JPH06134584A - ディスクホイールのリム・ディスク摩擦圧接法及びその装置 - Google Patents

ディスクホイールのリム・ディスク摩擦圧接法及びその装置

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JPH06134584A
JPH06134584A JP14310092A JP14310092A JPH06134584A JP H06134584 A JPH06134584 A JP H06134584A JP 14310092 A JP14310092 A JP 14310092A JP 14310092 A JP14310092 A JP 14310092A JP H06134584 A JPH06134584 A JP H06134584A
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disk
disc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両のディスクホイールのリムとディスクと
を重ね継手方式による摩擦圧接法で接合する。 【構成】 回転軸18の上方外周に取り付けた保持治具
22上に円板状のディスクBを固定し、内周に形成した
突起aをディスクBの外周に当てた状態にして、ディス
クBの外周にリムAを配置している。四つ割りの加圧片
32をリング状に配置してリムAの外周を取り囲ませて
いる。回転軸18を回転させると、保持治具22がディ
スクBと一体となって回転する。リムA・ディスクBと
共に加圧片32を押し下げていくと、加圧片32の外周
にある円筒体12のテーパー部13により加圧片32が
押し縮められていく。加圧片32の内周がリムAの突起
aをディスクBの外周に押し付けていく。両者間に摩擦
熱が発生し、回転を止めると両者は接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のディスクホイー
ルのリムとディスクとを摩擦圧接法で接合するための摩
擦圧接法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦圧接法は、接合時間が短くて接合を
高能率で行うことができるため、車両のディスクホイー
ルのリムとディスクとの接合にも利用できるのではない
かと検討されている。例えば特開平1−138081号
公報には、突合せ継手方式による摩擦圧接法に基づいた
次のようなものが記載されている。すなわち、板状体と
したディスクの平面部に環状突起を設け、中空体とした
リムの端面をその環状突起に対向させ、ディスクを回転
させながら対向面を摩擦圧接させるものである。特開平
1−107987号公報にも、第2実施例として重ね継
手方式に準じた摩擦圧接法が記載されている。すなわ
ち、回止め手段としての複数の分割ブロックを外周に配
置した中空体のリムの中に、回転軸の先端に取り付けた
板状体のディスクを挿入し、リム内の段部にディスク外
周を押し当て、ディスクを回転させながら回転軸方向へ
加圧していって摩擦熱を発生させ、アプセット加圧時に
は分割ブロックを押し縮めて、両者を接合するものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】摩擦圧接法は優れた接
合法である。しかし、多くの実験結果から以上のような
従来の技術には次のような欠点があることが明らかにな
った。特開平1ー138081号公報のものには、次の
ような欠点があった。すなわち、ディスクを回転駆動源
側に連結し、回転駆動源によりディスクを回転させ、デ
ィスク平面部の環状突起をリムの端面に押し付けながら
接合させていく。摩擦圧接工程時には、ディスクに大き
な回転力・慣性力が一方向へ加えられ続け、接合面には
逆方向の大きなブレーキ力が加えられ続ける。さらに、
アプセット加圧工程時には接合面の方向へ加圧力が加え
られる。このため、接合部の真円がだ円形に変形してし
まいやすかった。回転及び加圧によりねじりモーメント
が発生することが、変形させる原因の一つになったと考
えられる。リムやディスクの肉厚が薄くなるほど、変形
量は大きくなった。変形を防ぐには加圧力を弱めれば済
むが、加圧力を弱めると今度は接合が不良になってしま
った。特開平1−107987号公報のものには、次の
ような欠点があった。すなわち、リムとディスクとがと
かく不規則でしかも部分的に接合するにすぎず、全周的
に連続して接合するとは限らなかった。アプセット加圧
時には真円度を得るためリムを内側へ絞っていくが、両
者がまだよく接合していない部分がスプリングバックに
よって元の形状に戻るような変形をしてしまった。その
ように変形してしまう例の一つに、リムがだ円形になっ
てしまうケースが挙げられる。リムがだ円形になってし
まった場合、相対向する短径部分はよく接合しても長径
部分は接合しにくかった。
【0004】車両用ディスクホイールのリム・ディスク
摩擦圧接法に関しては、そのほかにもいろいろと提案さ
れている。しかし、それらの提案は、車両用ディスクホ
イールのリム・ディスクを摩擦圧接する際に問題となる
特異な変形をなくす面で十分でないため、これまでほと
んど実用化されていない。従来の突合せ継手方式の摩擦
圧接法においては、ディスクを回転させながら突き合わ
せる方向へ加圧するために変形してしまった。また、従
来の重ね継手方式の場合も、ディスクの板厚が薄くてし
かも摩擦圧接時にディスク周端部が過熱されやすいため
に、加圧の際に接合部に隣接する部分が板厚方向へ大き
く変形して加圧力が接合部へ集中しにくく、全周的に連
続した接合をさせることが大変難しかった。そして、完
全には接合しなかった部分においては、加圧時に変形さ
せた分のスプリングバックが生じて元に戻るような変形
をした。このため、ディスクホイールを真円に近付ける
ことができなかった。本発明の発明者は、以上のような
従来の技術をしっかり踏まえたうえで、基本的には、突
合せ継手方式ではなく重ね継手方式に着目した。そし
て、いろいろと研究・実験を重ねた結果、重ね継手方式
の発明を完成させ、既に特願平3−342526号とし
て出願を済ませている。本発明は、その出願に係るもの
を更に発展させ、ディスクを板状体にしたものに適用し
たものである。本発明が解決しようとする課題は、特願
平3−342526号のものと同様、リムとディスクと
をほとんど変形させずに強固に接合させることができる
リム・ディスク摩擦圧接法及びその装置を提供する点に
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るディスクホ
イールのリム・ディスク摩擦圧接法及びその装置はその
ような課題を解決したものであり、これから詳細を説明
していく。まず円筒状のリムAと、外周がリムAの内周
面に対向する状態でリムA内にはめることができる円板
状のディスクBとをあらかじめ製作しておく。このと
き、リムA及びデイスクBの両方又は一方において両者
の対向部付近に、摩擦圧接をするときに接合部に加圧力
がより一層集中するような形状を付け加えておいてもよ
い。例えば、ディスクBの外周が対向する位置におい
て、リムA側に突起aやくぼみbを設けてもよい。リム
Aは圧延材で製作することが望ましく、ディスクBは圧
延材・鍛造材・鋳造材のどれで製作してもよい。そし
て、本発明に係るリム・ディスク摩擦圧接法は、リムA
内にディスクBをはめてリムAの内周面にディスクBの
外周が対向した状態にし、両者を相対的に回転させなが
ら全周的に均等でしかも両者の対向部に集中する加圧力
を内外方向へ加えていくことで対向部に摩擦熱を発生さ
せ、リムAとディスクBとを接合させる方法である。こ
の場合、対向部隣接部においてディスクBの板厚方向の
変形を防ぎながら接合させることが望ましい。本発明に
係る摩擦圧接装置は、その摩擦圧接法を実施するための
装置であり、次のようなものである。すなわち、リムA
内にディスクBをはめてリムAの内周面にディスクBの
外周を対向させた状態にして両者を保持する手段と、両
者を相対的に回転させる手段と、及び全周的に均等でし
かも両者の対向部に集中する加圧力を内外方向へ加えて
いくことで対向部に摩擦熱を発生させ両者を接合させる
手段とを備えたものである。この場合、対向部隣接部に
おいてディスクBの板厚方向の変形を防ぐ手段を設ける
ことが望ましい。
【0006】本発明の大きな特徴は、リム・ディスクを
摩擦圧接する際に対向部に加圧力が集中するようにした
点にある。加圧力を集中させることで、全周が連続接合
又は規則的な断続接合となる。しかも、接合部が強固に
なって、リムの変形も非常に小さくなる。ここで、加圧
力を集中させるやり方の例を、図2により幾つか紹介す
る。(図2はリムA内にディスクBをはめリムA内周面
にディスクB外周を対向させた状態を示す要部縦断面図
である。リムAの外側に密着した状態で示したものは、
リムAの外周からディスクB方向へと加圧するための加
圧片又はリムAを保持するための保持治具である。加圧
片・保持治具の詳細については、後に明らかにする。)
まず、(a)に示すように、リムAの内周面に突起aを
設け、突起aの内周をディスクBの外周面と対向させる
ようにしてもよい。(b)のように、リムA成形時に対
向部の位置においてリムAをへこませて内周に突起aを
形成し、加圧片・保持治具の内周もリムAの外周形状に
沿った形状にしてもよい。(c)のように、対向部の位
置においてリムA内周にくぼみbを設けてもよい。
(d)のように、リムA成形時にリムAを外側へ膨らま
せてくぼみbを形成してもよい。(e)のように、対向
部の位置において加圧片・保持治具の内周に突起を設け
てもよい。(f)のように、加圧片・保持治具の内周に
逆にくぼみを設けてもよい。(なお、(e)(f)の場
合は、摩擦圧接時にリムAに突起a又はくぼみbが形成
されることになる。)または(g)のように、ディスク
Bの外周端を折り曲げ、摩擦圧接時に接合部に隣接する
部分が板厚方向へ変形することを防ぐようにしてもよ
い。板厚方向への変形を防ぐことで、加圧力を接合部へ
より一層集中させることができる。または(h)のよう
に、ディスクBの外側端の両側に突起を設けて板厚方向
の変形を防ぐようにしてもよい。リムAの外周から加圧
する場合は、(i)のように、ディスクBの両面を保持
治具で挟んで板厚方向の変形を防ぐようにしてもよい。
この場合、保持治具を内部冷却するようにして、板厚方
向の変形を防ぐようにしてもよい。なお、突起aやくぼ
みbを設ける場合は、それらは全周的に連続したものと
してもよいし、断続箇所があってもよい。断続箇所を設
ける場合は、全周的に規則的に設けてもよいし不規則に
設けてもよい。また、形状面においても、それらは全周
的に規則的なものとしてもよいし不規則なものとしても
よい。リムAとディスクBとの対向部は全周的に接触す
るようにしたものとしてもよいし、接触しない部分を設
けてもよい。対向部へ加圧力を集中させる点でいえば、
(a)(c)の場合より(b)(d)の場合の方が効果
が大きい。また、突起aを設けた場合とくぼみbを設け
た場合とを比較すると、くぼみbを設けた方が効果は大
きい。更に、(g)(h)(i)のように、リムAに突
起aを設け、しかもディスクB側に変形防止手段を設け
たものが、最も効果が大きい。
【0007】そして、本発明に係る摩擦圧接法及びその
装置においては、リムA内にディスクBをはめリムAの
内周面にディスクBの外周を対向させた状態にして両者
を相対的に回転させる。このとき、ディスクBを固定し
てリムAを回転させるようにしてもよいし、リムAを固
定してディスクBを回転させるようにしてもよい。両者
を共に回転させるようにしてもよい。両者を回転させる
ようにする場合は、両者を同方向に回転させてもよいし
逆方向に回転させてもよい。とにかく、両者に相対的な
速度差が生じるようにしていればよい。回転手段として
は、以下に紹介する各実施例のようにしてもよいし、そ
の他のものとしてもよい。また、両者間に全周的に均等
でしかも対向部に集中する加圧力を内外方向へ加えてい
くが、そのようにするにはリムA側を固定してディスク
Bの内側から外側へと加圧力を加えるようにしてもよ
い。ディスクB側を固定してリムAの外側から内側へと
加圧力を加えるようにしてもよい。または、ディスクB
の内側及びリムAの外側から内外へと共に加圧するよう
にしてもよい。内外から加圧するようにする場合は、両
者を内外から同時に加圧するようにしてもよいし、加圧
時間を一部又は全部ずらすようにしてもよい。内外方向
へ加圧するやり方としては、実施例1のように、リムA
の外周にリング状の加圧片を全周的に配置して加圧片を
押し縮めたり、または実施例2のように、ディスクBを
両側から押すことでディスクBの外周を押し広げたりす
ることが考えられる。しかし、そのほかのやり方によっ
てもよい。加圧片を使用する場合は、加圧片は1か所だ
け切断したリング状のものとしてもよいし、二つ割り・
三つ割り等にしたものを合わせて全体がリング状になる
ものとしてもよい。加圧片を押し縮めるには、実施例1
のようにテーパー面を利用してもよい。そのほか、液圧
・空気圧を利用したりカム機構・リンク機構等を利用し
たりしてもよい。ディスクBを両側から押すことでディ
スクBの外周を押し広げるようにするには、実施例2の
ようにディスクBにうねりcを設けてもよいし、ディス
クBの外周付近をやや湾曲させたりしてもよい。とにか
くディスクBの両側を押すと外周が膨らむようになって
いればよい。リムA・ディスクBのどちらか一方を固定
する場合は、各実施例で使用したような保持治具等を使
用することが望ましいが、そのほかの手段を採用しても
よい。リムAを予備加熱した後で摩擦圧接するようにし
てもよい。そのようにすると、接合後に冷却する際にリ
ムAの半径方向の収縮量がディスクBのそれより大きく
なる。このため、接合部が焼きばめされた状態となり、
いっそう強固に接合される。
【0008】
【作用】本発明に係るリム・ディスク摩擦圧接法及びそ
の装置においては、まずリムA内にディスクBをはめて
リムAの内周面にディスクBの外周を対向させた状態に
し、両者を相対的に回転させながら全周的に均等でしか
も両者の対向部に集中する加圧力を内外方向へ加えてい
くことで対向部に摩擦熱を発生させて摩擦圧接させ、両
者を接合する。
【0009】
【実施例】実施例1 図1は本発明の実施例1を示す縦断面図である。土台1
0上に基台11を取り付け、基台11上の外周付近に、
大きな円筒体12を垂直上方へ向けて取り付けている。
円筒体12の上端付近の内周面に、上端から下方へいく
ほど内径が次第に小さくなるテーパー部13を設けてい
る。円筒体12の下端付近内側に段部14を設け、段部
14の内側に穴15をあけている。段部14上に、中央
に円形の穴16をあけた円板状の支持板17を乗せて取
り付けている。支持板17の穴16から垂直上方へ向け
て回転軸18を配置している。基台11の中央に穴19
をあけ、回転軸18の下端部分を穴19に挿入し、穴1
9内において回転軸18と基台11との間にベアリング
20を設けている。支持板17と基台11との間に、回
転軸18に取り付けた歯車21を収容している。回転軸
18の上部外周に、保持治具22を配置している。保持
治具22は円板状のディスクBを外周からの加圧に対し
て保持するものであり、上面の内側にはリング状の突出
部23を上方へ向けて形成し、また複数の突起24を上
方へ向けて設ている。ディスクBには数個のボルト取付
け穴や十数個以内の飾り穴をあけているが、突起24は
ディスクBのそれらの穴にちょうどはまる位置に設けて
いる。そして、ディスクBの内周を突出部23の外周に
当て、ディスクBの複数の穴を突起24にそれぞれはめ
た状態にして保持治具22の上にディスクBを乗せてい
る。ディスクBの穴に突起24をはめたことで、ディス
クBと保持治具22とを一体に回転させることができ
る。保持治具22は回転軸18と一体になって回転する
が、回転軸18に対して上下動ができるようにしてい
る。回転軸18の外周であって支持板17上に、ベアリ
ング25を介して回転リング26を配置している。回転
軸18の外周であって保持治具22と回転リング26と
の間に、コイルばね27を配置している。支持板17の
外周付近においても、円周上の何か所かにコイルばね2
8を垂直方向に設けている。コイルばね28上に円筒状
とした支持筒29を配置し、支持筒29の外周を円筒体
12の内周面に接しさせている。支持筒29の下半部分
内周においては、2組のベアリング30及びベアリング
31を介して保持治具22を支持している。支持筒29
上に数個の加圧片32をリング状に配置している。加圧
片32の外周面には円筒体12のテーパー部13の傾斜
と一致する傾斜を付け、加圧片32がテーパー部13に
沿って上下動できるようにしている。
【0010】保持治具22上に取り付けたディスクBの
外周にはめた状態にして加圧片32によりリムAを取り
付けるのであるが、リムAや加圧片32は図2(b)に
示したように、リムAに突起aを形成して加圧片32の
内周面はリムAの突起aを設けた付近の外周面と一致す
る形状に形成している。そして、加圧片32の内周に外
周を密着させた状態にしてリムAを配置している。この
とき、リムAの突起aとディスクBの外周面とを対向さ
せて接触させた状態にしている。そして、加圧片32上
にリング33を配置し、リング33上にリング状の加圧
台34を乗せて配置している。加圧台34の中央に穴3
5をあけ、穴35内に押圧片36を配置している。押圧
片36は保持リング37で保持している。加圧台34上
に加圧板38を取り付け、加圧板38と押圧片36との
間にベアリング39を設けている。図1に示したものの
作動は次のとおりである。歯車伝動機構によって歯車2
1を介して回転軸18を回転させると、コイルばね27
や回転リング26と共に保持治具22が回転し、保持治
具22はディスクBを回転させる。十分な回転速度に達
したところで加圧板38を下降させていく。加圧板38
は加圧台34や押圧片36を介し、リング33・加圧片
32・リムA・支持筒29やディスクB.保持治具22
等を下降させていく。加圧片32は下降するにつれ円筒
体12のテーパー部13によって押し縮められていき、
リムAの外側からディスクBの外周へと加圧していく。
このとき、ディスクBの外周部の上下を保持治具22と
押圧片36とがしっかり挟み付けて保持し、板厚方向の
変形を防いでいる。このため、外周からの加圧力は接合
部に集中し、一層の摩擦熱を発生させる。所定の圧接温
度に達したところで回転軸18の回転を停止させた後、
加圧板38を更に下降させアプセット圧力を加える。以
上のようにすると、リムAとディスクBとの摩擦圧接が
完了する。全周的に連続接合又は規則的な断続接合とな
っていて、リムAの変形は著しく小さいものとなってい
る。
【0011】実験例1 図1に示した装置を使用して試験片を作り、接合後の変
形状態と接合箇所の欠陥発生状況を調べ、従来法と比較
した。ディスクホイールとしては、JISD4218制
定のリムの呼び14×5JJ乗用車用を選んだ。
材質としては、アルミニウム合金5454を選んだ。リ
ムAの板厚は5mm、ディスクBの板厚は6mmとし
た。リムAの成形はローラで行い、ディスクBは機械加
工で仕上げた。リムA・ディスクBの対向面の断面形状
は図2(i)のようにした。リムAの突起aはリムAの
成形加工時に設け、突起aの高さは約2.5mmとし
た。接合条件は次のとおりとした。接合箇所はいずれも
リムAのドロップ部とディスクBの外周端部とした。円
筒体12のテーパー部13は勾配1/50とした。摩擦
発熱工程時は、接合面の相対回転速度400m/分、支
持筒29、保持治具22、加圧片32及びリング33の
相対的有効移動長50mm、摩擦発熱時間約5秒とし
た。加圧片32の内周方向への有効寄り代は1mmとし
た。軸方向の最大加圧力は40トンとした。そして、デ
ィスクBの外周端の接合部に隣接する部分を保持治具2
2と押圧片36で挟んで接合部が板厚方向へ変形するこ
とを防ぎ、加圧力が接合部へ一層集中するようにした。
比較例のものは、リムAに突起aがなく、加圧片32の
内周面がリムAのドロップ部の外周面に密着する形状と
し、しかも押圧片36を使用しなかった以外は、前述と
同じ条件とした。接合させたもののそれぞれについて、
ばり生成部分を切削して接合幅6mmに仕上げ加工し、
接合部の両側につきJISZ2343による浸透探傷試
験を全周にわたって行い、両側の融合不良の長さを測定
した。その結果、実験例のものでは無欠陥であったのに
対し、比較例のものでは2か所において103.2mm
及び136.3mmの長さの融合不良が生じていた。ま
た、接合後、ドロップ部の外径を測定した。実験例のも
のでは、最大値315.1mm、最小値315.0mm
で、その差は僅か0.1mmであった。比較例のもので
は、最大値316.9mm、最小値315.0mmで、
差は1.9mmと大きかった。
【0012】実施例2 図3に基づいて実施例2を説明する。図3は実施例2を
示す縦断面図である。実施例1のものではディスクBを
回転させリムAの外周からディスクB方向へ加圧する
が、実施例2のものではリムAを回転させディスクB側
からリムA方向へと加圧する。そして、実施例2のもの
は横型としている。基台11aは土台10aに対して垂
直に取り付けている。そして、基台11aに対して円柱
状の保持治具22aを左方向へ水平に取り付けている。
保持治具22aの左端には、中央に円柱状の突出部23
aを形成し、突出部23a以外の部分に多数の突起24
aも形成している。そして、保持治具22aの左端はデ
ィスクBの最終形の内面と一致する形状に形成してい
る。ディスクBの内周を突出部23aに当て、ディスク
Bの穴に突起24aにはめた状態にして、保持治具22
aの左端にディスクBを取り付けている。リムA・ディ
スクBを拡大して示す図4から明らかなように、ディス
クBの外周付近には波形のうねりcを二つ円周方向に設
けている。そして、右側中央にくぼみを設けてそのくぼ
みに保持治具22aの突出部23aをはめた状態にして
ディスクBの左側を押圧片36aで押さえている。ま
た、押圧片36aの外周に円筒状の加圧筒40をはめ、
両者は互いに滑り合うことができるようにしている。そ
して、加圧筒40の右端でディスクBのうねりcの部分
を押さえている。加圧筒40は押圧片36aよりやや長
く形成し、左端には加圧板38aを取り付けている。押
圧片36aに左方から幾つかのくぼみを設け、それらの
くぼみに圧縮状態のコイルばね41をはめてコイルばね
41の左端で加圧板38aを押させている。基板11a
の左側であって保持治具22aの外周に回転板42を配
置し、回転板42と基板11aとの間及び保持治具22
aとの間にベアリング43及びベアリング44をそれぞ
れ取り付けている。回転板42の外周には歯を切って歯
車45とし、歯車伝動により歯車45を介して回転板4
2を回転するようにしている。回転板42の左側であっ
て保持治具22aの外周に、円筒状とした回転筒46を
配置し、回転筒46は回転板42と一体に連結してい
る。回転筒46の左端付近の内周位置において、保持治
具22aとの間にベアリング47を取り付けている。
【0013】回転筒46の左側であって保持治具22a
の外周に、保持治具22bを配置している。保持治具2
2bは四つ割りにしたものであつて、図示していない油
圧シリンダにそれぞれ連結し、油圧シリンダにより回転
筒46に沿って広げたり縮めたりすることができるよう
にしている。保持治具22bの内周面はリムAの外周と
一致する形状に形成している。保持治具22bを広げて
中にリムAをはめてから縮め、更にリムAにも加圧を与
えて縮み変形をさせ、リムAの真円度を向上させるよう
にしている。それから、保持治具22bをボルト等で連
結してリムAを保持した後に、保持治具22bと油圧シ
リンダとの連結を解除する。図3に示したものの作動
は、次のとおりである。歯車伝動機構により歯車45を
介して回転板42を回転させる。回転筒46及び保持治
具22bも回転し、保持治具22bはリムAを回転させ
る。(図示していないが歯車45の回転駆動源側にはず
み車を取り付け、十分な回転エネルギーを蓄えられるよ
うにしている。)十分な回転速度になったところで電動
機との回転伝達を断ち、加圧板38aを右側へ移動させ
ていく。加圧筒40によってディスクBのうねりcが平
らになっていき、ディスクBの外周が広がってリムAの
内周へ加圧するようになる。摩擦面ではずみ車の慣性エ
ネルギーが熱エネルギーに変換し、急速に回転は減速し
て自然に停止し、摩擦圧接は完了する。
【0014】実験例2 図3の装置で試験片を作り、接合後の変形状態と接合箇
所の欠陥発生状況を調べた。ディスクホイールとしては
JISD4218制定のリムの呼び14×5JJ
乗用車用を選んだ。材質としてはアルミニウム合金7N
O1A4を選んだ。リムAの板厚は3.6mmとし、デ
ィスクBの板厚は4.3mmとした。リムAの成形はロ
ーラで行い、ディスクBの成形はプレスで行った。リム
A・ディスクBの対向部近傍の断面形状は図4のとおり
とした。加圧力を接合部に集中させるためのリムAのく
ぼみbと、ディスクB側における加圧のための二つのう
ねりcとは、それぞれの成形加工時に設けた。接合条件
は次のようにした。接合箇所はリムAのビードシート部
とディスクBの外周端部とした。はずみ車の保有慣性エ
ネルギーは約500kJ、接合面の相対回転速度は20
0m/分、最大加圧力は約300トン、ディスクBの有
効寄り代は3mm(うねりcが平らになった時の増加分
8mm−5mm)、摩擦発熱時間は約3秒とした。接合
後のディスクホイールについて、ばり生成部分を切削加
工した。そして、接合部両端のトウ部の全周につきJI
SZ2343による浸透探傷試験をした。その結果は無
欠陥であった。また、接合箇所のリムAのビードシート
部外径を測定したが、最大値360.8mm、最小値3
60.7mmであった。その差は僅か0.1mmにすぎ
ず、寸法精度が著しく高いことが分かった。
【0015】
【発明の効果】本発明に係るリム・ディスク摩擦圧接法
及びその装置によるときは、リムA内にディスクBをは
めた状態にし、両者を相対的に回転させながら全周的に
均等でしかも両者の対向部に集中する加圧力を内外方向
へ加えていくことで対向部を接合させる。このとき、加
圧力は対向部へ集中し、ほかの部分へ及ぶことが少な
い。したがって、接合面に生じる、回転駆動力・慣性力
とブレーキ力との相反する方向の力は、接合部の箇所で
ほとんど吸収されてしまう。このため、ひずみ力は他部
へ及びにくく、他部は変形しにくい。また、対向部へ加
圧力を集中させて接合するために、全周的に連続接合又
は規則的な断続接合となり、接合帯の真円度は著しく良
好になる。したがって、ディスクホイールの寸法精度が
著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を示す縦断面図である。
【図2】リムA・ディスクBの接合部のいろいろな形状
を示す断面図である。
【図3】実施例2を示す縦断面図である。
【図4】実施例2のもののリムA・ディスクBの接合部
を示す断面図である。
【符号の説明】 13 テーパー部 18 回転軸 22・22a・22b 保持治具 32 加圧片 40 加圧筒 42 回転板 46 回転筒
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のリムAと、外周がリムAの内周
    面に対向する状態でリムA内にはめることができる円板
    状のディスクBとをあらかじめ用意し、リムA内にディ
    スクBをはめてリムAの内周面にディスクBの外周を対
    向させた状態にし、両者を相対的に回転させながら全周
    的に均等でしかも両者の対向部に集中する加圧力を内外
    方向へ加えていくことで対向部に摩擦熱を発生させ、両
    者を接合させるディスクホイールのリム・ディスク摩擦
    圧接法。
  2. 【請求項2】 円筒状のリムAと、外周がリムAの内周
    面に対向する状態でリムA内にはめることができる円板
    状のディスクBとをあらかじめ用意し、リムA内にディ
    スクBをはめてリムAの内周面にディスクBの外周を対
    向させた状態にし、両者を相対的に回転させながら全周
    的に均等でしかも両者の対向部に集中する加圧力をリム
    Aの外周からディスクB方向へ加えていくことで対向部
    に摩擦熱を発生させ、両者を接合させるディスクホイー
    ルのリム・ディスク摩擦圧接法。
  3. 【請求項3】 対向部隣接部においてディスクBの板厚
    方向の変形を防ぎながらリムAとディスクBとを接合さ
    せることを特徴とする、請求項1又は2記載のディスク
    ホイールのリム・ディスク摩擦圧接法。
  4. 【請求項4】 ディスクBの外周が対向する位置におい
    てリムA側に突起aを設けたことを特徴とする、請求項
    1又は2又は3記載のディスクホイールのリム・ディス
    ク摩擦圧接法。
  5. 【請求項5】 ディスクBの外周が対向する位置におい
    てリムA側にくぼみbを設けたことを特徴とする、請求
    項1又は2又は3記載のディスクホイールのリム・ディ
    スク摩擦圧接法。
  6. 【請求項6】 円筒状のリムAと、外周がリムAの内周
    面に対向する状態でリムA内にはめることができる円板
    状のディスクBとをあらかじめ用意し、リムA内にディ
    スクBをはめてリムAの内周面にディスクBの外周を対
    向させた状態にして両者を保持する手段と、両者を相対
    的に回転させる手段と、及び全周的に均等でしかも両者
    の対向部に集中する加圧力を内外方向へ加えていくこと
    で対向部に摩擦熱を発生させ両者を接合させる手段とを
    備えたディスクホイールのリム・ディスク摩擦圧接装
    置。
  7. 【請求項7】 円筒状のリムAと、外周がリムAの内周
    面に対向する状態でリムA内にはめることができる円板
    状のディスクBとをあらかじめ用意し、リムA内にディ
    スクBをはめてリムAの内周面にディスクBの外周を対
    向させた状態にして両者を保持する手段と、両者を相対
    的に回転させる手段と、及び全周的に均等でしかも両者
    の対向部に集中する加圧力をリムAの外周からディスク
    B方向へ加えていくことで対向部に摩擦熱を発生させ両
    者を接合させる手段とを備えたディスクホイールのリム
    ・ディスク摩擦圧接装置。
  8. 【請求項8】 対向部隣接部においてディスクBの板厚
    方向の変形を防ぐ手段を設けたことを特徴とする、請求
    項6又は7記載のディスクホイールのリム・ディスク摩
    擦圧接装置。
  9. 【請求項9】 ディスクBの外周が対向する位置におい
    てリムA側に突起aを設けたことを特徴とする、請求項
    6又は7又は8記載のディスクホイールのリム・ディス
    ク摩擦圧接装置。
  10. 【請求項10】 ディスクBの外周が対向する位置にお
    いてリムA側にくぼみbを設けたことを特徴とする、請
    求項6又は7又は8記載のディスクホイールのリム・デ
    ィスク摩擦圧接装置。
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