JPH06130204A - 導電性を有する多層反射防止光透過板の製造方法 - Google Patents

導電性を有する多層反射防止光透過板の製造方法

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JPH06130204A
JPH06130204A JP4275775A JP27577592A JPH06130204A JP H06130204 A JPH06130204 A JP H06130204A JP 4275775 A JP4275775 A JP 4275775A JP 27577592 A JP27577592 A JP 27577592A JP H06130204 A JPH06130204 A JP H06130204A
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layer
refractive index
transmitting plate
producing
antireflection
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JP4275775A
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Fumiyasu Nomura
文保 野村
Hisashi Esumi
悠 江角
Takeshi Saito
武 斎藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】耐熱性プラスチック透明基材上にハードコート
層を設け、さらにその表層に透明導電層を含む多層反射
防止層を設けた光透過板の製造方法において、該多層反
射防止層のすべてが真空蒸着で製造され、かつ、反射防
止層の最外層がハードコートよりも低い屈折率を有し、
さらに、該透明導電層が該反射防止層の内層に配置さ
れ、かつ、該透明導電層の膜厚が50nmを越え、15
0nm未満であることを特徴とする導電性を有する多層
反射防止光透過板の製造方法。 【効果】本発明により、耐摩耗性に優れ、かつ、非常に
反射率の低い反射防止特性をもつ多層反射防止光透過板
を提供することができた。また、全て真空蒸着で行なう
ため同一装置内で製造できることから非常に安価に製造
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性を有するプラス
チック光透過板の製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくはコンピュータ・ディスプレ
ー、テレビのブラウン管(CRT)、種々の表示画面な
どの前面に装着され、それら表示装置から発生する静電
気や電磁波を効果的にシールドすることが可能で優れた
反射防止機能を有する光透過板として好適に利用され
る。
【0003】
【従来の技術】オフィスオートメーション機器、例えば
ワードプロセッサーや各種のコンピューターからは有害
な電磁波や静電気が多量に発生しており健康障害が指摘
されたり、また他の機器への障害となっている。たとえ
ばコンピューターに誤信号が入ったり、テレビとステレ
オを同時につけるとステレオから雑音が聞こえることが
しばしば見受けられる。
【0004】そこで従来よりかかる障害を取り除くため
種々の改良がなされてきた。その有効な手段として、金
属などの導電物で覆う技術が用いられている。例えば、
従来細い繊維の表面にカーボンを粘着させてメッシュ構
造にしたものを貼りつけるとか、蝶理株式会社の商品名
“アイセーバー”のように、合せガラスの内部に金属細
線を導入させる技術が知られている。しかしながら、こ
れらの方法においてはディスプレーから発生する光を透
過しない部分を生ずるので、ワードプロセッサーなどの
使用者にとっては見にくいという欠点を有していた。
【0005】また他の公知例としてはガラス基材上に対
して導電物質を高温蒸着した技術(特公昭49−184
47号公報)が提案されているが、この方法ではプラス
チック基材は軟化あるいは溶融するものが多く、また表
面が傷つきやすいあるいは膜の密着性が悪いなどの欠点
を改良できず利用できないものであった。その後、特開
昭61−245449号公報において、プラスチック基
材にハードコート層を設け、その表層に導電層を設け、
さらにその表層に前記導電層の屈折率よりも低い屈折率
の層を設けたことを特徴とする電磁波シールド性を有す
る光透過板が提案されているが、この場合、基板に耐熱
性がないため、密着性の優れたクラックの発生しない電
気抵抗値の低い導電層のコーティングにはスパッタリン
グ法を用いる以外方法はなく、その上層にその導電層の
屈折率よりも低い層を設けるためにはさらに別装置にて
真空蒸着するという2工程を踏まなければこういった製
品を作成できなかった。またさらに反射率を下げるため
に導電層の下層に屈折率がハードコート層より高く、導
電層よりも低い層を蒸着すると3工程になりコストが非
常に高くなり、さらに光学的な薄膜の膜厚制御が正確に
出来ず良い反射防止膜は可能でなかった。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技
術の欠点を改善する技術を提供しようとするものであ
り、優れた耐熱性を有し、かつ、耐擦過性、密着性、耐
摩耗性に優れた導電性を有する反射防止光透過板を簡便
な方法で製造することを目的とする。
【0007】
【本発明が解決するための手段】上記目的を解決するた
め本発明は下記の構成をとる。
【0008】「耐熱性プラスチック透明基材上にハード
コート層を設け、さらにその表層に透明導電層を含む多
層反射防止層を設けた光透過板の製造方法において、該
多層反射防止層のすべてが真空蒸着で製造され、かつ、
反射防止層の最外層がハードコートよりも低い屈折率を
有し、さらに、該透明導電層を該反射防止層の内層に配
置することを特徴とする導電性を有する多層反射防止光
透過板の製造方法。」本発明において耐熱性プラスチッ
クとは、熱変形温度が120℃以上でしかも透明性のあ
る材料であればよく、例えば、ポリメタクリル酸系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスルフィド系樹脂、
不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン
系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹
脂、ポリイミド系樹脂、マレイミド系樹脂、ポリフォス
ファゼン系樹脂などが挙げられる。中でも、物性面や経
済性からポリカーボネート系樹脂が好適である。また透
明基材とは、可視光を透過し得るものであれば良い。ワ
ードプロセッサーなどディスプレーの前面で使用するも
のにあっては、原着または染色により可視光線透過率を
25〜70%としたものが好ましい。目の疲労を減少す
るためである。また、ハードコート層とは、有機化合物
からなる硬化膜であればよく、有機ケイ素化合物系ある
いはアクリル系等の硬化膜か用いられるが、中でも、有
機ケイ素化合物と無機微粒子系とを含有するハードコー
ト層が好適である。無機微粒子としては、酸化ケイ素、
酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸
化セリウム、酸化スズ、酸化ベリリウム、酸化アンチモ
ンの中から選択される1種以上が用いられることが好ま
しい。プラスチック基材の表面は一般に傷がつき易いの
で、これを改良するため、および表層にコートする導電
性を有する多層反射防止層のアンダーコートして密着性
を高めるためである。無機微粒子の選択は、耐熱性プラ
スチック基材とハードコート層の屈折率のマッチングを
はかるための一手段として好適である。例えば、耐熱性
プラスチックとしてポリカーボネートを選択した場合、
無機微粒子としては、五酸化アンチモン、あるいは酸化
チタンと酸化セリウムの複合体などの選択が特に好適で
ある。また、プラスチック基材とハードコート層の屈折
率差を0.05以内におさえることによって、ハードコ
ート層の微小膜厚差によって生じる反射干渉縞模様の発
生をおさえ、外観の優れた光透過板を得ることができ、
特に好ましい。
【0009】次に本発明の多層反射防止層においては、
最外層がハードコート層よりも低い屈折率の層からな
り、かつその内層に透明導電膜を含む層が配置されてい
る。すなわち、反射防止構成要素の中に前記膜厚の透明
導電膜を含んでいればその構成順序は関係ない。例え
ば、前記ハードコート層の表層の第1層目に、ハードコ
ートの屈折率よりも高い屈折率をもつ層が構成され、第
2層目に透明導電膜を含む層が構成され、第3層目にハ
ードコート層の屈折率よりも低い屈折率の層が構成され
る場合などがある。なお第1層目と第2層目が逆になっ
てもかまわないし、また一つの層がコンポジット膜ある
いは等価膜で置き換えられてもかまわない。ここでコン
ポジット膜とは、1層を例えば、等価的な2層で置き換
えた膜を言い、通常屈折率が置き換える1層よりも高い
物質と低い物質で構成される。
【0010】ハードコート層とその表層の反射防止層の
密着性向上のために、ハードコート層に表面処理が施さ
れることが好ましい。ここで表面処理とは、アルカリ処
理、酸素雰囲気中での高周波放電によるプラズマ処理、
真空中でのアルゴンや酸素などのイオンビーム照射によ
る処理、空気中にてコロナ放電処理、紫外線照射による
処理などが挙げられるが、好ましくは、酸素雰囲気中で
の高周波によるプラズマ処理、真空中でのイオンビーム
照射が良い。
【0011】本発明の透明導電層とは、導電性を有し可
視光線を透過し得るものであればいかなるものであって
も良いが、中でも、基板温度110℃以上で酸素雰囲気
中、高周波放電によるプラズマを用いて反応性の蒸着を
する方法で製造された層であることが好ましく、その屈
折率が1.9〜2.1であることが好ましい。導電層を
構成する材料としては、好ましくは、In2 3 (酸化
インジウム)、SnO2 (酸化スズ)の少なくとも1種
類を含むことが好ましい。導電性能が高く電磁波、静電
気を有効にシールドでき、可視光線透過率が非常に高い
からである。その膜厚は、良好な導電性と可視光線透過
性を確保するために50nmを越え150nm未満であ
ることが好ましい。50nm以下であると表面電気抵抗
値が低すぎ、また200以上ではひび割れの欠点を生じ
易くなったり可視光線透過性が劣るといった問題を生じ
る傾向がある。反射率が非常に低く、かつ導電性が非常
に低い反射防止層を得るためには透明導電膜を光学的な
膜厚でλ/4、あるいはλ/2(λは中心波長で通常約
500nmである。)で独立層として構成することがさ
らに好ましい。この時の表面電気抵抗値は500Ω/c
2 以下となり、そのため、電磁波シールド性を有する
ことになる。また導電性を有しているために、この反射
防止膜の最外層の表面からアース線を引出すことにより
帯電を防止できる。
【0012】本発明においては、上記の積層をプラスチ
ック基材の1面または2面に設ける。1面にのみ設けた
場合は、反対面の傷付防止をするため、少なくとも上記
で説明したハードコート層を設けることが好ましく、さ
らにはハードコート層の表面に反射防止層を設けること
が好ましい。
【0013】こうして得られた光透過板は膜物性として
クラックの発生もなく、表面硬さ、密着性、耐摩耗性、
および耐候性に優れている。
【0014】以下図面により説明する。
【0015】図1は本発明の好ましい導電性を有する多
層反射防止光透過板の一実施態様の断面図を示す。耐熱
性プラスチック透明基材1の上にハードコート層2が積
層され、その表層にハードコート層より高い屈折率を有
する層3が積層され、さらにその表層に透明導電層4が
積層され、さらにその表層にハードコート層の屈折率よ
りも低い屈折率の層5が積層されたものである。そして
反対面にもハードコート層6が積層され、ハードコート
層の屈折率よりも高い屈折率を有する層7が構成され、
その表層にその屈折率よりも高い屈折率の層8が構成さ
れ、さらにハードコート層よりも低い屈折率を有する層
9で構成されたものである。
【0016】図2は、一実施態様の平面図である。図1
の導電層4を有する面から見たものである。図1におい
て全周に枠10を取り付け、アース線11は最外層5の
表面から引き出したものである。アース線11は好まし
くは隅の部分から引き出す。なお導電層4を有する面が
表示画面に向くように設置するのが好ましい。
【0017】本発明の導電性を有する反射防止透過板の
用途は、テレビやディスプレーの画面のフィルター(い
わゆる光学フィルター)に特に有効である。その他眼鏡
などのレンズや、フィルム、成形物としての用途も好ま
しい。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて説明するが、本発明は
これらに限定されるものではない。実施例中「部」は、
「重量部」を示す。
【0019】実施例1 (1)コーティング組成物の調整 (a)γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン37.4部を液温10℃に保ち撹拌しながら、そこに
0.01規定塩酸水溶液5.7部を徐々に滴下した。滴
下終了後冷却をやめて、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシランの加水分解物を得た。
【0020】(b)コーティング組成物の調整 エポキシ樹脂(シエル化学株式会社製、“エピコート”
827)52.5部を秤り採り、ジアセトンアルコール
57.5部およびアセチルアセトン16.5部を加えて
溶解し、シリコーン系界面活性剤0.88gを添加混合
した後に前記(a)の加水分解物を混合し、さらにメタ
ノール分散コロイド状五酸化アンチモンゾル(触媒化成
工業株式会社製)321部、アルミニウムアセチルアセ
トネート8.8部を添加し充分撹拌溶解した後コーティ
ング組成物とした。
【0021】(2)コーティングおよびキュア 基材として市販のポリカーボネート板(三菱瓦斯化学株
式会社製、商標“ユーピロンシート”グレー原着、厚さ
2mm)の基材に前記(1)で調整したコーティング組
成物中に浸漬し、引上げ速度20cm/分で引上げ2μ
mの厚さにコーティング組成物を塗布し、次いで80℃
で6分の予備硬化を行ない、さらに135℃で3時間加
熱して基材とほぼ同等の屈折率を有するハードコート膜
を有する基材を得た。
【0022】(3)反射防止膜の形成 真空蒸着装置(シンクロン株式会社製HMC−220
0)を用いて、表1に示した構成で、以下の真空蒸着条
件で、反射防止膜を構成した。
【0023】(a)排気 前記真空蒸着装置に、(2)で得られた基材を投入して
30分排気し、真空度を約2×10-5Torr(2.66×
10-3Pa)とした。
【0024】(b)前処理 カウフマン型のイオン銃を用いて、前記雰囲気下で加速
電圧600V条件で、アルゴンのイオンビームを9分間
照射した。
【0025】(c)蒸着 温度はマイクロヒータ、ハロゲンヒータ共に140℃に
設定した。光学式膜厚計を用いて膜厚を監視しながら蒸
着した。1層目は真空度約4×10-5Torr(5.32×
10-3Pa)の条件下で、2層目は酸素を導入して真空度
約8×10-5Torr(1.064×10-2Pa)の条件下で
高周波(13.56MHz)300Wをかけて発生させ
たプラズマ雰囲気下で、3層目は真空度約2×10-5To
rr(2.66×10-3Pa)の条件下で蒸着した。
【0026】
【表1】 表1中、I.T.O.とはIn2 3 とSnO2 の混合
物をいう。以後、この混合物をI.T.O.と略記す
る。
【0027】この時の分光反射率特性を図3に示す。非
常に反射率の低い導電性反射防止光透過板が得られた。
また、反射干渉縞の発生もなく外観も優れていた。
【0028】比較例1 特開昭61−245449号公報の実施例1の記載の通
り光透過板を作成した。この時の分光反射率特性を図4
に示す。この特性から本発明の実施例に示す分光反射率
特性が優れていることが理解できる。またこの場合、ス
パッタリング法と真空蒸着法と2つの方法を使用してい
るため、作成が2工程になり非常に時間とコストを要し
た。この点についても実施例1は一工程で済んでいるた
め非常に時間とコストが節約できている。
【0029】実施例2 (1)コーティング組成物の調整 (a)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン7
6.3部を液温10℃に保ち撹拌しながら、そこに0.
01規定塩酸水溶液18.3部を徐々に滴下した。滴下
終了後冷却をやめて、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランの加水分解物を得た。
【0030】(b)コーティング組成物の調整 エポキシ樹脂(シエル化学株式会社製、“エピコート”
827)90.0部を秤り採り、ベンジルアルコール1
4.4部、ジアセトンアルコール144部およびアセチ
ルアセトン29部、メタノール29部を加えて溶解し、
シリコーン系界面活性剤0.9部を添加混合した後に前
記(a)の加水分解物を混合し、さらに酸化セリウムと
酸化チタンの複合酸化物を主体とするメタノールゾル
(触媒化成工業株式会社製、オプトレイク−1130
A)27.0部、アルミニウムアセチルアセトネート
9.0部を添加し十分撹拌溶解した後コーティング組成
物とした。
【0031】(2)コーティングおよびキュア 基材として市販のポリカーボネート板(三菱瓦斯化学株
式会社製、商標“ユーピロンシート”グレー原着、厚さ
2mm)の基材に前記(1)で調整したコーティング組
成物中に浸漬し、引上げ速度20cm/分で引上げ2μ
mの厚さにコーティング組成物を塗布し、次いで80℃
で6分の予備硬化を行ない、さらに135℃で3時間加
熱して基材とほぼ同等の屈折率のハードコート膜を有す
る基材を得た。
【0032】(3)反射防止膜の形成 前記(2)のハードコート基材の上層に導電性を有する
反射防止膜として、真空蒸着装置(シンクロン株式会社
製HMC−2200)を用いて、表2に示す構成にて、
以下の真空蒸着条件で、反射防止膜を構成した。
【0033】(a)排気 前記真空蒸着装置に、(2)で得られた基材を投入して
30分排気し、真空度を約2×10-5Torr(2.66×
10-3Pa)とした。
【0034】(b)前処理 前記条件下で、酸素を導入して真空度を約1.0×10
-4Torr(1.33×10-2Pa)にした。その条件下で高
周波(13.56MHz)300Wをかけて発生させた
プラズマで、(2)で得られた基材の表面を処理した。
【0035】(c)蒸着 温度はマイクロヒータ、ハロゲンヒータ共に140℃に
設定した。光学式膜厚計を用いて膜厚を監視しながら蒸
着した。1層目は真空度約4×10-5Torr(5.32×
10-3Pa)の条件下で、2層目は酸素を導入して真空度
約8×10-5Torr(1.064×10-2Pa)の条件下で
高周波(13.56MHz)300Wをかけて発生させ
たプラズマ雰囲気下で、3層目は真空度約2×10-5To
rr(2.66×10-3Pa)の条件下で蒸着した。
【0036】
【表2】 この時の分光反射率特性を図5に示す。この場合も非常
に反射率が低く反射干渉縞発生のない導電性反射防止光
透過板が得られた。またこの時、表面硬さ、密着性、耐
摩耗性などに優れた膜特性が得られた。
【0037】実施例3 基材として市販のポリカーボネート板(三菱瓦斯化学株
式会社製、商標“ユーピロンシート”、厚さ2mm)に
ハードコート(三菱瓦斯化学株式会社製、商標“MR−
03”)が施されているものを使用した。その上層に表
2に示す膜構成で反射防止層を構成した。多層反射防止
層の作成にあたっては、実施例2の製造方法とまったく
同様にした。この時の反射分光特性を図6に示す。分光
反射率特性としては非常に反射率の低い導電性反射防止
光透過板は作成できたが、この場合基材とハードコート
の屈折率がマッチングしていないため反射干渉縞が多少
発生した。また膜の諸物性はほぼ実用的には問題のない
ものができたが、密着性、その後の取扱によるマイクロ
クラックの発生など若干の弱さが見られた。
【0038】実施例4 基材として市販のポリカーボネート板(三菱瓦斯化学株
式会社製、商標“ユーピロンシート”、厚さ2mm)に
ハードコート(三菱瓦斯化学株式会社製、商標“MR−
05”)が施されているものを使用した。その上層に表
2に示す膜構成で反射防止層を構成した。多層反射防止
層の作成にあたっては、実施例2の製造方法とまったく
同様にした。この時の反射分光特性を図7に示す。分光
反射率特性としては非常に反射率の低い導電性反射防止
光透過板は作成できたが、この場合基材とハードコート
の屈折率がマッチングしていないため反射干渉縞が多少
発生した。また膜の諸物性はほぼ実用的には問題のない
ものができたが、表面硬さ、耐摩耗性に若干弱さが見ら
れた。
【0039】ここで、光学特性については、330型自
記分光光度計(日立製作所製)を使用してその特性を測
定した。また、膜の諸物性の評価は、次に示す方法で評
価した。また実施例の評価結果を表3に示す。
【0040】 反射干渉縞 三波長蛍光燈の光を反射させて観察した。
【0041】 クラック 背後に黒布を設置して、蛍光燈の透過光でマイクロクラ
ックの発生の程度を観察した。
【0042】 表面硬さ #0000のスチール・ウールで約1Kg/cm2 の荷
重をかけながら5往復表面擦過して傷の程度を評価し
た。
【0043】 密着性 フェザー片刃剃刀で約1mm間隔で碁盤目状に100個
クロスハッチを入れる。その後のその碁盤目状の表面に
セロテープ(ニチバン製)を貼りつけ表面から90度の
方向にテープを剥離した。これを3回繰り返した。この
時のクロスハッチの剥がれなかった個数で評価した。
【0044】 耐摩耗性 不織布に、人工汗液(JIS B)の5倍濃縮液を湿ら
せ、2.0Kg/cm2 の荷重をかけながら表面を擦っ
た。膜の剥がれ状態を透過光を用いて観察した。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明により、耐熱性、耐摩耗性に優
れ、かつ、非常に反射率の低い反射防止特性をもつ多層
反射防止光透過板を提供することができた。
【0047】また、全て真空蒸着で行なうため同一装置
内で製造できることから非常に安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1により得られた導電性を有する
反射防止光透過板の断面図を示す。
【図2】本発明実施例1により得られた導電性を有する
反射防止光透過板の平面図を示す。
【図3】本発明実施例1により得られた導電性を有する
反射防止光透過板の分光反射率特性を示す。
【図4】本発明比較例1により得られた導電性を有する
反射防止光透過板の平面図を示す。
【図5】本発明実施例2により得られた導電性を有する
反射防止光透過板の分光反射率特性を示す。
【図6】本発明実施例3により得られた導電性を有する
反射防止光透過板の分光反射率特性を示す。
【図7】本発明実施例4により得られた導電性を有する
反射防止光透過板の分光反射率特性を示す。
【符号の説明】
1 ;耐熱プラスチック透明基材 2,6;ハードコート層 3,7;ハードコート層の屈折率よりも高い屈折率をも
つ層 4 ;3の層の屈折率よりも高い屈折率をもつ透明導
電膜 5,9;ハードコート層の屈折率よりも低い屈折率をも
つ層 8 ;7の層の屈折率よりも高い屈折率をもつ層 第2図は、本発明の1実用態の使用例を示す。 10 ;全周枠 11 ;アース線

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性プラスチック透明基材上にハードコ
    ート層を設け、さらにその表層に透明導電層を含む多層
    反射防止層を設けた光透過板の製造方法において、該多
    層反射防止層のすべてが真空蒸着で製造され、かつ、反
    射防止層の最外層がハードコートよりも低い屈折率を有
    し、さらに、該透明導電層を該反射防止層の内層に配置
    することを特徴とする導電性を有する多層反射防止光透
    過板の製造方法。
  2. 【請求項2】該透明導電層の膜厚が50nmを越え、1
    50nm未満であることを特徴とする請求項1記載の導
    電性を有する多層反射防止光透過板の製造方法。
  3. 【請求項3】該透明導電層が、酸化インジウムおよび/
    または酸化スズを含む層であることを特徴とする請求項
    1記載の導電性を有する多層反射防止光透過板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】該透明導電層が、基板温度110℃以上で
    酸素雰囲気中、高周波放電によるプラズマを用いた反応
    性の蒸着により設けられることを特徴とする請求項1記
    載の導電性を有する多層反射防止光透過板の製造方法。
  5. 【請求項5】導電性が500Ω/cm2 以下であり、か
    つ、電磁波シールド特性を有することを特徴とする請求
    項1記載の導電性を有する多層反射防止光透過板の製造
    方法。
  6. 【請求項6】該多層反射防止層の最外層を介してアース
    線が引き出されていることを特徴とする請求項1記載の
    導電性を有する多層反射防止光透過板の製造方法。
  7. 【請求項7】該プラスチック透明基材の熱変形温度が1
    20℃以上であることを特徴とする請求項1記載の導電
    性を有する多層反射防止光透過板の製造方法。
  8. 【請求項8】該ハードコート層の屈折率と該透明基材の
    屈折率との差が0.05以下であることを特徴とする請
    求項1記載の導電性を有する多層反射防止光透過板の製
    造方法。
  9. 【請求項9】該プラスチック透明基材が着色されたもの
    であることを特徴とする請求項1記載の導電性を有する
    多層反射防止光透過板の製造方法。
  10. 【請求項10】該ハードコート層が、有機シラン化合物
    と、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸
    化スズ、酸化ベリリウムおよび酸化アンチモンから選ば
    れる少なくとも1種の無機化合物から選ばれる微粒子と
    を含有していることを特徴とする請求項1記載の導電性
    を有する多層反射防止光透過板の製造方法。
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