JPH06129242A - 通電加熱式触媒の通電制御装置 - Google Patents

通電加熱式触媒の通電制御装置

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JPH06129242A
JPH06129242A JP27902092A JP27902092A JPH06129242A JP H06129242 A JPH06129242 A JP H06129242A JP 27902092 A JP27902092 A JP 27902092A JP 27902092 A JP27902092 A JP 27902092A JP H06129242 A JPH06129242 A JP H06129242A
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JP
Japan
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battery
energization
catalyst
voltage
catalysts
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Application number
JP27902092A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tanaka
比呂志 田中
Koji Yoshizaki
康二 吉▲崎▼
Shinichiro Tanaka
伸一郎 田中
Masahiko Hibino
雅彦 日比野
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バッテリ電圧の低下時に、バッテリ負荷を軽減
させながら各通電加熱式触媒を有効に使用して排気エミ
ッションを低減させる。 【構成】V型エンジンの左右各バンク2,3の排気系に
第1及び第2の電気ヒータ付触媒(EHC)19,20
を配置する。各EHC19,20をバッテリ29に電気
的に並列に接続し、各リレースイッチ32,33により
選択的に通電させる。ECU81は電圧センサ63の検
出に基づきバッテリ29の電圧低下時と判断したとき、
導入される排気温度が相対的に高い第2のEHC20へ
の通電を遮断し、第1のEHC19への通電のみを許容
するように各リレースイッチ32,33を制御する。従
って、通電の遮断された第2のEHC20では、導入さ
れる排気熱により暖機が促進され、通電の許容された第
1のEHC19では、電圧低下したバッテリ29の少電
力が有効に使用されて加熱・暖機が促進される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の冷間始動
時から速やかに排気ガスの浄化を行わせるために通電に
より加熱可能な通電加熱式触媒に係り、特にその触媒に
対する通電を制御する通電制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、内燃機関の排気エミッション
を低減させる目的で、排気系に三元触媒等の触媒コンバ
ータを設けることが一般に行われている。ここで、内燃
機関の冷間始動時には、触媒を直ちに活性化させて排気
ガスの浄化を行わせる必要があることから、触媒自体を
電気的に加熱させる技術が提案されている。例えば、特
表平3−504405号公報に開示された技術では、通
電により加熱可能な複数の始動触媒が排気系に配置され
ており、これらが電源に対して並列に接続されて選択的
に通電されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来公
報の技術において、各始動触媒を車載のバッテリを電源
として通電させようとした場合に、バッテリの電圧低下
の状態によっては、各始動触媒に対して充分な通電を行
うことが困難となり、それらを早期に加熱させることが
困難となる。しかし、このような状況においても、冷間
始動時には速やかな排気ガス浄化が要求されていること
に変わりはなく、バッテリの電圧低下に合わせて各始動
触媒をいかに駆使して排気エミッションを低減させるか
が課題となっている。
【0004】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、バッテリの電圧が低下した
場合でも、複数の通電加熱式触媒に対する通電を制御す
ることにより、バッテリに対する負荷を軽減させながら
各通電加熱式触媒を有効に使用して排気エミッションを
低減させることの可能な通電加熱式触媒の通電制御装置
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明においては、内燃機関の排気系に配置さ
れ、バッテリに対して電気的に並列に接続されて通電に
より加熱可能な複数の通電加熱式触媒と、バッテリの電
圧状態を検出するための電圧検出手段と、その電圧検出
手段の検出結果に基づきバッテリの電圧低下時と判断し
たときに、複数の通電加熱式触媒のうち、導入される排
気ガスの温度が相対的に高くなる方の通電加熱式触媒へ
の通電を遮断し、残りの通電加熱式触媒への通電のみを
許容する通電制御手段とを備えたことを趣旨としてい
る。
【0006】
【作用】上記の構成によれば、各通電加熱式触媒へのバ
ッテリからの通電が許容されることにより、各通電加熱
式触媒が加熱・暖機されてそれらの活性化が促進され
る。又、内燃機関から排出される排気ガスは、活性化さ
れた各通電加熱式触媒に導入されることにより浄化され
る。
【0007】そして、通電制御手段では、電圧検出手段
の検出結果に基づきバッテリの電圧低下時と判断したと
きに、複数の通電加熱式触媒のうち、導入される排気ガ
スの温度が相対的に高くなる方の通電加熱式触媒への通
電を遮断し、残りの通電加熱式触媒への通電のみを許容
する制御が行われる。従って、通電の遮断された通電加
熱式触媒では、導入される排気熱によって暖機が促進さ
れ、通電の許容された通電加熱式触媒では、電圧の低下
したバッテリの少ない電力が有効に使用されて加熱・暖
機が促進される。又、全ての通電加熱式触媒が同時にバ
ッテリにより通電されることがないので、バッテリに大
きな負荷がかかることはない。
【0008】
【実施例】以下、この発明における通電加熱式触媒の通
電制御装置を自動車に具体化した一実施例を図1〜図6
に基づいて詳細に説明する。
【0009】図1はこの実施例におけるガソリンエンジ
ンシステムを示す概略構成図である。内燃機関としての
縦置きタイプのV型エンジンを構成するエンジン本体1
は、各気筒が左バンク2と右バンク3とに分かれて形成
されている。左右各バンク2,3には、吸気マニホルド
4L,4R及び排気マニホルド5L,5Rがそれぞれ接
続されている。各吸気マニホルド4L,4Rは共通する
サージタンク6及び吸気管7に連通されており、吸気管
7の入口側にはエアクリーナ8が設けられている。そし
て、各吸気マニホルド4L,4R、サージタンク6及び
吸気管7等により吸気系が構成されており、この吸気系
を通じてエアクリーナ8より外部から取り入れられる空
気が、左右各バンク2,3の燃焼室2a,3aに導入さ
れる。吸気管7の途中には、各燃焼室2a,3aに導入
される空気量を調整するためのスロットルバルブ9が設
けられている。このスロットルバルブ9は、図示しない
アクセルペダルの操作に連動して開閉される。又、各吸
気マニホルド4L,4Rには、燃料噴射用のインジェク
タ10L,10Rがそれぞれ設けられている。周知のよ
うに、各インジェクタ10L,10Rは通電によって開
弁されることにより、図示しない燃料タンクから燃料ポ
ンプを通じて送られてくる燃料を吸気ポートの付近へ噴
射するものである。そして、各インジェクタ10L,1
0Rから噴射された燃料は空気との混合気となって各燃
焼室2a,3aへと導入される。各燃焼室2a,3aで
は、導入された混合気が、点火プラグ11L,11Rの
動作により爆発・燃焼される。
【0010】一方、各排気マニホルド5L,5Rは排気
系の一部を構成しており、燃焼後の排気ガスを各燃焼室
2a,3aから導出させる。導出された排気ガスを浄化
して大気中へ排出させるために、各排気マニホルド5
L,5Rには、第1及び第2の三元触媒コンバータ1
2,13がそれぞれ接続されている。各三元触媒コンバ
ータ12,13には排気管14,15等がそれぞれ接続
されている。又、各排気管14,15は、図2に示すよ
うに、共通する第3の三元触媒コンバータ16が接続さ
れ、更にその三元触媒コンバータ16には排気管17が
接続されている。周知のように、第1〜第3の三元触媒
コンバータ12,13,16は、排気ガス中の炭化水素
(HC)及び一酸化炭素(CO)を酸化させると共に、
酸化窒素(NOx)を還元させて排気ガスを浄化するた
めのものである。
【0011】又、V型エンジンの特徴として、左右各バ
ンク2,3の気筒がバンクオフセットされていることか
ら、図2からも分かるように、左バンク2の排気マニホ
ルド5Lが右バンク3の排気マニホルド5Rよりも若干
前方へずれて配置されている。第1及び第2の三元触媒
コンバータ12,13はエンジン本体1の後ろ側におい
て左右対称に配置されている。そのため、左バンク2の
排気マニホルド5Lにおける集合部5aの長さL1が、
右バンク3の排気マニホルド5Rにおける集合部5bの
長さL2よりも相対的に大きくなっている。このことか
ら、左バンク2に対応する第1の三元触媒コンバータ1
2に導入される排気ガスの温度よりも、右バンク3に対
応する第2の三元触媒コンバータ13に導入される排気
ガスの温度の方が相対的に高くなっている。つまり、エ
ンジン本体1の排気熱による各三元触媒コンバータ1
2,13の暖機を考えた場合に、右バンク3に対応する
第2の三元触媒コンバータ13の方が相対的に暖まり易
くなっている。
【0012】第1及び第2の三元触媒コンバータ12,
13は互いに同じに構成されている。即ち、図3に示す
ように、各三元触媒コンバータ12,13は、大小三つ
に分割された三元触媒をケーシング18に内蔵して構成
されている。それら三つの三元触媒のうち、上流側の小
型のものがそれぞれ電気ヒータを備えて通電によって加
熱可能な第1の電気ヒータ付触媒19、第2の電気ヒー
タ付触媒20となっている。又、その下流側の中型及び
大型のものがそれぞれメイン触媒21,22となってい
る。各電気ヒータ付触媒19,20は三元触媒を付着さ
せてメタル触媒を構成するハニカムコアの中心に中心電
極23を配置してなり、その中心電極23とリム24と
の間で通電することにより、自身のメタル触媒を加熱さ
せるようになっている。又、各メイン触媒21,22は
単に三元触媒を付着させたメタル触媒により構成されて
いる。各電気ヒータ付触媒19,20は他のメイン触媒
21,22よりも上流側に配置され、主にエンジンの冷
間始動時に作動させるようになっている。一方、第3の
三元触媒コンバータ16は、大型のメイン触媒のみによ
り構成されている。
【0013】尚、この実施例のエンジン本体1には、そ
の始動時にクランキングによってクランクシャフト25
に回転力を付与するためのスタータ26が設けられてい
る。又、このスタータ26には、そのオン・オフ動作を
検知するためのスタータスイッチ61が設けられてい
る。周知のように、スタータ26はイグニッションスイ
ッチ62に接続されており、同スイッチ62の操作によ
ってオン・オフ動作するものである。イグニッションス
イッチ62はキー操作によりオフ位置、オン位置及びス
タータ位置にそれぞれ切り換え可能となっている。そし
て、イグニッションスイッチ62がオン位置を経てスタ
ータ位置に切り換えられている間は、スタータ26がオ
ン動作されてスタータスイッチ61から「オン」のスタ
ータ信号STSが出力される。
【0014】各電気ヒータ付触媒19,20に通電する
ために、それらの中心電極23側は各電源ライン27,
28及びイグニッションスイッチ62を介して車載用の
バッテリ29のプラス電極29aに接続されている。
又、各電気ヒータ付触媒19,20のリム24側は、各
電源ライン30,31を介してバッテリ29のマイナス
電極29bに接続されている。更に、バッテリ29から
各電気ヒータ付触媒19,20への通電を制御するため
に、各電源ライン27,28の途中には、第1のリレー
スイッチ32及び第2のリレースイッチ33がそれぞれ
設けられている。そして、イグニッションスイッチ62
がオン位置に切り換えられて、第1及び第2のリレース
イッチ32,33が電気信号によってオンされることに
より、各電源ライン27,28が閉路され、各電気ヒー
タ付触媒19,20に対してバッテリ29から通電が行
われる。又、第1及び第2のリレースイッチ32,33
がオフされることにより、各電源ライン27,28が開
路され、各電気ヒータ付触媒19,20に対するバッテ
リ29からの通電が停止される。ここで、バッテリ29
の近傍において電源ライン27には、バッテリ29の電
圧(バッテリ電圧)Vbを検出するための電圧センサ6
3が設けられている。
【0015】第1及び第2の三元触媒コンバータ12,
13には、第1及び第2の電気ヒータ付触媒19,20
の温度(触媒温度)THC1,THC2をそれぞれ検出
するための第1の触媒温センサ64及び第2の触媒温セ
ンサ65が設けられている。又、第1及び第2の三元触
媒コンバータ12,13において、各触媒温センサ6
4,65の上流側には、排気ガス中の酸素濃度OXをそ
れぞれ検出するための第1の酸素センサ66及び第2の
酸素センサ67が設けられている。
【0016】次に、排気系に二次空気を供給するための
二次空気供給装置の構成について説明する。この実施例
では、排気系に二次空気を供給するために、通電によっ
て駆動される電動式エアポンプ34が設けられている。
この電動式エアポンプ34は電気モータを内蔵してな
り、駆動されることによりサイレンサ35を通じて外気
を吸入して吐出する。電動式エアポンプ34の吐出口に
は、二次空気供給用のエアパイプ36の一端が接続され
ており、同パイプ36の他端は二つのエアパイプ36
L,36Rに分岐されて各三元触媒コンバータ12,1
3より上流の各排気マニホルド5L,5Rにそれぞれ連
通されている。バッテリ29から電動式エアポンプ34
に通電するために、同ポンプ34のプラス端子は電源ラ
イン37,27及びイグニッションスイッチ62を介し
てバッテリ29のプラス電極29aに接続されている。
又、電動式エアポンプ34のマイナス端子は、電源ライ
ン38,30を介してバッテリ29のマイナス電極29
bに接続されている。更に、電動式エアポンプ34への
通電を制御するために、電源ライン37の途中には、第
3のリレースイッチ39が設けられている。そして、イ
グニッションスイッチ62がオン位置に切り換えられて
いて、第3のリレースイッチ39が電気信号によってオ
ンされることにより、電源ライン37が閉路されて、電
動式エアポンプ34に対しバッテリ29から通電が行わ
れる。そして、その通電により電動式エアポンプ34が
駆動されることにより、吸入された外気がエアパイプ3
6,36L,36Rを通じて、二次空気として各三元触
媒コンバータ12,13の上流側から排気系に導入可能
となる。又、第3のリレースイッチ39がオフされるこ
とにより、電源ライン37が閉路され、電動式エアポン
プ34に対するバッテリ29からの通電が停止される。
【0017】一方、二つに分岐されたエアパイプ36
L,36Rの途中には、それらを開閉するためのダイヤ
フラム式の第1のエアコントロールバルブ40及び第2
のエアコントロールバルブ41がそれぞれ設けられてい
る。周知のように、これら各エアコントロールバルブ4
0,41はダイヤフラム室40a,41aを備え、それ
らダイヤフラム室40a,41aに負圧が導入されるこ
とにより、開弁されて、各エアパイプ36L,36Rの
途中が開放される。一方、各エアコントロールバルブ4
0,41を開弁させるために、各ダイヤフラム室40
a,41aにはバキュームパイプ42,43の一端がそ
れぞれ接続されている。又、これらバキュームパイプ4
2,43の他端は、共通するバキュームパイプ44を通
じてサージタンク6に連通されている。そして、サージ
タンク6で発生する吸気負圧が、バキュームパイプ4
4,42,43を通じて各ダイヤフラム室40a,41
aに導入可能となっている。更に、各ダイヤフラム室4
0a,41aへの負圧の導入を制御するために、各バキ
ュームパイプ42,43の途中には、電気信号によって
開閉切換えされる三方式の第1のバキューム・スイッチ
ング・バルブ(以下単に「VSV」という)45及び第
2のVSV46がそれぞれ設けられている。これら各V
SV45,46が電気信号によってオンされることによ
り、各バキュームパイプ42,43の途中が開放され
る。これにより、各エアコントロールバルブ40,41
のダイヤフラム室40a,41aに対する負圧の導入が
許容され、各エアコントロールバルブ40,41がそれ
ぞれ開弁される。一方、各VSV45,46が非通電に
よってオフされることにより、各バキュームパイプ4
2,43の途中が閉鎖されると共に、各ダイヤフラム室
40a,41aが大気開放となる。これにより、各エア
コントロールバルブ40,41が閉弁される。
【0018】各エアパイプ36L,36Rの途中には、
チェックバルブ47,48がそれぞれ設けられている。
これらチェックバルブ47,48は、排気脈動に起因し
て各排気マニホルド5L,5Rから各エアパイプ36
L,36Rへと排気ガスが逆流することを防止するため
のものである。同様に、バキュームパイプ44の途中に
もチェックバルブ49が設けられており、サージタンク
6の負圧が各エアコントロールバルブ40,41の作動
負圧を下回っても各ダイヤフラム室40a,41aの負
圧を保持できるようになっている。
【0019】加えて、エンジン本体1には、その冷却水
の温度(冷却水温)THWを検出するための水温センサ
68が設けられている。エンジン本体1には、そのクラ
ンクシャフト25の回転数をエンジン回転数NEとして
検出するための回転数センサ69が設けられている。
又、エンジン本体1の左右各バンク2,3には、クラン
クシャフト25に連動する各カムシャフト50L,50
Rの回転に基づき、気筒判別及び上死点位置等のクラン
ク角度基準位置G1,G2をそれぞれ検出するための第
1の気筒判別センサ70及び第2の気筒判別センサ71
が設けられている。更に、吸気管7の入口側には、エン
ジン本体1の各燃焼室2a,3aに取り込まれる吸気流
量Qを検出するためのエアフローメータ72が設けられ
ている。
【0020】この実施例では、各インジェクタ10L,
10R、第1及び第2の電気ヒータ付触媒19,20、
電動式エアポンプ34及び第1及び第2のVSV45,
46のそれぞれが電子制御装置(以下単に「ECU」と
いう)81により駆動制御される。そのために、ECU
81には各インジェクタ10L,10R、第1〜第3の
リレースイッチ32,33,39及び第1及び第2のV
SV45,46がそれぞれ電気的に接続されている。
又、ECU81には、スタータスイッチ61、イグニッ
ションスイッチ62、電圧センサ63、第1及び第2の
触媒温センサ64,65、第1及び第2の酸素センサ6
6,67、水温センサ68、回転数センサ69、第1及
び第2の気筒判別センサ70,71及びエアフローメー
タ72がそれぞれ電気的に接続されている。そして、E
CU81はこれら各スイッチ61,62、各センサ63
〜71及びエアフローメータ72からの各種信号に基づ
き種々の演算及び判断の処理を実行する。これにより、
各インジェクタ10L,10R、第1〜第3のリレース
イッチ32,33,39及び第1及び第2のVSV4
5,46がそれぞれ好適に駆動制御される。
【0021】図4はECU81の電気的構成等を示すブ
ロック図である。ECU81は中央処理装置(CPU)
82、所定の制御プログラム等を予め記憶してなる読み
出し専用メモリ(ROM)83、CPU82の演算結果
等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)8
4、予め記憶されたデータを保存するバックアップRA
M85等を備えている。そして、ECU81は、これら
各部82〜85と外部入力回路86、外部出力回路87
等とがバス88によって接続されてなる論理演算回路と
して構成されている。この実施例のCPU82はフリー
ランニングカウンタの機能を兼ね備えている。
【0022】外部入力回路86には、前述した各スイッ
チ61,62、各センサ63〜71及びエアフローメー
タ72等がそれぞれ接続されている。又、外部出力回路
87には、前述した各インジェクタ10L,10R、第
1〜第3のリレースイッチ32,33,39、及び第1
及び第2のVSV45,46等がそれぞれ接続されてい
る。そして、CPU82は各スイッチ61,62、各セ
ンサ63〜71及びエアフローメータ72等からの各種
信号を外部入力回路86を介して入力値として読み込
む。又、CPU82はこれら入力値に基づき、外部出力
回路87を介して各インジェクタ10L,10R、第1
〜第3のリレースイッチ32,33,39及び第1及び
第2のVSV45,46等を好適に駆動制御する。
【0023】この実施例では、ECU81により通電制
御手段が構成されている。そして、エンジンの冷間時始
動時において、ECU81は各スイッチ61,62、各
センサ63〜71等からの各種信号に基づき、第1及び
第2の電気ヒータ付触媒19,20を作動させると共に
電動式エアポンプ34を駆動させる。又、ECU81は
エンジンの燃料噴射を制御するために各インジェクタ1
0L,10Rを駆動させる。更に、ECU81は各酸素
センサ66,67からの信号等に基づき、エンジンの空
燃比フィードバック制御(FB制御)を実行する。
【0024】次に、上記のように構成されたガソリンエ
ンジンシステムにおいて、エンジンの始動時にECU8
1により実行される排気ガス浄化のための処理動作につ
いて説明する。
【0025】図5はECU81により実行される「二次
空気供給制御ルーチン」を示し、イグニッションスイッ
チ62の操作により、スタータスイッチ26からのスタ
ータ信号STSが「オフ」から「オン」へ切り換わるタ
イミングで開始される。
【0026】このルーチンの処理が開始されると、先ず
ステップ101におてい、電圧センサ63及び水温セン
サ68の検出信号に基づき、バッテリ電圧Vb及び冷却
水温THWをそれぞれ読み込む。又、後述する積算吸気
流量TQAI、始動後時間CAST及び各フラグXST
EFI,FOTP,XBATOFF,XEHC1,XE
HC2をそれぞれ読み込む。
【0027】続いて、ステップ102において、二次空
気供給のための前提条件が成立しているか否かを判断す
る。即ち、エンジンが始動モードであることを指示する
始動モードフラグXSTEFIが「0」であるか否か、
つまりは始動モードを抜けたか否かを判断する。この始
動モードフラグXSTEFIは、別途のルーチンで設定
されるものであり、エンジン回転数NEが「200rp
m」に下がったところで「1」に設定され、エンジン回
転数NEが「400rpm」を越えたところで「0」に
設定される。又、冷却水温THWが「−10℃」以上
「35℃」以下であるか否かを判断する。ここで、始動
モードフラグXSTEFIが「1」で、かつ冷却水温T
HWが「−10℃」以上「35℃」以下でない場合に
は、前提条件が成立しておらず、二次空気の供給を行わ
ないものとして、ステップ108へ移行する。一方、始
動モードフラグXSTEFIが「0」で、かつ冷却水温
THWが「−10℃」以上「35℃」以下である場合に
は、前提条件が成立したものとして、ステップ103へ
移行し、二次空気供給フラグXAIpreを「1」に設
定する。
【0028】次に、ステップ104において、二次空気
供給のための実行条件が成立しているか否かを判断す
る。即ち、始動モードフラグXSTEFIが「0」であ
るか否かを判断すと共に、別途のルーチンで計時される
始動後時間CASTが「3秒」以上を経過したか否かを
判断する。又、バッテリ電圧Vbが「11.5V」以上
であるか否かを判断する。更に、別途のルーチンで設定
される始動増量フラグF0TPが「0」であるか否かを
判断する。この始動増量フラグFOTPは、エンジンの
始動時に燃料噴射の増量が行われている時に「1」に設
定され、増量が行われていない時に「0」に設定され
る。そして、上記の全ての条件を満たしていない場合に
は、二次空気の供給を行わないものとしてステップ10
8へ移行し、全ての条件を満たしている場合には、ステ
ップ105へ移行する。
【0029】ステップ105においては、別途のルーチ
ンで求められる始動後の積算吸気流量TQAIが最大積
算吸気流量TQAImaxよりも小さいか否かを判断す
る。積算吸気流量TQAIは、エアフローメータ72の
検出により求められる吸気流量Qに基づいて求められ
る。そして、積算吸気流量TQAIが最大積算吸気流量
TQAImaxよりも小さくない場合には、二次空気の
供給を行わないものとして、ステップ108へ移行す
る。一方、積算吸気流量TQAIが最大積算吸気流量T
QAImaxよりも小さい場合には、ステップ106へ
移行する。
【0030】ステップ106においては、後述する電動
式エアポンプ34の作動時間(ポンプ作動時間)CAP
Rが標準時間である「120秒」よりも小さいか否かを
判断する。そして、ポンプ作動時間CAPRが「120
秒」よりも小さくない場合には、標準時間を越えたこと
から二次空気の供給を停止させるものとして、ステップ
108へ移行する。一方、ポンプ作動時間CAPRが
「120秒」よりも小さい場合には、標準時間を越えて
いないことから二次空気の供給を行うものとして、ステ
ップ107へ移行する。
【0031】そして、ステップ102、ステップ10
4、ステップ105或いはステップ106から移行して
ステップ108においては、第3のリレースイッチ39
をオフしてバッテリ29から電動式エアポンプ34への
通電を停止させることにより、同ポンプ34をオフさせ
る。次に、ステップ108からステップ109へ移行し
て、第1のVSV45をオフさせると共に、ステップ1
10において第2のVSV46をオフさせ、その後の処
理を一旦終了する。このように、電動式エアポンプ34
をオフさせると共に、第1及び第2のVSV45,46
をオフさせることにより、第1及び第2の触媒コンバー
タ12,13への二次空気の供給が停止される。
【0032】これに対し、ステップ102、ステップ1
04、ステップ105及びステップ106の全ての判断
条件を満たした場合には、ステップ106からステップ
107へ移行し、第3のリレースイッチ39をオンして
バッテリ29から電動式エアポンプ34へ通電させるこ
とにより、同ポンプ34をオンさせる。次に、ステップ
111において、ポンプ作動時間CAPRを「1」だけ
加算する。
【0033】その後、ステップ112においては、電圧
低下フラグXBATOFFが「0」であるか否かを判断
する。この電圧低下フラグXBATOFFは、バッテリ
29の電圧低下を指示するものであり、後述する「触媒
通電制御ルーチン」において設定される。ここで、電圧
低下フラグXBATOFFが「0」である場合には、バ
ッテリ29の電圧低下でないことから各電気ヒータ付触
媒19,20への通電を停止していないものとして、ス
テップ113へ移行する。そして、同ステップ113に
おいて、第2のVSV46をオンさせると共に、ステッ
プ114において第1のVSV45をオンさせ、その後
の処理を一旦終了する。このように、電動式エアポンプ
34がオンされると共に、第1及び第2のVSV45,
46がオンされることにより、第1及び第2の触媒コン
バータ12,13へ二次空気が供給される。
【0034】一方、ステップ112において、電圧低下
フラグXBATOFFが「0」でない場合には、バッテ
リ29の電圧が低下しているものとして、ステップ11
5へ移行する。そして、ステップ115において、ポン
プ作動時間CAPRが所定の遅延時間(「120秒」よ
り小さい)αよりも小さいか否かを判断する。そして、
ポンプ作動時間CAPRが遅延時間αよりも小さくない
場合には、既に遅延時間αを経過したものとしてステッ
プ113へ移行して第2のVSV46をオンさせると共
に、ステップ114において第1のVSV45をオンさ
せる。
【0035】又、ステップ115において、ポンプ作動
時間CAPRが遅延時間αよりも小さい場合には、未だ
遅延時間αを経過していないものとして、ステップ11
6へ移行する。そして、ステップ116において、第1
触媒通電フラグXEHC1及び第2触媒通電フラグXE
HC2が共に「0」であるか否かを判断する。これら両
フラグXEHC1,XEHC2は後述する「触媒通電制
御ルーチン」において設定されるものである。第1触媒
通電フラグXEHC1は第1の電気ヒータ付触媒19が
通電されていないときに「0」に設定され、同様に第2
触媒通電フラグXEHC2は第1の電気ヒータ付触媒1
9が通電されていないときに「0」に設定される。ここ
で、ステップ116において、第1及び第2の触媒通電
フラグXEHC1,XEHC2が共に「0」でない場合
には、第1の電気ヒータ付触媒19へのみ通電が行われ
ているものとして、ステップ114へ移行し、第1のV
SV45のみをオンさせる。これにより、第1の三元触
媒コンバータ12へのみ二次空気が供給される。一方、
ステップ116において、第1及び第2の触媒通電フラ
グXEHC1,XEHC2が共に「0」である場合に
は、第1及び第2の電気ヒータ付触媒19,20へ共に
通電が行われていないものとして、ステップ108へジ
ャンプし、ステップ108,ステップ109及びステッ
プ110の処理を実行した後、処理を一旦終了する。つ
まり、第1及び第2の三元触媒コンバータ12,13に
対する二次空気の供給を共に停止させるのである。
【0036】以上のように処理が実行され、第1及び第
2の三元触媒コンバータ12,13、延いては第1及び
第2の電気ヒータ付触媒19,20に対する二次空気の
供給が制御される。
【0037】図6はECU81により実行される「触媒
通電制御ルーチン」を示し、上記と同様にスタータ信号
STSが「オフ」から「オン」へ切り換わるタイミング
で開始される。
【0038】このルーチンの処理が開始されると、先ず
ステップ201におてい、電圧センサ63、第1の触媒
温センサ64及び第2の触媒温センサ65の検出信号に
基づき、バッテリ電圧Vb、各触媒温度THC1,TH
C2をそれぞれ読み込む。又、前述した始動モードフラ
グXSTEFI及び二次空気供給フラグXAIpreを
それぞれ読み込む。
【0039】次に、ステップ202において、始動モー
ドフラグXSTEFIが「0」であるか否かを判断す
る。ここで、始動モードフラグXSTEFIが「0」で
ない場合には、始動モードを抜けていないものとして、
ステップ210へ移行する。又、始動モードフラグXS
TEFIが「0」である場合には、始動モードを抜けた
ものとして、ステップ203へ移行する。
【0040】ステップ203においては、二次空気供給
フラグXAIpreが「1」であるか否かを判断する。
そして、二次空気供給フラグXAIpreが「1」でな
い場合には、二次空気供給のための前提条件が成立して
いないものとして、ステップ210へ移行する。一方、
同フラグXAIpreが「1」である場合には、二次空
気供給のための前提条件が成立しているものとして、ス
テップ204へ移行する。
【0041】ステップ204においては、バッテリ電圧
Vbが基準となる「10.5V」よりも大きいか否かを
判断する。そして、バッテリ電圧Vbが「10.5V」
よりも大きくない場合には、バッテリ29の電圧が低下
したものとして、ステップ205において、電圧低下フ
ラグXBATOFFを「1」に設定する。又、ステップ
206において、第2触媒通電フラグXEHC2が
「1」であるか否かを判断する。そして、第2触媒通電
フラグXEHC2が「1」でない場合には、バッテリ2
9から第2の電気ヒータ付触媒20への通電が行われて
いないものとして、ステップ210へ移行する。一方、
第2触媒通電フラグXEHC2が「1」である場合に
は、バッテリ29から第2の電気ヒータ付触媒20への
通電が行われているものとして、ステップ213へ移行
する。そして、ステップ213においては、第2のリレ
ースイッチ33をオフさせて第2の電気ヒータ付触媒2
0への通電を停止させることにより、第2の電気ヒータ
付触媒20をオフさせる。これと共に、第2触媒通電フ
ラグXEHC2を「0」に設定した後、処理を一旦終了
する。これにより、エンジン本体1からの排気ガスの温
度が相対的に高くなる右バンク3の排気系に対応する第
2の電気ヒータ付触媒20の加熱・暖機のみが停止され
る。
【0042】これに対し、ステップ204において、バ
ッテリ電圧Vbが「10.5V」よりも大きい場合に
は、バッテリ29の電圧が充分であるものとして、ステ
ップ207へ移し、第1触媒通電フラグXEHC1及び
第2触媒通電フラグXEHC2が共に「0」であるか否
かを判断する。ここで、両触媒通電フラグXEHC1,
XEHC2が共に「0」でない場合には、第1の電気ヒ
ータ付触媒19への通電のみが行われているものとし
て、ステップ209へ移行する。又、両触媒通電フラグ
XEHC1,XEHC2が共に「0」である場合には、
両電気ヒータ付触媒19,20への通電が共に行われて
いないものとして、ステップ208へ移行する。そし
て、ステップ208において、各電気ヒータ付触媒1
9,20へ通電すべき目標通電時間Tonbを補正演算
する。この目標通電時間Tonbは、その時々の各触媒
温度THC1,THC2に応じて補正演算されるもので
ある。
【0043】そして、ステップ207又はステップ20
8から移行してステップ209においては、実際の通電
時間(実通電時間)Cehconがステップ208で求
められた目標通電時間Tonbを上回っているか否を判
断する。そして、実通電時間Cehconが目標通電時
間Tonbを上回っていない場合には、ステップ214
へ移行し、実通電時間Cehconが目標通電時間To
nbを上回っている場合には、ステップ210へ移行す
る。
【0044】ステップ202、ステップ203、ステッ
プ206又はステップ209から移行してステップ21
0においては、第1のリレースイッチ32をオフさせて
バッテリ29から第1の電気ヒータ付触媒19への通電
を停止(オフ)させる。それと共に、第1触媒通電フラ
グXEHC1を「0」に設定する。これにより、エンジ
ン本体1からの排気ガスの温度が相対的に低くなる左バ
ンク2に対応する第1の電気ヒータ付触媒19の加熱・
暖機が停止される。
【0045】続いて、ステップ211において、電圧低
下フラグXBATOFFが「0」であるか否かを判断す
る。ここで、電圧低下フラグXBATOFFが「0」で
ない場合には、バッテリ29の電圧が低下したものとし
て、ステップ213へ移行する。一方、電圧低下フラグ
XBATOFFが「0」である場合には、バッテリ29
の電圧が低下していないものとして、ステップ212に
おいて、実通電時間Cehconのカウント値をクリア
する。
【0046】そして、ステップ211又はステップ21
2から移行してステップ213においては、第2のリレ
ースイッチ33をオフさせてバッテリ29から第2の電
気ヒータ付触媒20への通電を停止(オフ)させる。そ
れと同時に、第2触媒通電フラグXEHC2を「0」に
設定した後、処理を一旦終了する。これにより、エンジ
ン本体1からの排気ガスの温度が相対的に高くなる右バ
ンク3に対応する第2の電気ヒータ付触媒20の加熱・
暖機が停止される。
【0047】一方、ステップ209から移行してステッ
プ214においては、電圧低下フラグXBATOFFが
「0」であるか否かを判断する。ここで、電圧低下フラ
グXBATOFFが「0」である場合には、バッテリ2
9の電圧が低下していないものとして、ステップ215
において、第2のリレースイッチ33をオンさせてバッ
テリ29から第2の電気ヒータ付触媒20への通電を行
わせる(オン)。それと同時に、第2触媒通電フラグX
EHC2を「1」に設定する。又、216において、第
1のリレースイッチ32をオンさせてバッテリ29から
第1の電気ヒータ付触媒19へ通電を行わせる(オン。
それと同時に、第1触媒通電フラグXEHC1を「1」
に設定する。その後、ステップ217において、実通電
時間Cehconのカウント値を加算した後、処理を一
旦終了する。つまり、バッテリ29の電圧が低下してい
ない場合には、必要に応じて第1及び第2の電気ヒータ
付触媒19,20を共に通電させるのである。
【0048】それに対し、ステップ214において、電
圧低下フラグXBATOFFが「0」でない場合には、
バッテリ29の電圧が低下しているものとして、ステッ
プ216へ移行する。そして、ステップ216におい
て、第1のリレースイッチ32をオンさせてバッテリ2
9から第1の電気ヒータ付触媒19へ通電を行わせる
(オン)。それと同時に、第1触媒通電フラグXEHC
1を「1」に設定する。その後、ステップ217におい
て、実通電時間Cehconのカウント値を加算した
後、処理を一旦終了する。つまり、バッテリ29の電圧
が低下している場合には、必要に応じて、エンジン本体
1からの排気ガスの温度が相対的に低くなる左バンク2
に対応した第1の電気ヒータ付触媒19のみを通電させ
て、加熱・暖機させるのである。
【0049】上記のようにして、始動時における二次空
気供給制御に対応した触媒通電制御が実行され、第1及
び第2の電気ヒータ付触媒19,20のオン・オフ、つ
まりは第1及び第2の電気ヒータ付触媒19,20に対
するバッテリ29からの通電が制御される。
【0050】以上説明したように、この実施例では、V
型エンジンの左バンク2に対応する排気系に第1の電気
ヒータ付触媒19が配置され、右バンク3に対応する排
気系に第2の電気ヒータ付触媒20が配置されている。
又、それら各電気ヒータ付触媒19,20がバッテリ2
9に対して電気的に並列に接続され、第1及び第2のリ
レースイッチ32,33を選択的にオン・オフさせるこ
とにより、各電気ヒータ付触媒19,20が選択的に通
電されて加熱・暖機される。そして、バッテリ29の電
圧が必要以上に低下していない場合には、第1及び第2
の電気ヒータ付触媒19,20への通電が共に許容さ
れ、それら各触媒19,20が加熱・暖機されて活性化
が促進される。このとき、エンジン本体1から排出され
る排気ガスは、活性化された各電気ヒータ付触媒19,
20にそれぞれ導入されて浄化される。
【0051】一方、バッテリ29の電圧が低下している
場合には、各電気ヒータ付触媒19,20のうち、第2
の電気ヒータ付触媒20への通電が遮断され、第1の電
気ヒータ付触媒19のみへの通電が許容される。即ち、
エンジン本体1から導入される排気ガスの温度が相対的
に高くなる第2の電気ヒータ付触媒20への通電が遮断
され、残りの第1の電気ヒータ付触媒19への通電のみ
が許容される。
【0052】従って、通電の遮断された第2の電気ヒー
タ付触媒20では、導入される排気熱によって暖機が促
進され、通電の許容された第1の電気ヒータ付触媒19
では、電圧の低下したバッテリ29の少ない電力が有効
に使用されて加熱・暖機が促進される。これにより、二
つの電気ヒータ付触媒19,20の加熱・暖機が共に促
進され、それらの間の温度差が小さくなる。又、二つの
電気ヒータ付触媒19,20が同時にバッテリ29によ
り通電されることがないことから、バッテリ29に大き
な負荷がかかることはない。
【0053】その結果、バッテリ29の電圧が低下して
いる場合でも、二つの電気ヒータ付触媒19,20に対
する通電を制御することにより、バッテリ29に対する
負荷を軽減させながら各電気ヒータ付触媒19,20を
有効に使用して排気エミッションを低減させることがで
きる。特に、冷間始動時には、早期排気ガス浄化の要求
に応じ、かつ、バッテリ29の電圧低下にかかわらず各
電気ヒータ付触媒19,20を駆使して排気エミッショ
ンを低減させることができる。又、二つの電気ヒータ付
触媒19,20の間の温度差が小さくなることから、両
電気ヒータ付触媒19,20をほぼ均一に加熱・暖機さ
せることができる。
【0054】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、V型エンジンの左右各バンク
2,3の排気系に対応して並列に配置された第1及び第
2の三元触媒コンバータ12,13の中に第1及び第2
の電気ヒータ付触媒19,20をそれぞれ配置した場合
に具体化した。これに対し、図7に示すように、直列型
エンジン51の排気系52に直列に配置された第1の三
元触媒コンバータ53及び第2の三元触媒コンバータ5
4の中に、第1の電気ヒータ付触媒55及び第2の電気
ヒータ付触媒56をそれぞれ配置した場合に具体化して
もよい。この別の実施例の場合にも、上流側の第1の電
気ヒータ付触媒55と下流側の第2の電気ヒータ付触媒
56とをほぼ均一に加熱・暖機させることができる。そ
のため、下流側の第2の電気ヒータ付触媒56が暖機不
足となり、同触媒56に導入される排気ガスが冷却され
て凝縮水を発生させることがなくなる。その結果、凝縮
水に起因して第2の電気ヒータ付触媒56が劣化するこ
とを防止することができる。
【0055】(2)前記実施例では、縦置きタイプのV
型エンジンの左右各バンク2,3の排気系に対応して並
列に配置された第1及び第2の三元触媒コンバータ1
2,13の中に、第1及び第2の電気ヒータ付触媒1
9,20をそれぞれ配置した場合に具体化した。
【0056】これに対し、横置きタイプのV型エンジン
の左右各バンクの排気系に対応して並列に配置された二
つの三元触媒コンバータの中に、電気ヒータ付触媒をそ
れぞれ配置した場合に具体化してもよい。この場合、エ
ンジンを挟んで車両前方側に位置する三元触媒コンバー
タの方が車両走行風によって冷やされやすい。従って、
バッテリの電圧が低下したときには、その前方側の三元
触媒コンバータに対応する電気ヒータ付触媒への通電の
みを許容することになる。
【0057】(3)前記実施例では、第1及び第2の電
気ヒータ付触媒19,20の構成を互いに同じにした
が、各電気ヒータ付触媒の構成を異なったものにしても
よい。例えば、各電気ヒータ付触媒の体積ボリュウムを
互いに異ならせたり、各電気ヒータ付触媒の電気抵抗を
互いに異ならせたりしてもよい。
【0058】(4)前記実施例では、各電気ヒータ付触
媒19,20の構成を、メタル触媒を構成するハニカム
コアの中心に中心電極23を配置してその中心電極23
とリム24との間で通電するものとしたが、電気ヒータ
付触媒の構成はこれに限られるものではなく、触媒自体
を通電によって加熱できるものであればよい。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、バッテリの電圧低下時と判断したときに、排気系に
配置されてバッテリに電気的に並列に接続された複数の
通電加熱式触媒のうち、導入される排気ガスの温度が相
対的に高くなる方の通電加熱式触媒への通電を遮断し、
残りの通電加熱式触媒への通電のみを許容するようにし
ている。従って、通電の遮断された通電加熱式触媒で
は、導入される排気熱によって暖機が促進され、通電の
許容された通電加熱式触媒では、電圧の低下したバッテ
リの少ない電力が有効に使用されて加熱暖機が促進さ
れ、バッテリに大きな負荷がかかることはない。そのた
め、バッテリの電圧が低下した場合でも、バッテリに対
する負荷を軽減させながら各通電加熱式触媒を有効に使
用して排気エミッションを低減させることができるとい
う優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した一実施例におけるガソリ
ンエンジンシステムを示す概略構成図である。
【図2】一実施例において、V型エンジンの左右各バン
クに対応して排気系に並列に配置された第1及び第2の
三元触媒コンバータを示す平面図である。
【図3】一実施例において、各三元触媒コンバータの構
造を示す断面図である。
【図4】一実施例においてECU等の構成を示すブロッ
ク図である。
【図5】一実施例において、ECUにより実行される
「二次空気供給制御ルーチン」を示すフローチャートで
ある。
【図6】一実施例において、ECUにより実行される
「触媒通電制御ルーチン」を示すフローチャートであ
る。
【図7】この発明を具体化した別の実施例において、直
列型エンジンの排気系に直列に配置された第1及び第2
の三元触媒コンバータ等を示す平面図である。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン本体、5L,5R…排気
マニホルド、14,15…排気管、19,55…第1の
電気ヒータ付触媒、20,56…第2の電気ヒータ付触
媒(19,20は複数の通電加熱式触媒を構成してい
る)、29…バッテリ、63…電圧検出手段としての電
圧センサ、81…通電制御手段としてのECU。
フロントページの続き (72)発明者 日比野 雅彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気系に配置され、バッテリ
    に対して電気的に並列に接続されて通電により加熱可能
    な複数の通電加熱式触媒と、 前記バッテリの電圧状態を検出するための電圧検出手段
    と、 前記電圧検出手段の検出結果に基づき前記バッテリの電
    圧低下時と判断したときに、前記複数の通電加熱式触媒
    のうち、導入される排気ガスの温度が相対的に高くなる
    方の通電加熱式触媒への通電を遮断し、残りの通電加熱
    式触媒への通電のみを許容する通電制御手段とを備えた
    ことを特徴とする通電加熱式触媒の通電制御装置。
JP27902092A 1992-10-16 1992-10-16 通電加熱式触媒の通電制御装置 Pending JPH06129242A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021234758A1 (ja) 2020-05-18 2021-11-25 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御方法及びハイブリッド車両の制御装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021234758A1 (ja) 2020-05-18 2021-11-25 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御方法及びハイブリッド車両の制御装置

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