JPH06126536A - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents

ワイヤ放電加工装置

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JPH06126536A
JPH06126536A JP4281346A JP28134692A JPH06126536A JP H06126536 A JPH06126536 A JP H06126536A JP 4281346 A JP4281346 A JP 4281346A JP 28134692 A JP28134692 A JP 28134692A JP H06126536 A JPH06126536 A JP H06126536A
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corner
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Takuji Magara
卓司 真柄
Hisashi Yamada
久 山田
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コーナー部仕上加工においてコーナー半径、
電極オフセットに基づいて計算される速度目標値以上と
ならないよう制御することにより、コーナー部の仕上精
度を向上する。 【構成】 誤差電圧の演算手段21と、積分的な指令速
度成分の演算手段22と、プログラム円弧半径と電極オ
フセット量の関数として求められるコーナー部速度目標
値の演算手段25a,25bと、前記指令速度が前記速
度目標値以上となった場合には前記速度目標値を指令速
度とする演算手段23とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放電加工装置の高精度化
に係り、特に円弧加工時における加工精度を改善する放
電加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は従来のワイヤ放電加工機を示すも
のである。図において、1はワイヤ電極、2は被加工
物、3は被加工物2を固定し移動を行うテーブル、4は
加工用電源、5は加工中の極間平均電圧を検出する極間
検出回路、6はテーブル3の駆動を行うサーボモータ、
7はサーボモータ6の駆動制御を行うサーボアンプ、8
はNCプログラムに基づき、加工中のテーブル送りなど
の制御を行うNC装置、9は張力付加機構、10はワイ
ヤボビン、11はワイヤ走行装置、12はワイヤ回収容
器、13a、13bは加工液ノズルである。。図4はN
C装置8の内部に設けられた速度制御手段を示したもの
であり、21は目標電圧と極間検出回路4にて検出され
る極間平均電圧との誤差又は比を所定サンプリング時間
毎に計算する演算手段、22は演算手段21により求め
られた誤差電圧から指令速度を所定サンプリング毎に計
算する演算手段である。
【0003】次に動作について説明する。図3におい
て、ワイヤ電極1と被加工物2の間には、加工用電源4
により加工電流が供給され、両者の間に放電を発生させ
ることにより加工が進行する。その際、NC装置8に予
め与えられたNCプログラムに基づいてテーブル3が駆
動されることにより、所望形状の加工が可能となる。す
なわち、NC制御装置8からの速度信号によりサーボア
ンプ7がサーボモータ6を駆動し、被加工物2の移動が
行われ、加工が進行する。
【0004】加工中の移動速度は極間の状態によって変
化させられる。即ち、極間の間隙が広がっている場合に
は移動速度を速くし、極間の間隙が狭くなっている場合
には移動速度を遅くすることにより、ワイヤ電極1と被
加工物2の接触を防ぎ、最適な加工を行うことができ
る。加工中の間隙距離は加工中の平均電圧により判断で
きるため、一般には、極間平均電圧が所定の目標値に一
致するよう、移動速度の制御が行われる。
【0005】すなわち、図4のように、まず演算手段2
1において予め設定されていた目標電圧Vsと、極間検
出回路5により検出された極間平均電圧Vとの差(以
下、誤差電圧Veという)を計算する。次に演算手段2
2ではこの誤差電圧Veの関数として定義された速度成
分変更量DF(n)を計算する。DF(n)は電圧値か
ら速度値に変換する変換パラメータKと誤差電圧Ve
(n)の積から求められる。次に、前回の計算値F(n
−1)にこの速度成分変更量DF(n)を加算した最新
の指令速度F(n)の計算を行う。この指令速度信号が
サーボアンプ7に送られ、サーボモータ6が駆動される
ことにより、テーブル3および被加工物2が所望の指令
速度で移動させられる。こうした演算は所定のサンプリ
ング時間毎に繰り返し行われ、被加工物の移動速度が極
間の状態に応じて変化するよう制御されて加工が進行す
る。
【0006】上記のような速度制御はワイヤ放電加工特
有の制御であり、積分要素によって速度が急激に変化し
ないような制御系とされている。これは、ワイヤ電極に
剛性がないため、速度が急激に変化するようにすると極
間の短絡と開放を繰り返す発振状態となり加工不能とな
ってしまうことによる。
【0007】次に、コーナー部分における仕上加工につ
いて考えてみる。図5はインコーナーの仕上加工につい
て除去量の変化を示したものであり、Aは直線移動区
間、Bはコーナー前に除去量が増加する除去量増加区
間、Cは円弧移動区間、Dは円弧移動終了前に除去量が
減少する除去量減少区間、Eはコーナー後の直線移動区
間である。O1〜O4はコーナー仕上加工過程におけるワ
イヤ中心位置であり、O1は除去量増加区間の開始点に
おけるワイヤ中心位置、OBは除去量増加区間Bの任意
の点におけるワイヤ中心位置、O2は円弧移動開始点に
おけるワイヤ中心位置、O3は除去量減少区間の開始点
におけるワイヤ中心位置、ODは除去量減少区間Dの任
意の点におけるワイヤ中心位置、O4は円弧移動終了点
におけるワイヤ中心位置である。
【0008】L1〜L4は各ワイヤ中心位置O1〜O4にお
ける除去量を示すものであり、L1はワイヤ中心がO1の
位置にある時の除去量、LBはワイヤ中心がOBの位置に
ある時の除去量、L2はワイヤ中心がO2の位置にある時
の除去量、L3はワイヤ中心がO3の位置にある時の除去
量、LDはワイヤ中心がODの位置にある時の除去量、L
4はワイヤ中心がO4の位置にある時の除去量を示す。例
えば、図5においてワイヤ中心がO2の位置における除
去量L2は以下のように求められる。まず、ワイヤ中心
O2の電極の外周と、破線でしめす被加工物の加工前の
面との交点P1を求める。次に、この交点P1から、電極
外周と仕上がり面の接点P3における接線に垂線を引
き、前記接線との交点P2を求める。このP1とP2の距
離P1−P2が中心位置O2における除去量となる。即
ち、除去量は、ある瞬間におけるワイヤ進行方向に対し
て垂直な方向の除去厚さと定義される。
【0009】また、rはコーナー部の円弧軌跡の中心点
から被加工面(図中波線で示す)までの距離、r’はコ
ーナー部におけるワイヤ中心軌跡の円弧半径である。図
においてワイヤ電極中心位置がO1までの直線加工(区
間A)における除去量はL1であるが、コーナー入り口
部(B区間)において除去量はL1→L2に急激に増加
し、除去量が増加した状態のままコーナーの加工が行わ
れる(区間C)。コーナー出口部(区間D)では除去量
はL3→L4に急激に減少し、直線加工時の除去量に復帰
する(区間E)。図6はインコーナーの仕上加工におけ
る除去量の変化を示したものである。また、アウトコー
ナーの仕上加工については図7のように逆に除去量が減
少する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の放電加工装置
は、上記のように構成されており、コーナー部分の仕上
加工における除去量の急激な変化に対して速度が応答で
きない場合が多く、コーナー部分における加工間隙が変
化して形状誤差が発生する問題があった。
【0011】本発明はこうした従来の問題点を解決する
ためになされたもので、コーナー部において非線形的な
速度制御を施すことにより、コーナー部分における除去
量の変化に対して瞬時に適応し、コーナー部分における
仕上精度を向上することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係わるワイヤ
放電加工装置は、加工中の極間電圧を検出し、検出され
た極間電圧と予め設定された基準電圧との差または比
(以下、誤差電圧という)を所定のサンプリング時間毎
に計算する演算手段と、前記誤差電圧の関数として求め
られる速度変更量を、前回の計算値に加算することによ
り求められる指令速度成分を計算する演算手段と、円弧
部分の加工においてプログラム円弧半径と電極オフセッ
ト量の関数として求められる速度目標値を計算する速度
目標値演算手段と、円弧部分の加工において前記指令速
度が前記速度目標値以上となった場合には前記速度目標
値を指令速度とする演算手段とを有するものである。
【0013】またこの発明に係わるワイヤ放電加工装置
は、加工中の極間電圧を検出し、検出された極間電圧と
予め設定された基準電圧との差または比(以下、誤差電
圧という)を所定のサンプリング時間毎に計算する演算
手段と、前記誤差電圧の計算結果から各サンプリング毎
の過渡的な指令速度成分(以下、過渡応答成分という)
を計算する演算手段と、前回のサンプリングにおける速
度情報を加味して求められる速度変更量を、前回の計算
値に加算することにより求められる積分的な指令速度成
分(以下、積分成分という)を計算する演算手段と、前
記過渡応答成分と前記積分成分の総和により各サンプリ
ング毎の指令速度を計算する演算手段と、円弧部分の加
工においてプログラム円弧半径と電極オフセット量の関
数として求められる速度目標値を計算する速度目標値演
算手段と、円弧部分の加工において前記積分成分が前記
速度目標値以上となった場合には前記速度目標値を積分
成分とする演算手段とを有するものである。
【0014】
【作用】この発明に係わるワイヤ放電加工装置は、コー
ナー加工における速度目標値をコーナー部円弧半径およ
びオフセット値から計算するとともに、指令速度が前記
速度目標値以上とならないように制御する。
【0015】また、この発明に係わるワイヤ放電加工装
置は、コーナー加工における速度目標値をコーナー部円
弧半径およびオフセット値から計算するとともに、指令
速度の積分成分が前記速度目標値以上とならないように
制御する。
【0016】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の第1の実施例を図に基づき
説明する。図1は本発明の第1の実施例における速度制
御を示すフロー図であり、21は目標電圧と極間平均電
圧との誤差を所定サンプリング時間毎に計算する演算手
段、22は演算手段21により求められた誤差電圧から
積分的な指令速度を所定サンプリング毎に計算する演算
手段、23は円弧部分の仕上加工における速度目標値以
上となった場合には前記速度目標値を速度指令とする演
算手段である。29は現在位置が直線部分かコーナー
(円弧)部分かを判別する第1の判別手段、24は加工
するコーナーがアウトコーナーかインコーナーかを判別
する第2の判別手段、25a、25bはそれぞれアウト
コーナー、インコーナーそれぞれの場合における前記速
度目標値を計算する演算手段である。
【0017】次に、動作について説明する。従来例同
様、ワイヤ電極1と被加工物2の間には、加工用電源4
により加工電流が供給され、両者の間に放電を発生させ
ることにより加工が進行する。
【0018】図1のように、まず演算手段21において
予め設定されていた目標電圧Vsと、極間検出回路5に
より検出された極間平均電圧Vとの差(以下、誤差電圧
Veという)を計算する。ただし、誤差電圧Veは目標
電圧Vsと極間平均電圧Vとの比で表してもよい。次に
演算手段22では、例えば電圧値を速度値に変換する変
換パラメータkと誤差電圧との積である誤差電圧Veの
関数として定義された速度成分変更量DF(n)を計算
するとともに、前回の計算値F(n−1)にこの速度成
分変更量DF(n)を加算した最新の指令速度F(n)
の計算を行う。変換パラメータの値としてはk=0.5
程度に設定されている。例えば、加工間隙が広がり、誤
差電圧Veが目標電圧より2V高くなっている場合、速
度成分変更量DFは、 DF(n)=0.5×2 =1.0(mm/min) 前回のサンプリングにおける速度成分F(n−1)=
5.0(mm/min)であったとすると、指令速度成分F
は、 F(n)=5.0+1.0 =6.0(mm/min) と増加する。
【0019】第1の判別手段29は現在位置が直線部分
かコーナー部分かの判別を行い直線加工においては以下
に示す制御を行わず、従来例と同様な制御が行われる。
一方、コーナー部での加工の場合、第2の判別手段24
により、アウトコーナーかインコーナーかが判別され
る。例えば、アウトコーナーかインコーナーかの判別
は、NCプログラム中の円弧指令コード(右回り円弧G
02、左回り円弧G03)とオフセット指令コード(進
行方向に対して左側オフセットG41、右側オフセット
G42)の組み合わせで判別可能である。アウトコーナ
ーについては演算手段25a、インコーナーについては
演算手段25bにより、コーナー部における速度目標値
FImaxが計算される。
【0020】演算手段25a,25bにおいて、速度目
標値FImaxは、プログラム円弧半径Rと電極オフセッ
トHの関数として定義され、コーナーR、オフセットH
の大小に応じて適正な速度目標値が次式に基づいて計算
される。 アウトコーナー:FImax=b・((R+H)/R)a インコーナー :FImax=b・((R−H)/R)a ここで、aは予め制御装置内部に記憶されている定数で
あり、通常a=2程度の値を使用する。bは被加工物2
の板厚等により定まる値であり、予めテーブルデータと
して制御装置内部に記憶されているか、またはNCプロ
グラムから制御装置に情報として与えられ、通常b=1
〜10(mm/min)が設定される。また、プログラムコー
ナー半径R、電極オフセットHについては予めNCプロ
グラム情報として与えられている。
【0021】例えば、図5,図6に示した板厚20mmの
インコーナーの仕上加工においては、R=0.2(m
m)、H=0.125(mm)がNCプログラム情報とし
て与えられ、a=2、b=5とすると、 FImax=5×((0.2−0.125)/0.2)2 =0.70(mm/min) また、アウトコーナーについては、 FImax=5×((0.2+0.125)/0.2)2 =13.20(mm/min) となる。
【0022】以上のようにして、インコーナーでは低い
速度目標値が、アウトコーナーについては高い速度目標
値が設定される。図1の演算手段23は前記速度目標値
FImaxと前述した指令速度F(n)とを比較し、指令
速度F(n)が円弧部分の仕上加工における速度目標値
以上となった場合には前記速度目標値を速度指令とする
よう演算が行われ、この結果が最終的な指令速度とな
る。例えば、前述したインコーナー仕上加工において
は、FImaxは0.70(mm/min)であるので、F
(n)はこの値でロックされ、速度が低下する。一方、
アウトコーナーについては、F(n)が13.20(mm
/min)以上になるまでロックはかからず、高速で円弧移
動を行う。
【0023】この指令速度信号は、従来例同様サーボア
ンプ7に送られ、サーボモータ6が駆動されることによ
り、テーブル3および被加工物2が所望の指令速度で移
動させられる。こうした演算は所定のサンプリング時間
毎に繰り返しおこなわれ、被加工物の移動速度が極間の
状態に応じて変化するよう制御されて加工が進行する。
なお、一般的なワイヤ仕上加工については通常R>Hと
なるが、R≦Hの場合については上記の制御は行わず、
直線部分における制御と同様な制御を行う。
【0024】実施例2.次に、この発明の第2の実施例
を図に基づき説明する。図3は本発明の第2の実施例を
示すフロー図であり、21は目標電圧と極間平均電圧と
の誤差を所定サンプリング時間毎に計算する演算手段、
26は前回のサンプリングにおける速度情報を加味して
求められる速度変更量を、前回の計算値に加算すること
により求められる積分的な指令速度成分(以下、積分成
分という)を計算する演算手段、27は演算手段21に
より求められた前記誤差電圧の計算結果から各サンプリ
ング毎の過渡的な指令速度成分(以下、過渡応答成分と
いう)を計算する演算手段、23は前記積分成分が、円
弧部分における速度目標値が前記速度目標値以上となっ
た場合には前記速度目標値を積分成分とする演算手段、
28は前記過渡応答成分と前記積分成分の総和により各
サンプリング毎の送り指令速度を計算する演算手段であ
る。
【0025】次に、動作について説明する。従来例同
様、ワイヤ電極1と被加工物2の間には、加工用電源4
により加工電流が供給され、両者の間に放電を発生させ
ることにより加工が進行するものである。
【0026】図2において、まず演算手段21において
予め設定されていた目標電圧Vsと、極間検出回路5に
より検出された極間平均電圧Vとの差又は比(以下、誤
差電圧Veという)を計算する。演算手段26において
はこの誤差電圧Veと前回の速度成分の関数として定義
された積分成分変更量DFI(n)を計算する。積分成
分変更量DFI(n)は次式で示される。 DFI(n)=k1・Ve(n)・FI(n−1) ここで、k1は電圧量を速度量に変換する変換パラメー
タであり通常0.1程度に設定されている。例えば、前
回の積分成分FI(n−1)=4.0(mm/min)、誤差
電圧Veが+2Vとすると、 DFI(n)=0.1×2×4.0 =0.8(mm/min)
【0027】次に、前回の計算値FI(n−1)にこの
速度成分変更量DFI(n)を加算した最新の積分成分
F(n)の計算を行う。即ち、 FI(n)=FI(n−1)+DFI(n) =4.0+0.8 =4.8(mm/min) 一方、上記の積分成分の計算と並行して、演算手段27
においは、演算手段21により求められた前記誤差電圧
の計算結果から各サンプリング毎の次式で示した過渡的
応答成分FEを計算する。 FE(n)=k2・Ve(n) ここで、k2は電圧量を速度量に変換する変換パラメー
タであり通常k2=1.0程度に設定される。上記の例
では、 FE(n)=1.0×2 =2.0 この過渡応答項は、誤差電圧が小さい場合にはあまり大
きくならないが、加工が極端にオープンあるいは短絡に
近い状態になった場合には、きわめて応答良く変化す
る。
【0028】第1の実施例と同様、第1の判別手段29
は現在位置が直線部分かコーナー部分かの判別を行い直
線加工においては以下に示す制御を行わず、従来例と同
様な制御が行われる。一方、コーナー部での加工の場
合、第2の判別手段24により、アウトコーナーかイン
コーナーかが判別され、アウトコーナーについては演算
手段25a、インコーナーについては演算手段25bに
より、コーナー部における速度目標値FImaxが計算さ
れる。演算手段23は前記速度目標値FImaxと積分速
度成分FI(n)とを比較し、積分速度成分FI(n)
が円弧部分の仕上加工における速度目標値以上となった
場合には前記速度目標値を積分速度成分とするよう演算
が行われる。さらに、演算手段28は、演算手段26に
より求められた前記積分成分と演算手段27により計算
され過渡応答成分の総和を計算し、この結果が最終的な
指令速度となる。
【0029】即ち、上記の例では、 a)アウトコーナーでは、 F(n)=FE(n)+FI(n) =2.0+4.8 =6.8(mm/min) b)インコーナーでは、FI(n)がFImaxでロック
されるため、 F(n)=FE(n)+FI(n)=FE(n)+FImax =2.0+0.70 =2.7(mm/min) となる。この指令速度信号は、従来例同様サーボアンプ
7に送られ、サーボモータ6が駆動されることにより、
テーブル3および被加工物2が所望の指令速度で移動さ
せられる。こうした演算は所定のサンプリング時間毎に
繰り返しおこなわれ、被加工物の移動速度が極間の状態
に応じて変化するよう制御されて加工が進行する。
【0030】実施例3.なお、上記実施例は速度目標値
の計算を指令速度成分Fの計算後行うものについて説明
したが、NCプログラムを先読みすれば、次の加工がコ
ーナー部か否か、またコーナー部加工の場合、アウトコ
ーナー加工かインコーナー加工かが事前に判別でき、ま
た速度目標値の計算に必要な数値も事前に得られるの
で、速度目標値の計算を指令速度成分Fの計算と並行或
はそれより前に行ってもよい。
【0031】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、コ
ーナー部においてコーナー円弧半径および電極オフセッ
トに応じた速度目標値が求められ、速度指令がその速度
目標値を越える場合には速度目標値を指令速度とするの
で、インコーナー部においてインコーナー仕上における
取り残し(アンダーカット)が防止でき、またアウトコ
ーナーについて取りすぎ(オーバーカット)が防止でき
る。以上の制御はすべてのコーナーに関して自動的にお
こなわれるため、コーナー部における仕上加工精度が著
しく向上する効果がある。
【0032】また、コーナー部において積分成分が瞬時
に速度目標値に制御されるため、過渡応答成分を積分成
分に加味していることにより、コーナー加工中における
微妙な除去量の変化に対して適応でき、コーナー形状精
度がさらに向上される効果がある。さらに、被加工物端
面からの食いつき時など、急激に加工面積(除去量)が
変化する場合においても、きわめて安定に加工を行い得
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示すフロー図であ
る。
【図2】この発明の第2の実施例を示すフロー図であ
る。
【図3】従来のワイヤ放電加工機を示す説明図である。
【図4】従来のワイヤ放電加工機の速度制御を示すフロ
ー図である。
【図5】インコーナー部仕上加工における除去量の変化
の説明図である。
【図6】インコーナー部仕上加工における除去量変化を
示す説明図である。
【図7】アウトコーナー部仕上加工における除去量変化
を示す説明図である。
【符号の説明】
21 誤差電圧演算手段 22 積分的な指令速度の演算手段 23 コーナー部の速度目標値を速度指令とする演算手
段 24 コーナーがアウトコーナーかインコーナーかを判
別する第2の判別手段 25a、25b アウトコーナー、インコーナーそれぞ
れの場合における速度目標値を計算する演算手段 26 積分的な指令速度成分を計算する演算手段 27 過渡的な指令速度成分を計算する演算手段 28 過渡応答成分と前記積分成分の総和を計算する演
算手段 29 現在位置が直線部かコーナー部かを判別する第1
の判別手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ状電極と被加工物との間に形成さ
    れる加工間隙に電圧を印加しつつ加工を行うワイヤ放電
    加工装置において、 加工中の極間電圧を検出し、検出された極間電圧と予め
    設定された基準電圧との差または比(以下、誤差電圧と
    いう)を所定のサンプリング時間毎に計算する演算手段
    と、 前記誤差電圧の関数として求められる速度変更量を、前
    回の計算値に加算することにより求められる指令速度成
    分を計算する演算手段と、 円弧部分の加工においてプログラム円弧半径と電極オフ
    セット量の関数として求められる速度目標値を計算する
    速度目標値演算手段と、 円弧部分の加工において前記指令速度が前記速度目標値
    以上となった場合には前記速度目標値を指令速度とする
    演算手段と、を有することを特徴とするワイヤ放電加工
    装置。
  2. 【請求項2】 ワイヤ状電極と被加工物との間に形成さ
    れる加工間隙に電圧を印加しつつ加工を行うワイヤ放電
    加工装置において、 加工中の極間電圧を検出し、検出された極間電圧と予め
    設定された基準電圧との差または比(以下、誤差電圧と
    いう)を所定のサンプリング時間毎に計算する演算手段
    と、 前記誤差電圧の計算結果から各サンプリング毎の過渡的
    な指令速度成分(以下、過渡応答成分という)を計算す
    る演算手段と、 前回のサンプリングにおける速度情報を加味して求めら
    れる速度変更量を、前回の計算値に加算することにより
    求められる積分的な指令速度成分(以下、積分成分とい
    う)を計算する演算手段と、 前記過渡応答成分と前記積分成分の総和により各サンプ
    リング毎の指令速度を計算する演算手段と、 円弧部分の加工においてプログラム円弧半径と電極オフ
    セット量の関数として求められる速度目標値を計算する
    速度目標値演算手段と、 円弧部分の加工において前記積分成分が前記速度目標値
    以上となった場合には前記速度目標値を積分成分とする
    演算手段と、を有することを特徴とするワイヤ放電加工
    装置。
  3. 【請求項3】 速度目標値演算手段は、円弧指令の種類
    およびオフセット方向により、加工される円弧がアウト
    コーナーかインコーナーかを判別し、インコーナーの速
    度目標値が、アウトコーナーの速度目標値より低くなる
    よう前記速度目標値の計算方法を変えるものであること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のワイヤ放
    電加工装置。
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