JPH0748159A - セメント混和剤及び水硬性セメント組成物 - Google Patents

セメント混和剤及び水硬性セメント組成物

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JPH0748159A
JPH0748159A JP21347293A JP21347293A JPH0748159A JP H0748159 A JPH0748159 A JP H0748159A JP 21347293 A JP21347293 A JP 21347293A JP 21347293 A JP21347293 A JP 21347293A JP H0748159 A JPH0748159 A JP H0748159A
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JP
Japan
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cement
water
component
admixture
silane
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JP21347293A
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English (en)
Inventor
Takao Take
高男 武
Minoru Sawaide
稔 沢出
Junichi Iketani
純一 池谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B24/00Use of organic materials as active ingredients for mortars, concrete or artificial stone, e.g. plasticisers
    • C04B24/40Compounds containing silicon, titanium or zirconium or other organo-metallic compounds; Organo-clays; Organo-inorganic complexes
    • C04B24/42Organo-silicon compounds

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業性を確保するためある一定の水セメント
比を用いても、余剰水を減少せしめて均質で高い強度を
持ち、乾燥による収縮等の低減されたコンクリートを提
供する。 【構成】 加水分解作用成分を主成分とするセメント混
和剤を用い、セメントペースト,モルタル,未硬化コン
クリート等のセメント組成物に配合されると高性能セメ
ントが得られる。こうして、優れた減水化作用が付与さ
れている水硬化性セメント組成物あるいは減水化コンク
リートが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,加水分解作用成分を主
成分とするセメント混和剤、及び水硬性セメント組成物
に関するものである。さらに詳しくはセメントペース
ト、モルタル、未硬化コンクリート等の水硬性セメント
組成物に配合されて用いられ、それらに優れた余剰水除
去作用を付与し、しかも高強度,高耐久性といった性能
を有するコンクリートを提供し得る混和剤に関するもの
である。本発明はさらにそのセメント混和剤の配合され
た高性能水硬性セメント組成物及びそのセメント混和剤
を用いての高性能コンクリートの製造法にも関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】良いコ
ンクリートとは、均質なコンクリートを作ることである
が、その均質なコンクリートを作るには水密性であり、
容積変化の少ないものとすることで風化、例えば温度変
化、湿度変化、凍結融解、中性化などに対して強い抵抗
性を有するものとする必要がある。また良いコンクリー
トとは、化学作用、例えば滲出あるいは溶解などに対し
て耐久性があり、すりへり、例えば流水によるすりへり
作用や波浪又は交通などによる機械的すりへり作用に対
して抵抗性である必要がある。このような均質なコンク
リートを作るためには、連行空気量を適当な量とし、優
良な骨材、安定なセメントを用いると共に、水セメント
比を少なくすることが求められる。こうすることによ
り、耐久性のあるコンクリートとなる。また、セメント
を含むペースト、モルタル、コンクリートがかたまった
ときの強度は水とセメントの量比により支配され、この
水セメント比が小さいほど、硬化体の強度が大きくな
る。ところで、コンクリートはそのワーカビリティ、フ
ィニシャビリティなどにおいても適当なものでなければ
ならないが、水セメント比を少なくするとこれらを適当
なものとすることが一方で困難となる。つまり一定の流
動性をフレッシュコンクリートに与え、その作業性を確
保するためには、セメント水和反応に必要な量以上に大
過剰量の水を加えなければならない。
【0003】水セメント比を大きくすると、余分な水は
乾燥により取り除かれていくが、それに伴いコンクリー
トの容積を減少せしめひび割れを派生させることにもな
る。近年,建築物の高層化及び地下空間の大深度化など
が進むにつれて,水セメント比をより少なくするばかり
でなく、余剰水除去作用に優れ,かつ高い強度及び高い
耐久性をもったコンクリートを与える水硬性セメント組
成物を製造する技術の開発が,次世代コンクリート開発
に資するものとして脚光を浴び,したがって現在その開
発が活発に行なわれている。もし,水セメント比がある
一定域で高い流動性のある領域において用いられても,
このような高い減水化作用を持つコンクリートを用いる
ことができれば,高強度コンクリートとすることができ
るばかりでなく,複雑な配筋場所でもバイブレーターに
よる締め固めを不要にし,しかも確実に充填することが
できる。さらに工数の削減による合理化,作業環境の改
善,品質向上等のメリットが期待できる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は,上記した
ような従来のセメントの有する問題点を解決し,良好な
ワーカビリティを確保しつつ、強度に優れ鋼管コンクリ
ート造やRC造による超高層建築あるいは超高深度地下
建築物などを支える優れた次世代コンクリート開発にも
その可能性を与え,かつ安価で施工性の優れたセメント
を見出すべく,鋭意研究の結果,本発明を完成するに至
ったものである。すなわち本発明は,加水分解作用成分
を主成分とすることを特徴とするセメント混和剤を提供
する。これらの本発明のセメント混和剤はセメントペー
スト,モルタル,未硬化コンクリート等のセメント組成
物に配合されて高性能セメント硬化物を与える。従っ
て,本発明はこれら加水分解作用成分の少なくとも一種
を主成分とするセメント混和剤によって優れた減水化作
用が付与されている水硬化性セメント組成物あるいは減
水化コンクリートに関する。本発明は上記少なくとも一
種の加水分解作用成分を主成分とするセメント混和剤に
より,水硬性セメント組成物に高減水化能を付与する方
法あるいはこうした方法を適用しての高性能コンクリー
トの製造法にも関する。
【0005】本発明で用いられる加水分解作用成分とし
ては、セメント水和反応に必要な量以上に過剰に存在す
る余剰水を加水分解作用を派生させて減少化せしめるも
のが挙げられるが、本発明の目的に沿う限りは特に限定
されることなく広く水と反応して加水分解するものの中
から選んで用いることができる。本発明で好ましく使用
される加水分解作用成分としては、セメント水和反応に
必要な量以上に過剰に存在する余剰水と反応して加水分
解し、セメント硬化体中に存在する余剰水を加水分解作
用を派生させて減少化せしめ、さらに安定硬化物質を形
成せしめるものが挙げられるが、本発明の目的に沿う限
りは特に限定されることなく広く水と反応して加水分解
するものの中から選んで用いることができる。このよう
な本発明の加水分解作用成分としては、例えばシランポ
リマー、例えばメトキシシラン、エトキシシラン、プロ
ポキシシラン、ブトキシシラン、アミロキシシラン、オ
クチロキシシラン、ノニロキシシランなどのアルコキシ
シラン、モノアルキルシラノール、ジアルキルシラノー
ル、トリアルキルシラノールなどのシラノール、環状又
は直鎖状シロキサンを含むシラン化合物などが挙げられ
る。本発明で好ましく使用される加水分解作用成分は,
低濃度で高い加水分解作用を有するものであり,特に好
ましいものは極めて少ない使用量で,水硬性セメント組
成物に高い余剰水除去作用を与えるものである。加水分
解作用成分は,例えばエトキシシランでは,次の一般的
な反応式によりC−S−Hの形成能を有する。
【0006】
【化1】
【0007】代表的なシランポリマーである加水分解作
用成分としては,例えば一般式
【0008】
【化2】
【0009】で示される立体ポリマー構造のものが挙げ
られる。これらシランポリマーは,例えばアルコキシシ
ランを部分加水分解し,必要に応じ,乾燥したり,アル
カリで処理したり,メチルクロロシラン類などのアルキ
ルハロゲノシランで処理するなどして得られる。代表的
な水分解性シラン誘導体である加水分解作用成分として
は,例えばモノメチルシラノール,ジメチルシラノー
ル,トリメチルシラノールのようなアルキルシラノー
ル,例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン,ヘキ
サメチルシロキサンなどの環状シロキサン,あるいはは
しご型シロキサンなどが挙げられる。
【0010】これら加水分解作用成分は単一の加水分解
作用成分を単独で配合して用いることもできるし,複数
の種類の加水分解作用成分を二種以上混合して用いるこ
ともできる。本発明で好ましく使用される加水分解作用
成分の具体例を挙げると,例えばテトラエトキシシラン
(東芝シリコーン株式会社製)などのシラン化合物系加
水分解作用成分が挙げられる。
【0011】本発明のセメント混和剤は,セメントに対
して0.5重量%以下の量で用いて良好な余剰水除去作
用を付与することができ,さらに好ましくはセメントに
対し,0.1重量%以下の量で用いられることができ
る。本発明のセメント混和剤は,非常に少量でその有効
性を発揮することができ,セメントに対して0.05重
量%以下,さらにより好ましくはセメントに対し約0.
03重量%の量用いて好適な余剰水除去作用を付与する
ことができる。本発明のセメント混和剤は,水溶液、エ
マルジョン液としてあるいは粉末でセメント配合物へ添
加されることができる。その添加は,セメントとのドラ
イブレンドとして,混練水に溶解あるいは分散すること
によって,又はセメント配合物の混練を開始するにあた
り行うことができる。本発明のセメント混和剤は,セメ
ントへの注水と同時若しく注水直後からセメント配合物
の混練終了までの間に添加することも可能であり,さら
に一旦練り上がったセメント配合物への添加も可能であ
る。本発明のセメント混和剤は,一時に全量添加するこ
ともできるし,あるいは数回に分割して添加することも
可能である。
【0012】さらに,本発明のセメント混和剤は他の公
知のセメント混和剤あるいはセメント混和材との併用も
可能であり,このような公知のセメント混和剤等として
は,グラスファイバー,硬化促進剤,凝結遅延剤,分離
低減剤,ポリマー混和剤,着色剤,水溶性高分子,発泡
剤,消泡剤,セルフレベリング剤,流動化剤,高性能減
水剤,AE剤,AE減水剤,遅延剤,速強剤,促進剤,
起泡剤,保水剤,増粘剤,防水剤,防錆剤,防黴剤,ヒ
ビワレ低減剤,高分子エマルジョン,高炉スラッグ,フ
ラッシュアイ,シリカヒューム,膨張剤,除放性分散
剤,除放性起泡剤,分散剤などが挙げられる。本発明で
用いられることのできる他の公知のセメント混和剤を含
めてのセメント混和剤あるいはセメント混和材は、それ
ぞれ単一のセメント混和剤あるいはセメント混和材の種
を単独で配合して用いることもできるし、複数の種類の
セメント混和剤あるいはセメント混和材を二種以上混合
して用いることもでき、本発明の目的に沿うかぎりは特
に限定されること無く、種々の配合形態で用いることが
できる。
【0013】本発明に従えば,少なくとも一種の加水分
解作用成分と,少なくとも一種の高性能減水剤,AE減
水剤,あるいは流動化剤とを組合わせて用いることによ
り,水硬性セメント組成物に大きな減水化付与能を与え
ることができる。本発明に従って,上記加水分解作用成
分と組合わせて用いることのできる高性能減水剤,AE
減水剤,あるいは流動化剤としては,アリールスルホン
酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩,メラミンスルホ
ン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩,リグニンスル
ホン酸又はその塩,ポリカルボン酸又はその塩,ポリア
ルキル無水カルボン酸又はその塩など、ポリオキシエチ
レン・アルキルアリルエーテル,ポリオキシエチレング
リコール・フェノールノニールエーテルなどが挙げられ
る。高性能減水剤,AE減水剤,あるいは流動化剤とし
ては,本発明の目的を逸脱しない限り,従来知られた高
性能減水剤,AE減水剤,あるいは流動化剤のうちから
選んで用いることができる。例えば,ナフタリンスルホ
ン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩,アルキルナフ
タリンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物,ベンゼンス
ルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩,アルキル
ベンゼンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその
塩,アルキルスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はそ
の塩,アルキルカルボン酸ホルムアルデヒド縮合物,ア
ルキルポリカルボン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその
塩などのナフタリンスルホン酸塩系,ポリカルボン酸塩
系として知られたものが挙げられる。
【0014】本発明に従って,セメント混和剤として加
水分解作用成分と高性能減水剤,AE減水剤,あるいは
流動化剤とを併用して用いると,セメント混和剤として
用いる高性能減水剤,AE減水剤,あるいは流動化剤の
量を大幅に減少せしめることができる。本発明に従った
このような場合の加水分解作用成分の配合量は,セメン
トに対して0.5重量%以下の量であることができ,更
に好ましくはセメントに対し,0.1重量%以下の量で
あってよく,特に好ましくはセメントに対し,約0.0
5%程度あるいはそれ以下の量であってよい。本発明に
従えばこの併用の場合高性能減水剤,AE減水剤,ある
いは流動化剤の配合量を顕著に低減せしめることが可能
である。この場合の高性能減水剤,AE減水剤,あるい
は流動化剤の配合量はセメントに対し,1.0重量%以
下であることができ,更にはその使用量を低減可能でセ
メントに対し0.8重量%以下とすることができ,その
使用量はセメントに対し,0.6重量%以下にすること
ができる。高性能減水剤,AE減水剤,あるいは流動化
剤の配合量をセメントに対し約0.5重量%の量として
も良好な余剰水除去作用が得られる。
【0015】こうした本発明の配合セメント混和剤は,
セメント配合物へ添加されて用いられることができる。
この高性能セメント硬化物の製造に当たっては,下記の
セメントと所望の混和材及び必要に応じたセメント添加
剤を含む組成物に,先ず加水分解作用成分を加えた後混
練を加えることにより行う。また,本発明は,上記セメ
ント混和剤を配合して製造されるセメント硬化物に関す
る。このようなセメント硬化物としては,通常のセメン
ト,水,細骨材,所望の混和材料を含むモルタル,さら
に粗骨材を含むコンクリート,例えば,フレッシュコン
クリート,プレーンコンクリートに配合されたもの,A
Eコンクリート,モルタル,セメントペースト,軽量コ
ンクリート,軽量骨材コンクリート,鉄筋コンクリー
ト,鉄骨鉄筋コンクリート,プレストレストコンクリー
ト,などが挙げられる。
【0016】本発明のセメント混和剤が配合されて用い
られることのできるセメント成分としては、セメント、
特にポルトランドセメント、例えば普通ポルトランドセ
メント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトラン
ドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、中庸熱ポ
ルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、ポゾ
ランや急冷高炉スラグなどのシリカ質あるいは石灰質を
主成分とする混合材を混合してあるポルトランドセメン
ト(混合セメント)、高炉セメント、シリカセメント、
フライアッシュセメント、アルミナセメントなどが挙げ
られる。本発明で用いられることのできるセメント成分
は、焼成工程で製造されたセメントクリンカーに必要に
応じて所定量(例えば、3〜5%)のセッコウなどを加
えて、粉砕機により粉状に砕かれていることができ、場
合によってはセッコウに加えて水砕スラグ、フライアッ
シュなども添加配合されたものであってよい。
【0017】本発明で用いられることのできるセメント
用骨材としては、通常のセメント用骨材として使用でき
るものが挙げられ、通常モルタル又はコンクリートを製
造するために混和されるものであれば特に限定されるこ
と無く、広く容易に入手しうるものの中から選んで用い
ることができ、例えば砂、砂利、砕砂、砕石、高炉スラ
グ骨材やフェロニッケルスラグ骨材等のスラグ骨材、あ
るいはこれらに類似の材料が挙げられ、軽量骨材、例え
ば真珠岩あるいは黒よう岩又はこれに準ずる石質を有す
る岩石の粉砕したものを焼成膨張させて得られるような
パーライト、火山れき及びその加工品などの天然軽量骨
材、さらに膨張けつ岩、膨張粘土、膨張スレート、焼成
フライアッシュなどの人工軽量骨材、膨張スラグなどの
副産軽量骨材及びその加工品、重量骨材、窒化けい素や
炭化けい素あるいは窒化ほう素や炭化ほう素などといっ
たセラミクッス、コンクリート廃材など、そして細骨材
あるいは粗骨材も含まれる。これら骨材は適した形態に
されていることができる。本発明で用いられる骨材は、
水硬化性組成物の成分としてモルタルやコンクリートを
製造した場合セメント用骨材として満足しうる品質ある
いは性質をを与えるように選ぶことが必要で、その要求
される品質あるいは性質を満足し、本発明の目的に沿う
かぎりは特に限定されること無く、広く容易に入手しう
るものの中から選んで用いることができる。
【0018】本発明に従えば配合されるセメント添加剤
の量を非常に少なくできる反面,高い余剰水除去作用を
与えることができる。従って,優れた減水性下で高性能
セメント硬化物を製造することができる。本発明に従え
ば,セメント混和剤の安定性についての問題も少なくか
つ表面に亀裂を起こすなどの問題点のない高強度,高耐
久性でかつ高い余剰水除去作用を持ち,特にそのワーカ
ビリティーに優れた高性能セメント硬化物を製造するこ
とが可能となり,鋼管コンクリートへの適用,高密度配
筋あるいは埋め込型枠への対応が可能となる。さらに本
発明によれば,その高性能セメント硬化物をプレキャス
ト製品やPCのジョイント部に適用でき,全自動化によ
る型枠工事の改革あるいは圧入工法(地階逆打ち)を適
用することができる。
【0019】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが,本発明はこの実施例に示した具体例のみに限定さ
れるものではない。 実施例1: 1)加水分解作用成分の調製 混和剤として用いる加水分解作用成分は,エトキシシラ
ンを用いて図3で示される工程式にしたがって調製し
た。なお,図3はTEOS原液から各種シラン重合体が
生成する工程説明図及びTEOSと各種シラン重合体の
構造式を示す。供試エトキシシランとしては,No1の
構造式で示されるテトラエトキシシラン(以下,TEO
Sと略示する。東芝シリコーン社製)を使用した。図3
中,No2の部分構造式で示される加水分解作用成分で
あるシラン重合体(液状)は,上記エトキシシランを用
いTEOS:水の比率を1:4のモル比で混合し,70
±5℃で1週間撹拌することにより得られる。図3中,
No3の部分構造式で示される加水分解作用成分である
シラン重合体(粉末)は,上記のようにして得られたN
o2のシラン重合体(液状)を濾過処理した後,約60
℃にて減圧乾燥することにより得られた。図3中,No
4の部分構造式で示される加水分解作用成分であるシラ
ン重合体は,上記のようにして得られたNo2のシラン
重合体(液状)に1NーNaOH水溶液を白い沈殿の生
成がなくなるまで添加した後濾過処理して得られた。図
3中,No5の部分構造式で示される加水分解作用成分
であるシラン重合体は,上記のようにして得られたNo
2のシラン重合体(液状)にトリメチルシランクロライ
ド(TMS)を添加して反応処理した後,濾過処理を施
し,残渣として得られたものを分取した後,テトラヒド
ロフランで溶解処理して得られた。
【0020】2)モルタルの調製 JIS R5201に準じてモルタルを調合した。普通
ポルトランドセメント520gに1,040gの豊浦標
準砂と所定量の水を用いた。表1に示すように,水セメ
ント比,混和剤の種類と添加量を種々変化させて試験し
た。
【0021】
【表1】
【0022】3)試験項目と試験方法 作製したモルタルの初期凝結性及び圧縮試験は以下の方
法によった。 .凝結性は,混合容量200mlのモルタルを7mm
φのガラス棒によって,30分〜5時間の範囲で逐次撹
拌し,この時の硬さをプレーンモルタルと比較すること
によって定性的に評価した。 .圧縮強度は,作製したモルタルを20mmφ×40
mmの小型円筒型枠に流し込み,20±3℃,80±1
0%RHの室内に3日間放置した。その後,脱型し水中
養生を行った。圧縮試験は,「オートグラフ(AG
型)」(島津製作所社製)を用いて実施した。なお,J
IS R5201によるフロー試験にて同一フロー値と
した場合の圧縮強度を示す。
【0023】4)結果及び考察 4.1凝結性 定性的に調べた凝結性状の結果は表2に示すとおりであ
る。
【0024】
【表2】
【0025】この結果から以下のことがいえる。 .TEOS原液を用いた場合のモルタルの凝結性は,
TEOSの添加量の多少にかかわらずプレーンモルタル
のそれと変わらない。添加量が1w%以下であると,良
好な硬化体が得られる。 .シラン重合体(液状)を添加したモルタルは,添加
量が多くなるほど急結し易くなる。この混和剤はシラノ
ール基(Si−OH)を豊富に含有しているのでセメン
ト中の遊離した陽イオンと反応し,C−S−H,けい酸
ナトリウム,けい酸カリウムなどが生成していることが
考えられる。又は,セメントによってpHが高くなった
時に混和剤自身のシラノール基同志が反応して高分子化
したことが考えられる。また,シラノール基を少なくし
たNa型のシラン重合体を用いて検討したが急結性は
変わらなかった。 .シラン重合体(粉末)は,液状のものやNa型シ
ラン重合体よりもシラノール基が少なく,初期の反応性
を抑制したものである。2w%の添加まではプレーンモ
ルタルの凝結性とほぼ同じである。添加量が2w%以上
となると粉体のため,吸水性の影響が生じる。 .疎水化シラン重合体は,使用するセメントの半分に
コーティングして用いたが,このセメントは撥水性をも
つため,初期に水和しない。このため凝結が遅れ流動性
は高くなる。
【0026】4.2 圧縮強度 .図1は,TEOS原液の添加量と圧縮強度の関係を
示したものである。添加量が多くなるほど強度が小さく
なる傾向にあるが,水中養生初期の材令7日(水中養生
3日)において,添加量2w%ではプレーンモルタルよ
りも2割程度高くなる。しかし,材令28日ではプレー
ンモルタルと変わらなくなる。すなわち,密実なモルタ
ルになるとシラノールの効果は小さくなるといえる。 .図2はシラン重合体(粉末)と疎水化シラン重合体
の添加量と圧縮強度の関係を示したものである。シラン
重合体(粉末)は,液状のものよりシラノール基が少な
いため,TEOS原液よりも添加量が多い部分で効果を
生じる。最適添加量は2w%前後と推定され,w/c
0.75の場合はプレーンモルタルよりも圧縮強度は高
い。一般にw/cが高いほど,前述したCa(OH)
を多く含む脆弱層が多くなる。この時のCa(OH)
とシラノール基か又は,シラン重合体が分解した時に生
成するけい酸が反応したC−S−Hなどが生成する。こ
れにより,脆弱層を改善してw/cの高い時に強度が増
加したものと考えられる。また,疎水化シラン重合体
は,前述のとおり流動性が高くなることから,フロー値
を同一とした場合,プレーンモルタルよりも2〜3割強
度が高くなり,この時の減水率は7〜8%である。 得られた結果から,加水分解作用成分は,余剰水の量を
大きく低下せしめ,水硬性セメント組成物に高い強度を
与えている。
【0027】
【発明の効果】本発明により,高い流動化能を持つ条件
下での高性能セメント硬化物の製造においても,水硬性
セメント組成物の高い余剰水除去作用を保証できること
から,そのワーカビリティーが高まり,高密度配筋され
た型枠への適応性に優れた水硬性セメント組成物が得ら
れる。さらに本発明により,配合される他のセメント混
和剤の量を大幅に減らすことができ,混和剤添加量が大
きいことに伴う従来の問題点を解消でき,高強度で高耐
久性のセメント硬化物を容易に得ることができる。この
ように本発明に従えば,配合される他のセメント混和剤
の量を非常に少なくできる反面,高い余剰水除去作用を
与えることができる。従って,優れた減水性下で高性能
セメント硬化物を製造することができる。本発明に従え
ば,混和剤の安定性についての問題も少なくかつ表面に
亀裂を起こすなどの問題点のない,高強度,高耐久性で
かつ高い余剰水除去作用を持ち,そのワーカビリティー
に特に優れた高性能セメント硬化物を製造することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TEOS原液添加量と圧縮強度との関係を示
す。
【図2】シラン重合体(粉末)の添加量と圧縮強度の関
係を示す。
【図3】TEOS原液から各種シラン重合体生成への工
程説明図を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水分解作用成分を主成分として成るこ
    とを特徴とするセメント混和剤。
  2. 【請求項2】 加水分解作用成分が、シランポリマー又
    はシラン化合物、及び水分解性シラン誘導体からなる群
    から選ばれたものであることを特徴とする請求項1記載
    のセメント混和剤。
  3. 【請求項3】 シラン化合物が、メトキシシラン、エト
    キシシラン、プロポキシシラン、ブトキシシラン、アミ
    ロキシシラン、オクチロキシシラン、及びノニロキシシ
    ランからなる群から選ばれたものであることを特徴とす
    る請求項2記載のセメント混和剤。
  4. 【請求項4】 セメント混和剤として少なくとも一種の
    加水分解作用成分を含有して成ることを特徴とする水硬
    性セメント組成物。
  5. 【請求項5】 水硬性セメント組成物が,セメント,骨
    材及び少なくとも一種の加水分解作用成分を含むもので
    ある請求項4記載の組成物。
  6. 【請求項6】 セメント組成物に加水分解作用成分を添
    加して余剰水除去作用を付与せしめることを特徴とする
    水硬性セメント組成物の改良製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009126751A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Birudorando:Kk コンクリート構築物の補強補修材
CN105712658A (zh) * 2015-12-29 2016-06-29 江苏苏博特新材料股份有限公司 一种用于海洋环境下抑制侵蚀介质传输的混凝土外加剂
JP2016216284A (ja) * 2015-05-18 2016-12-22 国立大学法人 岡山大学 コンクリート用組成物およびそれを成形してなる成形品ならびに床版
CN111777731A (zh) * 2020-06-15 2020-10-16 安徽鑫固环保股份有限公司 一种改性高保坍萘系减水剂及其制备方法

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