JPH06129195A - 移動覆工型枠 - Google Patents

移動覆工型枠

Info

Publication number
JPH06129195A
JPH06129195A JP4304863A JP30486392A JPH06129195A JP H06129195 A JPH06129195 A JP H06129195A JP 4304863 A JP4304863 A JP 4304863A JP 30486392 A JP30486392 A JP 30486392A JP H06129195 A JPH06129195 A JP H06129195A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lining
frame
space
tunnel
face
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4304863A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Sakairi
修 酒入
Sakae Nakai
栄 中井
Masataka Uozumi
雅孝 魚住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Construction Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Construction Co Ltd filed Critical Mitsui Construction Co Ltd
Priority to JP4304863A priority Critical patent/JPH06129195A/ja
Publication of JPH06129195A publication Critical patent/JPH06129195A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】移動覆工型枠を用いて覆工構築作業を行う際の
安全性を向上させる。 【構成】覆工空間15を形成するための妻板16が装着
された、覆工32の型枠体であるフレーム12の前側上
部、即ち真中のフレーム片12bの切羽側前端部に蛇腹
網19を、該フレーム12の前方に展開設置自在な形で
設けておく。掘削作業時には、ジャッキ21を介して蛇
腹網19を蛇腹状に収縮させて、掘削作業の障害となる
ことを避け、覆工作業時には、蛇腹網19を、その先端
が切羽2aに当たるまで突出させる形で展開設置して、
セントル5と切羽2aとの間のセントル前空間3s及び
フレーム12の内側空間3Mを、坑壁アーチ部からの落
石から防護する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、山岳トンネルを構築す
る際に用いる為の移動覆工型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、山岳トンネルを構築する際には、
掘削の進行によって空洞部分となったトンネル空間に向
けて土圧開放せんとする形で地山に緩みが生じようとす
る。そこで、こういった地山の緩みを抑える為に、トン
ネル空間を掘削形成してから直ちに、切羽の進行に後続
させる形で坑壁に吹き付けを施したり、或いはロックボ
ルトや支保工、金網等を打設する等して、所謂一次覆工
を施しておき、その後、該一次覆工の後方の切羽から離
隔した位置において二次覆工コンクリートを打設する方
法が用いられている。ところで最近、比較的地山条件の
良い硬岩質地山において、移動覆工型枠を用いて、これ
を切羽に極力近接させる形で配置させ、トンネル空間が
掘削形成された後、地山に緩みが生じる以前に、即ち1
掘削ピッチ毎に1スパンずつの覆工コンクリートの打設
を、当該切羽に極力近接した位置まで施すことにより、
一次覆工の施工手間を極力簡略化したトンネル構築方法
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、こういった
移動覆工型枠は、これを切羽に近接させると、覆工コン
クリートを打設する作業に必要とされるコンクリート供
給管、及びこれを覆工型枠に接続したり、監視したりす
る作業者等がその分切羽に近接した状態で、覆工作業が
行われることになる。当該覆工作業が行われる間の切羽
周囲の坑壁は、掘削されて後未だ覆工が施されていない
ことにより不安定で、特にアーチ部からの肌落ちが懸念
されることに加えて、切羽はこれが掘削される為に常に
トンネル空間に向けて開放された形になっているところ
から切羽鏡面の崩落、或いは出水等の危険性もある。従
って、移動覆工型枠を切羽に近接させると、覆工作業時
における安全度が低下する、という問題がある。そこ
で、覆工作業を行うための作業に用いられる移動覆工型
枠の内側空間を、その切羽側端部等において何等かの遮
蔽部材で切羽側に対して閉塞してしまう方法も考えられ
るが、これを行うと、当該覆工作業に引き続き切羽を掘
削せんとするする際に、該遮蔽部材が、掘削機の設置及
びその操作並びに掘削ズリの搬出等の作業の障害となる
形で、掘削作業を円滑に進めることが出来ない、という
不都合がある。そこで本発明は、上記事情に鑑み、掘削
作業を円滑に進めることが出来、且つトンネル覆工を構
築する際の作業の安全性向上を図ることが出来る、移動
覆工型枠を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、トンネル
覆工(32)の内周に対応した形の型枠体(12)を有
し、前記型枠体(12)に妻止め手段(16)を、該妻
止め手段(16)を介して該型枠体(12)と地盤
(2)との間を遮蔽することにより前記トンネル覆工
(32)の形状に対応した覆工打設空間(15)を形成
し得る形で設け、前記型枠体(12)の少なくとも前側
上部に落石防護手段(19)を、該型枠体(12)の前
方に展開設置自在な形で設けて、構成される。なお、
( )内の番号等は、図面における対応する要素を示
す、便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記
載に限定拘束されるものではない。以下の作用の欄につ
いても同様である。
【0005】
【作用】上記した構成により、本発明は、落石防護手段
(19)は、その展開設置状態において、型枠体(1
2)の前方に配置する空間(3s)の上側を覆う形で、
該空間(3s)を坑壁アーチ部からの落石に対して防護
するように作用する。
【0006】
【実施例】図1は本発明による移動覆工型枠の一実施例
を用いて構築中のトンネルの一例を示す側面図、図2は
図1のII矢視図、図3は図1のIII矢視図、図4は図1
のIV、IV矢視断面図、図5は図1に示す移動覆工型枠に
おける折り畳み状態を示す正面図、図6乃至図8は図1
に示すトンネルを施工する工程を示す一連の図である。
【0007】構築中のトンネル1は、図1に示すよう
に、硬岩等からなる地盤2中に、その横断面形状が略半
円形をなす形で図1矢印B方向側から矢印A方向側に向
かって掘削形成された坑道3を有しており、坑道3の先
頭部分である図1左端部には、移動覆工型枠であるセン
トル5が、図1に示す状態においては間隔L2をもって
切羽2aと対向する形で配設されている。セントル5と
切羽2aとの間には、両者間の間隔L2に対応する形
で、セントル前空間3sが、坑道3の最先頭位置に形成
配設されている。セントル5の後側である矢印B方向側
には、クローラ6aを介して坑道3中を走行移動自在な
移動車両6が、該セントル5全体を移動させ得る形で設
けられており、移動車両6の図8左側に示す前側には、
リンク7a、7a及び油圧シリンダ7b等により構成さ
れる昇降装置7が、該リンク7a及び油圧シリンダ7b
の図1右端に示す基端側を移動車両6の車体部分に枢着
支持された形で設けられている。リンク7a、7aの先
端側である図1左端側には、昇降足場9が、昇降装置7
のリンク機構を介して上下方向に移動駆動自在な形で、
枢着支持されており、昇降足場9の図1左部上側にはス
テップ91が、坑道方向である矢印A、B方向に突出後
退駆動自在に設けられている。ステップ91には型枠支
持フレーム10が、該ステップ91上に図1左右に立設
された油圧シリンダ10a、10aを介して昇降自在な
形で搭載支持されており、型枠支持フレーム10には、
その全体形状が坑道3の横断面形状に相似に形成された
内型枠11が搭載支持されている。
【0008】内型枠11は、鋼板部材と該鋼板部材の組
付け接合部材を坑道3の周面に沿った形で全体形状半円
形に組立て形成してなるフレーム12を有しており、フ
レーム12には、図3に示すように、トンネル内周方向
に沿って該フレーム12の途中に配置する形で何箇所か
の、実施例においては2箇所の関節12aが設けられて
いる。フレーム12は、2箇所の関節12aを介して分
割されている形の、複数の、実施例においては3ヶのフ
レーム片12b、12b、12bにより構成されてお
り、フレーム12は、前記昇降足場9に支持されて図示
されないサポートジャッキ、油圧シリンダ等を介して、
該関節12a、12aを境にして、図5に示すように、
坑道3内に折曲がることが出来るように構成されてい
る。フレーム12の外周面には、構築すべきトンネル覆
工である覆工32の内周面を成型し得る形で平滑な円弧
状に形成された型枠板13が、該フレーム12を構成し
ている複数のフレーム片12bの各々の図1上側に示す
地盤2側にその外面をなす形で、即ちフレーム12と共
に折曲がり自在な形で設けられている。従ってフレーム
12は型枠板13を介して、覆工32の内周に対応した
形になっている。また、図3に示す状態において、フレ
ーム12の放射方向内側には空間3Mが、略半円状に形
成されている。
【0009】フレーム12の型枠板13と地盤2との間
には、図1に示すように、後に覆工コンクリートが打設
される覆工空間15が、トンネル内周形状に沿った略半
円環状に形成されており、覆工空間15の図1右側に示
す後方側には、1巻きの幅がL1をなす覆工32が、該
覆工空間15に既にコンクリートが打設覆工された形で
長胴状に構築配置されている。また、フレーム12に
は、図4に示すように、その図4右端に示す後端部外側
(図4上側)に、図4紙面と交差方向にトンネル内周方
向に沿って半円環状に形成されたクッションゴムシール
29が、該フレーム12と既に構築済の覆工32との間
をシールし得る形で装着配設されており、クッションゴ
ムシール29は、フレーム12と覆工32との間に挾ま
れることによりトンネル断面の放射方向である矢印C、
D方向に押圧された形で、該フレーム12と覆工32と
を密に接続している。
【0010】また、フレーム12の切羽側前端部である
矢印A方向側端部には、図4に示すように、覆工32を
打設成型する際の妻板16が、該フレーム12の型枠板
13より放射方向外側である矢印D方向側に突出する形
で装着されており、妻板16は、トンネル内周面に沿っ
た帯状に形成されたバネ板鋼等により構成されて、該フ
レーム12前端縁と地盤2が形成している坑壁を半円環
状に接続することによりここを遮蔽して、これにより、
覆工32の形状に対応した覆工打設空間である前記覆工
空間15を形成し得る形になっている。さらに、フレー
ム12の下部には、図1に示すように、該フレーム12
の脚部を構成しているジャーナルジャッキ等からなる支
持ジャッキ17が、図1においては上下方向に突出後退
駆動することにより伸縮自在な形で、図1左右に示す前
後に並んで設けられており、支持ジャッキ17は、図1
紙面と交差する方向にも並ぶ形で、坑道3の横断面にお
いてその両側壁近傍に配置してインバート2b上に仮支
持されている。
【0011】ところで、フレーム12の前部には、図2
又は図3に示すように、そのシリンダ突出方向をそれぞ
れ切羽側である図2矢印A方向側(図3紙面の手前側)
に向けた形のジャッキ21が、図3真中のフレーム片1
2bの内周面に沿って複数、実施例においては4ヶのジ
ャッキ21が、溶接等によりここに固定装着されてお
り、各々のジャッキ21のシリンダ先端には、杆状に形
成された鋼製の支持ア−ム20が、該ジャッキ21を介
してそのストローク分だけフレーム12に対して前後方
向に突出後退駆動自在な形で接続装着されている。各支
持ア−ム20には、複数のガイドリング201が該支持
ア−ム20に対して摺動自在な形で嵌合されており、ま
た、支持ア−ム20の切羽側先端には、トンネル内周に
沿って若干円弧状に反る形に形成された鋼板部材からな
るストッパ202が、実施例においては4ヶの支持ア−
ムの先端部に懸架される形で装着支持されている。ま
た、図3真中のフレーム片12bの切羽側前端には、支
持ア−ム20に装着支持されているストッパ202と対
向する形で、該ストッパ202と同様の部材からなるス
トッパ203が、フレーム12側に固定された形でここ
に装着されており、そして、ストッパ202、203間
には、図4に示すように、蛇腹状に伸縮自在な形の、溶
接金網、エキスパンドメタル、樹脂ネット等からなり落
石防護手段である蛇腹網19が、その切羽側先端部がス
トッパ202に固定されて、その坑口側基端部がストッ
パ203に固定されて、複数のガイドリング201を介
して4ヶの支持ア−ム20に支持された形で、ここに配
設されている。従って、蛇腹網19は、4ヶの支持ア−
ム20が各ジャッキ21を介して前後方向に突出後退駆
動することにより、図1に示すように、フレーム12の
前端側上部である図3真中のフレーム片12bの切羽側
前端部から、フレーム12の前方である前記セントル前
空間3sに展開設置自在な形になっている。
【0012】構築中のトンネル1は以上のような構成を
有しているので、該トンネル1を構築するには、図1に
示すように、坑道3中にセントル5を、切羽2aに後続
させる形で配置させて、該切羽2aを矢印A方向に向け
て前進させる形で坑道3の掘削作業を、地盤2を断面形
状略半円形に掘削することにより行いながら、セントル
5を用いて覆工空間15にコンクリートを巻幅L1をな
すように打設することにより、覆工32を1スパンづつ
構築する形でこれをおこなっていく。
【0013】坑道3を掘削形成するに際しては、まず、
図6に示すように、ジャッキ21を介して支持ア−ム1
9をフレーム12の前端部に対して坑口側である矢印B
方向に後退駆動させる形で、蛇腹網19を蛇腹状に収縮
させる。すると、蛇腹網19の前側端部であるストッパ
202といま形成されている切羽2aとの間には、若干
の間隙3Pが形成される。この状態で、穿孔機、ショベ
ル等の掘削手段36を用いて切羽2aの掘削を行うと、
該掘削手段36はその掘削刃部分が、図6に示すよう
に、間隙3Pを介して、坑道3の横断面形状に沿って満
遍なく移動自在な形で、円滑に掘削が行われる。即ち、
蛇腹網19が掘削作業の障害となることはない。なお、
掘削手段36の本体部分は、セントル5におけるフレー
ム12の内側の空間3Mや或いは蛇腹網19の下側空間
等に配置され得るので、掘削作業の安全性は確保されて
いる。また、掘削作業時に、切羽2aから生じる掘削ズ
リが堆積するセントル前空間3sは、フレーム12の内
側の空間3Mを介して坑道3の矢印B方向側に示す坑口
側に連通した形になっているところから、該掘削ズリ
は、これ等の空間3s、3M及びセントル5の後の坑道
3を介して円滑に坑外に搬出される。
【0014】そこで覆工32の巻幅L1に対応した所定
の距離だけ掘削が進行して、その分切羽2aが矢印A方
向に前進したところで、次に図7に示すように、覆工作
業を行う。これには、まずセントル5の昇降装置7を、
その油圧シリンダ7bを駆動して、これにより昇降足場
9を上昇させると共に、ステップ91を矢印A、B方向
に移動させることにより、内型枠11のフレーム12
を、覆工32を打設構築すべき坑壁アーチ部分の真下位
置に整合配置させる。そして、油圧シリンダ10a、1
0aを駆動して型枠支持フレーム10を上昇させると共
に、フレーム12を、図示されない油圧シリンダ、サポ
ートジャッキを介して坑道3の外周形状に沿った円弧状
に拡開した状態にして、また、該フレーム17の脚部を
構成している支持ジャッキ17を伸出させる。この際、
フレーム12の後端部である図4右端部に配置するクッ
ションゴムシール29は、該フレーム12と既に構築さ
れた覆工32の内周面とに挾まれることにより図4矢印
C、D方向で示すトンネル断面の放射方向に押圧され
て、これによりフレーム12の矢印B方向端に示す後側
がクッションゴムシール29にシールされた形で、該フ
レーム12の後端部と構築済みの覆工32とが接続され
る。また、フレーム12の拡開動作により、該フレーム
12の切羽側前端部である矢印A方向側端部に装着され
た妻板16は、該フレーム12の前端縁と地盤2が形成
している坑壁を半円環状に接続する形で、ここを遮蔽す
る。これにより、妻板16と、既に構築された前記覆工
32の前端部32aとの間には、後に覆工32となるた
めの未だコンクリート打設されていない覆工空間15
が、地盤2が形成している坑壁とセントル5の型枠板1
3とにより挟まれた形で、トンネル覆工形状に対応した
半円環状に遮蔽形成される。なお、覆工空間15を形成
するに際し、トンネル設計上必要とされる場合には、フ
レーム12を展開設置することにより妻板16を介して
覆工空間15となる部分の坑壁に沿って、図4点線で示
すように、該フレーム12の設置以前に支保工33を建
て込み設置しておく。
【0015】ところで、こうして内型枠11のフレーム
12により覆工空間15を形成する際には、ジャッキ2
1を、そのシリンダを切羽側である矢印A方向に向けて
突出駆動させる形で、各ジャッキ21のシリンダ先端に
装着された支持ア−ム19の各々を、所定長さ分だけ、
例えば図7に示すように4本の支持ア−ム12の切羽側
先端に懸架装着されているストッパ202が切羽2aに
略当接するまで、フレーム12の前方側に突出させる。
すると、ストッパ202は、フレーム12に対して前方
側である矢印A方向側に移動して、そして、該ストッパ
202にその切羽側前端が固定される一方でその坑口側
基端がフレーム12側のストッパ203に固定されてい
る蛇腹網19は、これが蛇腹状に収縮した状態から支持
ア−ム12の突出分だけ伸長する形で、フレーム12前
端と切羽2a間のセントル前空間3s上に展開設置され
る。なお、ジャッキ21を介しての蛇腹網19の展開設
置動作は、実施例においては該蛇腹網19が、網状部材
で軽量であるところから円滑に行われる。こうして、前
述した坑道3におけるセントル5と切羽2aとの間のセ
ントル前空間3sは、その上側に展開状態の蛇腹網19
が配置する形で、地盤2が形成している坑壁アーチ部か
らの万一の落石に対して防護された状態になる。従っ
て、セントル5と切羽2aとの間には何等遮蔽物がない
ところから、トンネル内周に沿った形のフレーム12の
内側(図7下側)に配置している空間3Mと、前述した
フレーム前空間3sとは連通した形になっているが、こ
のようにセントル前空間3sが蛇腹網19を介して落石
防護されることにより、当該フレーム12の内側空間3
Mも又、坑壁アーチ部からの落石に対して防護された状
態になる。さらに、フレーム12の内側空間3Mは、蛇
腹網19の突出長さに対応したセントル前空間3sの距
離分だけ切羽2aから離隔した位置に配置することが出
来るので、該切羽2aの予期せぬ崩落或いは出水等の危
険性に対しても高い安全性が確保されている。
【0016】そこで、こうして蛇腹網19を展開設置す
ることにより、セントル前空間3s及びフレーム12の
内側空間3Mを坑壁アーチ部の落石に対して防護して、
その安全性を確保したところで、次に、図4一点鎖線で
示すように、該覆工空間15を坑道3内に連通させ得る
形でセントル5のフレーム12に設けられるコンクリー
ト供給口121にポンピングチューブ38を接続して、
図示されないコンクリートポンプから該ポンピングチュ
ーブ38に、覆工32を形成するに適したコンクリート
を供給し、これをコンクリート供給口121を介して型
枠板13の内側に吐出させる形で、後にその硬化により
覆工32となるコンクリートを、所定のブロック毎に分
けて或いは覆工空間15に一度に、打設充填していく。
すると、覆工空間15に充填されたコンクリートの硬化
に必要とされる所定の短時間が経過して後、前回の覆工
サイクルにおいて既に構築された覆工32の前端32a
が覆工空間15の長さ分だけ延長される形で、ここに覆
工32が幅L1をなす形の半円環状に構築形成される。
【0017】そこで、覆工空間15に打設された1巻き
分のコンクリートが、脱型可能なる硬化状態に到達した
なら、次に、セントル5のフレーム12を、図5に示す
ように、その支持ジャッキ17を収縮させると共に、図
示されない油圧シリンダ、サポートジャッキ等により、
その関節12a、12aを介して坑道3内に左右のフレ
ーム片12b、12bを折り曲げておいて、油圧シリン
ダ10a、10aを駆動して型枠支持フレーム10を下
降させる。すると、覆工空間15に打設されたコンクリ
ートから型枠板13が引き離される形で、内型枠11の
フレーム12が脱型される。次に、昇降装置7の油圧シ
リンダ7bを駆動して、昇降足場9を下降させた状態に
すると、フレーム12は、既に構築済の覆工32表面及
びインバート2bと縁切りされて、移動車両6に支持さ
れた形になる。この状態で、図8に示すように、蛇腹網
19を4ヶのジャッキ21を後退駆動させる形で蛇腹状
に収縮させてから、クローラ6aを介して移動車両6を
坑道3の矢印A方向に向けて、覆工32の巻幅L1に対
応した距離分だけ前進移動させて、セントル5全体を、
先に掘削により形成された切羽2aにその分近接させ
る。
【0018】この状態から、再び、図6に示すように、
切羽2aを前進させる形で掘削作業を行い、該切羽2a
の前進に伴なって、セントル5を、蛇腹網19をセント
ル前空間3sの上側に展開設置した状態で、そのフレー
ム12を拡開させて、該フレーム12の妻板16を介し
て、該妻板16と既に構築された覆工32の前端32a
との間に形成された覆工空間15にコンクリートを打設
することにより、覆工32を構築する作業を、所定のサ
イクルで順次繰り返していく。すると、トンネル構築作
業中に、切羽2aの前進に後続して常にセントル5が配
置し、該セントル5を用いて、掘削されて後極短時間の
うちに覆工32を打設構築することが出来ることによ
り、掘削坑壁が長時間開放されることなく、堅牢なるト
ンネル1が構築される。こういった一連の作業を行うに
際し、セントル5のフレーム12前端側上部に設けられ
た蛇腹網19は、該セントル5と切羽2aとの間の危険
な領域であるセントル前空間19sの上側に展開設置自
在であるところから、該セントル5を用いた覆工作業時
に、特に高い安全性を確保した状態で覆工打設作業を行
うことが出来る。なお、こうして覆工作業の安全性を保
持するに際し、フレーム12の内側の空間3Mを切羽2
aから離隔するために、覆工作業中に切羽2aを塞ぐ必
要はなく、常に切羽2aを開放状態にしておいて差し支
えない。従って、フォアパイル、薬液注入、鏡ボルト等
による補助工法と並行作業を行うことが出来る。また、
切羽2aの掘削作業を行う際には、蛇腹網19を展開し
ない状態でおくことも出来、従って、該蛇腹網19が掘
削作業の障害となることはない。従って、覆工32の打
設構築作業の高い安全性が確保された状態下で効率的な
覆工作業が行われることに加えて、能率良く掘削が行わ
れるので、これにより高品位な施工を行いつつ、工期の
大幅な短縮化が図られる。
【0019】なお、上述した実施例においては、坑道3
の先頭位置に常にセントル5を配置させたまま、その蛇
腹網19を展開しない状態にして掘削作業を行う例を述
べたが、セントル5は、そのフレーム12を図5に示す
ように坑道3内に折り曲げた状態にすることにより、移
動車両6を介して、既に構築済みの坑道3中の任意の位
置に容易に移動退避させることが出来るので、掘削或い
は他の作業に、さらなる作業空間が要求される場合に
は、このように、セントル5全体を坑道3の適当なる位
置に移動させることが可能である。また、上述した実施
例においては、坑道3を掘削形成する際に、地盤2を断
面形状略半円形に掘削することにより全断面一度に掘削
進行させていく例を述べたが、トンネル1を構築するた
めの掘削方法はこれに限定されるものではなく、例え
ば、まず、トンネル内周縁形状に沿って、或いはアーチ
部分に沿って、溝状をなす形で先行掘削することによ
り、地盤2に核状部分を残留形成しておいて、該核状部
分に極近接したその面前までセントル5を移動させて
後、核状部分の地盤掘削作業を覆工作業と共に行うよう
にしても構わない。こうして所謂核残しにより掘削作業
を進めるに際し、本発明による移動覆工型枠であるセン
トル5は、その蛇腹網19部分が、上述した、トンネル
内周縁形状に沿った、或いはアーチ部分に沿った、溝状
をなす形の先行掘削部分に入り込むことが出来る。する
と、核状部分の地盤掘削に先立ち、該核状部分の上側に
蛇腹網19を展開設置しておくことができるところか
ら、核状部分が掘削除去されて後坑道3の先頭位置にな
ったときの該坑道3の先頭位置が落石防護されて、ここ
の安全確保されることも出来る。
【0020】また、上述した実施例においては蛇腹網1
9は、フレーム12を構成している3ヶのフレーム片1
2b、12b、12bのうち図4真中のフレーム片12
bの切羽側前端部のみに装着されている例を述べたが、
落石防護手段である蛇腹網19は、トンネル覆工の内周
に対応した形になっているフレーム12等の型枠体の少
なくとも前端側上部に設けられていれば良く、従って、
例えば3ヶのフレーム片12bの全ての前側に蛇腹網1
9が装着されていても構わない。また、蛇腹網19は、
これがフレーム12の前方に展開設置自在であるように
該フレーム12に支持装着されていれば良いので、該蛇
腹網19を展開設置するための手段はジャッキ21に限
定されるものではない。従って、蛇腹網19は、必ずし
も蛇腹状に収縮し得るように構成されている必要はな
い。また、蛇腹網19はこれが展開設置状態になること
により落石防護する目的を果たすことが出来るものであ
れば、網状部材により構成されていなくとも構わず、例
えばフレーム12の前端から突出自在な形でこれに支持
された板体であったり、或いはテレスコピックパイプ式
に構成された支持部材に支持された部材であったりして
も構わず、勿論その他の構成であっても良い。さらに、
セントル5における妻板16は、該妻板16を介してフ
レーム12外周と地盤2との間を遮蔽することにより覆
工空間15を形成することが出来るようにさえ構成され
ていれば、実施例において述べた以外の構成であっても
何等差し支えない。勿論セントル5における、フレーム
12自体の構成及びその折り畳み方法、移動車両6の構
成等は実施例において述べられた以外の構成であっても
良く、また、トンネル1を構築するための、掘削及び覆
工の為の手段並びに掘削断面形状等は任意なものが採用
されて差し支えない。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、覆
工32等のトンネル覆工の内周に対応した形のフレーム
12等の型枠体を有し、前記型枠体に妻板16等の妻止
め手段を、該妻止め手段を介して該型枠体と地盤2との
間を遮蔽することにより前記トンネル覆工の形状に対応
した覆工空間15等の覆工打設空間を形成し得る形で設
け、前記型枠体の少なくとも前側上部に蛇腹網19等の
落石防護手段を、該型枠体の前方に展開設置自在な形で
設けて構成したので、落石防護手段は、その展開設置状
態において、型枠体の前方に配置するセントル前空間3
s等の空間の上側を覆う形で、該空間を坑壁アーチ部か
らの落石に対して防護することが出来る。これにより、
型枠体の前方に配置する空間と連通している型枠体の内
側空間3Mもまた、落石に対して防護される。従って、
山岳トンネルを構築する際には、型枠体を用いて覆工打
設空間にコンクリートを打設する作業を行うに際し、当
該覆工作業が行われる間の切羽周囲の坑壁は、ここが硬
岩質である場合でも、掘削されて後未だ覆工が施されて
いないことにより不安定で、特にアーチ部からの肌落ち
が懸念されるが、落石防護手段を展開設置することによ
り、少なくとも当該アーチ部からの肌落ちに起因する落
石による事故の発生という危険性を未然に回避して、高
い安全性を確保した状態で、覆工打設作業を行うことが
出来る。また、切羽はこれが掘削される為に常にトンネ
ル空間に向けて開放された形になっているところから切
羽鏡面の崩落、或いは出水等の危険性もあるが、セント
ル5等の本発明による移動覆工型枠を用いてトンネル覆
工を行う際には、その落石防護手段を型枠体の前方に展
開設置させることにより、切羽2aをトンネル空間であ
る坑道3に向けて開放した状態のまま、当該覆工作業が
行われる型枠体の内側空間3Mを、落石防護手段の展開
設置長さ分だけ該切羽2aから、離隔した状態にするこ
とが出来、これにより一層覆工作業の安全性を向上させ
ることが出来る。こうして覆工作業の安全性を確保する
に際し、型枠体の内側空間3Mは何等かの遮蔽部材で閉
塞されている必要はなく、即ち、セントル前空間3s等
の型枠体の前方に配置する空間を、型枠体の内側空間3
M及び移動覆工型枠の後側のトンネル空間と常に連通さ
せておくことが出来る。従って、型枠体の前方或いは内
側空間の任意の位置に、掘削作業に必要とされる掘削機
を設置して、これを操作することにより掘削を行い、該
掘削により生じたズリを、型枠体の内側空間を介して坑
口に向けて搬出する形で、円滑に掘削作業を進めること
が出来る。なお、こうして掘削作業を行う際には、掘削
機及びこれを操作する作業者が移動覆工型枠より切羽に
近い側、即ち型枠体の前方に配置することがあるが、本
発明においては、先に述べたように落石防護手段を型枠
体の前方に展開設置することにより、当該掘削作業が行
われている型枠体の前方空間を防護することが出来るの
で、これにより、掘削作業が行われている空間を落石か
ら防護して、掘削作業時における安全性を高めることも
出来る。また、移動覆工型枠においては、落石防護手段
を展開設置しないでおくことも出来、この状態では、型
枠体の前方に配置するセントル前空間3s等の空間の上
側から落石防護手段が退避した状態になる。従って、落
石防護手段を退避状態にすることにより、切羽2a鏡面
の全部を何等の部材も当接していない開放状態にするこ
とが簡単に出来るので、必要に応じて当該落石防護手段
の退避状態で掘削作業を行えば、掘削機の掘削刃或いは
これを支持するア−ム部分等が落石防護手段と干渉する
ことなく、切羽2a全断面を能率的に掘削することが出
来る。故に、本発明による移動覆工型枠を用いれば、作
業能率良く円滑なる掘削を行いつつ、トンネル覆工を構
築する際における作業の安全性向上を図った状態で覆工
コンクリートの打設構築作業を行うことが出来、これに
より、施工効率良く、堅牢なるトンネル構造体を短い工
期で構築することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による移動覆工型枠の一実施例を用いて
構築中のトンネルの一例を示す側面図である。
【図2】図1のII矢視図である。
【図3】図1のIII矢視図である。
【図4】図1のIV、IV矢視断面図である。
【図5】図1に示す移動覆工型枠における折り畳み状態
を示す正面図である。
【図6】図1に示すトンネルを施工する工程を示す一連
の図である。
【図7】図1に示すトンネルを施工する工程を示す一連
の図である。
【図8】図1に示すトンネルを施工する工程を示す一連
の図である。
【符号の説明】
2……地盤 5……移動覆工型枠(セントル) 12……型枠体(フレーム) 15……覆工打設空間(覆工空間) 16……妻止め手段(妻板) 19……落石防護手段(蛇腹網) 32……トンネル覆工(覆工)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トンネル覆工の内周に対応した形の型枠体
    を有し、 前記型枠体に妻止め手段を、該妻止め手段を介して該型
    枠体と地盤との間を遮蔽することにより前記トンネル覆
    工の形状に対応した覆工打設空間を形成し得る形で設
    け、 前記型枠体の少なくとも前側上部に落石防護手段を、該
    型枠体の前方に展開設置自在な形で設けて構成した、移
    動覆工型枠。
JP4304863A 1992-10-16 1992-10-16 移動覆工型枠 Pending JPH06129195A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4304863A JPH06129195A (ja) 1992-10-16 1992-10-16 移動覆工型枠

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4304863A JPH06129195A (ja) 1992-10-16 1992-10-16 移動覆工型枠

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06129195A true JPH06129195A (ja) 1994-05-10

Family

ID=17938188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4304863A Pending JPH06129195A (ja) 1992-10-16 1992-10-16 移動覆工型枠

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06129195A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2495247C1 (ru) * 2012-05-04 2013-10-10 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Санкт-Петербургский государственный горный университет" Способ крепления горных выработок
CN110821502A (zh) * 2019-11-29 2020-02-21 中铁隧道局集团有限公司 一种软弱围岩大跨山岭隧道进洞口段新型施工方法
JP2021172999A (ja) * 2020-04-21 2021-11-01 鹿島建設株式会社 トンネル施工用の安全装置、及び、トンネルの施工方法
CN117027924A (zh) * 2023-10-10 2023-11-10 山西联盛科技有限公司 一种井下安全避难硐室

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2495247C1 (ru) * 2012-05-04 2013-10-10 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Санкт-Петербургский государственный горный университет" Способ крепления горных выработок
CN110821502A (zh) * 2019-11-29 2020-02-21 中铁隧道局集团有限公司 一种软弱围岩大跨山岭隧道进洞口段新型施工方法
JP2021172999A (ja) * 2020-04-21 2021-11-01 鹿島建設株式会社 トンネル施工用の安全装置、及び、トンネルの施工方法
CN117027924A (zh) * 2023-10-10 2023-11-10 山西联盛科技有限公司 一种井下安全避难硐室
CN117027924B (zh) * 2023-10-10 2023-12-12 山西联盛科技有限公司 一种井下安全避难硐室

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06129195A (ja) 移動覆工型枠
JPH03180690A (ja) トンネル掘削機
JP3864377B2 (ja) 既設トンネル拡幅工法
JPH06129194A (ja) 仮設支保工
JPH10306697A (ja) トンネル支保工の形成方法及びリング状支保工部材の拡径装置
JPH06129181A (ja) トンネル掘削構築方法及びトンネル構築支援装置
CA1181438A (en) Method of and apparatus for hydraulic mining
WO2012114249A2 (en) A method and equipment for tunnelling
JP3251529B2 (ja) トンネル支保工の形成方法。
JP7121639B2 (ja) トンネル間連結シールド機、及びトンネル間連結方法
JPS6145037B2 (ja)
JP2576962B2 (ja) 覆工型枠装置
JP2760861B2 (ja) トンネル掘削機
JPH05311995A (ja) じゃばら鋼板を用いた坑道構造物の構築方法
SU1596175A1 (ru) Способ восстановлени деформированной обв зки тоннелей
JP2002004756A (ja) 既設トンネルの拡幅装置と拡幅方法
JP2634652B2 (ja) メッセルシールド掘進機
JP6685739B2 (ja) 防護プロテクターおよびシールドセグメント撤去方法
KR200180114Y1 (ko) 터널의 상하 동시 굴진을 위한 이동 발판장치
JP2668109B2 (ja) 地下構造物の構築工法
JP2001020656A (ja) 不良地盤に於けるトンネル掘進工法
JPH02296993A (ja) トンネル部分拡大シールド工法及びその装置並びにそれに係る誘導セグメントピース
JP2024067095A (ja) トンネル連絡坑の構築方法
JPH0739800B2 (ja) トンネル覆工の構築方法
GB1592262A (en) Caunch supports