1〜5 実施例1〜5の3−(トリメトキシシリル)プロピルメ
ルカプタンのかわりに2−メルカプトエタノールを用い
た以外は実施例1と同様にして末端に硅素基を有しない
PVAを得た。用いた2−メルカプトエタノールの量と
PVAの重合度、ケン化度を表1に示す。
比較例6 攪拌機、温度計、チッ素ガス導入管、還流冷却器および
チオール化合物添加装置を付した反応容器中に酢酸ビニ
ル2400部、メタノール500部及びビニルトリメトキシシ
ラン39部を仕込み、攪拌しながら系内をチッ素置換し
た後、内温を60℃まで上げた。この系に2−メルカプ
トエタノール1.95部を加え、さらに2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル3.57部をメタノール100部に溶解し
た溶液を添加し重合を開始した。重合開始後3時間にわ
たって連続的に2−メルカプトエタノール21.4部を溶解
したメタノール溶液80部を添加した。この時点におけ
る系内固形分濃度は39.9%(重合率50.0%)であった。
メタノール蒸気の導入により酢酸ビニル単量体を追い出
した後、分子内にシリル基を含むポリ酢酸ビニル共重合
体の40%メタノール溶液を得た。この重合体のメタノ
ール溶液を40℃で攪拌しながら、この中に酢酸ビニル
単位に対して5モル%の水酸化ナトリウムを溶解したメ
タノール溶液を添加してケン化反応を行なった。得られ
た白色ゲルを粉砕し、メタノールで十分に洗浄して未反
応のビニルトリメトキシシラン等の不純物を除去した
後、乾燥して分子内に硅素基を有するPVAを得た。こ
のもののケン化度は99.4モル%であった。
得られたPVAは水に不溶であって、可溶化するには少
量のアルカリの添加が必要であった。このPVAに対し
2.5%の水酸化ナトリウムを添加した水溶液(ポリマー
濃度1%)の30℃における相対粘度(ηrel.)は1.15
7〔重合度101(桜田の式より算出)〕であった。また、
Si含量の分析(原子吸光法)の結果、分子内に硅素基が
ビニルアルコール単位に対して1.0モル%含まれている
ことがわかった。したがって、このPVAは平均的には
1分子につき1個の硅素基を含んでおり、実施例5の末
端硅素PVAと平均重合度及び平均硅素基含量が同等で
あることがわかる。実施例5の末端硅素PVAは水に可
溶であって、一方本比較例6の硅素基を分子内に含むP
VAは水に不溶であることから、硅素基を末端に導入す
ることの有用性が明らかとなった。
実施例8 実施例1とまったく同様にしてシリル基を末端に有する
ポリ酢酸ビニルの40%メタノール溶液を得た。この重
合体のメタノール溶液を40℃で攪拌しながら、この中
に酢酸ビニル単位に対して1モル%の水酸化ナトリウム
を溶解したメタノール溶液を添加してケン化反応を行な
った。得られた白色ゲルを粉砕し、メタノールで十分に
洗浄した後、乾燥して末端に硅素基を有する部分ケン化
PVAを得た。得られたPVAのケン化度は88.0モル%
であった。
比較例7 比較例1と同様にして得られたシリル基を末端に有しな
いポリ酢酸ビニルの40%メタノール溶液を用いて、実
施例8と同様の方法で、末端に硅素基を有しない部分ケ
ン化PVAを得た。得られたPVAのケン化度は88.2モ
ル%であった。
(ロ)末端硅素PVAの成形および成形物の性能 〔I〕実施例1〜6及び比較例1〜5のPVA5部に水
95部を加えて加熱溶解し、PVAの5%水溶液を得
た。これらの水溶液をPETフイルム上に流延し、4日
間室温にて放置して水分を自然蒸発せしめ、PVAのフ
イルムを得た。PETフイルムよりはがしたPVAフイ
ルムを160℃で10分間熱処理した後、20℃65%
RH下に4日間放置した。フイルムの厚みは100〜150μ
であった。
得られたPVAフイルムに対し、オートグラフ(島津製
作所DSC-5000型)にて引張り速度500mm/分で引張試験
を行なって、表2に示される如き結果を得た。表2の結
果より本発明の末端硅素PVAからなるフイルムが、同
一重合度の通常PVAからなるフイルムに比して強度、
ヤング率、比タフネスが大きく、強度特性がすぐれてい
ることが明らかである。
〔II〕実施例8及び比較例7の部分ケン化PVA15部
に水85部を加えて加熱溶解し、部分ケン化PVAの1
5%水溶液を得た。この水溶液からドラム製膜機(ドラ
ム温度70℃、2回重ね塗り)を用いてフイルムを作製
した。このフイルムを20℃、65%RH下に4日間放置し
た。フイルムの厚みは約100μであった。
得られたPVAフイルムに対し、オートグラフ(島津製
作所DSC-5000型)にて、引張り速度500mm/分で引張試
験を行なって表3に示される如き結果を得た。表3より
本発明の末端硅素PVAからなるフイルムは部分ケン化
物とした場合も同一重合度の通常PVAからなるフイル
ムに対し強度特性がすぐれていることが明らかである。
〔III〕実施例1で製造した末端硅素PVAを加熱溶解
し20%水溶液を調整した。これを紡糸原液とし、90
℃に保持しながら0.08mmφの孔径で100ホールの金板か
ら飽和芒硝浴(428g/、温度40℃、pH3.0)中へ紡
糸し、第1ローラ速度4m/分で紡糸した。さらに湿潤
時3倍延伸し、150℃で10分乾燥し、続いて190℃で
乾燥延伸を2.5倍として、全延伸率を7.5倍とした。さら
に195℃で10分熱処理を行ない、繊度3デニールの繊
維をえた。
この繊維の乾燥強度は6.5g/デニール、乾燥伸度12
%であり、対照として末端硅素基を含まない通常のPV
A(比較例1のPVA)を上記と全く同様に紡糸、延
伸、熱処理した繊維(乾燥強度4.0g/デニール、乾燥
伸度10%)よりすぐれることがわかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記〔I〕式で示される反応性硅素基を分
    子末端に含有し、ビニルアルコール単位の含有量50モル
    %以上およびビニルエステル単位の含有量50モル%未満
    であり、重合度50〜1000のポリビニルアルコール系重合
    体よりなることを特徴とする成形物。 〔ただし、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を示し、M
    は水素、アルカリ金属またはアンモニウム基を示し、R
    は−C−または−C−を示し、nは1〜
    3の整数である。
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