JPH0613309B2

JPH0613309B2 - 自転車フレ−ムの接合構造

Info

Publication number: JPH0613309B2
Application number: JP8969586A
Authority: JP
Inventors: 久寿男下森
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1986-04-17
Filing date: 1986-04-17
Publication date: 1994-02-23
Anticipated expiration: 2009-02-23
Also published as: JPS62244775A

Description

【発明の詳細な説明】＜産業上の利用分野＞本発明は、自転車用ラグにおける接合構造、詳しくは、
接着剤を用いて接合する構造に関する。

＜従来の技術＞従来、自転車フレームは、ラグ内にチューブを挿入し、
溶接、ロー付することにより、接合されていた。しか
し、従来の可溶接性金属製の自転車フレームでは、自転
車フレームの軽量化に限界があるため、カーボンファイ
バー、ボロンファイバー、ケプラーファイバー等の各種
繊維強化プラスチック（ＦＲＰ）及びアルミニウム合金
等の非溶接性金属を構造材とする自転車フレームの開発
研究が進められている。これらの新素材は、従来の可溶
接性金属より軽く、しかも強度的にもしのいでいるが、
その接合方法に制約が有り、実用段階に至っていない。

＜発明が解決しようとする問題点＞これらの新素材は、溶接ができないため、その接合には
接着剤を使用する必要がある。ところが、接着剤を使用
して実用に耐え得る接合力を出すためには、従来の溶
接、ロー付に比べて大幅な接合面積の増大を必要とす
る。その為、従来と同様の接合構造で、実用に耐える接
合力を得ようとすれば、いきおいラグが大型化し、重量
増加、高加工精度が要求され、コストアップが避けられ
ない。

又、ＣＦＲＰ（カーボン繊維強化プラスチック）は、摩
擦係数の低いカーボンを主体としているため、接着部の
表層剥離を起しやすく、従来と同様の一面のみの接着で
は、十分な接合面積を取っても、接合力が不充分であ
り、ＣＦＲＰの持つ強度を生かすことができない。

＜問題点を解決するための手段＞そこで本発明は、ラグの適宜位置から突出したチュープ
固定枝と、このチューブ固定枝の先端側部分の外径より
大きな内径を有する外装筒体と、ラグに接続されるべき
チューブとを備え、チューブ固定枝が外装筒体内に挿入
され、チューブ固定枝の基端側部分と外装筒体の基端側
部分とが螺合され、チューブ固定枝の先端側部分と外装
筒体の先端側部分との間にチューブの一端が挿入され、
少なくともチューブ固定枝の先端側部分の外周とチュー
ブの内周、及び、外装筒体の先端側部分の内周とチュー
ブの外周が接着剤により接着されてなる自転車フレーム
の接合構造を提供することにより、上記の問題点を解決
する。

＜作用＞本発明の外装筒体は、ラグとチューブとの接合面積を増
大させるものであり、特に、ラグのチューブ挿入孔と外
装筒体とによって、チューブの外周面及び内周面の両面
が挾着された状態で接着されているため、接着部の表層
剥離を防止し得る。さらに、ラグと外装筒体とは螺合さ
れているため、単純な挿入に比して約３倍の接合面積が
得られると共に、螺合による結合力が加わり、強固な結
合が実現される。

＜実施例＞以下図面に基づき、本発明の一実施例を説明する。

第３図は、自転車フレームの側面図であり、第１図は第
３図の自転車フレームのヘッド上ラグの分解断面図、第
２図は同ヘッド上ラグの組立断面図である。

このヘッド上ラグ(1)は、横方向に一つのチューブ固定
枝(2)を有し、このチューブ固定枝(2)にトップチューブ
(3)が挿入され、固着される。そして両者の固着を完全
になすため、外装筒体(4)が用いられる。

この外装筒体(4)は、チューブ固定枝(2)の先端側部分(2
1)の外径により大きな内径を有する。この外装筒体(4)
の基端側部分(42)には、チューブ固定枝(2)の基端側部
分(22)に形成されたオネジに対応するメネジが形成され
ている。

次に、これらの接合構造を説明するとチューブ固定枝
(2)の基端側部分(22)と外装筒体(4)の基端側部分(42)と
が螺合されている。尚、この螺合に加え、接着剤(a)に
より接着固定しておいてもよい。そして、チューブ固定
枝(2)の先端側部分(21)と、外装筒体(4)の先端側部分(4
1)との間にトップチューブ(3)の一端が挾着された状態
で挿入されている。このトップチューブ(3)の内周は、
チューブ固定枝(2)の先端側部分(21)の外周と接着剤(b)
により接着固定されている。又、トッブチューブ(3)の
外周は、外装筒体(4)の先端側部分(41)の内周と接着剤
(c)により接着固定されている。

以上の接合構造により、第３図に示すヘッド上ラグ(1)
とトップチューブ(3)とが接合されるが、他のラグ(101)
(102)(103)とチューブ(301)…も同様の構造により接合
し得る。

接合の手順としては、例えば、チューブ固定枝(2)と外
装筒体(4)とを接合した後、チューブ(3)を両者(2)(4)間
に挿入接合してもよい。又、チューブ(3)を外装筒体(4)
内に挿入接着した後、これら(3)(4)とチューブ固定枝
(2)とを螺合・接着してもよい。尚、後者の場合、一本
のチューブ(3)の両端に位置するラグ(1)と(101)におい
ては、そのネジの進行方向を互いに反対にしておいても
よい。

ここで、各構成部材の素材の一例を挙げれば、ラグ(1)
及び入子(4)はアルミニウム合金、チューブ(3)は各種繊
維強化プラスチック製であるが、従来の可溶接金属にお
いて同様の接続構造を用いることもできる。接着剤とし
ては、エポキシ樹脂系等の各種接着剤を用いることがで
きる。

又、ラグ(1)、チューブ(3)及び外装筒体(4)の外径内径
や長さ等の関係は第４図乃至第６図に示すよう適宜変更
し得るものである。尚第５図及び第６図中の外装筒体
(4)には、先端側部分(41)と基端側部分(42)との間に、
中央部分(43)が形成されており、この中央部分(43)もラ
グのチューブ固定枝(2)外周と接着するようにしてもよ
い。

さらに、チューブ固定枝(2)は、図示のように中空の筒
状体としてもよいが、必ずしも中空にする必要はない。

＜発明の効果＞以上、本発明においては、ラグとチューブとが、その両
者に挿入される外装筒体を介して接合されるものであ
り、接合面積が増大し、接着剤によっても確実に接着さ
れる。

特に、チューブの先端は、その内外周の２面が、ラグの
チューブ固定枝と外装筒体とによって挾着された状態で
接着されるため、各種の繊維強化プラスチック製のチュ
ーブを用いた場合においても、接着部の表層剥離を防ぐ
ことができるものである。

さらに、ラグと外装筒体とは螺合され、強固に接合され
ると共に、さらに接着されることにより、単純な挿入に
比して約３倍の接合面積が得られ、強固な結合が可能と
なる。

よって、本発明は、新しい素材からなるフレームの接合
構造を提供し、新素材による自転車フレームの実現をも
たらすものである。

【図面の簡単な説明】第１図は一実施例のヘッド上ラグにおける分解図、第２
図は同ヘッド上ラグにおける組立断面図、第３図は自転
車フレームの側面図、第４図乃至第６図は他の実施例の
ヘッド上ラグにおける組立断面図である。 (1)……ヘッド上ラグ、(2)……チューブ固定枝、(3)…
…トップチューブ、(4)……外装筒体。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ラグの適宜位置から突出したチューブ固定
枝と、このチューブ固定枝の先端側部分の外径より大き
な内径を有する外装筒体と、ラグに接続されるべきチュ
ーブとを備え、チューブ固定枝が外装筒体内に挿入さ
れ、チューブ固定枝の基端側部分と外装筒体の基端側部
分とが螺合され、チューブ固定枝の先端側部分と外装筒
体の先端側部分との間にチューブの一端が挿入され、少
なくともチューブ固定枝の先端側部分の外周とチューブ
の内周、及び、外装筒体の先端側部分の内周とチューブ
の外周が接着剤により接着されてなる自転車フレームの
接合構造。
【請求項２】チューブ固定枝の基端側部分の外周と外装
筒体の基端側部分の内周とが螺合されると共に接着剤に
より接着されてなる特許請求の範囲第１項記載の自転車
フレームの接合構造。