JPH06160096A - 振動ジャイロ装置 - Google Patents

振動ジャイロ装置

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JPH06160096A
JPH06160096A JP4238541A JP23854192A JPH06160096A JP H06160096 A JPH06160096 A JP H06160096A JP 4238541 A JP4238541 A JP 4238541A JP 23854192 A JP23854192 A JP 23854192A JP H06160096 A JPH06160096 A JP H06160096A
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angular velocity
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Koji Kagawa
浩司 香川
Osamu Shimizu
修 清水
Fumihiko Nakamura
中村  文彦
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】三角柱状の振動体40の各側面には、圧電素子
41,42,43が設けられている。切換器51,5
2,53により、一対の圧電素子の組が順次切り換えら
れて選択され、ライン61,62に接続される。差動増
幅回路47に反転回路66からの信号を入力すると、選
択された一対の圧電素子の出力の和分が得られる。この
出力の和分は、一対の圧電素子の各出力中に含まれてい
るオフセット成分の和に相当する。このオフセット成分
の和から、角速度検出用に用いられる一対の圧電素子4
1,42の各オフセット成分が求められる。このオフセ
ット成分に基づき、直流増幅回路49の出力に補正が加
えられる。 【効果】振動体40の軸線44まわりの角速度Ωが零で
ないときであっても、オフセットを検出できる。このた
め、外的条件によらずに、短時間間隔でオフセット値を
更新できるから、角速度を常に正確に検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば車両用ナビゲ
ーションシステムにおける車両の旋回角の検出のためな
どに用いられ、物体の回転角速度を検出する振動ジャイ
ロ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、不案内な土地における車両で
の走行を支援するために、CRTなどの表示装置にその
地域の道路地図と車両の現在位置とを重ねて表示するよ
うにしたナビゲーションシステムが車両に搭載されて用
いられている。ナビゲーションシステムでは、車両の走
行距離と進行方位とが求められ、これらに基づいて車両
の現在位置座標(Px,Py)が求められる。
【0003】車両の進行方位は、車両の旋回角を累積す
ることにより求められる。すなわち、所定のサンプリン
グ周期毎の車両の旋回角Δθを1回前のサンプリング時
点で求められた方位θ0 に加算することにより、車両の
進行方位θ(=θ0 +Δθ)が得られる。たとえば、車
両が或る期間に距離ΔLだけ走行したとする。このと
き、車両の移動量の東西方向成分Δxは下記第(1) 式で
与えられ、南北方向成分Δyは下記第(2) 式で与えられ
る。
【0004】
【数1】 Δx=ΔL× cosθ ・・・・ (1) Δy=ΔL× sinθ ・・・・ (2) したがって、直前に求めた車両の位置座標(Px′,P
y′)に東西方向成分Δxおよび南北方向成分Δyを加
算することにより、車両の現在位置座標(Px,Py)
が得られる。すなわち、位置座標の東西方向成分Pxお
よび南北方向成分Pyはそれぞれ下記第(3) 式および第
(4) 式により得られる。
【0005】
【数2】 Px=Px′+Δx=Px′+ΔL・ cosθ ・・・・ (3) Py=Py′+Δy=Py′+ΔL・ sinθ ・・・・ (4) 車両の旋回角は、一般に、車両の旋回角速度をジャイロ
により検出してジャイロ出力を積算することによって得
られる。このジャイロの1つに振動ジャイロがある。ナ
ビゲーションシステムで用いられる振動ジャイロの構成
例は、図3に示されている。
【0006】この振動ジャイロでは、正三角柱状の振動
体40の各側面に圧電素子41,42,43が設けられ
ている。たとえば、圧電素子41,42は励振および検
出に兼用され、圧電素子43は振動を帰還するために用
いられる。圧電素子41,42には図外の発振回路から
駆動信号が与えられ、この発振回路に圧電素子43の出
力信号が帰還される。これにより、振動体40は、その
軸線44および圧電素子43に直交する方向に振動す
る。
【0007】軸線44まわりの回転がないときには、振
動体40の振動に伴って圧電素子41,42は等しく屈
曲する。このため、圧電素子41,42の各出力の差分
は零となる。一方、軸線44まわりに角速度Ωの回転が
与えられると、振動体40にはその振動方向RBに直交
する方向へのコリオリの力Fcが働く。このため、圧電
素子41,42の各屈曲状態に差異が生じ、この一対の
圧電素子41,42の出力の差分は零以外の値をとる。
この値は、コリオリの力Fcに対応している。コリオリ
の力Fcは、軸線44まわりの角速度Ωに比例するか
ら、結局、圧電素子41,42の出力の差分を検出する
ことにより、角速度Ωを検知することができる。
【0008】ところが、上記のような振動ジャイロで
は、たとえば振動体40において圧電素子41,42が
形成される各側面を厳密に均等にすることができないこ
となどに起因して、角速度Ωが零のときでも、圧電素子
41,42の出力の差分が零以外の或る値をとる。これ
がオフセットである。したがって、正確な角速度を検出
するためには、予めオフセット値を求めておき、振動ジ
ャイロの出力からオフセット値を差し引かなければなら
ない。
【0009】車両に搭載されるナビゲーションシステム
では、一般に、車両が停止しているときや、車両が直線
道路を走行しているときに、振動ジャイロのオフセット
値が検出される。これが可能なのは、停止中や直線道路
走行中には車両の旋回角速度は零であるので、このとき
の振動ジャイロの出力はオフセットそのものであるから
である。
【0010】しかし、振動ジャイロでは、温度や湿度の
変化に伴ってオフセットがドリフトするという他の問題
がある。したがって、角速度の検出を常時正確に行うに
は、オフセット値を短時間間隔で更新しなければならな
い。特に、車両用ナビゲーションシステムでは、車両の
移動に伴って環境が変化し、またエンジンからの熱の影
響もあるから、オフセット値の更新が極めて重要であ
る。
【0011】ところが、たとえば高速道路走行中のよう
に長時間停車しない場合や、また山間部のように曲がり
くねった道路ばかりを走行している場合には、オフセッ
トの検出を行えず、オフセット値の更新が長時間にわた
って行えない場合が生じる。このような場合には、ナビ
ゲーションシステムにおける方位検出は、不正確なオフ
セット値に基づいて行われるから、精度が悪くなる。
【0012】オフセットの誤差は、角速度の検出の度ご
とに累積されるから、ついには、実際に車両が走行して
いる位置とは大幅に異なった位置が現在位置として算出
されるおそれがある。この場合には、ナビゲーションシ
ステムによる走行の支援が全く行えなくなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上述の技術的課題を解決し、外的条件に依らずにオ
フセットを求めることができ、したがってオフセットの
補正を確実に短時間間隔で行えるようにした振動ジャイ
ロ装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の振動ジャイロ装置は、断面が多角形の柱状
振動体の少なくとも3つの側面に圧電素子を設け、いず
れかの圧電素子で振動体を振動させるとともに、振動方
向に対して対称に配置された一対の検出用圧電素子の出
力の差分を差分検出手段で検出することにより上記振動
体の軸線まわりの角速度を検出する振動ジャイロ装置に
おいて、上記一対の検出用圧電素子を含む複数の圧電素
子のなかから一対の圧電素子の組を順次切り換えて選択
する選択手段と、この選択手段で選択された一対の圧電
素子の対称面に沿うとともに上記軸線と交差する方向の
振動を上記振動体に生じさせる励振手段と、上記選択手
段により選択された一対の圧電素子の出力の和分を検出
する和分検出手段と、上記選択手段で順次選択された各
組の圧電素子に対応する上記和分検出手段での検出結果
に基づいて、上記一対の検出用圧電素子の各出力信号中
に含まれるオフセット成分を求めるオフセット演算手段
と、上記差分検出手段の出力を、上記オフセット演算手
段で求められたオフセット成分に基づいて補正する出力
補正手段とを含むことを特徴とする。
【0015】
【作用】振動体の軸線まわりの角速度が零でないときに
は、振動体の振動方向に対して垂直にコリオリの力が働
く。このため、振動方向に対して対称な一対の圧電素子
においては、一方では振動体の外部から内部に向かう力
が働くのに対して、他方では振動体の内部から外部に向
かう力が働く。このとき各圧電素子に垂直に働くコリオ
リの力の分力は、方向は異なるが大きさは等しい。この
ため、各圧電素子の出力の差分を求めると、この差分は
コリオリの力の2倍に比例する。
【0016】一方、振動方向に対して対称な一対の圧電
素子の各出力の和分を求めると、各圧電素子に働くコリ
オリの力の分力に対応する成分は相殺される。したがっ
て、一対の圧電素子の出力の和分は、各圧電素子の出力
中に含まれるオフセット成分の和であることになる。そ
こで、本発明では、一対の検出用圧電素子を含む複数の
圧電素子のなかから一対の圧電素子の組が順次切り換え
られて選択される。そして、選択された一対の圧電素子
の対称面に沿って振動体の軸線に交差する方向の振動が
与えられる。このときの一対の圧電素子の出力の和分が
和分検出手段で検出される。
【0017】この和分検出手段の検出結果に基づき、一
対の検出用圧電素子がそれぞれ有するオフセット成分が
演算される。このオフセット成分に基づいて、差分演算
手段の出力に補正が施され、オフセット成分の影響を除
去した正確な角速度が求められる。このようにして、本
発明では、振動体の軸線まわりの角速度が零でなくて
も、検出用圧電素子のオフセット成分を求めることがで
きる。
【0018】
【実施例】以下では、本発明の実施例を、添付図面を参
照して詳細に説明する。図2は本発明の一実施例の振動
ジャイロ装置31が適用されたナビゲーションシステム
の基本構成を示すブロック図である。このナビゲーショ
ンシステムは、車両に搭載されて用いられるもので、車
両の現在位置を算出するためのロケータ装置30を備え
ている。このロケータ装置30は、オフセット演算手段
および出力補正手段などとして機能する。
【0019】ロケータ装置30には、振動ジャイロ装置
31の出力が、アナログ/ディジタル変換器(以下「A
/D変換器」という。)37によりディジタル信号に変
換されて入力されている。ロケータ装置30にはさら
に、車速センサ32の出力信号も与えられている。。ロ
ケータ装置30は、車速センサ32の出力を累積して車
両の移動距離を算出するとともに、振動ジャイロ装置3
1から与えられる角速度情報を累積して車両の旋回角を
検出する。これらに基づいて、車両の現在位置が算出さ
れる。算出された現在位置は、ナビゲーションコントロ
ーラ33に与えられる。
【0020】一方、ロケータ装置30は、メモリドライ
ブ34を介してCD−ROMなどで構成された道路地図
メモリ35にアクセスすることができる。ロケータ装置
30は、算出された現在位置を含む道路地図を道路地図
メモリ35から読み出して、ナビゲーションコントロー
ラ33に与える。ナビゲーションコントローラ33に
は、CRT(陰極線管)や液晶パネルで構成された表示
装置36が接続されている。このナビゲーションコント
ローラ33は、ロケータ装置30から与えられる現在位
置および道路地図のデータに対応したビデオ信号を作成
して、表示装置36に与える。
【0021】この構成によって、表示装置36には、道
路地図と現在位置との表示が行われることになる。図1
は振動ジャイロ装置30の内部構成を示すブロック図で
ある。振動ジャイロ装置30は、正三角柱状の振動体4
0を備えている。この振動体40の各側面には、圧電素
子41,42,43がそれぞれ設けられている。たとえ
ば、一対の圧電素子41,42は振動体40を振動させ
るための励振と振動体40の軸線44まわりの角速度Ω
の検出とのために用いられる。そして、もう一つの圧電
素子43は、振動体40の振動をフィードバックして振
動を安定させるために用いられる。すなわち、圧電素子
41,42は、検出用圧電素子に相当する。
【0022】各圧電素子43は、それぞれ切換器51,
52,53の共通端子51d,52d,53dに接続さ
れている。各切換器51,52,53は、個別端子51
a,51b,51c;52a,52b,52c;53
a,53b,53cを有している。個別端子51a,5
2a,53aは、発振回路45に接続されている。ま
た、個別端子51b,52b,53bは、差動増幅回路
47に接続されたライン61に接続されている。さら
に、個別端子51c,52c,53cは差動増幅回路4
7に接続された別のライン62に接続されている。
【0023】発振回路45の出力信号は、位相補正回路
46で位相補正された後に、ライン55,56から上記
のライン61,62に与えられている。ライン62には
切換器65の個別端子65aが接続されている。この切
換器65のもう1つの個別端子65bには、ライン62
に現れる信号を反転回路66で反転した信号が与えられ
ている。切換器65の共通端子65cは、差動増幅回路
47の一方の入力端子に与えられている。共通端子51
cは、通常は、個別端子51aに接続されている。
【0024】差動増幅回路47の他方の入力端子には、
ライン61に現れる信号が与えられている。この差動増
幅回路47の出力信号が同期検波回路48で半波整流さ
れ、この整流された信号が直流増幅回路49で直流信号
に変換される。この直流増幅回路49の出力信号が、図
2のA/D変換器37に与えられる。切換器51,5
2,53および切換器65は、ロケータ装置30に接続
されている切換制御部60(図2参照。)により制御さ
れて切り換えられる。この切換制御部60および切換器
51,52,53などにより、選択手段が構成されてい
る。
【0025】切換制御部60は、ロケータ装置30の制
御の下、通常の角速度検出状態では、図1に示されてい
る状態に各切換器51,52,53および切換器65を
接続させる。すなわち、一対の圧電素子41,42はラ
イン61,62に接続され、もう1つの圧電素子43は
発振回路45に接続される。また、差動増幅回路47で
は、ライン61に現れた信号からライン62に現れた信
号を減じた信号が作成される。すなわち、通常の角速度
検出状態では、差動増幅回路47は差分検出手段として
機能する。
【0026】この状態では、位相補正回路46からの信
号により圧電素子41,42が振動体40を励振する。
この結果、振動体40には、図3に拡大して示すよう
に、圧電素子41,42が形成された2つの側面に対称
な方向RBに沿って振動が生じる。このため、軸線44
まわりの角速度Ωが零であれば、圧電素子41,42で
検出される振動は等しく、このため、差動増幅回路47
の出力信号は零になる。
【0027】一方、角速度Ωが零でないとき、すなわ
ち、車両が旋回しているときには、振動体40には振動
方向RBに垂直な方向にコリオリの力Fcが働く。この
コリオリの力Fcのために、圧電素子41,42の出力
には変動が生じることになる。たとえば、図4に示すよ
うに、コリオリの力Fcが圧電素子42に対して振動体
40の外部から内部に向かう方向に作用するときには、
このコリオリの力Fcは圧電素子41に対しては振動体
40の内部から外部に向かう方向に作用する。このた
め、圧電素子42の出力信号の振幅は減少し、圧電素子
41の出力信号の振幅は増加する。すなわち、図1にお
いて参照符号S1,S2で示す波形の信号が圧電素子4
1,42からそれぞれ出力される。なお、破線は角速度
Ωが零のときの出力波形を示す。
【0028】このようにして、軸線44まわりに零でな
い角速度Ωが生じると、圧電素子41,42にはその角
速度Ωに応じた出力差が生じることになる。コリオリの
力Fcは角速度に比例するから、結局、差動増幅回路4
7の出力は角速度に相当することになる。この差動増幅
回路42の出力信号波形を参照符号S3で示す。また、
同期検波回路48で半波整流された信号波形を参照符号
S4で示す。この信号を直流信号に変換することによ
り、参照符号S5で示す直流電圧が得られる。
【0029】圧電素子41a,42bの出力の変動は、
振動体40の各側面に垂直な方向に作用する力に対応す
る。すなわち、図4に示されているように、圧電素子4
2の出力の変化はコリオリの力Fcの分力F2 に対応
し、圧電素子41の出力の変化はコリオリの力Fcの分
力F1 に対応する。圧電素子41,42に垂直に作用す
る力を、振動体40の内部から外部に向かう方向を正に
とって表すと下記第(5) 式および第(6) 式のとおりとな
る。
【0030】
【数3】 F1 =F ・・・・ (5) F2 =−F ・・・・ (6) ただし、 F=|F1 |=|F2 | である。したがっ
て、差動増幅回路47の出力信号は、下記第(7) 式の値
2Fに相当する。
【0031】
【数4】 F1 −F2 =2F ・・・・ (7) すなわち、角速度Ωが零なら、コリオリの力Fcも零で
あるから、
【0032】
【数5】 F1 −F2 =2×0=0 ・・・・ (8) となる。角速度Ωが零でなければ、コリオリの力Fcに
対応する力Fが2倍に増幅されて検出される。ところ
で、圧電素子41,42の出力信号には、上記の力
1 ,F2 の成分以外にも、オフセット成分Δ1 ,Δ2
が含まれている。圧電素子43についても同様であり、
その出力信号にはオフセット成分Δ3 が含まれている。
【0033】このため、圧電素子41,42,43の各
出力OUT1,OUT2,OUT3は、それぞれ、下記
第(9) 式、第(10)式および第(11)式に示す値に相当す
る。
【0034】
【数6】 OUT1=F1 +Δ1 ・・・・ (9) OUT2=F2 +Δ2 ・・・・ (10) OUT3=F3 +Δ3 ・・・・ (11) したがって、圧電素子41,42の出力の差に相当する
直流増幅回路19の出力電圧は、下記第(12)式の値に相
当することになる。
【0035】
【数7】 OUT1−OUT2=F1 −F2 +(Δ2 −Δ1 ) =2F+(Δ2 −Δ1 ) ・・・・ (12) この(Δ2 −Δ1 )の成分を補正する処理がオフセット
補正処理であり、この処理は、ロケータ装置30(図2
参照。)で行われている。
【0036】車両が静止しているときには、角速度Ωは
零であるから、
【0037】
【数8】 OUT1−OUT2=2×0+(Δ2 −Δ1 ) =Δ2 −Δ1 ・・・・ (13) となる。このため、ロケータ装置30では、車両が静止
している期間において振動ジャイロ装置31からA/D
変換器37を介して与えられるデータに基づいてオフセ
ット値(Δ2 −Δ1 )を得ることができる。
【0038】このオフセット値(Δ2 −Δ1 )は、温度
や湿度の変化などに伴って変化するから、ロケータ装置
30では、できるだけ短時間間隔でオフセット値(Δ2
−Δ 1 )を求める必要がある。車両が信号などで頻繁に
停止するうちは、車速センサ32の出力信号に基づいて
車両の停止が検知されるたびごとに、オフセット値(Δ
2 −Δ1 )を逐次求めて更新しておけばよい。しかし、
高速道路や山間道路を走行中には、車両が長時間にわた
って停止しないから、オフセット値(Δ2 −Δ1 )にド
リフトが生じると、ロケータ装置30での位置算出処理
に支障を来す。そこで、車両が走行している期間におい
ても、オフセット値(Δ2 −Δ1 )を求めることが必要
となる。
【0039】図5は、車両が停止しているか走行してい
るかにかかわりなくオフセット値(Δ2 −Δ1 )を求め
るためにロケータ装置30で行われる処理を示すフロー
チャートである。ステップn1では、切換制御部60
は、切換器65を制御して、反転回路66のからの信号
を差動増幅回路47に入力させる(図1に破線で示す状
態)。これにより、差動増幅回路47の出力信号は、ラ
イン61,62に導出された信号の和分に相当すること
になる。すなわち、反転回路66および差動増幅回路4
7などにより和分検出手段が構成されている。
【0040】次に、ステップn2では、切換制御部60
は、切換器51,52,53を制御して、圧電素子4
1,42をライン61,62に接続してこれらの圧電素
子41,42により、振動体40を励振させる。また、
圧電素子43を発振回路45に接続して、この圧電素子
43の出力を振動の安定のために帰還させる。この場合
に、振動体40には、一対の圧電素子41,42の対称
面に沿うとともに、軸線44と交差する方向の振動が生
じる。
【0041】このときの振動ジャイロ31の出力はロケ
ータ装置30に読み込まれる。切換器51,52,52
および65が上記の状態であるから、振動ジャイロ30
の出力は、圧電素子41,42の出力OUT1,OUT
2を加算した下記第(14)式の値に相当する。
【0042】
【数9】 OUT1+OUT2=(F1 +Δ1 )+(F2 +Δ2 ) =(F+Δ1 )+(−F+Δ2 ) =Δ1 +Δ2 ・・・・ (14) すなわち、圧電素子41,42の出力信号中に含まれる
オフセット成分Δ1 ,Δ2 の和が得られる(ステップn
3)。
【0043】次のステップn4では、ロケータ装置30
は、切換制御部60に制御信号を与え、切換器51,5
2,53を制御し、圧電素子41,43をライン61,
62に接続させ、圧電素子42を発振回路45に接続さ
せる。このとき、振動体40には、圧電素子41,43
の対称面に沿うとともに、軸線44と交差する方向の振
動が生じる。
【0044】このときの振動ジャイロ31の出力はロケ
ータ装置30に読み込まれる。この場合、振動ジャイロ
30の出力信号は、圧電素子41,43の出力OUT
1,OUT3を加算した下記第(15)式の値に相当する。
【0045】
【数10】 OUT1+OUT3=(F1 +Δ1 )+(F3 +Δ3 ) =(−F+Δ1 )+(F+Δ3 ) =Δ1 +Δ3 ・・・・ (15) ただし、F3 は、コリオリの力Fcの圧電素子43に垂
直な方向の分力である。すなわち、圧電素子41,43
により振動体40が励振されるから、振動方向は圧電素
子41,43に対称な方向となり、コリオリの力Fcは
圧電素子42に平行な方向に作用する。このため、図3
および図4において、圧電素子41を圧電素子43に置
き換え、圧電素子42を圧電素子41に置き換え、圧電
素子43を圧電素子42に置き換えて考察することによ
り、上記(15)式の結果が得られる。
【0046】このようにして、圧電素子41,43の各
オフセット成分Δ1 ,Δ3の和が求まる(ステップn
5)。次のステップn6では、切換器51,52,53
の接続態様が切り換えられて、圧電素子42,43がラ
イン61,62に接続される。このとき、振動体40に
は、圧電素子42,43の対称面に沿うとともに、軸線
44と交差する方向の振動が生じる。このとき、振動ジ
ャイロ30の出力は、圧電素子42,43の出力OUT
2,OUT3の和分である下記第(16)式の値に相当す
る。
【0047】
【数11】 OUT2+OUT3=(F2 +Δ2 )+(F3 +Δ3 ) =(F+Δ2 )+(−F+Δ3 ) =Δ2 +Δ3 ・・・・ (16) このようにして、圧電素子42,43の各オフセットΔ
2 ,Δ3 の和が求まる(ステップn7)。
【0048】ステップn8では、上記のようにして一対
の圧電素子の各組について求められたオフセット成分の
和(Δ1 +Δ2 ),(Δ2 +Δ3 )および(Δ3
Δ1 )に基づき、Δ1 ,Δ2 が演算され、さらに、オフ
セット値(Δ2 −Δ1 )が算出される。この算出された
オフセット値(Δ2 −Δ1 )が新たなオフセット値とし
てロケータ装置30内の図外のメモリに記憶される。
【0049】そして、ステップn9では、切換器65が
個別端子65a側に切り換えられ、これによりオフセッ
ト値算出処理を終了する。図6は、ロケータ装置30に
おける角速度演算処理を説明するためのフローチャート
である。ステップm1では、切換器51,52,53お
よび切換器65を図1の状態に接続させる。
【0050】ステップm2では、振動ジャイロ30の出
力をA/D変換器37を介して取得する。これにより、
圧電素子41,42の出力OUT1,OUT2の差分に
相当する上記(12)式の値が得られる。ステップm3で
は、図外のメモリに記憶されているオフセット値(Δ2
−Δ1)に基づいて、オフセット補正が行われる。すな
わち、上記第(12)式の値からオフセット値(Δ2
Δ1 )が減じられ、下記第(17)式に従って、コリオリの
力Fcのみに起因する成分2Fが抽出される。
【0051】
【数12】 2F=(OUT1−OUT2)−(Δ2 −Δ1 ) ・・・・ (17) 次に、ステップm4では、得られた成分2Fに基づいて
角速度が演算される。以上のように本実施例では、圧電
素子41,42,43から一対の圧電素子の組が順次切
り換えて選択され、各圧電素子の和分が検出される。こ
の検出結果は、一対の圧電素子がそれぞれ有するオフセ
ット成分の和に相当し、これに基づいて、オフセット値
(Δ2 −Δ1 )が求められる。
【0052】すなわち、本実施例では、振動体40に回
転が生じているか否かにかかわらずに、オフセット値
(Δ2 −Δ1 )を得ることができる。このことは、車両
が走行中であるか停止中であるかによらずにオフセット
値を求めることができることを意味する。このようにし
て、たとえば高速道路や山間道路を走行している場合の
ように、長時間にわたって車両が停止しない場合であっ
ても、オフセット値を短時間間隔で更新して、正確な角
速度を検出することができる。
【0053】この結果、車両の旋回角を常に正確に検出
できるようになるから、ロケータ装置30において車両
の正確な位置が算出されるようになる。これにより、ナ
ビゲーションシステムによる運転者の支援を良好に行え
る。本発明の実施例の説明は以上のとおりであるが、本
発明は上記の実施例に限定されるものではない。たとえ
ば、上記の実施例では、三角柱状の振動体40の各側面
に圧電素子41,42,43を設けた構成の振動ジャイ
ロ装置31を例にとって説明したが、四角柱状や五角柱
状のように断面が任意の多角形であるような柱状振動体
が用いられてもよい。この場合に、振動体の全ての側面
に圧電素子を設ける必要はなく、少なくとも3つの側面
に圧電素子を設ければ足りる。
【0054】また、上記の実施例では、一対の圧電素子
により振動体に振動を生じさせるとともに、この一対の
圧電素子を角速度検出用としても兼用しているが、振動
体の励振は1個の圧電素子により行われてもよい。すな
わち、たとえば、一対の圧電素子41,42を検出用圧
電素子とするとともに、位相補正回路46の出力信号を
圧電素子43に与えて、この圧電素子43により振動体
40を励振してもよい。この場合には、圧電素子41,
42の出力信号が、発振回路45に帰還されることにな
る。
【0055】さらに、上記の実施例では、ナビゲーショ
ンシステムに適用された例について説明したが、本発明
の振動ジャイロ装置は、物体の角速度を検出する必要が
ある任意の構成に対して広く適用することができる。そ
の他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更
を施すことが可能である。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明の振動ジャイロ装置
によれば、振動体の軸線まわりの角速度が零でなくて
も、検出用圧電素子のオフセット成分を求めることがで
きる。すなわち、オフセットの算出を外的条件の影響を
受けることなく行える。これにより、オフセットを算出
を確実に短時間間隔で行うことが可能となり、常時、高
精度で角速度を検出できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の振動ジャイロ装置の電気的
構成を示すブロック図である。
【図2】上記振動ジャイロ装置を適用したナビゲーショ
ンシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】振動ジャイロによる角速度検出原理を説明する
ための図である。
【図4】圧電素子に働く力を説明するための図である。
【図5】オフセット値を算出するための処理を説明する
ためのフローチャートである。
【図6】角速度演算処理を説明するための図である。
【符号の説明】
30 ロケータ装置 31 振動ジャイロ装置 40 振動体 41,42,43 圧電素子 45 発振回路 46 位相補正回路 47 差動増幅回路 48 同期検波回路 49 直流増幅回路 51,52,53 切換器 60 切換制御部 65 切換器 66 反転回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】断面が多角形の柱状振動体の少なくとも3
    つの側面に圧電素子を設け、いずれかの圧電素子で振動
    体を振動させるとともに、振動方向に対して対称に配置
    された一対の検出用圧電素子の出力の差分を差分検出手
    段で検出することにより上記振動体の軸線まわりの角速
    度を検出する振動ジャイロ装置において、 上記一対の検出用圧電素子を含む複数の圧電素子のなか
    から一対の圧電素子の組を順次切り換えて選択する選択
    手段と、 この選択手段で選択された一対の圧電素子の対称面に沿
    うとともに上記軸線と交差する方向の振動を上記振動体
    に生じさせる励振手段と、 上記選択手段により選択された一対の圧電素子の出力の
    和分を検出する和分検出手段と、 上記選択手段で順次選択された各組の圧電素子に対応す
    る上記和分検出手段での検出結果に基づいて、上記一対
    の検出用圧電素子の各出力信号中に含まれるオフセット
    成分を求めるオフセット演算手段と、 上記差分検出手段の出力を、上記オフセット演算手段で
    求められたオフセット成分に基づいて補正する出力補正
    手段とを含むことを特徴とする振動ジャイロ装置。
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