JPH06121656A - 加熱調理用肉パテの製造方法 - Google Patents

加熱調理用肉パテの製造方法

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JPH06121656A
JPH06121656A JP4276209A JP27620992A JPH06121656A JP H06121656 A JPH06121656 A JP H06121656A JP 4276209 A JP4276209 A JP 4276209A JP 27620992 A JP27620992 A JP 27620992A JP H06121656 A JPH06121656 A JP H06121656A
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JP
Japan
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emulsion
meat
added
oil
weight
Prior art date
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Pending
Application number
JP4276209A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Noriuchi
慶彦 則内
Maya Noguchi
まや 野口
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Wakodo Co Ltd
Original Assignee
Wakodo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 油脂を凝乳酵素分解カゼインアルカリ塩で乳
化した水中油滴型乳化物を、カルシウムイオンで凝固さ
せて得られるエマルジョンカードを、獣鳥肉のひき肉に
添加することを特徴とする加熱調理用肉パテの製造方
法。 【効果】 加熱調理によっても乳化破壊を生じることが
なく、ドリップ量、特に油系ドリップ量が少なく、焼き
縮みが極めて軽微であり、食感や風味が良好で、歩留を
向上させることができる加熱調理用肉パテを製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハンバーグ、ミートボ
ール、シュウマイ等の食肉加工品に用いる加熱調理用肉
パテの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハンバーグ等に用いる加熱調理用
肉パテには、ソフトな食感と肉にうま味を付与するため
に、牛脂や豚脂を添加している。しかしながら、このよ
うなパテを、添加した脂の融点以上で加熱調理すると、
パテから脂がしみ出すため、食感や風味が悪くなり、ま
た焼き縮みが生じるため、外観及び歩留が低下するとい
う欠点があった。
【0003】また、牛脂や豚脂に代え、大豆蛋白、卵
白、ラクトアルブミン、プラズマ等の熱凝固性蛋白質及
び油分を水に分散させた水中油滴型のエマルジョンカー
ドを用いる方法が知られている(特開昭59−1258
49号公報、特開平2−171159号公報)。しかし
ながら、上記エマルジョンカードを添加したパテは、加
熱調理したときに、カードに含まれる熱凝固性蛋白質が
熱変性して、乳化破壊を生じ、上記油分がパテからしみ
出すため、上記欠点は十分に解消されていない。また、
乳化破壊を防止するために、エマルジョンカード中の熱
凝固性蛋白質の添加量を増加すると、この蛋白質に由来
する異味異臭がするという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加熱
調理してもエマルジョンカードが乳化破壊されず、焼き
縮みが極めて軽微であり、食感や風味が良好で、歩留を
向上させることができる加熱調理用肉パテを提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、油脂を凝乳酵
素分解カゼインアルカリ塩で乳化した水中油滴型乳化物
を、カルシウムイオンで凝固させて得られるエマルジョ
ンカードを、獣鳥肉のひき肉に添加することを特徴とす
る加熱調理用肉パテの製造方法である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるエマルジョンカードは、凝乳酵素分解カゼインア
ルカリ塩を油脂の保護コロイドとした水中油滴型乳化物
をカルシウムイオンで凝固させて得ることができる。
【0007】凝乳酵素分解カゼインアルカリ塩は、カゼ
インアルカリ塩を凝乳酵素で分解して製造される。カゼ
インアルカリ塩としては、特に制限はないが、カゼイン
ナトリウム塩、カゼインカリウム塩が好ましい。凝乳酵
素としては、例えば、キモシン等の動物由来の酵素;パ
パイン、フィシン、ブロメライン等の植物由来の酵素;
メイトウレンネット、ノボレンネット等の微生物由来の
酵素等を用いることができる。
【0008】カゼインアルカリ塩の分解は、5〜15%
カゼインアルカリ塩水溶液に、凝乳酵素をカゼインアル
カリ塩100gに対し17,000ソックスレー単位以
上添加して行うのが好ましい。分解温度は、30〜35
℃、分解時間は、20〜40分、分解pHは6.0〜
6.5が好ましく、また失活は、80℃で20〜30分
加熱するのが好ましい。
【0009】得られた凝乳酵素分解カゼインアルカリ塩
は、澱粉ゲル電気泳動法により、κ−カゼインの存在が
認めらず、全窒素に占める5%トリクロル酢酸可溶性窒
素%が3.0〜5.5%であり、pHが6.0〜6.2
である。
【0010】このような凝乳酵素分解カゼインアルカリ
塩を油脂の保護コロイドとして乳化した水中油滴型乳化
物は、油脂と凝乳酵素分解カゼインアルカリ塩とを常法
により水中に分散させて得ることができる。上記油脂と
しては、公知のものを用いることができ、例えば、大豆
油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、コー
ン油、落花生油、ごま油、パーム油、やし油等の植物性
油脂;牛脂、豚脂、乳脂等の動物性油脂などを挙げるこ
とができる。凝乳酵素分解カゼインアルカリ塩、油脂及
び水の配合比は、油脂100重量部に対し、凝乳酵素分
解カゼインアルカリ塩(乾燥重量)1〜50重量部、水
50〜120重量部が好ましい。凝乳酵素分解カゼイン
アルカリ塩が1重量部未満のときには、乳化が不十分に
なる場合があり、50重量部を超えると得られたカード
が硬くなる場合があるので好ましくない。
【0011】本発明のエマルジョンカードは、上記水中
油滴型乳化物をカルシウムイオンで凝固させて得ること
ができる。カルシウムイオンは、可溶性のカルシウム化
合物の水溶液を用い、中でも好ましいのは、塩化カルシ
ウム水溶液である。カルシウムイオンの添加量は、水中
油滴型乳化物中の凝乳酵素分解カゼインアルカリ塩1,
000重量部当たり、5〜50重量部が好ましい。カル
シウムイオンの添加量が5重量部未満のときには、凝固
が不十分になる場合があり、50重量部を超えるときに
は、乳化が破壊される場合があるので好ましくない。水
中油滴型乳化物を凝固させる温度は、15℃以上が好ま
しく、15℃未満のときには、凝固しない場合がある。
【0012】本発明は、このようにして得られたエマル
ジョンカードを、獣鳥肉のひき肉に添加する。獣鳥肉の
ひき肉としては、ハンバーグ、ミートボール、シュウマ
イ等の食肉加工品に用いられる公知のひき肉でよく、例
えば、牛肉、豚肉、鶏肉等のひき肉を挙げることができ
る。エマルジョンカードの添加量は、ひき肉1,000
gに対し、エマルジョンカード50〜300gが好まし
い。また、加熱調理用肉パテには、ハンバーグ、ミート
ボール、シュウマイ等の用途にあわせ、所望の野菜類、
調味料、香辛料、その他添加物を加えることができる。
【0013】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明する。 実施例1 カゼインナトリウム100重量部を70℃の温水900
重量部に溶解し、10%カゼインナトリウム水溶液を調
製した後、1%塩酸でpH6.0に調整した。
【0014】次に、20℃の水1,000重量部に微生
物レンネット(500,000ソックスレー単位、名糖
産業製)13重量部を溶解した微生物レンネット水溶液
5重量部(32,000単位/カゼインナトリウム10
0g)を、30℃の上記10%カゼインナトリウム水溶
液1,000重量部に加え、35℃で25分間分解し
た。この溶液を80℃で20分間加熱し、微生物レンネ
ットを失活させた後、常法により噴霧乾燥させて凝乳酵
素分解カゼインアルカリ塩を得た。
【0015】得られた凝乳酵素分解カゼインアルカリ塩
は、κ−カゼインが分解消失しており、全窒素中、5%
トリクロル酢酸可溶性窒素は、5.14%であった。次
に、80℃の温水30重量部に、得られた凝乳酵素分解
カゼインアルカリ塩5重量部及びデキストリン10重量
部を加え、完全に溶解した後、ホモミキサーに投入し、
これに60℃で溶融した精製牛脂55重量部を撹拌しな
がら添加し、15分間撹拌して予備乳化液100重量部
調製した。得られた予備乳化液を、65℃にし、マント
ンゴーリンホモジナイザー(200kg/cm2) で完全に乳
化させた後、この乳化液100重量部当たり、20%塩
化カルシウム水溶液2重量部を加え、卓上ミキサー(愛
公社製作所製)で撹拌混合して凝固させ、エマルジョン
カードを得た。
【0016】得られたエマルジョンカードについて、下
記の加熱試験を行った。沸騰水加熱試験 エマルジョンカード試料50gを200mlビーカーに採
り、沸騰水浴中で加熱し、試料の脂の溶融状態を観察し
た。オーブン加熱試験 エマルジョンカード試料を、50mm×50mm×30mmの
直方体に成型し、これをオーブンを使用して200℃で
20分間加熱し、試料の脂の溶融状態と保形性を観察し
た。
【0017】本実施例で得られたエマルジョンカード
は、沸騰水加熱試験では、1時間加熱しても、脂の溶融
がまったく認められず、また、オーブン加熱試験では、
脂の溶融がまったく認められず、形状も加熱前と変わら
ず、保形性が認められた。
【0018】比較例1 凝乳酵素分解カゼインアルカリ塩に代えて、分離大豆蛋
白(ニューフジプロSE、不二製油(株)製)を用いた
外は、実施例1と同様にしてエマルジョンカードを調製
し、加熱試験を行った。その結果、沸騰水加熱試験で
は、加熱20分後にはカード表面に脂の遊離が認めら
れ、1時間後には、さらに乳化破壊が進み、遊離した脂
の中にカードの残渣が浮く状態になった。また、オーブ
ン加熱試験では、加熱前の形状が崩れ、カード表面に脂
の遊離が認められた。
【0019】また、対照として、牛脂について、同様の
加熱試験を行った結果、沸騰水加熱試験では、加熱1分
後に脂の溶融が始まり、5分後には完全に溶融し、オー
ブン加熱試験では、脂が完全に溶融し、加熱前の形状を
まったくとどめなかった。
【0020】実施例2並びに比較例2及び3 表1に示す混合比で調製したパテ120gを、それぞれ
長径11.5cm、短径9.0cm、厚さ1.5cmのハンバ
ーグ状に成型し、これをポリ袋に充填した後、沸騰水中
で15分間加熱調理し、下記項目について測定、評価し
た。なお、測定、評価はそれぞれ5検体ずつ行った。結
果を表1に示す。また、ひき肉は、牛モモ肉をプレート
目3mmのチョッパーでひいたものを用い、実施例2では
実施例1で調製したものを用い、比較例2では、比較例
1で調製したエマルジョンカードを用い、比較例3で
は、エマルジョンカードに代えて、プレート目3mmのチ
ョッパーでひいた牛脂を用いた。
【0021】ドリップ量 流出したドリップをメスシリンダーで回収し、10分間
静置した後、油層と水層に分離し、油系ドリップ量と水
系ドリップ量を測定した。歩留まり 加熱調理後の重量を測定し、下記式により歩留まりを算
出した。 歩留まり(重量%)=[加熱後のハンバーグ重量/加熱
前のパテ重量]×100
【0022】焼き縮み 加熱調理後のハンバーグの長径、短径及び厚さをノギス
で測定した。官能テスト パネラー5名により、加熱調理したハンバーグの食感、
風味を下記基準で評価した。 ○:極めて良好 △:ほぼ良好 ×:悪い
【0023】
【表1】
【0024】実施例3 70℃の温水30重量部に、凝乳酵素分解カゼインアル
カリ塩5重量部及びデキストリン10重量部を加え、完
全に溶解した後、ホモミキサーに投入し、これに80℃
で溶融した和牛のケンネン(牛脂)から不純物をろ過除
去した溶解牛脂60重量部を撹拌しながら添加し、10
分間撹拌して予備乳化液100重量部を調製した。
【0025】得られた予備乳化液を、65℃にし、マン
トンゴーリンホモジナイザー(200kg/cm2)で完全に
乳化させた後、この乳化液100重量部当たり、20%
塩化カルシウム水溶液1.5重量部を加え、卓上ミキサ
ー(愛公社製作所製)で撹拌混合して凝固させ、エマル
ジョンカードを得た。
【0026】牛モモひき肉800gに、玉ねぎのみじん
切り32g、パン粉19g、大豆蛋白82g、食塩10
g、グルタミン酸ナトリウム9g、ブラックペッパー
0.4g、ガーリック粉末0.1g及び水190gを加
え、これに上記エマルジョンカード127gを加えた
後、卓上ミキサーで10分間混合し、ハンバーグパテを
調製した。
【0027】このハンバーグパテ120gを長径11.
5cm、短径9.0cm、厚さ1.5cmの楕円形に成型した
後、オーブンを用い、200℃で15分間加熱調理し
た。得られたハンバーグは、牛脂の風味を十分に保持
し、ソフトな食味を有し、冷えた後もソフトな食味を維
持していた。
【0028】実施例4 70℃の温水30重量部に、凝乳酵素分解カゼインアル
カリ塩5重量部及びデキストリン10重量部を加え、完
全に溶解した後、ホモミキサーに投入し、これに60℃
で溶融したバターオイル55重量部を撹拌しながら添加
し、10分間撹拌して予備乳化液100重量部調製し
た。
【0029】得られた予備乳化液を、60℃にし、マン
トンゴーリンホモジナイザー(200kg/cm2)で完全に
乳化させた後、この乳化液100重量部当たり、20%
塩化カルシウム水溶液2重量部を加え、卓上ミキサー
(愛公社製作所製)で撹拌混合して凝固させ、エマルジ
ョンカードを得た。
【0030】豚ひき肉300gに、食塩2g、日本酒4
5g、ねぎのみじん切り20g、卵50gを加え、これ
に上記エマルジョンカード40gを加えた後、卓上ミキ
サーで5分間混合し、ミートボールパテを調製した。こ
のミートボールパテ26gを団子状にし、180℃のコ
ーンサラダ油で3分間揚げ、ミートボールを得た。この
ミートボールは、バター風味をよく保持し、マイルドな
食感を有していた。
【0031】
【発明の効果】本発明によると、加熱調理によっても乳
化破壊を生じることがなく、ドリップ量、特に油系ドリ
ップ量が少なく、焼き縮みが極めて軽微であり、食感や
風味が良好で、歩留を向上させることができる加熱調理
用肉パテを製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂を凝乳酵素分解カゼインアルカリ塩
    で乳化した水中油滴型乳化物を、カルシウムイオンで凝
    固させて得られるエマルジョンカードを、獣鳥肉のひき
    肉に添加することを特徴とする加熱調理用肉パテの製造
    方法。
JP4276209A 1992-10-14 1992-10-14 加熱調理用肉パテの製造方法 Pending JPH06121656A (ja)

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JP4276209A JPH06121656A (ja) 1992-10-14 1992-10-14 加熱調理用肉パテの製造方法

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JP4276209A JPH06121656A (ja) 1992-10-14 1992-10-14 加熱調理用肉パテの製造方法

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JPH06121656A true JPH06121656A (ja) 1994-05-06

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ID=17566209

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JP4276209A Pending JPH06121656A (ja) 1992-10-14 1992-10-14 加熱調理用肉パテの製造方法

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JP (1) JPH06121656A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5693350A (en) * 1995-06-16 1997-12-02 Nestec S.A. Process for preparing a meat pate having a low fat content

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5693350A (en) * 1995-06-16 1997-12-02 Nestec S.A. Process for preparing a meat pate having a low fat content

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