JPH06128011A - 撥水性ケイ酸カルシウム成形体及びその製法 - Google Patents

撥水性ケイ酸カルシウム成形体及びその製法

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JPH06128011A
JPH06128011A JP27738292A JP27738292A JPH06128011A JP H06128011 A JPH06128011 A JP H06128011A JP 27738292 A JP27738292 A JP 27738292A JP 27738292 A JP27738292 A JP 27738292A JP H06128011 A JPH06128011 A JP H06128011A
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water
calcium silicate
polyorganosiloxane
repellent
compact
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Toru Tagawa
徹 田川
Yasoji Ozawa
八十治 小沢
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Mitsubishi Kasei Corp
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Mitsubishi Kasei Corp
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/18Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing mixtures of the silica-lime type
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 撥水性に富み且つ曲げ強度の大きい軽量のケ
イ酸カルシウム成形体の製法を提供する。 【構成】 石灰質原料とケイ酸質原料とを水に分散さ
せ、加熱下に反応させてケイ酸カルシウム水性スラリー
とする、これにポリオルガノシロキサンを長鎖脂肪族カ
ルボン酸のアミン塩よりなるアニオン系界面活性剤で水
中に乳化してなるエマルションを加え、脱水成形−(水
蒸気養生)−乾燥して成形体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は撥水性ケイ酸カルシウム
成形体及びその製造法に関するものである。特に本発明
は曲げ強度の大きい撥水性ケイ酸カルシウム成形体及び
その製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ケイ酸カルシウム成形体は建材、断熱材
などとして広く用いられているが、近年は熱伝導率が低
く且つ高強度の製品に対する要求が高まっている。熱伝
導率を低下させるには製品の軽量化、すなわち嵩密度を
小さくすることが必要であるが、これは空隙率の増大、
すなわち潜在的な吸水率の増大を伴う。ケイ酸カルシウ
ム成形体はいったん吸水すれば熱伝導率の著しい上昇が
生じ、保温・保冷機能が低下する。また建材として使用
した場合には、寒冷地においては吸水率が大きいと凍結
により成形体の破壊が起る。
【0003】従ってケイ酸カルシウム成形体に撥水性を
付与して吸水性を低下させる試みが種々なされている。
例えばその一つとして、撥水剤をケイ酸カルシウム成形
体に塗布する方法がある。しかしこの方法では十分な撥
水性を付与することができない。また、施行現場で寸法
合せのためケイ酸カルシウム成形体を切断すると、切断
面に改めて撥水剤を塗布しなければならず、施行に手間
がかかる。ケイ酸カルシウム成形体に撥水性を付与する
他の方法として、ケイ酸カルシウム水性スラリーにポリ
オルガノシロキサンを添加したのち脱水成形し、そのま
ま乾燥するか又は水蒸気養生したのち乾燥する方法が提
案されている(特開昭57−123851,58−22
52,59−92963,59−213659,62−
56347参照)。この方法では成形体の内部にも撥水
性を付与することができるが、成形体の強度が低下する
欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は撥水性に優
れ、かつ強度の大きいケイ酸カルシウム成形体及びその
製造法を提供せんとするものである。特に本発明はポリ
オルガノシロキサンを用いて成形体の内部にも撥水性を
付与する方法を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るケイ酸カル
シウム成形体は、ポリオルガノシロキサンを含むケイ酸
カルシウム水性スラリーを脱水成形する工程を経て製造
され、嵩密度(G)が0.40〜0.60g/cm3
曲げ強度が〔30+300×(G−0.40)〕kg/
cm2 以上、吸水率が10%以下という特性を有してい
る。
【0006】また、このケイ酸カルシウム成形体は、水
中に分散させた石灰質原料とケイ酸質原料とを加熱下に
反応させて得られるケイ酸カルシウム水性スラリーに、
ポリオルガノシロキサンを長鎖脂肪族カルボン酸のアミ
ン塩よりなるアニオン系界面活性剤で水中に乳化してな
るエマルションを添加したのち脱水成形し、そのまま乾
燥するか又は水蒸気養生したのち乾燥することにより製
造することができる。
【0007】本発明について更に詳細に説明すると、本
発明では常法によるケイ酸カルシウム成形体の製造に際
し、ケイ酸カルシウム水性スラリーにポリオルガノシロ
キサンのエマルションを添加して脱水成形する。本発明
で成形体の製造に用いるケイ酸カルシウム水性スラリー
は、常法に従って石灰質原料とケイ酸質原料とを水中で
加熱反応させることにより製造することができる。石灰
質原料としては生石灰、消石灰、カーバイド滓などが用
いられる。ケイ酸質原料としては珪藻土、珪石などの天
然品やシリコンダストその他の工業副産物などが用いら
れる。石灰質原料とケイ酸質原料との配合比(CaO/
SiO2 モル比)は通常0.7〜1.2であり、これら
の原料を重量比で10倍以上、好ましくは15〜40倍
の水に分散させ、80〜230℃で0.5〜10時間反
応させることにより、ケイ酸カルシウム水性スラリーが
生成する。
【0008】ケイ酸カルシウムは一般にテーラー(H.
F.W.Taylor)著「ザ・ケミストリー・オブ・
セメント(The Chemistry of Cem
ents)」第1巻、第182頁の表IIに示す分類に従
って整理される。上記で得られるケイ酸カルシウムはト
バモライトゲル、C−S−H(II)、C−S−H(I)
及び結晶性トバモライトからなるトバモライトグループ
の化合物、またはゾノトライトのいずれであってもよい
が、トバモライトグループの化合物を多く含む方が好ま
しい。
【0009】ケイ酸カルシウム水性スラリーには通常、
補強用の繊維が添加される。繊維はスラリーの製造過程
で添加してもよく、また生成した水性スラリーに添加し
てもよい。繊維としては岩綿、ガラス繊維、炭素繊維、
パルプ等が用いられる。繊維の添加量は、補強効果およ
び費用の点からして最終的に生成するケイ酸カルシウム
成形体に対し通常、0.5〜10(重量)%である。好
ましくは5(重量)%以下、特に1〜5(重量)%とな
る量を添加する。
【0010】本発明では、成形体に撥水性を付与するた
め、ポリオルガノシロキサンのエマルションを水性スラ
リーに添加したのち脱水成形する。ポリオルガノシロキ
サンとしては通常、25℃における粘度が0.5〜10
10センチストークス、好ましくは20〜104 センチス
トークスのものが用いられる。通常はポリジメチルシロ
キサンが用いられるが、メチル基の一部がフェニル基な
ど他の炭化水素基又は水素に置換した構造のポリオルガ
ノシロキサン、更には水酸基、カルボキシル基、アミノ
基などの官能基を有するポリオルガノシロキサンを用い
ることもできる。このようなポリオルガノシロキサンは
公知であり、例えば商品としてはSH200,SF84
18(いずれも東レダウコーニングシリコーン(株)製
品)、KF−54,KF−99(いずれも信越シリコー
ン(株)製)などがあげられる。
【0011】本発明ではポリオルガノシロキサンは長鎖
脂肪族カルボン酸のアミン塩からなるアニオン性界面活
性剤でエマルション化して水性スラリーに添加する。長
鎖脂肪族カルボン酸成分としては、カプロン酸、カプリ
ル酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸などが用いられる。好ましくはミリスチン酸やパ
ルミチン酸など炭素数12〜18のものが用いられる。
アミン成分としては、N,N−ジメチルエタノールアミ
ン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−メチル−
N,N−ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノ
アルコールを用いるのが好ましい。
【0012】ポリオルガノシロキサンのエマルションを
製造するに、ポリオルガノシロキサンに対し重量で等量
〜2倍量程度の水と、0.001〜0.3倍量、好まし
くは0.01〜0.2倍量の上記の界面活性剤とを添加
して、常法に従いホモミキサ、ホモゲナイザー、コロイ
ドミル、超音波乳化機等で乳化すればよい。エマルショ
ンの液滴径は0.5〜5μm程度であればよい。液滴径
が大きすぎると同量のポリオルガノシロキサンを用いて
も、得られる成形体の吸水率が大きくなる傾向にある。
【0013】ポリオルガノシロキサンは、最終的に生成
するケイ酸カルシウム成形体に対し、20(重量)%以
下、通常は1〜15(重量)%となるように添加する。
一般に添加量が多いほど最終的に得られる成形体の撥水
性は向上するが、費用がかさみ且つエマルションに含ま
れている有機成分のため成形体の耐火性、耐熱性が低下
する。総合的にみて、ポリオルガノシロキサンの好適な
添加量は2〜5(重量)%である。ポリオルガノシロキ
サンのエマルションを添加したケイ酸カルシウム水性ス
ラリーは、次いで常法に従い脱水成形して所定の形状の
成形品とする。かくして得られた成形品はそのまま乾燥
して製品としてもよく、又は水蒸気養生したのち乾燥し
て製品としてもよい。水性スラリー中のケイ酸カルシウ
ムの結晶化が不十分な場合には、水蒸気養生するのが好
ましい。水性スラリー中のケイ酸カルシウムがトバモラ
イトゲル、C−S−H(II)、またはC−S−H(I)
の場合には、水蒸気養生によりトバモライトまたはゾノ
トライトに転移させることができる。
【0014】最終的に得られる撥水性ケイ酸カルシウム
成形体の嵩密度は、成形体の用途に応じて調節する。嵩
密度は成形体の強度と相関があり、嵩密度が小さくなる
と強度は著るしく小さくなる。成形品を建材として用い
る場合には、0.40〜0.60g/cm3 、特に0.
45〜0.60g/cm3 の嵩密度が適当である。本発
明によれば、この嵩密度(G)で曲げ強度が〔30+3
00×(G−0.40)〕kg/cm2 以上、吸水率が
10%以下、更には9%以下の成形体を得ることができ
る。
【0015】
【実施例】つぎに、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例中の「部」は「重量部」、
「%」は「重量%」を示す。 〔ケイ酸カルシウム水性スラリーの製造〕生石灰(Ca
O 94.5%)44.5部に温水を加えて消化し、こ
れに珪石(SiO2 96.7%)55.5部を添加した
のち、総水量が固形分に対して30倍になるように水を
加えた。この懸濁液をオートクレーブ中で200℃で3
時間反応させ、トバモライト系のケイ酸カルシウム水性
スラリーを得た。
【0016】実施例1 ポリジメチルシロキサン(SH200,50cSt;東
レダウコーニングシリコーン(株)製)100部に対し
てミリスチン酸ジメチルエタノールアミン塩10部を添
加し、さらに80℃の温水110部を加えた。これをホ
モミキサーにより予備乳化し、さらに高圧ピストン型ホ
モジナイザーを用いて均質化を行ってエマルションを得
た。
【0017】上記のケイ酸カルシウム水性スラリーに、
最終的に生成するケイ酸カルシウム成形体に対しポリジ
メチルシロキサンとして2.73%となるようにエマル
ションを添加し、さらに、耐アルカリ性ガラス繊維3部
を添加した。この水性スラリーを10cm角の金型に注
入し、厚さ約1cmとなる様に脱水成形した。これを、
180℃で2.5時間乾燥して嵩密度約0.50g/c
3 の成形体を得た。
【0018】実施例2 実施例1のミリスチン酸ジメチルエタノールアミン塩の
かわりにミリスチン酸ジエタノールアミン塩を用いた以
外は実施例1と同様にして成形体を得た。
【0019】比較例1 実施例1のミリスチン酸ジメチルエタノールアミン塩の
かわりに、同じくアニオン系界面活性剤であるジオクチ
ルスルホコハク酸ソーダ(ペレックスOTP;花王
(株)製)2部を用いた以外は、実施例1と同様にして
成形体を得た。
【0020】比較例2 実施例1のミリスチン酸ジメチルエタノールアミン塩の
かわりに、同じくアニオン系界面活性剤であるポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸ソーダ(レベノールW
X;花王(株)製)2部を用いた以外は、実施例1と同
様にして成形体を得た。
【0021】比較例3 実施例1のミリスチン酸ジメチルエタノールアミン塩の
かわりに、カチオン系界面活性剤であるステアリルアミ
ン酢酸塩(アセタミン86;花王(株)製)10部を用
いた以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。
【0022】比較例4 実施例1のミリスチン酸ジメチルエタノールアミン塩の
かわりに、モノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウムク
ロライド(アーカードC50;ライオンアクゾ(株)
製)2部を用いた以外は、実施例1と同様にした成形体
を得た。
【0023】比較例5 実施例1のミリスチン酸ジメチルエタノールアミン塩の
かわりに、ノニオン系界面活性剤であるポリオキシエチ
レン−ポリオキシアルキレンブロックマー(プルロニッ
クL44;旭電化(株)製)2部を用いた以外は、実施
例1と同様にして成形体を得た。
【0024】比較例6 実施例1においてポリジメチルシロキサンのエマルショ
ンを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして成形
体を得た。この様にして得られた成形体を20℃の水中
にその上面が水面下2cmになるように浸漬し、24時
間後の吸水率を次式より算出し、表1に示した。
【数1】 また、成形体の曲げ強度はJISA1408に準拠して
測定し、表1に併せて示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、強度が大きく且つ吸水
率の小さい撥水性ケイ酸カルシウム成形体を容易に得る
ことができる。一般にポリオルガノシロキサンを水性ス
ラリーに添加して成形体に撥水性を付与すると成形体の
強度が低下するが、本発明によれば撥水性に富み且つポ
リオルガノシロキサンを添加しない場合とほぼ同じ強度
の成形体を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオルガノシロキサンを含むケイ酸カ
    ルシウム水性スラリーを脱水成形する工程を経て製造さ
    れ、嵩密度(G)が0.40〜0.60g/cm3 、曲
    げ強度が〔30+300×(G−0.40)〕kg/c
    2 以上、吸水率が10%以下であることを特徴とする
    撥水性ケイ酸カルシウム成形体。
  2. 【請求項2】 嵩密度(G)が0.45〜0.60g/
    cm3 、吸水率が9%以下であることを特徴とする請求
    項1記載の撥水性ケイ酸カルシウム成形体。
  3. 【請求項3】 繊維の含有量が5(重量)%以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の撥水性ケイ酸カ
    ルシウム成形体。
  4. 【請求項4】 水中に分散させた石灰質原料とケイ酸質
    原料とを加熱下反応させて得られるケイ酸カルシウム水
    性スラリーに、ポリオルガノシロキサンを長鎖脂肪族カ
    ルボン酸のアミン塩よりなるアニオン系界面活性剤で水
    中に乳化してなるエマルションを添加したのち脱水成形
    し、乾燥または水蒸気養生後乾燥することを特徴とする
    撥水性ケイ酸カルシウム成形体の製造法。
  5. 【請求項5】 長鎖脂肪族カルボン酸が炭素数12〜1
    8のカルボン酸であることを特徴とする請求項4記載の
    撥水性ケイ酸カルシウム成形体の製造法。
  6. 【請求項6】 ポリオルガノシロキサンの添加量が、撥
    水性ケイ酸カルシウム成形体に対し2〜5(重量)%と
    なる量であることを特徴とする請求項4又は5記載の撥
    水性ケイ酸カルシウム成形体の製造法。
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