JPH06128557A - 有機非線形光学材料 - Google Patents
有機非線形光学材料Info
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- JPH06128557A JPH06128557A JP28034692A JP28034692A JPH06128557A JP H06128557 A JPH06128557 A JP H06128557A JP 28034692 A JP28034692 A JP 28034692A JP 28034692 A JP28034692 A JP 28034692A JP H06128557 A JPH06128557 A JP H06128557A
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- optical material
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Abstract
(57)【要約】
【構成】
【化1】
(式中、AおよびA'はアクセプター性置換基であり、
Φ1およびΦ2はそれぞれ独立して芳香族環またはヘテロ
環であり、Xは単結合であるか、あるいは芳香族環、ヘ
テロ環、アルキレン、シクロアルカンまたはアルケンで
あり、R1〜R3はそれぞれ独立して水素原子またはアル
キル基、アリール基、アラルキル基およびアルキルオキ
シ基からなる群より選ばれる基であり、iおよびjは1
以上の整数である。AとA'とは同一であっても異なっ
ていてもよく、またR1とR'1とは同一であっても異な
っていてもよい。)で表わされる有機化合物からなるこ
とを特徴とする有機非線形光学材料。 【効果】 隣接分子同士が中心対称になりにくく、透明
性に優れ、しかも良好な非線形光学性を示す。
Φ1およびΦ2はそれぞれ独立して芳香族環またはヘテロ
環であり、Xは単結合であるか、あるいは芳香族環、ヘ
テロ環、アルキレン、シクロアルカンまたはアルケンで
あり、R1〜R3はそれぞれ独立して水素原子またはアル
キル基、アリール基、アラルキル基およびアルキルオキ
シ基からなる群より選ばれる基であり、iおよびjは1
以上の整数である。AとA'とは同一であっても異なっ
ていてもよく、またR1とR'1とは同一であっても異な
っていてもよい。)で表わされる有機化合物からなるこ
とを特徴とする有機非線形光学材料。 【効果】 隣接分子同士が中心対称になりにくく、透明
性に優れ、しかも良好な非線形光学性を示す。
Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、光情報通信もしくは光情
報処理などの分野で用いられる有機非線形光学材料およ
びこのような有機非線形光学材料を含む光波長変換素
子、電気光学素子などの非線形光学素子に関する。
報処理などの分野で用いられる有機非線形光学材料およ
びこのような有機非線形光学材料を含む光波長変換素
子、電気光学素子などの非線形光学素子に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】光情報通信もしくは光情報処理な
どの分野では、最近、有機非線形光学材料が注目されて
いる。この非線形光学材料とは、レーザー光を任意の波
長の光に変換したり、電圧の印加により屈折率が変化し
たりするなどの非線形光学効果を示す材料を意味し、な
かでもレーザー光をその1/2の波長の光にする(第2
高調波発振)効果を有する2次の有機非線形光学材料が
1983年の報告(ACS Symposium Series 233(1983))
以来、無機材料を凌駕する性能を示す材料として注目さ
れている。
どの分野では、最近、有機非線形光学材料が注目されて
いる。この非線形光学材料とは、レーザー光を任意の波
長の光に変換したり、電圧の印加により屈折率が変化し
たりするなどの非線形光学効果を示す材料を意味し、な
かでもレーザー光をその1/2の波長の光にする(第2
高調波発振)効果を有する2次の有機非線形光学材料が
1983年の報告(ACS Symposium Series 233(1983))
以来、無機材料を凌駕する性能を示す材料として注目さ
れている。
【0003】このような2次の有機非線形光学材料とし
ては、たとえば、芳香族環、ドナー性置換基およびアク
セプター性置換基を有し、芳香族環のπ電子がドナー性
置換基およびアクセプター性置換基により分子内で分極
した構造の材料が挙げられる。この種の材料は、π電子
部位で非線形光学性が生じるため、非線形光学応答性が
極めて高くなると考えられている。
ては、たとえば、芳香族環、ドナー性置換基およびアク
セプター性置換基を有し、芳香族環のπ電子がドナー性
置換基およびアクセプター性置換基により分子内で分極
した構造の材料が挙げられる。この種の材料は、π電子
部位で非線形光学性が生じるため、非線形光学応答性が
極めて高くなると考えられている。
【0004】ところが、高い非線形光学応答性が期待さ
れるパラニトロアニリンは、光波長変換素子、電気光学
素子などの非線形光学素子として実用上不可欠な単結晶
状態にすると、隣接する2分子が互いに反転した構造を
とり、このため非線形光学性が失われる。このように有
機非線形光学材料は、隣接分子同士が中心対称となる
と、非線形光学性が失われる傾向がある。このため、こ
のような隣接分子同士の対称性をなくすための置換基や
光学活性を付与する置換基などを導入した有機化合物の
合成が行われている。たとえばこのようにして合成され
た2−メチル−4−ニトロアニリンは、高い非線形光学
性を示すことが明らかにされている。
れるパラニトロアニリンは、光波長変換素子、電気光学
素子などの非線形光学素子として実用上不可欠な単結晶
状態にすると、隣接する2分子が互いに反転した構造を
とり、このため非線形光学性が失われる。このように有
機非線形光学材料は、隣接分子同士が中心対称となる
と、非線形光学性が失われる傾向がある。このため、こ
のような隣接分子同士の対称性をなくすための置換基や
光学活性を付与する置換基などを導入した有機化合物の
合成が行われている。たとえばこのようにして合成され
た2−メチル−4−ニトロアニリンは、高い非線形光学
性を示すことが明らかにされている。
【0005】有機非線形光学材料は、分子内分極率が高
くなるにしたがって非線形光学性が高くなるが、分子内
での分極が高すぎると電荷移動が起こり、このため材料
の透明性が失われる。同時に、第2次高調波の波長と有
機非線形光学材料の最大吸収波長λmaxとが合致し
て、第2次高調波が効率よく取り出せなくなってしま
う。
くなるにしたがって非線形光学性が高くなるが、分子内
での分極が高すぎると電荷移動が起こり、このため材料
の透明性が失われる。同時に、第2次高調波の波長と有
機非線形光学材料の最大吸収波長λmaxとが合致し
て、第2次高調波が効率よく取り出せなくなってしま
う。
【0006】さらに有機非線形光学材料を得るために、
直線状分子、たとえばスチルベンなどの分子の両端に、
高いアクセプター性を有するニトロ基と高いドナー性を
有するアミノ基とが導入された化合物が提案されてい
る。しかしながら、このようにして得られた材料は、そ
の隣接分子同士が中心対称になり易い上、透明性がよく
ないなどの問題点がある。
直線状分子、たとえばスチルベンなどの分子の両端に、
高いアクセプター性を有するニトロ基と高いドナー性を
有するアミノ基とが導入された化合物が提案されてい
る。しかしながら、このようにして得られた材料は、そ
の隣接分子同士が中心対称になり易い上、透明性がよく
ないなどの問題点がある。
【0007】これらの問題を解決するために、分子内の
π電子共役系の長さを限定したり、芳香族環内にヘテロ
原子を導入するなどの方法が試みられているが、根本的
な解決策は見出されていない。
π電子共役系の長さを限定したり、芳香族環内にヘテロ
原子を導入するなどの方法が試みられているが、根本的
な解決策は見出されていない。
【0008】
【発明の目的】本発明は上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであって、隣接分子同士が中心対称になりにく
く、透明性に優れ、しかも良好な非線形光学性を示す新
規な有機非線形光学材料およびこのような有機非線形光
学材料を含む光波長変換素子、電気光学素子などの非線
形光学素子を提供することを目的としている。
れたものであって、隣接分子同士が中心対称になりにく
く、透明性に優れ、しかも良好な非線形光学性を示す新
規な有機非線形光学材料およびこのような有機非線形光
学材料を含む光波長変換素子、電気光学素子などの非線
形光学素子を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明の有機非線形光学材料は、下記一
般式(I)
般式(I)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、AおよびA'はアクセプター性置
換基であり、Φ1およびΦ2はそれぞれ独立に芳香族環ま
たはヘテロ環であり、Xは単結合であるか、あるいは芳
香族環、ヘテロ環、アルキレン、シクロアルカン、アル
ケンであり、R1〜R3はそれぞれ独立して水素原子また
はアルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルキ
ルオキシ基からなる群より選ばれる基であり、iおよび
jは1以上の整数である。またAとA'とは同一であっ
ても異なっていてもよく、またR1とR'1とは同一であ
っても異なっていてもよい。)で表わされる有機化合物
からなることを特徴としている。
換基であり、Φ1およびΦ2はそれぞれ独立に芳香族環ま
たはヘテロ環であり、Xは単結合であるか、あるいは芳
香族環、ヘテロ環、アルキレン、シクロアルカン、アル
ケンであり、R1〜R3はそれぞれ独立して水素原子また
はアルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルキ
ルオキシ基からなる群より選ばれる基であり、iおよび
jは1以上の整数である。またAとA'とは同一であっ
ても異なっていてもよく、またR1とR'1とは同一であ
っても異なっていてもよい。)で表わされる有機化合物
からなることを特徴としている。
【0012】また本発明の非線形光学素子は、このよう
な有機非線形光学材料からなることを特徴としている。
な有機非線形光学材料からなることを特徴としている。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る有機非線形光
学材料について、具体的に説明する。本発明の有機非線
形光学材料は、上記式(I)で表わされる化合物からな
り、Φ1およびΦ2にアクセプター性置換基AおよびA'
が結合することによってΦ1およびΦ2の分極が生じ、式
(I)で表わさる化合物全体の分極が促進される。
学材料について、具体的に説明する。本発明の有機非線
形光学材料は、上記式(I)で表わされる化合物からな
り、Φ1およびΦ2にアクセプター性置換基AおよびA'
が結合することによってΦ1およびΦ2の分極が生じ、式
(I)で表わさる化合物全体の分極が促進される。
【0014】このようなアクセプター性置換基Aおよび
A'は、ハメット値σが 0<σ<0.8 の範囲にあることが好ましい。このような置換基を、具
体的に例示すると、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロ
メチル基、トリフルオロメチルメトキシ基、トリフルオ
ロメチルチオ基、カルバモイル基、ニトロソ基、シアナ
ト基、チオシアナト基、イソシアナト基、ホルミル基、
あるいはメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど
のアルコキシカルボニル基、ハロゲン化アルコキシカル
ボニル基、アセチル基、プロピノイル基、ハロゲン化ア
シル基、スルフォ基、スルフィノ基、スルフェノ基、ハ
ロゲン原子などが挙げられる。これらのうち特にニトロ
基が好ましい。
A'は、ハメット値σが 0<σ<0.8 の範囲にあることが好ましい。このような置換基を、具
体的に例示すると、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロ
メチル基、トリフルオロメチルメトキシ基、トリフルオ
ロメチルチオ基、カルバモイル基、ニトロソ基、シアナ
ト基、チオシアナト基、イソシアナト基、ホルミル基、
あるいはメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど
のアルコキシカルボニル基、ハロゲン化アルコキシカル
ボニル基、アセチル基、プロピノイル基、ハロゲン化ア
シル基、スルフォ基、スルフィノ基、スルフェノ基、ハ
ロゲン原子などが挙げられる。これらのうち特にニトロ
基が好ましい。
【0015】アクセプター性置換基Aは、Φ1およびΦ2
に1個または複数個結合しており、複数個のAがΦ1お
よびΦ2に結合している場合には、それぞれのAは互い
に同一であっても異なっていてもよい。
に1個または複数個結合しており、複数個のAがΦ1お
よびΦ2に結合している場合には、それぞれのAは互い
に同一であっても異なっていてもよい。
【0016】またアクセプター性置換基AとA'とは、
同一であってもよくまた異なっていてもよい。このよう
なアクセプター性置換基AおよびA'は、Φ1およびΦ2
の分極が促進されるように、Φ1およびΦ2に結合してい
ることが好ましい。たとえばΦ1およびΦ2がベンゼン環
である場合には、アクセプター性置換基AおよびA'
は、−NR2NR3CO−結合(カルボヒドラジド結合)
に対してパラ位でΦ1およびΦ2に結合していることが好
ましく、またアクセプター性置換基AおよびA'がそれ
ぞれ複数個ある場合には、上記のようなカルボヒドラジ
ド結合に対してパラ位およびメタ位でΦ1およびΦ2に結
合していることが好ましい。
同一であってもよくまた異なっていてもよい。このよう
なアクセプター性置換基AおよびA'は、Φ1およびΦ2
の分極が促進されるように、Φ1およびΦ2に結合してい
ることが好ましい。たとえばΦ1およびΦ2がベンゼン環
である場合には、アクセプター性置換基AおよびA'
は、−NR2NR3CO−結合(カルボヒドラジド結合)
に対してパラ位でΦ1およびΦ2に結合していることが好
ましく、またアクセプター性置換基AおよびA'がそれ
ぞれ複数個ある場合には、上記のようなカルボヒドラジ
ド結合に対してパラ位およびメタ位でΦ1およびΦ2に結
合していることが好ましい。
【0017】上記式(I)におけるΦ1およびΦ2は芳香
族環またはヘテロ環であり、芳香族環、複素5員環また
は複素6員環が好ましく、特にベンゼン環または複素5
員環が好ましい。これらの芳香族環またはヘテロ環が電
子共鳴の場を提供し、これらの環によって非線形光学効
果が有効に発揮されるようになる。Φ1およびΦ2として
の芳香族環またはヘテロ環を具体的に例示すると、下記
の通りである。
族環またはヘテロ環であり、芳香族環、複素5員環また
は複素6員環が好ましく、特にベンゼン環または複素5
員環が好ましい。これらの芳香族環またはヘテロ環が電
子共鳴の場を提供し、これらの環によって非線形光学効
果が有効に発揮されるようになる。Φ1およびΦ2として
の芳香族環またはヘテロ環を具体的に例示すると、下記
の通りである。
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】ここに示されたΦ1およびΦ2は同一であっ
ても異なっていてもよい。また上記(I)式におけるX
は単結合、または二価の基であり、この二価の基は芳香
族環、ヘテロ環、アルキレン、シクロアルカンからなる
群より選ばれる。ここでXとしては、具体的には、下記
のような芳香族環、ヘテロ環、アルキレン、シクロアル
カン、アルケンが例示される。
ても異なっていてもよい。また上記(I)式におけるX
は単結合、または二価の基であり、この二価の基は芳香
族環、ヘテロ環、アルキレン、シクロアルカンからなる
群より選ばれる。ここでXとしては、具体的には、下記
のような芳香族環、ヘテロ環、アルキレン、シクロアル
カン、アルケンが例示される。
【0022】
【化6】
【0023】ここで示されたXは−NR2NR3CO−結
合(カルボヒドラジド結合)に対してどのような位置で
結合していてもよい。とくにXがベンゼン環である場合
には、上記のようなカルボヒドラジド結合は互いにパラ
位およびメタ位でXに結合していることが好ましい。
合(カルボヒドラジド結合)に対してどのような位置で
結合していてもよい。とくにXがベンゼン環である場合
には、上記のようなカルボヒドラジド結合は互いにパラ
位およびメタ位でXに結合していることが好ましい。
【0024】上記Xが芳香族環、ヘテロ環、アルキレ
ン、シクロアルカン、アルケンである場合、これらのX
には種々の置換基が結合していてもよい。これらの置換
基の例としては、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、
ヒドロキシ基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル
基、アミド基等が上げられ、これらが組合わさった基で
もよい。また、これら置換基はカルボヒドラジド基に対
してどのような位置に付与していてもよい。このような
例としてXがベンゼン環であり、カルボヒドラジド基が
メタ位でベンゼン環に結合している場合、オルト位でメ
チル基が付与していることが好ましい。
ン、シクロアルカン、アルケンである場合、これらのX
には種々の置換基が結合していてもよい。これらの置換
基の例としては、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、
ヒドロキシ基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル
基、アミド基等が上げられ、これらが組合わさった基で
もよい。また、これら置換基はカルボヒドラジド基に対
してどのような位置に付与していてもよい。このような
例としてXがベンゼン環であり、カルボヒドラジド基が
メタ位でベンゼン環に結合している場合、オルト位でメ
チル基が付与していることが好ましい。
【0025】また上記(I)式におけるR1〜R3はそれ
ぞれ独立して水素原子またはアルキル基、アリール基、
アラルキル基およびアルキルオキシ基からなる群より選
ばれる基である。このうちのR1は、水素原子、または
アルキル基、特にそれぞれがメチル基またはエチル基で
あることが好ましく、R2およびR3は水素原子であるこ
とが好ましい。
ぞれ独立して水素原子またはアルキル基、アリール基、
アラルキル基およびアルキルオキシ基からなる群より選
ばれる基である。このうちのR1は、水素原子、または
アルキル基、特にそれぞれがメチル基またはエチル基で
あることが好ましく、R2およびR3は水素原子であるこ
とが好ましい。
【0026】上記のアルキル基は、直鎖状であっても分
岐状であってもよく、炭素数が1〜6であり、好ましく
は炭素数が1〜3である。このようなアルキル基として
は、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、
n-ブチル基などの直鎖状アルキル基、イソプロピル基、
sec-ブチル基、sec-アミル基などの2級アルキル基、te
rt- ブチル基、tert- アミル基などの3級アルキル基が
挙げられる。
岐状であってもよく、炭素数が1〜6であり、好ましく
は炭素数が1〜3である。このようなアルキル基として
は、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、
n-ブチル基などの直鎖状アルキル基、イソプロピル基、
sec-ブチル基、sec-アミル基などの2級アルキル基、te
rt- ブチル基、tert- アミル基などの3級アルキル基が
挙げられる。
【0027】上記のアリール基は、置換基を有していて
もよい。このようなアリール基としては、具体的には、
フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基などが
挙げられる。
もよい。このようなアリール基としては、具体的には、
フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基などが
挙げられる。
【0028】上記アラルキル基としては、具体的には、
ベンジル基、フェネチル基、α- メチルベンジル基、ト
リルメチル基などが挙げられる。上記のアルキルオキシ
基は、直鎖状であっても分岐していてもよく、このアル
キルオキシ基の炭素数は1〜8であり、好ましくは1〜
6である。このようなアルキル基としては、具体的に
は、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキ
シ基、n-ブチルオキシ基などの直鎖状アルキルオキシ
基、イソプロピルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、sec-
アミルオキシ基などの2級アルキルオキシ基、tert- ブ
チルオキシ基、tert- アミルオキシ基などの3級アルキ
ル基が挙げられる。
ベンジル基、フェネチル基、α- メチルベンジル基、ト
リルメチル基などが挙げられる。上記のアルキルオキシ
基は、直鎖状であっても分岐していてもよく、このアル
キルオキシ基の炭素数は1〜8であり、好ましくは1〜
6である。このようなアルキル基としては、具体的に
は、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキ
シ基、n-ブチルオキシ基などの直鎖状アルキルオキシ
基、イソプロピルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、sec-
アミルオキシ基などの2級アルキルオキシ基、tert- ブ
チルオキシ基、tert- アミルオキシ基などの3級アルキ
ル基が挙げられる。
【0029】上記のような化合物では、R1およびR'1
は、それぞれΦ1およびΦ2にカルボヒドラジド結合に対
して同じ位置で結合していることが好ましい。たとえば
Φ1およびΦ2がベンゼン環の場合には、R1はカルボヒ
ドラジド結合に対してオルト位でΦ1に結合されている
とともにR'1はカルボヒドラジド結合に対してオルト位
でΦ2に結合されているか、もしくはR1はカルボヒドラ
ジド結合に対してメタ位でΦ1に結合されているととも
にR1はカルボヒドラジド結合に対してメタ位でΦ2に結
合されていることが好ましい。この場合、2個のR1が
それぞれカルボヒドラジド結合に対してオルト位でΦ1
に結合されているか、もしくは2個のR4がそれぞれカ
ルボヒドラジド結合に対してオルト位でΦ2に結合され
ていてもよい。なおΦ1に複数のR1が結合している場
合、それぞれのR1は互いに同一であっても異なってい
てもよく、Φ2に複数のR1が結合している場合、それぞ
れのR1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
は、それぞれΦ1およびΦ2にカルボヒドラジド結合に対
して同じ位置で結合していることが好ましい。たとえば
Φ1およびΦ2がベンゼン環の場合には、R1はカルボヒ
ドラジド結合に対してオルト位でΦ1に結合されている
とともにR'1はカルボヒドラジド結合に対してオルト位
でΦ2に結合されているか、もしくはR1はカルボヒドラ
ジド結合に対してメタ位でΦ1に結合されているととも
にR1はカルボヒドラジド結合に対してメタ位でΦ2に結
合されていることが好ましい。この場合、2個のR1が
それぞれカルボヒドラジド結合に対してオルト位でΦ1
に結合されているか、もしくは2個のR4がそれぞれカ
ルボヒドラジド結合に対してオルト位でΦ2に結合され
ていてもよい。なおΦ1に複数のR1が結合している場
合、それぞれのR1は互いに同一であっても異なってい
てもよく、Φ2に複数のR1が結合している場合、それぞ
れのR1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0030】さらにR2および/またはR3は、いずれも
光学活性基であってもよい。R2および/またはR3が光
学活性基であると、分子の対称性が崩れ、単結晶を作製
した場合、隣接分子同士が中心対称となり難く、非線形
光学性が効果的に保持される。ここで、光学活性基とは
不整炭素を有する基、たとえば1つの炭素原子に3つの
異なる基、メチル基、エチル基、水素原子が結合してい
る置換基を意味する。 また、前記式(I)で表わされ
る化合物は、少なくとも1個の重水素を有していてもよ
い。
光学活性基であってもよい。R2および/またはR3が光
学活性基であると、分子の対称性が崩れ、単結晶を作製
した場合、隣接分子同士が中心対称となり難く、非線形
光学性が効果的に保持される。ここで、光学活性基とは
不整炭素を有する基、たとえば1つの炭素原子に3つの
異なる基、メチル基、エチル基、水素原子が結合してい
る置換基を意味する。 また、前記式(I)で表わされ
る化合物は、少なくとも1個の重水素を有していてもよ
い。
【0031】以上のような式(I)で表わされる化合物
としては、具体的には、以下の化合物が例示される。
としては、具体的には、以下の化合物が例示される。
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】上記式(I)で表わされる化合物として
は、特に上記化学式(2)で表わされるジ(4−ニトロ
フェニル)−1,3−フェニルジカルボヒドラジドが好
ましい。
は、特に上記化学式(2)で表わされるジ(4−ニトロ
フェニル)−1,3−フェニルジカルボヒドラジドが好
ましい。
【0036】このようなカルボヒドラジド誘導体は、Φ
1、Φ2骨格を有するヒドラジン誘導体たとえば
1、Φ2骨格を有するヒドラジン誘導体たとえば
【0037】
【化10】
【0038】と、ベンゼン骨格を有する酸クロライドた
とえば
とえば
【0039】
【化11】
【0040】とを塩基の存在下で縮合反応を行なうこと
によって得ることができる。なお原料として異なるアク
セプター性置換基を有する2種類のヒドラジン誘導体を
用いると、式(I)において異なるAとA'とを有する
カルボヒドラジド誘導体が得られる。
によって得ることができる。なお原料として異なるアク
セプター性置換基を有する2種類のヒドラジン誘導体を
用いると、式(I)において異なるAとA'とを有する
カルボヒドラジド誘導体が得られる。
【0041】この反応に用いられる塩基としては、ピリ
ジン、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどを挙げ
ることができ、特にピリジンまたはトリメチルアミンが
好ましい。またこれらの塩基は併用することもできる。
ジン、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどを挙げ
ることができ、特にピリジンまたはトリメチルアミンが
好ましい。またこれらの塩基は併用することもできる。
【0042】前記カルボヒドラジド誘導体は、R2およ
びR3がともに水素原子であるヒドラジン誘導体を原料
として用いた場合を例にとって説明すると、次式の反応
を経て得られる。
びR3がともに水素原子であるヒドラジン誘導体を原料
として用いた場合を例にとって説明すると、次式の反応
を経て得られる。
【0043】
【化12】
【0044】上記反応式から明らかなように、ヒドラジ
ン誘導体と酸クロライドとの縮合の際にHClが生じ、
反応を進めるためにはこのHClを塩基で中和すること
が必要であり、通常、酸クロライド1モルに対して2.
0〜5モル、好ましくは2〜8モルの塩基が用いられ
る。
ン誘導体と酸クロライドとの縮合の際にHClが生じ、
反応を進めるためにはこのHClを塩基で中和すること
が必要であり、通常、酸クロライド1モルに対して2.
0〜5モル、好ましくは2〜8モルの塩基が用いられ
る。
【0045】また、この反応は、通常、液相で行なわれ
る。この反応の際には、原料として用いられるヒドラジ
ン誘導体および酸クロライド、さらに生成するカルボヒ
ドラジド誘導体に対して化学的に不活性であり、かつ、
原料として用いられるヒドラジン誘導体および酸クロラ
イドを溶解する溶剤が用いられる。このような溶剤とし
ては、たとえば、芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族飽和炭
化水素系溶剤、脂肪族飽和ハロゲン化炭化水素系溶剤、
脂肪族不飽和炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤などの各
種溶剤が用いられ、特にテトラヒドロフラン(THF)
が好ましい。これらの溶剤は、単独であるいは2種類以
上の混合物として用いられる。
る。この反応の際には、原料として用いられるヒドラジ
ン誘導体および酸クロライド、さらに生成するカルボヒ
ドラジド誘導体に対して化学的に不活性であり、かつ、
原料として用いられるヒドラジン誘導体および酸クロラ
イドを溶解する溶剤が用いられる。このような溶剤とし
ては、たとえば、芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族飽和炭
化水素系溶剤、脂肪族飽和ハロゲン化炭化水素系溶剤、
脂肪族不飽和炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤などの各
種溶剤が用いられ、特にテトラヒドロフラン(THF)
が好ましい。これらの溶剤は、単独であるいは2種類以
上の混合物として用いられる。
【0046】上記反応は、通常、−20〜100℃、好
ましくは0〜50℃の温度範囲で行なわれる。また、こ
の反応は減圧下から、通常、60kg/cm2の加圧下
で行なうことができるが、0〜30kg/cm2、特に
0〜5kg/cm2の加圧下で行なうことが好ましい。
反応時間は、反応温度、圧力条件などに応じて適宜設定
され、特に限定されないが、通常、5〜100時間であ
り、好ましくは1〜10時間である。
ましくは0〜50℃の温度範囲で行なわれる。また、こ
の反応は減圧下から、通常、60kg/cm2の加圧下
で行なうことができるが、0〜30kg/cm2、特に
0〜5kg/cm2の加圧下で行なうことが好ましい。
反応時間は、反応温度、圧力条件などに応じて適宜設定
され、特に限定されないが、通常、5〜100時間であ
り、好ましくは1〜10時間である。
【0047】さらに上記反応は、通常、たとえばアルゴ
ンや窒素などの不活性雰囲気下で行なわれる。本発明に
係る有機非線形光学材料は、上記のような式(I)で表
わされる化合物からなり、結晶化状態で用いられる。
ンや窒素などの不活性雰囲気下で行なわれる。本発明に
係る有機非線形光学材料は、上記のような式(I)で表
わされる化合物からなり、結晶化状態で用いられる。
【0048】このような式(I)で表わされる化合物の
結晶は、単結晶であることが好ましいが、式(I)で表
わされる化合物と類似の結晶構造を有する他の成分との
共晶であってもよい。
結晶は、単結晶であることが好ましいが、式(I)で表
わされる化合物と類似の結晶構造を有する他の成分との
共晶であってもよい。
【0049】また上記のような式(I)で表わされる化
合物は、他のポリマーたとえばポリスチレン、ポリメタ
クリル酸メチル、ポリアミドなどと混合して、非線形光
学材料として用いることもできる。
合物は、他のポリマーたとえばポリスチレン、ポリメタ
クリル酸メチル、ポリアミドなどと混合して、非線形光
学材料として用いることもできる。
【0050】
【発明の効果】上述したように本発明に係る有機非線形
光学材料は、前記式(I)で表わされる有機化合物から
なり、Φ1環およびΦ2環によって共鳴の場が与えられ、
A、R 1によって分子分極および分子配列がバランスよ
く制御され、隣接分子同士が中心対称とならないので、
優れた非線形光学効果を有する。
光学材料は、前記式(I)で表わされる有機化合物から
なり、Φ1環およびΦ2環によって共鳴の場が与えられ、
A、R 1によって分子分極および分子配列がバランスよ
く制御され、隣接分子同士が中心対称とならないので、
優れた非線形光学効果を有する。
【0051】このため本発明に係る有機非線形光学材料
は、2次の非線形光学効果を利用した光波長変換素子、
電気光学素子などの非線形光学素子への応用に好適であ
る。
は、2次の非線形光学効果を利用した光波長変換素子、
電気光学素子などの非線形光学素子への応用に好適であ
る。
【0052】
【実施例】以下、本発明をさらに具体的な実施例に基づ
き説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
き説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0053】
【実施例1】300mlの3つ口フラスコにジクロロメタ
ン50mlとp-ニトロフェニルヒドラジン2.8gを入れ
た。室温で攪拌して、さらにピリジン15ccを加えた
後、テレフタロイルジクロライド1.6gが溶解された
20cc塩化メチレン溶液を滴下ロートからゆっくりと滴
下した。ただちに黄色沈澱が析出した。12時間室温で
攪拌した後、薄層クロマトで反応終了を確認してから、
加水分解した後油層を分離、水で洗浄し、水層をジクロ
ロメタンで抽出し、油層をあわせて、真空乾燥した。そ
の後テトラヒドロフラン/ヘキサンで再沈澱を行なった
ところ、前記化学式(1)で表されるビス(p−ニトロ
フェニル)-1,4- フェニレンジカルボヒドラジド
3.77gが得られた。
ン50mlとp-ニトロフェニルヒドラジン2.8gを入れ
た。室温で攪拌して、さらにピリジン15ccを加えた
後、テレフタロイルジクロライド1.6gが溶解された
20cc塩化メチレン溶液を滴下ロートからゆっくりと滴
下した。ただちに黄色沈澱が析出した。12時間室温で
攪拌した後、薄層クロマトで反応終了を確認してから、
加水分解した後油層を分離、水で洗浄し、水層をジクロ
ロメタンで抽出し、油層をあわせて、真空乾燥した。そ
の後テトラヒドロフラン/ヘキサンで再沈澱を行なった
ところ、前記化学式(1)で表されるビス(p−ニトロ
フェニル)-1,4- フェニレンジカルボヒドラジド
3.77gが得られた。
【0054】得られた粉末を用いて粉末法によるSHG
強度測定を行なった。入力はYAGレーザーを用いた。
SHG強度を尿素に対して比較した結果、6.4倍であ
った。
強度測定を行なった。入力はYAGレーザーを用いた。
SHG強度を尿素に対して比較した結果、6.4倍であ
った。
【0055】
【実施例2】300mlの3つ口フラスコにジクロロメタ
ン100mlとp-ニトロフェニルヒドラジン1.60gを
入れた。室温で攪拌して、さらにピリジン20ccを加え
た後、あらかじめジクロロメタン20ccに溶解させたイ
ソフタロイルクロライド1.0gを滴下ロートからゆっ
くりと滴下した。ただちに黄色沈澱が析出した。12時
間室温で攪拌した後、薄層クロマトで反応終了を確認し
てから、加水分解した後油層を分離、水で洗浄し、水層
をジクロロメタンで抽出し、油層をあわせて、真空乾燥
した。その後テトラヒドロフラン/ヘキサンで再沈澱を
行なったところ、前記化学式(2)で表されるビス(p
−ニトロフェニル)−1,3−フェニレンジカルボヒド
ラジド3.66gが得られた。
ン100mlとp-ニトロフェニルヒドラジン1.60gを
入れた。室温で攪拌して、さらにピリジン20ccを加え
た後、あらかじめジクロロメタン20ccに溶解させたイ
ソフタロイルクロライド1.0gを滴下ロートからゆっ
くりと滴下した。ただちに黄色沈澱が析出した。12時
間室温で攪拌した後、薄層クロマトで反応終了を確認し
てから、加水分解した後油層を分離、水で洗浄し、水層
をジクロロメタンで抽出し、油層をあわせて、真空乾燥
した。その後テトラヒドロフラン/ヘキサンで再沈澱を
行なったところ、前記化学式(2)で表されるビス(p
−ニトロフェニル)−1,3−フェニレンジカルボヒド
ラジド3.66gが得られた。
【0056】得られた粉末を用いて粉末法によるSHG
強度測定を行なった。入力はYAGレーザーを用いた。
SHG強度を尿素に対して比較した結果、17.5倍で
あった。
強度測定を行なった。入力はYAGレーザーを用いた。
SHG強度を尿素に対して比較した結果、17.5倍で
あった。
【0057】
【実施例3】300mlの2つ口フラスコに塩化メチレン
100mlとp-ニトロフェニルヒドラジン1.6gを入れ
た。室温で攪拌して、さらにピリジン20ccを加えた
後、塩化メチレンに溶解させた1.0gのフタリルクロ
ライドを滴下ロートからゆっくりと滴下した。反応進行
とともに赤色沈澱が析出してきた。24時間室温で攪拌
した後、薄層クロマトで反応終了を確認してから、加水
分解した後ロータリーエバポレーターで油分を除き、水
層をジクロロメタンで抽出し、油層をあわせて、真空乾
燥した。その後テトラヒドロフラン/ヘキサンで再沈澱
を行なって、前記化学式(3)で表されるビス(p−ニ
トロフェニル)−1,2−フェニレンジカルボヒドラジ
ド1.94gが得られた。
100mlとp-ニトロフェニルヒドラジン1.6gを入れ
た。室温で攪拌して、さらにピリジン20ccを加えた
後、塩化メチレンに溶解させた1.0gのフタリルクロ
ライドを滴下ロートからゆっくりと滴下した。反応進行
とともに赤色沈澱が析出してきた。24時間室温で攪拌
した後、薄層クロマトで反応終了を確認してから、加水
分解した後ロータリーエバポレーターで油分を除き、水
層をジクロロメタンで抽出し、油層をあわせて、真空乾
燥した。その後テトラヒドロフラン/ヘキサンで再沈澱
を行なって、前記化学式(3)で表されるビス(p−ニ
トロフェニル)−1,2−フェニレンジカルボヒドラジ
ド1.94gが得られた。
【0058】得られたの粉末を用いて粉末法によるSH
G強度測定を行なった。入力はYAGレーザーを用い
た。SHG強度を尿素に対して比較した結果、1.1倍
であった。
G強度測定を行なった。入力はYAGレーザーを用い
た。SHG強度を尿素に対して比較した結果、1.1倍
であった。
【0059】
【実施例4】100mlの2つ口フラスコに4,5−ナフ
タレンジカルボン酸1.08gとチオニルクロライド
7.5mlとDMF0.1ml、ヘキサン5mlをまぜ5時間
還流した。得られた溶液をアスピレーターで減圧し、酸
と過剰のチオニルクロライドとを除去した。このように
して4,5−ナフタレンジカルボン酸の酸無水物が得ら
れた。一方、THF10mlにp-ニトロフェニルヒドラジ
ン1.54gを入れた。室温で攪拌して、さらにピリジ
ン16ccを加えた後、THF30mlに溶解させたさきほ
どの4,5−ナフチルジカルボン酸の酸無水物を全量滴
下ロートからゆっくりと滴下した。反応進行とともに黄
色沈澱が析出してきた。24時間室温で攪拌した後、薄
層クロマトで反応終了を確認してから、これを水にあ
け、加水分解した後濾過し沈澱物を得た。この沈澱物を
乾燥した後、アセトン/ヘキサンで再沈澱を行なって、
前記化学式(6)で表されるビス(p−ニトロフェニ
ル)−4,5−ナフチレンジカルボヒドラジド0.42
gが得られた。
タレンジカルボン酸1.08gとチオニルクロライド
7.5mlとDMF0.1ml、ヘキサン5mlをまぜ5時間
還流した。得られた溶液をアスピレーターで減圧し、酸
と過剰のチオニルクロライドとを除去した。このように
して4,5−ナフタレンジカルボン酸の酸無水物が得ら
れた。一方、THF10mlにp-ニトロフェニルヒドラジ
ン1.54gを入れた。室温で攪拌して、さらにピリジ
ン16ccを加えた後、THF30mlに溶解させたさきほ
どの4,5−ナフチルジカルボン酸の酸無水物を全量滴
下ロートからゆっくりと滴下した。反応進行とともに黄
色沈澱が析出してきた。24時間室温で攪拌した後、薄
層クロマトで反応終了を確認してから、これを水にあ
け、加水分解した後濾過し沈澱物を得た。この沈澱物を
乾燥した後、アセトン/ヘキサンで再沈澱を行なって、
前記化学式(6)で表されるビス(p−ニトロフェニ
ル)−4,5−ナフチレンジカルボヒドラジド0.42
gが得られた。
【0060】得られた粉末を用いて粉末法によるSHG
強度測定を行なった。入力はYAGレーザーを用いた。
SHG強度を尿素に対して比較した結果、1.1倍であ
った。
強度測定を行なった。入力はYAGレーザーを用いた。
SHG強度を尿素に対して比較した結果、1.1倍であ
った。
【0061】
【実施例5】100mlの2つ口フラスコにシクロヘキシ
ルジカルボン酸0.86g、チオニルクロライド3.6
2ml、DMF0.1ml、ヘキサン5mlをまぜ、2時間還
流した。得られた溶液をアスピレーターで減圧し、酸と
過剰のチオニルクロライドとを除去した。このようにし
てシクロヘキシルカルボン酸の酸無水物が得られた。
ルジカルボン酸0.86g、チオニルクロライド3.6
2ml、DMF0.1ml、ヘキサン5mlをまぜ、2時間還
流した。得られた溶液をアスピレーターで減圧し、酸と
過剰のチオニルクロライドとを除去した。このようにし
てシクロヘキシルカルボン酸の酸無水物が得られた。
【0062】次にTHF10mlにp-ニトロフェニルヒド
ラジン1.54gを入れた。室温で攪拌して、さらにピ
リジン16ccを加えた後、さきほどのシクロヘキシルジ
カルボン酸の酸無水物をTHF50mlで希釈した溶液を
滴下ロートからゆっくりと滴下した。24時間室温で攪
拌した後、薄層クロマトで反応終了を確認してから、こ
れを水にあけ加水分解した後、濾過し沈澱物を得た。こ
れを真空乾燥した後、アセトン/ヘキサンで再結晶を行
なって、前記化学式(8)で表されるビス(p−ニトロ
フェニル)−1,4−シクロヘキシルジカルボヒドラジ
ド1.58gが得られた。
ラジン1.54gを入れた。室温で攪拌して、さらにピ
リジン16ccを加えた後、さきほどのシクロヘキシルジ
カルボン酸の酸無水物をTHF50mlで希釈した溶液を
滴下ロートからゆっくりと滴下した。24時間室温で攪
拌した後、薄層クロマトで反応終了を確認してから、こ
れを水にあけ加水分解した後、濾過し沈澱物を得た。こ
れを真空乾燥した後、アセトン/ヘキサンで再結晶を行
なって、前記化学式(8)で表されるビス(p−ニトロ
フェニル)−1,4−シクロヘキシルジカルボヒドラジ
ド1.58gが得られた。
【0063】得られた粉末を用いて粉末法によるSHG
強度測定を行なった。入力はYAGレーザーを用いた。
SHG強度を尿素に対して比較した結果、1.1倍であ
った。
強度測定を行なった。入力はYAGレーザーを用いた。
SHG強度を尿素に対して比較した結果、1.1倍であ
った。
【0064】
【実施例6】200mlの2つ口フラスコにTHF10ml
とp-ニトロフェニルヒドラジン1.54gを入れた。室
温で攪拌して、さらにピリジン16ccを加えた後、あら
かじめTHFに溶解させた(COCl)25mmolを
滴下ロートからゆっくりと滴下した。12時間室温で攪
拌した後、薄層クロマトで反応終了を確認してから、こ
れを水にあけ、加水分解した後沈澱物を濾過した。これ
を真空乾燥したのち、テトラヒドロフラン/ヘキサンで
再沈澱を行なったところ、前記化学式(10)で表され
るビス(p−ニトロフェニル)ジカルボヒドラジド0.
22gが得られた。
とp-ニトロフェニルヒドラジン1.54gを入れた。室
温で攪拌して、さらにピリジン16ccを加えた後、あら
かじめTHFに溶解させた(COCl)25mmolを
滴下ロートからゆっくりと滴下した。12時間室温で攪
拌した後、薄層クロマトで反応終了を確認してから、こ
れを水にあけ、加水分解した後沈澱物を濾過した。これ
を真空乾燥したのち、テトラヒドロフラン/ヘキサンで
再沈澱を行なったところ、前記化学式(10)で表され
るビス(p−ニトロフェニル)ジカルボヒドラジド0.
22gが得られた。
【0065】得られた粉末を用いて粉末法によるSHG
強度測定を行なった。入力はYAGレーザーを用いた。
SHG強度を尿素に対して比較した結果、1.1倍であ
った。
強度測定を行なった。入力はYAGレーザーを用いた。
SHG強度を尿素に対して比較した結果、1.1倍であ
った。
【0066】
【実施例7】100mlの2つ口フラスコにマレイン酸
0.58g、チオニルクロライド3.62ml、DMF
0.1ml、ヘキサン5mlをまぜ、5時間還流した。得ら
れた溶液をアスピレーターで減圧し、酸と過剰のチオニ
ルクロライドとを除去した。このようにしてマレイン酸
の酸無水物が得られた。
0.58g、チオニルクロライド3.62ml、DMF
0.1ml、ヘキサン5mlをまぜ、5時間還流した。得ら
れた溶液をアスピレーターで減圧し、酸と過剰のチオニ
ルクロライドとを除去した。このようにしてマレイン酸
の酸無水物が得られた。
【0067】次にTHF10mlにp-ニトロフェニルヒド
ラジン1.54gを入れた。室温で攪拌して、さらにピ
リジン16ccを加えた後、さきほどのマレイン酸の酸無
水物をTHF20mlで希釈した溶液を滴下ロートからゆ
っくりと滴下した。24時間室温で攪拌した後、薄層ク
ロマトで反応終了を確認してから、これを水にあけ加水
分解した後、濾過し沈澱物を得た。これを真空乾燥した
後、アセトン/ヘキサンで再結晶を行なったところ、前
記化学式(13)で表されるビス(p−ニトロフェニ
ル)エチニルジカルボヒドラジド0.1gが得られた。
ラジン1.54gを入れた。室温で攪拌して、さらにピ
リジン16ccを加えた後、さきほどのマレイン酸の酸無
水物をTHF20mlで希釈した溶液を滴下ロートからゆ
っくりと滴下した。24時間室温で攪拌した後、薄層ク
ロマトで反応終了を確認してから、これを水にあけ加水
分解した後、濾過し沈澱物を得た。これを真空乾燥した
後、アセトン/ヘキサンで再結晶を行なったところ、前
記化学式(13)で表されるビス(p−ニトロフェニ
ル)エチニルジカルボヒドラジド0.1gが得られた。
【0068】得られた粉末を用いて粉末法によるSHG
強度測定を行なった。入力はYAGレーザーを用いた。
SHG強度を尿素に対して比較した結果、1.1倍であ
った。
強度測定を行なった。入力はYAGレーザーを用いた。
SHG強度を尿素に対して比較した結果、1.1倍であ
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山 中 徹 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井石油化学工業株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、AおよびA'はアクセプター性置換基であり、
Φ1およびΦ2はそれぞれ独立して芳香族環またはヘテロ
環であり、Xは単結合であるか、あるいは芳香族環、ヘ
テロ環、アルキレン、シクロアルカンまたはアルケンで
あり、R1〜R3はそれぞれ独立して水素原子またはアル
キル基、アリール基、アラルキル基およびアルキルオキ
シ基からなる群より選ばれる基であり、iおよびjは1
以上の整数である。AとA'とは同一であっても異なっ
ていてもよく、またR1とR'1とは同一であっても異な
っていてもよい。)で表わされる有機化合物からなるこ
とを特徴とする有機非線形光学材料。 - 【請求項2】 Φ1およびΦ2が、ベンゼン環または複素
5員環である請求項1記載の有機非線形光学材料。 - 【請求項3】 Φ1およびΦ2がベンゼン環であって、か
つAがカルボヒドラジド結合に対してパラ位でΦ1およ
びΦ2に結合されている請求項2記載の有機非線形光学
材料。 - 【請求項4】 R2および/またはR3が、光学活性基で
ある請求項1記載の有機非線形光学材料。 - 【請求項5】 前記式(I)で表わされる有機化合物
が、少なくとも1つの重水素を有する請求項1記載の有
機非線形光学材料。 - 【請求項6】 請求項1記載の有機非線形光学材料を含
むことを特徴とする非線形光学素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28034692A JPH06128557A (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 有機非線形光学材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28034692A JPH06128557A (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 有機非線形光学材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06128557A true JPH06128557A (ja) | 1994-05-10 |
Family
ID=17623731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28034692A Pending JPH06128557A (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 有機非線形光学材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06128557A (ja) |
-
1992
- 1992-10-19 JP JP28034692A patent/JPH06128557A/ja active Pending
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