JPH06125740A - 乳由来のカルシウム剤及びその製造方法 - Google Patents

乳由来のカルシウム剤及びその製造方法

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JPH06125740A
JPH06125740A JP4306622A JP30662292A JPH06125740A JP H06125740 A JPH06125740 A JP H06125740A JP 4306622 A JP4306622 A JP 4306622A JP 30662292 A JP30662292 A JP 30662292A JP H06125740 A JPH06125740 A JP H06125740A
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博昭 松山
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健 加藤
Masatoshi Yahiro
政利 八尋
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 乳カゼインからカゼイン結合性カルシウム及
びコロイド状カルシウムを分離回収し、これを有効成分
とする乳由来のカルシウム剤。乳カゼイン水溶液をpH
5.4 以下に調整して、カゼイン結合性カルシウム及びコ
ロイド状カルシウムを分離させ、これを回収し有効成分
として用いることよりなる乳由来のカルシウム剤の製造
法。 【効果】 本発明のカルシウム剤は、高い吸収性を示す
ので機能性食品、医薬、飼料等の有効成分として有用で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳のカゼインから回収
したカゼイン結合性カルシウムおよびコロイド状カルシ
ウムを有効成分とするカルシウム剤及びその製造方法に
関する。本発明のカルシウム剤は、飲食品、医薬品ある
いは飼料に配合してカルシウム強化剤として利用するこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】日本人のカルシウム摂取量は長年にわた
り栄養所要量を下回っているのが現状であり、日本人の
平均的な食習慣では充分なカルシウム量を含有する献立
を継続することは相当の努力を要する。このため吸収性
の良いカルシウムの摂取が望まれている。吸収性の良い
カルシウムとしては、乳中に含まれているものが特に吸
収性の点で優れていることが報告されている。乳中のカ
ルシウムの形態としては、可溶性カルシウム、カゼイン
結合性カルシウム及びコロイド状カルシウムの3つの形
態がある。可溶性カルシウムは1/3がイオン状で、残
りはクエン酸カルシウムであり、カゼイン結合カルシウ
ムはカゼインミセルに結合しているカルシウムである。
またコロイド状カルシウムはカゼインミセルにカルシウ
ムアパタイトの形で組み込まれているものである。カル
シウムの形態別吸収性については、可溶性の形態も吸収
性が良いが、それ以上にカゼイン結合性カルシウムとコ
ロイド状カルシウムの形態の方が利用性の良いことが報
告されている[Nutr.Rep.Int.,21,6738 (1980)]。そして
乳に含有するこれらのカルシウムのうち60〜70%近くは
カゼイン結合性とコロイド状カルシウムの形態である。
【0003】従来より乳中に含有するカルシウムを分離
回収するための方法が種々研究されていて、カルシウム
を含んだミネラルの形態で回収しているのがほとんどで
ある( 特開昭59-78644号公報、特開昭60-232052 号公
報、特開昭63-87944号公報、特開平2-107152号公報、特
開平2-107156号公報) 。これら従来の方法に使用されて
いる原料は全てホエーで、全乳または脱脂乳に酸の添加
や、乳酸発酵あるいはレンネット処理によりガゼインを
沈澱させて除き、ホエーから得られたものである。
【0004】
【発明が解決しようする課題】乳に含有するカルシウム
は、乳に酸を添加したり、乳酸発酵するとカゼインミセ
ルから解離しホエーに移行する。このホエーに移行した
カゼイン結合性カルシウムとコロイド状カルシウムは、
一度ホエー蛋白質や乳糖あるいは可溶性カルシウムと混
在すると、カゼイン結合性カルシウムやコロイド状カル
シウムとしてホエーから分離することは極めて困難であ
る。またホエーに存在するカルシウムの形態は不安定
で、リン酸カルシウムの結晶をつくり沈澱しやすい。従
って上記した従来のホエーを原料とする方法で得られた
カルシウム剤では、カルシウム強化剤として使用する程
度のカルシウム含有量を有していない。また他の方法と
してカルシウム含有量を高めるために酸ホエーから得ら
れた酸性状態のミネラル溶液を中性付近にすることによ
りリン酸カルシウム塩として沈澱させる方法もあるが、
この方法によって得られるカルシウムの形態は乳に含ま
れる形態と異なり、吸収性の点で問題がある。このよう
に乳に含まれるカルシウムの形態に最も近い形で、しか
もカルシウム含量が高く、吸収性の良い乳由来のカルシ
ウム剤はまだ得られていないのが現状である。従って本
発明は、カルシウム含量が高く、かつ吸収性の良い乳由
来のカルシウム剤とその製造方法を提供することを課題
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、乳のカゼインから
回収したカゼイン結合性カルシウム及びコロイド状カル
シウムを有効成分とするカルシウム剤が乳に含まれるカ
ルシウムの形態に最も近く、かつカルシウム含量が高
く、吸収性の良いとの知見を得て本発明を完成させたも
のである。乳中でこれらのカルシウムはリン酸カルシウ
ム−カゼイン複合体あるいはリン酸カルシウム−クエン
酸−カゼイン複合体またはカゼインミセルの間に存在す
るコロイド状リン酸カルシウムの形で存在しており、本
発明におけるカルシウムは、これらのものからカゼイン
の大部分が除去されたものをいう。そしてこのカルシウ
ム剤を得る方法として、カゼインに酸を添加してpH5.
4以下とし、該カゼインからカゼイン結合性カルシウム
およびコロイド状カルシウムを選択的に回収するもので
ある。カゼインは、乳をpH5.5 以上でレンネット処理
したレンネットカゼインもしくは乳をpH5.5 以上で限
外濾過膜または逆浸透膜によって透析処理し、乳糖及び
可溶性ミネラルを除去したカゼインであることが好まし
い。
【0006】本発明における乳とは、牛乳、山羊乳、水
牛乳、羊乳等の全乳、またこれらの乳類を脱脂したもの
あるいは乾燥して粉末化したものを温水に溶解して還元
した還元乳が対象となる。牛乳中のカルシウムのうち60
〜70%はカゼインと結合しているカゼイン結合性カルシ
ウム及びカゼインミセルに組み込まれているコロイド状
カルシウムである。本発明はこのカゼイン結合性カルシ
ウム及びコロイド状カルシウムをカゼインから分離回収
することを目的とするものである。本発明において乳か
らカゼインを得る方法には特に制限要因はなく、レンネ
ットカゼインを得るには先ず常法に従ってpHが5.5 以
上の脱脂乳に適量のレンネットを添加して凝固させ、凝
固後カードナイフで細切し、そして加温、静置後ホエー
を排除する。次にカードに水を加えて数分間攪拌後静置
して洗浄水を流出する。このカードの洗浄を2 〜3 回実
施してレンネットカゼインとする。また乳から乳糖及び
可溶性ミネラルを除去したカゼインを得るには、pHが
5.5 以上の全乳または脱脂乳を限外濾過膜装置(分画分
子量 50,000Da 以上) 又は逆浸透膜装置あるいは電気透
析装置に通乳することによって、容易に乳糖あるいは可
溶性ミネラルの大部分を除去することができ、これによ
り透析処理をしたカゼインが得られる。pHを5.5 以上
でこれらの処理をすることによって得られたカゼインに
は、カゼイン結合性カルシウムとコロイド状カルシウム
を含有する。そしてこれらのカゼインは、上記のように
処理されたカゼインであれば市販されているものであっ
ても使用可能である。
【0007】次に上記のように処理したカゼインに塩酸
等の無機酸あるいは酢酸、乳酸、クエン酸等の有機酸を
添加しながらpHを5.4 以下にする。この時ホモミキサ
ーあるいはコロイドミル等によってカゼインの団塊形成
の防止と酸が均一に分布するように溶液に対して充分攪
拌、混練、摩砕等を行う。そしてpHを徐々に5.4 以下
にしていくとカゼインに結合していたカルシウムが切断
され、pHが4.8 近傍になると完全にカゼインから解離
する。更にこの酸性溶液を高速攪拌機等によって分散し
た後静置すると、カゼインからカゼイン結合性カルシウ
ムとコロイド状カルシウムが分離されカゼインは不溶性
のまま沈澱し、一方カゼイン結合性カルシウムとコロイ
ド状カルシウムは、上清画分に含有する。その上清画分
のみを回収することにより容易にカゼイン結合性カルシ
ウムとコロイド状カルシウムを分離回収することができ
る。
【0008】また限外濾過膜を用いてカゼインからカゼ
イン結合性カルシウムとコロイド状カルシウムを分離回
収することも可能である。すなわち、カゼインに酸を添
加してpHを5.4 以下にし、攪拌して均一になった溶液
を分画分子量50,000Da以下の膜を有する限外濾過装置
に通液して透析側にカゼイン結合性カルシウムとコロイ
ド状カルシウムを分離回収することができる。上記のよ
うにして得られたカゼイン結合性カルシウムとコロイド
状カルシウムには、塩素イオン等の陰イオンを含んでい
るため、更に電気透析装置に付して陰イオンを除去する
ことによりカルシウム含量をより高めるとよい。そして
これらの処理をして得られたカゼイン結合性カルシウム
とコロイド状カルシウムは、必要に応じてエバポレータ
ー等によって濃縮し、噴霧乾燥することによって粉末化
すると保存性と使用の際の取扱性の向上を図ることがで
きる。そして得られたカゼイン結合性カルシウムとコロ
イド状カルシウムは、カルシウム剤として例えば飲料、
チーズ、ゼリー、パン、麺、スープあるいはソーセージ
等の一般飮食品または錠剤、顆粒剤、液剤等の経口的に
投与できる医薬品あるいは飼料添加物、配合飼料、ペッ
トフード等の飼料に用いることができる。
【0009】
【発明の効果】本発明のカルシウム剤は、カゼイン結合
性カルシウムとコロイド状カルシウムとしてカゼインか
ら分離回収されているためカルシウムの吸収性が良い。
そして本発明の方法によって得られたカルシウム剤は、
カルシウム含有量も高い。このため特に機能性食品及び
健康食品として健常人、子供あるいは老人に、また医薬
品として骨粗鬆症や各種の骨疾患の患者に、さらに動物
飼料として動物の健康に有用である。
【0010】次に本発明のカルシウム剤の製造方法およ
び吸収効果について実施例をあげて説明する。
【0011】
【実施例1】市販の粉末状レンネットカゼイン(雪印乳
業(株)製)15kgに、水100 kgを加え、ホモミキサーで
懸濁しながら3.6 %の塩酸を添加してpHを4.8 に調整
した。更に30分間攪拌を継続し、カルシウム濃度が上昇
した抽出液を得た。この抽出液を30メッシュのステンレ
スフイルターで濾過し、濾過液85kgを得た。そしてこの
濾過液をロータリーエバポレーターで減圧濃縮し、濃縮
液17kgを回収した。更に濃縮液を牛乳濾紙 (ミルパッ
プ) で濾過して不溶物を除去後噴霧乾燥して灰白色のカ
ルシウム剤粉末 500gを得た。このようにして得られた
シウム剤粉末の成分組成を表1の(A)に示す。
【0012】
【実施例2】市販の粉末状レンネットカゼイン 7.5kg
に、水50kgと3.6 %の塩酸 2.5kgとを加え、コロイドミ
ルで循環させながら10分間混練、摩砕してカルシウム濃
度が上昇した抽出液を得た。そしてこの抽出液を 5000r
pmのデカンターで固液分離し、更にカルシウム濃度が高
度に上昇した抽出液45kgを得た。抽出液のpHは5.2 で
あった。そして粉末化するための濃度を確保するためこ
の抽出液に更にレンネットカゼイン7 kgを加えて、3.6
%の塩酸でpHを5.2 に再度調整し、前記したのと同様
にコロイドミルで抽出後デカンターで固液分離を行っ
た。この操作を2回繰り返した後、0.45μm のミクロン
フイルターを通して濾過し、噴霧乾燥して灰白色のカル
シウム剤粉末約 200gを得た。このようにして得られた
カルシウム剤粉末の成分組成を表1の(B)に示す。な
お、(%)は全て重量%を示す。
【0013】
【表1】 (%) ─────────────────────────────── 成分組成 カルシウム剤(A) カルシウム剤(B) ─────────────────────────────── 水分 20.6 9.0 脂肪 0.3 0.2 蛋白質 4.3 6.5 炭水化物 14.2 29.5 灰分 60.6 54.8 ─────────────────────────────── カルシウム 22.0 19.9 リン 6.8 3.7 ナトリウム 0.3 0.5 カリウム 0.2 1.1 マグネシウム 1.0 1.1 鉄 (mg%) 9.0 31.0 亜鉛 (mg%) 2.7 3.5 銅 (mg%) 1.2 3.8 マンガン (mg%) 0.6 0.2 ────────────────────────────────
【0014】
【実施例3】生乳10lを5,000 ×gで10分間遠心分離し
て脱脂乳 9.5lを得た。この脱脂乳を分画分子量50,000
Daの膜を有する限外濾過装置に通液して乳糖と可溶性
ミネラルを除去した。そのうちの 4.5lを3.6 %の塩酸
でpHを4.6 にしてカゼインを凝固させ冷却遠心機によ
り5,000 ×gで10分間遠心してカゼインを除去した。カ
ゼイン結合性カルシウムとコロイド状カルシウムを上清
側溶液に集め、この溶液をロータリーエバポレーターで
減圧濃縮後凍結乾燥し、粉末状のカルシウム剤を得た。
得られた粉末状のカルシウム剤の収量は29.7gで、その
成分組成は表2の(C)に示す通りであった。
【0015】
【実施例4】市販の粉末状レンネットカゼイン20kgを10
%に溶解し、3.6 %の塩酸でpHを5.2 にしてカゼイン
からカゼイン結合性カルシウムとコロイド状カルシウム
を遊離させて、分画分子量50,000Daの膜を有する限外
濾過装置に通液して透過液を得た。この透過液を、ロー
タリーエバポレーターで減圧濃縮後凍結乾燥し、粉末状
のカルシウム剤を得た。得られた粉末状のカルシウム剤
の収量は136 gで、その成分組成は表2の(D)に示す
通りであった。
【0016】
【表2】 (%) ─────────────────────────────── 成分組成 カルシウム剤(C) カルシウム剤(D) ─────────────────────────────── 水分 6.18 8.76 脂肪 0.34 0.29 蛋白質 45.21 15.23 炭水化物 11.02 24.60 灰分 37.25 51.12 ─────────────────────────────── カルシウム 10.48 13.54 リン 5.22 5.28 ナトリウム 0.68 0.67 カリウム 0.48 2.71 マグネシウム 0.39 0.74 鉄 (mg%) 1.6 1.1 亜鉛 (mg%) 1.1 8.6 ────────────────────────────────
【0017】
【実施例5】 ラットへの経口投与による吸収性試験 カルシウム吸収性試験は、SD系雄ラット10週齢を用い
て行った。一群6匹として実施例1〜4までで得られた
A,B,C,Dの乳由来カルシウム剤とホエーから得ら
れたカルシウム剤(Whey Ca),リン酸第2カルシウムにつ
いて以下のようにカルシウムの吸収性試験を行った。カ
ルシウム含量で5mg/ml含むようにカルシウム剤を懸濁
し、24時間絶食したラットにゾンデで経口投与した。こ
の際、リンおよびマグネシウムは同じ組成になるように
し、タンパク質および糖についても精製カゼイン透析ホ
エー蛋白質および乳糖で組成を同じにした。4時間後胃
と腸を摘出してそれぞれをそのまま灰化した。消化吸収
量は、投与カルシウム量から胃と腸の残存カルシウム量
を差し引くことにより求めた。その結果を図1に示す。
図1からWhey Ca やリン酸カルシウムに比べて乳由来カ
ルシウム剤は高い吸収性を示し、今回得られたカゼイン
結合性カルシウムおよびコロイド状カルシウムは生体利
用性が高いことが証明された。
【0018】
【実施例6】水74重量%にリンゴ果汁10重量%、混合異
性化糖15重量%、クエン酸0.5重量%および香料0.1 重
量%を添加してリンゴ果汁を調製した。これに実施例1
で得られた粉末状のカルシウム剤(A)を加えて100 ℃
で30分間殺菌し、乳由来のカルシウムが強化されたリン
ゴ果汁を得た。得られたリンゴ果汁は、風味、舌ざわり
の点でカルシウム剤を添加していない飲料と比較しても
遜色のないものであった。
【0019】
【実施例7】実施例1で得られた粉末状カルシウム剤
(A) 125gを60℃の温水2 kgに溶解し、生乳25kgに添
加して攪拌した。これを120 ℃で2 秒間殺菌し、濃縮機
で濃縮後噴霧乾燥してカルシウム強化粉乳3 kgを得た。
更にこの粉乳を流動層造粒機で粒径を 200〜350μm に
造粒した。
【0020】
【実施例8】チェダーチーズ 34 kgおよひゴーダーチー
ズ 200kgを粉砕し混合したものをを溶融塩 (ポリリン酸
ナトリウム80%とジリン酸ナトリウム20%からなる混合
溶融塩)1.1kgおよび実施例2で得られ粉末状カルシウム
剤(B)1.1kgを添加し、ステファンカッター(750rpm)
中で85〜90℃まで加熱・溶融した後、充填して冷却し
た。得られたカルシウム強化プロセスチーズは風味、組
織、味共に従来のカルシウム剤の無添加品に比較して遜
色のないものであった。
【0021】
【実施例9】下記の配合比によってゼリーを製造した 40℃の水 58.4 重量%に果汁 20.0 重量%、グラニュ
ー糖 15.0 重量%、水飴 5.0重量%、寒天粉末1.0 重量
%、実施例4で得られた粉末状カルシウム剤0.5 重量%
および香料0.1 重量%を混合してミックスとした。この
ミックスを130℃で2秒間殺菌後充填機で容器に充填
し、更に冷蔵庫で10℃まで冷却してゼリーを得た。得ら
れたゼリーは、風味、組織、味共に従来のカルシウム剤
の無添加品に比較して遜色のないものであった。
【0022】
【実施例10】本発明のカルシウム剤をタブレット形態
のカルシウム剤にするために、実施例1で得られた粉末
状カルシウム剤(A)220 g、コーンスターチ 163g、
結晶セルロース10g、カルボキシメチルセルロースカル
シウム6.8 g、をニーダーで混合し、その後 50ml の水
を噴霧滴下しながら混練した。その混練物を20メッシュ
のスクリーンをセットした単軸オシレーターで造粒し、
流動層乾燥機で乾燥させた。その乾燥製品をフラッシュ
ミルで粉砕・整粒して打錠用粉体を得た。それに滑沢剤
としてショ糖脂肪酸エステル 8gをV型混合機て混合
し、直径11mmの杵をセットした打錠機で打錠し、平均重
量0.35gのタブレットを得た。このタブレットの成分組
成は、カルシウム剤 55 重量%、コーンスターチ40.8重
量%、結晶セルロース 2.5重量%、カルボキシメチルセ
ルロースカルシウム 1.7重量%であった。このカルシウ
ム剤は、カルシウム強化剤として用いられる。
【0023】
【実施例11】下記の配合比よって犬飼育用飼料(ドッ
クフード)を製造した 上記犬飼育用基礎飼料 100g中に上記配合量でビタミン
混合物およびミネラル混合物を加え通常の方法で製造し
た。
【0024】次に本発明のカルシウム剤が風味と溶解性
の点で優位性があることを示すために比較例としてリン
酸カルシウムを用いて粉乳を製造し、この粉乳と実施例
7で製造された粉乳とを比較した。
【0025】
【比較例】リン酸カルシウム粉末 125gを60℃の温水2
kgに溶解し、生乳25kgに添加して攪拌した。これを120
℃で2 秒間殺菌し、濃縮機で濃縮後噴霧乾燥してカルシ
ウム強化粉乳3 kgを得た。更にこの粉乳を流動層造粒機
で粒径を 200〜350 μm に造粒した。実施例7で得られ
た粉乳と比較例で得られた粉乳について成人男子10名の
パネラーによりそれぞれ風味、溶解性を評価した。その
結果を表3に示す。上記表3から明らかなように本発明
のカルシウム剤は、風味、溶解性共に優れていることが
判る。
【0026】
【表3】 註)上記表中風味は粉乳を固形率11%に溶解し飲用して
評価した。又溶解性は、37℃の温水 100ccに5%に溶解
し、10分間静置後沈澱した不溶物を測定し、測定された
不溶物が1cc以上を不良とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5によるラット腸管を用いたカルシウム
吸収性試験結果。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 健 埼玉県川越市新宿町5−11−3 雪印むさ しの寮 (72)発明者 八尋 政利 東京都東村山市久米川町2−8−13 (72)発明者 西谷 紹明 埼玉県狭山市北入曽699−3

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳のカゼインから分離回収したカゼイン
    結合性カルシウムおよびコロイド状カルシウムを有効成
    分とする乳由来のカルシウム剤。
  2. 【請求項2】 乳のカゼインが乳をpH5.5 以上でレン
    ネット処理したレンネットカゼイン、もしくは乳をpH
    5.5 以上で限外濾過膜または逆浸透膜よって透析処理
    し、乳糖及び可溶性ミネラルを除去したカゼインである
    請求項1記載のカルシウム剤。
  3. 【請求項3】 乳のカゼインに酸を添加してpH5.4 以
    下とし、該カゼインからカゼイン結合性カルシウムおよ
    びコロイド状カルシウムを選択的に分離し、これを回収
    することを特徴とする乳由来のカルシウム剤の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 乳のカゼインが乳をpH5.5 以上でレン
    ネット処理したレンネットカゼイン、もしくは乳をpH
    5.5 以上で限外濾過膜または逆浸透膜よって透析処理
    し、乳糖及び可溶性ミネラルを除去したカゼインを使用
    する請求項3記載のカルシウム剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 カゼインからカゼイン結合性カルシウム
    およびコロイド状カルシウムの選択的分離を、乳のカゼ
    インをpH 5.4以下の水溶液として該カルシウムをカゼ
    インから遊離させて分離するかあるいは、さらにこのよ
    うにして分離された該カルシウム含有分離液を分画分子
    量50,000以下の膜を有する限外濾過膜に通液して透過液
    を採取して行なう請求項3または請求項4記載のカルシ
    ウム剤の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH09262059A (ja) * 1996-03-27 1997-10-07 Katsuyoshi Ishii 魚の骨形状の加工食品及びそれを有する魚形状の加工食品
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