JPH06134880A - グルテン成形体のシート化方法、当該シート化方法で製造したグルテンの成形体シート、及び当該成形体シートを材質とする清掃用具 - Google Patents

グルテン成形体のシート化方法、当該シート化方法で製造したグルテンの成形体シート、及び当該成形体シートを材質とする清掃用具

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JPH06134880A
JPH06134880A JP31407292A JP31407292A JPH06134880A JP H06134880 A JPH06134880 A JP H06134880A JP 31407292 A JP31407292 A JP 31407292A JP 31407292 A JP31407292 A JP 31407292A JP H06134880 A JPH06134880 A JP H06134880A
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sheet
molded
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Yoshihiro Kawaguchi
芳広 川口
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Ishihara Chemical Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 グルテンの成形体ブロックよりシート体を簡
便に製造するシート化方法、当該方法で製造したグルテ
ンの成形体シート、及び当該シートを材質とする清掃用
具に関する。 【構成】 小麦グルテンに可塑剤を混合し、この混合物
を加熱下で加圧してグルテンの成形体ブロック1を得
て、このブロック1を回転軸3を中心に回転させ、当該
ブロック1の前記回転軸3に平行な側周面6に切削刃5
を押し当て、このブロック1から切削刃5でその尖端縁
7の長さを横幅とする成形体シート10を連続的に削り
出す。このため、プレス成形などに比べて簡便、迅速に
薄いシート体を製造でき、その厚みを100分の1ミリ
単位にまで薄くできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グルテン成形体のシー
ト化方法、及び当該シート化方法で製造したグルテンの
成形体シート、並びに当該成形体シートを材質とする清
掃用具に関し、微生物分解能により環境汚染を防止でき
る天然高分子系の柔軟な成形体シート及びその製造方法
を提供するとともに、このシートを清掃用具として活用
したものである。
【0002】
【発明の背景】加工容易で安価な成形体としてはプラス
チック成形体が一般的であるが、使用後の処分に問題が
ある。即ち、当該プラスチック成形体を土中に埋めて廃
棄しても、PETボトルに代表されるように、微生物に
よる分解を受けず、そのままの形態で残存して嵩張るた
めに、土地の狭い所では処分に限界があり、海洋投棄に
も問題が多いうえ、地盤が安定しないことから廃棄後の
埋立て地の利用にも支障を来す場合がある。しかも、プ
ラスチック成形体を焼却すると、有害ガスが発生する危
険があるとともに、高温で熱分解するために焼却設備の
耐久性や処理能力が低下する。以上のように、プラスチ
ックはその廃棄処分をめぐって、大きな社会問題になっ
ている。
【0003】
【従来の技術】特開平2―67109号公報には、天然
タンパクである小麦グルテンの熱凝固性を利用して、含
水小麦グルテンを加熱下で加圧して硬化させ、剛性の高
いグルテン成形体を得る従来技術が開示されている。こ
のグルテン成形体は小麦グルテンを材質とするので、使
用後に土中に埋めるだけで微生物で容易に分解されるう
え、有害ガスの発生もないことから、上記廃棄処分に係
わる問題を本質的に解消できる。その反面、このグルテ
ン成形体はその高い剛性により形状が固定されるので、
用途が大きく制限されてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、特願平3―26
4844号には、柔軟性を保有するグルテン成形体が先
に提案されている。当該先行技術は、小麦グルテンにア
ルコール類などの可塑剤を混合し、この混合物を加熱し
てプレス成形、押し出し成形、射出成形などの方式で所
望形状に成形して、柔軟性を有するグルテン成形体を得
るもので、その形状の大きな自由度によりプラスチック
代替品としての利用可能性が見い出されつつある。しか
しながら、実用上の問題として、さらに幅広い用途の可
能性を開くには、グルテン成形体を薄く加工して効率良
くシート化する技術を実現させる必要がある。
【0005】即ち、グルテン成形体をシート化する場
合、薄い方が使用に便利であって、用途も広がるが、グ
ルテンは溶融により液状化しないので、実際上、射出成
形や押し出し成形にはなじまず、シート体を製造するに
はプレス成形に依存せざるを得ない。しかし、プレス成
形でシート体を製造すると、通常、拡張できる面積に限
界があるうえ、微妙な圧力調整でシートの厚みを制御す
ることは困難であるので、使い勝手の良い薄いシート体
を効果的に得ることは容易でない。本発明は、微生物分
解能を有し柔軟性のある上記グルテン成形体を効果的に
連続シートに加工するとともに、このシート体を有効に
活用することを技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、素塊状の木
材からベニヤ板を削り出す切削機に着目し、この原理を
利用してグルテン成形体をシート状に加工することを着
想して、本発明を完成した。即ち、本発明1は、小麦グ
ルテンに可塑剤を混合し、この混合物を加熱下で加圧し
て硬化させ、グルテンの成形体ブロックを得るととも
に、この成形体ブロックを回転軸を中心に回転させ、当
該成形体の前記回転軸に平行な側周面に切削刃を押し当
て、上記成形体ブロックから切削刃でグルテンの成形体
シートを連続的に削り出すことを特徴とするグルテン成
形体のシート化方法である。
【0007】本発明2は、上記本発明1において、小麦
グルテンに疎水性可塑剤を混合し、グルテン加水分解物
を乳化剤として併用してグルテンの成形体ブロックを得
ることを特徴とするものである。本発明3は、上記本発
明1又は2のシート化方法により、グルテンの成形体シ
ートを製造することを特徴とするグルテンの成形体シー
トである。本発明4は、上記本発明3のグルテンの成形
体シートにおいて、当該成形体シートのシート面を、被
清掃面に摺擦して被清掃面上の塵埃を吸着する塵埃吸着
面として構成することを特徴とするグルテンシートを材
質とする清掃用具である。
【0008】上記小麦グルテンは、小麦の小胞体、細胞
膜などに由来するタンパク質の総称で、グリアジンとグ
ルテニンの複合タンパク質を主成分とし、通常、炭水化
物10〜12%、脂質8〜12%を含んでいる。小麦グ
ルテンは、粉末状、顆粒状、ペースト状のいずれを使用
しても良い。上記可塑剤は、小麦グルテンを可塑化する
物質、即ち、熱硬化性のある小麦グルテンを加熱成形し
た場合、得られる成形体に柔軟性を付与できる物質をい
い、高沸点でグルテンとの相溶性がある化合物が好まし
い。
【0009】当該可塑剤は親水性可塑剤と疎水性可塑剤
に分類され、親水性可塑剤は下記の(1)〜(3)などの化合
物をいい、これらを単用又は併用する。 (1)メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、ペンタノールなどのアルコール類 (2)グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ルなどのポリオール類 (3)ペンテトール、ヘモシトールなどの糖アルコール類 また、上記疎水性可塑剤は、流動パラフィン、シリコン
オイル、動・植物性油脂、ヘキサン、石油エーテル、鉱
油などをいい、これらを単用又は併用する。
【0010】但し、当該疎水性可塑剤を小麦グルテンに
混合する場合、グルテンとの相溶性が良い前記グルテン
加水分解物を乳化剤として併用すると、疎水性可塑剤を
小麦グルテン中に均一に分散できる。また、上記親水性
可塑剤を併用しても、疎水性可塑剤を小麦グルテン中に
容易に混合できる。上記グルテン加水分解物は、所定の
タンパク質分解酵素、酸、塩基、酸化剤、又は還元剤の
少なくともいずれかの存在下で小麦グルテンを加水分解
して、主にタンパク分子の網目構造を寸断して低分子化
した各種分解物の混合体であり、乳化機能を有する。上
記可塑剤の配合量には特に限定はないが、小麦グルテン
100重量部(以下、「部」と略す)に対して5〜80部が
好ましい。可塑剤の配合量が少ない場合、水を少量加え
ると成形が容易になるが、その際、可塑剤と水の合計量
は小麦グルテン100部に対して40〜50部が好まし
い。尚、可塑剤の種類と配合量を調整すれば、得られる
成形体ブロックの物性を任意に変えられる。
【0011】上記可塑剤に加えて硫黄などの架橋剤をさ
らに混合すると、グルテンの成形体ブロックに弾性を付
与でき、成形体の引っ張り強度を改善できる。これは、
架橋剤が小麦グルテンのSH基又はS―S結合と反応し
て、分子内で部分架橋するためと推定できる。但し、小
麦グルテンは親水性と疎水性の部分に分かれ、SH基又
はS―S結合を有する疎水性部分は分子内に埋もれてい
ることが多いので、尿素、塩化第二水銀、塩酸グアニジ
ンなどの蛋白変性剤を加えて、上記架橋剤と疎水性の官
能部分との接触を容易にして架橋を促進することが好ま
しい。また、当該蛋白変性剤を使用すると、成形体の伸
びが大きくなる傾向がある。上記架橋剤及び蛋白変性剤
の配合量は特に限定はないが、小麦グルテン100部に
対して、架橋剤20部以下、蛋白変性剤50部以下が好
ましい。
【0012】一方、前述のように、疎水性可塑剤をグル
テン加水分解物の存在下で小麦グルテンに添加すると、
全体を均質に混合して、組織を安定化できる。そのう
え、疎水性可塑剤の配合量が多い場合には、得られたグ
ルテン成形体に耐水性を付与できる。当該成形体に耐水
性を付与するには、上記架橋剤を小麦グルテンに使用し
ても良いし、市販の撥水剤を混合しても達成できる。
【0013】上記グルテンの成形体ブロックを得るに
は、先ず、小麦グルテン粉末に可塑剤を加え、必要に応
じて、グルテン加水分解物、架橋剤、蛋白変性剤などを
加えて全体を均質に素練りする。素練りの温度は30〜
35℃が好ましい。例えば、疎水性可塑剤にグルテン加
水分解物を併用する場合、両者を予め混合し、乳化させ
た疎水性可塑剤を小麦グルテンに混合するのが好ましい
が、グルテン加水分解物を小麦グルテンに添加した後
に、疎水性可塑剤を加えることもできる。また、架橋剤
や蛋白変性剤などでは、一定時間素練りをした後に加え
て、さらに素練りをすることが好ましい。特に、尿素の
ように水溶液として加える場合、添加後に40℃で24
時間乾燥させることが好ましい。次いで、上記素練り物
を加熱して溶融し、ブロック状に成形する。成形時の加
熱温度は90〜120℃、圧力は40〜200kg/c
2が好ましい。成形方法はプレス成形、押し出し成
形、射出成型などによる。
【0014】上記グルテン成形体のブロック形状として
は円筒体が好ましいが、角筒体、或は、中実の円柱体・
角柱体などであっても差し支えない。例えば、グルテン
を円筒状に成形した場合には、この中空口に回転軸を嵌
挿して成形体を回転させ、切削刃を円筒体の側周面に押
し当てて、シート体を削り出すことになる。角筒体で
は、切削過程で角部が削れて円筒体に変化する。また、
中実体では、回転軸の嵌挿口がないので、中実体の両端
面を挟持して回転させることになる。例えば、グルテン
成形体が円筒体である場合、円筒体の外径は300〜3
50mm、中空部の内径は75mm程度、長さは最大1
600mm、好ましくは300〜350mmであって、
円筒体の長さは削り出したシートの横幅に相当するの
で、シートの用途に応じて適宜調節すれば良い。
【0015】上記成形体ブロックを切削刃で削り出す場
合、切削刃の押し当て角度、押し当て力、回転速度、或
は、切削刃の種類などを変化させると、シート体の厚み
や横幅などを調整できる。上記シート体の厚みは用途に
応じて調製されるが、例えば、清掃用具に使用する場合
には、0.02mm〜5mmであり、好ましくは0.02
mm〜2mmである。尚、小麦グルテンに赤色2・3
号、緑色3号、青色1・2号などの食品用色素を添加す
ると、シート体に美観を付与して商品価値を高められ
る。他に、ツヤ出し剤や香料を添加することもできる。
また、得られたグルテンシートにフッ素コーティングを
施したり、疎水性膜を被覆すると、シートに撥水性を付
与できる。さらに、削り出した連続シートに一定間隔で
ミシン目を入れて切断機能を高めてから、巻き取ること
も可能である。
【0016】
【作用及び発明の効果】
(1)本発明1のシート化方法の具体例を図1〜図2の原
理図に基づいて説明する。 グルテンを加熱・加圧して円筒体1に成形し、円筒体1
の中空口2に回転軸3を嵌挿し、キー溝4により円筒体
1を回転軸3に同行回転可能に支持する。刃物ホルダー
(図示省略)に尖端縁7の広い切削刃5を取り付け、上記
円筒体1を回転軸3を中心にして回転させ、当該切削刃
5を円筒体1の側周面6に押し当て、切削刃5で突き刺
した成形体1の表面から薄皮を剥くようにして、尖端縁
7の長さを横幅とするグルテンの成形体シート10を連
続的に削り出す。
【0017】このとき、切削刃5は下記の条件〜を
全て満たすように押し当てるのが好ましい。 切削刃5の尖端縁7を回転軸心Cに平行に沿わせる。 切削刃5の押し当て方向Pをこの回転軸3に非交差状
に直交させる。 当該押し当て方向Pが、側周面6の押し当て部8上で
の円筒体1の法線方向Aに対して傾斜する傾斜角度α
は、回転方向Rの下手側に臨む。 但し、上記シート化方法はあくまでも1つの例であっ
て、本発明1はこれに限定されるものではない。
【0018】以上のように、本発明1は、グルテンの成
形体ブロックを回転させ、これに切削刃を押し当てる方
式なので、柔軟性のあるシート体を簡便、迅速に製造で
きる。しかも、シート体を100分の1ミリ単位にまで
薄く形成することができ、その厚みの調整も容易であ
る。このため、冒述したように、プレス成形などでシー
ト体を製造するのに伴う複雑な操作や作業の困難性を容
易に克服できる。
【0019】(2)グルテンのブロック体を成形する場
合、本発明2のように、グルテンへの相溶性に優れたグ
ルテン加水分解物を混入すると、疎水性可塑剤を小麦グ
ルテンに均一に分散でき、成形体の撥水機能や後述する
清浄機能などが強化される。
【0020】(3)本発明1又は2のシート化方法で製造
した本発明3のシート体は薄くて柔軟性に富み、清掃用
具、農業用シート、使い捨てレジャーシート、割れ物輸
送時の衝撃吸収用テープなどを始め、家庭用、業務用と
して種々の用途が期待できる。尚、清掃用具をシューズ
クリーナーとして利用すると、小麦グルテンに含有され
る油脂分の作用で、シューズに清浄効果のみならずツヤ
出し効果をも付加できる。当該グルテンシートは、土中
に埋めるだけで容易に微生物により分解されるので、使
用後の廃棄処分がきわめて楽であり、また、焼却しても
有害ガスの発生がない。このため、環境汚染の心配が全
くなく、環境保護が強く求められる現代社会のニーズに
も非常に良くマッチする。しかも、天然タンパクとして
大量に存在する小麦グルテンを材料とするので、安価に
製造できる。
【0021】(4)本発明3のシート体を所定寸法に切断
すると、そのシート体は加工の手間を要さず、そのまま
の形態で本発明4の清掃用具を構成することができる。
但し、前述したように、清掃用具としてのシート体は、
0.02mm〜2mmの厚みにするのが好ましい。0.0
2mmより薄いと被清掃面を摺擦するときの強度に乏し
く、2mmより厚いとゴワゴワした感触で使い勝手が低
下する。
【0022】一方、前述のように、小麦グルテンは油脂
8〜12%を含有し、この油脂分が主に塵埃を吸着して
清浄機能を発揮するので、本発明1のシート化方法で製
造されたシート体はそのままで清掃用具になる。また、
流動パラフィンやシリコンオイルなどの疎水性可塑剤は
塵埃を吸着作用を有し、これらを小麦グルテンに混合す
ると清浄機能が増大するので、疎水性可塑剤を混合した
シート体を清掃用具に使用するのが好ましい。従って、
グルテンシートの清掃用具を製造するには、グルテン加
水分解物の存在下で疎水性可塑剤を小麦グルテンに均質
に混合する本発明2のシート化方法が適している。
【0023】
【実施例】以下、混合組成を変化させたグルテンの成形
体ブロックの製造実施例を順次示し、この成形体ブロッ
クから成形体シートを削り出す実施例を述べるととも
に、当該シート体を材質とする清掃用具の清浄試験を併
記する。但し、本発明1〜4は本実施例に拘束されるも
のではない。
【0024】《円筒体の実施例1〜15》図3に示すよ
うに、小麦グルテン粉末(商品名 フメリットE;長田産
業(株)製)100部に、親水性可塑剤であるグリセリン
単独、又はグリセリンと水との混合物を加えた。グリセ
リンと水の混合物では、その合計が40部になるように
調整した。これらをミキサーで均一に混合した後、硫黄
0〜9部を加えて約1分間混練した。尚、硫黄は各実施
例において、無添加でも良いし、適宜増量しても差し支
えない。上記混練物を加熱温度90〜150℃、圧力4
0〜200kg/cm2、成形時間60分の条件でプレ
ス成形して、外径300mm、内径75mm、長さ15
0mmであるグルテンの円筒状成形体を得た。
【0025】《円筒体の実施例16〜31》本実施例
は、基本的に前記実施例1〜15に蛋白変性剤である尿
素を追加したものである。即ち、図4に示すように、小
麦グルテン粉末(商品名 フメリットE;長田産業(株)製)
100部にグリセリン30部及び水0〜20部を加え、
ミキサーで均一に混合した後、尿素0〜36部及び、硫
黄0又は3部を加えて約1分間混練した。尚、硫黄の取
り扱いは前記実施例1〜15と同様で良い。上記混練物
を加熱温度100℃、圧力60〜150kg/cm2
成形時間60分の条件でプレス成形して、実施例1〜1
5と同形の円筒状成形体を得た。
【0026】《円筒体の実施例32〜43》本実施例
は、基本的に前記実施例1〜15のグリセリンをエチレ
ングリコール又はジエチレングリコールで代替したもの
である。即ち、図5に示すように、小麦グルテン粉末
(商品名 フメリットE;長田産業(株)製)100部にエチ
レングリコール又はジエチレングリコールを加えるとと
もに、水0〜5部を加えてミキサーで均一に混合した
後、硫黄0又は3部を加えて約1分間混練した。尚、硫
黄の取り扱いは前記実施例1〜15と同様で良い。上記
混練物を加熱温度100℃、圧力60〜150kg/c
2、成形時間60分の条件でプレス成形して、実施例
1〜15と同形の円筒状成形体を得た。
【0027】《円筒体の実施例44〜53》本実施例
は、グルテン加水分解物の存在下で小麦グルテンに親水
性可塑剤であるジエチレングリコールと疎水性可塑剤で
ある流動パラフィン又はシリコンオイルを併用したもの
である。即ち、図6に示すように、小麦グルテン粉末
(商品名 フメリットE;長田産業(株)製)100部にジエ
チレングリコール30部を加えるとともに、グルテン加
水分解物で予め乳化した流動パラフィンとシリコンオイ
ルとの少なくともいずれかを追加してミキサーで均一に
混合した後、硫黄0又は3部を加えて約1分間混練し
た。上記混練物を加熱温度100℃、圧力60〜150
kg/cm2、成形時間60分の条件でプレス成形し
て、実施例1〜15と同形の円筒状成形体を得た。
【0028】《シート体の実施例》そこで、上記各実施
例で得られた各種組成を有するグルテンの円筒状成形体
に、作用の項目の切削原理で作動する切削機(商品名 ス
カイビングレースEF型又はDF型;(株)田之内鉄工所
製)を適用して、当該円筒状成形体からシート体を連続
的に削り出す試験を行った。
【0029】その結果、上記各円筒状成形体からは厚み
0.05mm、横幅60mmの成形体シートが連続状に
製造できた。当該シート体は伸縮性と耐摩耗性を備え、
力を加えれば任意の方向に引き裂くこともできた。この
ため、連続シートを適正に切断すると、後述する清掃用
具が即座に調製できる。但し、既述したように、連続シ
ートに適宜間隔でミシン目を入れて、切断を容易にする
ことも可能である。また、得られた各シート体を土中に
埋めて経時変化を調べた結果、いずれも4週間程度で完
全に分解されて、形状が崩壊していた。従って、これら
のシート体は微生物分解能に優れ、廃棄処分がきわめて
楽であることが確認できた。
【0030】《清浄試験例》次いで、上記各種のシート
体から複数種を選択し、適宜の長さに切断したものを、
加工を加えずにそのままの形態でシート状の清掃用具に
構成して、清浄試験を行った。即ち、既述したように、
流動パラフィン、シリコンオイルなどの疎水性可塑剤
は、塵埃などの吸着性に優れるので、これらを含有する
前記実施例44〜53から得られたシートを清浄用具に
選択して、塵埃吸着能、シートに吸着した塵埃が被清掃
面に再付着するかどうかの有無、並びに清掃時の使用感
を夫々調べた。当該塵埃吸着能は、面積50mm×50
mm当たりの塵埃吸着量(単位はmg)で表した。但し、
当該疎水性可塑剤を含有しない例として実施例38(小
麦グルテンとジエチレングリコールのみ)を使用すると
ともに、比較例として市販の化学ゾウキンを使用した。
【0031】図7はその結果を示し、疎水性可塑剤を含
む各実施例44〜53、並びにこれを含まない実施例3
8では、比較例と同様に塵埃の再付着はなかった。ま
た、使用感については、本実施例ではいずれも、しなや
かで適当な滑り感があり、使い勝手が良好であったのに
対して、比較例では若干ごわついて滑り感が不良であっ
た。
【0032】実施例44〜53の塵埃吸着能に着目する
と、配合量が同程度であれば吸着能も同様であり、配合
量が増えると吸着能も増大する傾向を示した。特に、実
施例48〜53では、比較例より高い吸着能を示した。
但し、疎水性可塑剤の配合量が8部である場合、硫黄の
配合条件が同じであれば、流動パラフィンを単用した方
がシリコンオイルの単用例より吸着能が少し高かった。
疎水性可塑剤が15部の場合には、逆に、シリコンオイ
ルを単用した方が流動パラフィンの単用例より吸着能が
高かった。また、実施例52と53の併用例を除き、硫
黄を添加した場合の方が、無添加の実施例より高い吸着
能を示した。
【0033】結果的に、15部のシリコンオイルを単用
した実施例51が最大の吸着能を示したが、この46.
3mgという吸着塵埃量は、例えば、積年の塵埃が付着
した屋内の窓枠(具体的には、パテの塗着部分)におい
て、レールに沿った下枠(横幅3cm×長さ1m)を清掃
した場合に、50ミリ平方の矩形シートの両面に吸着し
た量に相当するものである。このことは、当該シート体
が、50ミリ平方の小さな清掃面の表・裏で多量の塵埃
を吸着する能力があることを示している。尚、疎水性可
塑剤を含まない実施例38では、これを含む実施例44
〜53に比べて吸着能は少し低い数値を示したが、清浄
用具としての実用性には特に問題はないと思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形体ブロックの切削原理を示す概略斜視図で
ある。
【図2】成形体ブロックの切削原理を示す概略縦断面図
である。
【図3】円筒状成形体の製造実施例1〜15の配合組成
を示す図表である。
【図4】同実施例16〜31の配合組成を示す図表であ
る。
【図5】同実施例32〜43の配合組成を示す図表であ
る。
【図6】同実施例44〜53の配合組成を示す図表であ
る。
【図7】グルテンシートの清浄試験の結果を示す図表で
ある。
【符号の説明】
1…グルテンの円筒状成形体、2…1の中空口、3…回
転軸、5…切削刃、6…1の側周面、7…5の尖端縁、
10…グルテンの成形体シート、C…3の回転軸心、P
…5の押し当て方向、R…1の回転方向。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦グルテンに可塑剤を混合し、この混
    合物を加熱下で加圧して硬化させ、グルテンの成形体ブ
    ロックを得るとともに、 この成形体ブロックを回転軸を中心に回転させ、当該成
    形体の前記回転軸に平行な側周面に切削刃を押し当て、 上記成形体ブロックから切削刃でグルテンの成形体シー
    トを連続的に削り出すことを特徴とするグルテン成形体
    のシート化方法。
  2. 【請求項2】 小麦グルテンに疎水性可塑剤を混合し、
    グルテン加水分解物を乳化剤として併用してグルテンの
    成形体ブロックを得ることを特徴とする請求項1に記載
    のグルテン成形体のシート化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のシート化方法に
    より、グルテン成形体のシートを製造することを特徴と
    するグルテンの成形体シート。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の成形体シートにおい
    て、当該成形体シートのシート面を、被清掃面に摺擦し
    て被清掃面上の塵埃を吸着する塵埃吸着面として構成す
    ることを特徴とするグルテンシートを材質とする清掃用
    具。
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JP2008509019A (ja) * 2004-08-05 2008-03-27 アール・アンド・ディー・グリーン・マテリアルズ・エルエルシー 固体生分解性物を製造するための低温成形方法

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JP2008509019A (ja) * 2004-08-05 2008-03-27 アール・アンド・ディー・グリーン・マテリアルズ・エルエルシー 固体生分解性物を製造するための低温成形方法
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