JPH06126826A - プラスチック薄板の成形方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】プラスチック薄板を、加熱することなく冷間で
成形し、長さ寸法のバリエーションをもたす方法を提供
し、さらにロールフォーミングによる成形を容易にする
方法を提供することを目的とする。 【構成】通常のいわゆるフラワー図によるロール形態で
はなく、折曲部から延びる平坦部を湾曲させ、折曲げ角
を大きくする工程を含め、さらに成形完了後、製品重量
を支える補助ロールを追加したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック薄板の連
続成形に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ポリ塩化ビニル樹脂板、アクリル
樹脂板、ポリカーボネート樹脂板等、プラスチック薄板
の成形加工は、プラスチック薄板材料の軟化点付近まで
加熱し、材料を軟化させ、成形金型で真空吸着するか、
圧下して加工した後、冷却して完了するものであった。

【０００３】しかしながら、この従来の成形方法では、 加熱しなければならないので作業効率が悪く、加工費
が増大する。 成形金型によって製品寸法が決まるので、製品長さの
無段階のバリエーションがない。 加熱設備、成形金型等、イニシャルコストが増大す
る。 等の欠点があった。

【０００４】これに対し、一般的な金属薄板の成形品の
冷間での量産法としてロールフォーミングがあるが、プ
ラスチック板、特にポリカーボネート樹脂板などを冷間
でロールフォーミングしようとすると、材料の弾性限界
が大きいので、塑性加工できず、用いられないのが普通
であった。

【０００５】

【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点
に対し、加熱しない、いわゆる冷間での成形加工を実施
すること、安価な量産をすること、製品長さの無段階の
バリエーションを持たせることを課題とするものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、材料の弾性限
界が大きいポリカーボネート樹脂板などの加工をロール
フォーミングによって行なうものである。

【０００７】一般に行われる、金属薄板の成形法として
のロールフォーミングは、平板から完成品までを数段階
に分解した、いわゆるフラワー図に基づいたロールによ
って成形加工するものである。しかし、弾性限界が大き
いポリカーボネート樹脂板などにおいては所定の角度を
越えて折曲げるいわゆるオーバーベンドを大量に必要と
するため、折曲部内側のナイフエッジによる加工が期待
できない。

【０００８】これに対し、本発明では折曲部から延びる
平坦部を湾曲させ、折曲げ外角を大きくとれるようにし
た。

【０００９】また一般に、製品形状を完成させたロール
後方にはさらに製品の反り、ねじれを矯正するために、
最終形状と同一の最終ロールを設けるが、ポリカーボネ
ート樹脂板などでは最終ロール通過後、製品の自重によ
って一時的にたわんでしまい製品の直進性が失われ、本
来成形加工をしない最終ロールによって製品が変形して
しまう。

【００１０】したがって、最終ロールの後方に、折曲げ
加工を一切負担せず製品の重量を支え、直進させるため
のみの補助ロールを設けた。以下、本発明の実施例を図
により説明する。

【００１１】

【実施例】図１〜図５は本発明によるロールフォーミン
グによって断面コ字状のいわゆる樋の成形過程を示した
工程概略図である。図３では一応完成品と同等の形状を
得ているが、材料の弾性限界が大きいので、ここで拘束
を開放すると回復力、いわゆるスプリングバックによっ
て底辺の両端の角度は大きく開いてしまう。このため図
４では、底辺の両端の角度を所定の角度よりも鋭角に折
り曲げ、いわゆるオーバーベンドした後所定の製品を得
ている。

【００１２】図６〜図１１は、図１〜図５の工程概略に
沿った成形用ロール断面図である。一般に行われる、金
属薄板の成形法としてのロールフォーミングによれば図
８までで成形加工は完了しているのであるが材料の弾性
限界が大きいポリカーボネート樹脂板などの場合、さら
に図９で示したように底辺を湾曲させ、オーバーベンド
する成形ロールを設けている。

【００１３】また、図１０によって成形は完成したもの
の、図１０を通過後、自重で製品が下方にたわみ、変形
してしまうのを図１１の補助ロールによって防止してい
る。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、プラスチ
ック板の成形をロールフォーミングによって行うので、
大量生産に有利となり、製造コストを軽減できる。ま
た、製品長さ寸法における無段階のバリエーションが可
能となる。

【００１５】また、従来のいわゆるフラワー図によるも
のと違って、折曲部から延びる平坦部を湾曲させ、折曲
げ角を大きくとれるようにしたのでさらにロールフォー
ミング成形が容易になった。

【００１６】さらに、成形ロール最終段以後に、製品の
直進性を促す補助ロールを設けることにより自重たわみ
による製品歪みを防止できるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】〜

【図５】本発明による成形過程を示す曲げ工程の断面略
図である。

【図６】〜

【図１１】本発明に係わる成形ロールの断面略図であ
る。

【符号の説明】

Ａ プラスチック薄板 １−ｆ〜１’−ｆ；上ロール芯 ｍ−ｆ〜ｍ’−
ｆ；下ロール芯 １−ｇ〜１’−ｇ；上ロール芯 ｍ−ｇ〜ｍ’−
ｇ；下ロール芯 １−ｈ〜１’−ｈ；上ロール芯 ｍ−ｈ〜ｍ’−
ｈ；下ロール芯 １−ｉ〜１’−ｉ；上ロール芯 ｍ−ｉ〜ｍ’−
ｉ；下ロール芯 １−ｊ〜１’−ｊ；上ロール芯 ｍ−ｊ〜ｍ’−
ｊ；下ロール芯 ｍ−ｋ〜ｍ’−ｋ；下ロール芯

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラスチック薄板の断面一様の連続成形
   を、ロール成形によって行うことを特徴とする薄板の成
   形方法。
2. 【請求項２】 成形用ロールによる成形過程で、製品の
   折曲部から延びる平坦部を湾曲させて折曲げ、所定角度
   よりも過度に加工して所定角度を得ることを特徴とする
   請求項１の成形方法。
3. 【請求項３】 成形用ロール最終段によって所定の形状
   を得た後、製品を直進させるための補助ロールを設けた
   ことを特徴とする請求項１の成形方法。