JP2002106659A - ベルト式無段変速機およびその製造方法 - Google Patents

ベルト式無段変速機およびその製造方法

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JP2002106659A
JP2002106659A JP2000303302A JP2000303302A JP2002106659A JP 2002106659 A JP2002106659 A JP 2002106659A JP 2000303302 A JP2000303302 A JP 2000303302A JP 2000303302 A JP2000303302 A JP 2000303302A JP 2002106659 A JP2002106659 A JP 2002106659A
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Japan
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shaft
pulley
joint
annular
belt
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Application number
JP2000303302A
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English (en)
Inventor
Shinya Murakami
真也 村上
Shohei Shintani
昌平 新谷
Yoneichi Honda
米一 本田
Mikio Koizumi
幹夫 小泉
Takayuki Kawahara
隆幸 河原
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RIKEN TANZOU KK
Subaru Corp
Original Assignee
RIKEN TANZOU KK
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な剛性を確保しつつプーリを有するシャ
フトの重量を低減する。 【解決手段】 ベルト式無段変速機は、駆動側の回転シ
ャフトに設けられたプライマリプーリと、従動側の回転
シャフトに設けられたセカンダリプーリとを有し、両方
のプーリにはベルトが掛け渡されている。回転シャフト
13は、コーン面23を有する第1フランジ部21aが
一体となった第1シャフト部13aと、第1フランジ部
21aと一体となって固定プーリ21を形成する第2フ
ランジ部21bが一体となり中空孔44を有する第2シ
ャフト部13bとにより形成されている。第1シャフト
部13aには第1軸接合端面37aが形成され、第2シ
ャフト部13bには第2軸接合端面37bが形成され、
第1フランジ部21aには環状接合面38aが形成さ
れ、第2フランジ部21bには環状接合面38bが形成
されて、それぞれは摩擦溶接により接合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属製のベルトが掛
け渡されるプーリを有するベルト式無段変速機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用のベルト式無段変速機(CV
T)は、駆動側の回転シャフトであるプライマリ軸に設
けられたプライマリプーリと、プライマリ軸に平行な従
動側の回転シャフトであるセカンダリ軸に設けられたセ
カンダリプーリとを有している。これらのプーリには、
金属製のベルトやチェーンなどの帯状の動力伝達要素が
掛け渡されており、プライマリプーリとセカンダリプー
リに対する動力伝達要素の巻き付け径を変化させること
により、プライマリ軸の回転はセカンダリ軸に無段階に
変化して伝達される。このようなベルト式無段変速機と
しては、たとえば、特開2000-154856 号公報に記載され
るものがある。
【0003】プライマリプーリはプライマリ軸に固定さ
れる固定プーリと、プライマリ軸に軸方向に摺動自在に
装着されプライマリ軸とともに一体に回転する可動プー
リとを有し、可動プーリが軸方向に摺動することにより
プーリ溝幅が変化する。同様に、セカンダリプーリはセ
カンダリ軸に固定される固定プーリと、セカンダリ軸に
軸方向に摺動自在に装着されセカンダリ軸とともに一体
に回転する可動プーリとを有し、可動プーリが軸方向に
摺動することによりプーリ溝幅が変化する。それぞれの
固定プーリは固定シーブとも言われ、可動プーリは可動
シーブとも言われている。
【0004】プライマリ軸およびセカンダリ軸は、従
来、中実軸または中空軸となっており、鍛造加工により
軸と固定プーリとを一体に成形したり、たとえば特開昭
61-105368 号公報に開示されるように、軸と固定プーリ
とを別々に形成した後に、固定プーリを軸に嵌合して固
定するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなベルト式無
段変速機にあっては、プーリにはベルトを所定の位置に
保持するための剛性を持たせる必要があり、変速応答性
を向上するにはプーリ自体を軽量化する必要がある。一
方、ベルトとプーリの摩擦抵抗で駆動力を発生させてお
り、駆動力の発生に有利なように接触面積を広くする
と、ベルト接触面に周速度の差が発生して動力伝達損失
を増大させるので、動力伝達のロスを軽減するにはベル
トとプーリとの接触面積を最小化するために耐面圧強度
を高める必要がある。また、接触面に介在する冷却媒体
が摩擦係数を減じる結果、摩擦抵抗を確保するためにも
高い面圧に設定する必要がある。
【0006】高い面圧に耐える表面強度は、浸炭、窒化
および溶射などの表面硬化処理により得ることができる
が、鋳造品はグラファイト、ガス、および組織の偏析な
どによって安定な組織が得られないので、プーリの素材
としては鋼が使用され、コーン面を表面硬化処理して耐
面圧強度を確保するようにしている。
【0007】成形の自由度が高い鋳造に比較して、鋼製
品の成形には鍛造、板金プレスなどのように金型を用い
て加圧、塑性変形させて製品化せざるを得ず、金型を用
いた加圧成形では中空形状ないし空洞形状のプーリを製
造することは困難である。したがって、プーリの軽量化
のためにプーリを皿状としたり、コーン面の反対側の面
に放射状に複数本のリブを設けるようにしている。しか
しながら、リブを設けた場合には、外周になる程リブ相
互間隔が広くなってリブの存在しない面積が広くなる。
【0008】一方、プーリにはその外周部側にベルトが
位置する時の締め付け力に対して最も剛性を持たせる必
要があるため、リブの本数を増加すると、プーリの内周
部ではリブの本数が過剰となり軽量化に反することにな
る。また、リブの支持のない領域とリブの支持のある領
域で変形に差を生じ、ベルトとプーリの接触状態を変化
させることになる。これを防止するために外周部ではプ
ーリの厚みを大きくして変形を防止せざるを得ず、リブ
の効果は減少する。
【0009】本発明の目的は、充分な剛性を確保しつ
つ、プーリを有するシャフトの重量を低減することにあ
る。
【0010】本発明の他の目的は、内部が中空部となっ
た固定プーリを有するシャフトを製造し得るようにする
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のベルト式無段変
速機は、コーン面が形成され回転シャフトに一体になっ
た固定プーリと、前記コーン面に対向するコーン面が形
成され前記回転シャフトに軸方向に摺動自在に装着され
る可動プーリとを有するベルト式無段変速機であって、
コーン面が形成された第1フランジ部を備え第1接合軸
端面が形成された第1シャフト部と、前記第1フランジ
部に接合されて固定プーリを形成する第2フランジ部を
備え前記第1接合軸端面に接合される第2接合軸端面が
形成された第2シャフト部とにより前記回転シャフトを
形成し、それぞれの前記フランジ部を環状接合面で接合
し、それぞれの前記シャフト部を前記接合軸端面で接合
することにより、前記固定プーリの内部に環状の中空部
を形成したことを特徴とする。
【0012】本発明のベルト式無段変速機は、それぞれ
の前記フランジ部を相互に径が相違する複数の環状接合
面で接合し、前記固定プーリの内部に複数の環状の中空
部を形成したことを特徴とする。
【0013】本発明のベルト式無段変速機の製造方法
は、コーン面が形成され回転シャフトに一体になった固
定プーリと、前記コーン面に対向するコーン面が形成さ
れ前記回転シャフトに軸方向に摺動自在に装着される可
動プーリとを有するベルト式無段変速機の製造方法であ
って、前記コーン面の反対側に第1環状接合面が形成さ
れた第1フランジ部を備え第1接合軸端面が形成された
第1シャフト部と、前記第1環状接合面に接合される第
2環状接合面が形成された第2フランジ部を備え前記第
1接合軸端面に接合される第2接合軸端面が形成された
第2シャフト部とを、それぞれ接合軸端面と環状接合面
とを摩擦溶接により接合し、それぞれの前記フランジ部
により形成される固定プーリの内部に環状の中空部を形
成したことを特徴とする。
【0014】本発明にあっては、固定プーリが一体とな
った回転シャフトは第1フランジ部を備えた第1シャフ
ト部と第2フランジ部を備えた第2シャフトとにより形
成されており、それぞれのシャフト部を接合軸端面で接
合するとともに、それぞれのフランジ部を環状接合面で
接合するようにしたので、固定プーリの内部には環状の
中空部が形成される。これにより、固定プーリを備えた
回転シャフトを所望の剛性を確保しつつ軽量化すること
ができる。
【0015】それぞれの接合軸端面と環状接合面を摩擦
溶接により接合するようにしたので、外部から遮蔽され
る隠れ部をも溶接することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の一実施の形態であるベルト
式無段変速機を示す断面図であり、図2はセカンダリプ
ーリを示す断面図である。
【0018】ベルト式無段変速機は、プライマリ軸つま
り駆動側の回転シャフト11に設けられたプライマリプ
ーリ12と、セカンダリ軸つまり従動側の回転シャフト
13に設けられたセカンダリプーリ14とを有し、両方
のプーリ12,14には金属製のベルト15が掛け渡さ
れている。このベルト15は多数のスチール製のコマと
これらを挟持する複数枚のスチールバンドとにより形成
されており、ベルトはチェーンなどと同様に無端状の動
力伝達要素となっている。
【0019】プライマリプーリ12は駆動側の回転シャ
フト11に一体となった固定プーリ16と、回転シャフ
ト11に軸方向に摺動自在に装着された可動プーリ17
とを有し、固定プーリ16の表面側に形成された円錐面
つまりコーン面18と可動プーリ17の表面側に形成さ
れたコーン面19とが相互に対向し合っている。可動プ
ーリ17の内周面と回転シャフト11の外周面とにより
形成されるボールスプライン溝にはボール20が組み込
まれ、可動プーリ17は軸方向に摺動するとともにボー
ル20を介して回転シャフト11とともに一体に回転す
る。
【0020】セカンダリプーリ14は従動側の回転シャ
フト13に一体となった固定プーリ21と、回転シャフ
ト13に軸方向に摺動自在に装着された可動プーリ22
とを有し、固定プーリ21の表面側に形成されたコーン
面23と可動プーリ22の表面側に形成されたコーン面
24とが相互に対向し合っている。可動プーリ22の内
周面と回転シャフト11の外周面とにより形成されるボ
ールスプライン溝にはプライマリプーリ12と同様にボ
ール20が組み込まれ、可動プーリ22は軸方向に摺動
するとともにボール20を介して回転シャフト11とと
もに一体に回転する。
【0021】プライマリ側の可動プーリ17を軸方向に
駆動するために、可動プーリ17の背面側にはシリンダ
25が取り付けられ、回転シャフト11に固定されたプ
ランジャつまりピストン26がシリンダ25の内周面に
摺動自在に接触している。このピストン26とシリンダ
25とによりプライマリ油室27が形成され、このプラ
イマリ油室27内に供給される作動油によって固定プー
リ16と可動プーリ17との間の溝幅が調整される。
【0022】セカンダリ側の可動プーリ22を軸方向に
駆動するために、可動プーリ22の背面側にはシリンダ
31が取り付けられ、回転シャフト13に固定されたピ
ストン32がシリンダ31の内周面に摺動自在に接触し
ている。このピストン32とシリンダ31とによりセカ
ンダリ油室33が形成され、このセカンダリ油室33内
に供給される作動油によって固定プーリ21と可動プー
リ22との間の溝幅が調整される。
【0023】それぞれのシリンダ25,31は底壁部で
ボルト34によってそれぞれの可動プーリ17,22に
取り付けられているが、シリンダ25,31の開口端部
で可動プーリ17,22にかしめにより取り付けるよう
にすることもできる。また、シリンダ25,31をそれ
ぞれの回転シャフト11,13に取り付け、ピストン2
6,32を可動プーリ17,22に取り付けるようにし
ても良い。
【0024】駆動側の回転シャフト11は、コーン面1
8を有する第1フランジ部16aが一体となった第1シ
ャフト部11aと、第2フランジ部16bが一体となっ
た第2シャフト部11bとにより形成されている。第1
シャフト11aの軸端面には第1接合軸端面35aが形
成され、第2シャフト11bの軸端面には第1接合軸端
面35aに接合される第2接合軸端面35bが形成さ
れ、第1フランジ部16aの外周部には第1環状接合面
36aが形成され、第2フランジ部16bの外周部には
第1環状接合面36aに接合される第2環状接合面36
bが形成されている。両方のシャフト部11a,11b
はそれぞれの環状接合面36a,36bの部分と、接合
軸端面35a,35bの部分とで接合されて一体となっ
た固定プーリ16を有する回転シャフト11が形成され
ている。
【0025】同様に、従動側の回転シャフト13は、コ
ーン面23を有する第1フランジ部21aが一体となっ
た第1シャフト部13aと、第2フランジ部21bが一
体となった第2シャフト部13bとにより形成されてい
る。第1シャフト13aの軸端面には第1接合軸端面3
7aが形成され、第2シャフト13bの軸端面には第1
接合軸端面37aに接合される第2接合軸端面37bが
形成され、第1フランジ部21aの外周部には第1環状
接合面38aが形成され、第2フランジ部21bの外周
部には第2環状接合面38aに接合される第2環状接合
面38bが形成されている。両方のシャフト部13a,
13bはそれぞれの環状接合面38a,38bの部分
と、接合軸端面37a,37bの部分とで接合されて一
体となった固定プーリ21を有する回転シャフト13が
形成されている。
【0026】このように、それぞれの固定プーリ16,
21の内部には、接合軸端面の径方向外方に位置させて
環状の空洞部ないし中空部41,42が形成されてお
り、固定プーリ16,21は軽量構造となっている。な
お、シャフト11,13の中心部には潤滑油を案内する
ための中空孔43,44が形成されているので、それぞ
れの接合軸端面は環状となっている。
【0027】図2はシリンダ31がその開口端部でかし
めにより取り付けられた可動プーリ22を有するセカン
ダリプーリ14を示す拡大断面図であり、図1に示す場
合と同様に、回転シャフト13はそれぞれのフランジ部
21a,21bが一体となって形成された固定プーリ2
1を有し、その内部には環状の中空部42が形成されて
いる。
【0028】図3は図2に示した回転シャフト13の製
造方法を示す断面図であり、第1フランジ部21aが一
体となった第1シャフト部13aと、第2フランジ部2
1bが一体となった第2シャフト部13bとをそれぞれ
鍛造加工などにより図3(A)に示す形状に予め成形し
てそれぞれのシャフト部13a,13bを準備してお
く。鍛造加工などによってそれぞれのシャフト部13
a,13bの軸端面には接合軸端面37a,37bが形
成され、フランジ部21a,21bの外周部に設けられ
た環状の突起部により環状接合面38a,38bが形成
される。
【0029】次いで、図3(B)に示すように、それぞ
れのフランジ部21a,21bを環状接合面38a,3
8bの部分で接触させるとともにそれぞれの接合軸端面
37a,37bの部分で接触させた状態とし、それぞれ
のシャフト部13a,13bを押し付けるように軸方向
に加圧しながら回転させる。これにより、それぞれの接
触面が摩擦熱によって発熱して軟化し、それぞれの接触
面の部分は金属組織的に一体となって固相状態で接合さ
れ、図2に示すように、内部に環状の中空部42が形成
された固定プーリ21が形成されることになる。
【0030】摩擦溶接つまり摩擦圧接は、外部から熱を
加えることなく、素材自体の摩擦によって発生する自己
発熱により得られる熱によって接合する技術であり、接
合軸端面37a,37bのようにフランジ部21a,2
1bにより覆われてしまう隠れ部をも接合することがで
きる。摩擦圧接による入熱量は、押し付け力、回転速
度、摩擦係数および摩擦時間により制御することがで
き、入熱結果である発熱量は、摩擦発熱中に素材が軟化
して寄り代と呼ばれる軟化による縮み代により製品毎に
高精度で把握することができる。
【0031】2つのシャフト部を電子ビーム溶接やレー
ザー溶接などの他の溶接技術によって溶接することは、
これらの溶接技術が外部からの入熱で溶融、合金化して
結合するために、隠れ部の溶接は原理的に不可能であ
る。しかも、レーザー溶接では被溶接部材を真空状態に
するために高価な装置を用いる必要があるだけでなく、
溶接の可能深度が10〜20mm程度であって、必要な接合が
できない。また、電子ビーム溶接ではビーム放射後の製
品発熱状態が不明である。これに対して、摩擦溶接によ
り圧接接合することにより他の溶接手段による欠点を回
避して隠れ部の溶接が可能となる。
【0032】摩擦溶接は素材が溶融状態とならない固相
接合であるので、他の溶接技術におけるような溶融に伴
う気泡や割れの発生がない。溶融に伴うこのような欠陥
は製造管理が困難で検査を慎重に行う必要があるが、摩
擦溶接ではこのような製造管理の困難さがなくなる。
【0033】摩擦圧接では接合面つまり圧接面からフラ
ッシュと言われるバリFが、図3(B)に示すように、
圧接面の径方向両側に生成され、このフラッシュの部分
でも接合が達成されることになる。フランジ部の外周に
生成されたフラッシュは摩擦圧接加工の後に除去され
る。
【0034】無段変速機が作動しているときには、図2
に示すように、回転シャフト13には径方向の負荷つま
りラジアル力Rが加わり、固定プーリ21には軸方向の
負荷つまりスラスト力Sが加わることになるが、フラン
ジ部21a,21bの外周部とシャフト部13a,13
bの端面とが接合されて、固定プーリ21は袋構造とな
っているので、スラスト力が加わってもコーン面23の
倒れを少なくすることができる。また、固定プーリ21
の内部には中空部42が形成されているので、固定プー
リ21を含めた回転シャフト13の重量を軽減すること
ができる。
【0035】しかも、固定プーリ21の製造は、それぞ
れ別部品となった2つのシャフト部13a,13bを鍛
造などにより予め成形した後に、摩擦溶接技術によって
それぞれのシャフト部13a,13bを接合するように
したので、中空部42を有する形状の固定プーリ21を
容易に低コストで製造することができる。また、摩擦溶
接によって接合するようにしたので、2つのシャフト部
13a,13bの素材を相互に相違させることができ、
アルミニウム、鋳物および鋼などのように素材が相違す
るものを接合することができる。たとえば、コーン面2
3を有するシャフト部13aを鍛造製品とし、他のシャ
フト部13bを鋳造品としたり、アルミニウム製とする
ことも可能である。これにより、固定プーリが一体とな
ったシャフトの各部位について最適な特性を持たせるこ
とができる。
【0036】このように、本発明にあっては、固定プー
リ21を含めた回転シャフト13の重量を、充分な剛性
を確保しつつ低減することができるとともに、固定プー
リ21は2つの部材を接合して成形するようにしたの
で、加工コストおよび材料コストの低減を図ることがで
きる。
【0037】図4は本発明の他の実施の形態であるベル
ト式無段変速機の回転シャフト13を示す断面図であ
り、この場合には、それぞれのフランジ部21a,21
bの径方向中央部分には環状突起部が形成されており、
それぞれの環状突起部の先端面が環状接合面39a,3
9bとなっている。したがって、このタイプの回転シャ
フト13にあっては、環状突起部の径方向両側にそれぞ
れ中空部42a,42bが形成されることになる。
【0038】図5は他の実施の形態であるベルト式無段
変速機の回転シャフト13を示す断面図であり、このシ
ャフト13は固定プーリ21に対応する部分が中実とな
っている。
【0039】図2から図5はセカンダリ軸つまり従動側
の回転シャフト13を示すが、プライマリ軸つまり駆動
側の回転シャフト11についても同様の構造とすること
ができ、いずれか一方のシャフトを図示する形状として
も良い。
【0040】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
あることはいうまでもない。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、固定プーリが一体とな
ったシャフトはそれぞれのシャフト部を接合軸端面で摩
擦圧接し、フランジ部の環状接合面で摩擦圧接するよう
にしたので、固定プーリの内部には中空部が形成された
袋状となる。これにより、必要な強度を確保しつつシャ
フト重量を低減することが可能となる。
【0042】本発明によれば、摩擦圧接により2つのシ
ャフト部を接合するようにしたので、それぞれのシャフ
ト部の接合軸端面のように外部から遮蔽される隠れ部を
も接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるベルト式無段変速
機を示す断面図である。
【図2】ベルト式無段変速機のセカンダリプーリを示す
断面図である。
【図3】(A),(B)は図2に示した回転シャフトの
製造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態であるベルト式無段変
速機における回転シャフトの一部を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態であるベルト式無段変
速機における回転シャフトの一部を示す断面図である。
【符号の説明】
11 回転シャフト(プライマリ軸) 11a 第1シャフト部 11b 第2シャフト部 12 プライマリプーリ 13 回転シャフト(セカンダリ軸) 13a 第1シャフト部 13b 第2シャフト部 14 セカンダリプーリ 15 ベルト 16 固定プーリ 16a 第1フランジ部 16b 第2フランジ部 17 可動プーリ 18,19 コーン面 21 固定プーリ 21a 第1フランジ部 21b 第2フランジ部 22 可動プーリ 23,24 コーン面 35a,35b 接合軸端面 36a,36b 環状接合面 37a,37b 接合軸端面 38a,38b 環状接合面 41,42 中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新谷 昌平 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 (72)発明者 本田 米一 群馬県前橋市元総社町395番地の3 理研 鍛造株式会社内 (72)発明者 小泉 幹夫 群馬県前橋市元総社町395番地の3 理研 鍛造株式会社内 (72)発明者 河原 隆幸 群馬県前橋市元総社町395番地の3 理研 鍛造株式会社内 Fターム(参考) 3J031 AB03 BA04 BC02 BC10 CA02 3J050 AA03 BA03 CD02 CD06 DA02 4E067 BG00 EA07 EB00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーン面が形成され回転シャフトに一体
    になった固定プーリと、前記コーン面に対向するコーン
    面が形成され前記回転シャフトに軸方向に摺動自在に装
    着される可動プーリとを有するベルト式無段変速機であ
    って、 コーン面が形成された第1フランジ部を備え第1接合軸
    端面が形成された第1シャフト部と、前記第1フランジ
    部に接合されて固定プーリを形成する第2フランジ部を
    備え前記第1接合軸端面に接合される第2接合軸端面が
    形成された第2シャフト部とにより前記回転シャフトを
    形成し、 それぞれの前記フランジ部を環状接合面で接合し、それ
    ぞれの前記シャフト部を前記接合軸端面で接合すること
    により、前記固定プーリの内部に環状の中空部を形成し
    たことを特徴とするベルト式無段変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のベルト式無段変速機にお
    いて、それぞれの前記フランジ部を相互に径が相違する
    複数の環状接合面で接合し、前記固定プーリの内部に複
    数の環状の中空部を形成したことを特徴とするベルト式
    無段変速機。
  3. 【請求項3】 コーン面が形成され回転シャフトに一体
    になった固定プーリと、前記コーン面に対向するコーン
    面が形成され前記回転シャフトに軸方向に摺動自在に装
    着される可動プーリとを有するベルト式無段変速機の製
    造方法であって、 前記コーン面の反対側に第1環状接合面が形成された第
    1フランジ部を備え第1接合軸端面が形成された第1シ
    ャフト部と、前記第1環状接合面に接合される第2環状
    接合面が形成された第2フランジ部を備え前記第1接合
    軸端面に接合される第2接合軸端面が形成された第2シ
    ャフト部とを、それぞれ接合軸端面と環状接合面とを摩
    擦溶接により接合し、 それぞれの前記フランジ部により形成される固定プーリ
    の内部に環状の中空部を形成したことを特徴とするベル
    ト式無段変速機の製造方法。
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