JPH061279A - 自転車用ブレーキ装置 - Google Patents

自転車用ブレーキ装置

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JPH061279A
JPH061279A JP7293791A JP7293791A JPH061279A JP H061279 A JPH061279 A JP H061279A JP 7293791 A JP7293791 A JP 7293791A JP 7293791 A JP7293791 A JP 7293791A JP H061279 A JPH061279 A JP H061279A
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Abstract

(57)【要約】 〔目的〕前輪用および後輪用ブレーキのいずれを先行作
動させるかを任意に選択し得るようにする。 〔構成〕固定の支持枠15には揺動板33が揺動可能に
支承され、両ブラケットBL ,BR および支持枠15間
にはアウタワイヤ76,77が着脱可能に設けられ、支
持枠15および両ブレーキCBF ,CBR 間にはアウタ
ワイヤ78,79が着脱可能に設けられ、アウタワイヤ
76に挿通されるインナワイヤ81が両ブレーキレバー
L ,LR の一方および揺動板33間に設けられ、アウ
タワイヤ78に挿通されるインナワイヤ81が揺動板3
3および両ブレーキCBF ,CBRの一方との間に設け
られ、揺動板33にばね92を介して係合するインナワ
イヤ83がアウタワイヤ77,79に挿通されて両ブレ
ーキレバーLL ,LR の他方と両ブレーキCBF ,CB
R の他方との間に設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハンドルの左右両端部
に固定されるブラケットにそれぞれ支承されるブレーキ
レバーと、前輪用および後輪用ブレーキとを含む自転車
用ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかるブレーキ装置においては、
ハンドルの左端部に配設されているブレーキレバーの操
作によって後輪用ブレーキを作動させ、ハンドルの右端
部に配設されているブレーキレバーの操作によって前輪
用ブレーキを作動させるのが一般的であるが、一方のブ
レーキレバーの操作で両ブレーキの一方のみしか作動さ
せることができないので不便であり、本出願人は、両ブ
レーキレバーの一方を操作することにより前輪用ブレー
キが先行作動した後に後輪用ブレーキが追随して作動す
るようにして安定的で充分なブレーキ力を得るようにし
た自転車用ブレーキ装置を既に提案(特開平1−202
594号)している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、後輪用ブレ
ーキの先行作動後に前輪用ブレーキを作動させることを
望む運転者もあり、前輪用および後輪用ブレーキのいず
れを先行作動させるかを、簡単な操作により任意に選び
得るようにすることが望ましい。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、両ブレーキレバーおよび両ブレーキ間の接続
状態を容易に変化させ得るようにして前輪用および後輪
用ブレーキのいずれを先行作動させるかを任意に選択し
得るようにした自転車用ブレーキ装置を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の特徴によれば、相互に間隔をあけて
対向する上および下支持板部を有して車体フレームに固
定された支持枠には、第1、第2および第3挿通孔を有
する揺動板が、上方の制動位置および下方の非制動位置
間での揺動を可能として支承され、両ブラケットのいず
れかに一端をそれぞれ着脱可能に連結した第1および第
2アウタワイヤの他端が第1および第3挿通孔に対応す
る位置で上支持板部にそれぞれ着脱可能に連結され、第
2および第3挿通孔に対応する位置で下支持板部に一端
をそれぞれ着脱可能に連結した第3および第4アウタワ
イヤの他端が前輪用および後輪用ブレーキのいずれかに
それぞれ着脱可能に連結され、両ブレーキレバーの一方
に一端を係合して第1アウタワイヤに移動自在に挿通さ
れるとともに非制動位置側で揺動板に係合可能な第1係
合片を他端に備える第1インナワイヤがその長手方向と
は直交する方向への挿脱を可能として上支持板部および
揺動板に挿通され、制動位置側で揺動板に係合される第
2係合片を一端に有するとともに他端が前輪用あるいは
後輪用ブレーキに着脱可能に連結されて第3アウタワイ
ヤに移動自在に挿通される第2インナワイヤがその長手
方向とは直交する方向への挿脱を可能として揺動板およ
び下支持板部に挿通され、一端が両ブレーキレバーの他
方に係合されるとともに他端が後輪用あるいは前輪用ブ
レーキに着脱可能に連結されて第2アウタワイヤおよび
第4アウタワイヤに移動自在に挿通される第3インナワ
イヤが、その長手方向と直交する方向への挿脱操作を可
能として上支持板部、揺動板および下支持板部に挿通さ
れ、非制動位置側で揺動板に係合すべく第3インナワイ
ヤに設けられた第3係合片と揺動板との間には第3係合
片を揺動板から離反する方向のばね力を発揮するばねが
介装される。
【0006】また本発明の第2の特徴によれば、第1係
合片および揺動板間には、第1係合片を揺動板から離反
させる方向のばね力を発揮するばねが介装される。
【0007】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明すると、図1は自転車の上部斜視図、図2は両ブレ
ーキレバーおよび両ブレーキの連結構造を示す断面図、
図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4線断
面図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図5の6−
6線断面図、図7はブレーキレバー、ブラケット、アウ
タワイヤおよびインナワイヤの連結構造を示す切欠き断
面図、図8は図7の8−8線断面図、図9はブレーキレ
バーおよびブラケットとアウタワイヤおよびインナワイ
ヤとの着脱操作過程を順次示す図、図10は連結状態を
変化させた状態の図2に対応する断面図である。
【0008】先ず図1において、自転車における車体フ
レーム1の前部には、前輪WF のリムRF との摩擦によ
り制動力を得るための前輪用キャリパブレーキCBF
取付けられ、車体フレーム1の後部には、後輪WR のリ
ムRR との摩擦により制動力を得るための後輪用キャリ
パブレーキCBR が取付けられる。また車体フレーム1
における前部のヘッドパイプ2に回動可能に支承されて
いるハンドルHの左端部に固定された左ブラケットBL
には、握持部GL への近接・離反回動を可能として左ブ
レーキレバーLL が支承され、ハンドルHの右端部に固
定された右ブラケットBR には、握持部GR への近接・
離反回動を可能として右ブレーキレバーLR が支承され
る。
【0009】図2において、前輪用および後輪用キャリ
パブレーキCBF ,CBR は、前輪WF および後輪WR
を跨ぐようにして車体フレーム1に回動自在に支承され
た一対の作動片10F ,11F ;10R ,11R にリム
F ,RR の側面に摺接し得るパッド12がそれぞれ取
付けられ、両作動片10F ,11F ;10R ,11R
に戻しばね13F ,13R が介装されて成る。
【0010】図3、図4、図5および図6を併せて参照
して、ヘッドパイプ2の途中には支持枠15が取付けら
れる。この支持枠15は、ヘッドパイプ2に取付けられ
る第1枠体16に第2枠体17を嵌合して箱形に構成さ
れるものである。第1枠体16は、上下に延びて相互に
対向する一対の側板部18,19と、両側板部18,1
9を連結する取付板部20とを有して合成樹脂により横
断面略U字状に形成されるものであり、取付板部20に
は、ヘッドパイプ2を囲む円筒状に形成されるとともに
該ヘッドパイプ2の軸方向に延びる一条のスリット22
を有する取付部21が一体に設けられる。而してスリッ
ト22の両縁に設けられた鍔部23,24をボルト25
およびナット26で締付けることにより、取付板部20
すなわち第1枠体16がヘッドパイプ2に固定される。
また第2枠体17は、第1枠体16の両側板部18,1
9と直交するとともに上下に間隔をあけて対向する上支
持板部28および下支持板部29と、第1枠体16の取
付板部20に対向して上および下支持板部28,29を
連結する連結板部30とを有して合成樹脂により縦断面
略U字状に形成される。
【0011】第2枠体17における連結板部30の内面
には一対の軸受部31,31が相互に間隔をあけて一体
に設けられており、両軸受部31,31で両端を支持さ
れた支軸32により合成樹脂製揺動板33の基端が支承
される。而して該揺動板33は、支持枠15内で、上支
持板部28に近接した制動位置(図2の鎖線で示す位
置)と、下支持板部29に近接した非制動位置(図2の
実線で示す位置)との間で揺動可能である。この揺動板
33の幅方向中央部には、支軸32の軸線と直交する方
向に沿って該支軸32側から順に、第1挿通孔34、第
2挿通孔35および第3挿通孔36が設けられる。しか
も第1および第3挿通孔34,36は、下支持板部29
側を大径とした段付きに形成される。また揺動板33に
は、各挿通孔34〜36に内端を通じさせるとともに第
1枠体16の側板部19に対向する部分で外端を開放さ
せた挿脱用スリット37,38,39が設けられる。
【0012】一方、上支持板部28には、揺動板33の
第1挿通孔34および第3挿通孔36に対応する位置に
第1および第2取付孔41,42が穿設されるととも
に、内端を第1および第2取付孔41,42に通じさせ
て前記挿脱用スリット37,39と同一側で外端を開放
させた挿脱用スリット45,46が設けられる。さらに
下支持板部29には、揺動板33の第2挿通孔35およ
び第3挿通孔36に対応する位置に第3および第4取付
孔43,44が穿設されるとともに、内端を第3および
第4取付孔43,44に通じさせて前記挿脱用スリット
38,39と同一側で外端を開放させた挿脱用スリット
47,48が設けられる。
【0013】第1および第2取付孔41,42には、外
面に雄ねじを刻設した円筒状の第1および第2受け部材
51,52が挿入され、それらの受け部材51,52に
は、上支持板部28を両側から挟むナット55,56が
それぞれ螺合される。また第3および第4取付孔43,
44には、外面に雄ねじを刻設した円筒状の第3および
第4受け部材53,54が挿入され、各受け部材53,
54には下支持板部29を両側から挟むナット55,5
6がそれぞれ螺合される。したがって第1および第2受
け部材51,52は上支持板部29にその軸方向位置を
調整可能として固定され、第3および第4受け部材5
3,54は下支持板部29にその軸方向位置を調整可能
として固定されることになる。
【0014】ところで、第2枠体17における上支持板
部28および下支持板部29の幅方向一側内面には縦溝
57,58が設けられ、前記上支持板部28および下支
持板部29の幅方向他側内面には挿脱用スリット45,
46;47,48を横切る縦溝59,60が設けられて
おり、第1枠体16における側板部18,19には、縦
溝57,59に嵌合する突条61,62が上端部に突設
されるとともに縦溝58,60に嵌合する突条63,6
4が下端部に突設される。しかも突条62,64の途中
には挿脱用スリット46,48に係合する爪65,66
が突設される。而して第1枠体16に第2枠体17を嵌
合する際には、縦溝57,58,59,60に突条6
1,62,63,64をそれぞれ嵌合して第2枠体17
を第1枠体16側に押し込むことにより、第2枠体17
は、その上支持板部28および下支持板部29の遊端が
相互に離反するように撓むことになり、爪65,66が
挿脱用スリット46,48に係合することにより第1枠
体16に第2枠体17が嵌合、固定される。また第1枠
体16から第2枠体16を取外すときには、第2枠体1
7をその上支持板部28および下支持板部29の遊端が
相互に離反する方向に撓ませて爪65,66の挿脱用ス
リット46,48との係合を解除した後、第2枠体17
を第1枠体16から離反する方向に引き出せばよい。
【0015】図7および図8を併せて参照して、両ブラ
ケットBL ,BR は、ブレーキレバーLL ,LR の基端
を両側から挟む一対の支持板部70、71と、両支持板
部70,71を連結する規制板部72とを備えるもので
あり、両端が両支持板部70,71で支持された軸73
によりブレーキレバーLL ,LR の基端が回動可能に支
承される。而してブレーキレバーLL ,LR は、非制動
操作時に規制板部72に当接する位置と、制動操作に応
じて握持部GL ,GR に近接する位置との間で回動可能
であり、規制板部72には、孔74と、前記孔74に内
端を通じさせるとともに外端を開放させるようにして軸
73の軸線に直交する平面内で直線状に延びるスリット
75とが設けられる。
【0016】再び図2において、右ブラケットBR に一
端を着脱可能に連結した第1アウタワイヤ76の他端が
揺動板33の第1挿通孔34に対応する部分で上支持板
部28に着脱可能に連結され、左ブラケットBL に一端
を着脱可能に連結した第2アウタワイヤ77の他端が第
3挿通孔36に対応する位置で上支持板部28に連結れ
る。すなわち第1および第2アウタワイヤ76,77の
一端には小径の嵌合筒部76a,77aが設けられてお
り、それらの嵌合筒部76a,77aを孔74に嵌合す
るようにして第1および第2アウタワイヤ76,77の
一端が両ブラケットBL ,BR の規制板部72に当接さ
れ、また両アウタワイヤ76,77の他端は第1および
第2受け部材51,52にそれぞれ嵌合・当接される。
【0017】下支持板部29には、第2および第3挿通
孔35,36に対応する位置で第3および第4アウタワ
イヤ78,79が着脱可能に連結される。すなわち第3
アウタワイヤ78の一端は第3受け部材53に嵌合・当
接され、第4アウタワイヤ79の一端は第4受け部材5
4に嵌合・当接される。しかも第3アウタワイヤ78の
他端は前輪用キャリパブレーキCBF における一方の作
動片10F に着脱可能に連結され、第4アウタワイヤ7
9の他端は後輪用キャリパブレーキCBR における一方
の作動片10R に着脱可能に連結される。
【0018】第1アウタワイヤ76には第1インナワイ
ヤ81が移動自在に挿通されており、第1インナワイヤ
81の一端は右ブレーキレバーLR に係合される。すな
わち右ブレーキレバーLR の基端寄りの部分には、軸7
3と平行な軸線を有する係合孔84と、該係合孔73に
通じて規制板部72側に開放した溝85と、右ブレーキ
レバーLR を規制板部72に当接させた状態で規制板部
72とほぼ平行に延びて外端を開放するとともに係合孔
84および溝85に通じるスリット86とが設けられて
おり、第1インナワイヤ81の一端には係合孔84に嵌
合されるドラム状の係合部材87が固着される。
【0019】また第1インナワイヤ81の他端部は第1
受け部材51を貫通して支持枠15内に引き入れられ、
揺動板33の第1挿通孔34に挿通される。しかも第1
インナワイヤ81の他端には、揺動板33に非制動位置
側すなわち下方から係合可能な第1係合片88が固着さ
れており、第1係合片88と揺動板33との間には第1
係合片88を揺動板33から離反する方向のばね力を発
揮する第1ばね89が介装される。而して第1ばね89
は、コイルばねであり、下方側を大径として段付きに形
成されている第1挿通孔34の大径側に一部を嵌合して
位置決めされる。
【0020】揺動板33の第2挿通孔35には第2イン
ナワイヤ82の一端部が挿通されており、この第2イン
ナワイヤ82の一端には、制動位置側すなわち上方から
揺動板33に係合する第2係合片90が固着される。し
かも第2インナワイヤ82は、第3受け部材53および
第3アウタワイヤ78に移動自在に挿通されており、第
2インナワイヤ82の他端は、前輪用キャリパブレーキ
CBF における他方の作動片11F に着脱可能に連結さ
れる。
【0021】第2アウタワイヤ77、第2受け部材5
2、揺動板33の第3挿通孔36、第4受け部材54お
よび第4アウタワイヤ79には第3インナワイヤ83が
移動自在に挿通され、第3インナワイヤ83の一端は、
前記第1インナワイヤ81の右ブレーキレバーLR への
連結構造と基本的に同一の連結構造で左ブレーキレバー
L に着脱可能に連結され、第3インナワイヤ83の他
端は後輪用キャリパブレーキCBR における他方の作動
片11R に着脱可能に連結される。しかも第3インナワ
イヤ83には、非制動位置側すなわち下方側から揺動板
33に係合する第3係合片91が設けられており、第3
係合片91と揺動板33との間には第3係合片91を揺
動板33から離反する方向のばね力を発揮する第2ばね
92が介装される。而して第2ばね92は、コイルばね
であり、下方側を大径として段付きに形成されている第
3挿通孔36の大径側に一部を嵌合して位置決めされ
る。
【0022】第1および第2ばね89,92は、第1お
よび第3挿通孔34,36の下部に一部を嵌合させるこ
とにより、第1および第3インナワイヤ81,83の第
1および第3挿通孔34,36からの離脱を阻止する機
能を果たすとともに、第1および第3インナワイヤ8
1,83を介して両ブレーキレバーLR ,LL をブラケ
ットBR ,BL 側に付勢する機能をも果たしており、ブ
レーキレバーLR ,LLおよびブラケットBR ,BL
に戻しばねを介設することが不要となる。
【0023】而して第1および第2アウタワイヤ76,
77とブラケットBR ,BL との連結解除、ならびに第
1および第3インナワイヤ81,83とブレーキレバー
R,LL との連結解除を行なうにあたっては、図9の
(a)で示すように、アウタワイヤ76,77をその一
端がブラケットBR ,BL の規制板部72から離反する
方向に牽引し、嵌合筒部76a,77aを孔74から離
脱させた状態で、図9の(b)で示すように、第1およ
び第2インナワイヤ81,83の一端部を、インナワイ
ヤ81,83がスリット86に対応する位置まで係合部
材87を中心としてほぼ90度回動させる。そこで、図
9の(c)で示すようにインナワイヤ81,83をスリ
ット86から、また係合部材87を係合孔84から離脱
させればよく、第1および第2アウタワイヤ76,77
とブラケットBR ,BL との連結解除、ならびに第1お
よび第3インナワイヤ81,83とブレーキレバー
R ,LL との連結解除を極めて容易に行なうことがで
きる。さらに第1および第2アウタワイヤ76,77と
ブラケットBR ,BL との連結、ならびに第1および第
3インナワイヤ81,83とブレーキレバーLR ,LL
との連結は、上述とは逆の操作を行なえばよく、この連
結操作も極めて容易である。
【0024】次にこの実施例の作用について説明する
と、自転車で走行中に左ブレーキレバーLL によるブレ
ーキ操作を行なうと、第3インナワイヤ83が牽引され
るのに応じて後輪用キャリパブレーキCBR がブレーキ
作動し、先ず後輪WR で制動力が得られる。しかも第3
インナワイヤ83の牽引に応じて第3係合片91が第2
ばね92を縮小させながら揺動板33に下方から係合す
ることになり、第3係合片91により揺動板33が制動
位置側に揺動駆動されることにより、第2係合片90を
介して第2インナワイヤ82が牽引され、それに応じて
前輪用キャリパブレーキCBF がブレーキ作動し、前輪
で制動力が得られることになる。すなわち左ブレーキレ
バーLL のブレーキ操作により、先ず後輪用キャリパブ
レーキCB R が先行してブレーキ作動し、それに遅れて
前輪用キャリパブレーキCBF がブレーキ作動すること
になる。
【0025】また右ブレーキレバーLR によるブレーキ
操作を行なうと、第1インナワイヤ81が牽引されるの
に応じて第1係合片88が第1ばね89を縮小して揺動
板33に非制動位置側から係合し、揺動板33が制動位
置側に揺動駆動される。而して揺動板33の制動位置側
への揺動に応じて第2係合片90により第2インナワイ
ヤ82が牽引されることになり、前輪用キャリパブレー
キCBF がブレーキ作動する。この際、揺動板33は第
3係合片91から離反する方向に揺動するので、第3イ
ンナワイヤ83に牽引力が作用することはなく、後輪用
キャリパブレーキCBR がブレーキ作動することはな
い。
【0026】すなわち左ブレーキレバーLL の操作に応
じて後輪用キャリパブレーキCBRが先行してブレーキ
作動した後に前輪用キャリパブレーキCBF がブレーキ
作動し、右ブレーキレバーLR の操作に応じて前輪用キ
ャリパブレーキCBF のみがブレーキ作動することにな
る。
【0027】ところで、運転者によっては右ブレーキレ
バーLR の操作に応じて前輪用キャリパブレーキCBF
を先行してブレーキ作動させた後に後輪用キャリパブレ
ーキCBR をブレーキ作動させ、左ブレーキレバーLL
の操作に応じて後輪用キャリパブレーキCBR のみをブ
レーキ作動せしめることを望むことがある。
【0028】その場合には、図10で示すように、左ブ
ラケットBL および上支持板部28間を第1アウタワイ
ヤ76′で連結し、右ブラッケトBR および上支持板部
28間を第2アウタワイヤ77′で連結し、後端用キャ
リパブレーキCBR における一方の作動片10R および
下支持板部29間を第3アウタワイヤ78′で連結し、
前輪用キャリパブレーキCBF における一方の作動片1
F および下支持板部29間を第4アウタワイヤ79′
で連結するとともに、左ブレーキレバーLL に一端を係
合して第1アウタワイヤ76′に移動自在に挿通される
第1インナワイヤ81′の他端の第1係合片88を第1
ばね89を介して揺動板33にその非制動位置側から係
合可能とし、制動位置側で揺動板33に係合される第2
係合片90を一端に有して第2アウタワイヤ78′に移
動自在に挿通される第2インナワイヤ82′の他端を後
輪用キャリパブレーキCBR における他方の作動片11
Rに連結し、一端が右ブレーキレバーLR に係合される
とともに他端が前輪用キャリパブレーキCBF における
他方の作動片11F に連結される第3インナワイヤ8
3′を、第2アウタワイヤ77′および第4アウタワイ
ヤ79′に移動自在に挿通するとともに第3インナワイ
ヤ83′の中間部に設けられている第3係合片91を第
2ばね92を介して非制動位置側から揺動板33に係合
させるようにする。
【0029】このような、各アウタワイヤ76′〜7
9′と図2で示した各アウタワイヤ76〜79との交
換、ならびに各インナワイヤ81′〜83′と図2で示
した各インナワイヤ81〜83との交換は、第1および
第2取付孔41,42に通じる挿脱用スリット45,4
6が上支持板部28に設けられ、第1〜第3挿通孔34
〜36に通じる挿脱用スリット37〜39が揺動板33
に設けられ、第3および第4取付孔43,44に通じる
挿脱用スリット47,48が下支持板部29に設けられ
るので、第2枠体17を第1枠体16から取外した状態
で極めて容易に行なわれる。すなわち、第1受け部材5
1の上支持板部28との連結を解除している状態では、
第1インナワイヤ81,81′の上支持板部28および
揺動板33に対する挿脱が容易であり、第3受け部材5
3の下支持板部29との連結を解除している状態では、
第2インナワイヤ82,82′の揺動板33および下支
持板部29に対する挿脱操作が容易であり、第2受け部
材52の上支持板部28との連結および第4受け部材5
4の下支持板部29との連結をともに解除している状態
では、第3インナワイヤ83,83′の上支持板部2
8、揺動板33および下支持板部29に対する挿脱操作
が容易である。
【0030】また図2において、第1アウタワイヤ76
を左ブラケットBL に連結するとともに第1インナワイ
ヤ81を左ブレーキレバーLL に係合し、第2アウタワ
イヤ77を右ブラケットBR に連結するとともに第3イ
ンナワイヤ83を右ブレーキレバーLR に係合すること
も可能であり、その場合には右ブレーキレバーLR のブ
レーキ操作に応じて後輪用キャリパブレーキCBR を先
行してブレーキ作動させた後に前輪用キャリパブレーキ
CBF をブレーキ作動させ、左ブレーキレバーLL の操
作に応じて前輪用キャリパブレーキCBF のみをブレー
キ作動せしめることができ、さらに図10において、第
1アウタワイヤ76′を右ブラケットB R に連結すると
ともに第1インナワイヤ81′を右ブレーキレバーLR
に係合し、第2アウタワイヤ77′を左ブラケットBL
に連結するとともに第3インナワイヤ83′を左ブレー
キレバーLL に係合することも可能であり、そうする
と、左ブレーキレバーLR のブレーキ操作に応じて前輪
用キャリパブレーキCBF を先行してブレーキ作動させ
た後に後輪用キャリパブレーキCBR をブレーキ作動さ
せ、右ブレーキレバーLR の操作に応じて後輪用キャリ
パブレーキCBF のみをブレーキ作動せしめることがで
きる。
【0031】以上の実施例では、前輪用および後輪用ブ
レーキとしてキャリパブレーキCB F ,CBR を用いた
ブレーキ装置について説明したが、本発明は、バンドブ
レーキやカンチブレーキを用いた自転車用ブレーキ装置
に関しても適用可能である。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば、第1および第2アウタワイヤと両ブラケットとの連
結態様、第3および第4アウタワイヤと両ブレーキとの
連結態様、第1インナワイヤの両ブレーキレバーとの連
結態様、第2インナワイヤの両ブレーキとの連結態様、
ならびに第3インナワイヤの両ブレーキレバーおよび両
ブレーキとの連結態様をそれぞれ変化させることによ
り、同一の支持枠および揺動板を用いながら、一方のブ
レーキレバーの操作により後輪側を先行させながら両ブ
レーキをブレーキ作動させる状態と、他方のブレーキレ
バーの操作により前輪側を先行させながら両ブレーキを
ブレーキ作動させる状態とを切換えることができ、しか
も各アウタワイヤおよび各インナワイヤの着脱を容易と
して切換操作を極めて容易に行なうことができる。
【0033】また本発明の第2の特徴によれば、ブレー
キレバーおよびブラケット間に戻しばねを介設すること
を不要として部品点数低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自転車の上部斜視図である。
【図2】両ブレーキレバーおよび両ブレーキの連結構造
を示す断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図2の4−4線断面図である。
【図5】図3の5−5線断面図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】ブレーキレバー、ブラケット、アウタワイヤお
よびインナワイヤの連結構造を示す切欠き断面図であ
る。
【図8】図7の8−8線断面図である。
【図9】ブレーキレバーおよびブラケットとアウタワイ
ヤおよびインナワイヤとの着脱操作過程を順次示す図で
ある。
【図10】連結状態を変化させた状態の図2に対応する
断面図である。
【符号の説明】
1 車体フレーム 15 支持枠 28 上支持板部 29 下支持板部 33 揺動板 34 第1挿通孔 35 第2挿通孔 36 第3挿通孔 76,76′ 第1アウタワイヤ 77,77′ 第2アウタワイヤ 78,78′ 第3アウタワイヤ 79,79′ 第4アウタワイヤ 81,81′ 第1インナワイヤ 82,82′ 第2インナワイヤ 83,83′ 第3インナワイヤ 88 第1係合片 89,92 ばね 90 第2係合片 91 第3係合片 BL ,BR ブラケット CBF 前輪用キャリパブレーキ CBR 後輪用キャリパブレーキ H ハンドル LL ,LR ブレーキレバー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドル(H)の左右両端部に固定され
    るブラケット(BL ,BR )にそれぞれ支承されるブレ
    ーキレバー(LL ,LR )と、前輪用および後輪用ブレ
    ーキ(CBF ,CBR )とを含む自転車用ブレーキ装置
    において、相互に間隔をあけて対向する上および下支持
    板部(28,29)を有して車体フレーム(1)に固定
    された支持枠(15)には、第1、第2および第3挿通
    孔(34,35,36)を有する揺動板(33)が、上
    方の制動位置および下方の非制動位置間での揺動を可能
    として支承され、両ブラケット(BL ,BR )のいずれ
    かに一端をそれぞれ着脱可能に連結した第1および第2
    アウタワイヤ(76,76′;77,77′)の他端が
    第1および第3挿通孔(34,36)に対応する位置で
    上支持板部(28)にそれぞれ着脱可能に連結され、第
    2および第3挿通孔(35,36)に対応する位置で下
    支持板部(29)に一端をそれぞれ着脱可能に連結した
    第3および第4アウタワイヤ(78,78′;79,7
    9′)の他端が前輪用および後輪用ブレーキ(CBF
    CBR )のいずれかにそれぞれ着脱可能に連結され、両
    ブレーキレバー(LL ,LR )の一方に一端を係合して
    第1アウタワイヤ(76,76′)に移動自在に挿通さ
    れるとともに非制動位置側で揺動板(33)に係合可能
    な第1係合片(88)を他端に備える第1インナワイヤ
    (81,81′)がその長手方向とは直交する方向への
    挿脱を可能として上支持板部(28)および揺動板(3
    3)に挿通され、制動位置側で揺動板(33)に係合さ
    れる第2係合片(90)を一端に有するとともに他端が
    前輪用あるいは後輪用ブレーキ(CBF ,CBR )に着
    脱可能に連結されて第3アウタワイヤ(78,78′)
    に移動自在に挿通される第2インナワイヤ(82,8
    2′)がその長手方向とは直交する方向への挿脱を可能
    として揺動板(33)および下支持板部(29)に挿通
    され、一端が両ブレーキレバー(LL ,LR )の他方に
    係合されるとともに他端が後輪用あるいは前輪用ブレー
    キ(CBR ,CBF )に着脱可能に連結されて第2アウ
    タワイヤ(77,77′)および第4アウタワイヤ(7
    9,79′)に移動自在に挿通される第3インナワイヤ
    (83,83′)が、その長手方向と直交する方向への
    挿脱操作を可能として上支持板部(28)、揺動板(3
    3)および下支持板部(29)に挿通され、非制動位置
    側で揺動板(33)に係合すべく第3インナワイヤ(8
    3,83′)に設けられた第3係合片(91)と揺動板
    (33)との間には第3係合片(91)を揺動板(3
    3)から離反する方向のばね力を発揮するばね(92)
    が介装されることを特徴とする自転車用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 第1係合片(88)および揺動板(3
    3)間には、第1係合片(88)を揺動板(33)から
    離反させる方向のばね力を発揮するばね(89)が介装
    されることを特徴とする請求項1記載の自転車用ブレー
    キ装置。
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US20120175197A1 (en) * 2007-07-10 2012-07-12 Tseng Ton-Rong Safety braking system
EP2684788A3 (en) * 2012-07-11 2014-07-16 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Straddle type vehicle interlocking brake system and straddle type vehicle

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