JPH06130677A - 殖版式画像記録装置 - Google Patents

殖版式画像記録装置

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JPH06130677A
JPH06130677A JP4304682A JP30468292A JPH06130677A JP H06130677 A JPH06130677 A JP H06130677A JP 4304682 A JP4304682 A JP 4304682A JP 30468292 A JP30468292 A JP 30468292A JP H06130677 A JPH06130677 A JP H06130677A
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孝至 柿原
Tomiji Hotta
十三二 堀田
Hideki Kai
秀樹 甲斐
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 任意の非画像領域について焼き飛ばし処理が
可能で、かつ、焼き飛ばしを効率良く行うことができる
殖版式画像記録装置を提供する。 【構成】 感光材料上に走査露光方式で画像を多面焼き
付けする殖版式画像記録装置であって、画像サイズや感
光材料上の画像の配置位置に関連した殖版データをコン
ソール27からコントローラ23へ与える。コントロー
ラ23は、この殖版データに基づき、感光材料上のレー
ザビームの走査位置が画像領域であるか、非画像領域で
あるかを判定し、非画像領域であるときは焼き飛ばし光
点信号iをON状態にし、画像領域であるときはOFF
状態にする。画像メモリ21から読み出された画像デー
タと焼き飛ばし光点信号iとを合成した光点信号jでレ
ーザビームをON/OFF変調する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、殖版式画像記録装置に
係り、特に、感光材料に走査露光方式で画像を多面焼き
付けするにあたり、画像領域以外を全面露光する、いわ
ゆる焼き飛ばし技術に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷に使用されるPS版等の感光材料
は、ポジタイプであることが多い。ここで、ポジタイプ
版とは、露光された部分が現像処理により溶出し、イン
キの付着しない非画像部となる版材である。したがっ
て、例えば図12に示すように、ポジタイプの感光材料
Pに多面焼き付けA1 〜A4 を行った場合、印刷時に画
像部以外の非画像領域(図中に示す斜線領域)にインキ
が付着するのを防止するために、非画像領域を全面露光
する『焼き飛ばし』という作業が必要になる。
【0003】従来の一般的な殖版機、すなわち、感光材
料がセットされた固定テーブルと、その上を縦横に水平
移動する露光用光源(例えば、水銀灯)をもった原板フ
ィルム枠とを備え、固定テーブル上の予め定められた複
数個所に原板フィルム枠を正確に移動して多面焼き付け
を行う装置においては、上述した焼き飛ばしを以下のよ
うな手法によって行っている。
【0004】(1)特開昭64−29847号公報に開
示されているように、上下方向に移動自在の一対のマス
ク板と左右方向に移動自在の一対のマスク板によって所
要形状のマスクを形成する自動マスク装置を備えた殖版
機では、例えば図13に示すように、画像部A1 を焼き
付ける場合、マスク板M1 ,M2 の端縁を隣接画像の略
中間位置に合わせ、他のマスク板M3 ,M4 を全開する
ことによって非画像領域の焼き飛ばしを行っている。
【0005】(2)上記のような自動マスク装置を備え
ていない殖版機では、画像部のみを遮光するマスクフィ
ルムを準備し、このマスクフィルムを多面焼き付けが終
わった感光材料に重ねて、別の焼き付け機により全面露
光することによって非画像領域の焼き飛ばしを行ってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。 (1)自動マスク装置を備えた殖版機によれば、例えば
図14に示すように画像部A5 ,A6 が入り組んでいる
場合に、その構成上、図中に斜線で示したような複雑な
形の非画像領域については焼き飛ばしを行うことができ
ないという問題点がある。
【0007】(2)一方、マスクフィルムを使って焼き
飛ばしを行う場合は、複雑な形の非画像領域についても
対応することはできるが、マスクフィルムの準備に手間
を要し、また、画像の多面焼き付けと、焼き飛ばしとを
それぞれ個別に行う必要があるので非能率的であるとい
う問題点がある。
【0008】ところで、最近、上述した一般的な殖版機
に替わって、感光材料に走査露光方式で画像を多面焼き
付けする画像記録装置が提案されている(例えば、特開
平1−244466号公報)。この装置は、レーザ出力
機のようなデジタル出力機と感光材料とを相対的に見
て、X,Y両軸方向に動かし、画像を分割出力すること
により、1つの感光材料上に画像の多面焼き付けを行う
ものである。このような走査露光方式を採る殖版機にお
いても、一般的な殖版機と同様に焼き飛ばし処理は必要
であり、また、複雑な形の非画像領域であっても容易に
焼き飛ばしを行うことができるとともに、焼き飛ばしを
効率的に行いたいという要請がある。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、走査露光方式で画像を多面焼き付けす
る殖版式画像記録装置において、任意の非画像領域につ
いて焼き飛ばし処理が可能で、かつ、焼き飛ばしを効率
良く行うことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明は、感光材料上に走査露光方
式で画像を多面焼き付けする殖版式画像記録装置におい
て、前記焼き付け画像のサイズ情報および感光材料上の
各画像の配置位置に関連した情報を含む殖版データを入
力する殖版データ入力手段と、前記焼き付け画像の画像
データを記憶する画像データ記憶手段と、光ビームで感
光材料上を線順次に走査する際に、前記殖版データに基
づいて、感光材料上の画像領域と非画像領域とを各走査
ラインごとに判定し、光ビームが非画像領域を走査して
いるときは、ON状態の焼き飛ばし光点信号を出力し、
光ビームが画像領域を走査しているときは、焼き飛ばし
光点信号をOFF状態にする画像領域判定手段と、光ビ
ームの走査に同期して画像データ記憶手段から読み出さ
れた画像データと、前記焼き飛ばし光点信号とを合成し
て、光点信号として出力する光点信号合成手段と、前記
光点信号によって光ビームをON/OFF変調し、感光
材料上を線順次に走査する光ビーム走査手段と、を備え
たものである。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の殖版式画像記録装置において、前記光ビーム走
査手段が、光ビームによる走査可能エリアの内、画像の
焼き付けに使用可能な描画可能エリアを外れた両端エリ
アを非画像領域の焼き飛ばしに利用するように構成され
たものである。
【0012】
【作用】請求項1に記載の発明の作用は次のとおりであ
る。まず、画像の多面焼き付けに先立って、殖版データ
入力手段から焼き付け画像のサイズ情報や、感光材料上
の各画像の配置位置に関連した情報を含む殖版データが
与えられる。そして、光ビーム走査手段が光ビームで感
光材料上を線順次に走査する際、画像領域判定手段は、
殖版データに基づいて、光ビームが感光材料上の画像領
域を走査しているか、あるいは非画像領域を走査してい
るかを判定する。光ビームが非画像領域を走査している
場合、画像領域判定手段は、ON状態の焼き飛ばし光点
信号を出力する。この焼き飛ばし光点信号が光点信号合
成手段を介して光ビーム走査手段に与えられることによ
り、非画像領域を走査している間、光ビームがON(露
光)状態となって、非画像領域の焼き飛ばしが行われ
る。一方、光ビームが画像領域を走査している間は、焼
き飛ばし光点信号がOFF状態になるので、画像データ
記憶手段から読み出された画像データに対応した光点信
号が光点信号合成手段を介して光ビーム走査手段に与え
られることにより、画像の焼き付けが行われる。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、光ビーム
走査手段は、光ビームによる走査可能エリアの内、画像
の焼き付けに使用されない両端エリアを非画像領域の焼
き飛ばしに利用するので、焼き飛ばし処理が効率よく行
われる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1は、実施例に係る殖版式画像記録装置の概
略構成を示した外観斜視図である。図中、符号1はPS
版等の感光材料Pが載置される可動テーブルである。こ
の可動テーブル1は、固定テーブル2の上に並設された
一対のガイドレール3に摺動自在に搭載され、可動テー
ブル1に螺合したボールネジ4をY軸駆動モータ5で駆
動することによって、Y軸方向に副走査送り、あるいは
ステップ送りされる。可動テーブル1の上方には露光ヘ
ッド6があり、この露光ヘッド6には、後述するように
レーザビームをX軸に沿った主走査方向に走査するため
の光学系が備えられている。固定テーブル2の上には門
形フレーム7が架設されており、このフレーム7の上面
に並設された一対のガイドレール8に、前記露光ヘッド
6が摺動自在に搭載されている。露光ヘッド6は、これ
に螺合されたボールネジ9をX軸駆動モータ10で駆動
することによって、X軸方向に移動するように構成され
ている。
【0015】なお、本発明において、感光材料が載置さ
れるテーブルと露光ヘッドとは、相対的にX軸,Y軸に
沿って移動可能であればよいので、露光ヘッドを固定
し、前記テーブルをX軸およびY軸に沿って移動可能に
構成してもよい。また、その逆に、前記テーブルを固定
し、露光ヘッドをX軸およびY軸に沿って移動可能に構
成してもよい。また、感光材料は必ずしもテーブル上に
載置される必要はなく、回転シリンダに貼着し、前記シ
リンダを回転駆動することによって主走査送りし、露光
ヘッドをシリンダの回転軸に沿って移動させることによ
って副走査送りするように構成してもよい。
【0016】次に、図2を参照して露光ヘッド6に備え
られた光学走査系の構成を説明する。図中、符号11は
レーザ光源である。このレーザ光源11から照射された
レーザビームLBは、音響光学変調器(AOM)12に
入射する。AOM12は、AOM駆動部13から与えら
れた変調信号tに基づいて、レーザビームLBをON/
OFF変調する。変調されたレーザビームLBは、ポリ
ゴンミラー14へ向けて出射される。ポリゴンミラー1
4は、モータ15によって回転駆動されることにより、
レーザビームLBを主走査方向に偏向する。なお、符号
16はモータ駆動部、17はモータ15の回転に同期し
た回転パルス信号qを発生するパルス発生回路である。
【0017】ポリゴンミラー14で偏向されたレーザビ
ームLBは、fθレンズ18およびシリンドリカルレン
ズ19を介して可動テーブル1上の感光材料Pに照射さ
れる。なお、図中、符号20は、ポリゴンミラー14で
偏向されたレーザビームLBを検出して、主走査の原点
位置を示す走査原点信号pを出力する同期センサであ
る。
【0018】ところで、ポリゴンミラー14でレーザビ
ームLBを走査することが可能な走査可能エリアA
1 と、実際の画像記録に使用することができる描画可能
エリアA2 とは同一範囲ではなく、通常、走査可能エリ
アA1 の両端エリアA3 は画像記録に使用されない。そ
れは、レーザビームLBが走査可能エリアA1 の両端へ
行くほど、感光材料Pに対して斜めから入射するので光
点形状が楕円形状に変形していくこと、および、光学系
のコマ収差や非点収差が両端に行くほど大きくなって光
点が歪むことにより、画質が悪くなるためである。しか
し、本実施例では、後述する説明からも明らかになるよ
うに、従来は何ら利用されていなかった走査可能エリア
1 の両端エリアA3 を、画質に関係しない焼き飛ばし
に利用することにより、焼き飛ばし処理を効率よく行う
ようにしている。
【0019】次に、図3を参照して本実施例装置の制御
系の構成を説明する。図中、符号21は、焼き付け画像
の画像データを記憶する画像データ記憶手段としての画
像メモリであり、この画像メモリ21は図示しないRI
P(ラスタ・イメージ・プロセッサ)等でビットマップ
状に展開された画像(文字、線画を含む)データを記憶
する。画像メモリ21内の1ビットは、レーザビームL
Bで感光材料Pを感光するときの最小点(光点)に対応
する。画像データは、nビット(例えば、8ビット)の
パラレル画像信号aとして読み出される。
【0020】リードカウンタ22は、コントローラ23
からのカウント信号bを受けて、内部のアドレスカウン
タをインクリメントしていき、画像メモリ21内の画像
データを順次読み出していくためのアドレス信号cを発
生する。
【0021】パラレル・シリアル変換シフトレジスタ2
4は、画像メモリ21から読み出されたパラレル画像信
号aをシリアル画像信号dに変換する。この変換のタイ
ミングは、コントローラ23からのパラレル・シリアル
変換信号eによって行われ、シリアルに変換された画像
データdは、シフトクロック発生器25からのシフトク
ロックf毎に順次、次段へ転送される。
【0022】反転・非反転切り換え回路26は、感光材
料Pがネガタイプ(ネガ版)かポジタイプ(ポジ版)か
に応じてシリアル画像信号dの論理を正か負に切り換え
るためのものである。感光材料Pのタイプの指定はコン
ソール27によって行われ、これに基づいてコントロー
ラ23が反転信号gを反転・非反転切り換え回路26に
出力することにより、画像信号の論理が切り換えられ
る。
【0023】ORゲート28は、反転・非反転切り換え
回路26から出力された画像光点信号hと、ポジ版を焼
き付けるときにコントローラ23から出力される焼き飛
ばし光点信号iとの論理和を光点信号jとして出力する
ものであり、本発明における光点信号合成手段に相当す
る。焼き飛ばし光点信号iは、レーザビームLBが非画
像領域を走査している間、ON状態にされる信号であ
る。走査エリアに応じた焼き飛ばし光点信号のON/O
FF切り換えについては、後に詳しく説明する。
【0024】コンソール27は、上述したネガ版・ポジ
版の切り換え指示kや、後述する殖版データl等を入力
するもので、一般的には、キーボード、CRT等で構成
される。コンソール27は、本発明における殖版データ
入力手段に相当する。コンソール27から入力されたデ
ータk,lはコントローラ23に送られる。なお、殖版
データ入力手段は、必ずしもコンソール27に限定され
ず、例えば、本実施例装置の上流側に位置する画像処理
システムからONライン、あるいはOFFライン(磁気
テープ、フロッピーディスク等)で殖版データをコント
ローラ23に渡すようにしてもよい。
【0025】コントローラ23は、装置全体の制御を行
うものである。コントローラ23は、本発明における画
像領域判定手段としての機能を備え、コンソール27か
ら与えられた殖版データに基づいて、レーザビームLB
が感光材料P上のどの領域を走査しているかを判定し、
非画像領域を走査している間は、ON状態の焼き飛ばし
光点信号iを出力する。この他、コントローラ23は、
次のような機能を備えている。 シフトクロック発生器25からのシフトクロックf
と、後述するリード同期コントローラ29からのリード
同期信号mとにより、カウント信号bを発生する。 シフトクロックfとリード同期信号mとにより、パ
ラレル・シリアル変換信号eを発生する。 コンソール27からのネガ版・ポジ版の切り換え指
示kを受けて、感光材料Pのタイプに応じた反転信号g
を発生する。 ポリゴンミラー14を回転させるためのポリゴンミ
ラーモータ駆動信号nを発生する。 露光ヘッド6を移動させるための露光ヘッド位置信
号oを発生する。
【0026】リード同期コントローラ29は、同期セン
サ20からの走査原点信号pと、パルス発生回路17か
らの回転パルス信号qとを受けて、レーザビームLBの
主走査に同期したリード同期信号mを発生する。また、
シフトクロック発生器25は、前記走査原点信号pと回
転パルス信号qを受けて、シフトクロックfを発生す
る。
【0027】X・Y位置制御部30は、コントローラ2
3からの露光ヘッド位置信号oを受けて、露光ヘッド6
のX軸およびY軸のそれぞれの移動量をX移動信号rお
よびY移動信号sとして出力する。X軸モータ駆動部3
1は、X移動信号rを受けて、X軸駆動モータ10を駆
動する。また、Y軸モータ駆動部32は、Y移動信号s
を受けて、Y軸駆動モータ5を駆動する。
【0028】次に上述した構成を備えた実施例装置の焼
き飛ばしを伴った殖版動作を、図4ないし図6に示した
フローチャートを参照して説明する。なお、以下では、
図7に示すように、感光材料P上に(1)〜(6)の画
像をその順に(図中に破線で示す方向に)焼き付けてい
く場合を例に採って説明する。
【0029】ステップS1:ネガ版・ポジ版の切り換え
指示k、および殖版データlをコンソール27から入力
する。これらの指示および殖版データはコントローラ2
3に送られる。ここでは、ポジ版が指定されたとする。
コントローラ23は反転・非反転切り換え回路26に反
転信号gを出力し、シリアル画像信号『1』を画像光点
信号『0(非露光)』に、シリアル画像信号『0』を画
像光点信号『1(露光)』に、それぞれに変換するよう
に設定する。
【0030】コンソール27から入力される殖版データ
を以下に示す。ただし、殖版データは、後述するもの以
外に必要に応じて種々設定されるが、ここでは代表的な
ものに止める。 感光材料のサイズ:感光材料PのX方向の寸法XP
S、Y方向の寸法YPSを入力する(図8参照)。 感光材料を置く位置:可動テーブル1上に予め設定
された基準位置XREF,YREF からのX,Y軸方向のず
らし量PX,PYを入力する(図8参照)。ここで、基
準位置XREF ,YREF は、可動テーブル1上に設けられ
た感光材料Pの位置決めピンに関連して定まる。仮に、
X,Y軸方向のずらし量PX,PYがともに『0』であ
ると、図8中に破線で示すように、(1)〜(6)の画
像は、X方向については、基準位置XREF を中心に左右
均等に割り振られ、Y方向については、画像(1),
(4),(5)の下辺が基準位置YREF に一致するよう
に配置される。通常、感光材料Pには、くわえしろが設
けられるので、これをずらし量PX,PYによって設定
するようにしている。 X・Y軸の送り量:X,Y軸方向の送りピッチX
S,YSを入力する(図7参照)。 X・Y軸の焼き付け面数:X,Y軸方向の焼き付け
面数XP,YPを入力する。図7の例では、XP=3、
YP=2である。 画像サイズ:デジタル画像の左右方向,天地方向の
寸法RL,UDを入力する(図9(a)参照)。なお、
ここでは説明の簡単化のために矩形状の画像を殖版する
場合を例に採っているが、図9(b)に示すような複雑
な形状の画像である場合には、例えば、点D0 を基準と
して、他の点D1 〜D5 の座標を入力するようにしても
よい。また、画像サイズは必ずしもコンソール27から
入力する必要はなく、画像メモリ21内の画像データに
基づいて自動的に判別するようにしてもよい。 上述したネガ版・ポジ版の切り換え指示および殖版デー
タの入力が終わると、図4のステップS2に進む。
【0031】ステップS2:殖版動作と焼き飛ばし動作
とを並行して行なえるかどうかを、殖版データを基にコ
ントローラ23が判別する。殖版動作と焼き飛ばし動作
とを並行して行うためには、レーザビームLBによる走
査可能エリアA1 が、感光材料Pの周辺(画像エリア間
の隙間(ドブ)、および感光材料Pの左右両端)を焼き
飛ばすのに十分な幅を持っていることが必要だからであ
る。具体的には、下記の条件,を満たすかどうかに
よって判別する。
【0032】 ドブの焼き飛ばし条件: 走査可能エリアA1 /2≧RL/2+(XS−RL)/
2 すなわち、走査可能エリアA1 の半分が、画像のX方向
サイズの半分とドブ寸法との和よりも大きい場合に、ド
ブの焼き飛ばしが可能であると判断する。 感光材料Pの左右両端の焼き飛ばし条件: 走査可能エリアA1 /2≧RL/2+〔XPS−{XS
×(XP−1)+RL}〕/2+PX すなわち、走査可能エリアA1 の半分が、画像のX方向
サイズの半分と感光材料Pの左右両端の焼き飛ばしエリ
アと、くわえを考慮した感光材料Pのずらし量との和よ
りも大きい場合に、感光材料Pの左右両端の焼き飛ばし
が可能であると判断する。
【0033】前記両条件,を満たさない場合は、殖
版動作と焼き飛ばし動作とを並行して行うことができな
いので、図7中に破線で示した方向に画像エリア(1)
〜(6)のみの殖版を行った後、同図に鎖線で示した方
向に焼き飛ばし処理を行う。このような殖版動作と焼き
飛ばし動作を個別に行う処理は、本発明の要旨ではない
ので、詳しい説明は省略する。また、本ステップS2で
は、上述の焼き飛ばし可否の判断以外に、描画可能エリ
アA2 が画像のX方向サイズRLよりも大きいかどうか
を判定し、描画可能エリアA2 がRLよりも小さい場合
には、画像記録が不可である旨をコンソール27上の表
示器等を介してオペレータに通知する。以下、上記両条
件,を満たした場合、すなわち、殖版動作と焼き飛
ばし動作とを並行して行う場合(図4のステップS3以
降)について説明する。
【0034】ステップS3〜S6:コンソール27から
の画像記録開始の指示により、コントローラ23がX・
Y位置制御部30に露光ヘッド位置信号oを与えること
により、原点位置にある露光ヘッド6を、図7および図
10に示した目標点T1 に移動させる。このときのX,
Y方向の露光ヘッド位置信号oは、図10に示すよう
に、X方向についてはX1 に対応し、Y方向については
1 に対応する位置信号である。コントローラ23は、
目標点T1 の位置X1 ,Y1 を、殖版データを用いて求
める。すなわち、X1 は次式により求められる。 X1 =XORG+XPG+PX−XS ここで、XORG=露光ヘッド6のX軸方向の原点位置 XPG =XORGから基準位置XREF までの距離 PX =感光材料PのX方向のずらし量 XS =X方向の送り量 また、Y1 は、露光ヘッド6のY方向の原点位置YOR
Gから基準位置YREFまでの距離YPGである。
【0035】露光ヘッド6が目標点T1 に達すると、ス
テップS7以降の焼き付け動作に移る。以下、図11も
参照しながら説明する。図11は、主走査位置および副
走査位置に応じた光点信号jのON/OFF状態を示す
もので、図中、『画像』は、画像データに応じて光点信
号をON/OFFすることを意味し、『○』は、無条件
に光点信号をON状態にすることを意味し、『△』は、
近接する画像エリアを考慮して光点信号をON/OFF
することを意味する。
【0036】ステップS7,S8:露光ヘッド6が目標
点T1 に達すると、それ以降、露光ヘッド6を目標点T
2 までY軸方向に移動させながら、無条件で焼き飛ばし
を行う(図11中の副走査位置<1>の露光)。すなわ
ち、コントローラ23は、点T1 から点T2 までの間、
走査可能エリアA1 の全域にわたって焼き飛ばし光点信
号をON状態にする。この焼き飛ばし光点信号が、図3
のORゲート28を介して光点信号として出力されるこ
とにより、点T1 から点T2 までの領域が無条件で焼き
飛ばされるのである。目標点T2 のY軸方向の位置Y2
は、次式により求められる。 Y2 =YORG+YPG+PY ここで、YORG:露光ヘッド6のY軸方向の原点位置 YPG :YORGから基準位置YREF までの距離 PY :感光材料PのY方向のずらし量
【0037】ステップS9,S10:露光ヘッド6が目
標点T2 に達すると、それ以降、露光ヘッド6を目標点
3 までY軸方向に移動させながら、図11中の副走査
位置<2>の露光を行う。すなわち、レーザビームLB
の走査開始位置から画像エリア(1)の左端までは焼き
飛ばし光点信号をON状態にすることによって焼き飛ば
しを行い、画像エリア(1)の左端から右端までは焼き
飛ばし光点信号をOFF状態にするとともに、画像メモ
リ21から画像データを読み出し、その画像データに基
づく光点信号によって画像エリア(1)を露光し、画像
エリア(1)の右端から画像エリア(4)の左端までは
光点信号をON状態にすることによって焼き飛ばしを行
う。画像エリア(1)の左端および右端位置は、殖版デ
ータ中の画像サイズRLに基づき算出される。また、画
像エリア(1)と画像エリア(4)との間の焼き飛ばし
量(以下、ドブXという)は、X軸の送り量XSと画像
サイズRLの差分(ドブX=XS−RL)から算出され
る。なお、目標点T3 のY軸方向の位置Y3は、目標点
2 の位置Y2 と画像のY方向サイズUDとの和(Y3
=Y2 +UD)より算出される。
【0038】ステップS11,S12:露光ヘッド6が
目標点T3 に達すると、それ以降、露光ヘッド6を目標
点T4 までY軸方向に移動させながら、ステップS7と
同様に、無条件で焼き飛ばしを行う(図11中の副走査
位置<3>の露光)。なお、目標点T4 のY軸方向の位
置Y4 は、目標点T3 の位置Y3 と露光ヘッド6のX方
向の送り量YSとの和(Y4 =Y3 +YS)より算出さ
れる。
【0039】ステップS13,S14:露光ヘッド6が
目標点T4 に達すると、それ以降、露光ヘッド6を目標
点T5 までY軸方向に移動させながら、ステップS9と
同様に、レーザビームLBの走査開始位置から画像エリ
ア(2)の左端までは焼き飛ばしを行い、画像エリア
(2)の左端から右端までは画像を焼き付け、画像エリ
ア(2)の右端から画像エリア(3)の左端までは焼き
飛ばしを行う(図11中の副走査位置<4>の露光)。
【0040】ステップS15,S16:露光ヘッド6が
目標点T5 に達すると、それ以降、露光ヘッド6を目標
点T6 までY軸方向に移動させながら、ステップS7と
同様に、無条件で焼き飛ばしを行う(図11中の副走査
位置<5>の露光)。なお、目標点T6 のY軸方向の位
置Y6 は、目標点T1 の位置Y1 と感光材料PのY方向
サイズYPSとの和(Y6 =Y1 +YPS)より算出さ
れる。
【0041】ステップS17〜S20:露光ヘッド6が
目標点T6 に達すると、それ以降、露光ヘッド6をX軸
およびY軸方向に駆動して、次の目標点T7 にまで移動
させる。目標点T7 のX方向の位置X2 は次式より算出
される。 X2 =XORG+XPG+PX また、目標点T7 のY方向の位置は、先に求めたY
6 (=Y1 +YPS)である。
【0042】ステップS21,S22:露光ヘッド6が
目標点T7 に達すると、それ以降、目標点T8 (Y方向
位置:Y5 )まで露光ヘッド6を−Y軸方向に駆動し
て、無条件で焼き飛ばしを行う(図11中の副走査位置
<6>の露光)。
【0043】ステップSS23,S24:露光ヘッド6
が目標点T8 に達すると、それ以降、目標点T9 (Y方
向位置:Y4 )まで露光ヘッド6を−Y軸方向に駆動し
て、画像エリア(3)の焼き付けと、画像エリア(3)
と(6)間のドブの焼き飛ばしを行う(図11中の副走
査位置<7>の露光)。画像エリア(2)と(3)間の
ドブは、既に焼き飛ばしされているので、ここでは露光
しない。以下、前述したと同様に、露光ヘッド6を−Y
軸方向に移動しながら、図11中の副走査位置<8>,
<9> <10>の各露光を行う。
【0044】ステップS25〜S30:目標点T11から
12間の無条件焼き飛ばしが終わると、露光ヘッド6を
X軸およびY軸方向に駆動して、次の目標点T13にまで
移動させる。目標点T13のX方向の位置X3 は次式より
算出される。 X3 =XORG+XPG+PX+XS また、目標点T13のY方向の位置は、Y1 (=YORG
+YPG)である。以下、前述したと同様に、露光ヘッ
ド6をY軸方向に移動しながら、図11中の副走査位置
<11>,<12>,<13>,<14> <15>の
露光を行う。
【0045】ステップS31,S32:目標点T17から
18間の無条件焼き付けが終わると、一連の焼き飛ばし
動作を伴った殖版動作が完了する。
【0046】なお、上述の実施例では、1本のレーザビ
ームによる露光動作について説明したが、本発明は、複
数本のレーザビームによって同時に露光する場合にも適
用することができる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、光ビームで感光材料を線順次
に走査する際、光ビームが感光材料上の画像領域を走査
しているか、あるいは非画像領域を走査しているかを、
予め与えられた殖版データに基づいて判定し、非画像領
域を走査している場合は、ON状態の焼き飛ばし光点信
号で光ビームをON(露光)状態にし、一方、画像領域
を走査している場合は、画像データに対応した光点信号
で光ビームをON/OFF変調して、非画像領域の焼き
飛ばし動作と、画像の殖版動作とを並行して行っている
ので、焼き飛ばし処理を効率的に行うことができる。ま
た、殖版データに基づいて画像領域を自動的に判定する
ので、画像を入り組んで感光材料上に配置したような場
合であっても、非画像領域を容易に焼き飛ばすことがで
きる。
【0048】また、請求項2に記載の発明によれば、従
来は感光材料の露光(画像の焼き付け、および焼き飛ば
し)に何ら使用されていなかった、光ビームの走査可能
エリアの両端エリアを、非画像領域の焼き飛ばしに利用
しているので、焼き飛ばし処理を一層効率よく行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る殖版式画像記録装置の概略構成を
示した斜視図である。
【図2】走査光学系の概略構成を示した図である。
【図3】制御系の概略構成を示したブロック図である。
【図4】動作フローチャートである。
【図5】動作フローチャートである。
【図6】動作フローチャートである。
【図7】殖版順序の説明図である。
【図8】殖版データの説明図である。
【図9】画像サイズ情報の説明図である。
【図10】殖版動作の説明図である。
【図11】主走査位置および副走査位置に応じた露光条
件を示す図である。
【図12】焼き飛ばし領域の説明図である。
【図13】自動マスク装置による焼き飛ばし処理の説明
図である。
【図14】従来例の問題点の説明に供する図である。
【符号の説明】
P…感光材料 1…可動テーブル 6…露光ヘッド 11…レーザ光源 12…AOM 14…ポリゴンミラー 21…画像メモリ 23…コントローラ 27…コンソール 28…ORゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲斐 秀樹 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光材料上に走査露光方式で画像を多面
    焼き付けする殖版式画像記録装置において、 前記焼き付け画像のサイズ情報および感光材料上の各画
    像の配置位置に関連した情報を含む殖版データを入力す
    る殖版データ入力手段と、 前記焼き付け画像の画像データを記憶する画像データ記
    憶手段と、 光ビームで感光材料上を線順次に走査する際に、前記殖
    版データに基づいて、感光材料上の画像領域と非画像領
    域とを各走査ラインごとに判定し、光ビームが非画像領
    域を走査しているときは、ON状態の焼き飛ばし光点信
    号を出力し、光ビームが画像領域を走査しているとき
    は、焼き飛ばし光点信号をOFF状態にする画像領域判
    定手段と、 光ビームの走査に同期して画像データ記憶手段から読み
    出された画像データと、前記焼き飛ばし光点信号とを合
    成して、光点信号として出力する光点信号合成手段と、 前記光点信号によって光ビームをON/OFF変調し、
    感光材料上を線順次に走査する光ビーム走査手段と、 を備えたことを特徴とする殖版式画像記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の殖版式画像記録装置に
    おいて、 前記光ビーム走査手段は、光ビームによる走査可能エリ
    アの内、画像の焼き付けに使用可能な描画可能エリアを
    外れた両端エリアを非画像領域の焼き飛ばしに利用する
    ものである殖版式画像記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7375858B2 (en) 2002-03-19 2008-05-20 Fujifilm Corporation Image data control apparatus and method for image-recording device
JP2018109786A (ja) * 2011-11-04 2018-07-12 株式会社ニコン パターン露光装置

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JP2018109786A (ja) * 2011-11-04 2018-07-12 株式会社ニコン パターン露光装置

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