JPH06125466A - カラー図形入力処理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明の目的は、比較的安価で、入力処理時
間も短く、明度が近い場合でもパターン境界の識別が容
易なカラー図形入力処理システムを提供することにあ
る。 【構成】この発明は、白黒専用スキャナを用いて１度の
走査でデータ入力し、データ処理によりモニタに図形を
表示させ、カーソルで指定される位置のデータの色指定
に応じて記憶メモリの記憶データからその位置の明度に
近い範囲のデータを選択することでその色の色相パター
ンを識別し、各色毎の色相パターンをファイル化処理す
る。この際、色フィルタによって明度差を強調し、パタ
ーンの境界識別を容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、エンジニアリング・
ワーク・ステーション、オフィス・コンピュータあるい
はパーソナル・コンピュータ等に原稿用紙に記載された
カラー図形をデータ入力してカラー表示、図形処理を行
うカラー図形入力処理システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、原稿に記載された図形をエン
ジニアリング・ワーク・ステーション（以下、ＥＷＳと
記す）にデータ入力して表示、図形処理を行う図形入力
処理システムにあっては、その図形入力にスキャナが用
いられる。特にカラー図形（色パターンを組み合わせて
形成された図）の場合にはカラー専用スキャナが用いら
れ、その入力データから色毎のパターンが識別され、フ
ァイル化される。

【０００３】しかし、このカラー専用スキャナは白黒専
用スキャナと比較して高価であり、さらにはＲ，Ｇ，Ｂ
の３回に分けて入力するため入力処理時間が長い（約数
分／Ａ４サイズ）という問題があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来のカラー図形入力処理システムでは、カラー図形のデ
ータ入力にカラー専用スキャナを用いるため、比較的高
価であり、しかも入力処理に時間がかかっていた。

【０００５】この発明は上記の課題を解決するためにな
されたもので、比較的安価で、入力処理時間も短く、明
度が近い場合でもパターン境界の識別が容易なカラー図
形入力処理システムを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明に係るカラー図形入力処理システムは、原稿
に色相パターンを組み合わせて記載されたカラー図形を
多値入力モードでデータ入力する白黒専用スキャナと、
前記白黒専用スキャナの入力データを記憶する画像メモ
リと、前記白黒専用スキャナの入力データに基づく図形
を画像表示するモニタと、このモニタの表示画面にカー
ソルを表示させ、前記白黒専用スキャナからデータを入
力し、このデータを前記画像メモリに記憶させると共
に、データ処理により前記モニタに図形を表示させ、前
記カーソルで指定される位置のデータの色指定に応じて
前記記憶メモリの記憶データからその位置の明度に近い
範囲のデータを選択することでその色の色相パターンを
識別し、各色毎の色相パターンをファイル化するデータ
処理部とを具備することを特徴とする。

【０００７】さらに、前記原稿のカラー図形記載面に重
ねて使用され、当該カラー図形の色相パターンの明度差
を強調するフィルム状の色フィルタを備えることを特徴
とする。

【０００８】

【作用】上記構成によるカラー図形入力処理システムで
は、白黒専用スキャナを用いて１度の走査でデータ入力
し、データ処理によりモニタに図形を表示させ、カーソ
ルで指定される位置のデータの色指定に応じて記憶メモ
リの記憶データからその位置の明度に近い範囲のデータ
を選択することでその色の色相パターンを識別し、各色
毎の色相パターンをファイル化処理する。この際、色フ
ィルタによって明度差を強調し、パターンの境界識別を
容易にする。

【０００９】

【実施例】以下、図１を参照してこの発明の実施例を詳
細に説明する。

【００１０】図１はこの発明に係るカラー図形入力処理
システムの構成を示すもので、１１は白黒専用のスキャ
ナであり、このスキャナ１１で原稿に記載されたカラー
図形をデータ入力する。この白黒専用スキャナ１１は２
値入力モードではなく多値入力モードに設定する。入力
データはＥＷＳ１２に送られ、このＥＷＳ１２によって
画像メモリ１３に記憶されると共にモニタ１４に表示さ
れる。

【００１１】ＥＷＳ１２には入力処理装置としてキーボ
ード１５及びマウス１６が接続され、マウス１６の操作
に応じてモニタ１４の表示画面の任意の箇所にカーソル
を表示させたり、キーボード１５からの数値入力によっ
てカーソル指定範囲の色設定を行う等の処理を行う。

【００１２】ここで、上記スキャナ１１で原稿から図形
をデータ入力する際、明度識別を確実にするため、図２
に示すように、スキャナ１１の原稿載置台に原稿１７を
セットする際、その間にフィルム状の色フィルタ１８を
挟んでおく。このようにすれば、スキャナ１１からの出
力光が原稿１７で反射された光が、色フィルタ１８を透
過するとき、原稿１７の色と色フィルタ１８の色とによ
って規定される光となってスキャナ１１に入力される。

【００１３】例えば、原稿１７に図３に示すような赤と
青で構成される図形が描かれているとする。この赤と青
は、色相は異なるが明度は近いものとする。色フィルタ
１８に赤色を使用すると、スキャナ１１に入力される透
過光は青の部分は暗くなり、赤の部分は青の部分より明
るくなる。また、原稿の背景が白とすれば、その部分の
明度は赤の部分より極めて明るくなる。すなわち、図３
に示すカラー原稿がスキャナ１１入力される場合、３段
階の異なる明度差を持った図形として認識される。

【００１４】今、このスキャナ１１の入力明度が例えば
２５６レベル（黒が０で白が２５５）の仕様であり、色
フィルタをかけた後の明度の値が赤は１５０、青が５
０、背景が２００近辺であるとする。これをモニタ１４
に表示すると、背景は明るい灰色、赤の部分は中間の灰
色、青の部分は暗い灰色で示される。赤の部分のデータ
を分離するには以下の手順によって行う。

【００１５】まず、オペレータはマウス１６によってモ
ニタ１４の表示画面に示されるカーソルで中間の灰色部
分（実際は赤色）を指定して、その点の画像データ値を
例えば１５０と入力する。次に、画像メモリ１３に記憶
された全体のデータを順次読取り、そのデータ値が先の
入力値の±１０（１４０〜１６０）の範囲内にあればそ
のデータは赤色であると認識して１５０の値に置き換え
る。これは原稿の汚れ等により微妙な濃淡差のためにば
らついた入力データ値を補正するためである。

【００１６】このようにして赤色の部分だけのパターン
データを抜き取った後、モニタ１４の表示画面片隅にカ
ラーサンプルを表示させ、原稿と同じ色をモニタ４５で
カーソルにて指示し、その色番号と共に前述したパター
ンデータをひとまとめにしてファイル化することで、赤
色のデータができあがる。

【００１７】青色データのファイル化も赤色の場合と全
く同様である。また、原稿に他の色のパターンがあった
場合でも、色フィルタ１８によって容易に明度を識別で
きるので、上記の手法によってファイル化できる。色の
指定は上記以外にマンセル表により規定された色番号を
キーボード１５から入力する方法もある。

【００１８】ここで、スキャナ１１で入力したデータは
多値であるのでデータ量が多い。そこで、データ量を少
なくするため、色のある部分のみを“１”とし、色のな
い部分を“０”として２値化ファイルデータを作成して
おくと、“１”の部分のデータについて色指定を行えば
よく、処理効率をあげることができる。

【００１９】したがって、上記構成によるカラー図形入
力処理システムは、白黒専用スキャナ１１を用いて１度
の走査でデータ入力し、表示画面上で色指定するだけで
簡単にカラー図形の各色パターンをファイル化処理する
ことができる。この際、色フィルタ１８によって明度差
を区別できるので、パターンの境界を容易に識別でき
る。また、白黒専用スキャナ１１の使用により、比較的
安価に実現できる。

【００２０】尚、上記実施例では、色フィルタ１８を原
稿載置台と原稿１７との間に挟み、スキャナ１１に原稿
１７から反射された光が色フィルタ１８を介して入射さ
れるようにしたが、原稿１７の図形の各色の明度に差が
ある場合には色フィルタ１８を使用しないでそのまま処
理を行ってもかまわない。その他、この発明の要旨を逸
脱しない範囲で種々変形しても同様に実施可能であるこ
とはいうまでもない。

【００２１】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、比較的
安価で、入力処理時間も短く、明度が近い場合でもパタ
ーン境界の識別が容易なカラー図形入力処理システムを
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るカラー図形入力処理システムの
一実施例を示すブロック構成図。

【図２】同実施例でスキャナに原稿と共に色フィルタを
セットする様子を示す外観図。

【図３】同実施例で処理するカラー図形原稿を示す平面
図。

【符号の説明】

１１…白黒専用スキャナ、１２…ＥＷＳ（エンジニアリ
ング・ワーク・ステーション）、１３…画像メモリ、１
４…モニタ、１５…キーボード、１６…マウス、１７…
カラー図形原稿、１８…色フィルタ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】原稿に色相パターンを組み合わせて記載さ
   れたカラー図形を多値入力モードでデータ入力する白黒
   専用スキャナと、前記白黒専用スキャナの入力データを
   記憶する画像メモリと、前記白黒専用スキャナの入力デ
   ータに基づく図形を画像表示するモニタと、このモニタ
   の表示画面にカーソルを表示させ、前記白黒専用スキャ
   ナからデータを入力し、このデータを前記画像メモリに
   記憶させると共に、データ処理により前記モニタに図形
   を表示させ、前記カーソルで指定される位置のデータの
   色指定に応じて前記記憶メモリの記憶データからその位
   置の明度に近い範囲のデータを選択することでその色の
   色相パターンを識別し、各色毎の色相パターンをファイ
   ル化するデータ処理部とを具備するカラー図形入力処理
   システム。
2. 【請求項２】さらに、前記原稿のカラー図形記載面に重
   ねて使用され当該カラー図形の色相パターンの明度差を
   強調するフィルム状の色フィルタを備えることを特徴と
   する請求項１記載のカラー図形入力処理システム。