JPH06129194A - 仮設支保工 - Google Patents

仮設支保工

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Publication number
JPH06129194A
JPH06129194A JP4300411A JP30041192A JPH06129194A JP H06129194 A JPH06129194 A JP H06129194A JP 4300411 A JP4300411 A JP 4300411A JP 30041192 A JP30041192 A JP 30041192A JP H06129194 A JPH06129194 A JP H06129194A
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JP
Japan
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lining
frame
tunnel
face
gable
Prior art date
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Application number
JP4300411A
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English (en)
Inventor
Osamu Sakairi
修 酒入
Masataka Uozumi
雅孝 魚住
Sakae Nakai
栄 中井
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Mitsui Construction Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Construction Co Ltd
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Publication date
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  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】掘削及び覆工作業の安全性向上と同時に施工の
効率化を図る。 【構成】その坑口側端部に外周妻止材25、妻面板28
が設けられたフレーム19を切羽面前において展開させ
て、伸縮支持脚22を介してフレーム19を上昇させる
ことによりその外殻20で坑壁支保させて、不安定な地
山を抑える。仮受支保装置5Bの坑口側にセントル5A
を、該セントル5Aの妻押板16と妻面板28を対向接
続する形で配置させると、外周妻止材25、妻面板28
が妻止めになる形で覆工空間15が遮蔽形成されて、こ
こに直ちに覆工コンクリートを打設することが簡単に出
来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に崩壊性の岩質地山
にトンネルを構築する際に用いるに好適な仮設支保工に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、山岳トンネルを構築する際には、
掘削の進行によって空洞部分となったトンネル空間に向
けて土圧開放せんとする形で地山に緩みが生じようとす
る。そこで、こういった地山の緩みを抑える為に、トン
ネル空間を掘削形成してから直ちに、切羽の進行に後続
させる形で坑壁に吹き付けを施したり、或いはロックボ
ルトや支保工、金網等を打設する等して、所謂一次覆工
を施しておき、その後、該一次覆工の後方の切羽から離
隔した位置において二次覆工コンクリートを打設する方
法が用いられている。ところで最近、移動覆工型枠を用
いて、これを切羽に極力近接させる形で配置させ、トン
ネル空間が掘削形成された後、地山に緩みが生じる以前
に、即ち1掘削ピッチ毎に1スパンずつの覆工コンクリ
ートの打設を、当該切羽に極力近接した位置まで施すこ
とにより、一次覆工の施工手間を簡略化したトンネル構
築方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こういった移
動覆工型枠は、これを切羽に近接させると、覆工コンク
リートを打設する作業に必要とされるコンクリート供給
管、及びこれを覆工型枠に接続したり、監視したりする
作業者等がその分切羽に近接した状態で、覆工作業が行
われることになる。ところで、トンネル空間の切羽前に
は、前回の掘削作業時に生じた掘削ズリが、搬出しきれ
ずに若干づつインバート上に堆積した状態になるところ
から、こういった覆工作業を行うには、その足場環境が
劣悪である。また、切羽はこれが掘削される為に常にト
ンネル空間に向けて開放された形になっているところか
ら切羽鏡面の崩落、或いは出水等の危険性もある。従っ
て、移動覆工型枠を切羽に近接させると、覆工作業時に
おける安全性の確保が難しくなる、という不都合があっ
た。また、このような移動覆工型枠を用いる方法は、少
なくとも、切羽周囲の坑壁が、覆工コンクリート打設以
前に型枠外側の覆工を打設すべき空間部分に崩れてきて
しまうことがないような自立性を有する硬岩質地山にし
か適用することが出来ない、という難点がある。従っ
て、崩壊性岩質の緩い地山においても、当該切羽周囲の
崩壊し易い坑壁をなんらかの仮支保手段で抑えておい
て、このような移動覆工型枠を用いることが出来ないも
のか、という要求がある。そこで本発明は、上記事情に
鑑み、崩壊性岩質の緩い地山においても切羽周囲の坑壁
崩壊を簡単且つ確実に抑えることが出来、また、移動覆
工型枠を用いてトンネル覆工を構築する際における作業
の安全性向上を図った、仮設支保工を提供するものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、トンネル
内周面に沿う形で坑壁支保面(20)が形成された地盤
支持フレーム(19)を有し、前記地盤支持フレーム
(19)の坑口側端部に妻止め手段(25)、(28)
を、トンネル内周面に沿って設け、また、該地盤支持フ
レーム(19)に脚部(22)を、該地盤支持フレーム
(19)を上下方向に移動自在な形で設け、前記地盤支
持フレーム(19)はトンネル断面(3)内で展開折り
畳み自在に設けて、構成される。なお、( )内の番号
等は、図面における対応する要素を示す、便宜的なもの
であり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束され
るものではない。以下の作用の欄についても同様であ
る。
【0005】
【作用】上記した構成により、本発明は、地盤支持フレ
ーム(19)が脚部(22)を介して上昇移動すること
により、その坑壁支保面(20)で坑壁を支える一方
で、その妻止め手段(25)、(28)がトンネル覆工
(32)の前端(32a)に対応した形の妻止めを形成
するように作用する。
【0006】
【実施例】図1は本発明による仮支保工の一実施例を用
いて構築中のトンネルの一例を示す側面図、図2は図1
のII矢視図、図3は図1のIII、III矢視図、図4は図1
に示す仮支保工の建て込み状況を示す図、図5は図4の
V矢視図、図6は図1に示すトンネルに用いられるセン
トルの一例を示す図、図7は本発明による仮支保工と図
6に示すセントルとの接続状態の一例を示す図、図8乃
至図10は図1に示すトンネルを施工する工程を示す一
連の図、図11は本発明による仮支保工の別の実施例を
示す図、図12は本発明による仮支保工のさらに別の実
施例を示す図である。
【0007】構築中のトンネル1は、図1に示すよう
に、硬岩等からなる地盤2中に、その横断面形状が略半
円形をなす形で図1矢印B方向側から矢印A方向側に向
かって掘削形成された坑道3を有しており、坑道3の先
頭部分である図1左端部には、移動覆工型枠であるセン
トル5Aと、本発明による仮支保工であり、該セントル
5Aの図1矢印A方向側にこれを先行する形で配置する
(即ち切羽2aに後続する形で配置する)仮受支保装置
5Bが、それぞれ坑道3のインバート2b上に仮支持さ
れる形で配設されている。これ等セントル5Aと仮受支
保装置5Bは、それぞれが移動自在な形で両者5A、5
Bが接続分離自在になっており、仮受支保装置5Bの前
方側である図1矢印A方向側には、切羽2aが配置して
いる。
【0008】セントル5Aには、図6に示すように、ク
ローラ6aを介して坑道3中を走行移動自在な移動車両
6が、該セントル5A全体を移動させ得る形で設けられ
ており、移動車両6の図6左側に示す前側には、リンク
7a、7a及び油圧シリンダ7b等により構成される昇
降装置7が、該リンク7a及び油圧シリンダ7bの図6
右端に示す基端側を移動車両6の車体部分に枢着支持さ
れた形で設けられている。リンク7a、7aの先端側で
ある図6左端側には、昇降足場9が、昇降装置7のリン
ク機構を介して上下方向に移動駆動自在な形で、枢着支
持されており、昇降足場9の図6左部上側にはステップ
91が、坑道方向である矢印A、B方向に突出後退駆動
自在に設けられている。ステップ91には型枠支持フレ
ーム10が、該ステップ91上に図6左右に立設された
油圧シリンダ10a、10aを介して昇降自在な形で搭
載支持されており、型枠支持フレーム10には、その全
体形状が坑道3の横断面形状に相似に形成された内型枠
11のフレーム12が搭載支持されている。
【0009】即ち、内型枠11は、覆工型枠体であるフ
レーム12を有しており、フレーム12は、その全体形
状が略半円環形をなすように、鋼板部材と該鋼板部材の
組付け接合部材を組立てられて、該フレーム12の外周
面を構成している後述する型枠板13を介して、トンネ
ル1の覆工32の内周に対応した形になっている。フレ
ーム12には、トンネル内周方向に沿って該フレーム1
2の途中に配置する形で何箇所かの関節が設けられてお
り、フレーム12は、その何箇所かの関節を介して分割
されている形の、複数のフレーム片により構成されてい
る。フレーム12は、昇降足場9等に支持されて図示さ
れないサポートジャッキ、油圧シリンダ等を介して、該
何箇所かの関節を境にして、後述する仮受支保装置5B
の外殻20等と同様に、坑道3内に折曲げ自在に構成さ
れており、そして、フレーム12には、構築すべきトン
ネル覆工32の内周面を成型し得る形で平滑な円弧状に
形成された型枠板13が、該フレーム12を構成してい
る複数のフレーム片の各々の図6上側に示す地盤2側に
その外面をなす形で、即ちフレーム12と共に折曲げ自
在な形で設けられている。
【0010】フレーム12の型枠板13と地盤2との間
には、後に覆工コンクリートが打設される覆工空間15
が、トンネル内周形状に沿った略半円環状に形成されて
おり、覆工空間15の図6右側に示す後方側には、1巻
きの幅がL1をなす覆工32が、該覆工空間15に既に
コンクリートが打設覆工された形で長胴状に構築配置さ
れている。フレーム12と既に構築済の覆工32との間
には、図6紙面と直角方向に半円環状に形成されたクッ
ションゴムシール29が、該フレーム12の図6右端に
示す後端部外側(図6上側)に装着されてここをシール
し得る形で設けられており、クッションゴムシール29
は、フレーム12と覆工32との間に挾まれることによ
りトンネル断面の放射方向である矢印C、D方向に押圧
された形で、該フレーム12と覆工32とを密に接続し
ている。
【0011】また、フレーム12の前端部である矢印A
方向側端部には、図9に示すように、トンネル内周に沿
って半円周状に形成された妻押板16が、該フレーム1
2の型枠板13より放射方向外側である矢印D方向側に
突出する形で、覆工32を打設成型する際の妻部を構成
し得る形に装着されており、妻押板16は、トンネル内
周面に沿った帯状に形成されたバネ板鋼等により構成さ
れて、略前方側即ち、該妻押板16の板面方向と交差す
る方向である図7矢印G方向への力を常時付勢された形
になっている。さらに、フレーム12の下部には、該フ
レーム12の脚部を構成している支持ジャッキ17が、
図6においては上下方向に突出後退駆動することにより
伸縮自在な形で、図6左右に示す前後に並んで設けられ
ており、支持ジャッキ17は、図6紙面と交差する方向
にも並ぶ形で、坑道3の横断面においてその両側壁近傍
に配置してインバート2b上に仮支持されている。
【0012】一方、前記仮受支保装置5Bは、図1に示
すように、地盤支持フレームであるフレーム19を有し
ており、フレーム19は、鋼製部材を組み合わせて、そ
の全体が坑道3の横断面形状と相似をなす形に形成され
ている。フレーム19の外周部には坑壁支持面である外
殻20が、トンネル内周に沿って略半円環形に形成され
た形で設けられており、また、フレーム19の内側に
は、半円柱形をなす形の空間が、坑道3の横断面形状に
沿った形で形成されている。外殻20には、図2に示す
ように、2か所の関節、即ちジョイント部20aが設け
られており、外殻20は、図2に示すように、ジョイン
ト部20aを介して接続されたそれぞれが坑道3の周面
に沿って円弧状に反る形の板状部材である3ヶの外殻片
20b、20b、20bにより構成されている。従っ
て、フレーム19は、図2一点鎖線で示すように図2左
右両側の外殻片20b、20bが坑道3内に折曲がり得
るように構成された板状をなす外殻20部分と、各々の
外殻片20bに溶接等により組付け装着された形の形鋼
等からなる支保材201により、切羽2a近傍の地盤2
の土圧を支持し得る強度をなす形に補強されている。
【0013】また、外殻20の上部を構成している図2
真中の外殻片20bには、図1に示すように、鋼板部材
を坑道3の周面に沿って円弧状に反らせてなるフード2
3が、該外殻片20bの前側である図1左側に溶接等に
より固定装着されており、従って仮受支保装置5Bのフ
レーム19は、外殻20の前端部(矢印A方向側端部)
がフード23の長さL3分だけ切羽2aに向けて突出し
た形に構成されている。また、フレーム19の下部に
は、図1に示すように、ジャーナルジャッキ等からなる
伸縮支持脚22が、図1においては上下方向に突出後退
駆動することにより伸縮して、該フレーム19全体を上
下方向に移動自在な形で、図1左右に示す前後に並んで
設けられており、伸縮支持脚22は、図1紙面と交差方
向にも並ぶ形で(即ち4ヶの支持脚22がある)、坑道
3の横断面においてその両側壁近傍に配置してインバー
ト2b上に仮支持されている。従って、仮受支保装置5
Bのフレーム19は、図2に示すように、その外殻20
の図2左右の外殻片20b、20bの下部を、角材、鋼
材、その他の治具からなる展開手段21を介して、図2
略左右方向に押し出すことにより展開されて、この状態
で、伸縮支持脚22をインバート2bに突接させること
により、該フレーム19の全体断面が拡張して、切羽2
a面前において、その外殻20の外側が坑道3を構成し
ている地盤2の坑壁に接続される形になるよう構成され
ている。
【0014】また、フレーム19の坑口側端部である外
殻20の後端部外側(図1矢印B方向側端部上側)に
は、後述する妻面板28と共にフレーム19の妻止め手
段を構成している外周妻止材25が、図1紙面と交差す
る方向であるトンネル内周に沿って設けられており、外
周妻止材25は、独立発泡性スポンジ等からなるシール
材25aを、図1左右に示す前後に2列をなす形に並べ
て、各外殻片20bの後端部外面側からその放射方向外
側である図中矢印D方向に向けて突出した形でここに装
着されて構成されている。外周妻止材25は、フレーム
19が前述したように展開手段21、伸縮支持脚22を
介して拡張することにより、地盤2が形成している坑壁
と外殻20との間において矢印C、D方向に押圧され
て、両者2、20間の間隙を図3に示すように略半円環
形をなす形でシールし得るように構成されている。
【0015】さらに、仮受支保装置5Bには、図7に示
すように、そのフレーム19の矢印B方向側端である後
端に、形鋼等からなる妻受工27が、坑道3の坑壁に沿
って半円環状をなす形で外殻20の内周面に溶接等によ
り固定装着されており、妻受工27の図7矢印B方向側
に示す後側には、前記セントル5Aの妻押板16と対向
した位置に、覆工32を打設構築する際の妻止めを前記
外周妻止材25と共に構成している鋼製の妻面板28
が、フレーム19の坑口側端部においてトンネル内周方
向に沿った形で帯状に形成されて、その図7上部に示す
外周に近い側が、フレーム19に固定接続された形で設
けられている。妻受工27と妻面板28との間には、ト
ンネル内周方向に沿った形のエアチューブ30が、該チ
ューブ30に接続されるエアコンプレッサ等を介して膨
張収縮自在な形で設けられており、また、妻面板28の
矢印B方向側に示す後面側には、スポンジ、ウレタン等
からなるシール31が、該妻面板28の後側全面に貼設
されている。妻面板28は、エアチューブ30を膨張さ
せることにより、後側である矢印B方向側に押出され得
るようになっている。従って、仮受支保装置5Bの妻面
板28は、エアチューブ30を介して矢印B方向側に押
し出されることにより、セントル5Aの略前方側である
図7矢印G方向側に付勢された形の妻押板16に押圧さ
れてこれと接続して、該仮受支保装置5Bの直後におい
てセントル5Aが形成する覆工空間15の妻止めを形成
するように構成されている。この際、該セントル5A側
の妻押板16と仮受支保装置5B側の妻面板28は、妻
押板16のバネ付勢力とエアチューブ30に供給される
空気圧を介してシール31が押し潰される形で、両者1
6、28が密に接続され得るようになっており、また、
前述した外周妻止材25の各シール材25aは地盤2の
坑壁に接続当接して、外殻20の外側と地盤2との間の
間隙をシールすることが出来るので、覆工空間15は該
空間15の外部に対して遮蔽された状態を呈するように
なっている。
【0016】構築中のトンネル1は以上のような構成を
有しているので、該トンネル1を構築するには、図1に
示すように、坑道3中に仮受支保装置5Bを、切羽2a
に後続させる形で配置させて、該仮受支保装置5Bを用
いて切羽2a近傍の地盤2の安定を図りつつ、該切羽2
aを矢印A方向に向けて前進させる形で坑道3の掘削作
業を行いながら、セントル5Aを用いて覆工空間15に
コンクリートを巻幅L1をなすように打設することによ
り、覆工32を1スパンづつ構築する形でこれをおこな
っていく。
【0017】坑道3を掘削形成するに際しては、まず、
セントル5Aは、昇降足場9を支持している移動車両6
をクローラ6aを介して坑道3中を矢印B方向へ移動す
る形で、切羽2a面前から退避させる。なお、セントル
5Aは、図1に示す状態から、フレーム5Aの脚部を構
成している支持ジャッキ17を後退駆動させることによ
り、これを収縮させると共に、内型枠11のフレーム1
2を、油圧シリンダ、サポートジャッキ等を介して、ト
ンネル内周方向に沿って該フレーム12の何箇所かに配
置する関節を境にして坑道3の内方に折り曲げた状態に
しておいて、油圧シリンダ10a、10aを駆動して、
型枠支持フレーム10を下降させる。すると、これによ
り、型枠支持フレーム10に支持されているセントル5
Aのフレーム12は、既に構築済の覆工32表面及びイ
ンバート2bと縁切りされて、移動車両6に支持された
形になるので、そこで、昇降装置7の油圧シリンダ7b
を駆動することにより昇降足場9を下降させてから、該
移動車両6を矢印B方向に向けて移動させれば、セント
ル5A全体を容易に、既に構築済みの坑道3中の任意の
位置に退避させることが出来る。
【0018】こうしておいて、次に図8に示すように、
レッグハンマー、オーガー、バックホー等の適宜な掘削
機37を、坑道3の先頭部分に配置させる。そして、掘
削機37を用いて地盤2を、覆工32の巻幅L1に対応
する形の1掘削ピッチ分づつ坑道3の横断面形状に沿っ
て略半円形に掘削して、切羽2aを矢印A方向に前進さ
せていく。この際、掘削機37の本体部分は、仮受支保
装置5Bのフレーム19の内方側空間か或いは既に構築
済みの覆工32の内部空間に配置されるので、掘削作業
並びに更にこれに後続する掘削ズリ搬出作業に関る高い
安全性が確保されている。こうして地盤2を掘削してそ
の分坑道3を形成することにより、切羽2aがその掘削
ピッチ分だけ矢印A方向に前進したなら、該前進した切
羽2aに後続させる形で、直ちに、図9に示すように、
仮受支保装置5Bを切羽2aの直前まで移動させる。
【0019】仮受支保装置5Bの移動に際し、フレーム
19は、伸縮支持脚22を収縮させた状態にして、図5
に示すように、例えば、該フレーム19の内周側後部の
図5左右に設けられたフック191、191にワイヤ3
9を懸架して、該ワイヤ39をチェーンブロック391
で牽引することにより、2ヶ所のジョイント部20a、
20aを介して図5左右両側の外殻片20b、20bを
坑道3の内方に折り曲げた状態にする。この状態にした
フレーム19を、図4に示すように、外殻20のアーチ
部をその内方側から支えるに適したローディング治具3
52を介して、ホイルローダ35のバケット351部分
上に搭載支持させる。そして、治具352上にフレーム
19を搭載支持したホイルローダ35を走行させること
により、仮受支保装置5Bを坑道3中の適宜な待機位置
から搬送してきて、これにより該仮受支保装置5Bを切
羽2aの面前に配置させたところで、ワイヤ39をフッ
ク191、191から外し、展開手段21を介して図5
左右の外殻片20b、20bを坑道3の側壁に向けて外
側に押し出す形でフレーム19を展開する。さらにこの
状態で、伸縮支持脚22を伸長させて、フレーム19全
体を上昇させる。すると、仮受支保装置5Bのフレーム
19は、伸縮支持脚22を構成しているジャーナルジャ
ッキ等によりその放射方向外側(矢印D方向側)に向け
て展開押圧される形で拡張し、これにより、該仮受支保
装置5Bのフレーム19は坑道3の先頭位置である切羽
2aの直前において、只今掘削された坑道3の坑壁及び
インバート部分に坑壁支保面である外殻20が接続支持
された形で、掘削空間である坑道3が支保される。即
ち、仮受支保装置5Bの放射方向外側に配置している地
盤2の土圧は、伸縮支持脚22を介してその放射方向外
側に向けて展開押圧する形の拡張力を付勢されたフレー
ム19の外殻20により支持された形になり、これによ
り、坑道3先頭部分の断面安定性が確保される。なお、
仮受支保装置5Bのフレーム19が配置される切羽2a
直前の坑道3先頭位置は、特にその切羽2a側アーチ上
部が崩れて所謂肌落ちを生じることが儘有るが、該外殻
20の上部を構成しているうちの図2真中の外殻片20
bには、その前側に長さL3だけ突出する形でフード2
3が固定装着されているところから、該フード23が地
盤2の崩落を好適に予防して、切羽2a直前の不安定な
地盤2が確実に支保される。
【0020】こうして、新たに前進した切羽2aに後続
させる形で、仮受支保装置5Bを該切羽2aの直前まで
移動させると、そのフレーム19の後端である矢印B方
向側端と既に打設構築された覆工32の前端32aとの
間には、図9に示すように、覆工32の1巻き分の幅L
1に対応した1掘削ピッチ分の支保されていない空間3
Pが形成される。そこで、切羽2a及び仮受支保装置5
Bの前進により形成された空間3Pには、直ちに図10
に示すように、セントル5Aを移動配置させる。これに
は、坑道3の内方にフレーム12を折り曲げると共にそ
の支持ジャッキ17を収縮させて、また、型枠支持フレ
ーム10及び昇降足場9を下降させた状態にした、セン
トル5Aを、これを支持している移動車両6を、適宜ク
ローラ6aを介して走行させる形で、先にこれが配置さ
れていた坑道3中の適宜な退避位置から切羽2a付近に
搬送してくる。そして、セントル5Aの移動車両6を、
既に構築済みの覆工32の矢印A方向側先頭位置近傍下
の坑道3中に配置させる。この状態で、昇降装置7の油
圧シリンダ7bを駆動して、昇降足場9を図6に示すよ
うに上昇させると共に、ステップ91を図6矢印A、B
方向に移動させることにより、内型枠11のフレーム1
2を、後に該セントル5Aの型枠板13により形成され
て覆工空間15となる部分、即ち未だ覆工32の構築さ
れていないアーチ部分の真下位置に整合配置させる。そ
して次に、油圧シリンダ10a、10aを駆動して型枠
支持フレーム10を上昇させると共に、フレーム12を
図示されない油圧シリンダ、サポートジャッキを介して
坑道3の外周形状に沿った円弧状に拡開させ、また、該
フレーム17の脚部を構成している支持ジャッキ17を
伸出させる。この際、フレーム12の後端部である図6
右端部に配置するクッションゴムシール29は、該フレ
ーム12と既に構築された覆工32の内周面とに挾まれ
ることにより図6矢印C、D方向で示すトンネル断面の
放射方向に押圧されて、これによりフレーム12の矢印
B方向端に示す後側がクッションゴムシール29にシー
ルされた形で、該フレーム12の後端部と構築済みの覆
工32とが接続される。すると、フレーム12の外周面
を構成している部材である型枠板13は、その後端側で
ある矢印B方向側端部を既に打設構築された覆工32の
前端32aと接続されると共に未だ覆工32の構築され
ていない坑道3の地山部分の周面形状に沿った形で、図
9に示すように先に配置された仮受支保装置5Bのフレ
ーム19と覆工前端32aとの間に位置決めされる。こ
れにより、フレーム12が構成しているセントル5Aの
内型枠11は、覆工32を延長構築するためのコンクリ
ートが打設され得る状態に準備される。
【0021】ところで、こうして、切羽2aの直前に配
置された仮受支保装置5Bと既に構築済みの覆工32の
前端32aとの間に、図6に示すようにセントル5Aを
移動配置させて、内型枠11の準備をする際に、トンネ
ル内周方向に沿った形で帯状に形成されて、その外周側
がフレーム19後端部(矢印B方向側端部)に固定接続
された形の、仮受支保装置5Bの妻面板28と、該妻面
板28と同様に帯状に形成されたバネ板鋼等からなり、
その板面方向と交差する方向である図7矢印G方向に常
時付勢された形でフレーム12の前端部(矢印A方向側
端部)に装着された、セントル5Aの妻押板16は、図
7に示すように、前後方向である矢印A、B方向に対向
する形で配置される。そこで、仮受支保装置5Bの妻受
工27と妻面板28との間に設けられたエアチューブ3
0にエアコンプレッサ等により圧縮空気を供給する形で
これを膨張させて、これにより該妻面板28をトンネル
坑口側である矢印B方向側に押出す。すると、矢印B方
向側に押し出された妻面板28は、矢印G方向側に付勢
された形の妻押板16に押圧されて、該妻押板16と妻
面板28は相互に押し合う形になり、これにより、該妻
押板16と妻面板28の間に配置する形で妻面板28の
後面に貼設されたスポンジ、ウレタン等からなるシール
31が押し潰されてシール能を発現する形で、両者1
6、28は密に接続して、ここに覆工空間15の妻止め
が、覆工32の前端32aと対応した形でこれと相似形
状即ち半円環形に形成される。
【0022】この際、既に仮受支保装置5Bの外殻20
の後端部に設けられた外周妻止材25は、前述したよう
にフレーム19が、伸縮支持脚22を介してその放射方
向外側に向けて展開押圧する形の拡張力を付勢されたこ
とにより、その各々のシール材25a外周側が地盤2の
坑壁凹凸に良く追従した形でトンネル放射方向である矢
印C、D方向に押圧された形になって、これにより坑道
3における外殻20の外周外側と地盤2が形成している
坑壁との間の間隙が前後方向(矢印A、B方向)にシー
ルされている。この状態で、仮受支保装置5Bの後端部
に、妻押板16に押圧された妻面板28を介して妻止め
が形成された状態になるところから、外周妻止材25及
び、該妻押板16に押圧された妻面板28が形成してい
る妻止めと、フレーム12の後端部においてこれを構築
済みの覆工32に接続しているクッションゴムシール2
9を介して、仮受支保装置5Bのフレーム19の直後に
は、既に構築された前記覆工32の前端部32aとの間
に、後に覆工32となるための未だコンクリート打設さ
れていない覆工空間15が、地盤2が形成している坑壁
とセントル5Aの型枠板13とにより挟まれた形で、ト
ンネル覆工形状に対応した半円環状に遮蔽形成される。
なお、仮受支保装置5Bの外殻20を含めたフレーム1
9が配置された、坑道3の先頭部分は、先に述べたよう
にここに配置する地盤2が非常に不安定な状態にある
が、本実施例においては外周妻止材25が、外殻20の
後端部に設けられているところから、こういった不安定
な地盤2からフレーム19の前後方向長さ分だけ離隔し
た位置において、該外殻20と地盤2において比較的荒
れの少ない坑壁の間をシールすることが出来るので、該
外周妻止材25を介して良好なシール性能が発現され得
る。(この際、切羽2aと外周妻止材25間に位置する
部分の坑壁は既に述べたようにフレーム19の外殻20
に支保されて安定維持されている。)また、外周妻止材
25は、セントル5Aの型枠板13等により形成される
覆工空間15に打設充填されるコンクリートが、該覆工
空間15より前側のその外へ漏出するのを防止する役目
を果たし得ると共に、切羽2aに湧水が生じている場合
には、該湧水が外殻20の外周と地盤2の坑壁間の空隙
を介して覆工空間15或いは坑道3内に漏水するのを防
ぐ役目をも果たし得る。
【0023】こうして、仮受支保装置5Bの後端部にお
いて覆工空間15を遮蔽形成すると、これと同時に、切
羽2aの面前、即ち矢印B方向側に位置する部分におい
て未だ覆工32が打設構築されていない未覆工の坑道3
は、該坑道3内の作業空間が仮受支保装置5Bのフレー
ム19及びセントル5Aのフレーム12により、図10
に示すように一次的に半円環状に被覆された状態にな
り、これにより、掘削されて後未だ未覆工で不安定状態
の地盤2が当該切羽2a面前の作業空間に崩落する危険
性は排斥されて、これに続く覆工空間15内へのコンク
リート打設作業さらにはその後の新たな掘削作業を安全
に進行させることが出来る。
【0024】そこで次に、図1一点鎖線で示すように、
該覆工空間15を坑道3内に連通させ得る形でセントル
5Aのフレーム12に設けられるコンクリート供給口1
21にポンピングチューブ38を接続して、図示されな
いコンクリートポンプから該ポンピングチューブ38
に、覆工32を形成するに適したコンクリートを供給
し、これをコンクリート供給口121を介して型枠板1
3の内側に吐出させる形で、後にその硬化により覆工3
2となるコンクリートを、所定のブロック毎に分けて或
いは覆工空間15に一度に、打設充填していく。する
と、覆工空間15は、図1に示すように、その前側に妻
押板16と妻面板28が形成している妻止めが、該妻止
めよりさらに前方側を外周妻止材25によってシールさ
れた形で、図3に示すように半円環状をなす形でトンネ
ル内周方向に沿って配置して、一方その後側はクッショ
ンゴムシール29を介してセントル5Aのフレーム12
と構築済みの覆工32が接続された形で同じくトンネル
内周方向に沿ってシールされているために、単にインバ
ート2bと型枠板13下端との間に形成され得る若干の
間隙を抑えるだけで、構築済の覆工32の前端32a
と、妻押板16と妻面板28の接続部との間を繋ぐ形で
形成される覆工空間15を密に遮蔽することが出来る。
従って、ポンピングチューブ38を介してコンクリート
供給口121から覆工空間15に供給されたコンクリー
トは、該覆工空間15の外側へ漏出することはなく、該
空間15の隅々までコンクリートが密実に充填されて、
その硬化に必要とされる所定の短時間が経過して後、こ
こに堅牢な覆工32が幅L1をなす形の半円環状に構築
形成される。
【0025】こうして、覆工空間15に打設された1巻
き分のコンクリートが、脱型可能なる硬化状態に到達し
たなら、先にエアチューブ30に供給された圧縮空気を
適宜開放抜去することにより、該チューブ30を収縮さ
せて、これにより、妻押板16と妻面板28の接続状態
を解除する。そして、セントル5Aのフレーム12を、
図示されない油圧シリンダ、サポートジャッキ等によ
り、その関節を介して坑道3内に折り曲げ、油圧シリン
ダ10a、10aを駆動して型枠支持フレーム10を下
降させる。すると、覆工空間15に打設されたコンクリ
ートから型枠板13が引き離される形で、内型枠11が
脱型される。次に、昇降装置7の油圧シリンダ7bを駆
動して、昇降足場9を下降させてから、移動車両6を坑
道3の矢印B方向に移動させて、セントル5A全体を切
羽3aの面前から撤去する。
【0026】こうして、覆工空間15にコンクリートを
打設充填して、覆工32を形成したところで、再び、図
8に示すように、切羽2aを前進させる形で掘削作業を
行い、該切羽2aの前進に伴なって図9に示すように、
仮受支保装置5Bのフレーム19を前進させ、該フレー
ム19の前進により既に構築された覆工32の前端32
aとの間に形成された空間3Pにセントル5Aのフレー
ム12を移動配置させて、該仮受支保装置5Bとセント
ル5Aを接続することにより、外周妻止材25、妻面板
28を介して、ここに覆工空間15を形成してコンクリ
ート打設する作業を、所定のサイクルで順次繰り返して
いく。こういった一連の作業を行うに際し、トンネル1
は、切羽2aの前進に後続して仮受支保装置5Bのフレ
ーム19が配置し、該フレーム19の後側に接続される
セントル5Aの内型枠11を介して覆工32が打設構築
されるところから、掘削により坑道3が空間部分となっ
た地盤2が開放されることが殆どなく、即ち地盤2に緩
みが生じることがないので、トンネル掘削及び構築に関
る作業全般の高い安全性が確保された状態下で、作業能
率良く施工が行われて、これにより工期の大幅な短縮化
が図られつつ堅牢なるトンネル1が構築される。
【0027】なお、仮受支保装置5Bは、その外殻20
に対応した外周面部分で坑壁を支保すると同時に、その
妻面板28に対応した坑口側後端部分で覆工空間15の
妻止めを形成し得るように構成されていれば、その形状
並びに、坑壁支保方法及び妻止め形成方法は上述した実
施例以外の方法であっても良い。例えば、図11に示す
ように、そのフレーム19全体が、その各々のシリンダ
押出し方向を図11斜め方向である矢印J方向、矢印K
方向にそれぞれ向けた形の油圧ジャッキ41、41によ
り拡張して、これにより坑壁を支保すると共に先に述べ
た外周妻止材25部分を地盤2坑壁に押し付けてフレー
ム19後端部外周をシールするように構成されていても
良い。図11に示す仮受支保装置5Bは、斜め方向に押
出し自在な油圧ジャッキ41、41と上下方向に伸縮自
在な伸縮支持脚22により、そのフレーム19が、坑道
3の側壁方向(図11左右方向)よりむしろ、そのアー
チ方向(図11上側)へ拡張せんとする力を発揮するこ
とが出来、即ち地盤2のアーチ部分の崩落に対して、こ
れをより有効に抑えることが可能である。
【0028】さらに、仮受支保装置5Bのフレーム19
には、図12に示すように、該フレーム19の内方側
に、鋼管支柱、形鋼等からなる支保用固定フレーム40
が、インバート2b部分に接続固定される形で用いられ
ても差し支えない。支保用固定フレーム40の側柱40
a、40aには、図12左右方向外側に向けてそれぞれ
押出し自在なジャッキ41、41が設けられており、こ
れにより図12に示すフレーム19は、該ジャッキ4
1、41を介して図12左右方向外側に拡張せんとする
力を付勢され得るようになっている。従って、図12に
示す仮受支保装置5Bは、伸縮支持脚22を介して伸縮
することによる上下方向への力を発揮することに加え
て、地盤2の側壁部分から坑道3の内方側に向けて孕み
出す形の土圧に対して、より有効にこれを抑えることが
可能である。
【0029】また、上述した実施例においては、仮受支
保装置5Bを、切羽2aの形成に後続させる形で該切羽
2a直前の坑道3に配置させて、ここを支保する為に用
いる例を述べたが、仮受支保装置5Bは、そのフレーム
19が、外殻20部分で坑壁支保し得る形でトンネル内
周に沿って殻状に形成されているところから、該フレー
ム19内部の空間を介して他の作業を行ったり或いは、
ここを作業車両等が通過することが可能であり、これを
利用した形で、仮受支保工5Bを坑口や立坑近傍その他
の箇所、或いは既に一次覆工を施した部分の仮設支保工
として用いることも可能である。この際、フォアパイ
ル、薬液注入、鏡ボルト等の補助工法を並行して行うこ
とも出来、さらには核残し先行掘削方式を用いたトンネ
ル工法への適用も可能である。また、フレーム19の坑
口側には妻面板28等の妻止めが当初から設けられてい
ることにより、仮受支保装置5Bの後側即ち坑口側に適
宜な覆工型枠を配置させるだけで直ちに覆工空間15を
形成して、二次覆工を施すことが出来る。なお、仮設支
保工5Bのフレーム19は、伸縮支持脚22を収縮させ
ることによりその横断面がトンネル断面より小さくなる
形で、既に覆工32が構築されてその断面が坑道3に比
して小径になったトンネル坑内を容易に移動することが
出来る。また、フレーム19はトンネル断面である坑道
3内において展開折り畳み自在であるところから、該フ
レーム19の外周面を構成している外殻20と地盤2の
坑壁との間に形成されるクリアランスに若干のばらつき
がある場合においても、その移動搬送時には十分コンパ
クトに、また、これを仮設置して支保に用いる際には、
十分拡張して地盤2を適格に抑えることが出来る。な
お、仮受支保装置5Bのフレーム19を搬送移動するた
めの手段は、ホイルローダに限定されるものではなく、
その他の手段によって移送されても差し支えない。
【0030】なお、上述した実施例においては、トンネ
ル1に覆工32を打設するための覆工空間15を遮蔽す
る為の妻止めは、仮受支保工5Bの妻面板28が、エア
チューブ30を介してトンネル坑口側である矢印B方向
側に向けて押し出されて、この状態で、セントル5A側
の妻押板16により切羽側に向けて押圧されることによ
り形成される例を述べたが、本発明の趣旨は、坑壁支保
し得る形の仮受支保装置5B等の仮設支保工の直後に覆
工空間15を形成せんとするものであり、このための妻
止めは、フレーム19の坑口側に設けられた外周妻止材
25、妻面板28等の妻止め手段のみによって覆工空間
15を遮蔽するように構成されていて構わず、即ち、セ
ントル5A側の妻押板16は必ずしも必要ない。また、
トンネル1を構築するための掘削機37等の掘削手段並
びに、覆工32を打設成型するためのセントル5Aは、
他の手段が用いられても差し支えない。さらに、トンネ
ル1を構築する為のその他の構築部材及び機材等は、実
施例に用いられた以外のものが用いられても構わず、坑
道3の横断面形状についても勿論任意である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ト
ンネル内周面に沿う形で外殻20等の坑壁支保面が形成
されたフレーム19等の地盤支持フレームを有し、前記
地盤支持フレームの坑口側端部に外周妻止材25、妻面
板28等の妻止め手段を、トンネル内周面に沿って設
け、また、該地盤支持フレームに伸縮支持脚22等の脚
部を、該地盤支持フレームを上下方向に移動自在な形で
設け、前記地盤支持フレームは坑道3等のトンネル断面
内で展開折り畳み自在に設けて構成したので、地盤支持
フレームが脚部を介して上昇移動することにより、その
坑壁支保面で坑壁を支える一方で、その妻止め手段が覆
工32の前端32a等のトンネル覆工の前端に対応した
形の妻止めを形成することが出来る。従って、掘削され
て後覆工が施される迄の間の切羽近傍の地山は、極めて
不安定でここに肌落ちが生じる場合も儘あるが、本発明
による仮受支保装置5B等の仮設支保工を切羽面前に配
置させれば、単に脚部を介して地盤支持フレームを上昇
移動させるだけで、その坑壁支保面を介して不安定な地
山の坑壁崩壊を簡単且つ確実に抑えて、トンネル覆工を
打設構築する為の作業空間であるトンネル断面内の十分
なる安全性を確保することが出来る。そして、地盤支持
フレームが坑壁支保すると同時に、その坑口側にはトン
ネル覆工の前端に対応した形の妻止めが形成され得るの
で、該地盤支持フレームの後側にトンネル覆工内周に対
応した適宜な覆工型枠板を、例えばセントル5A等の移
動覆工型枠装置として配置させるだけで、覆工空間を遮
蔽閉塞して、直ちにここに覆工コンクリートを打設する
ことが簡単に出来る。こうして、覆工コンクリートを打
設するに際し、切羽は次の掘削に備えてトンネル断面内
に向けて開放された状態になっているが、前記トンネル
覆工を構築する作業、即ち覆工コンクリートの供給管を
移動覆工型枠に接続し、これを監視する作業等は、切羽
鏡面から地盤支持フレームの前後方向長さ分だけ離隔し
た、移動覆工型枠の内側領域において行われ得るので、
当該開放状態の切羽から懸念され得る万一の鏡面の崩
落、出水等の事故は、その発生を地盤支持フレームの内
側領域において未然に発見処理することが出来る。ま
た、当該覆工作業が行われている時点における切羽の面
前には、前回の掘削工程時において搬出され得なかった
掘削ズリが若干づつインバート部分に堆積した形になっ
ているが、当該堆積箇所は地盤支持フレームの内側空間
に該当するところから、覆工作業が行われるべき移動覆
工型枠内には入り込みしておらず、即ちこういったズリ
堆積箇所を地盤支持フレーム内側に配置させることによ
り、覆工作業が行われるインバート部分の足場環境を良
好な状態にすることが出来る。故に、覆工構築作業の安
全性を向上させ、これを効率的に行うことが出来る。従
って本発明による仮設支保工を用いれば、崩壊性岩質地
山において、移動覆工型枠を用いる場合にも、該移動型
枠と切羽間の地山を簡単且つ確実に抑えることが出来、
短い施工工期で効率的に堅牢なるトンネル構造を構築す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による仮支保工の一実施例を用いて構築
中のトンネルの一例を示す側面図である。
【図2】図1のII矢視図である。
【図3】図1のIII、III矢視図である。
【図4】図1に示す仮支保工の建て込み状況を示す図で
ある。
【図5】図4のV矢視図である。
【図6】図1に示すトンネルに用いられるセントルの一
例を示す図である。
【図7】本発明による仮支保工と図6に示すセントルと
の接続状態の一例を示す図である。
【図8】図1に示すトンネルを施工する工程を示す一連
の図である。
【図9】図1に示すトンネルを施工する工程を示す一連
の図である。
【図10】図1に示すトンネルを施工する工程を示す一
連の図である。
【図11】本発明による仮支保工の別の実施例を示す図
である。
【図12】本発明による仮支保工のさらに別の実施例を
示す図である。
【符号の説明】 3……トンネル断面(坑道) 5B……仮設支保工(仮受支保装置) 19……地盤支持フレーム(フレーム) 20……坑壁支保面(外殻) 22……脚部(伸縮支持脚) 28……妻止め手段(妻面板)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トンネル内周面に沿う形で坑壁支保面が形
    成された地盤支持フレームを有し、 前記地盤支持フレームの坑口側端部に妻止め手段を、ト
    ンネル内周面に沿って設け、また、該地盤支持フレーム
    に脚部を、該地盤支持フレームを上下方向に移動自在な
    形で設け、 前記地盤支持フレームはトンネル断面内で展開折り畳み
    自在に設けて構成した、仮設支保工。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017002630A (ja) * 2015-06-12 2017-01-05 鹿島建設株式会社 トンネル覆工装置、及び、トンネルの覆工方法
CN107013234A (zh) * 2017-05-12 2017-08-04 武汉工程大学 一种巷道斜撑支护装置及支护方法

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