JPH06128198A - カーボネート化合物の製造方法 - Google Patents

カーボネート化合物の製造方法

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JPH06128198A
JPH06128198A JP4280063A JP28006392A JPH06128198A JP H06128198 A JPH06128198 A JP H06128198A JP 4280063 A JP4280063 A JP 4280063A JP 28006392 A JP28006392 A JP 28006392A JP H06128198 A JPH06128198 A JP H06128198A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】芳香環にOH基を有する化合物とジカーボネー
トとの反応によってカーボネート化合物を製造する方法
において、反応後に水洗操作を行うことなくカーボネー
ト化合物を収率よく製造する。 【構成】芳香環にOH基またはSH基を結合して有する
化合物、例えば、フェノールを、アミンや有機溶媒の不
存在下に30〜70℃で、例えば、ジアルキルジカーボ
ネートと反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カーボネート化合物を
工業的に有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カーボネート基を有するカーボネート化
合物は、溶媒さらには高分子材料として古くから知られ
ている化合物であるが、近年、化学増幅型レジスト材料
あるいはアミノ基のアシル化剤等の新規な用途が開拓さ
れている。このような用途に使用されるカーボネート化
合物としては、種々の構造のものが知られているが、ア
ミノ基のアシル化剤としては、例えば、下記式
【0003】
【化2】
【0004】(但し、Phはフェニル基であり、Rはア
ルキル基である。)で示されるカーボネート化合物が知
られている(オーガニック シンセシス、53巻、25
〜29頁、(1973年))。
【0005】このようなカーボネート化合物は、一般に
芳香環にOH基を有する化合物とジアルキルジカーボネ
ートとを、反応を促進させるためにアミンの存在下に、
また、原料のジアルキルカーボネートと生成するカーボ
ネート化合物の熱分解を避けるために常温で反応させる
ことにより製造される。具体的には、フェノールまたは
その誘導体とジアルキルカーボネートとを、フェノール
またはその誘導体と当量の第3アミンまたはピリジンの
存在下に常温で有機溶媒中で反応させる方法(特開平2
−9859号公報)、触媒量のジメチルアミノピリジン
の存在下に常温で有機溶媒中で反応させる方法(ヨーロ
ッパ公開特許第321844号公報)、さらには溶媒と
してピリジンを使用して常温で反応させる方法(米国特
許第4683241号明細書)が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、カーボ
ネート化合物を効率良く製造するために各種の製造方法
について検討を行った。その結果、上記の製造方法はい
ずれもアミンが反応系に存在しており、反応終了後にア
ミンを除去するために水洗等の操作を別途行わなければ
ならない。また、上記の製造方法は有機溶媒を使用して
おり、反応によって原料のジカーボネートに対応するア
ルコールが副生するため、用いた有機溶媒を再使用する
際には、アルコールの分離が必要になるという問題があ
った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、芳香環に
OH基を有する化合物とジアルキルジカーボネートとの
反応によってカーボネート化合物を製造する方法におい
て、反応後に水洗及アルコールの分離等の操作を行わな
くてもよいようにアミン及び有機溶媒を使用しないでカ
ーボネート化合物を合成する方法について鋭意検討し
た。その結果、これらを使用しなくても反応温度を比較
的高くすることによって、ジアルキルジカーボネートや
カーボネート化合物がほとんど分解することなくアミン
及び有機溶媒を使用したときと同程度の収率でカーボネ
ート化合物が得られることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0008】即ち、本発明は、芳香環にOH基またはS
H基を結合して有する化合物を、アミンおよび有機溶媒
の不存在下に30〜70℃で一般式(1)
【0009】
【化3】
【0010】(但し、R1は、アルキル基、アルケニル
基またはアラルキル基である。)で示されるジカーボネ
ートと反応させることを特徴とするカーボネート化合物
の製造方法である。
【0011】本発明において、芳香環にOH基またはS
H基を結合して有する化合物は、芳香環への置換基の種
類、数或いは位置によって何等制限されるものではな
く、芳香環に直接OH基またはSH基が結合した公知の
化合物を何等制限なく用いることができる。
【0012】このような芳香環にOH基またはSH基を
結合して有する化合物は、下記式 Ar−(XH)n (但し、Arは、それぞれ置換されていてもよいアリー
ル基またはヘテロアリール基であり、XはOまたはSで
あり、nは1〜アリール基またはヘテロアリール基の最
大置換可能数である。)で示すことができる。上記式中
のアリール基は、ベンゼン環1個または2個以上の縮合
環から誘導される1価の基を挙げることができ、具体的
には、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、
アントラセン環等を例示することができる。また、上記
式中のヘテロアリール基は、窒素原子、イオウ原子、酸
素原子の1〜3個をヘテロ原子として含む5〜7員環、
または、これとベンゼン環との縮合環から誘導される一
価の基を挙げることができ、具体的には、ピロール環、
ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピラジン
環、ピリミジン環、ピリダジン環、チオフェン環、ベン
ゾチオフェン環、フラン環、ベンゾフラン環等を例示す
ることができる。
【0013】このようなアリール基またはヘテロアリー
ル基は各種の置換基で置換されていてもよい。置換基と
しては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、
シアノ基、カルボキシル基、スルホン基、アルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール
基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキ
シ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル
基、アリールカルボニル基等の各種の基を例示すること
ができる。これらの置換基は一分子中に一個以上含まれ
ていてもよい。
【0014】また、nは1〜アリール基またはヘテロア
リール基の最大置換可能数であり、一分子中にOH基ま
たはSH基が複数個含まれていてもよい。さらに、上記
の置換基はOH基またはSH基で置換されていてもよ
い。
【0015】上記の芳香環にOH基またはSH基を結合
して有する化合物を具体的に例示すると、フェノール、
カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフ
ェノール−A;2−,3−,4−クレゾール、2,4,
6−トリメチルフェノール等のアルキル化フェノール誘
導体;4−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシビフェ
ニル等のアリル化フェノール誘導体;1−,3−,4−
クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール等のハ
ロゲン化フェノール誘導体;2−,3−,4−ニトロフ
ェノール等のニトロ化フェノール誘導体;2−,3−,
4−シアノフェノール等のシアノ化フェノール誘導体;
2−,3−,4−メトキシフェノール等のアルコキシ化
フェノール誘導体;4−ヒドロキシアセトフェノン、4
−ヒドロキシベンゾフェノン等のアシル化フェノール誘
導体;フェノールフタレイン、o−クレゾールフタレイ
ン等のフェノール骨格を有する発色試薬;2−,3−,
4−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシイソキノリ
ン、2−ヒドロキシピリミジン等のヒドロキシル化複素
環化合物、さらには上記化合物中のOH基をSH基に換
えたチオール誘導体を挙げることができる。
【0016】一方、本発明において使用されるジカーボ
ネートは、上記式(1)で示される化合物である。式
中、R1で示されるアルキル基は、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基等の低級アルキル基が好適
であり、アルケニル基はアリル基が好適であり、アラル
キル基はベンジル基が好適である。
【0017】一般式(1)で示されるジカーボネートを
具体的に例示すると、ジ−t−ブチルジカーボネート、
ジメチルジカーボネート、ジエチルジカーボネート、ジ
−i−プロピルジカーボネート、ジアリルジカーボネー
ト、ジベンジルジカーボネート等を挙げることができ
る。
【0018】これら、ジカーボネートの使用量について
は、何等制限されるものではないが、あまり過剰に使用
すると経済的に有利な方法とは言えないため、芳香環に
OH基またはSH基を結合して有する化合物のOH基ま
たはSH基1当量に対して0.8〜3当量、さらには
1.0〜2.0当量の範囲であることが好ましい。
【0019】本発明はアミンおよび有機溶媒の不存在下
に反応が行われる。アミンとしては、第1アミン、第二
アミン、第三アミンを含む。また、有機溶媒は使用せ
ず、ジカーボネート自身を溶媒として反応が行われる。
【0020】本反応は30〜70℃の範囲で行うことが
重要である。この温度より低い温度で反応を行うと反応
速度が際だって遅くなり、またこの温度より高い温度で
反応を行うとジカーボネートの分解反応が促進され、基
質に対するジカーボネートの使用量が増大してしまうた
めに好ましくない。本発明においては、特に40〜60
℃の温度範囲で反応を行うことが好ましい。
【0021】反応は、常圧、加圧、減圧のいずれの場合
も実施可能であり、反応に要する時間は、反応温度によ
っても異なるが、通常は1〜40時間で十分である。
【0022】このようにして、カーボネート化合物を得
ることができる。本発明において好適に製造し得るカー
ボネート化合物を一般式で示すと次のとおりである。
【0023】
【化4】
【0024】(但し、R1はアルキル基、アルケニル基
またはアラルキル基であり、Arは置換されていてもよ
いアリール基またはヘテロアリール基であり、XはOま
たはSであり、nは1〜アリール基またはヘテロアリー
ル基の最大置換可能数である。)
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、芳香環にOH基を有す
る化合物とジアルキルジカーボネートとの反応によって
カーボネート化合物を製造する方法において、反応後に
水洗等の操作を行うことなくカーボネート化合物を高収
率で得ることができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0027】実施例1 50mlの茄子型フラスコにフェノール0.94g
(0.1mol)、ジ−t−ブチルジカーボネート3.
27g(0.15mol)を加え50℃で攪拌した。2
0時間反応させた後、高速液体クロマトグラフィー(以
下、HPLCと称す。)で定量したところ、96.3%
の収率でt−ブチルフェニルカーボネートが得られた。
反応終了後、後処理操作をすることなく直接反応生成物
を蒸留することによりt−ブチルフェニルカーボネート
を回収することができた。
【0028】実施例2および比較例1 表1に示した温度で反応させたこと以外は実施例1と同
様にした。その結果を表1に示した。なお、反応終了後
は、何等後処理操作をすることなく直接蒸留することに
よりカーボネート化合物を回収することができた。
【0029】
【表1】
【0030】実施例3 表2に示した各種の芳香環にOH基またはSH基を結合
して有する化合物およびジカーボネートを用いて、実施
例1と同様に操作した結果を表2に示した。
【0031】
【表2】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香環にOH基またはSH基を結合して有
    する化合物を、アミンおよび有機溶媒の不存在下に30
    〜70℃で一般式(1) 【化1】 (但し、R1は、アルキル基、アルケニル基またはアラ
    ルキル基である。)で示されるジカーボネートと反応さ
    せることを特徴とするカーボネート化合物の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001302555A (ja) * 2000-04-28 2001-10-31 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd N−アルコキシカルボニル化合物の製造法
US11158549B2 (en) 2017-06-21 2021-10-26 Siltronic Ag Method, control system and plant for processing a semiconductor wafer, and semiconductor wafer
JP2022184971A (ja) * 2017-04-10 2022-12-13 メルク パテント ゲーエムベーハー 有機機能材料の調合物

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