JPH0612588U - ケーシングチユーブ回転用の油圧駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケーシングチユーブ回転用のリングギヤ６に
夫々出力軸を連動連結した３個以上の定容量形油圧モー
タ１〜４を、オールスピード形ガバナ付きエンジン駆動
の油圧ポンプ８から圧油を供給される方向切換弁９に、
同方向の駆動可能に並列接続したケーシングチユーブの
回転押込装置に、従来より小容量の１個の切換弁を設け
るだけで２段変速可能とする。 【構成】 方向切換弁９と油圧モータ４との間の両側給
排油路の途中に、該油圧モータの回転方向を正逆切換え
可能な切換弁１０を接続し、該切換弁の逆接続位置にお
いては、油圧モータ４をリングギヤ６で駆動してポンプ
作用を行わせることにより、油圧モータ３，４の間で油
の受け渡しを行わせて、他の油圧モータ１，２を高速駆
動する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は基礎杭の打設に必要なケーシングチユーブの回転押込装置に用いるケ ーシングチユーブ回転用の油圧駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来ケーシングチユーブの外側に略同心に固定されるリングギヤと、該リング ギヤに夫々連動連結された３個以上のピニオンと、該各ピニオンを夫々駆動する 定容量形の油圧モータとを備える昇降台と、オールスピード形ガバナ付きのエン ジンで駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出圧油を制御する１個の方向 切換弁に各油圧モータを、同方向に駆動するよう並列接続した油圧回路とを含む ケーシングチユーブの回転押込装置は、特開平３−６６８２９号公報等に開示さ れている。

【０００３】 又油圧ポンプの吐出圧油を制御する１個の方向切換弁と、被動体同時駆動用の ２個の定容量形油圧モータとの間に、該両油圧モータを方向切換弁に並列或いは 直列に接続する並直切換弁を接続して、並列接続時のモータ速度を直列接続時の モータ速度の略１／２に変速する考案も実開昭５６−１１３０７１号公報に開示 されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この後者の考案を前者のケーシングチユーブの回転押込装置に適用しようとす ると、複数の並直切換弁を必要とするのみならず、該並直切換弁をポンプ吐出油 の全量が流れるため、弁容量や配管の径が大きくなつて、昇降台に該並直切換弁 や各油圧モータへの配管をコンパクトに取付けることが難しくなる点に問題があ る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案は、方向切換弁と１個の油圧モータとの間の両側給排油路の途中に、該 油圧モータの回転方向を正逆切換え可能な切換弁を接続したことを特徴とするも のである。

【０００６】

【実施例】

図１は本考案一実施例の油圧回路図であつて、１，２，３，４は夫々等容量の 定容量形の油圧モータ、５は該各油圧モータ１〜４の出力軸に夫々取付けたピニ オン、６は４個のピニオン５を夫々連動連結したリングギヤを示し、オールスピ ード形ガバナ付きの建設機械用デイーゼルエンジン７で駆動される油圧ポンプ８ の吐出口には、１個の方向切換弁９を介して油圧モータ１，２，３，４を同方向 に駆動するよう並列に接続し、且つ該方向切換弁９のＡ，Ｂポートに夫々接続さ れた油圧モータ４の両側給排油路４ａ，４ｂの途中には、該油圧モータ４の回転 方向を正逆切換え可能な切換弁１０を接続している。尚１ａ，１ｂは油圧モータ １の両側給排油路、２ａ，２ｂは油圧モータ２の両側給排油路、３ａ，３ｂは油 圧モータ３の両側給排油路を示す。

【０００７】 ケーシングチユーブの回転押込装置の昇降台は、図２に示すように従来同様の 構成よりなる。即ち水平のリングギヤ６は正方形に近い矩形状の昇降台１１内に 玉軸受１２を介して回動自在に支承され、該リングギヤ６には、中間歯車１３を 介して昇降台１１の四隅に取付けた各油圧モータの出力側ピニオン５が連動連結 されている。１８は各油圧モータ１〜４の保護カバーである。

【０００８】 １４はケーシングチユーブ１５を抱持緊締可能なクランプユニツトで、円弧状 の中央セグメント１４ａの両側に夫々円弧状のセグメント１４ｂ，１４ｃを順次 鎖状に連結して、両端のセグメント１４ｃ同志の間を伸縮自在な油圧シリンダ１ ６で連結してなり、該クランプユニツト１４は、その外周に設けた上下の鍔部分 間でリングギヤ６を摺動可能に上下挟持すると共に、中央のセグメント１４ａを 該リングギヤにボルト結合により固着している。

【０００９】 このためクランプユニツト１４で抱持緊締したケーシングチユーブ１５は、リ ングギヤ６と略同心となり、該リングギヤ６を油圧モータ１〜４で駆動して該ケ ーシングチユーブを回転させると同時に、昇降台１１の両側を、これに連結した 垂直の油圧シリンダ１７で押下げることにより、基礎杭打設用の穿孔に先行して ケーシングチユーブを地中に押込むことができる。尚図示してはいないが、昇降 台１１を略垂直に昇降案内する装置を設けていることは従前同様である。

【００１０】 上記構成によれば、切換弁１０が図１のように左位置（常時位置）にある状態 において、方向切換弁９を例えば図の左位置に切換えて、Ａポート側を油圧ポン プ８の吐出口に接続した時には、全油圧モータ１〜４の出力軸が矢印Ｒに示すよ うに正転方向に低速駆動されて、リングギヤ６或いはケーシングチユーブを駆動 するのであるが、アクセルレバーによつてオールスピード形ガバナを定格回転数 に設定したエンジン７或いは油圧ポンプ８は、負荷に応じ略一定回転速度に維持 されるから、該ポンプの吐出流量も負荷に応じ略一定する。

【００１１】 又切換弁１０を図１の右位置に切換えた状態において、切換弁９を同様に左位 置に切換えた時は、夫々正転方向に駆動付勢された複数の油圧モータ１，２，３ によるリングギヤ回転力が、逆転方向に駆動付勢された１個の油圧モータ４によ るリングギヤ回転力に打勝つてリングギヤ６を駆動するため、油圧モータ４は該 リングギヤによつて正転駆動されてポンプとして作用することになる。

【００１２】 従つて油圧モータ３から油路３ｂに排出された低圧油は、見掛け上、切換弁１ ０及び油路４ａを順次経て油圧モータ（ポンプ）４に全量吸込まれ、又該油圧モ ータ４から油路４ｂに吐出された高圧油は、見掛け上切換弁１０及び油路３ａを 順次経て油圧モータ３に全量吸込まれることになり、該両油圧モータ３，４の間 で油の受け渡しが行われるから、油圧ポンプ８の吐出圧油はその略全量が他の油 圧モータ１，２に供給されるのに対し、前述のようにエンジンで駆動された油圧 ポンプ８の吐出流量は、負荷に応じ略一定流量に維持されているから、前記他の 油圧モータ１，２は高速駆動されてリングギヤ６を高速駆動する。

【００１３】 図示実施例において、電磁制御の切換弁１０に、油圧モータ４を方向切換弁９ のＡ，Ｂポートに他の油圧モータと共に並列接続する常時位置を設けたのは、電 磁制御系の故障時に切換弁１０を常時位置にばね復帰させて、各油圧モータを低 速駆動に戻すためである。

【００１４】 以上油圧モータが４個の実施例について説明したが、油圧モータは３個以上で あればよいことは上記説明より明らかである。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は方向切換弁と１個の油圧モータとの間の両側給 排油路の途中に１個の切換弁を設けるだけでケーシングチユーブの回転速度を高 低２段に切換えることができるのみならず、該切換弁は１個の油圧モータ分の流 量が流れるだけでよいため、弁容量や配管径を小さくすることができ、昇降台へ の切換弁の取付けも容易となる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案一実施例の油圧回路図である。

【図２】昇降台の縦断正面図である。

【符号の説明】

１，２，３，４ 油圧モータ ５ ピニオン ６ リングギヤ ７ エンジン ８ 油圧ポンプ ９ 方向切換弁 １０ 切換弁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシングチユーブの外側に略同心に固
   定されるリングギヤと、該リングギヤに夫々連動連結さ
   れた３個以上のピニオンと、該各ピニオンを夫々駆動す
   る定容量形の油圧モータとを備える昇降台と、オールス
   ピード形ガバナ付きのエンジンで駆動される油圧ポンプ
   と、該油圧ポンプの吐出圧油を制御する１個の方向切換
   弁のＡ，Ｂポートに各油圧モータを、同方向に駆動する
   よう並列接続した油圧回路とを含むケーシングチユーブ
   の回転押込装置において、方向切換弁と１個の油圧モー
   タとの間の両側給排油路の途中に、該油圧モータの回転
   方向を正逆切換え可能な切換弁を接続したことを特徴と
   するケーシングチユーブ回転用の油圧駆動装置。