JPH06135345A - 車輌の自動補助操舵装置 - Google Patents

車輌の自動補助操舵装置

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Publication number
JPH06135345A
JPH06135345A JP28729392A JP28729392A JPH06135345A JP H06135345 A JPH06135345 A JP H06135345A JP 28729392 A JP28729392 A JP 28729392A JP 28729392 A JP28729392 A JP 28729392A JP H06135345 A JPH06135345 A JP H06135345A
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JP
Japan
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steering angle
steering
auxiliary
tys
angle
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Application number
JP28729392A
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English (en)
Inventor
Shinichi Tagawa
川 真 一 田
Hiroshi Nakajima
島 洋 中
Yasuo Uehara
原 康 生 上
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Toyota Motor Corp
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 主操舵に対する補助操舵の応答性を高くし、
しかも外乱に対する補助操舵を円滑にする 【構成】 実舵角(θf)および車輌速度(Vs)に基づい
て、補助操舵車輪の主操舵対応の補助操舵第1舵角(G1・
θf)および目標ヨ−レ−ト(TYs)を決定し、目標ヨ−レ
−ト(TYs)に対する実ヨ−レ−ト(Ys)の偏差(TYs−Ys)を
算出し、偏差(TYs−Ys)に比例する補助操舵第2舵角(G2
・(TYs−Ys)),偏差(TYs−Ys)の微分値対応補助操舵第3
舵角(G3・dt(TYs−Ys)/dt)および偏差(TYs−Ys)の積分
値対応の補助操舵第4舵角(G4・∫(TYs−Ys)・dt)を決定
して、第1舵角(G1・θf),第2舵角(G2・(TYs−Ys)),第
3舵角(G3・dt(TYs−Ys)/dt)および第4舵角(G4・∫(TYs
−Ys)・dt)の和を目標舵角(AGLA)として、後輪の舵角を
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主操舵車輪の操舵に連
動して、補助操舵車輪の向きを自動的に調整する車輌の
自動補助操舵装置に関し、いわゆる自動車の4輪操舵シ
ステムに利用しうる。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の4輪操舵システムにお
ける補助操舵車輪(通常は後輪)の操舵においては、主
操舵車輪(通常は前輪)の操舵角および車速に応じて、
目標舵角を設定し、この目標舵角とセンサで検出した補
助操舵車輪の実舵角との差分に応じて、電気モ−タを付
勢し、補助操舵車輪の向きが目標舵角と一致するように
制御している。ところで操舵が急激であると、車輌の重
心軸(垂直線)廻りの回転(ヨ−角速度すなわちヨ−レ
−ト)が速く、これにより横滑りを生ずるなど操縦性が
損なわることがある。4輪操舵の場合には操舵性能が高
い分この横滑りを防止する技術が重要である。特開昭5
9−100062号公報には、ヨ−角センサを車輌に備
えて、車輌のヨ−レ−トに対応して補助操舵を制御する
示唆があるが具体的な提示は見られない。特開昭60−
161256号公報には、操舵角θに対するヨ−レ−ト
Ysの比(ヨ−レ−トゲイン;ここではYs/θ)が、操
舵周波数(Hz)に対応して、それが1.0Hz前後で
最も大きく、それより小さい領域と大きい領域で小さく
なることが示されている。特開昭60−161256号
公報には、安定した操縦性を得るためにはこのヨ−レ−
トゲインYs/θを一定に維持するのが良いとして、ヨ−
レ−ト(ヨ−角速度)に対応する補助操舵量の関係を規
定する制御ゲインK1を車速の上昇につれて大きくする
とか、運転者の手動操作による指示で変更する示唆があ
る。
【0003】一方、特開昭60−124572号公報に
は、主操舵角Sおよび車速Fに対応して目標角速度(ヨ
−レ−ト)を算出し、かつヨ−レ−トセンサで実際のヨ
−レ−トを検知して、実際のヨ−レ−トが目標角速度に
合致するように、目標ヨ−レ−トに対する実測ヨ−レ−
トの偏差に比例して補助操舵量を定める補助操舵制御が
提案されている。しかし、主操舵角Sおよび車速Fに対
応した目標角速度すなわち運転状態に最適なヨ−レ−ト
の提示はない。特開昭63−192667号公報には、
上記特開昭60−124572号公報のヨ−レ−トフィ
−ドバック制御ではドライバの操舵からヨ−レ−ト発生
ならびに該ヨ−レ−トの検出までに時間遅れがありこれ
により操縦安定性は必ずしも改善されないとした上で、
上記時間遅れを算出してこれに対応して制御出力に遅れ
を与えるヨ−レ−トフィ−ドバック制御を提示してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭60−12
4572号公報および特開昭63−192667号公報
に示唆があるような、主操舵角Sおよび車速Fに対応し
て目標角速度(ヨ−レ−ト)を算出し、かつヨ−レ−ト
センサで実際のヨ−レ−トを検知して、実際のヨ−レ−
トが目標角速度に合致するように、目標ヨ−レ−トに対
する実測ヨ−レ−トの偏差に比例して補助操舵量を定め
る補助操舵制御では、まず、主操舵角Sの変化→目標ヨ
−レ−トの変化→ヨ−レ−トの偏差→補助操舵量変化、
とい過程を経るので主操舵角Sの変化に対して補助操舵
の応答が遅い。したがって主操舵角が比較的に高速に操
作される場合主操舵に対する補助操舵の補助効果が低
い。のみならず、主操舵角が短時間で反転する場合に補
助操舵の遅れにより主操舵に対して補助操舵が逆効果を
もたらす。例えば横風等の外乱によるヨ−レ−トに対し
ては、ヨ−レ−トの偏差に比例した補助操舵であるの
で、補助操舵が過分になるとか過少になるとかして補助
操舵が振動(ハンチング;進行方向のふらつき)し易
い。すなわち補助操舵が円滑性に欠ける。
【0005】本発明は、主操舵に対する補助操舵の応答
性を高くし、しかも外乱に対する補助操舵を円滑にする
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の車輌の自動補助
操舵装置は、主操舵車輪の実舵角を検出する主操舵角検
出手段(PF);車輌のヨ−角速度(Ys)を検出するヨ−レイ
ト検出手段(YS);車輌速度(Vs)を検出する車速検出手段
(ECU);主操舵角検出手段(PF)が検出した実舵角(θf)お
よび車輌速度(Vs)に基づいて、補助操舵車輪の主操舵対
応の補助操舵第1舵角(G1・θf)を決定する、第1舵角算
出手段(22,23);主操舵角検出手段(PF)が検出した実舵
角(θf)および車輌速度(Vs)に基づいて、目標ヨ−角速
度(TYs)を決定する、ヨ−角速度算出手段(51);目標ヨ
−角速度(TYs)に対するヨ−レイト検出手段(YS)が検出
したヨ−角速度(Ys)の偏差(TYs−Ys)を算出する偏差算
出手段(52);ヨ−角速度の偏差(TYs−Ys)に対応する補
助操舵第2舵角(G2・(TYs−Ys))を決定する第2舵角算出
手段(53,54);ヨ−角速度の偏差(TYs−Ys)の微分値(dt
(TYs−Ys)/dt)に対応する補助操舵第3舵角(G3・dt(TYs
−Ys)/dt)を決定する第3舵角算出手段(55〜58);ヨ−
角速度の偏差(TYs−Ys)の積分値(∫(TYs−Ys)・dt)に対
応する補助操舵第4舵角(G4・∫(TYs−Ys)・dt)を決定す
る第4舵角算出手段(59〜62);補助操舵第1舵角(G1・θ
f),第2舵角(G2・(TYs−Ys)),第3舵角(G3・dt(TYs−Y
s)/dt)および第4舵角(G4・∫(TYs−Ys)・dt)を含む目標
舵角(AGLA)を決定する第5舵角算出手段(63);補助操舵
車輪の実舵角を検出する補助操舵角検出手段(RS);補助
操舵車輪の向きを調整する補助操舵角調整機構(10);補
助操舵角調整機構(10)を駆動する駆動手段(M1);およ
び、該駆動手段(M1)を介して、第5舵角算出手段(63)が
決定した目標舵角(AGLA)に補助操舵角検出手段(RS)が検
出した実舵角が合致する方向に補助操舵角調整機構(10)
を駆動するサ−ボ制御手段(70);を備える。
【0007】なお上記括弧内に示した記号は、後述する
実施例中の対応する要素の符号を参考までに示したもの
であるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要
素のみに限定されるものではない。
【0008】
【作用】第1舵角算出手段(22,23)が、実舵角(θf)およ
び車輌速度(Vs)に基づいて補助操舵車輪の主操舵対応の
補助操舵第1舵角(G1・θf)を決定し、ヨ−角速度算出手
段(51)が、実舵角(θf)および車輌速度(Vs)に基づいて
目標ヨ−角速度(TYs)を決定し、偏差算出手段(52)が、
目標ヨ−角速度(TYs)に対するヨ−レイト検出手段(YS)
が検出したヨ−角速度(Ys)の偏差(TYs−Ys)を算出す
る。第2舵角算出手段(53,54)が、ヨ−角速度の偏差(TY
s−Ys)に対応する補助操舵第2舵角(G2・(TYs−Ys))を決
定し、第3舵角算出手段(55〜58)が、ヨ−角速度の偏差
(TYs−Ys)の微分値(dt(TYs−Ys)/dt)に対応する補助操
舵第3舵角(G3・dt(TYs−Ys)/dt)を決定し、しかも第4
舵角算出手段(59〜61)が、ヨ−角速度の偏差(TYs−Ys)
の積分値(∫(TYs−Ys)・dt)に対応する補助操舵第4舵角
(G4・∫(TYs−Ys)・dt)を決定する。そして第5舵角算出
手段(63)が、補助操舵第1舵角(G1・θf),第2舵角(G2・
(TYs−Ys)),第3舵角(G3・dt(TYs−Ys)/dt)および第4
舵角(G4・∫(TYs−Ys)・dt)を含む目標舵角(AGLA)を決定
する。 例えば、目標舵角(AGLA)= 主操舵対応の補助操舵第1
舵角(G1・θf) +補助操舵第2舵角(G2・(TYs−Ys)) +補助操舵第3舵角(G3・dt(TYs−Ys)/dt) +補助操舵第4舵角(G4・∫(TYs−Ys)・dt) となる。
【0009】そして、サ−ボ制御手段(70)が、駆動手
段(M1)を介して、第5舵角算出手段が決定した目標舵角
(AGLA)に補助操舵角検出手段(PR)が検出した実舵角が合
致する方向に、補助操舵角調整機構(10)を駆動する。こ
れにより、主操舵角検出手段(PF)が検出した実舵角(θ
f),ヨ−レイト検出手段(YS)が検出したヨ−角速度(Ys)
および車速検出手段(ECU)が検出した車輌速度(Vs)に対
応した目標舵角(AGLA)が決定されて、サ−ボ制御手段
(70)により、補助操舵車輪の向きが目標舵角(AGLA)に
設定される。
【0010】該目標舵角(AGLA)の一部分である、主操舵
対応の補助操舵第1舵角(G1・θf)が、主操舵が意図する
車両タ−ンを補助するものであり、主操舵に対して応答
が速いので主操舵に対する補助操舵の補助効果が高く、
主操舵角が短時間で反転する場合に補助操舵の遅れによ
り主操舵に対して補助操舵が逆効果をもたらすことがな
い。例えば横風等の外乱によるヨ−レ−トに対しては、
偏差の変化に対しては補助操舵第3舵角(G3・dt(TYs−Y
s)/dt)が速い速度で応答し、偏差の累積は補助操舵第
4舵角(G4・∫(TYs−Ys)・dt)が消去するので、補助操舵
が過分になるとか過少になるとかの問題はなくなり、補
助操舵が高く速い応答性で円滑に行なわれ、車両進行方
向がふらつかなくなる。したがって進行方向の安定性が
高く、車輌の操縦性が向上する。
【0011】本発明の好ましい実施例では、第2〜4舵
角算出手段はそれぞれ、車輌速度(Vs)してそれが高いと
きには大きい重み付け値(G2〜G4)を算出しこれにより重
み付けを付した第2舵角,第3舵角および第4舵角を決
定するので、低車速(外乱の影響が小さい)では補助操
舵は主に主操舵を補助し、高車速(主操舵戻し遅れでふ
らつき易く、また外乱の影響が大きい)では、補助操舵
は主に主操舵や外乱による過大なヨ−レ−ト(横G)や
進行方向のふらつきを抑止する。したがって車速の如何
にかかわらず進行方向の安定性が高く車輌の操縦性が向
上する。
【0012】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0013】
【実施例】自動車の4輪操舵システムに本発明を適用し
た実施例のシステム全体の構成を図1に示す。まず、図
1を参照してシステムの概略を説明する。前側の車輪T
FL及びTFRは、ドライバがステアリングホイ−ルW
Hを回すことによって、手動で操舵することができる。
即ち、ステアリングホイ−ルWHが回転すると、それに
連結された軸SSが回転し、図示しないラック&ピニオ
ン機構を介して、軸SSと連結されたロッドFSRが左
右方向に移動する。ロッドFSRの左右方向の移動に伴
なって、車輪TFL及びTFRの向きが変わる。一方、
後側の車輪TRL及びTRRの向きも調整可能になって
おり、この操舵は前輪側の舵角および車速に応じて自動
的に調整されるように構成されている。
【0014】前輪側ステアリング機構の軸SS先端のピ
ニオン近傍には、ドライバのステアリングホイ−ル操作
による、前輪の操舵角を検出するための前輪舵角センサ
が設置されている。また、後輪の操舵角は、前輪の操舵
角および車速に応じて調整することが望ましいので、後
側の車輪TRL及びTRRの近傍には、それぞれの車輪
の回転速度を検出するための車輪速センサVL及びVR
が設置されている。更に、車輌タ−ン時の進行方向のふ
らつきを抑制するヨ−レ−ト対応のフィ−ドバック舵角
補正制御を実施するため、ヨ−レ−トセンサYSが車輌
に搭載されている。
【0015】後輪の操舵機構には電気モ−タM1があ
り、これを駆動することによって、ロッド1が左右方向
に移動し、後輪TRL及びTRRの向きが変わる。ま
た、電気モ−タM1が故障した場合に、後輪の操舵位置
を中央に戻すために、補助用の電気モ−タM2と電磁ク
ラッチCLが設けられている。後輪の操舵機構には、そ
の操舵角を検出するための後輪舵角センサPRが備わっ
ている。また電気モ−タM1には、その駆動軸の回転を
検出するセンサRSが備わっている。
【0016】図2に後輪操舵機構10の主要部分を示
し、そのIII−III線断面を図3に示す。図2は図3のII
−II線断面を示している。図2及び図3を参照しこの機
構を説明する。まず図2を参照すると、ロッド1は、左
端がボ−ルジョイント2Lを介して、左後輪の舵角を調
整するナックルア−ム3Lと接続され、右端がボ−ルジ
ョイント2Rを介して、右後輪の舵角を調整するナック
ルア−ム3Rと接続されている。またロッド1は、車体
に固定されたハウジング4の内部に支持されており、軸
方向つまり左右方向に移動自在になっている。ロッド1
が左右方向に移動すると、各ナックルア−ム3L,3R
が動き、左後輪及び右後輪の向きが変わる。ロッド1に
は、以下に説明する駆動力伝達機構を介して、電気モ−
タ(主モ−タ)M1が接続されており、M1を駆動する
ことによって、後輪の自動操舵が実施される。
【0017】ロッド1にはラック1aが形成してあり、
該ラック1aにピニオンギア5aが噛み合っている。図
3に示すように、ピニオンギア5aが形成された回転子
5には、径の大きなウォ−ムホイ−ル5bも形成されて
いる。更にこのウォ−ムホイ−ル5bには、ウォ−ム6
aが噛み合っている。再び図2を参照すると、ウォ−ム
6aが形成された駆動軸6の左端には、電気モ−タM1
の駆動軸が結合されている。従って、電気モ−タM1を
駆動すると、その駆動力によってウォ−ム6aが回転
し、それと噛み合ったウォ−ムホイ−ル5bが回転し、
ウォ−ムホイ−ル5bと同軸のピニオン5aが回転し、
ラック1aが左右方向に移動して後輪を操舵する。
【0018】なお、ウォ−ム6aとウォ−ムホイ−ル5
bとで構成されるウォ−ムギアにおいては、逆効率がゼ
ロになるように、つまりウォ−ム6aの回転駆動により
ウォ−ムホイ−ル5bを動かすことはできるが、ウォ−
ムホイ−ル5bの回転によりウォ−ム6aを動かすこと
はできないように構成してある。従って、路面からの反
力が大きい場合であっても、その力によってウォ−ムホ
イ−ル5bが回転することはないので、電気モ−タM1
に大きな外力が印加される恐れはない。
【0019】駆動軸6の右側には、電磁クラッチCLを
備えるギア機構と電気モ−タ(副モ−タ)M2が設けら
れている。電気モ−タM2の駆動軸にはウォ−ム7が形
成されており、該ウォ−ム7にウォ−ムホイ−ル8aが
噛み合っている。ウォ−ムホイ−ル8aが形成された回
転子8は、中空に形成されており、その内側に回転子9
が配置されている。回転子8の内壁と回転子9の外周に
形成されたスプライン12によって回転子8と回転子9
は係合しており、回転方向に対しては両者は連結され、
軸方向には両者は相対移動自在になっている。但し、外
側の回転子8は軸方向には動かないようにハウジング4
に支持されている。
【0020】回転子8の小径部の外周に装着された圧縮
コイルスプリング11が、内側の回転子9を右側(矢印
AR1方向)に常時付勢している。また回転子9に連結
された磁性体コア13の近傍に電気コイル14が配置し
てあり、電気コイル14に通電すると、回転子9はスプ
リング11の力に対抗して左側(矢印AR1と逆方向)
に移動する。回転子9には、その左端面に突出する形で
設けられた複数のピン15が装着されており、駆動軸6
の右端に固着された連結板16のフランジ部には、ピン
15と対向する位置に穴16aが形成されている。
【0021】電気コイル14を通電しない時には、スプ
リング11の力によって回転子9が右方に移動するの
で、ピン15と穴16aとの係合は生じない。しかし電
気コイル14に通電すると、回転子9が左方に動きピン
15が連結板16のフランジ部に当接する。そして回転
子9が回転するとピン15は穴16aの内部に押し込ま
れる。ピン15が穴16aの内部に入ると、回転子9と
連結板16とが確実に連結され、回転子9の回転力は連
結板16を介して駆動軸6に伝達される。電気コイル1
4の通電を停止すれば、再びスプリング11の力によっ
て回転子9が右方に移動するので、ピン15と穴16a
との係合は外れる。
【0022】電気モ−タM2を駆動すると、ウォ−ム7
が回転し、それと噛み合ったウォ−ムホイ−ル8aを介
して回転子8が回転する。回転子8の回転は、スプライ
ン12を介して内側の回転子9に伝達される。電磁クラ
ッチCLの電気コイル14が通電されていると、ピン1
5と連結板16とが連結されるので、回転子9の回転が
駆動軸6に伝達され、駆動軸6が回転するので、電気モ
−タM1を駆動する場合と同様にして、後輪が操舵駆動
される。
【0023】電気モ−タM2は、ウォ−ム7とウォ−ム
ホイ−ル8aを介して駆動軸6に連結されるので、電気
モ−タM1の場合に比べて小さな力で駆動軸6を動かす
ことができる。逆に電気モ−タM1側からみると、電気
モ−タM2等は非常に大きな負荷になりうるが、電磁ク
ラッチCLをオフにすることによって、連結板16と回
転子9とが分離されるので、実際の後輪操舵駆動時に
は、電気モ−タM2等の影響をなくすることができる。
また、減速比が大きいので電気モ−タM2による後輪操
舵系の動作速度はM1と比べるとかなり遅くなるが、こ
の実施例では、電気モ−タM2は装置の故障時に後輪操
舵系の向きを中央に戻すために利用されるので、高い応
答速度は不要である。
【0024】図3を参照すると、ハウジング4に装着さ
れた位置センサ(ポテンショメ−タ)PRのロ−タに結
合されたア−ム17が回転子5に形成された穴に係合し
ている。この位置センサPRは後輪の舵角を検出するた
めに利用される。また図2に示すように、電気モ−タM
1には、その回動量を検出するセンサRSが備わってい
る。この実施例では、M1はブラシレスDCモ−タであ
り、センサRSは電気モ−タM1の磁極の移動を検出す
る磁極センサを構成している。このセンサRSは、電気
モ−タM1の回転に伴なって三相のパルス信号を出力す
る。
【0025】次に、図8を参照して前輪舵角センサPF
の取付部分の構造を説明する。図8は、前輪側ステアリ
ング機構の軸SSの先端近傍、即ちステアリングギアボ
ックス部分を示しており、図9は図8のA−A線断面を
示している。またPFのセンサ組体の構造を図11に示
す。図8を参照すると、ロッドFSRに形成されたラッ
ク73と、ピニオン72とによってラック&ピニオン機
構が構成されている。また、入力軸SS側のピニオン7
2とパワ−ステアリングバルブ71との間に、ウォ−ム
82が設置されており、該ウォ−ム82と噛み合う位置
にウォ−ムホイ−ル81が設置されている。図9に示す
ように、ウォ−ムホイ−ル81の軸83が、前輪舵角セ
ンサPFに連結されている。図10に示すように、前輪
舵角センサPFの内部には、ポテンショメ−タ基板8
6,ブラシホルダ84及び摺動子85が備わっており、
摺動子85とポテンショメ−タ基板86との当接位置に
は、抵抗皮膜が形成してある。入力軸SSが回動し、ウ
ォ−ムホイ−ル81が回動すると、軸83が回動し、摺
動子85とポテンショメ−タ基板86上の抵抗皮膜との
当接位置が変わる。従って、入力操舵角に応じた電気信
号を前輪舵角センサPFから出力することができる。こ
の前輪舵角センサPFの検出特性の例を図11に示す。
【0026】この4輪操舵システムの電気回路の構成を
図4に示す。図4を参照すると、制御ユニットECUの
入力端子には、ヨ−レ−トセンサYS,前輪舵角センサ
PF,後輪舵角センサPR,後輪車輪速センサVL,V
R,及び磁極センサRSが接続され、ECUの出力端子
には電気モ−タM1,M2及びソレノイド14が接続さ
れている。この例では、前輪舵角センサPF及び後輪舵
角センサPRは各々ポテンショメ−タであり、ヨ−レ−
トセンサYSはアナログ電圧信号を出力するので、それ
らが出力する信号は、A/D変換器ADCを介して、マ
イクロコンピュ−タCPUに印加される。また、後輪車
輪速センサVL,VR,及び磁極センサRSが出力する
信号は、パルス信号なので、それらの信号は直接、マイ
クロコンピュ−タCPUに印加される。また、各センサ
の故障(断線,ショ−ト,検出値異常等)を検出するた
めに、異常検出器U1が設けられており、前輪舵角セン
サPF,後輪舵角センサPR,後輪車輪速センサVL,
VR,及び磁極センサRSの出力は、異常検出器U1に
も接続されている。マイクロコンピュ−タCPUは、ド
ライバDV1を介して、電気モ−タM1を駆動する。異
常検出器U1が異常を検出した場合には、ドライバDV
1は付勢禁止状態に制御され、中立復帰制御回路U2に
中立復帰信号が印加される。中立復帰制御回路U2は、
異常検出器U1又はマイクロコンピュ−タCPUから中
立復帰信号を受けると、ドライバDV2を介して電気モ
−タM2を制御し、ドライバDV3を介してソレノイド
14を制御し、後輪操舵機構を中立位置に戻す。後輪操
舵機構が中立位置に戻ると、マイクロコンピュ−タCP
Uが中立復帰完了信号を出力するので、中立復帰制御回
路U2は電気モ−タM2を停止する。なお、図4におい
てはマイクロコンピュ−タCPUを1つのブロックのみ
で示してあるが、実際には、全体の処理能力を上げるた
め、独立した2つのマイクロコンピュ−タを組合せてC
PUを構成してある。
【0027】この4輪操舵システムの主要制御系の具体
的な構成を図5に示す。なお、この制御系の大部分の処
理はマイクロコンピュ−タCPUのソフトウェアの実行
によって実現されており、一方のマイクロコンピュ−タ
が後輪の目標舵角AGLAを生成し、もう一方のマイク
ロコンピュ−タがAGLAを入力して後輪操舵機構の位
置決めサ−ボ制御(後輪操舵を目標操舵に合致させるフ
ィ−ドバック制御)を実行するように構成してある。
【0028】まず、後輪の目標舵角AGLAを生成する
処理について説明する。簡単に言えば、前輪の実舵角θ
fに車速Vs対応の係数(ゲイン)G1を乗算して主操
舵対応の第1舵角G1・θfを算出し、かつ、前輪の実
舵角θfと車速Vsに対応して目標ヨ−レ−トTYsを
算出してこの目標値TYsに対する実測ヨ−レ−トYs
の偏差TYs−Ysを算出し、この偏差TYs−Ysに比例
する第2舵角G2・(TYs−Ys)を算出し、偏差T
Ys−Ysの微分値に比例する第3舵角G3・d(TYs
−Ys)/dtを算出し、かつ偏差TYs−Ysの積値に
比例する第4舵角G3・∫(TYs−Ys)dtを算出
する。そしてこれらの和 AGLA=G1・θf+G2・(TYs-Ys)+G3・d(TYs-Ys)/dt+G3・∫(TYs-Ys)dt を後輪操舵の目標舵角とする。
【0029】詳しくは、前輪舵角センサPFによって検
出される前輪舵角値に、変換部21A,21Bに通して
低角度値は0に過大角度は飽和値に、不感帯処理および
リミット処理を施して、検出舵角値を制御演算用の舵角
値θfに変換し、一方、車速Vsに対応するゲインG1
を変換部22で算出し、掛算部23によって制御演算用
の舵角値(変換値)θfに車速対応ゲインG1を乗算し
て実舵角対応の補助操舵第1舵角を算出する。
【0030】また、舵角値θfおよび車速Vsに対応す
る目標ヨ−レ−トTYsを変換部51で次のように算出
する。 TYs=〔Vs/(1+Ka・Vs2)〕・{〔(1−K(Vs)〕/N・L}・θf・
{〔a(Vs)・T・S+1〕/(T・S+1)} ここで、 Vs:車速, θf:舵角値, Ka:スタビリティファクタ, N :ギア比, L :ホィ-ルベ-ス, T :時定数, S :ラプラス演算子, a(Vs):微分ゲイン, K(Vs):後輪転舵率。
【0031】この目標値TYsに対するヨ−レ−トセン
サYSによって検出されるヨ−レ−トYsの偏差TYs
−Ysを、減算部52で算出し、車速Vsに対応してそ
れが高いと大きいゲインG2を変換部53で算出して、
乗算部54で第2舵角G2・(TYs−Ys)を算出す
る。
【0032】また、ヨ−レ−ト偏差TYs−Ysを遅延
部55に通し、減算部56で現在の偏差TYs−Ysよ
りある微小時間前の偏差を減算した値(微分値)d(T
Ys−Ys)/dtを得て、また車速Vsに対応してそ
れが高いと大きいゲインG3を変換部57で算出して、
乗算部58で第3舵角G3・d(TYs−Ys)/dt
を算出する。
【0033】更に、加算部56で、ヨ−レ−ト偏差TY
s−Ysに遅延部65を通して微小時間前の偏差累算値
を加算して偏差積分値∫(TYs−Ys)dtを得て、
また車速Vsに対応してそれが高いと大きいゲインG4
を変換部71で算出して、乗算部62で第4舵角G4・
∫(TYs−Ys)dtを算出する。
【0034】なお、変換部21Aのブロック内に示すグ
ラフは、車速Vsに対応した不感帯値(幅値)を示し、
車速Vsに対応する不感帯値がブロック21Aから読み
出されて変換部21Bに与えられる。変換部21Bで
は、変換特性(グラフ)の不感帯幅を、与えられたもの
に設定して、前輪舵角(検出値)を制御演算用の舵角値
(変換値)に変換する。変換部22のゲイン(グラフ)
は、車速Vsが設定値のとき0、設定値未満では負値、
設定値を越える値では正値であり、負値は前輪舵角に対
して後輪舵角を逆極性(向きが反対)とする目標舵角
(AGLA)を生成する。正値は前輪舵角に対して後輪
舵角を同極性(向きが同じ)とする目標舵角(AGL
A)を生成する。車輌タ−ンが時計廻りの場合の前輪の
向き(角度)を正値としそのとき発生するヨ−レ−トの
極性を正すると、車輌タ−ンが時計廻りの場合目標ヨ−
レ−トTYsは正値となる。主舵角が零(目標ヨ−レ−
トTYs=0)のとき、外乱により車輌が時計廻りの方
向の方向ずれを生ずるとき、正値の実測ヨ−レ−トYs
が現われ、これにより負値のヨ−レ−ト偏差が現われ、
これが補助操舵を、反時計廻りの車輌タ−ンをもたらす
方向に操作することになる。すなわち加算部63に与え
られる乗算部23,54,56,62の出力は正,又は
負値であり、加算部63は、正/負値の目標舵角(AG
LA:正又は負)をフィ−ドバック制御部70に出力す
る。目標舵角AGLAが正値であるとこれは後輪の時計
廻り方向の操舵を指示し、負値は反時計方廻り方向の操
舵を指示する。
【0035】なお、検出車速Vsは、この実施例では、
車輪速センサVR及びVLが検出した車輪速の平均値、
即ち(VRの速度+VLの速度)/2であり、これは平
均車速計算部41が算出する。
【0036】次にフィ−ドバック制御部70について説
明する。この制御部70は、基本的にはPD(比例・微
分)制御系を構成しており、目標舵角AGLAと、検出
された実舵角RAGLとの偏差ΔAGLに応じた制御量
を出力するように構成してある。微分制御系71の出力
DAGLAと比例制御系72の出力PAGLAとが加算
部35で加算され、制御量HPIDとして出力される。
【0037】比例制御系72においては、入力値ΔAG
Lは変換部31Bを通ってETH3に変換され、掛算部
36で比例ゲインGa17と掛算され、その結果が出力
PAGLAになる。この例では、ゲインGa17は定数
である。
【0038】微分制御系71においては、入力値ΔAG
Lは変換部31Aを通ってETH2に変換され、減算部
33において、入力値ETH2(最新の値)と遅延部3
2を通った入力値ETH2(所定時間前の値)との差分
が計算され、それによってETH2の変化速度、即ち微
分値SETH2が得られる。掛算部34では、微分値S
ETH2と微分ゲインYTDIFGAINとを掛けた値
が、微分制御系71の出力DAGLAとして得られる。
【0039】微分ゲインYTDIFGAINは、この例
では、目標舵角AGLAの微分値(変化速度)に基づい
て決定される変数である。即ち、減算部38において、
入力値AGLA(最新の値)と遅延部37を通った入力
値AGLA(所定時間前の値)との差分が計算され、そ
れによってAGLAの変化速度、即ち微分値SAGLA
が得られ、微分値SAGLAを変換部39に通した結果
が、微分ゲインYTDIFGAINになる。なお、変換
部31A,31B及び39の各ブロック内に示すグラフ
は、各々の変換特性を示しており、横軸が入力値、縦軸
が出力値を示している。
【0040】変換部31Aの変換特性を図6に示す。図
6を参照して説明する。まず、入力値ΔAGLの値が正
の領域に注目すると、0からP1Pまでの範囲では出力
値ETH2は0になり、P1PからP2Pまでの範囲で
は、出力値ETH2は入力値ΔAGLに比例して一定の
傾きで変化し、P2Pを越えると出力値ETH2は一定
値LPに制限される。同様に入力値ΔAGLの値が負の
領域に注目すると、0からP1Nまでの範囲では出力値
ETH2は0になり、P1NからP2Nまでの範囲で
は、出力値ETH2は入力値ΔAGLに比例して一定の
傾きで変化し、P2Nより小さくなると出力値ETH2
は一定値LNに制限される。つまり、入力値のP1Nと
P1Pとの間は不感帯であり、常にETH2が0になる
ので、微分制御系の出力も0になる。なお、変換部31
Bの特性も図6と同様の形になっている。
【0041】この実施例では、変換部31A及び31B
の不感帯は、調整可能になっており、図5に示す不感帯
調整部42が、車速Vsの大小に応じて自動的に不感帯
の幅を調整するように構成してある。実際には図6に示
すように、実線で示す中速及び高速の時の特性に比べ
て、仮想線で示す低速の時の特性では、不感帯の幅が大
きくなるように調整される。
【0042】例えば、自動車を車庫入れする場合のよう
に低速の時には、不感帯範囲の幅が大きくなるので、ド
ライバが頻繁にステアリングホイ−ルを操作したとして
も、小さい舵角変化には反応しないので、後輪の操舵頻
度が低下し、従って後輪の操舵駆動に要するエネルギ−
が低減される。しかし、通常走行時のように車速が中速
又は高速の時には、不感帯範囲の幅が小さくなるので、
目標舵角と実舵角との差が低速時に比べて小さくなり、
後輪の操舵位置決め精度が高くなるので、高い走行安定
性が得られる。
【0043】図5に示す変換部21B,31A,31B
及び不感帯調整部21A,42Bに相当する、マイクロ
コンピュ−タCPUの処理の内容を図7に示す。図7を
参照して説明する。不感帯調整処理(42)では、ま
ず、最新の実車速を入力する。そして、まず車速Vsに
対応したブロック21B用の不感帯幅値を読出し、同様
に車速Vsに対応したブロック31A,31B用の不感
帯幅値を読出し、各変換ブロック(グラフ)の不感帯幅
(変換特性)を定める(21A,42)。つまり、変換
部31Aに関しては、例えば図6におけるP2N,P1
N,P1P及びP2Pの値を定める。
【0044】次に、まず舵角変換部21Bで検出舵角を
制御演算用の舵角に変換する(21B)。そして微分制
御系の変換部31Aで、偏差ΔAGLを微分演算用偏差
ETH2に変換する。
【0045】微分制御の変換処理(31A)では、ま
ず、最新のパラメ−タを入力する。即ち、直前の不感帯
調整処理42によって調整された最新の変数P2N,P
1N,P1P及びP2Pの値を入力する。そして、入力
値ΔAGLの値をチェックして、それがどの領域に属す
るかを識別し、その結果に応じた計算を実施して出力値
ETH2を求める。即ち、ΔAGL>P2Pであれば、
上限値LPをETH2にストアし、P1P<ΔAGL≦
P2Pであれば、(ΔAGL−P1P)×k1をETH
2にストアし、P1N≦ΔAGL≦P1Pであれば、E
TH2に0をストアし、P2N≦ΔAGL<P1Nであ
れば、(ΔAGL−P1N)×k1をETH2にストア
し、ΔAGL<P2Pであれば、下限値LNをETH2
にストアする(k1は傾きの定数)。ETH2の値が、
偏差ΔAGLの微分演算用の変換値である。
【0046】次の比例制御の不感帯処理(31B)で
も、上記微分制御の場合と同様の処理を実行する。但
し、計算のパラメ−タは比例制御に割り当てられたもの
を使用する。前記舵角変換部21Bでの、検出舵角の制
御演算用の舵角への変換(21B)の内容も同様であ
る。
【0047】再び図5を参照して説明を続ける。加算器
35から出力される制御量HPIDは、変換部43を通
ってHPID2になり、更に変換部44を通ってデュ−
ティ値DUTYになる。変換部43はリミッタとして機
能する。また変換部44は、偏差舵角値からデュ−ティ
値への変換機能を有する。デュ−ティ値DUTYは、パ
ルス幅変調(PWM)部45に入力される。パルス幅変
調部45は、入力値に対応するデュ−ティのパルス信号
を生成し、ドライバDV1に印加する。電気モ−タM1
が回転すると、その回転量に応じたパルスが磁極センサ
RSから出力される。舵角変換部46では、磁極センサ
RSが出力する三相のパルスの位相から回転方向を識別
し、その方向に応じて加算方向又は減算方向にパルス数
を計数し、舵角を計算する。ここで計算される舵角は相
対的なものであるが、予め後輪舵角センサPRが出力す
る実舵角を利用して校正を実施しておき、実舵角と同一
の値が得られるように処理する。つまり、舵角変換部4
6は実舵角RAGLを出力する。減算部47は、目標舵
角AGLAと実舵角RAGLとの差分、即ち舵角偏差Δ
AGLを制御部30に入力する。
【0048】なお上記実施例においては、変換部21
A,21B,22,31A,31B,51〜63の処理
を実行するのに、計算によって、変換結果を求めている
が、例えば全ての入力値と出力値との関係をテ−ブルに
記憶しておき、テ−ブルルックアップによって変換結果
を得るように変更してもよい。
【0049】また上記実施例では、制御の大部分をマイ
クロコンピュ−タCPUのソフトウェアの実行によって
実現しているが、当然のことながら一般の論理回路やア
ナログ回路などで置き替えることも可能である。
【0050】以上に説明した実施例によれば、例えば自
動車を車庫入れする場合のように低速の時には、変換部
21B,31Aおよび31Bの不感帯幅が大きくなるの
で、ドライバが頻繁にステアリングホイ−ルを操作した
としても、中立位置近傍の小さい舵角変化には反応しな
いので、また、小さな偏差(目標舵角−後輪検出舵角)
には反応しないので、補助操舵車輪の操舵頻度が低下
し、従って補助操舵車輪の操舵駆動に要するエネルギ−
が低減される。しかし、車速Vsが次第に上昇するにつ
れて不感帯幅が小さくなり、例えば通常走行時のように
車速が中速又は高速の時には、不感帯幅が小さく、中立
位置近傍の小さい舵角変化に反応しまた小さな偏差(目
標舵角−後輪検出舵角)に反応して、後輪自動操舵が行
なわれる。高速であるほど車両方向変更のための操舵量
は少いが、これに対して敏感に後輪自動操舵が行なわ
れ、特に、小さな偏差(目標舵角−後輪検出舵角)に反
応する後輪自動操舵(横風や路面傾斜等により発生する
ヨ−レ−トに反応する進行方向ずれを抑制する後輪自動
操舵)が効果を表わす。加えて、フィ−ドバック制御部
70がPD制御を行なうので、更には微分(D)項のゲ
インを目標舵角の変化速度(微分値)に対応して変換部
39で、変化速度の絶対値が大きいときには大きいゲイ
ンに定めるので、目標舵角の速い変化のとき、すなわち
速い応答が必要なときには、より大きな自動操舵量を出
力することになり、運転状態の速い変化に対しての応答
性が高い。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、目標舵角
(AGLA)の一部分である、主操舵対応の補助操舵第1舵角
(G1・θf)が、主操舵が意図する車両タ−ンを補助するも
のであり、主操舵に対して応答が速いので主操舵に対す
る補助操舵の補助効果が高く、主操舵角が短時間で反転
する場合に補助操舵の遅れにより主操舵に対して補助操
舵が逆効果をもたらすことがない。例えば横風等の外乱
によるヨ−レ−トに対しては、偏差の変化に対しては補
助操舵第3舵角(G3・dt(TYs−Ys)/dt)が速い速度で応答
し、偏差の累積は補助操舵第4舵角(G4・∫(TYs−Ys)・d
t)が消去するので、補助操舵が過分になるとか過少にな
るとかの問題はなくなり、補助操舵が高く速い応答性で
円滑に行なわれ、車両進行方向がふらつかなくなる。し
たがって進行方向の安定性が高く、車輌の操縦性が向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のシステム全体の構成を示
すブロック図である。
【図2】 図1に示す後輪操舵機構10の主要部分を示
す断面図である。
【図3】 図2のIII−III線断面を示す断面図である。
【図4】 図1に示すシステムの電気回路の構成を示す
ブロック図である。
【図5】 図4に示す制御系ECUの詳細な機能構成を
示すブロック図である。
【図6】 図5に示す変換部31Aの変換特性を示すグ
ラフである。
【図7】 図4に示すマイクロコンピュ−タCPUの処
理の一部分を示すフロ−チャ−トである。
【図8】 図1に示す前輪のステアリングギアボックス
部分を示す縦断面図である。
【図9】 図8のA−A線断面図である。
【図10】 図9のA−A線拡大断面図であり、前輪舵
角センサ組体を示す。
【図11】 図10に示す前輪舵角センサPFの特性を
示すグラフである。
【符号の説明】
1:ロッド 1a:ラック 2L,2R:ボ−ルジョイント 3L,3R:ナ
ックルア−ム 4:ハウジング 5:回転子 5a:
ピニオンギア 5b:ウォ−ムホイ−ル 6:駆動軸 6a:
ウォ−ム 7:ウォ−ム 8,9:回転子 8a:
ウォ−ムホイ−ル 10:後輪操舵機構 11:圧縮コイルスプリン
グ 12:スプライン 14:電気コイル 15:
ピン 16:連結板 16a:穴 M1,M2:電気モ−タ RS:磁極セン
サ PF:前輪舵角センサ PR:後輪舵角
センサ VR,VL:後輪車輪速センサ CL:電磁クラ
ッチ YS:ヨ−レ−トセンサ ECU:制御ユ
ニット CPU:マイクロコンピュ−タ DV1〜DV
3:ドライバ ADC:A/D変換器 TFL,TFR,TRL,TRR:車輪 WH:ステアリングホイ−ル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上 原 康 生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主操舵車輪の実舵角を検出する主操舵角検
    出手段;車輌のヨ−角速度を検出するヨ−レイト検出手
    段;車輌速度を検出する車速検出手段;主操舵角検出手
    段が検出した実舵角および車輌速度に基づいて、補助操
    舵車輪の主操舵対応の補助操舵第1舵角を決定する、第
    1舵角算出手段;主操舵角検出手段が検出した実舵角お
    よび車輌速度に基づいて、目標ヨ−角速度を決定する、
    ヨ−角速度算出手段;目標ヨ−角速度に対するヨ−レイ
    ト検出手段が検出したヨ−角速度の偏差を算出する偏差
    算出手段;ヨ−角速度の偏差に対応する補助操舵第2舵
    角を決定する第2舵角算出手段;ヨ−角速度の偏差の微
    分値に対応する補助操舵第3舵角を決定する第3舵角算
    出手段;ヨ−角速度の偏差の積分値に対応する補助操舵
    第4舵角を決定する第4舵角算出手段;補助操舵第1舵
    角,第2舵角,第3舵角および第4舵角を含む目標舵角
    を決定する第5舵角算出手段;補助操舵車輪の実舵角を
    検出する補助操舵角検出手段;補助操舵車輪の向きを調
    整する補助操舵角調整機構;補助操舵角調整機構を駆動
    する駆動手段;および、 該駆動手段を介して、第5舵角算出手段が決定した目標
    舵角に補助操舵角検出手段が検出した実舵角が合致する
    方向に補助操舵角調整機構を駆動するサ−ボ制御手段;
    を備える、車輌の自動補助操舵装置。
  2. 【請求項2】第2〜4舵角算出手段はそれぞれ、車輌速
    度に対応する重み付け値を算出しこれにより重み付けを
    付した第2舵角,第3舵角および第4舵角を決定する、
    請求項1記載の車輌の自動補助操舵装置。
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