JPH06123851A - 半導体レーザ光源ユニット - Google Patents

半導体レーザ光源ユニット

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JPH06123851A
JPH06123851A JP14101491A JP14101491A JPH06123851A JP H06123851 A JPH06123851 A JP H06123851A JP 14101491 A JP14101491 A JP 14101491A JP 14101491 A JP14101491 A JP 14101491A JP H06123851 A JPH06123851 A JP H06123851A
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JP
Japan
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semiconductor laser
lens
light
light source
source unit
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Application number
JP14101491A
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English (en)
Inventor
Shiro Ogata
司郎 緒方
Yoshinori Ito
嘉則 伊藤
Masanori Murakami
正典 村上
Akiyoshi Hamada
明佳 濱田
Hiroshi Nakamura
弘 中村
Toshio Naiki
俊夫 内貴
Osamu Ono
理 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体レーザ光源ユニットにおいて回折型レ
ンズを用いるようにし、回折型レンズを用いた時に発生
していた種々の問題点、特にノイズ光の発生やレンズと
ビーム整形用のスリットとの位置調整の面倒等の問題点
を解消させる。 【構成】 画像情報に応じて半導体レーザ素子から放射
されたレーザビームにより偏向器及び光学素子を介して
記録媒体上を走査するレーザビーム走査光学系に用いら
れる半導体レーザ光源ユニットである。レーザビームを
放射する半導体レーザ素子33と、半導体レーザ素子3
3から放射された発散出射光を略平行光に変換するため
の、輪郭が小判状をした同心円状の格子パターン39か
らなる回折型レンズ35と、前記レンズ35により変換
された略平行光を通過させるための透光領域36を有す
る遮光部37とを一体的に組み立てる。前記遮光部37
と前記レンズ35とが、当該レンズ35の焦点距離以上
の距離離して配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体レーザ光源ユニ
ットに関する。具体的にいうと、本発明は、半導体レー
ザ素子(LD)を用いたレーザビームプリンタ(LB
P)やファクシミリ等の光学系に用いられる半導体レー
ザ光源ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】図8はレーザビームプリンタ等において
感光体面上に露光走査を行わせるための光走査装置の従
来例を示す概略平面図である。このような光走査装置に
おいては、半導体レーザ光源1から発射されたレーザビ
ームをビーム整形板2の開口に通過させてビーム整形し
た後、適宜配置された反射ミラー3等の光学系を介して
光変調器4へ送り、そこで外部から送られてくる電気的
な画像情報BSに応じた光変調を行わせ、その画像情報
がのせられた光信号をアナモフィック光学系5を介して
回転多面鏡6等の偏向器に送り、そこで副走査方向Y
(主走査方向Xと垂直な方向)に回転する感光体ドラム
8(記録媒体)上にfθレンズ7を通して結像されるス
ポットを主走査方向Xに偏向させながら順次露光を行わ
せることにより光記録を行うことができるように構成さ
れている。
【0003】なお、図中9は各主走査ラインにおける光
記録の同期をとるために設けられた光センサを示すもの
で、各主走査ラインの前走査(光記録を行わせる前のレ
ーザビームの走査領域)の段階でレーザビームを検知さ
せ、そのセンサ出力を制御回路10に送ってそこで光変
調器における光変調のタイミングを適宜とらせるように
している。また、図中11はナイフエッジを示してい
る。
【0004】図9は上記半導体レーザ光源の一例を示す
断面図である。この従来例の半導体レーザ光源1aは、
半導体レーザ素子12と、半導体レーザ素子12から放
射された発散光を略コリメート光(コリメート光、ある
いは、コリメート光に近い発散光または集束光)に変換
するための屈折型レンズ13と、半導体レーザ素子12
及びレンズ13を一体化して固定保持するための保持部
材14と、レンズ押さえ15とから構成されている。
【0005】また、図10は上記半導体レーザ光源の他
例(例えば、特開平2−189511号公報など)を示
す断面図である。この半導体レーザ光源1bは、保持部
材16の一端に半導体レーザ素子12を嵌合固定し、他
端にフレネルレンズ等の回折型レンズ17を取り付けた
ものであり、半導体レーザ素子12から放射されたレー
ザビームは回折型レンズ17によって略コリメート光と
して出射される。
【0006】図8のような光走査装置にあっては、例え
ばレーザビームプリンタの印字品質に応じて感光体ドラ
ム上に露光されるビームスポットが適切ビーム形状とな
るように設定する必要があり、そのため印字品質に応じ
て開口寸法の異なるビーム整形板と取り替え、レーザビ
ーム形状を調整している。
【0007】しかしながら、図8の光走査装置のように
半導体レーザ光源1とビーム整形板2とが別々の部品と
なっていると、図8で破線により囲まれた光源部分の実
装スペースが大きくなり、また、半導体レーザ光源1と
遮光板2をレーザビームプリンタ等へ組み込む際にこれ
ら相互の位置調整が必要になる。このため、屈折型レン
ズ13を用いたものでは、図11(a)(b)に示すよ
うに保持部材14にスリット18を有するビーム整形板
2を一体に取り付けたり、図12(a)(b)に示すよ
うにレンズ押さえ15にスリット18を設けてビーム整
形の機能を持たせたりすることにより、光源部分をコン
パクトにすると共にレーザビームプリンタ等への組込み
時における半導体レーザ素子とビーム整形板の調整を不
要にしたものがある。
【0008】一方、回折型レンズは2P法(photo poly
marization processの略)などで成形されるので、容易
に量産でき、屈折型レンズよりも低コストである。この
ため、回折型レンズを用いた半導体レーザ光源のコンパ
クト化及び調整作業の省力化が望まれる。
【0009】図13は、フレネルレンズ等の回折型レン
ズにビーム整形機能を持たせたものである(特開平2−
16501号)。すなわち、図13(a)(b)に示す
ように、同心円状の格子パターン19の両側部を除去し
て輪郭が小判状をした格子パターン19を有する回折型
レンズ20とすることによりビーム整形機能を持たせて
いる。
【0010】しかしながら、この回折型レンズ20は透
明基板21の表面に格子パターン19を形成したもので
あって、レーザビームを遮光することができないので、
略コリメート光α以外にも、図14に示すように、レン
ズ有効径(格子パターン19)外を通過する漏れ光βに
よるノイズや、高次回折光γによるノイズをカットする
ことができないという問題があった。
【0011】また、図15に示すように、同心円状の格
子パターン22を設けられた回折型レンズ23の透明基
板24にスリット25を有するビーム整形板26を貼り
つける方法も考えることができるが、この方法では、漏
れ光βによるノイズはカットできても、高次光γによる
ノイズをカットすることができないという欠点がある。
さらに、ビーム整形板26を透明基板24に接着する際
に格子パターン22とスリット25との位置合せを精密
に行なわなければならなかった。
【0012】さらに、半導体レーザ素子や回折型レンズ
を保持している保持部材にビーム整形板を取り付けるこ
とも可能であるが、ビーム整形板を保持部材に固定する
際にビーム整形板のスリットと回折型レンズとの位置調
整を精密に行なわなければならず、ビーム形状の調整も
困難であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は叙上の従来例
の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、半導体レーザ光源ユニットにおいて回折型レン
ズを用いるようにし、回折型レンズを用いた時に発生し
ていた種々の問題点、特にノイズ光の発生やレンズとビ
ーム整形用のスリットとの位置調整の面倒等の問題点を
解消させることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ光
源ユニットは、画像情報に応じて半導体レーザ素子から
放射されたレーザビームにより偏向器及び光学素子を介
して記録媒体上を走査するレーザビーム走査光学系に用
いられる半導体レーザ光源ユニットにおいて、レーザビ
ームを放射する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子
から放射された発散出射光を略平行光に変換するため
の、輪郭が小判状をした同心円状の格子パターンからな
る回折型レンズと、前記レンズにより変換された略平行
光を通過させるための透光領域を有する遮光部とを一体
的に組み立てられ、前記遮光部と前記レンズとが、当該
レンズの焦点距離以上の距離離れて配置されていること
を特徴としている。
【0015】また、本発明の半導体レーザ光源ユニット
においては、回折型レンズの短軸方向を、半導体レーザ
素子の発散出射光の拡がり角の狭い方向と一致させると
よい。
【0016】また、本発明の半導体レーザ光源ユニット
においては、回折型レンズの短軸方向を、偏向器による
レーザビームの走査方向と垂直な方向に一致させるとよ
い。
【0017】さらに、本発明の半導体レーザ光源ユニッ
トにおいては、半導体レーザ素子の発散出射光の拡がり
の狭い方向での拡がり角をθとし、半導体レーザ素子の
発光点から前記レンズの短軸方向の有効径への角度を2
uとするとき、典型的には、当該拡がり角θと角度2u
とが、 0.5≦2u/θ≦2 となる。
【0018】さらに、前記遮光部の透光領域の形状は円
形であってもよい。
【0019】
【作用】本発明の半導体レーザ光源ユニットは、回折型
レンズを用いているので、2P法等によってレンズを成
形することができ、量産性が良好で、製造コストが安価
になる。
【0020】また、回折型レンズの格子パターンを小判
状に形成しているので、格子パターンの輪郭寸法によっ
て記録媒体上におけるビームスポットの大きさを調整す
ることができる。すなわち、回折型レンズはレーザビー
ムを略コリメート光に変換する機能に加え、レーザビー
ムプリンタ等の印字品質に応じて記録媒体上におけるビ
ームスポット形状を所望形状に整える機能を兼ね備えて
おり、従来のビーム整形板を不要にして半導体レーザ光
源ユニットをコンパクトに構成することができる。しか
も、互いに別体となったレンズとビーム整形板を組み合
わせる場合のようにレンズとビーム整形機能との位置調
整の必要もなく、半導体レーザ光源ユニットの組み立て
や調整を容易にすることができる。
【0021】また、レンズと遮光部を、レンズの焦点距
離以上の離しているので、格子パターン外を通過する漏
れ光によるノイズや、格子パターンの部分で発生する高
次光によるノイズを遮光部によってカットすることがで
きる。
【0022】さらに、半導体レーザ素子と回折型レンズ
と遮光部とを一体に構成してあるので、レーザビームプ
リンタ等に組み込まれる光源部分をコンパクトに構成す
ることができ、レーザビームプリンタ等への組み込み時
における調整作業も容易にすることができる。
【0023】なお、半導体レーザ素子は、発光点の非点
隔差のため水平方向と垂直方向とで発散出射光の拡がり
角が異なっており、レンズの短軸方向はこの拡がり角の
狭い方向と一致させ、また、レーザビームの副走差方向
と一致させることが好ましい。
【0024】また、遮光部の透光領域の形状を円形とす
れば、遮光部を取り付ける際、遮光部の取り付け角度を
問題にする必要がなく、遮光部の取り付けが容易にな
る。
【0025】
【実施例】図1は本発明の一実施例による半導体レーザ
光源ユニット31を示す断面図である。素子保持部材3
2は略円筒状をしており、素子保持部材32の一端部中
央には半導体レーザ素子33が嵌合固定されており、素
子保持部材32の他端には略円筒状をしたレンズ保持部
材34が取り付けられている。レンズ保持部材34の端
部には、半導体レーザ素子33と対向させるようにして
フレネルレンズのような回折型レンズ35が固定されて
おり、レンズ保持部材34の他端には中央部に透光領域
36を開口された不透明材料からなる遮光部37が取り
付けられている。
【0026】回折型レンズ35は、図2に示すように、
透明基板38の表面に同心円状の格子パターン39を成
形されたものであり、両側部が切除されて小判状の輪郭
を有している。また、遮光部37には、図3(a)に示
すようなスリット状の透光領域36、同(b)に示すよ
うな小判形の透光領域36、あるいは同(c)に示すよ
うな円形の透光領域36などが開口されている。また、
透光領域は必ずしも開口されている必要はなく、透明な
ガラス板の外周領域に金属蒸着膜を蒸着させて不透明化
し、中央部の蒸着膜を形成されていない領域を透孔領域
36とした遮光部37を用いてもよい。このような開口
されていない遮光部37を用いれば、遮光部37によっ
て回折型レンズ35を密閉して回折型レンズ35を湿気
から保護することができる。
【0027】また、この半導体レーザ光源ユニット31
は、素子保持部材32に取り付けられたキャップ40に
よって全体を覆ってあり、キャップ40の出射窓41に
はガラス板42を取り付けて内部を密閉しており、回折
型レンズ35を湿気から保護している。あるいは、出射
窓41の開口されていない、全体が透明なキャップ40
を用いて密閉構造としてもよい。
【0028】また、この半導体レーザ光源ユニット31
においては、図4に示すように半導体レーザ素子33の
発光点と回折型レンズ35との距離はほぼ回折型レンズ
35の焦点距離fと等しくなっており、回折型レンズ3
5と遮光部37との距離sは回折型レンズ35の焦点距
離fと等しいか、もしくは焦点距離fよりも長くなって
いる。すなわち、s≧fとなっている。
【0029】しかして、半導体レーザ素子33から放射
されたレーザビームは、回折型レンズ35の格子パター
ン39よりも広い領域に照射され、格子パターン39を
透過することによって略コリメート光に変換され、遮光
部37の透光領域36を通過して出射される。このと
き、レーザビームは、回折型レンズ35の格子パターン
39によってビーム径を制限される。したがって、格子
パターン39の短軸方向の幅を調整することによってレ
ーザビームの当該方向(後述のように、副走査方向)の
ビーム幅を調整でき、回折型レンズ35を格子パターン
39の短軸方向の幅が異なるものと取り替えることによ
り感光体ドラム上におけるレーザビーム形状を印字品質
(例えば、240dpi〜400dpiなど)に合わせ
て制御することができる。また、格子パターン39を通
過した略コリメート光αは遮光部37の透光領域36を
通過して外部へ出射されるが、回折型レンズ35の格子
パターン39外を通過した漏れ光βや高次光γは遮光部
37によってカットされ、遮光部37によってノイズ光
が除去される。なお、この遮光部37の透光領域36の
寸法は、略コリメート光αを通過させ、漏れ光βや高次
光γをカットできるようになっていればよいので、格子
パターンと寸法と同じか少し大きければよく、したがっ
て、回折型レンズ37との位置精度もビーム整形板のよ
うに高い精度を要求されるものではなく、半導体レーザ
光源ユニット31の組み立ても比較的簡単に行なえる。
【0030】図5は半導体レーザ素子(チップ)33と
格子パターン39と透光領域36と走査方向との関係を
示している。半導体レーザ素子33は、発光点に非点隔
差を有している。つまり、半導体レーザ素子33は、レ
ーザチップの活性層に対し垂直に広がる出射光と、水平
に広がる出射光とで、見掛け上の発光位置がわずかに異
なっている。このような非点隔差が存在するため、垂直
方向における半導体レーザ素子33の発散出射光α2の
拡がり角θ2は大きく、水平方向における発散出射光α
1の拡がり角θ1は小さくなっており、半導体レーザ素
子33から放射されるレーザビームは楕円状をしてい
る。このような半導体レーザ素子33を用いる場合、図
5のように、拡がり角の最も大きな方向を偏向器によっ
て走査される主走査方向とし、広がり角の最も小さな方
向が主走査方向と垂直な副走査方向となるように配置さ
れる。さらに、回折型レンズ35は、格子パターン39
の長軸方向が拡がり角の大きな方向(主走査方向)と一
致し、格子パターン39の短軸方向が拡がり角の小さな
方向(副走査方向)と一致するよう配置される。さら
に、遮光部37の透光領域36もスリット状や小判形の
場合には、格子パターンと長軸方向及び短軸方向を一致
させて配置させるのが望ましい。
【0031】面倒れ補正系を有する走査光学系では、拡
がり角の広い方向θ2を主走査方向とし、拡がり角の狭
い方向θ1を副走査方向に選ぶのが普通であり、本光学
系でもこのように選択している。これは、像面上ビーム
径を決定するのが、fθレンズに入射するビームの主走
査方向の光束幅と、副走査側の放射角であることによ
る。即ち、主走査側のfθレンズへの入射光を太くする
には、拡がり角を広くするか、あるいは(同じFナンバ
ーの場合には)回折型レンズの焦点距離を長くすればよ
く、小型化するためには回折型レンズの焦点距離を長く
するよりも、拡がり角を広くする方が有利である。一
方、副走査側に関しては、fθレンズへ入射するビーム
の放射角を大きくとるには、回折型レンズからの射出ビ
ームが細い場合も、アナモフィック光学系の焦点距離を
短くすることによって容易に実現でき、小型化に関して
もこの方が有利である。
【0032】表1は、市販の半導体レーザ素子(シャー
プ製LT022MS)の接合面に平行な方向の拡がり角
θ1と接合面に垂直な方向の拡がり角θ2の値(平均
値、最小値、最大値)を示している。このように半導体
レーザ素子の拡がり角θ1及びθ2の値は大きなバラツ
キを示している。
【0033】
【表1】
【0034】また、半導体レーザ素子33の発光点は、
回折型レンズ35の焦点に位置しているので、図6に示
すように、回折型レンズの短軸方向の幅2Rは、半導体
レーザ素子33の発光点から回折型レンズの短軸方向の
有効幅を見込む角度を2uとし、回折型レンズの焦点距
離をfとしたとき、 R=fsinu もしくは、 R=ftanu で表わされる。ここで、角度2uはレーザビームプリン
タの印字品質を指定すれば決まるので、この式によって
印字品質に対応する回折型レンズ35の短軸方向の幅2
Rを決めることができる。
【0035】次に、ビーム径を表わす式を示す。半導体
レーザ素子の波長をλ、回折型レンズの焦点距離をfc
o、アナモフィック光学系の焦点距離をfcy、fθレン
ズの主走査方向における焦点距離をfH、fθレンズの
副走査方向における横倍率をβとし、主走査方向におけ
る半導体レーザ素子の拡がり角と回折型レンズの開口数
NAの関係から求まる係数をΔDHとし、副走査方向に
おける半導体レーザ素子の拡がり角と回折型レンズの開
口数NAの関係から求まる係数をΔDVとすると、主走
査方向のビーム径DHは数式1で表わされ、副走査方向
のビーム径DVは数式2で表わされる。
【0036】いま、主走査方向は拡がり角の大きいθ2
方向に設定しているため、回折型レンズの鏡筒でケラレ
が生じるが、副走査方向は拡がり角の小さいθ1方向に
設定しているため、規制しておく方が、副走査方向のビ
ーム径のバラツキを小さくするために有利である。ここ
では、印字品質に関係する副走査方向について考える。
表1のθ1の値を用いて印字品質240dpi〜400
dpiの範囲をカバーするようレーザビームプリンタの
光学系に当てはめて計算すると、角度2uは、 2u=9°〜16° となる。一方、半導体レーザ素子の拡がり角θ1は、
8.5°〜16°であるので、この2uの値と拡がり角
との比を求めると、 0.5≦2u/θ1≦2 という関係があることがわかる。
【0037】表2は、fco=46mm、fcy=35mm、β
=−3.0、fH=160mm、回折型レンズからその像
点までの距離が560mm、回折型レンズとアナモルフィ
ック光学系までの距離が200ミリ、回折型レンズと偏
向器の距離が100mmの場合の各印字品質に対する透光
領域の寸法を示している。
【0038】
【表2】
【0039】図7は本発明の別な実施例による半導体レ
ーザ光源ユニットを示す断面図である。この実施例のよ
うに、遮光部37は、不透明材料によってレンズ保持部
材34と一体成形しても差し支えない。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、2P法等によってレン
ズを成形することができ、量産性が良好で、製造コスト
が安価な回折型レンズを用いることができる。
【0041】しかも、格子型レンズがレーザビームを略
コリメート光に変換する機能と、レーザビームプリンタ
等の印字品質に応じて記録媒体上におけるビームスポッ
トの大きさや形状を整える機能とを兼備しているので、
半導体レーザ光源ユニットをコンパクトにできる。しか
も、レンズと別体のビーム整形板を用いる場合のように
レンズとビーム整形機能との位置調整の必要もなく、半
導体レーザ光源ユニットの組み立てや調整を容易にする
ことができる。
【0042】また、レンズからレンズの焦点距離よりも
大きな距離離して略平行光を通過させるための遮光部を
配置しているので、格子パターン外を通過する漏れ光に
よるノイズや、格子パターンの部分で発生する高次光に
よるノイズを遮光部によってカットすることができ、ノ
イズの少ないレーザビームを出射させることができる。
【0043】さらに、半導体レーザ素子と回折型レンズ
と遮光部とを一体に構成してあるので、レーザビームプ
リンタ等に組み込まれる光源部分をコンパクトに構成す
ることができ、レーザビームプリンタ等への組み込み時
における調整作業も容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】回折型レンズの正面図である。
【図3】(a)(b)(c)は透光部形状の異なる各遮
光部を示す正面図である。
【図4】同上の半導体レーザ光源ユニットの各構成部品
の配置とその作用を説明する図である。
【図5】半導体レーザ素子、格子パターン、遮光部の透
光部及び走査方向の関係を示す図である。
【図6】格子パターンの幅2Rと角度uとの関係を示す
図である。
【図7】本発明の別な実施例による半導体レーザ光源ユ
ニットの断面図である。
【図8】光走査装置の構成を示す概略平面図である。
【図9】従来の半導体レーザ光源を示す断面図である。
【図10】従来の半導体レーザ光源の他例を示す断面図
である。
【図11】(a)(b)従来の半導体レーザ光源ユニッ
トを示す断面図及び正面図である。
【図12】(a)(b)従来の異なる半導体レーザ光源
ユニットを示す断面図及び正面図である。
【図13】(a)はさらに異なる従来の半導体レーザ光
源ユニットの断面図、(b)はその回折型レンズの正面
図である。
【図14】同上の従来例の欠点を説明する図である。
【図15】さらに別な従来例とその欠点を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
33 半導体レーザ素子 35 回折型レンズ 36 遮光部の透光部 37 遮光部 39 格子パターン
【表1】
【数2】
【表1】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月16日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体レーザ光源ユニ
ットに関する。具体的にいうと、本発明は、半導体レー
ザ素子(LD)を用いたレーザビームプリンタ(LB
P)やファクシミリ等の光学系に用いられる半導体レー
ザ光源ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】図8はレーザビームプリンタ等において
感光体面上に露光走査を行わせるための光走査装置の従
来例を示す概略平面図である。このような光走査装置に
おいては、半導体レーザ光源1から発射されたレーザビ
ームをビーム整形板2の開口に通過させてビーム整形し
た後、適宜配置された反射ミラー3等の光学系を介して
光変調器4へ送り、そこで外部から送られてくる電気的
な画像情報BSに応じた光変調を行わせ、その画像情報
がのせられた光信号をアナモフィック光学系5を介して
回転多面鏡6等の偏向器に送り、そこで副走査方向Y
(主走査方向Xと垂直な方向)に回転する感光体ドラム
8(記録媒体)上にfθレンズ7を通して結像されるス
ポットを主走査方向Xに偏向させながら順次露光を行わ
せることにより光記録を行うことができるように構成さ
れている。
【0003】なお、図中9は各主走査ラインにおける光
記録の同期をとるために設けられた光センサを示すもの
で、各主走査ラインの前走査(光記録を行わせる前のレ
ーザビームの走査領域)の段階でレーザビームを検知さ
せ、そのセンサ出力を制御回路10に送ってそこで光変
調器における光変調のタイミングを適宜とらせるように
している。また、図中11はナイフエッジを示してい
る。
【0004】図9は上記半導体レーザ光源の一例を示す
断面図である。この従来例の半導体レーザ光源1aは、
半導体レーザ素子12と、半導体レーザ素子12から放
射された発散光を略コリメート光(コリメート光、ある
いは、コリメート光に近い発散光または集束光)に変換
するための屈折型レンズ13と、半導体レーザ素子12
及びレンズ13を一体化して固定保持するための保持部
材14と、レンズ押さえ15とから構成されている。
【0005】また、図10は上記半導体レーザ光源の他
例(例えば、特開平2−189511号公報など)を示
す断面図である。この半導体レーザ光源1bは、保持部
材16の一端に半導体レーザ素子12を嵌合固定し、他
端にフレネルレンズ等の回折型レンズ17を取り付けた
ものであり、半導体レーザ素子12から放射されたレー
ザビームは回折型レンズ17によって略コリメート光と
して出射される。
【0006】図8のような光走査装置にあっては、例え
ばレーザビームプリンタの印字品質に応じて感光体ドラ
ム上に露光されるビームスポットが適切ビーム形状とな
るように設定する必要があり、そのため印字品質に応じ
て開口寸法の異なるビーム整形板と取り替え、レーザビ
ーム形状を調整している。
【0007】しかしながら、図8の光走査装置のように
半導体レーザ光源1とビーム整形板2とが別々の部品と
なっていると、図8で破線により囲まれた光源部分の実
装スペースが大きくなり、また、半導体レーザ光源1と
遮光板2をレーザビームプリンタ等へ組み込む際にこれ
ら相互の位置調整が必要になる。このため、屈折型レン
ズ13を用いたものでは、図11(a)(b)に示すよ
うに保持部材14にスリット18を有するビーム整形板
2を一体に取り付けたり、図12(a)(b)に示すよ
うにレンズ押さえ15にスリット18を設けてビーム整
形の機能を持たせたりすることにより、光源部分をコン
パクトにすると共にレーザビームプリンタ等への組込み
時における半導体レーザ素子とビーム整形板の調整を不
要にしたものがある。
【0008】一方、回折型レンズは2P法(photo poly
marization processの略)などで成形されるので、容易
に量産でき、屈折型レンズよりも低コストである。この
ため、回折型レンズを用いた半導体レーザ光源のコンパ
クト化及び調整作業の省力化が望まれる。
【0009】図13は、フレネルレンズ等の回折型レン
ズにビーム整形機能を持たせたものである(特開平2−
16501号)。すなわち、図13(a)(b)に示す
ように、同心円状の格子パターン19の両側部を除去し
て輪郭が小判状をした格子パターン19を有する回折型
レンズ20とすることによりビーム整形機能を持たせて
いる。
【0010】しかしながら、この回折型レンズ20は透
明基板21の表面に格子パターン19を形成したもので
あって、レーザビームを遮光することができないので、
略コリメート光α以外にも、図14に示すように、レン
ズ有効径(格子パターン19)外を通過する漏れ光βに
よるノイズや、高次回折光γによるノイズをカットする
ことができないという問題があった。
【0011】また、図15に示すように、同心円状の格
子パターン22を設けられた回折型レンズ23の透明基
板24にスリット25を有するビーム整形板26を貼り
つける方法も考えることができるが、この方法では、漏
れ光βによるノイズはカットできても、高次光γによる
ノイズをカットすることができないという欠点がある。
さらに、ビーム整形板26を透明基板24に接着する際
に格子パターン22とスリット25との位置合せを精密
に行なわなければならなかった。
【0012】さらに、半導体レーザ素子や回折型レンズ
を保持している保持部材にビーム整形板を取り付けるこ
とも可能であるが、ビーム整形板を保持部材に固定する
際にビーム整形板のスリットと回折型レンズとの位置調
整を精密に行なわなければならず、ビーム形状の調整も
困難であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は叙上の従来例
の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、半導体レーザ光源ユニットにおいて回折型レン
ズを用いるようにし、回折型レンズを用いた時に発生し
ていた種々の問題点、特にノイズ光の発生やレンズとビ
ーム整形用のスリットとの位置調整の面倒等の問題点を
解消させることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ光
源ユニットは、画像情報に応じて半導体レーザ素子から
放射されたレーザビームにより偏向器及び光学素子を介
して記録媒体上を走査するレーザビーム走査光学系に用
いられる半導体レーザ光源ユニットにおいて、レーザビ
ームを放射する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子
から放射された発散出射光を略平行光に変換するため
の、輪郭が小判状をした同心円状の格子パターンからな
る回折型レンズと、前記レンズにより変換された略平行
光を通過させるための透光領域を有する遮光部とを一体
的に組み立てられ、前記遮光部と前記レンズとが、当該
レンズの焦点距離以上の距離離れて配置されていること
を特徴としている。
【0015】また、本発明の半導体レーザ光源ユニット
においては、回折型レンズの短軸方向を、半導体レーザ
素子の発散出射光の拡がり角の狭い方向と一致させると
よい。
【0016】また、本発明の半導体レーザ光源ユニット
においては、回折型レンズの短軸方向を、偏向器による
レーザビームの走査方向と垂直な方向に一致させるとよ
い。
【0017】さらに、本発明の半導体レーザ光源ユニッ
トにおいては、半導体レーザ素子の発散出射光の拡がり
の狭い方向での拡がり角をθとし、半導体レーザ素子の
発光点から前記レンズの短軸方向の有効径への角度を2
uとするとき、典型的には、当該拡がり角θと角度2u
とが、 0.5≦2u/θ≦2 となる。
【0018】さらに、前記遮光部の透光領域の形状は円
形であってもよい。
【0019】
【作用】本発明の半導体レーザ光源ユニットは、回折型
レンズを用いているので、2P法等によってレンズを成
形することができ、量産性が良好で、製造コストが安価
になる。
【0020】また、回折型レンズの格子パターンを小判
状に形成しているので、格子パターンの輪郭寸法によっ
て記録媒体上におけるビームスポットの大きさを調整す
ることができる。すなわち、回折型レンズはレーザビー
ムを略コリメート光に変換する機能に加え、レーザビー
ムプリンタ等の印字品質に応じて記録媒体上におけるビ
ームスポット形状を所望形状に整える機能を兼ね備えて
おり、従来のビーム整形板を不要にして半導体レーザ光
源ユニットをコンパクトに構成することができる。しか
も、互いに別体となったレンズとビーム整形板を組み合
わせる場合のようにレンズとビーム整形機能との位置調
整の必要もなく、半導体レーザ光源ユニットの組み立て
や調整を容易にすることができる。
【0021】また、レンズと遮光部を、レンズの焦点距
離以上の離しているので、格子パターン外を通過する漏
れ光によるノイズや、格子パターンの部分で発生する高
次光によるノイズを遮光部によってカットすることがで
きる。
【0022】さらに、半導体レーザ素子と回折型レンズ
と遮光部とを一体に構成してあるので、レーザビームプ
リンタ等に組み込まれる光源部分をコンパクトに構成す
ることができ、レーザビームプリンタ等への組み込み時
における調整作業も容易にすることができる。
【0023】なお、半導体レーザ素子は、発光点の非点
隔差のため水平方向と垂直方向とで発散出射光の拡がり
角が異なっており、レンズの短軸方向はこの拡がり角の
狭い方向と一致させ、また、レーザビームの副走差方向
と一致させることが好ましい。
【0024】また、遮光部の透光領域の形状を円形とす
れば、遮光部を取り付ける際、遮光部の取り付け角度を
問題にする必要がなく、遮光部の取り付けが容易にな
る。
【0025】
【実施例】図1は本発明の一実施例による半導体レーザ
光源ユニット31を示す断面図である。素子保持部材3
2は略円筒状をしており、素子保持部材32の一端部中
央には半導体レーザ素子33が嵌合固定されており、素
子保持部材32の他端には略円筒状をしたレンズ保持部
材34が取り付けられている。レンズ保持部材34の端
部には、半導体レーザ素子33と対向させるようにして
フレネルレンズのような回折型レンズ35が固定されて
おり、レンズ保持部材34の他端には中央部に透光領域
36を開口された不透明材料からなる遮光部37が取り
付けられている。
【0026】回折型レンズ35は、図2に示すように、
透明基板38の表面に同心円状の格子パターン39を成
形されたものであり、両側部が切除されて小判状の輪郭
を有している。また、遮光部37には、図3(a)に示
すようなスリット状の透光領域36、同(b)に示すよ
うな小判形の透光領域36、あるいは同(c)に示すよ
うな円形の透光領域36などが開口されている。また、
透光領域は必ずしも開口されている必要はなく、透明な
ガラス板の外周領域に金属蒸着膜を蒸着させて不透明化
し、中央部の蒸着膜を形成されていない領域を透孔領域
36とした遮光部37を用いてもよい。このような開口
されていない遮光部37を用いれば、遮光部37によっ
て回折型レンズ35を密閉して回折型レンズ35を湿気
から保護することができる。
【0027】また、この半導体レーザ光源ユニット31
は、素子保持部材32に取り付けられたキャップ40に
よって全体を覆ってあり、キャップ40の出射窓41に
はガラス板42を取り付けて内部を密閉しており、回折
型レンズ35を湿気から保護している。あるいは、出射
窓41の開口されていない、全体が透明なキャップ40
を用いて密閉構造としてもよい。
【0028】また、この半導体レーザ光源ユニット31
においては、図4に示すように半導体レーザ素子33の
発光点と回折型レンズ35との距離はほぼ回折型レンズ
35の焦点距離fと等しくなっており、回折型レンズ3
5と遮光部37との距離sは回折型レンズ35の焦点距
離fと等しいか、もしくは焦点距離fよりも長くなって
いる。すなわち、s≧fとなっている。
【0029】しかして、半導体レーザ素子33から放射
されたレーザビームは、回折型レンズ35の格子パター
ン39よりも広い領域に照射され、格子パターン39を
透過することによって略コリメート光に変換され、遮光
部37の透光領域36を通過して出射される。このと
き、レーザビームは、回折型レンズ35の格子パターン
39によってビーム径を制限される。したがって、格子
パターン39の短軸方向の幅を調整することによってレ
ーザビームの当該方向(後述のように、副走査方向)の
ビーム幅を調整でき、回折型レンズ35を格子パターン
39の短軸方向の幅が異なるものと取り替えることによ
り感光体ドラム上におけるレーザビーム形状を印字品質
(例えば、240dpi〜400dpiなど)に合わせ
て制御することができる。また、格子パターン39を通
過した略コリメート光αは遮光部37の透光領域36を
通過して外部へ出射されるが、回折型レンズ35の格子
パターン39外を通過した漏れ光βや高次光γは遮光部
37によってカットされ、遮光部37によってノイズ光
が除去される。なお、この遮光部37の透光領域36の
寸法は、略コリメート光αを通過させ、漏れ光βや高次
光γをカットできるようになっていればよいので、格子
パターンと寸法と同じか少し大きければよく、したがっ
て、回折型レンズ37との位置精度もビーム整形板のよ
うに高い精度を要求されるものではなく、半導体レーザ
光源ユニット31の組み立ても比較的簡単に行なえる。
【0030】図5は半導体レーザ素子(チップ)33と
格子パターン39と透光領域36と走査方向との関係を
示している。半導体レーザ素子33は、発光点に非点隔
差を有している。つまり、半導体レーザ素子33は、レ
ーザチップの活性層に対し垂直に広がる出射光と、水平
に広がる出射光とで、見掛け上の発光位置がわずかに異
なっている。このような非点隔差が存在するため、垂直
方向における半導体レーザ素子33の発散出射光α2の
拡がり角θ2は大きく、水平方向における発散出射光α
1の拡がり角θ1は小さくなっており、半導体レーザ素
子33から放射されるレーザビームは楕円状をしてい
る。このような半導体レーザ素子33を用いる場合、図
5のように、拡がり角の最も大きな方向を偏向器によっ
て走査される主走査方向とし、広がり角の最も小さな方
向が主走査方向と垂直な副走査方向となるように配置さ
れる。さらに、回折型レンズ35は、格子パターン39
の長軸方向が拡がり角の大きな方向(主走査方向)と一
致し、格子パターン39の短軸方向が拡がり角の小さな
方向(副走査方向)と一致するよう配置される。さら
に、遮光部37の透光領域36もスリット状や小判形の
場合には、格子パターンと長軸方向及び短軸方向を一致
させて配置させるのが望ましい。
【0031】面倒れ補正系を有する走査光学系では、拡
がり角の広い方向θ2を主走査方向とし、拡がり角の狭
い方向θ1を副走査方向に選ぶのが普通であり、本光学
系でもこのように選択している。これは、像面上ビーム
径を決定するのが、fθレンズに入射するビームの主走
査方向の光束幅と、副走査側の放射角であることによ
る。即ち、主走査側のfθレンズへの入射光を太くする
には、拡がり角を広くするか、あるいは(同じFナンバ
ーの場合には)回折型レンズの焦点距離を長くすればよ
く、小型化するためには回折型レンズの焦点距離を長く
するよりも、拡がり角を広くする方が有利である。一
方、副走査側に関しては、fθレンズへ入射するビーム
の放射角を大きくとるには、回折型レンズからの射出ビ
ームが細い場合も、アナモフィック光学系の焦点距離を
短くすることによって容易に実現でき、小型化に関して
もこの方が有利である。
【0032】表1は、市販の半導体レーザ素子(シャー
プ製LT022MS)の接合面に平行な方向の拡がり角
θ1と接合面に垂直な方向の拡がり角θ2の値(平均
値、最小値、最大値)を示している。このように半導体
レーザ素子の拡がり角θ1及びθ2の値は大きなバラツ
キを示している。
【0033】
【表1】
【0034】また、半導体レーザ素子33の発光点は、
回折型レンズ35の焦点に位置しているので、図6に示
すように、回折型レンズの短軸方向の幅2Rは、半導体
レーザ素子33の発光点から回折型レンズの短軸方向の
有効幅を見込む角度を2uとし、回折型レンズの焦点距
離をfとしたとき、 R=fsinu もしくは、 R=ftanu で表わされる。ここで、角度2uはレーザビームプリン
タの印字品質を指定すれば決まるので、この式によって
印字品質に対応する回折型レンズ35の短軸方向の幅2
Rを決めることができる。
【0035】次に、ビーム径を表わす式を示す。半導体
レーザ素子の波長をλ、回折型レンズの焦点距離をfc
o、アナモフィック光学系の焦点距離をfcy、fθレン
ズの主走査方向における焦点距離をfH、fθレンズの
副走査方向における横倍率をβとし、主走査方向におけ
る半導体レーザ素子の拡がり角と回折型レンズの開口数
NAの関係から求まる係数をΔDHとし、副走査方向に
おける半導体レーザ素子の拡がり角と回折型レンズの開
口数NAの関係から求まる係数をΔDVとすると、主走
査方向のビーム径DHは数式1で表わされ、副走査方向
のビーム径DVは数式2で表わされる。
【0036】
【数1】
【0037】
【数2】
【0038】いま、主走査方向は拡がり角の大きいθ2
方向に設定しているため、回折型レンズの鏡筒でケラレ
が生じるが、副走査方向は拡がり角の小さいθ1方向に
設定しているため、規制しておく方が、副走査方向のビ
ーム径のバラツキを小さくするために有利である。ここ
では、印字品質に関係する副走査方向について考える。
表1のθ1の値を用いて印字品質240dpi〜400
dpiの範囲をカバーするようレーザビームプリンタの
光学系に当てはめて計算すると、角度2uは、 2u=9°〜16° となる。一方、半導体レーザ素子の拡がり角θ1は、
8.5°〜16°であるので、この2uの値と拡がり角
との比を求めると、 0.5≦2u/θ1≦2 という関係があることがわかる。
【0039】表2は、fco=46mm、fcy=35mm、β
=−3.0、fH=160mm、回折型レンズからその像
点までの距離が560mm、回折型レンズとアナモルフィ
ック光学系までの距離が200ミリ、回折型レンズと偏
向器の距離が100mmの場合の各印字品質に対する透光
領域の寸法を示している。
【0040】
【表2】
【0041】図7は本発明の別な実施例による半導体レ
ーザ光源ユニットを示す断面図である。この実施例のよ
うに、遮光部37は、不透明材料によってレンズ保持部
材34と一体成形しても差し支えない。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、2P法等によってレン
ズを成形することができ、量産性が良好で、製造コスト
が安価な回折型レンズを用いることができる。
【0043】しかも、格子型レンズがレーザビームを略
コリメート光に変換する機能と、レーザビームプリンタ
等の印字品質に応じて記録媒体上におけるビームスポッ
トの大きさや形状を整える機能とを兼備しているので、
半導体レーザ光源ユニットをコンパクトにできる。しか
も、レンズと別体のビーム整形板を用いる場合のように
レンズとビーム整形機能との位置調整の必要もなく、半
導体レーザ光源ユニットの組み立てや調整を容易にする
ことができる。
【0044】また、レンズからレンズの焦点距離よりも
大きな距離離して略平行光を通過させるための遮光部を
配置しているので、格子パターン外を通過する漏れ光に
よるノイズや、格子パターンの部分で発生する高次光に
よるノイズを遮光部によってカットすることができ、ノ
イズの少ないレーザビームを出射させることができる。
【0045】さらに、半導体レーザ素子と回折型レンズ
と遮光部とを一体に構成してあるので、レーザビームプ
リンタ等に組み込まれる光源部分をコンパクトに構成す
ることができ、レーザビームプリンタ等への組み込み時
における調整作業も容易にできる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】回折型レンズの正面図である。
【図3】(a)(b)(c)は透光部形状の異なる各遮
光部を示す正面図である。
【図4】同上の半導体レーザ光源ユニットの各構成部品
の配置とその作用を説明する図である。
【図5】半導体レーザ素子、格子パターン、遮光部の透
光部及び走査方向の関係を示す図である。
【図6】格子パターンの幅2Rと角度uとの関係を示す
図である。
【図7】本発明の別な実施例による半導体レーザ光源ユ
ニットの断面図である。
【図8】光走査装置の構成を示す概略平面図である。
【図9】従来の半導体レーザ光源を示す断面図である。
【図10】従来の半導体レーザ光源の他例を示す断面図
である。
【図11】(a)(b)従来の半導体レーザ光源ユニ
ットを示す断面図及び正面図である。
【図12】(a)(b)従来の異なる半導体レーザ光
源ユニットを示す断面図及び正面図である。
【図13】(a)はさらに異なる従来の半導体レーザ光
源ユニットの断面図、(b)はその回折型レンズの正面
図である。
【図14】同上の従来例の欠点を説明する図である。
【図15】さらに別な従来例とその欠点を示す断面図で
ある。
【符号の説明】 33 半導体レーザ素子 35 回折型レンズ36 透光領域 37 遮光部 39 格子パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 正典 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社 内 (72)発明者 濱田 明佳 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社 内 (72)発明者 中村 弘 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社 内 (72)発明者 内貴 俊夫 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社 内 (72)発明者 小野 理 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社 内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像情報に応じて半導体レーザ素子から
    放射されたレーザビームにより偏向器及び光学素子を介
    して記録媒体上を走査するレーザビーム走査光学系に用
    いられる半導体レーザ光源ユニットにおいて、 レーザビームを放射する半導体レーザ素子と、 半導体レーザ素子から放射された発散出射光を略平行光
    に変換するための、輪郭が小判状をした同心円状の格子
    パターンからなる回折型レンズと、 前記レンズにより変換された略平行光を通過させるため
    の透光領域を有する遮光部とを一体的に組み立てられ、 前記遮光部と前記レンズとが、当該レンズの焦点距離以
    上の距離離れて配置されていることを特徴とする半導体
    レーザ光源ユニット。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体レーザ光源ユニ
    ットにおいて、前記レンズの短軸方向が、半導体レーザ
    素子の発散出射光の拡がり角の狭い方向と一致している
    ことを特徴とする半導体レーザ光源ユニット。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の半導体レーザ光
    源ユニットにおいて、前記レンズの短軸方向が、偏向器
    によるレーザビームの走査方向と垂直な方向に一致して
    いることを特徴とする半導体レーザ光源ユニット。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3に記載の半導体レー
    ザ光源ユニットにおいて、半導体レーザ素子の発散出射
    光の拡がりの狭い方向での拡がり角をθとし、半導体レ
    ーザ素子の発光点から前記レンズの短軸方向の有効径へ
    の角度を2uとするとき、当該拡がり角θと角度2uと
    が、 0.5≦2u/θ≦2 であることを特徴とする半導体レーザ光源ユニット。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4に記載の半導体
    レーザ光源ユニットにおいて、前記遮光部の透光領域の
    形状が円形であることを特徴とする半導体レーザ光源ユ
    ニット。
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