JPH0612566B2 - 磁気記録方法 - Google Patents

磁気記録方法

Info

Publication number
JPH0612566B2
JPH0612566B2 JP59162696A JP16269684A JPH0612566B2 JP H0612566 B2 JPH0612566 B2 JP H0612566B2 JP 59162696 A JP59162696 A JP 59162696A JP 16269684 A JP16269684 A JP 16269684A JP H0612566 B2 JPH0612566 B2 JP H0612566B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic recording
thin film
recording method
metal thin
ferromagnetic metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP59162696A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6139920A (ja
Inventor
正俊 中山
康史 高杉
俊明 泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP59162696A priority Critical patent/JPH0612566B2/ja
Publication of JPS6139920A publication Critical patent/JPS6139920A/ja
Publication of JPH0612566B2 publication Critical patent/JPH0612566B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 I発明の背景 技術分野 本発明は、金属薄膜型の磁気記録媒体を用いた磁気記録
方法に関する。
先行技術とその問題点 ビデオ用、オーディオ用等の磁気記録媒体として、テー
プ化して巻回したときのコンパクト性から、金属薄膜型
の磁性層を有するものの開発が活発に行われている。
このような金属薄膜型の媒体の磁性層としては、特性
上、基体法線に対し所定の傾斜角にて蒸着を行う、いわ
ゆる斜め蒸着法によって形成したCo系、Co−Ni系
等からなる蒸着膜が好適である。
このような媒体は、スペーシングロスによる特性低下が
大きいので、その表面をできるだけ平滑化する必要があ
る。
しかし、あまり表面を平坦にすると、摩擦が大きくな
り、ヘッドタッチ、走行面で支障が出る。
ところで、金属薄膜型の媒体では、磁性層が0.05〜
0.5μmと非常にうすいため、媒体の表面性は基板の
表面性に依存する。
このため、基板表面に比較的なだらかないわゆるしわ
状、ミミズ状等の突起を設ける旨の提案されている(特
開昭53−116115号等)。
また、特開昭53−68227号,同58−110221号には、基体
表面に微粒子を配設して、光学顕微鏡で50〜400倍
で観察でき、しかも触針式表面粗さ測定装置で実測でき
る高さの凹凸を設ける旨が提案されている。
しかし、これらでも、走行摩擦、耐久走行性、走行安定
性等の物性や、電磁変換特性の点で未だ不十分である。
一方、特開昭53−88704号等には、強磁性金属薄膜層表
面に、直鎖の飽和脂肪酸からなるトップコート層を設
け、走行摩擦を低減する旨が提案されている。
しかし、脂肪酸を用いるときには、潤滑剤のヘッドへの
付着、ヘッド目づまりが発生し、実用上大きな問題とな
る。
すなわち、現状では、走行摩擦を下げ、しかも走行面で
支障の出ない範囲で、ヘッド付着、ヘッド目づまりを解
消し、かつ電磁変換特性の面でも不都合の生じない技術
は未だ実現していない。
なお、現在のところ、金属薄膜型の媒体では、磁気ヘッ
ドとしてフェライトヘッドを用いれば十分であるとされ
ている。
そして、もっぱらフェライトヘッドを用いたときの耐久
性、信頼性等の向上が図られている。
II発明の目的 本発明の目的は、金属薄膜型の磁気記録媒体を用いた磁
気記録方法において、摩擦、耐久性、走行安定性等の物
性を改良し、しかも物性面で支障のない範囲でヘッド付
着や目づまりを解消し、かつ電磁変換特性の面でも何ら
不都合が生じないようにすることにある。
このような目的は、下記の本発明によって達成される。
すなわち本発明は、 可とう性基板上にCoを主成分とする強磁性金属薄膜層
を設け、この強磁性金属薄膜層上にトップコート膜を設
けてなる磁気記録媒体を用い、磁気ヘッドを用いて記録
再生を行う磁気記録方法において、 磁気ヘッドの少なくともギャップ部端面が金属強磁性体
で構成されており、 磁気記録媒体の強磁性金属薄膜層が酸素を含んでおり、 トップコート膜が、RCOOH(ここに、Rは炭素原子
数13〜21の直鎖のアルキル基を表わす)から形成さ
れており、しかもトップコート膜の水との接触角が60
〜110°であり、 かつ磁気ヘッドのギャップ長をaμmとしたとき、aが
0.1〜0.5であり、磁気記録媒体が表面に1mm2
り平均10/a〜10/a個の突起を有し、し
かも突起が30〜300Åの高さを有することを特徴と
する磁気記録方法である。
III発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明における磁性層としての強磁性金属薄膜層は、C
oを主成分とし、これにOを含み、さらに必要に応じN
iおよび/またはCrが含有される組成を有する。
すなわち、好ましい態様においては、Co単独からなっ
てもよく、CoとNiからなってもよい。Niが含まれ
る場合、Co/Niの重量比は、1.5以上であること
が好ましい。
さらに、強磁性金属薄膜層中には、Crが含有されてい
てもよい。
Crが含有されると、電磁変換特性が向上し、出力およ
びS/N比が向上し、さらに膜強度も向上する。
このような場合、Cr/CoあるいはCr/(Co+N
i)の重量比は0.001〜0.1、より好ましくは、
0.005〜0.05であることが好ましい。
さらに、強磁性金属薄膜中にはOが含有されるものであ
る。
強磁性金属薄膜中の平均酸素量は、原子比、特にO/
(CoまたはCo+Ni)の原子比で、0.5以下、よ
り好ましくは0.05〜0.5であることが好ましい。
この場合、強磁性金属薄膜層の表面では、酸素が強磁性
金属(Co,Ni)と酸化物を形成している。
すなわち、表面部、特に表面から50〜500Å、より
好ましくは50〜200Åの厚さの範囲には、オージェ
分光分析により、酸化物を示すピークが認められるもの
である。そして、この酸化物層の酸素含有量は、原子比
で0.5〜1.0程度である。
なお、このような強磁性金属薄膜中には、さらに他の微
量成分、特に遷移元素、例えばFe,Mn,V,Zr,
Nb,Ta,Ti,Zn,Mo,W,Cu等が含まれて
いてもよい。
このような強磁性金属薄膜層は、好ましい態様におい
て、上記したCoを主成分とする柱状結晶粒の集合体か
らなる。
この場合、強磁性金属薄膜層の厚さは、0.05〜0.
5μm、好ましくは、0.07〜0.3μmとされる。
そして、柱状の結晶粒は、薄膜の厚さ方向のほぼ全域に
亘る長さをもち、その長手方向は、基体の主面の法線に
対して、10〜70°の範囲にて傾斜していることが好
ましい。
なお、酸素は、表面部の柱状の結晶粒の表面に前記のと
おり化合物の形で存在するものである。
また、強磁性金属薄膜層の酸素の濃度勾配の何如には特
に制限はない。
また、結晶粒の短径は、50〜500Å程度の長さをも
つことが好ましい。
このような強磁性金属薄膜層を形成する基板は、非磁性
のものでありさえすれば特に制限はないが、特に可とう
性の基板、特にポリエステル、ポリイミド等の樹脂製の
ものであることが好ましい。
また、その厚さは、種々のものであってよいが、特に5
〜20μmであることが好ましい。
この場合、基板の強磁性金属薄膜層形成面の裏面には、
公知の種々のバックコート層が形成されていてもよい。
また、強磁性金属薄膜層表面には、公知の種々のトップ
コート層が形成されていてもよい。
このように構成される本発明の磁気記録媒体の表面に
は、微細な突起が所定の密度で設けられる。
微細な突起は、30〜300Å、より好ましくは50〜
250Åの高さを有するものである。
すなわち、本発明の突起は、光学顕微鏡で観察でき、か
つ触針型表面粗さ計で測定できるものではなく、捜査型
電子顕微鏡にて観察できる程度のものである。
突起高さが300Åをこえ、光学顕微鏡にて観察できる
ものとなると、電磁変換特性の劣化と、走行安定性の低
下をもたらす。
また、50Å未満となると、物性の向上の実効がない。
そして、その密度は1mm2あたり平均10/a〜1
/a個、より好ましくは2×10/a〜10
/a個である。
この場合、aはμm単位にて、磁気ヘッドのギャップ長
を表わす。
そして、磁気ヘッド長のギャップ長は、0.5μm以
下、特に0.1〜0.5μm、より好ましくは0.1〜
0.4μmとされる。
なお、突起密度が10/a個/mm2、より好ましく
は2×10/a個/mm2未満となると、ノイズが増
大し、スチル特性が低下する等物性の低下をきたし、実
用に耐えない。
また、10/a個/mm2をこえると、物性上の効果
が少なくなってしまう。
このような突起を設けるには、通常、基板上に微粒子を
配設すればよい。
微粒子径は、30〜300Å、特に50〜250Åとす
ればよく、これにより微粒子径を対応した微細突起が形
成される。
用いる微粒子としては、通常コロイド粒子として知られ
ているものであって、例えばSiO(コロイダルシリ
カ)、Al(アルミナゾル)、MgO,Ti
,ZnO,Fe,ジルコニア,CdO,Ni
O,CaWO,CaCO,BaCO,CoC
,BaTiO,Ti(チタンブラック),Au,
Ag,Cu,Ni,Fe、各種ヒドロゾルや、樹脂粒子
等が使用可能である。この場合、特に無機物質を用いる
のが好ましい。
このような微粒子は、各種溶媒を用いて塗布液とし、こ
れを基板状に塗布、乾燥してもよく、あるいは塗布液中
に各種水性エマルジョン等の樹脂分を添加したものを塗
布、乾燥してもよい。
なお、場合によっては、これら塗布液を基板上に配設す
るのではなく、トップコート層として配設することもで
きる。
また、樹脂分を用いる場合、これら微粒子にもとづく微
細突起に重畳してゆるやかな突起を設けることもできる
が、通常はこのようにする必要はない。
なお、基板と強磁性金属薄膜層との間には、必要に応
じ、公知の各種下地層を介在させることもできる。
また、もし必要であるならば、強磁性金属薄膜層を複数
に分割して、その間に非強磁性金属薄膜層を介在させて
もよい。
本発明において、磁性層の形成は電解蒸着、イオンプレ
ーティング等を用いることもできるが、いわゆる斜め蒸
着法によって形成されることが好ましい。
この場合、基体法線に対する、蒸着物質の入射角の最小
値は、20°以上とすることが好ましい。
入射角が20°未満となると、電磁変換特性が低下す
る。
なお、蒸着雰囲気は、通常、アルゴン、ヘリウム、真空
等の不活性雰囲気に、酸素ガスを含む雰囲気とし、10
−5×10Pa程度の圧力とし、また、蒸着距離、基
体搬送方向、キャンやマスクの構造、配置等は公知の条
件と同様にすればよい。
そして、酸素雰囲気での蒸着により、表面に金属酸化物
の皮膜が形成される。なお、金属酸化物が形成される酸
素ガス分圧は、実験から容易に求めることができる。
なお、表面に金属酸化物の皮膜を形成するには、各種酸
化処理が可能である。
適用できる酸化処理としては下記のようなものである。
1)乾式処理 a.エネルギー粒子処理 特願昭58−76640号に記載したように、蒸着の後期に、
イオンガンや中性ガンにより酸素をエネルギー粒子とし
て磁性層にさしむけるもの。
b.グロー処理 O,HO,O+HO等とAr,N等の不活性
ガスとを用い、これをグロー放電してプラズマを生じさ
せ、このプラズマ中に磁性膜表面をさらすもの。
C.酸化性ガス オゾン、加熱水蒸気等の酸化性ガスを吹きつけるもの。
d.加熱処理 加熱によって酸化を行うもの。加熱温度は60〜150
℃程度。
2)湿式処理 a.陽極酸化 b.アルカリ処理 c.酸処理 クロム酸塩処理、過マンガン酸塩処理、リン酸塩処理等
を用いる。
d.酸化剤処理 H等を用いる。
このような磁性層上には、RCOOHからなるトップコ
ート膜が形成される。
ここに、Rは炭素原子数13〜21の直鎖のアルキル基
である。
Rの炭素原子数が13未満になると、特に高温での走行
耐久性が悪化し、走行摩擦係数が増大する。
一方、21をこえると、蒸着効率が悪化し、トップコー
ト膜の均一性を保つことがむずかしくなる。また、出力
低下も大きくなる。
なお、炭素原子数は、13,15,17,19,21、
特に15,17,19が好適である。
また、Rの炭素原子数を上記のような範囲とするだけで
なく、このような組成のトップコート膜の水との接触角
は、60〜110°としければならない。
この場合、接触角が60°未満では、走行摩擦が大きく
実用に耐えない。また、走行耐久性も悪い。
他方、110°をこえると、出力低下が増加し、実用に
耐えない。
なお、従来の直鎖脂肪酸を塗布してなるトップコート膜
では、蒸着によるとそのようなRCOOH分子の配向状
態を制御できないので、水との接触角は通常60〜11
0°とはならない。
このようなトップコート膜は、5〜100Åの厚さとさ
れる。このとき、特性のバランスが保たれる。
そして、このようなトップコート膜は、蒸着、スパッタ
リングないしイオンプレーティング等の気相被着法、特
に蒸着によって形成することが好ましい。
気相被着法によらず、塗布によることには、膜厚をうす
くして、しかも均一な厚さで設層することがむずかし
い。
蒸着等に際しては、対応する脂肪酸を用いればよい。
なお、対応するアリキル基を有するリン酸アルキルエス
テル(モノ、ジ、トリ)ないしその塩を用い、蒸着ない
しスパッリングを行うこともできる。
この場合、脂肪酸RCOOHは、蒸発源の分解生成物に
該当するものである。
なお、蒸着に際してのRCOOHの生成堆積と、表面の
接触角は、基体温度、基体−ハース間隔、動作圧力等に
依存する。接触角が変化するのは、RCOOH分子の配
向状態、すなわち表面に露出するCOOHとRとの量比
が異なるからである。そして、その条件は、製造装置ご
とに容易に実験的に求めることができる。
なお、通常は、基体−ハース間隔は1〜20cm程度、基
体温度は30℃程度とする。
そして、その磁性層形成面の裏面には、バックコート層
を設層することが好ましい。
他方、用いる磁気ヘッドは、少なくともギャップ部端面
を金属強磁性体で構成したものである。
これにより、きわめて良好な電磁変換特性がえられ、し
かも走行耐久性が良好となり、ヘッド付着やヘッド目づ
まりも減少する。
この場合、コア全体を金属強磁性体から形成することも
でき、必要に応じ、ギャップ部端面を含むコアの一部を
金属強磁性体から形成することもできる。
第1図には、例えばフェライト等の強磁性体からなるコ
ア半体21,22のギャップ部端面に、1〜5μmの厚
さの金属強磁性体31,32をスパッタリング等により
被着し、ガラス質等のギャップ4を介して、コア半体2
1,22をつきあわせて磁気ヘッド1を構成した例が示
される。
そして、その形状、構造等は公知のものであってよい。
ただ、ギャップ長aは、前記のとおり、通常、0.1〜
0.5μm、特に0.1〜0.4μm、またトラック巾
は、通常、10〜50μm、特に10〜20μmとす
る。
用いる金属強磁性体としては、種々のものが可能であ
り、非晶質磁性合金、センダスト、ハードパーマロイ、
パーマロイ等の薄膜、薄板等はいずれも使用可能であ
る。
ただ、これらのうちで、ヘッド目づまりないし付着が特
に少なく、電磁変換特性が良好なのは、Coを主成分と
する非晶質磁性合金である。
このような非晶質磁性合金としては、Co70〜95at
%、ガラス化元素として、Zr,Nb,Ta,Hf,希
土類元素,Si,B,P,C,Al等、特にZrおよび
/またはNbを5〜20at%含有するものが好適であ
る。
あるいは、ガラス化元素として15〜35at%のSiお
よび/またはBを含むものも好適である。
この場合、さらに10at%以下のFe、25at%以下の
Ni、総計20at%以下のCr,Ti,Ru,W,M
o,Mn等の1種以上が含有されていてもよい。
これら非晶質磁性合金は、スパッタリングや高速急冷法
等を用いて、コア半体ないしギャップ部等として形成さ
れる。
このような磁気ヘッドを用いて、前記した媒体に対して
記録再生を行うには、いわゆるVHS方式、ベータ方
式、8mmビデオ方式、U規格方式等公知のビデオ録画シ
ステムに従えばよい。
IV発明の具体的作用効果 本発明によれば、走行摩擦がきわめて小さくなり、かつ
安定化する。
また、走行耐久性が格段と向上し、多数回走行後も走行
摩擦の増大がなく、くりかえし録画、再生回数が格段と
向上し、スチル特性が格段と向上する。
そして、走行安定性も高く、高温高湿から低温低湿ま
で、巾広い条件下できわめて高い安定性を示す。
さらに、スペーシングロスにもとづく再生出力の低下も
きわめて小さい。
また、ノイズもきわめて少ない。
そして、ヘッドの目づまりやヘッド付着もきわめて少な
い。
V発明の具体的実施例 以下に、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに
詳細に説明する。
実施例1 実質的に微粒子を含まない平滑なポリエステルフィルム
(12μm厚)上にコロイダルシリカを塗布し、微小突
起を有する基板を得た。
この基板を真空槽中に設けた冷却用ロールに沿わせて走
行させながら、 Co/Niの重量比4/1のCoNi合金、およびCo/
Ni/Crの重量比が75/20/5のCoNiCr合金を用
い、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上
に、それぞれ、斜め蒸着法により、磁性層を0.2μm
厚にて形成し、サンプルAおよびBを作製した。
斜め蒸着における入射角は45°とし、蒸着雰囲気は、 PAr=2×10-2Pa、 P =1×10-2Paとした。
得られた磁性層は、ともに対応する合金の組成をもち、
ともにO/(Co+Ni)=0.2(原子比)であり、
基体主面法線に対し、約40°傾斜した、短径0.01
μmの厚さ方向全域に亘って成長した柱状結晶粒子の集
合体であった。
また、イオンエッチングを行いながらオージェ分光分析
を行ったところ、Coは表面近くで少なく、またOは化
学シフトしており、しかも表面近くに多いプロファイル
をもち、Oが柱状粒子の表面に金属と結合した状態で存
在していることが確認された。
次いで、上記A0およびB0の磁性層上に、対応する脂肪酸
を蒸発源として、 PAr=4×10-3Paの雰囲気にて、基体温度と基体
−蒸発源距離をかえ、50Å厚の表1に示される水と接
触角をもつ脂肪酸トップコート膜を形成して、サンプル
A1〜A15およびB1〜B3を得た。
本発明のサンプルでは、光学顕微鏡による観察および触
針型表面粗さ計による測定で、コロイダルシリカ塗布の
効果は検出されなかったが、走査型電子顕微鏡による高
倍率の観察では、磁性膜に突起がみられ、その大小は、
塗布したコロイダルシリカの大小に対応していた。
磁性層表面の突起の高さおよび密度と特性の関係を表
1,表2に示す。
なお、特性、最短記録波長0.7μmの信号を用いて実
験を行った。
なお、これらの磁性層表面はオージェ分光分析の結果、
100〜200Åの酸化物層で覆われていることが判明
した。
なお、サンプルCoは酸素を含まない雰囲気での蒸着に
よる、酸素を含まないCo−Ni磁性層のものである。
また、用いた磁気ヘッドは、第1図に示されるものであ
り、ギャップ長0.25μm、トラック長20μmのも
のである。この場合、コア半体21,22はフェライト
製、ギャップ端面は、スパッタリングにより形成した3
μm厚のCo0.8、Ni0.1、Zr0.1(at%)
であり、ギャップ材はガラスとした。
なお、10/aは1.6×10(mm2-1である。
また、比較用の磁気ヘッドとして、フェライトヘッドを
用いた。
なお、トップコート膜組成は、膜をアルコールで溶解し
て、抽出し、ガスクロマトグラムで同定した。
これら各サンプルにつき、以下の測定を行った。
特性の測定方法は以下のとおりである。
1.突起観察 SEM(走査型電子顕微鏡)およびTEM(透過型電子
顕微鏡)を使用 2.スチル特性 5MHzで記録し、再生出力のスチル特性を測定する。
10分以上をOKレベルとする。
3.目づまり 20℃、相対湿度60%にて、50パス走行時の目づま
りを出力低下回数によって計測した。
4.走行摩擦 サンプルの動摩擦係数μを、40℃、相対湿度80%
で、初期と50パス後に測定した。
5.走行耐久性 各サンプルに対し、50パス試験を行い、4MHzの信号
の減少量(dB)を測定した。
これらの結果を表2に示す。
表1,表2に示される結果から、本発明による効果があ
きらかである。
なお、上記実施例では、無機微粒子としてコロイダルシ
リカを用いたが、他の物質例えばアルミナゾル、チタン
ブラック、ジルコニアあるいは各種ヒドロゾル等を用い
ても、同等の結果を得た。
また、Co−Fe−Ru−Cr−Si−B系非晶質を用
いて作製したヘッドを用いた場合も、同様の結果が得ら
れた。
なお、センダストを用いて作製したヘッドを用いた場
合、上記の場合に比べて若干効果が少なかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に用いる磁気ヘッドの1例を示す正面
図である。 1……磁気ヘッド, 21,22……コア半体, 31,32……金属強磁性体, 4……ギャップ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可とう性基板上にCoを主成分とする強磁
    性金属薄膜層を設け、この強磁性金属薄膜層上にトップ
    コート膜を設けてなる磁気記録媒体を用い、磁気ヘッド
    を用いて記録再生を行う磁気記録方法において、 磁気ヘッドの少なくともギャップ部端面が金属強磁性体
    で構成されており、 磁気記録媒体の強磁性金属薄膜層が酸素を含んでおり、 トップコート膜が、RCOOH(ここに、Rは炭素原子
    数13〜21の直鎖のアルキル基を表わす)から形成さ
    れており、しかもトップコート膜の水との接触角が60
    〜110°であり、 かつ磁気ヘッドのギャップ長をaμmとしたとき、aが
    0.1〜0.5であり、磁気記録媒体が表面に1mm2
    り平均10/a〜10/a個の突起を有し、し
    かも突起が30〜300Åの高さを有することを特徴と
    する磁気記録方法。
  2. 【請求項2】金属強磁性体がCoを主成分とする非晶質
    磁性合金である特許請求の範囲第1項に記載の磁気記録
    方法。
  3. 【請求項3】トップコート膜が、気相被着によって形成
    された膜である特許請求の範囲第1項または第2項に記
    載の磁気記録方法。
  4. 【請求項4】トップコート膜の厚さが、5〜100Åで
    ある特許請求の範囲第1項ないし第2項のいずれかに記
    載の磁気記録方法。
  5. 【請求項5】可とう性基板が高分子基板であり、この基
    板上に径が30〜300Åの大きさを有する微粒子を配
    設し、その上に強磁性金属薄膜層を設けてなる特許請求
    の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の磁気記録
    方法。
  6. 【請求項6】強磁性金属薄膜が表面に強磁性金属の酸化
    物層を有する特許請求の範囲第1項ないし第5項のいず
    れかに記載の磁気記録方法。
  7. 【請求項7】突起個数が1mm2当り平均2×10/a
    〜1×10/a個である特許請求の範囲第1項な
    いし第6項のいずれかに記載の磁気記録方法。
  8. 【請求項8】強磁性金属薄膜層が、CoとOからなる
    か、CoとOとNiおよびCrのうちの1種または2種
    とからなる特許請求の範囲第1項ないし第7項のいずれ
    かに記載の磁気記録方法。
  9. 【請求項9】強磁性金属薄膜層のO/(CoまたはCo
    +Ni)の原子比が0.5以下である特許請求の範囲第
    1項ないし第8項のいずれかに記載の磁気記録方法。
JP59162696A 1984-08-01 1984-08-01 磁気記録方法 Expired - Lifetime JPH0612566B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59162696A JPH0612566B2 (ja) 1984-08-01 1984-08-01 磁気記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59162696A JPH0612566B2 (ja) 1984-08-01 1984-08-01 磁気記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6139920A JPS6139920A (ja) 1986-02-26
JPH0612566B2 true JPH0612566B2 (ja) 1994-02-16

Family

ID=15759556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59162696A Expired - Lifetime JPH0612566B2 (ja) 1984-08-01 1984-08-01 磁気記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0612566B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0258730A (ja) * 1988-08-24 1990-02-27 Nec Corp 磁気ディスク基板

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5668928A (en) * 1979-11-06 1981-06-09 Hitachi Maxell Ltd Magnetic recording medium
JPS58111127A (ja) * 1981-12-24 1983-07-02 Ulvac Corp 耐摩耗性磁気記録体の製造法
JPS58188329A (ja) * 1982-04-26 1983-11-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気記録媒体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5668928A (en) * 1979-11-06 1981-06-09 Hitachi Maxell Ltd Magnetic recording medium
JPS58111127A (ja) * 1981-12-24 1983-07-02 Ulvac Corp 耐摩耗性磁気記録体の製造法
JPS58188329A (ja) * 1982-04-26 1983-11-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6139920A (ja) 1986-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1635335B1 (en) Perpendicular magnetic recording medium and manufacturing of the same
KR0148842B1 (ko) 자기기록매체 및 그의 제조방법과 자기기록 시스템
US5589263A (en) Magnetic recording medium having a ferromagnetic metal thin film, a dry etched layer, a carbonaceous film, and a lubricant film
US4734810A (en) Magnetic recording medium comprising protrusion on its surface and a plasma treated substrate and recording/reproducing method therefor
JPH1186275A (ja) 磁気記録媒体
JPH0612566B2 (ja) 磁気記録方法
JPH0795366B2 (ja) 磁気記録方法
JPH0760482B2 (ja) 磁気記録方法
JPH0877544A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP3663289B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気記憶装置
JPH0773433A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録装置
US20020001736A1 (en) Magnetic recording medium
JPH0624052B2 (ja) 磁気記録方法
JP2004046928A (ja) 磁気記録媒体
KR100212379B1 (ko) 자기기록매체
JPH07107734B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH076354A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法
JPH0624053B2 (ja) 磁気記録方法
JPH0766484B2 (ja) 磁気記録方法
JPH0760505B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録方法
JPH0754563B2 (ja) 磁気記録方法
JP2001143236A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH01320619A (ja) 磁気記録媒体
JPS60234218A (ja) 磁気記録媒体
JP2002092862A (ja) 金属薄膜型磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term