JPH06123630A - 振動ジャイロ装置および角速度検出方法 - Google Patents

振動ジャイロ装置および角速度検出方法

Info

Publication number
JPH06123630A
JPH06123630A JP4274421A JP27442192A JPH06123630A JP H06123630 A JPH06123630 A JP H06123630A JP 4274421 A JP4274421 A JP 4274421A JP 27442192 A JP27442192 A JP 27442192A JP H06123630 A JPH06123630 A JP H06123630A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angular velocity
vibrating body
output
piezoelectric elements
terminal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4274421A
Other languages
English (en)
Inventor
Yozo Nishiura
洋三 西浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP4274421A priority Critical patent/JPH06123630A/ja
Publication of JPH06123630A publication Critical patent/JPH06123630A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gyroscopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】ある時刻t1から時間Tの間、圧電素子41を
励振させ、圧電素子42,43からの出力の差分が求め
られ、それが一時的に保持される。また、時間T経過
後、すなわち時刻t2から時間Tの間、圧電素子42が
励振させられ、圧電素子41,43からの出力の差分が
求められ、それが一時的に保持される。さらに、時間T
経過後、すなわち時刻t3から時間Tの間、圧電素子4
3が励振させられ、圧電素子42,43からの出力の差
分が求められ、それが一時的に保持される。そして、保
持されている出力の差分が足し合わされる。 【効果】保持されている出力の差分中に含まれているオ
フセット成分は、相反性により互いに打ち消し合うの
で、足し合わされた後はオフセット成分は含まれず、角
速度Ωに比例した項のみが残る。このため、角速度Ωを
正確に検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば車載用のナビ
ゲーション・システム等に利用される振動ジャイロ装置
および振動ジャイロの軸線まわりの角速度の検出方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ビデオカメラの手ぶれ検出や
車載用ナビゲーション・システムの方位検知等に用いら
れる振動ジャイロ装置が知られている(特開平2−82
164,特開平2−223818,特開平2−2238
17号公報等)。このような振動ジャイロ装置の構成例
は、図3に示されている。
【0003】この振動ジャイロ装置では、正三角柱状の
振動体60の各側面に圧電素子61a,61b,61c
が設けられている。これら圧電素子61a,61b,6
1cは、たとえば圧電素子61aが振動体60を振動さ
せるために用いられ、圧電素子61b,61cが振動体
60をその軸線62を中心に回転させたときに、振動方
向と直交する方向に発生するコリオリ力の検出に用いら
れる。このとき、圧電素子61aには図外の発振回路か
ら駆動信号が与えられる。これにより、振動体60は、
その軸線62および面63に直交する方向RBに振動す
る。
【0004】軸線62まわりに回転が加わっていないと
きには、振動体60の振動に伴って圧電素子61b,6
1cは等しく屈曲する。このため、圧電素子61b,6
1cの各出力の差分は零となる。一方、軸線62まわり
に角速度Ωの回転が加えられると、振動体60にはその
振動方向RBに直交する方向にコリオリ力Fcが働く。
このため、圧電素子61b,61cの各屈曲状態に差異
が生じ、この一対の圧電素子61b,61cの出力の差
分はコリオリ力Fcに対応する零以外の値をとる。コリ
オリ力Fcは、軸線62まわりの角速度Ωに比例するか
ら、結局、圧電素子61b,61cの出力の差分を検出
することにより、角速度Ωを検出することができる。
【0005】ところが、上記のような振動ジャイロ装置
では、振動体60の材料の不均一、圧電素子の貼付位置
のずれ、圧電素子61b,61cが形成される各側面を
厳密に均等に形成することの困難性、または圧電素子自
体の特性のばらつき等によって、角速度Ωが零のときで
も、圧電素子61b,61cの出力の差分は零以外の値
をとる。これをオフセットという。したがって、正確な
角速度を検出するためには、予めオフセット値を求めて
おき、振動ジャイロ装置の出力からオフセット値を差し
引かなければならない。
【0006】なお、このオフセットは、図4(b) のよう
に、振動方向RBに対して角度θのずれがあった場合に
顕著に現れる。すなわち、図4(a) に示すように、振動
体60が正四角柱状でしかも振動方向RBと検出方向R
Cとが理想的に直交していればオフセットは常に零であ
って角速度Ωの検出には何ら問題はないが、図4(b)の
ように、たとえば振動体60が正三角柱状であって振動
方向RBに対して検出方向RCが角度θだけずれていれ
ば、角度ずれθに対して sinθに比例する大きさの振動
が発生するからである。
【0007】また、振動体40が正四角柱状である場合
であっても、現実には理想的に直交するように圧電素子
を形成するのは困難なため、正四角形状の振動体を有す
るものでも、オフセットは零以外の値を得る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、振動ジャイ
ロ装置では、温度や駆動電圧等の動作条件の変化に伴っ
てオフセットがドリフトするという問題がある。すなわ
ち、図3において、たとえば圧電素子61aに駆動信号
を与えると、圧電素子61b,61cから得られる出力
は、振動体60が静止しているときの出力であるオフセ
ットV11,V12と、角速度Ωに比例するaΩ,−b
Ωとの和であり、角速度Ωを検出するための最終的な出
力V0は、それぞれの和の差分をとって下記(1) 式のよ
うになる。
【0009】
【数1】 V0=(V11−V12)+(a+b)Ω ‥‥ (1) ところが、オフセット項(V11−V12)が温度や駆
動電圧等の動作条件の変化によってドリフトすると、出
力V0に影響し誤った角速度Ωを検出することになる。
【0010】そこで、従来からドリフトをなくすような
技術が提案されている。たとえば、左右の圧電素子各1
つで駆動/検出を兼用する構成のものがある(中村
武;「正三角柱振動子を使う圧電振動ジャイロ装置,小
型,低価格で身近な応用ねらう」;日経エレクトロニク
ス pp183−191 1990.11.26、特開
平3−172714号公報)。これによると、駆動信号
とコリオリ出力とに位相差を持たせ、検出信号が温度や
経時変化による駆動信号の漏れか、角速度によるコリオ
リ出力かの見分けが可能になる。
【0011】ところが、上記のような構成でもドリフト
の低減は不十分であり、より低ドリフトの振動ジャイロ
装置が要望されていた。そこで、本発明の主たる目的
は、上述の技術的課題を解決し、オフセットドリフトを
大幅に低減することができ、したがって角速度を正確に
検出することができる振動ジャイロ装置および角速度検
出方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの請求項1記載の振動ジャイロ装置は、駆動信号を与
えると一方向に振動する振動体を有し、この振動体の中
心軸まわりに回転が加わったときに発生するコリオリ力
を検出することで上記回転の角速度を検出する振動ジャ
イロ装置であって、上記振動体を振動させる駆動信号を
印加するための励振手段と、上記励振手段からの駆動信
号が印加される駆動用端子と、上記コリオリ力に基づく
角速度信号を検出する検出用端子と、上記駆動用端子と
検出用端子とを所定の時間間隔毎に順次切り換えるため
の切換制御手段と、上記切換制御手段で切り換えられる
度に出力される出力信号に基づいて、回転の角速度を検
出する演算手段とを含むことを特徴とするものである。
【0013】また、請求項2記載の角速度検出方法は、
駆動信号を駆動用端子に与えて振動体を一方向に振動さ
せるとともに、この振動体の中心軸まわりに回転が加わ
ったときに発生するコリオリ力を検出用端子で検出する
ことで、上記回転の角速度を検出する角速度検出方法で
あって、所定の時間間隔毎に上記駆動用端子と検出用端
子とを順次切り換え、上記所定の時間間隔毎に上記検出
用端子から出力された出力信号に基づいて回転の角速度
を検出することを特徴とするものである。
【0014】さらに、請求項3記載の振動ジャイロ装置
は、請求項1記載の振動ジャイロ装置のより具体的な形
態に関するもので、柱状振動体の側面の少なくとも3ヶ
所に圧電素子を設け、1つの圧電素子で振動体を励振さ
せるとともに、振動方向に対して対称に配置された一対
の圧電素子の出力間の差分を差分検出手段で検出するこ
とにより、上記振動体の軸線まわりの角速度を検出する
振動ジャイロ装置であって、或る所定の時間間隔で駆動
信号を印加する圧電素子を順次切り換える切換え手段
と、それぞれの時間間隔内に上記差分検出手段で求めら
れた各一対の圧電素子の出力間の差分を一時的に保持す
る保持手段と、上記振動体に設けられている全ての圧電
素子が一通り駆動信号を印加された時点で保持している
差分を全て足し合わせる加算手段と、上記加算手段の加
算結果に基づいて角速度を算出する算出手段とを含むこ
とを特徴とするものである。
【0015】
【作用】上記請求項1および2記載の振動ジャイロ装置
および角速度検出方法によれば、励振手段から駆動信号
が駆動用端子に印加されると、振動体は一方向に振動す
る。この状態で振動体の軸線まわりに回転を加えると、
振動方向に直交する方向にコリオリ力が発生し、このコ
リオリ力が検出用端子で検出される。これら端子の駆動
用および検出用の役割は所定の時間間隔毎に切換制御手
段によって順次切り換えられる。そして、この切り換え
られる度に出力する出力信号が演算手段によって演算さ
れる。
【0016】それぞれの検出用端子からの出力には、オ
フセット成分が含まれている。ところが、それぞれの出
力を演算することによりこれらのオフセット成分は打ち
消され合う。すなわち、演算手段からの出力は、角速度
に比例する項のみを含んだものである。したがって、こ
の出力を検出すれば振動体の軸線まわりの角速度が正確
に検出できる。
【0017】また、請求項3記載の振動ジャイロ装置に
よれば、たとえば3つの側面を有する振動ジャイロ装置
において、当初或る1つの圧電素子に駆動信号が印加さ
れ他の2つの圧電素子から振動に対応した電圧が出力さ
れているとすれば、或る所定時間後に他の2つの圧電素
子のうちどちらか一方の圧電素子に駆動信号が印加され
るようになり、当初駆動信号が印加されていた圧電素子
は振動に対応した電圧が出力される圧電素子となる。そ
して、次の所定時間後には他の2つの圧電素子のうち最
後に残った圧電素子に駆動信号が印加されるようにな
る。
【0018】そして、それぞれの時間間隔内で出力され
た電圧の差が求められ、その結果がそれぞれ保持され
る。上記のように、3つの側面を持つ振動体では、駆動
信号が印加される圧電素子が1つで振動に対応した電圧
を出力する圧電素子が2つである。このため、2回の切
換えで保持されている電圧差は3つであり、これら3つ
の電圧差が全て足し合わされる。
【0019】保持されている電圧差は、それぞれ相反性
によって互いに打ち消され合うので、足し合わされた後
に出力されるのは、角速度に比例した項のみを含むもの
である。また、足し合わせた後に適当な変形を施せば、
最終の出力は角速度そのものになる。したがって、仮に
オフセットがドリフトしても角速度の検出には全く影響
はなく、正確に角速度の検出が行える。
【0020】
【実施例】以下では、本発明の実施例を、添付図面を参
照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例の振
動ジャイロ装置を示すブロック図であり、図2は上記振
動ジャイロ装置に用いられる切換器のタイミングを表す
タイミングチャートである。振動ジャイロ装置30は、
正三角柱状の振動体40を備えている。この振動体40
の各側面には、圧電素子41,42,43がそれぞれ設
けられており、それぞれの圧電素子41,42,43に
は、他の機器と接続するための端子41a,42b,4
3cが接続されている。なお、本実施例では、振動体4
0を振動させるために圧電体である圧電素子41,4
2,43を設けているが、振動体自体が圧電体として機
能するような構成にしてもよい。
【0021】圧電素子41,42,43のうち、ある1
つ、たとえば圧電素子41を振動体40を振動させるた
めの駆動用に用いると、他の2つの圧電素子42,43
は軸線44まわりの角速度Ωを検出するために用いられ
る。すなわち、端子41aが駆動用に、端子42b,4
3cが検出用に用いられる。そして、後述するように、
駆動用に用いられる圧電素子は所定の時間間隔で切り換
えられる。すなわち、すべての圧電素子および端子は駆
動用と検出用とを兼用する。
【0022】各圧電素子41,42,43は、各端子4
1a,42b,43cを介してそれぞれ切換器51,5
2,53の共通端子51d,52d,53dに接続され
ている。各切換器51,52,53は、個別端子51
a,51b,51c;52a,52b,52c;53
a,53b,53cを有している。個別端子51a,5
2a,53aは発振回路45に接続されている。また、
個別端子51b,52b,53b;51c,52b,5
3cは、それぞれ差動増幅回路46に接続されている。
【0023】差動増幅回路46では、各圧電素子41,
42,43から入力された信号の差分が求められ、出力
側から出力される。差動増幅回路46の出力側は、同期
検波回路60に接続されている。この出力が同期検波回
路60に入力されると、入力した信号が半波整流されて
同期検波回路60の出力側から出力される。同期検波回
路60の出力側は切換器47の共通端子47bに接続さ
れている。切換器47は、個別端子47a,47b,4
7cを有しており、個別端子47a,47b,47c
は、それぞれサンプルホールド回路48a,48b,4
8cに接続されている。サンプルホールド回路48a,
48b,48cは、加算回路49に共通に接続される。
加算回路49は、算出回路に接続される。なお、アナロ
グ/ディジタルコンバータ(以下、「A/Dコンバー
タ」という。)を用いて同期検波回路60の出力をディ
ジタル処理してもよい。この場合、その後の処理は、デ
ィジタルメモリ等を使用してA/Dコンバータの出力信
号を保持し、その出力信号を加算回路49に入力するよ
うにすればよい。
【0024】切換器51,52,53および切換器47
は、切換制御部54により制御されて切り換えられる。
すなわち、この切換制御部54および切換器51,5
2,53などにより、切換制御手段が構成されている。
このような構成において、たとえば図2における時刻t
1に切換器51の共通端子51dと個別端子51bとが
接続され、切換器52の共通端子52dと個別端子52
aとが接続され、切換器53の共通端子53dと個別端
子53cとが接続されると、発振回路45からの駆動信
号により圧電素子41が振動体40を、時間T(たとえ
ば10-3〜10-2秒)の間振動させる。この時間Tは後
の検出処理によって変化する。すなわち、たとえば差動
増幅回路46の出力側にA/Dコンバータを接続した場
合は、時間Tは数秒〜数百秒程度である。
【0025】駆動信号が振動体41に与えられた結果、
振動体40には方向RB1に沿って振動が生じる。この
ような状態で、軸線44まわりに角速度Ωの回転を与え
ると、振動体40には振動方向RB1に垂直な方向にコ
リオリ力Fcが働く。このコリオリ力Fcのために、圧
電素子42,43の出力V21,V31には変動が生じるこ
とになる。すなわち、この出力V21,V31は下記(2) ,
(3) 式のように表される。
【0026】
【数2】 V21=V210 +aΩ ‥‥ (2) V31=V310 −bΩ ‥‥ (3) ここで、V210 ,V310 は、それぞれ振動体40の静止
時の圧電素子42,43からの出力電圧、いわゆるオフ
セットである。
【0027】この出力V21,V31は差動増幅回路46に
入力される。そして、それらの差分が求められ、出力さ
れる。出力される出力信号V1は下記(4) 式のように表
される。
【0028】
【数3】 V1=(V210 −V310 )+(a+b)Ω ‥‥ (4) 切換器47では、上記の切換器51,52,53が動作
したのと同時に、切換制御部54によって切換器47の
共通端子47dと個別端子47aとが接続される。差動
増幅回路46からの出力信号V1は、この切換器47を
介してサンプルホールド回路48aに入力される。サン
プルホールド回路48aでは、入力された出力信号V1
が一時的に保持される。
【0029】サンプルホールド回路48aで出力信号V
1が一時的に保持された後、図2における時刻t2に切
換制御部54によって切換器51,52,53,および
47が切り換えられる。すなわち、切換器51の共通端
子51dと個別端子51bとが接続され、切換器52の
共通端子52dと個別端子52cとが接続され、切換器
53の共通端子53dと個別端子53aとが接続され
る。また、切換器47の共通端子47dと個別端子47
bとが接続される。
【0030】そして、時間Tの間、発振回路45からの
駆動信号により圧電素子42が振動体40を振動させる
ことによって、方向RB2に沿って振動が生じ、軸線4
4まわりの角速度Ωの回転によって、振動方向RB2に
垂直な方向にコリオリ力Fcが働く。このため、圧電素
子41,43の出力V12,V32は下記(5) ,(6) のよう
に表される。
【0031】
【数4】 V32=V320 +cΩ ‥‥ (5) V12=V120 −aΩ ‥‥ (6) ここで、V320 ,V120 は、それぞれ振動体40の静止
時の圧電素子41,43からのオフセットである。
【0032】この出力V32,V12は差動増幅回路46に
入力され、その出力信号V2は下記(7) 式のように表さ
れる。
【0033】
【数5】 V2=(V320 −V120 )+(c+a)Ω ‥‥ (7) 差動増幅回路46からの出力信号V2は、切換器47を
介してサンプルホールド回路48bに入力される。サン
プルホールド回路48bでは、入力された出力信号V2
が一時的に保持される。
【0034】サンプルホールド回路48bで出力信号V
2が一時的に保持された後、図2におけるt3に切換器
51,52,53,および47が切り換えられる。すな
わち、切換器51の共通端子51dと個別端子51aと
が接続され、切換器52の共通端子52dと個別端子5
2bとが接続され、切換器53の共通端子53dと個別
端子53cとが接続される。また、切換器47の共通端
子47dと個別端子47cとが接続される。
【0035】そして、時間Tの間、圧電素子43が振動
体40を振動させることによって方向RB3に沿って振
動が生じ、軸線44まわりの角速度Ωの回転によって、
振動方向RB3に垂直な方向にコリオリ力が働く。この
ため、圧電素子41,42の出力V13,V23は下記(8)
,(9) のように表される。
【0036】
【数6】 V13=V130 +bΩ ‥‥ (8) V23=V230 −cΩ ‥‥ (9) ここで、V130 ,V230 は、それぞれ振動体40の静止
時の圧電素子42,43からのオフセットである。
【0037】この出力V13,V23は差動増幅回路46に
入力され、その出力信号V3は下記(10)式のように表さ
れる。
【0038】
【数7】 V3=(V130 −V230 )+(b+c)Ω ‥‥ (10) 差動増幅回路46からの出力信号V3は、切換器47を
介してサンプルホールド回路48cに入力される。サン
プルホールド回路48cでは、入力された出力信号V3
が一時的に保持される。
【0039】サンプルホールド回路48a,48b,4
8cで一時的に保持された出力信号V1,V2,V3は
加算回路49に入力される。加算回路49では、出力信
号V1,V2,V3が足し合わされる。すなわち、下記
(11)式のような計算が行われる。
【0040】
【数8】 V0 =V1+V2+V3 =(V210 −V310 )+(a+b)Ω+(V320 −V120 ) +(c+a)Ω+(V130 −V230 )+(b+c)Ω ‥‥ (11) これを変形すると、下記(12)式のようになる。
【0041】
【数9】 V0 =(V210 −V120 )+(V130 −V310 )+(V320 −V230 ) +2(a+b+c)Ω ‥‥ (12) ここで、たとえばV210 は圧電素子41を振動させたと
きの圧電素子42からの出力で、V120 は圧電素子42
を振動させたときの圧電素子41からの出力である。す
なわち、これら出力V210 ,V120 の差は相反性により
同等である。したがって、(V210 −V120 )は零であ
る。また、その他の項(V130 −V310),(V320
230 )も相反性により零であるので、(12)式は下記(1
3)式のように表される。
【0042】
【数10】 V0 =2(a+b+c)Ω ‥‥ (13) したがって、角速度Ωに比例した項のみが残ることにな
り、この出力V0 が加算回路49から出力されて、算出
手段である算出回路50に入力される。算出回路50で
は、出力V0 から角速度Ωのみが取り出される。すなわ
ち、たとえば出力V0 に2(a+b+c)の逆数を掛け
て角速度Ωのみが求められ、出力される。
【0043】以上のように、本実施例の振動ジャイロ装
置においては、所定の時間T毎に切換器51,52,5
3が切り換えられる。そして、切り換えられる度に出力
される出力信号の差分が求められ、それぞれの差分が加
算回路49で足し合わされる。加算回路49の出力は、
オフセット項を含まない角速度Ωに比例した項のみであ
り、この出力が算出回路50に入力される。
【0044】すなわち、算出回路50から出力されるの
は、角速度Ωそのものである。したがって、温度や駆動
電圧等によって変えられるオフセットを含まないので、
仮にオフセットドリフトが発生しても、角速度Ωの検出
には影響はない。このため、角速度Ωの検出が正確に行
える。本発明の実施例の説明は以上のとおりであるが、
本発明は上述の実施例に限定されるものではない。たと
えば、上述の実施例では、三角柱状の振動体40の各側
面に圧電素子41,42,43を設けた構成の振動ジャ
イロ装置を例にとって説明したが、図5(a) および図6
(b) のように正四角柱状や図5(b) および図6(b) のよ
うに正六角柱状のように横断面が任意の多角形であるよ
うな柱状振動体を用いてもよい。また、横断面が多角形
ではなく、たとえば図7(a) に示すような円柱状の振動
体90や図7(b) に示すような円筒状の振動体70を用
いても本発明は適用できる。
【0045】一般に、振動体と、これを振動させる駆動
信号が印加される駆動用端子と、コリオリ力に基づく角
速度信号を検出する検出用端子とを備えた振動ジャイロ
装置であれば、どのような種類の振動ジャイロ装置でも
本発明は適用できる。また、2つの圧電素子で駆動およ
び検出の両方を行う構成の振動ジャイロ装置において
も、2つの圧電素子の組み合わせを順次変えていく構成
にすることによって本発明が適用できる。
【0046】図5(a) のように、正四角柱状の振動体7
0の4つの側面に圧電素子71,72,73,74を設
ける構成にした場合は、圧電素子71に振動体70を振
動させるための駆動信号を印加し、圧電素子73を振動
振幅のモニタ用に用いて、他の2つの圧電素子72,7
4を検出用に用いればよい。そして、上述の実施例に用
いた方法と同じように、駆動信号を印加する圧電素子を
圧電素子71から圧電素子72,73,74と所定の時
間間隔で切り換えていき、それぞれの時間間隔内での一
対の圧電素子からの出力の差分を全て足し合わせると、
軸線75まわりの角速度Ωの検出が正確に行える。
【0047】また、図6(a) のように、正四角柱状の振
動体70の隣合う2つの側面に圧電素子71,72を設
ける構成においては、圧電素子71に振動体70を振動
させるための駆動信号を印加し、圧電素子72でコリオ
リ力の検出を行わせるようにする。そして、上述の実施
例と同じように、所定の時間間隔毎に切り換える。な
お、このような構成においては、差動増幅回路やサンプ
ルホールド回路等を設ける必要はない。すなわち、圧電
素子71と圧電素子72とで検出された出力中のオフセ
ット成分は互いに相反性により打ち消されるため、差動
増幅回路やサンプルホールド回路等を介さずに直接加算
回路で足し合わせるようにすればよい。
【0048】加算回路の出力は、オフセット成分が打ち
消されているのでオフセット項を含まない角速度Ωに比
例する項のみである。このため、オフセットがドリフト
しても角速度の検出には影響はないので角速度の検出が
正確に行える。また、図5(b) のように、たとえば正六
角柱状の振動体70の3つの側面に圧電素子71,7
2,73を設ける構成にした場合であっても、上述で説
明した実施例と同じようにすれば、軸線75まわりの角
速度Ωの検出が正確に行える。
【0049】さらに、図6(b) のように、正六角柱状の
振動体90のすべての側面に圧電素子91,92,9
3,94,95,96を設けた構成においては、圧電素
子91に駆動信号を印加して駆動用とし、圧電素子94
をフィードバック用とする。そして、圧電素子92およ
び96の一対でコリオリ力の検出を行い、圧電素子93
および95の別の一対でコリオリ力の検出を行う。そし
て、これらの圧電素子の対で検出された出力の平均を求
めて、これを最終の出力としても本発明の目的は達成で
きる。
【0050】また、上述の実施例では、サンプルホール
ド回路を用いて一時的に出力を保持し、一通り検出が終
了した時点で足し合わせていたが、たとえば一時的に保
持せずに順次足し合わせていってもよい。さらに、上述
の実施例では、一通り圧電素子に駆動信号を印加した時
点でサンプルホールド回路に一時的に保持されている出
力を足し合わせているが、たとえば二通りまたは三通り
駆動信号を印加した時点で出力を足し合わせてもよい。
【0051】その他、本発明の要旨を変更しない範囲で
種々の設計変更を施すことが可能である。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明の振動ジャイロ装置
および角速度検出方法においては、所定の時間間隔で駆
動用端子と検出用端子とを順次切り換えることによっ
て、それぞれの時間に出力された出力信号に表れるオフ
セット成分が相反性により互いに打ち消し合う。このた
め、最終的に出力されるのは角速度に比例する項のみで
ある。したがって、これを適当に変形すれば角速度が正
確に検出できる。
【0053】また、低コストで生産できるにもかかわら
ず本質的にオフセットドリフトが大きい三角柱状の振動
ジャイロ装置に本発明を適用すれば、オフセットドリフ
トが大幅に低減される。このため、振動ジャイロ装置の
さらなる普及が促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の振動ジャイロ装置の電気的
構成を示すブロック図である。
【図2】切換器51,52,53を切り換える時刻を表
すタイミングチャートである。
【図3】振動ジャイロ装置による角速度検出の原理を説
明するための図である。
【図4】振動方向RBに対する検出方向RCの角度ずれ
θによるオフセットの発生の違いを説明するための図で
ある。
【図5】振動体の他の例を示す図である。
【図6】振動体の他の例を示す図である。
【図7】振動体の他の例を示す図である。
【符号の説明】
40 振動体 41,42,42 圧電素子 41a,42b,43c 端子 46 差動増幅回路 48a,48b,48c サンプルホールド回路 49 加算回路 50 算出回路 51,52,53 切換器 54 切換制御部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動信号を与えると一方向に振動する振動
    体を有し、この振動体の中心軸まわりに回転が加わった
    ときに発生するコリオリ力を検出することで上記回転の
    角速度を検出する振動ジャイロ装置において、 上記振動体を振動させる駆動信号を印加するための励振
    手段と、 上記励振手段からの駆動信号が印加される駆動用端子
    と、 上記コリオリ力に基づく角速度信号を検出する検出用端
    子と、 上記駆動用端子と検出用端子とを所定の時間間隔毎に順
    次切り換えるための切換制御手段と、 上記切換制御手段で切り換えられる度に出力される出力
    信号に基づいて、回転の角速度を検出する演算手段とを
    含むことを特徴とする振動ジャイロ装置。
  2. 【請求項2】駆動信号を駆動用端子に与えて振動体を一
    方向に振動させるとともに、この振動体の中心軸まわり
    に回転が加わったときに発生するコリオリ力を検出用端
    子で検出することで、上記回転の角速度を検出する角速
    度検出方法において、 所定の時間間隔毎に上記駆動用端子と検出用端子とを順
    次切り換え、 上記所定の時間間隔毎に上記検出用端子から出力された
    出力信号に基づいて、回転の角速度を検出することを特
    徴とする角速度検出方法。
  3. 【請求項3】柱状振動体の側面の少なくとも3ヶ所に圧
    電素子を設け、1つの圧電素子で振動体を励振させると
    ともに、振動方向に対して対称に配置された一対の圧電
    素子の出力間の差分を差分検出手段で検出することによ
    り、上記振動体の軸線まわりの角速度を検出する振動ジ
    ャイロ装置において、 或る所定の時間間隔で駆動信号を印加する圧電素子を順
    次切り換える切換え手段と、 それぞれの時間間隔内に上記差分検出手段で求められた
    各一対の圧電素子の出力間の差分を一時的に保持する保
    持手段と、 上記振動体に設けられている全ての圧電素子が一通り駆
    動信号を印加された時点で保持している差分を全て足し
    合わせる加算手段と、 上記加算手段の加算結果に基づいて角速度を算出する算
    出手段と、を含むことを特徴とする振動ジャイロ装置。
JP4274421A 1992-10-13 1992-10-13 振動ジャイロ装置および角速度検出方法 Pending JPH06123630A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4274421A JPH06123630A (ja) 1992-10-13 1992-10-13 振動ジャイロ装置および角速度検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4274421A JPH06123630A (ja) 1992-10-13 1992-10-13 振動ジャイロ装置および角速度検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06123630A true JPH06123630A (ja) 1994-05-06

Family

ID=17541441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4274421A Pending JPH06123630A (ja) 1992-10-13 1992-10-13 振動ジャイロ装置および角速度検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06123630A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005249792A (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Northrop Grumman Corp 振動ビームを含むエレクトロメカニカル・システム
JP2009162760A (ja) * 2008-01-08 2009-07-23 Northrop Grumman Guidance & Electronics Co Inc 自己較正を備えた容量性バルク弾性波ディスク・ジャイロスコープ
US8652624B2 (en) 2007-11-14 2014-02-18 Dow Global Technologies Llc Articles and methods of making the same
JP2018128442A (ja) * 2017-01-19 2018-08-16 ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company コリオリ振動ジャイロスコープに関するジャイロ・レート計算のためのシステムおよび方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005249792A (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Northrop Grumman Corp 振動ビームを含むエレクトロメカニカル・システム
US8652624B2 (en) 2007-11-14 2014-02-18 Dow Global Technologies Llc Articles and methods of making the same
US9656446B2 (en) 2007-11-14 2017-05-23 Dow Global Technologies Llc Articles and methods of making the same
JP2009162760A (ja) * 2008-01-08 2009-07-23 Northrop Grumman Guidance & Electronics Co Inc 自己較正を備えた容量性バルク弾性波ディスク・ジャイロスコープ
JP2018128442A (ja) * 2017-01-19 2018-08-16 ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company コリオリ振動ジャイロスコープに関するジャイロ・レート計算のためのシステムおよび方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10232132A (ja) 振動ジャイロ
JP2006170860A (ja) 圧電ジャイロ素子及び圧電ジャイロスコープ
JP2005249646A (ja) 角速度センサ用音叉型振動子、この振動子を用いた角速度センサ及びこの角速度センサを用いた自動車
JPH11101644A (ja) 振動ジャイロ
JPH07270166A (ja) 振動ジャイロ検出方式
JPH06123630A (ja) 振動ジャイロ装置および角速度検出方法
JPH02129514A (ja) 角速度センサー
JPH08152328A (ja) 角速度センサ及びその使用方法
JP2000205861A (ja) 振動ジャイロ
US6666096B2 (en) Vibrator, vibration gyro using the vibrator, and electronic device using the vibration gyro
JP3323361B2 (ja) 振動型ジャイロスコープ
JP3368006B2 (ja) 角速度センサ及び角速度センサを用いた撮像装置
EP0635699B1 (en) Detecting circuit
JP3439861B2 (ja) 振動型ジャイロスコープ
JP2001304866A (ja) ジャイロ装置及びそのクロストーク低減方法
JPH10260043A (ja) 角速度検出装置
JPH08233582A (ja) 振動ジャイロ
JP2010071909A (ja) 圧電振動ジャイロ
JP3421813B2 (ja) ジャイロスコープ
JP3136544B2 (ja) ジャイロ装置
JP2540256B2 (ja) 振動ジャイロの使用方法
JP3958741B2 (ja) 圧電振動ジャイロ用振動子
JP3035161B2 (ja) 振動ジャイロスコープ
JPH06160096A (ja) 振動ジャイロ装置
JP3265138B2 (ja) 振動ジャイロおよび補正装置