JPH06122675A - サッカリン誘導体タンパク質分解酵素阻害剤 - Google Patents

サッカリン誘導体タンパク質分解酵素阻害剤

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JPH06122675A
JPH06122675A JP4305222A JP30522292A JPH06122675A JP H06122675 A JPH06122675 A JP H06122675A JP 4305222 A JP4305222 A JP 4305222A JP 30522292 A JP30522292 A JP 30522292A JP H06122675 A JPH06122675 A JP H06122675A
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Ranjit C Desai
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Lee H Latimer
ハミルトン ラティマー リー
Chakrapani Subramanyam
スブラマンヤム チャクラパニ
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    • C07D275/04Heterocyclic compounds containing 1,2-thiazole or hydrogenated 1,2-thiazole rings condensed with carbocyclic rings or ring systems
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 タンパク質分解酵素の酵素活性を阻害するサ
ッカリン誘導体類、それらの製造方法、変性疾患の治療
におけるそれらの使用方法及びそれらの薬用組成物を提
供する。 【構成】 下記式I 〔Lは、N,OもしくはSOn (式中nは0,1もしく
は2である)であり、L−R1 は、脱離基であり、H−
L−R1 はそれらの共役酸であり、LがNである場合に
は、H−L−R1 は6以下の pKa値を有し、LがOであ
る場合には、H−L−R1 は8以下の pKa値を有し、L
がSOn である場合には、H−L−R1 は5以下の pKa
値を有し、R2 は、アルキル、アルキルアミノ、アルキ
ルメチルアミノ、ジエチルアミノ又はアルコキシであ
り、R3 は、5−、6−及び7−位のいずれかもしくは
すべての1〜3個の各種置換基である〕で示される化合
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンパク質分解酵素の
酵素活性を阻害するサッカリン誘導体類、それらの製造
方法、変性疾患の治療におけるそれらの使用方法及びそ
れらの薬用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】タンパク質分解酵素の阻害剤類は、タン
パク質分解が実質的な要因である変性疾患、例えば、気
腫、リウマチ様関節炎及び膵炎の治療に有用である。セ
リンプロテアーゼ類が、タンパク質分解酵素の最も広範
に分類されたクラスである。或るセリンプロテアーゼ類
は、それらの基質特異性に基づいてキモトリプシン様も
しくはエラスターゼ様として特徴づけられる。通常、キ
モトリプシン及びキモトリプシン様酵素は、カルボニル
側のアミノ酸が典型的にTrp,Tyr,Phe,Me
t,Leu又は芳香族もしくは巨大アルキル側鎖を含有
する別のアミノ酸である側で、タンパク質におけるペプ
チド結合を開裂する。通常エラスターゼ及びエラスター
ゼ様酵素は、結合のカルボニル側のアミノ酸残基が典型
的にAla,Val,Ser,Leu又は別の小さなア
ミノ酸である側で、ペプチド結合を開裂する。キモトリ
プシン様及びエラスターゼ様の両酵素が、高等生物中の
白血球、肥満細胞及び膵液に見い出され、そして多種多
様な細菌、酵母及び寄生体により分泌される。
【0003】1980年3月25日に発行されたMul
vey他、米国特許第4,195,023号明細書は、
4,5,6もしくは7−R1 −2−R2 CO−1,2−
ベンゾイソチアゾリノン−1,1−ジオキシド(4,
5,6もしくは7−R1 −2−R2 CO−サッカリン)
(式中、R1 は、ハロゲン、アルコキシ、アルキルアミ
ノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アミ
ノ、ニトロもしくは特に水素であり、そしてR2 は水
素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキ
ル、ハロフェニル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテ
ロアリールである)、例えば2−(2−フロイル)サッ
カリン並びにそれらの薬用組成物を用いたエラスターゼ
阻害方法及び気腫治療方法を記載する。
【0004】1981年4月21日に発行されたChe
n、米国特許第4,263,393号明細書は、例え
ば、「拡散性色素もしくは写真試薬を放出する前に少な
くとも1つの電子を受容せねばならない固定された化合
物に電子を提供するための写真要素、フィルム単位及び
処理方法に有用である」ような化合物12、2−〔(p
−フルオロベンゾイル)メチル〕サッカリンを包含する
アロイル及びサッカリン核で置換された又は未置換の2
−アロイルメチルサッカリン類を記載する。
【0005】1981年6月30日に発行されたJon
es他、米国特許第4,276,298号明細書は、
「プロテアーゼ類、特にエラスターゼを阻害する方法並
びに気腫、リウマチ様関節炎及び別の炎症性疾患の治療
方法に有用な」2−R−1,2−ベンゾイソチアゾリノ
ン−1,1−ジオキシド類(2−R−サッカリン)(式
中、Rは、1〜5個のフルオロ、Rがフェニルである場
合にモノニトロを除くニトロ、トリフルオロメチル、シ
アノ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、カ
ルボキシル、カルバモイル、アルキルアシルアミノ、ア
ルキルスルホニル、N,N−ジアルキルスルファミル、
トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、トリ
フルオロメチルスルホニル及びトリフルオロメチルスル
フィニルで置換されたフェニル又はピリジルである)を
記載する。
【0006】1982年9月21日に発行されたRec
zek他、米国特許第4,350,752号明細書は、
例えば、「写真要素、フィルム単位及び処理方法に有用
なブロックト写真試薬」として化合物28、2−〔(1
−フェニルテトラゾール−5−イル)チオメチル〕サッ
カリンを包含するヘテロサイクリル及びサッカリン核で
置換された又は未置換の2−(ヘテロサイクリルメチ
ル)サッカリン類を記載する。
【0007】
【発明の要約】1990年11月15日に発行されたD
unlap他、PCT出願WO90/13549は、次
式で示されるタンパク質分解酵素阻害剤として有用なサ
ッカリン誘導体類を記載する。
【0008】
【化2】
【0009】上式中、Lは、−O−、−S−、−SO−
もしくは−SO2 −であり、m及びnは、各々独立して
0もしくは1であり、R1 はハロゲン、低級アルカノイ
ル、1−オキソフェナレニル、フェニル(又はハロゲ
ン、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、アミノ、
低級アルキルアミノもしくはジ低級アルキルアミノで置
換されたフェニル)もしくは1H−(5−テトラゾリ
ル)、5−オキソ−1−テトラゾリル、5−チオキソ−
1−テトラゾリル(本明細書で後に定義されるR2 が、
フェニルチオ以外のものである場合)、ピリミジニル、
2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−
フタルイミジル、2−(1,3,4−チアジアゾリ
ル)、5−〔1,2,4−チアジアゾリル)、5−チオ
キソ−3−(1,2,4−チアジアゾリル)、4−(5
−オキソ−1,3,4−チアジアゾリル)、4−(5−
チオキソ−1,3,4チアジアゾリル)、3−(1,
2,4−トリアゾリル)、4−(1,2,4−トリアゾ
リル)、(1,2,3−トリアゾリル)、2−イミダゾ
リルもしくは3−(1,2,4−トリアゾロ〔4,3−
a〕−ピリジニル)より選ばれるヘテロサイクリル、又
はいずれか利用可能な窒素原子において、低級アルキ
ル、ヒドロキシ低級アルキル、シクロアルキル、2−、
3−もしくは4−ピリジニル、カルボキシ低級アルキ
ル、低級アルコキシカルボニル低級アルキル、アミノカ
ルボニル低級アルキル、低級アルキルアミノカルボニル
低級アルキル、ジ低級アルキルアミノカルボニル低級ア
ルキル、アミノ低級アルキル、低級アルキルアミノ低級
アルキル、ジ低級アルキルアミノ低級アルキル、4−モ
ルホリニル低級アルキル、1−ピペリジニル低級アルキ
ル、1−ピロリジニル低級アルキルもしくはフェニル
(又はアミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルア
ミノ、低級アルカナミド、N−低級アルキル低級アルカ
ナミド、カルボキシ低級アルカナミド、カルボキシ、カ
ルボ低級アルコキシ、低級アルコキシもしくはハロゲン
で置換されたフェニル)で置換されたこのようなヘテロ
サイクリル基、あるいはいずれか利用可能な炭素原子に
おいてニトロ、低級アルキル、アミノ、低級アルキルア
ミノ、ジ低級アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、
メルカプト、低級アルキルチオ、アミノ低級アルキルチ
オ、低級アルキルアミノ低級アルキルチオ、ジ低級アル
キルアミノ低級アルキルチオ、4−モルホリニル低級ア
ルキルチオ、1−ピペリジニル低級アルキルチオ、1−
ピロリジニル低級アルキルチオ、カルボ低級アルコキシ
もしくはフェニル(又はアミノ、低級アルキルアミノ、
ジ低級アルキルアミノ、低級アルカナミド、N−低級ア
ルキル低級アルカナミド、低級アルキル、低級アルコキ
シもしくはハロゲンで置換されたフェニル)で置換され
たこのようなヘテロサイクリル基であり、R2 は、水
素、カルボ低級アルコキシ、フェニルもしくはフェニル
チオであり、R3 は、水素、ハロゲン、第一級もしくは
第二級低級アルキル、低級アルコキシ、カルボ低級アル
コキシ、フェニル、フルオロ低級アルキル、低級アルケ
ニルもしくはシアノであり、R4 は、水素、又はハロゲ
ン、シアノ、ニトロ、アミノ、低級アルカナミド、フェ
ニル低級アルカナミド、ジフェニル低級アルカナミド、
低級アルキルスルホニルアミノ、ポリフルオロ低級アル
キルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、低級アルキ
ル、ポリハロ低級アルキル、シクロアルキル、ポリハロ
低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、カルボ
キシ、ヒドロキシメチル、ホルミル、アミノメチル、低
級アルキルスルホニル、ポリハロ低級アルキルスルホニ
ル、低級アルキルスルホニルアミノスルホニル及び低級
アルコキシポリ低級アルキレンオキシより選ばれる1〜
2個の置換基であり、上式中、CHR2 −基は、常に、
先に定義されたL部分のヘテロ原子に付加されるかある
いはR1 部分のヘテロ原子に付加され、(i)m及びn
が0でありかつR2 ,R3 及びR4 がすべて水素である
場合には、R1 がハロゲンであることはできず、(ii)
mが0であり、nが1であり、Lが−S−でありかつR
2 ,R3 及びR 4 が各々水素である場合には、R1 が1
−フェニル−1H−(5−テトラゾリル)であることは
できず、(iii)mが0であり、nが1であり、Lが−O
−もしくは−S−でありかつR 2 ,R3 及びR4 がすべ
て水素である場合には、R1 が低級アルカノイルである
ことはできず、(iv)mが0であり、nが1であり、L
が−O−、−S−もしくは−SO−でありかつR2 ,R
3 及びR4 がすべて水素である場合か、又はmが0であ
り、nが1であり、Lが−S−であり、R2 及びR4
水素でありかつR3 がハロゲンである場合か、又はmが
0であり、nが1であり、Lが−SO−もしくは−SO
2 −であり、R2 がカルボ低級アルコキシでありかつR
3 及びR4 が両者とも水素である場合には、R1 はフェ
ニルもしくは置換フェニルであることはできないことを
条件とする。
【0010】
【具体的な態様】物質態様の第一組成物における本発明
は、次式で示される化合物又は化合物が塩基性官能基を
有する場合には薬用条件に合ったそれらの酸付加塩もし
くは化合物が酸性官能基を有する場合には薬用条件に合
ったそれらの塩基付加塩である。
【0011】
【化3】
【0012】上式中、Lは、N,OもしくはSOn (式
中nは0,1もしくは2である)であり、L−R1 は、
脱離基であり、H−L−R1 はそれらの共役酸であり、
そしてLがNである場合には、H−L−R1 は6以下の
pKa値を有し、LがOである場合には、H−L−R1
8以下の pKa値を有し、並びにLがSOn である場合に
は、H−L−R1 は5以下の pKa値を有し、R2 は、炭
素原子数2〜4個の第一級もしくは第二級アルキル、炭
素原子数1〜3個の第一級アルキルアミノ、炭素原子数
2〜4個の第一級アルキルメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ又は炭素原子数1〜3個の第一級アルコキシであり、
そしてR3 は、5−、6−及び7−位のいずれかもしく
はすべての1〜3個の置換基であり、かつ水素、低級ア
ルキル、シクロアルキル、アミノ低級アルキル、低級ア
ルキルアミノ低級アルキル、ジ低級アルキルアミノ低級
アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低
級アルキル、ペルフルオロ低級アルキル、ペルクロロ低
級アルキル、ホルミル、シアノ、カルボキシ、アミノカ
ルボニル、R−オキシカルボニル、B=N(ここでB=
Nは、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルア
ミノ、カルボキシ低級アルキルアミノ、1−ピロリジニ
ル、1−ピペリジニル、1−アゼチジニル、4−モルホ
リニル、1−ピペラジニル、4−低級アルキル−1−ピ
ペラジニル、4−ベンジル−1−ピペラジニルもしくは
1−イミダゾリルである)、1−低級アルキル−2−ピ
ロリル、低級アルキルスルホニルアミノ、ペルフルオロ
低級アルキルスルホニルアミノ、ペルクロロ低級アルキ
ルスルホニルアミノ、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコ
キシ、シクロアルコキシ、B=N−低級アルコキシ、ヒ
ドロキシ低級アルコキシ、ポリヒドロキシ低級アルコキ
シもしくはそれらのアセタール又はケタール、低級アル
コキシ低級アルコキシ、ポリ低級アルコキシ低級アルコ
キシ、ヒドロキシポリ低級アルキレンオキシ、低級アル
コキシポリ低級アルキレンオキシ、B=N−カルボニル
オキシ、カルボキシ低級アルコキシ、R−オキシカルボ
ニル低級アルコキシ、メチレンジオキシ、ジ低級アルキ
ルホスホニルオキシ、R−チオ、R−スルフィニル、R
−スルホニル、ペルフルオロ低級アルキルスルホニル、
ペルクロロ低級アルキルスルホニル、アミノスルホニ
ル、低級アルキルアミノスルホニル、ジ低級アルキルア
ミノスルホニル並びにハロ(ここで、Rは、低級アルキ
ル、フェニル、ベンジルもしくはナフチル又は低級アル
キル、低級アルコキシ及びハロから成る群より選ばれる
1つもしくは2つの置換基を有するフェニルもしくはナ
フチルである)から成る群より選ばれる。
【0013】式Iの化合物類は、タンパク質分解酵素の
酵素活性を阻害し、そして変性疾患の治療に有用であ
る。第一の方法態様における本発明は、次式
【0014】
【化4】
【0015】(上式中、Xはクロロもしくはブロモであ
る)で示される化合物を、塩基の存在下対応する式H−
L′−R1 の化合物又は対応する式H−L′−R1 (式
中、L′がN,OもくしはSである)の化合物の塩基性
塩と縮合せしめて対応する式I(式中、LがN,Oもし
くはSである)の化合物を製造し、次いで1モル当量の
過酸化物もしくは過酸で対応する式I(式中、LがSで
ある)の化合物を酸化して式I(式中、LがSOであ
る)の化合物を製造する工程又は1もしくは2モル当量
の過酸化物もしくは過酸で対応する式I(式中、LがS
OもしくはSである)の化合物を酸化してそれぞれ式I
(式中、LがSO2 である)の化合物を製造する工程を
含んで成る式Iの化合物の製造方法である。
【0016】第二の方法態様では、本発明は、対応する
式X−CH2 −L′−R1 (式中、Xがクロロもしくは
ブロモであり、かつL′がN,OもしくはSである)の
化合物を塩基の存在下対応する次式
【0017】
【化5】
【0018】で示される化合物と又はそれらの塩基性塩
と縮合せしめて対応する式I(式中、LがN,Oもしく
はSである)の化合物を製造し、次いで1モル当量の過
酸化物もしくは過酸で対応する式I(式中、LがSであ
る)の化合物を酸化して式I(式中、LがSOである)
の化合物を製造する工程又は1もしくは2モル当量の過
酸化物もしくは過酸で対応する式I(式中、LがSOも
しくはSである)の化合物を酸化してそれぞれ式I(式
中、LがSO2 である)の化合物を製造する工程を含ん
で成る式Iの化合物の製造方法である。
【0019】第三の方法態様における本発明は、対応す
る次式
【化6】
【0020】で示される化合物を、対応する式Cl−R
1 の酸塩化物又は強酸触媒の存在下対応する式O(R1)
2 の酸無水物と縮合せしめる工程を含んで成る式I(式
中LがOでありそしてR1 がアシルである)の化合物の
製造方法である。
【0021】第四の方法態様における本発明は、対応す
る式IIの化合物をアルカリ金属アジ化物と縮合せしめ、
次いで得られた2−アジドメチル−4−R2 −5,6も
しくは7−R3 −サッカリンを対応する置換もしくは未
置換アセチレンで付加環化せしめる工程を含んで成る式
I(式中、L−R1 が置換もしくは未置換1,2,3−
トリアゾール−1−イルである)の化合物の製造方法で
ある。
【0022】第五の方法態様における本発明は、患者に
タンパク質分解酵素阻害量の式Iの化合物を投与するこ
とを含んで成る変性疾患を有する患者の治療方法であ
る。物質態様の第二の組成物における本発明は、薬用キ
ャリアー中にタンパク質分解酵素阻害濃度の式Iの化合
物を含んで成る変性疾患の治療用薬用組成物である。
【0023】サッカリンは1,2−ベンゾイソチアゾー
ル−(1H)−3−オン−1,1−ジオキシドであり、
従って2−(R1 −L−CH2)−4−R2 −(5,6及
び/又は7)−R3 −1,2−ベンゾイソチアゾール−
(1H)−3−オン−1,1−ジオキシドである式Iの
化合物類は、2−(R1 −L−CH2)−4−R2
(5,6及び/又は7)−R3 −サッカリン類である。
式I〜IVの化合物において「対応する」の語は、或る式
において定義された可変記号が別の式において同様の定
義を有することを意味する。
【0024】LがNである場合、R1 と一緒になったN
はN−ヘテロサイクリルであり、すなわち、Nが複素環
の一部であり、かつそれによって複素環がCH2 に結合
される原子である。好ましくはN−ヘテロサイクリルが
単環式もしくは二環式、置換もしくは未置換、芳香族も
しくはヒドロ芳香族のN−ヘテロサイクリルであり、最
も好ましくは、単環式置換芳香族N−ヘテロサイクリ
ル、例えば、4,5−ジ(t−ブチルスルホニル)−
1,2,3−トリアゾール−1−イルである。LがOで
ある場合、L及びR1 間の結合はエステルもしくはエス
テル様結合又はエーテルもしくはエーテル様結合であ
る。それがエステルもしくはエステル様結合である場合
には、好ましくはR1 がアシル(ここで、アシルは低級
アルカノイルもしくはアミノ酸又はペプチドアシルある
いはシクロアルカンカルボニル又はアルカノイルにおい
てヒドロキシもしくは単環式又は二環式、置換もしくは
未置換、芳香族もしくはヒドロ芳香族C−ヘテロサイク
リルカルボニルで置換された又は未置換の単環式、二環
式もしくは三環式アリール低級アルカノイル、単環式置
換もしくは未置換アリールオキシ−2−低級アルカノイ
ルである)であり、より好ましくは、単環式、二環式も
しくは三環式、置換もしくは未置換アロイルであり、最
も好ましくは、単環式置換もしくは未置換アロイル又は
B′=N−カルボニル(ここでB′=Nは、アミノ、低
級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、アリール低
級アルキルアミノ、ジアリールアミノ、1−ピロリジニ
ル、1−ピペリジニル、1−モルホリニル、1−ピペラ
ジニル、4−低級アルキル−1−ピペラジニルもしくは
1−アゼピニルである)である。それがエステルもしく
はエステル様結合である場合には、また好ましくはR1
が(モノもしくはジ低級アルキル、フェニル又は低級ア
ルコキシフェニル)ホスフィニル又は(モノもしくはジ
低級アルキル、フェニル又はフェニル低級アルキル)ホ
スホノである。それがエーテルもしくはエーテル様結合
である場合、好ましくはR1 が単環式もしくは二環式、
置換もしくは未置換、芳香族もしくはヒドロ芳香族のC
−ヘテロサイクリル又はオキシムの残基であり、より好
ましくは、単環式、二環式もしくは三環式置換アリール
又は単環式もしくは二環式、置換もしくは未置換、芳香
族もしくはヒドロ芳香族3−オキソカルボサイクル−1
−エニル又は3−オキソ−C−ヘテロサイクル−1−エ
ニルである。LがSである場合、L及びR1 間の結合
は、チオエステルもしくはチオエーテル又はチオカルボ
ネート結合であり、そしてH−L−R1 はチオ酸もしく
はチオール又はチオカルボネートであり、そして好まし
くはR1 がシアノもしくは低級アルコキシチオカルボニ
ル又は単環式、二環式もしくは三環式、置換もしくは未
置換のアロイルもしくはアリールであり、好ましくは単
環式もしくは二環式、置換もしくは未置換の芳香族もし
くはヒドロ芳香族C−ヘテロサイクリルであり、最も好
ましくは単環式置換芳香族C−ヘテロサイクリル、例え
ば1−フェニルテトラゾール−5−イルである。C−ヘ
テロサイクリル及びC−ヘテロサイクリルカルボニルに
おいて複素環は、複素環の炭素原子でそれぞれCH2
びカルボニルに結合している。
【0025】低級アルキル、ペルフルオロ低級アルキ
ル、ペルクロロ低級アルキル、低級アルコキシカルボニ
ル、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級
アルコキシ、低級アルキルアミノ低級アルキルの低級ア
ルキルアミノ部分、ジ低級アルキルアミノ低級アルキル
の低級アルキルアミノ部分、低級アルコキシ低級アルキ
ルの低級アルコキシ部分、カルボキシ低級アルキルアミ
ノ、4−低級アルキル−1−ピペラジニル、1−低級ア
ルキル−2−ピロリル、低級アルキルスルホニルアミ
ノ、ペルフルオロ低級アルキルスルホニルアミノ、ペル
クロロ低級アルキルスルホニルアミノ、低級アルコキシ
低級アルコキシの第一低級アルコキシ部分、ポリ低級ア
ルコキシ低級アルコキシの第一低級アルコキシ部分、低
級アルコキシポリ低級アルキレンオキシの低級アルコキ
シ部分、R−オキシカルボニル低級アルコキシ、ペルフ
ルオロ低級アルキルスルホニル、ペルクロロ低級アルキ
ルスルホニル、低級アルキルアミノスルホニル及びジ低
級アルキルアミノスルホニルでは、それらの炭素鎖部分
が1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原
子を有し、かつ有枝鎖又は非有枝鎖である。アミノ低級
アルキル、低級アルキルアミノ低級アルキルの低級アル
キル部分、ジ低級アルキルアミノ低級アルキルの低級ア
ルキル部分、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ
低級アルキルの低級アルキル部分、N=B−低級アルコ
キシの低級アルコキシ部分、ヒドロキシ低級アルコキ
シ、ポリヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低
級アルコキシの第二低級アルコキシ部分、ポリ低級アル
コキシ低級アルコキシの第二低級アルコキシ部分、ヒド
ロキシポリ低級アルキレンオキシのアルキレンオキシ部
分、低級アルコキシポリ低級アルキレンオキシのアルキ
レンオキシ部分及び低級アルカノイルでは、それらの炭
素鎖部分は2〜10個の炭素原子、好ましくは2〜4個
の炭素原子を有し、かつ有枝鎖もしくは非有枝鎖であ
る。好ましくはアルキレンは1,2−アルキレンであ
る。シクロアルキル、シクロアルコキシ及びシクロアル
カノイルは、3〜6個の環炭素原子を有し、そして1つ
以上の低級アルキルで置換できる。ハロは、フルオロ、
クロロ、ブロモもしくはヨードである。単環式アリール
はフェニルである。二環式アリールはナフチルである。
三環式アリールはアントラシルもしくはフェナントリル
である。単環式アロイルはベンゾイルである。二環式ア
ロイルはナフトイルである。三環式アロイルはアントラ
セノイルもしくはフェナントレノイルである。アリール
及びアロイルは、低級アルキル、低級アルコキシもしく
はハロで置換できる。3−オキソカルボサイクル−1−
エニル及び3−オキソ−C−ヘテロサイクル−1−エニ
ルは、4〜10個の環炭素原子を有し、そして1つ以上
の低級アルキルもしくは別の置換基で置換できる。
【0026】好ましくはR2 が、炭素原子数2〜4個の
第一級もしくは第二級アルキルである。好ましくはR3
が、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シクロアルコキシ、
B=N−低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、
ポリヒドロキシ低級アルコキシもしくはそれらのアセタ
ール又はケタール、低級アルコキシ低級アルコキシ、ポ
リ低級アルコキシ低級アルコキシ、低級アルコキシポリ
低級アルコキシ、B=N−カルボニルオキシ、カルボキ
シ低級アルコキシ、R−オキシカルボニル低級アルコキ
シ、メチレンジオキシもしくはジ低級アルキルホスホニ
ルオキシであり、そしてメチレンジオキシを除いて、好
ましくは6位に配置される。メチレンジオキシは、5及
び6もしくは6及び7位に配置できる。
【0027】塩基の存在下、対応する式IIの化合物及び
対応するH−L′−R1 又は対応する式III の化合物及
び対応するX−CH2 −L′−R1 からの式Iの化合物
の製造の実施に際して、塩基は、反応条件下、それ自身
が反応体ではなく、そして好ましくはアルカリ金属炭酸
塩、アルカリ金属アルコキシド、トリ低級アルキルアミ
ン、タリウム低級アルコキシド、1,8−ジアザビシク
ロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン−もしくは7−メ
チル−1,5,7−トリアザビシクロ〔4.4.0〕デ
カ−5−エンである塩基のいずれかでありうる。反応条
件下、塩基は、H−L′−R1 もしくは式III の化合物
の塩基性塩の形状であってもよく、次いでそれはそれぞ
れ式Iの化合物もしくはX−CH2 −L′−R1 と反応
する。また、H−L′−R1 もしくは式III の化合物の
塩基性塩は、別個に製造され次いで式IIの化合物もしく
はX−CH2 −L′−R1 とそれぞれ縮合でき、そして
好ましくはそれらのアルカリ金属、特にセシウムもしく
はタリウム塩である。縮合は、反応条件下で不活性な有
機溶剤もしくは有機溶剤の混合物、例えば、アセトン、
メチルエチルケトン、アセトニトリル、テトラヒドロフ
ラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、N−
メチルピロリドン、ジクロロメタン、キシレン、トルエ
ンもしくは低級アルカノール又はそれらの混合物中、周
囲温度から溶剤もしくは溶剤混合物の沸点までの範囲内
の温度で実施される。
【0028】対応する式IVの化合物及び対応する酸塩化
物Cl−R1 又は対応する酸無水物O(R1)2 からの式
Iの化合物の製造を実施する際には、強酸触媒は、式I
の化合物もしくは式IVの化合物と別な具合に反応しない
いずれかの強酸触媒、例えば、硫酸もしくはp−トルエ
ンスルホン酸である。縮合は、反応条件下で不活性な有
機溶剤もしくはそれらの混合物を用いて又は用いずに、
0〜100℃の温度で実施される。
【0029】LがSOもしくはSO2 である式Iの化合
物は、加熱もしくは冷却しながら又はすることなく、不
活性溶剤中、分子のいずれか別の部分を酸化しないいず
れかの過酸化物もしくは過酸を用いて製造できる。好ま
しい過酸化物もしくは過酸は、m−クロロ過安息香酸で
ある。
【0030】L−R1 が置換もしくは未置換の1,2,
3−トリアゾール−1−イルである式Iの化合物を製造
する際には、好ましくはアルカリ金属アジ化物がアジ化
ナトリウムである。対応する式IIの化合物のアルカリ金
属アジ化物との縮合は、加熱もしくは冷却しながら又は
することなく、好ましくは室温で、不活性溶剤、例え
ば、ベンゼン、トルエンもしくはジメチルホルムアミド
中、クラウンエーテル、例えば18−クラウン−6エー
テルを任意に用いて実施される。好ましくは、得られた
2−アジドメチル−4−R2 −5,6−もしくは7−R
3 −サッカリンの対応する置換もしくは未置換アセチレ
ンとの環化は、加熱しながら、同様の不活性溶剤中で実
施される。
【0031】式II,III 及びIVの化合物並びにH−L−
1 、X−CH2 −L−R1 、Cl−R1 及びO(R1)
2 は、既知であり、又は既知方法もしくは下記方法によ
り製造される。
【0032】式III の化合物は、対応する低級アルキル
2−アミノ−3,4−もしくは5−R3 −6−R4 −ベ
ンゾエートエステルをジアゾ化し、得られた低級アルキ
ル3,4もしくは5−R3 −6−R4 −ベンゾエートエ
ステル2−ジアゾニウム塩を二酸化硫黄及び塩化銅
(I)でクロロスルホニル化し、そして得られた低級ア
ルキル2−クロロスルホニル−3,4もしくは5−R3
−6−R4 −ベンゾエートエステルをアンモニアで環化
することにより製造できる。得られた式III の化合物を
ホルムアルデヒドでヒドロキシメチル化すると、対応す
る式IVの化合物が得られ、例えば、塩化チオニル、臭化
チオニル、三塩化リン又は三臭化リンを用いて、それら
のヒドロキシルを塩化物もしくは臭化物で置換すると、
対応する式IIの化合物が得られる。
【0033】また、式IIの化合物は、対応する式III の
化合物又はそれらの塩基性塩をフェニルクロロメチルス
ルフィドでフェニルチオメチル化し、そして例えば、塩
化スルフリルもしくは臭化スルフリルを用いて、得られ
た2−フェニルチオメチル−4−R2 −5,6もしくは
7−R3 −サッカリンよりフェニルチオを塩化物もしく
は臭化物で置換することにより製造される。
【0034】また、Xがクロロである式IIの化合物は、
塩化スズ(IV)の存在下、ホルムアルデヒド及びクロロ
トリメチルシランでのクロロメチル化により対応する式
IIIの化合物より単一工程で製造される。
【0035】また、式III の化合物は、対応する2−R
2 −3,4もしくは5−R3 −N,N−ジ低級アルキル
ベンズアミドを低級アルキルリチウムでリチウム化し、
得られた2−R2 −3,4もしくは5−R3 −6−リチ
オ−N,N−ジ低級アルキルベンズアミドを、二酸化硫
黄、続いてヒドロキシルアミンO−スルホン酸もしくは
塩化スルフリル続いてアンモニアでアミノスルホニル化
し、そして得られた2−R2 −3,4もしくは5−R3
−6−アミノスルホニル−N,N−ジ低級アルキルベン
ズアミドを還流性酢酸中で環化することにより製造でき
る。
【0036】R2 が炭素原子数2〜4個の第一級もしく
は第二級アルキルである式III の化合物は、対応する4
−メチル−5,6もしくは7−R3 −サッカリンを、不
活性溶剤、例えば、テトラヒドロフラン中2モル当量の
低級アルキルリチウムでリチウム化し、そして得られた
4−リチオメチル−5,6もしくは7−R3 −サッカリ
ンを適当なアルキルハロゲン化物でアルキル化すること
により製造できる。両反応は、−80℃〜−50℃の範
囲内の温度で実施される。R2 が炭素原子数2〜4個の
第一級もしくは第二級アルキルである上記2−R2
3,4もしくは5−R3 −N,N−ジ低級アルキルベン
ズアミドは、対応する2−メチル、エチルもしくはプロ
ピル−3,4もしくは5−R3 −N,N−ジ低級アルキ
ルベンズアミドを用いて出発する同様のリチウム化−ア
ルキル化連続反応により製造できる。
【0037】また、R2 が炭素原子数2〜4個の第一級
もしくは第二級アルキルである式III の化合物は、合成
工程中初期にR2 を導入することにより製造できる。適
当なR2 −カプレートの2−シクロヘキセノンへの共役
付加及び得られた銅エノレートのシアノギ酸メチルでの
メトキシカルボニル化は、対応する2−メトキシカルボ
ニル−3−R2 −シクロヘキサノンを与え、ベンジルチ
オール及び酸性粘土(acidic clay)でのそれのエノール
エーテル化は、対応する6−R2 −2−ベンジルチオ−
1−シクロヘキセンカルボン酸メチルエステル及び6−
2 −2−ベンジルチオ−3−シクロヘキセンカルボン
酸メチルエステルを与え、ジクロロジシアノベンゾキノ
ンでのそれの芳香化は、対応する2−R2 −6−ベンジ
ルチオ安息香酸メチルエステルを与え、水性酢酸中塩素
でのそれの酸化−塩素化−脱ベンジル化は、2−R2
6−クロロスルホニル安息香酸メチルエステルを与え、
アンモニアでのそれの環化は、対応する式III の4−R
2 −サッカリンを与える。
【0038】式III の特定の化合物の製造は、それらの
両方の環を製造することを必要とする。例えば、R2
低級アルコキシでありかつR3 がヒドロキシである式II
I の化合物を製造するために、3,3−チオビスプロピ
オン酸を塩化チオニルでビス酸塩化物に転化し、それを
ベンジルアミンでビスベンジルアミドに転化し、それを
塩化スルフリルで環化すると5−クロロ−2−ベンジル
−2H−イソチアゾール−3−オンが得られ、それを1
モル当量の過酸で酸化すると5−クロロ−2−ベンジル
−2H−イソチアゾール−3−オン−1−オキシドが得
られ、それを加圧下2−低級アルコキシフランと加熱す
ると4−低級アルコキシ−7−ヒドロキシ−2−ベンジ
ル−1,2−ベンゾイソチアゾール−2H−3−オン−
1−オキシドが得られ、それを1モル当量の過酸で酸化
すると対応する4−低級アルコキシ−7−ヒドロキシ−
2−ベンジル−1,2−ベンゾイソチアゾール−2H−
3−オン−1,1−ジオキシドが得られ、それを触媒的
水素化により脱ベンジル化すると対応する式III の4−
低級アルコキシ−7−ヒドロキシサッカリンが得られ
る。このように製造された4−低級アルコキシ−7−ヒ
ドロキシ−2−ベンジル−1,2−ベンゾイソチアゾー
ル−2H−3−オン−1−オキシドの低級アルキルハロ
ゲン化物もしくは適当な置換低級アルキルハロゲン化物
でのアルキル化に続いて同様に酸化及び脱ベンジル化す
ると、R3 が低級アルコキシ、シクロアルキル、B=N
−低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、ポリヒ
ドロキシ低級アルコキシもしくはそれらのアセタール又
はケタール、低級アルコキシ低級アルコキシ、ポリ低級
アルコキシ低級アルコキシ、ヒドロキシポリ低級アルキ
レンオキシ又は低級アルコキシポリ低級アルキレンオキ
シである対応する式III の4−低級アルコキシ−7−R
3 −サッカリンが得られる。
【0039】L−R1 が置換もしくは未置換の1,2,
3−トリアゾール−1−イルである式Iの化合物を対応
する2−アジドメチル−4−R2 −5,6もしくは7−
3−サッカリンより製造する際には、対応する式IIの
化合物のアルカリ金属アジ化物、好ましくはアジ化ナト
リウムでの縮合が、不活性溶剤、例えば、ベンゼンもし
くはトルエン中、0〜150℃の温度で実施される。単
離することなく、得られた2−アジドメチル−4−R2
−5,6もしくは7−R3 −サッカリンを、同様の溶剤
中0〜150℃の温度で対応する置換もしくは未置換ア
セチレンで環化すると式Iの化合物が得られる。
【0040】薬用条件に合った酸付加塩は、いずれかの
薬用条件に合った酸付加塩であることができるが、好ま
しくは一般的なアニオンを有する薬用条件に合った酸付
加塩、例えば塩酸塩である。一般的なアニオンを有する
塩が結晶性ではなく又は不十分な溶解性もしくは吸湿性
であるために受け入れられない場合には、あまり一般的
ではないアニオンを有する塩、例えばメタンスルホン酸
塩が使用できる。哺乳動物での使用に際していかなる場
合においても、酸付加塩は非毒性でなければならず、か
つ式Iの化合物の遊離塩基型のエラスターゼ阻害効果を
妨害してはならない。
【0041】薬用条件に合った塩基付加塩は、いずれか
の薬用条件に合った塩基付加塩であることができるが、
好ましくは一般的なカチオンを有する薬用条件に合った
塩基付加塩、例えばナトリウムもしくはカリウム塩であ
る。一般的なカチオンを有する塩が結晶性ではなく又は
不十分な溶解性もしくは吸湿性であるために受け入れら
れない場合には、あまり一般的ではないカチオンを有す
る塩、例えばジエチルアンモニウム塩が使用できる。哺
乳動物での使用に際していかなる場合においても、塩基
付加塩は非毒性でなければならず、かつ式Iの化合物の
遊離塩基型のエラスターゼ阻害効果を妨害してはならな
い。
【0042】式H−L−R1 の化合物の pKa値は既知で
あり、又はいずれかの数種の既知方法、例えば、Adrien
Albert 及びE.P.Serjeant〔イオン化定数の測定(The
Determination of Ionization Constants)、A Laborato
ry Manual 、第三版、Chapman and Hall, London及びNe
w York,1984 〕に記載された、水溶液の滴定(第2及び
3章)もしくは水溶液の紫外線分光測光法(第4章)に
より測定でき、又は近縁化合物の既知もしくは従って測
定済 pKa値より推測できる。化学及び物理学のCRCハ
ンドブック(CRC Handbook of Chemistry and Physics)
(第72版、CRC Press,Inc.,Boca Raton-Ann Arbor-Bo
ston,1991,8〜39ページ及び8〜40)は、数百種の
有機酸の解離定数及びpK(pKa)値を記載する。G.Kortue
m,W.Vogel 及びK.Andrussow 〔水性溶液での有機酸の解
離定数(DISSOCIATION CONSTANTSOF ORGANIC ACIDS IN
AQUEOUS SOLUTIONS) 、Butterworths,London,1961〕
は、1,056種の有機酸の解離定数を記載する。
【0043】製造方法及び下記具体例における生成物の
構造は、出発物質の既知構造より推定され、そして製造
反応経路が予想される。出発物質及び生成物の精製又は
純度及び構造確認は、融解温度範囲、旋光性、元素分
析、赤外分光法、紫外分光法、質量分光法、核磁気共鳴
分光法、ガスクロマトグラフィー、カラムクロマトグラ
フィー、高速流体クロマトグラフィー、中速流体クロマ
トグラフィー及び/又は薄層クロマトグラフィーにより
実施又は測定した。
【0044】
【実施例】2−クロロメチル−4−イソプロピル−6−メトキシサ
ッカリンの製造 無水エーテル4L中N,N,N′,N′−テトラメチル
エチレンジアミン(1.99モル)300mLの溶液に、
sec-BuLi(1.3モル(M))1550mLを添加し、そ
して混合物を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却した。無
水エーテル300mL中2−イソプロピル−4−メトキシ
−N,N−ジエチルベンズアミド(1.82モル)45
4.2gの溶液を、30分間に亘って滴下した。添加
中、温度を60℃以下に維持させた。添加後、混合物を
−70℃で1時間攪拌し、−50℃まで加温し、−50
℃で30分間維持し、次いで−70℃まで再び冷却し
た。カニューレ挿入管により、あらかじめ−40℃に冷
却した乾燥エーテル200mL中SO2 200gの溶液
を、正の窒素圧下、20分間に亘って添加した。添加中
反応混合物の温度を−40℃より下に維持した。スルフ
ィン酸アリールリチウムの白色粉末状沈殿をほぼ直後に
分離した。添加後、冷却浴を取り除き、そして混合物を
周囲温度で2時間攪拌し、次いで−5℃まで冷却した。
攪拌を続けながら、塩化スルフリル190mL(2.36
モル)を15分間に亘って滴下し、同時に温度を10℃
より下に維持した。更に30分間0〜5℃で攪拌後、白
色不溶性沈殿を濾取し、そして無水エーテル2Lで洗浄
した。大気圧で溶剤を除去して得られた塩化スルホニル
(粗暗色油状物)をTHF1.4Lに溶解した。溶液を
−10℃まで冷却し、そして濃縮水性アンモニア(28
%)540mLを15分間に亘って少しずつ添加した。添
加中温度を15℃以下に維持した。15分間周囲温度で
攪拌後、THF及び過剰のアンモニアを減圧下除去した
ところ、暗色油状物が得られ、それを水6.0Lで希釈
し、そして3N HClでpH1まで酸性化した。得られ
た明黄色固体を濾取し、水800mLで洗浄し、減圧下6
0℃で18時間乾燥し、そして酢酸エチル800mL及び
ヘキサン3Lの混合物より再結晶化したところ、2−ア
ミノスルホニル−6−イソプロピル−4−メトキシ−
N,N−ジエチルベンズアミド429g(72%)、m.
r.122〜125℃が得られた。
【0045】酢酸1.5L中ジエチルベンズアミド
(1.31モル)429.6gの溶液を20時間還流
し、次いで室温まで冷却した。溶剤を減圧下除去した。
油状残渣を水6Lに溶解し、そして6N HClでpHを
1に調整した。粗生成物を濾取し、水2Lで洗浄し、減
圧下60℃で18時間乾燥し、そして酢酸エチル/ヘキ
サンより再結晶化したところ、4−イソプロピル−6−
メトキシサッカリン303g(91%)、m.p.188°
が得られた。
【0046】1,2−ジクロロエタン200mL中、パラ
ホルムアルデヒド24g(0.8モル)及びクロロトリ
メチルシラン86.4g(1.6モル)の懸濁液に、無
水塩化スズ(IV)0.8mLを添加し、そして得られた溶
液を蒸気浴上で1時間攪拌した。4−イソプロピル−6
−メトキシサッカリン(51.4g、0.2モル)を透
明な溶液に添加し、そして混合物を18時間還流し、室
温まで冷却し、そして水へ注ぎ入れた。有機層を分離
し、2N水酸化ナトリウム溶液50mLで洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、そして減圧下濃縮した。酢酸
エチル/ヘキサンからの再結晶化により残渣を精製した
ところ、2−クロロメチル−4−イソプロピル−6−メ
トキシサッカリン57g(87%)、m.p.151°が得
られた。
【0047】例1 2−〔4,5−ジ(t−ブチルスルホニル)−1,2,
3−トリアゾール−1−イル〕メチル−4−イソプロピ
ル−6−メトキシサッカリン 18−クラウン−6エーテル(0.60g)及びベンゼ
ン(60mL)の溶液を水分離器を用いて1時間加熱還流
し、次いで室温まで冷却し、次いで2−クロロメチル−
4−イソプロピル−6−メトキシサッカリン(3.03
g)及びアジ化ナトリウム(0.65g)を添加し、そ
して混合物を1週間室温で攪拌し、次いで溶離剤として
ベンゼンを用いてシリカゲル(シリカゲル60,83
g)のカラムでのクロマトグラフィーにかけた。薄層ク
ロマトグラフィーにより同定された生成物を含有する画
分を合わせて濃縮したところ、ベンゼン溶液(250m
L)として2−アジドメチル−4−イソプロピル−6−
メトキシサッカリンが得られた。
【0048】ジ(t−ブチルスルホニル)アセチレン
(1.50g)を、上記ベンゼン中2−アジドメチル−
4−イソプロピル−6−メトキシサッカリンの溶液の一
部分(75mL)に添加した。得られた溶液を65時間加
熱還流し、次いで溶離剤として初めにベンゼンを、次い
でクロロヘキサン−酢酸エチル(90:10、次いで8
5:15、次いで75:25)を用いてシリカゲル(ケ
ーゼルゲル(Kieselgel)60,68g)でのクロマトグ
ラフィーにかけた。薄層クロマトグラフィーにより同定
された生成物を含有する画分を合わせ、そしてベンゼン
−シクロヘキサンより再結晶化した。得られた生成物
(1.5g、m.r.204〜205℃、両工程についての
収率26%)の一部分(0.5g)を酢酸エチルから2
回再結晶化したところ、淡黄色の細長い角柱として2−
〔4,5−ジ(t−ブチルスルホニル)−1,2,3−
トリアゾール−1−イル〕メチル−4−イソプロピル−
6−メトキシサッカリンが得られた(0.15g、m.r.
207.5〜209℃)。
【0049】水溶液滴定により、1,2,3−トリアゾ
ール−4,5−ジニトリル及び1,2,3−トリアゾー
ル−4,5−ジカルボン酸ジメチルエステルの pKa値を
測定したところ、それぞれ1.6及び4.4であった。
水溶液での紫外線分光測定法により、1,2,3−トリ
アゾール−4,5−ジカルボキサミドの pKa値を測定し
たところ、5.3であった。これらの pKa値との比較に
より、4,5−ジ(t−ブチルスルホニル)−1,2,
3−トリアゾールの pKa値を算出したところ、約2以下
であった。
【0050】例2 2−{2,6−ジクロロ−3−〔2−(4−モルホリニ
ルエトキシ)〕ベンゾイルオキシメチル}−4−イソプ
ロピル−6−メトキシサッカリン ジメチルホルムアミド(50mL)中2−クロロメチル−
4−イソプロピル−6−メトキシサッカリン(3.12
g)、2,6−ジクロロ−3−〔2−(4−モルホリニ
ルエトキシ)〕安息香酸(3.0g)、炭酸カリウム
(1.93g)及びテトラブチルアンモニウムブロミド
(0.75g)の混合物を75℃で1.5時間加熱し、
室温まで冷却し、そして水(400mL)へ注ぎ入れた。
得られた沈殿を濾取し、水(200mL)及びヘキサン
(200mL)で洗浄し、そして乾燥したところ、2−
{2,6−ジクロロ−3−〔2−(4−モルホリニルエ
トキシ)〕ベンゾイルオキシメチル}−4−イソプロピ
ル−6−メトキシサッカリン(6.1g、理論値5.5
0g)が得られた。
【0051】同様に、室温でN−メチルピロリドン中2
−クロロメチル−4−イソプロピル−6−メトキシサッ
カリン及び2,6−ジクロロ−3−〔2−(4−モルホ
リニルエトキシ)〕安息香酸を炭酸カリウムで縮合し、
生成物をエタノールより再結晶化したところ、収率69
%で2−{2,6−ジクロロ−3−〔2−(4−モルホ
リニルエトキシ)〕ベンゾイルオキシメチル}−4−イ
ソプロピル−6−メトキシサッカリン(m.p.146℃)
が得られた。
【0052】飽和エーテル含有塩化水素を、エーテル−
ジクロロメタン(9:1、100mL)中2−{2,6−
ジクロロ−3−〔2−(4−モルホリニルエトキシ)〕
ベンゾイルオキシメチル}−4−イソプロピル−6−メ
トキシサッカリン(上記それらの製造の第一番目より
4.6g)の溶液に添加した。得られた沈殿を濾取し、
エーテル及びシクロヘキサンで洗浄し、そして乾燥した
ところ、2−{2,6−ジクロロ−3−〔2−(4−モ
ルホリニルエトキシ)〕ベンゾイルオキシメチル}−4
−イソプロピル−6−メトキシサッカリン塩酸塩(3.
9g、両工程についての収率89%)が得られた。既知
置換安息香酸の既知 pKa値との比較により、2,6−ジ
クロロ−3−〔2−(4−モルホリニルエトキシ)〕安
息香酸の pKa値を算出したところ、約2〜約3であっ
た。
【0053】例3 2−(1−フェニルテトラゾール−5−イル)チオメチ
ル−4−イソプロピル−6−メトキシサッカリン ジメチルホルムアミド(10mL)中、2−クロロメチル
−4−イソプロピル−6−メトキシサッカリン(0.2
5g)及び1−フェニルテトラゾール−5−チオールナ
トリウム塩(0.173g)の混合物を、60〜80℃
で8時間加熱し、次いで飽和水性重炭酸ナトリウムを含
有する氷水中へ注ぎ入れた。得られた混合物をエーテル
で抽出した。エーテル抽出物を水及び飽和水性塩化ナト
リウムで洗浄し、シリカゲルを通過させ、そしてエーテ
ルを除去したところ、泡状物として2−(1−フェニル
テトラゾール−5−イル)チオメチル−4−イソプロピ
ル−6−メトキシサッカリン(0.3g、収率83%)
が得られた。水溶液での紫外線分光測定法により、1−
フェニルテトラゾール−5−チオールの pKa値を測定し
たところ、2.9であった。
【0054】例4 2−(1−フェニルテトラゾール−5−イル)スルフィ
ニルメチル−4−イソプロピル−6−メトキシサッカリ
不活性溶剤中、2−(1−フェニルテトラゾール−5−
イル)チオメチル−4−イソプロピル−6−メトキシサ
ッカリンを1モル当量のm−過安息香酸で酸化すると、
2−(1−フェニルテトラゾール−5−イル)スルフィ
ニルメチル−4−イソプロピル−6−メトキシサッカリ
が得られた。
【0055】例5 2−(1−フェニルテトラゾール−5−イル)スルホニ
ルメチル−4−イソプロピル−6−メトキシサッカリン 不活性溶剤中、2−(1−フェニルテトラゾール−5−
イル)スルフィニルメチル−4−イソプロピル−6−メ
トキシサッカリンを、1モル当量のm−過安息香酸で酸
化すると、2−(1−フェニルテトラゾール−5−イ
ル)スルホニルメチル−4−イソプロピル−6−メトキ
シサッカリンが得られた。
【0056】例6 2−(4−フェニル−5−チオノ−4,5−ジヒドロテ
トラゾリル−1−イル)メチル−4−イソプロピル−6
−メトキシサッカリン ジメチルホルムアミド中、加熱しながら4−イソプロピ
ル−6−メトキシサッカリンナトリウム塩を2−クロロ
メチル−4−フェニル−5−チオノ−4,5−ジヒドロ
テトラゾールと縮合せしめると、2−(4−フェニル−
5−チオノ−4,5−ジヒドロテトラゾリル−1−イ
ル)メチル−4−イソプロピル−6−メトキシサッカリ
が得られた。
【0057】例7 2−アセトキシメチル−4−イソプロピル−6−メトキ
シサッカリン エタノール中、4−イソプロピル−6−メトキシサッカ
リンを水性ホルムアルデヒドと縮合せしめると、2−ヒ
ドロキシメチル−4−イソプロピル−6−メトキシサッ
カリンが得られ、それを無水酢酸及び触媒量の硫酸でア
セチル化したところ、2−アセトキシメチル−4−イソ
プロピル−6−メトキシサッカリンが得られた。
【0058】式Iの化合物の更なる具体例は、上記方法
及び先に言及された出願連続番号第07/514,92
0号及び第07/782,016号明細書中の方法によ
り製造されており、それらの文献は引用することにより
本明細書に組み入れられ、そしてこれらの化合物は、可
変記号R2 ,R3 及びL−R1 に関して以下に記載され
る。
【0059】R2 が、メチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、2−ブチル、ジメチルアミノ、メトキ
シ、エトキシ及びイソプロポキシである式Iの化合物が
製造されている。
【0060】R3 が、水素、7−メチル、6−(4−メ
チル−1−ピペラジニル)、6−(1−メチル−2−ピ
ロリル)、6−ジメチルアミノ、5−ニトロ、6−ニト
ロ、6−ヒドロキシ、7−ヒドロキシ、5−メトキシ、
6−メトキシ、7−メトキシ、5,6−ジメトキシ、
5,7−ジメトキシ、6,7−ジメトキシ、6−エトキ
シ、6−イソプロポキシ、6−シクロブチルオキシ、6
−〔2−(4−モルホリニル)エトキシ〕、6−
〔(2,3−ジヒドロキシ)プロポキシ〕、6−
〔(2,3−プロピレンジオキシ)プロポキシ〕、6−
〔2,3−ジメトキシプロポキシ〕、6−〔2−(2−
メトキシエトキシ)エトキシ〕、7−〔2−(2−メト
キシエトキシ)エトキシ〕、7−カルボキシメトキシ、
6−メトキシカルボニルメトキシ、6−(t−ブトキシ
カルボニル)メトキシ、6−ベンジルオキシカルボニル
メトキシ、7−(t−ブトキシカルボニル)メトキシ、
7−ジメチルアミノカルボニルオキシ、6,7−メチレ
ンジオキシ、6−フルオロ、7−クロロ、6−(n−プ
ロピル)−7−メトキシ、6−メチル−5,7−ジメト
キシ、5−ヒドロキシ−6−メトキシ及び6−ジメチル
アミノ−7−クロロである式Iの化合物が製造されてい
る。
【0061】LがNであり、かつR1 と一緒になったN
がN−ヘテロサイクリルであって、N−ヘテロサイクリ
ルが、4,5−ジ(t−ブチルスルホニル)−1,2,
3−トリアゾール−1−イル、4−フェニル−5−チオ
ノ−4,5−ジヒドロテトラゾリル−1−イル、4−
(3−ピリジル)−5−チオノ−4,5−ジヒドロテト
ラゾリル−1−イル、1,1,3−トリオキソテトラヒ
ドロ−1,2,5−チアジアゾール−2−イル、4,5
−ジ(メトキシカルボニル)−1,2,3−トリアゾー
ル−1−イル、4−フェニルスルホニル−1,2,3−
トリアゾール−1−イル、4−メトキシカルボニル−
1,2,3−トリアゾール−1−イル、5−メトキシカ
ルボニル−1,2,3−トリアゾール−1−イル、4−
フェニル−5−エトキシカルボニル−1,2,3−トリ
アゾール−1−イル、4−エトキシカルボニル−5−フ
ェニル−1,2,3−トリアゾール−1−イル、4−カ
ルボキシ−1,2,3−トリアゾール−1−イル、4−
トリメチルシリル−5−フェニルスルホニル−1,2,
3−トリアゾール−1−イル、5−フェニルスルホニル
−1,2,3−トリアゾール−1−イル、4−フェニル
スルホニル−5−イソプロピル−1,2,3−トリアジ
ン−1−イル、4−イソプロピル−5−フェニルスルホ
ニル−1,2,3−トリアゾール−1−イル、4,5−
ジ(アミノカルボニル)−1,2,3−トリアゾール−
1−イル、4,5−ジカルボキシ−1,2,3−トリア
ゾール−1−イル、4,5−ジカルボキシ−1,2,3
−トリアゾール−1−イル(一ナトリウム塩)、4−ト
リメチルシリル−5−ジメチルアミノスルホニル−1,
2,3−トリアゾール−1−イル、2−チオノ−2,3
−ジヒドロ−5−(2−ピリジル)−1,3,4−チア
ジアゾール−3−イル、4−(t−ブチル)−5−ジメ
チルアミノスルホニル−1,2,3−トリアゾール−1
−イル、4−ジメチルアミノスルホニル−5−(t−ブ
チル)−1,2,3−トリアゾール−1−イル、4−ト
リメチルシリル−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル、4,5−ジシアノ−1,2,3−トリアゾール−1
−イル、4,5−ジ(1−ピペリジニルカルボニル)−
1,2,3−トリアゾール−1−イル、4,5−ジ(ト
リフルオロメチル)−1,2,3−トリアゾール−1−
イル、4,5−ジ(1−ピペリジニルカルボニル)−
1,2,3−トリアゾール−2−イル、3−ベンジルオ
キシ−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オ
キサジアゾール−4−イル及び4,5−ジシアノ−1,
2,3−トリアゾール−2−イルである式Iの化合物が
製造されている。
【0062】LがOでありかつR1 が低級アルカノイル
であって、低級アルカノイルが2,2−ジメチルプロパ
ノイルである式Iの化合物が製造されている。LがOで
ありかつR1 がアミノ酸もしくはペプチドアシルであっ
て、ペプチドアシルが(N−ベンゾイルグリシル)フェ
ニルアラニルである式Iの化合物が製造されている。
【0063】LがOでありかつR1 がシクロアルカンカ
ルボニルであって、シクロアルカンカルボニルがシクロ
プロパンカルボニルである式Iの化合物が製造されてい
る。LがOでありかつR1 が未置換の又はヒドロキシも
しくは低級アルコキシで置換されたアリール低級アルカ
ノイルであって、置換もしくは未置換アリール低級アル
カノイルが2−メチル−2−フェニルプロパノイル、2
−メチル−2−(4−クロロフェニル)プロパノイル、
2−(2−クロロフェニル)プロパノイル、2−ヒドロ
キシ−2−フェニルアセチル、2−メトキシ−2−フェ
ニルアセチルもしくは2−ヒドロキシ−2−フェニルプ
ロパノイルである式Iの化合物が製造されている。
【0064】LがOでありかつR1 が単環性、置換もし
くは未置換、芳香族もしくはヒドロ芳香族C−ヘテロサ
イクリルカルボニルであって、C−ヘテロサイクリルカ
ルボニルが、3,5−ジクロロピリジル−4−カルボニ
ル、3,5−ジクロロ−2−〔2−(4−モルホリニ
ル)エトキシ〕ピリジル−4−カルボニル、3,5−ジ
クロロ−2−〔2−(ジメチルアミノ)エトキシ〕ピリ
ジル−4−カルボニル、チオフェン−3−カルボニル、
3−メチルチオフェン−2−カルボニル、チオフェン−
2−カルボニル、3−クロロチオフェン−2−カルボニ
ル、2−オキソピロリジニル−5−カルボニル、3,5
−ジメチルイソオキサゾール−4−カルボニル、2,4
−ジメチルピリジル−3−カルボニル及び1−フェニル
−3,5−ジメチルピラゾール−4−カルボニルである
式Iの化合物が製造されている。
【0065】LがOでありかつR1 が単環式置換アリー
ルオキシ−2−低級アルカノイルであって、アリールオ
キシ−2−低級アルカノイルが2−メトキシ−2−(4
−クロロフェノキシ)プロピオニルである式Iの化合物
が製造されている。LがOでありかつR1 が二環式もし
くは三環式未置換アロイルであって、アロイルが2−ナ
フトイルもしくは4−アントラセノイルである式Iの化
合物が製造されている。
【0066】LがOでありかつR1 が単環式置換もしく
は未置換アロイルであって、単環式置換もしくは未置換
アロイルが2,6−ジクロロ−3−〔2−(4−モルホ
リニル)エトキシ〕ベンゾイル、ベンゾイル、2,6−
ジクロロベンゾイル、2,6−ジクロロ−3−(4−モ
ルホリニルスルホニル)ベンゾイル、2,6−ジクロロ
−3−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)ベ
ンゾイル、2,6−ジクロロ−3−(カルボキシメチル
アミノスルホニル)ベンゾイル、2,6−ジクロロ−3
−〔N−(4−イソプロピル−2−サッカリニルメチ
ル)−N−(ベンゾイルオキシカルボニル)アミノスル
ホニル〕ベンゾイル、2,6−ジクロロ−3−(1−ヒ
ペラジニルスルホニル)ベンゾイル、2,6−ジクロロ
−3−〔N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−(メ
チル)アミノスルホニル〕ベンゾイル、2,6−ジクロ
ロ−3−ヒドロキシベンゾイル、2,6−ジクロロ−3
−ベンジルオキシベンゾイル、3−ベンジルオキシベン
ゾイル、2,6−ジクロロ−3−(4−ベンジル−1−
ピペラジニルスルホニル)ベンゾイル、2,6−ジクロ
ロ−3−カルボキシメトキシベンゾイル、2,6−ジク
ロロ−3−メトキシベンゾイル、2,6−ジクロロ−4
−メトキシベンゾイル、2,6−ジクロロ−3−〔2−
(ジメチルアミノ)エトキシ〕ベンゾイル、2,6−ジ
クロロ−3−〔N−(3−ジメチルアミノプロピル)−
N−(メチル)アミノスルホニル〕ベンゾイル、2,6
−ジフルオロ−3−(4−メチル−1−ピペラジニルス
ルホニル)ベンゾイル、2,4,6−トリクロロベンゾ
イル、2,6−ジフルオロベンゾイル、2,6−ジメチ
ルベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイル、2,6−
ジクロロ−4−〔2−(4−モルホリニル)エトキシ〕
ベンゾイル、2,6−ジクロロ−3−〔2−(1−ピロ
リジニル)エトキシ〕ベンゾイル、2,6−ジクロロ−
3−〔2−(1−ピペリジニル)エトキシ〕ベンゾイ
ル、2,6−ジクロロ−3−〔2−(ジエチルアミノ)
エトキシ〕ベンゾイル、2,6−ジフルオロ−4−メト
キシベンゾイル、2,6−ジメトキシ−4−ベンジルオ
キシベンゾイル、2,4,6−トリメトキシベンゾイ
ル、2,6−ジクロロ−4−エトキシカルボニルベンゾ
イル、2−イソプロピルベンゾイル、2,6−ジメトキ
シ−4−アセチルアミノベンゾイル、2,6−ジメチル
−4−ベンジルオキシベンゾイル、2,6−ジメチル−
4−ニトロベンゾイル、2−イソプロピル−4−メトキ
シベンゾイル、2,6−ジメトキシ−3−メチルスルホ
ニルアミノベンゾイル及び2−イソプロピル−4,5−
ジメトキシベンゾイルである式Iの化合物が製造されて
いる。
【0067】LがOでありかつR1 がアリール低級アル
キルアミノカルボニルであって、アリール低級アルキル
アミノカルボニルがフェニルメチルアミノカルボニルで
ある式Iの化合物が製造されている。LがOでありかつ
1 が(モノもしくはジ低級アルキル、フェニルもしく
は低級アルコキシフェニル)ホスフィニルであって、
(モノもしくはジ低級アルキル、フェニルもしくは低級
アルコキシフェニル)ホスフィニルがジフェニルホスフ
ィニルである式Iの化合物が製造されている。
【0068】LがOでありかつR1 が(モノもしくはジ
低級アルキル、フェニルもしくはフェニル低級アルキ
ル)ホスホノであって、(モノもしくはジ低級アルキ
ル、フェニルもしくはフェニル低級アルキル)ホスホノ
がジエチルホスホノである式Iの化合物を製造してい
る。
【0069】LがOでありかつR1 がC−ヘテロサイク
リルであって、C−ヘテロサイクリルが2−メチル−4
−ピロン−3−イル、6−ヒドロキシメチル−4−ピロ
ン−3−イル、3,4−ジクロロピリダジン−2−イ
ル、3−フェニルクマリン−7−イル、4−フェニルク
マリン−7−イル、6−クロロ−4−トリフルオロメチ
ルクマリン−7−イル、4−メチルクマリン−7−イ
ル、3−(ベンゾチアゾール−2−イル)クマリン−7
−イル、サッカリン−6−イル、4−(4−モルホリニ
ル)−1,2,5−チアジアゾール−3−イル、5−フ
ェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−
フェニル−1,3,4−オキサゾール−2−イル、3−
メチルチオ−6−メチル−1,2,4−トリアジン−5
−イル、4−エトキシカルボニルイソオキサゾール−5
−イル、1,2,5−チアジアゾール−3−イル、2,
5−ジオキソピロリジン−1−イル、2−メチル−4,
5−ジ(ヒドロキシメチル)−3−ピリジル、5−メト
キシカルボニルイソオキサゾール−3−イル及び1−メ
チル−2−エトキシカルボニルインドール−3−イルで
ある式Iの化合物が製造されている。
【0070】LがOでありかつR1 がオキシムの残基で
あって、オキシム残基が2,5−ジオキソピロリジン−
1−イル及び3,4−ジヒドロ−3−オキソ−5−フェ
ニルピラゾール−4−イミノである式Iの化合物が製造
されている。LがOでありかつR1 が三環式置換アリー
ルであって、三環式置換アリールが1−オキソ−7−フ
ェナレニルである式Iの化合物が製造されている。
【0071】LがOでありかつR1 が単環式置換アリー
ルであって、単環式置換アリールが2,5−ジフルオロ
−4−(4−モルホリニルスルホニル)フェニル、2,
4−ジクロロ−3−〔2−(4−モルホリニル)エトキ
シカルボニル)〕フェニル、2,4−ジクロロフェニ
ル、2,4,6−トリクロロフェニル、2,4−ジクロ
ロ−3−(4−メチルピペラジニルカルボニル)フェニ
ル、2,4−ジクロロ−3−カルボキシフェニル、3−
〔2−(4−モルホリニル)エトキシカルボニル)〕フ
ェニル、3−(4−メチルピペラジニルカルボニル)フ
ェニル、2,4−ジクロロ−3−〔2−(4−モルホリ
ニル)エチルアミノカルボニル〕フェニル、4−(4−
モルホリニルスルホニル)フェニル、2,4−ジクロロ
−6−(4−モルホリニルスルホニル)フェニル、2−
クロロ−4−(4−モルホリニルスルホニル)フェニ
ル、2−メトキシカルボニル−5−メトキシフェニル、
2−フルオロ−4−(4−モルホリニルスルホニル)フ
ェニル、2−クロロ−4−(4−チアモルホリニルスル
ホニル)フェニル、2−クロロ−4−(4,4−ジオキ
シ−4−チアモルホリニルスルホニル)フェニル、2,
6−ジフルオロ−4−(4−モルホリニルスルホニル)
フェニル、2,4−ジフルオロ−6−(4−モルホリニ
ルスルホニル)フェニル、3,4−ジフルオロ−6−
(4−モルホリニルスルホニル)フェニル、2−(4−
モルホリニルスルホニル)−4−フルオロフェニル、4
〔2−(4−モルホリニル)エチルアミノカルボニル〕
フェニル、ペンタフルオロフェニル、3−(4−メチル
ピペラジニルスルホニル)フェニル、3−(4−モルホ
リニルエトキシ)フェニル、3−〔2−(ジメチルアミ
ノ)エチル)メチルアミノスルホニル〕フェニル、4−
メチルスルホニルフェニル、3−ジエトキシホスホニル
フェニル、2−トリフルオロメチル−4−(4−モルホ
リニルスルホニル)フェニル、2,6−ジクロロ−4−
(4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)フェニ
ル、3,5−ジフルオロ−4−(4−モルホリニルカル
ボニル)フェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,
5−ジフルオロ−4−(4−メチルピペラジニルスルホ
ニル)フェニル、2,6−ジフルオロ−4−(4−メチ
ルピペラジニルスルホニル)フェニル、3,5−ジフル
オロ−4−(4−モルホリニルスルホニル)フェニル、
2,6−ジクロロ−4−エトキシカルボニルフェニル、
1−オキソシクロヘプタトリエン−2−イル及び3,
5,6−トリメチルキノン−2−イルである式Iの化合
物が製造されている。
【0072】LがOでありR1 が単環式置換ヒドロ芳香
族3−オキソカルボサイクル−1−エニルであって、3
−オキソカルボサイクル−1−エニルが2−メチル−3
−オキソ−1−シクロペンテニルである式Iの化合物が
製造されている。LがOでありかつR1 が単環式置換芳
香族3−オキソ−C−ヘテロサイクル−1−エニルであ
って、3−オキソ−C−ヘテロサイクル−1−エニルが
6−メチル−1−ピロン−4−イルである式Iの化合物
が製造されている。
【0073】LがSでありかつR1 がシアノ、ベンゾイ
ル及びエトキシチオカルボニルである式Iの化合物が製
造されている。LがS,SOもしくはSO2 であり、か
つR1 が単環式置換アリールであって、単環式置換アリ
ールが2−フルオロ−4−(4−モルホリニルスルホニ
ル)フェニルである式Iの化合物が製造されている。
【0074】LがSであり、かつR1 が単環式置換芳香
族C−ヘテロサイクリルであって、単環式置換芳香族C
−ヘテロサイクリルが、1−フェニルテトラゾール−5
−イル、1−〔2−(4−モルホリニル)エチル〕テト
ラゾール−5−イル、1−(ジメチルアミノカルボニル
メチル)テトラゾール−5−イル、1−(3−ピリジ
ル)テトラゾール−5−イル、1−メチルテトラゾール
−5−イル、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール
−2−イル、5−シクロヘキシルアミノ−1,3,4−
チアジアゾール−2−イル、1−(4−モルホリニルプ
ロピル)−テトラゾール−5−イル、5−〔2−(4−
モルホリニル)エチルチオ〕−1,3,4−チアジアゾ
ール−2−イル、5−〔2−(1−ピペリジニル)エチ
ルチオ〕−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5
−(2−ジエチルアミノエチル)−1,3,4−チアジ
アゾリル、5−(2−ジメチルアミノエチルチオ)−
1,3,4−ジアゾアゾリル、5−〔2−(4−モルホ
リニル)エチル〕−1,3,4−チアジアゾール−2−
イル、5−〔2−(1−ピペリジニル)エチル〕−1,
3,4−チアジアゾール−2−イル、5−フェニル−
1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、5−(2−
フリル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、
1−(3−スクシノイルアミノフェニル)テトラゾール
−5−イル、5−ベンジル−1,3,4−オキサジアゾ
ール−2−イル、5−ヒドロキシ−6−メチル−6,7
−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾロ〔3,4−
b〕〔1,3〕チアジン−3−イル、5−(3−ピリジ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1−
メチル−5−エトキシ−1,3,4−トリアゾール−2
−イル、5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、5−(4−
メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−
2−イル、5−(4−ピリジル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール−2−イル、5−(4−ビフェニリル)−
1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、5−(2−
ピラジニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イ
ル、4−(エトキシカルボニルメチル)チアゾール−2
−イル、5−(2−ピリジル)−1,3,4−オキサジ
アゾール−2−イル、5−(3−フリル)−1,3,4
−オキサジアゾール−2−イル、4−エトキシカルボニ
ル−5−メチルチアゾール−2−イル、4−フェニルチ
アゾール−2−イル、4,5−ジメチルチアゾール−2
−イル、4−(4−モルホリニル)−1,2,5−チア
ジアゾール−2−イル、3−フェニル−2−チオノ−
2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−5−
イル、4−メチル−5−オキソ−6−ヒドロキシ−4,
5−ジヒドロ−1,2,4−トリアジン−3−イル、5
−〔4−(n−ペンチルオキシ)フェニル〕−1,3,
4−オキサジアゾール−2−イル、5−{4−〔2−
(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕フェニル}−1,
3,4−オキサジアゾール−2−イル、5−(3,4−
メチレンジオキシフェニル)−1,3,4−オキサジア
ゾール−2−イル、5−(2,5−ジメトキシフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、5−
(2−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ
ール−2−イル及び5−フェニルオキサゾール−2−イ
ルである式Iの化合物が製造されている。
【0075】上記式Iの化合物類は、タンパク質分解酵
素類の酵素活性を阻害し、そして変性疾患の治療に有用
である。より詳細には、それらはヒト白血球エラスター
ゼ及びキモトリプシン様酵素を阻害し、そして気腫、リ
ウマチ様間接炎、膵炎、嚢胞性線維症、慢性気管支炎、
成人呼吸困難症候群、炎症性腸疾患、乾癬、水疱性類疱
瘡及びアルファ−1−抗トリプシン欠乏症の治療に有用
である。この有用性は、ヒト白血球エラスターゼに対す
る式Iの化合物の試験管内阻害試験により具体的に示さ
れる。
【0076】ヒト白血球エラスターゼ阻害剤複合体の阻
害定数(Ki )の測定方法は、一般的には競合的阻害剤
に関する「真に可逆的な阻害定数」について記載されて
いる(Cha,Biochemical Pharmacology, Vol 24, 2177〜
2185ページ,1975) 。式Iの化合物は、真に可逆的な阻
害剤複合体ではなく、むしろある程度酵素によって消費
される。従って、代わりに、酵素の回復速度割る酵素の
不活性化速度(koff/kon) として定義されるKi *
を求めた。koff 及びkonの値を測定し、次いでKi *
を計算した。
【0077】konの値を、試験化合物(阻害剤)の添加
後の時間の関数として酵素の一部分の酵素活性を測定す
ることにより求めた。時間に対する酵素活性の対数をプ
ロットすることで、認められた不活性化速度(kobs
が、等式kobs =1n 2/t1/2(t1/2は、酵素活性が50
%まで低減するのに必要とされる時間である)により得
られた。次いでkon値が、等式kon=kobs /〔I〕
(式中、〔I〕は、阻害剤の濃度である)により得られ
た。同様にkoff が測定され、次いでKi * が等式Ki
*=koff /konにより得られた。第I表に示される結
果は、例1〜3の式Iの化合物について得られた。
【0078】
【表1】
【0079】式Iの化合物の別の具体例は、約1,00
0ナノモル(nM) 〜約0.01ナノモル(nM)の範囲内
のKi * 値を有する。タンパク質分解酵素阻害量の式I
の化合物は、ヒト白血球エラスターゼ阻害についての試
験結果より算出でき、そして更に、特定の患者につい
て、患者の健康状態、適用経路、治療期間及び患者の反
応に依存して変更できる。従って、式Iの化合物の有効
薬用量は、すべての適切な基準を考慮した後に、患者に
代わって臨床医の最良の判断によってのみ決定できる。
【0080】式Iの化合物は、錠剤類、カプセル剤類、
水剤類、懸濁剤類及び乳剤類を包含する固形状又は液状
剤形であることができ、かつ1つ以上の適する添加剤を
包含できる、経口、非経口もしくはエアロゾル吸入投与
用の薬用組成物にそれを組入れることにより薬用の用途
用に製造できる。経口投与用の錠剤もしくはカプセル剤
の剤形での固形単位の薬用量が好ましい。この用途用の
添加剤は、例えば、1つ以上の炭酸カルシウム、澱粉、
乳糖、タルク、ステアリン酸マグネシウム及びアラビア
ゴムである。これらの組成物は、伝統的な薬用技術によ
り製造される。
【0081】
【発明の効果】本発明の化合物は、タンパク質分解酵素
阻害剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デニス ジョン ラスタ アメリカ合衆国,ニューヨーク 12065, クリフトン パーク,モーリス レーン 3 (72)発明者 ランジット チマンラル デサイ アメリカ合衆国,ニューヨーク 12110, ラサム,ラファイロ ドライブ 9 (72)発明者 リー ハミルトン ラティマー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14618, ロチェスター,バーミンガム ドライブ 12 (72)発明者 チャクラパニ スブラマンヤム アメリカ合衆国,ニューヨーク 12061, イースト グリーンブッシュ,コベントリ ー レーン 2102

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式 【化1】 (上式中、 Lは、N,OもしくはSOn (式中nは0,1もしくは
    2である)であり、 L−R1 は、脱離基であり、H−L−R1 はそれらの共
    役酸であり、そしてLがNである場合には、H−L−R
    1 は6以下の pKa値を有し、LがOである場合には、H
    −L−R1 は8以下の pKa値を有し、並びにLがSOn
    である場合には、H−L−R1 は5以下の pKa値を有
    し、 R2 は、炭素原子数2〜4個の第一級もしくは第二級ア
    ルキル、炭素原子数1〜3個の第一級アルキルアミノ、
    炭素原子数2〜4個の第一級アルキルメチルアミノ、ジ
    エチルアミノ又は炭素原子数1〜3個の第一級アルコキ
    シであり、そしてR3 は、5−、6−及び7−位のいず
    れかもしくはすべての1〜3個の置換基であり、かつ水
    素、低級アルキル、シクロアルキル、アミノ低級アルキ
    ル、低級アルキルアミノ低級アルキル、ジ低級アルキル
    アミノ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級ア
    ルコキシ低級アルキル、ペルフルオロ低級アルキル、ペ
    ルクロロ低級アルキル、ホルミル、シアノ、カルボキ
    シ、アミノカルボニル、R−オキシカルボニル、B=N
    (ここでB=Nは、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低
    級アルキルアミノ、カルボキシ低級アルキルアミノ、1
    −ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−アゼチジニ
    ル、4−モルホリニル、1−ピペラジニル、4−低級ア
    ルキル−1−ピペラジニル、4−ベンジル−1−ピペラ
    ジニルもしくは1−イミダゾリルである)、1−低級ア
    ルキル−2−ピロリル、低級アルキルスルホニルアミ
    ノ、ペルフルオロ低級アルキルスルホニルアミノ、ペル
    クロロ低級アルキルスルホニルアミノ、ニトロ、ヒドロ
    キシ、低級アルコキシ、シクロアルコキシ、B=N−低
    級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、ポリヒドロ
    キシ低級アルコキシもしくはそれらのアセタール又はケ
    タール、低級アルコキシ低級アルコキシ、ポリ低級アル
    コキシ低級アルコキシ、ヒドロキシポリ低級アルキレン
    オキシ、低級アルコキシポリ低級アルキレンオキシ、B
    =N−カルボニルオキシ、カルボキシ低級アルコキシ、
    R−オキシカルボニル低級アルコキシ、メチレンジオキ
    シ、R−チオ、R−スルフィニル、R−スルホニル、ペ
    ルフルオロ低級アルキルスルホニル、ペルクロロ低級ア
    ルキルスルホニル、アミノスルホニル、低級アルキルア
    ミノスルホニル、ジ低級アルキルアミノスルホニル並び
    にハロ(ここで、Rは、低級アルキル、フェニル、ベン
    ジルもしくはナフチル又は低級アルキル、低級アルコキ
    シもしくはハロから成る群より選ばれる1つもしくは2
    つの置換基を有するフェニルもしくはナフチルである)
    から成る群より選ばれる)で示される化合物又は化合物
    が塩基性官能基を有する場合には薬用条件に合ったそれ
    らの酸付加塩もしくは化合物が酸性官能基を有する場合
    には薬用条件に合ったそれらの塩基付加塩。
  2. 【請求項2】 R2 が炭素原子数2〜4個の第一級もし
    くは第二級アルキルであり、かつR3 がヒドロキシ、低
    級アルコキシ、シクロアルコキシ、B=N−低級アルコ
    キシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、ポリヒドロキシ低級
    アルコキシもしくはそれらのアセタール又はケタール、
    低級アルコキシ低級アルコキシ、ポリ低級アルコキシ低
    級アルコキシ、低級アルコキシポリ低級アルコキシ、B
    =N−カルボニルオキシ、カルボキシ低級アルコキシ、
    R−オキシカルボニル低級アルコキシ又はメチレンジオ
    キシである請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R2 がイソプロピルであり、かつR3
    低級アルコキシである請求項2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R3 が6−メトキシである請求項3に記
    載の化合物。
  5. 【請求項5】 LがNでありかつH−L−R1 が6以下
    の pKa値を有する請求項4に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 LがOでありかつH−L−R1 が8以下
    の pKa値を有する請求項4に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 LがSOn でありかつH−L−R1 が5
    以下の pKa値を有する請求項4に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 タンパク質分解酵素阻害濃度の請求項1
    に記載の式Iの化合物及び薬用キャリアーを含んで成る
    薬用組成物。
  9. 【請求項9】 タンパク質分解酵素阻害濃度の請求項2
    〜7のいずれかに記載の化合物及び薬用キャリアーを含
    んで成る薬用組成物。
JP4305222A 1991-11-15 1992-11-16 サッカリン誘導体タンパク質分解酵素阻害剤 Withdrawn JPH06122675A (ja)

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