JPH06120008A - 電圧非直線抵抗体磁器組成物の製造方法 - Google Patents

電圧非直線抵抗体磁器組成物の製造方法

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JPH06120008A
JPH06120008A JP4270398A JP27039892A JPH06120008A JP H06120008 A JPH06120008 A JP H06120008A JP 4270398 A JP4270398 A JP 4270398A JP 27039892 A JP27039892 A JP 27039892A JP H06120008 A JPH06120008 A JP H06120008A
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JP
Japan
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ceramic powder
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varistor
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ceramic
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JP4270398A
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Yasushi Ueno
靖司 上野
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体粒子のばらつきを防止して粒径を均一
化でき、かつセラミック粉体の内部における結晶粒界を
なくすことができ、これにより電気的特性のばらつきを
回避できる電圧非直線抵抗体磁器組成物の製造方法を提
供する。 【構成】 主成分である酸化亜鉛に、副成分としてB
i,Mn,Co,Sb,Si,B,Pdのうち少なくと
も1種類以上含有させて主原料を作成する。この主原料
にBaを混合して焼成し、この焼結体を例えば熱水中で
煮沸してBa相を溶解させ、これによりセラミック粉体
を分離生成する。また、上記主原料に対して、上記Ba
をBaCO3 に換算して10〜50wt%添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧非直線抵抗体(以
下、バリスタと称する)として機能する半導体磁器組成
物の製造方法に関し、詳細には半導体粒子のばらつきを
防止して粒径を均一化でき、かつセラミック粉体の内部
における結晶粒界の存在をなくすことができ、ひいては
電気的特性のばらつきを回避できるようにした製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信機器等の電子機器の分野にお
いては、小型化とともに電子部品の集積化が急速に進ん
でおり、これに伴ってバリスタにおいても低電圧化の要
求が強くなっている。このような要求に対応するものと
して、従来、酸化亜鉛に金属酸化物を添加してなるセラ
ミックバリスタがある。このバリスタは非直線性,サー
ジ吸収性,及び静電気許容度試験(ESD)吸収性に優
れた特性を有しており、異常電圧に対する保護素子とし
て広く用いられている。
【0003】この種のバリスタを製造する第1従来方法
として以下の方法がある。主成分としての酸化亜鉛に、
副成分としてビスマス,マンガン,コバルト,アンチモ
ン,クロム等の金属酸化物を添加混合し、これを造粒し
て成形体を形成し、この成形体を高温焼成して半導体磁
器を得た後、これの両主面に電極を形成する。このよう
なセラミックバリスタでは、電極間の半導体粒子の粒界
に生じるショットキー障壁を利用して電圧非直線特性を
得るものである。従って、上記電極間の半導体磁器の厚
さ,該磁器の焼成条件を調整することによって半導体粒
子の粒界数を制御し、これによりバリスタ電圧,静電容
量をコントロールしている。
【0004】また、第2従来方法として、セラミック粉
体に樹脂を混合して樹脂バリスタとする方法が提案され
ている。この樹脂バリスタは、機械的にフレキシブルな
加工性を得ることができることから、上記従来の剛性の
高いセラミックバリスタでは困難であった箇所、例えば
コネクタ等に挿入することが可能となり、用途を拡大で
きる。このような樹脂バリスタは、上記焼成した半導体
磁器を、例えばロールクラッシャにより機械的な方法で
もって再度粉砕してセラミック粉体を作成し、この粉体
を分級して大きさを一定範囲内に揃えた後、これに樹脂
を混合して製造される。なお、粉体を分級するのは所望
のバリスタ電圧,静電容量等の電気的特性を得るためで
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、半導体
粒子の粒径を高精度にコントロールすることは困難であ
ることから、上記第1従来方法により得られたセラミッ
クバリスタでは、粒子の大きさにばらつきが生じ易く、
例えば平均粒径より2倍以上の粒径を有する粒子が存在
する場合がある。このような大きな粒子が存在する部分
では電極間の半導体粒界数が他の部分より少ないことか
ら、電気抵抗値が小さくなる。その結果、この粒界数の
少ない低抵抗部分によってバリスタ電圧が決定されるこ
とから、バリスタ電圧,静電容量のばらつきが大きくな
るという問題がある。また、上記半導体粒界数の少ない
部分に電流集中が生じ易く、その結果サージ耐量,静電
気許容度試験耐量も小さくなるという問題もある。
【0006】一方、上記第2従来方法による樹脂バリス
タでは、半導体磁器を再度粉砕してセラミック粉体を得
るようにしていることから、この粉砕により粒内破壊が
生じ、その結果セラミック粉体中に結晶粒界が含まれて
しまうこととなる。このような結晶粒界を含むセラミッ
ク粉体では、その含んでいる粒界数によってセラミック
粉体自体の電気的特性にばらつきが生じるという問題が
ある。このためセラミック粉体を分級して大きさを揃え
た効果が減少し、電極間のセラミック粒界数が部分的に
異なることとなる。その結果、上述と同様に電気的特性
にばらつきが生じるという問題がある。
【0007】本発明は上記従来の状況に鑑みてなされた
もので、半導体粒子のばらつきを防止でき、かつセラミ
ック粉体中の結晶粒界の存在をなくして粉体自体の電気
的特性のばらつきを防止でき、ひいてはセラミックバリ
スタ,樹脂バリスタにおける電気的特性のばらつきを回
避できる電圧非直線抵抗体磁器組成物の製造方法を提供
することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本件発明者は、上述の問
題点を解消するために、電極間の結晶粒界を均一化する
方法について検討したところ、ZnOにBaOを混合し
て焼成し、これにより得られた焼結体を例えば熱水中で
煮沸してBaを溶解することによって、上記焼結体から
バリスタ特性を持つセラミック粉体だけを分離できるこ
とに着目した。そしてこの分離したセラミック粉体を大
きさ別に分級し、この分級したセラミック粉体でバリス
タを製造することによって粒径のばらつきを解消でき、
ひいては結晶粒界を均一化できることを見出した。ま
た、上記セラミック粉体は、従来のように機械的な粉砕
を行うことなく得られることから、この粉体中に結晶粒
界が含まれることはなく、この点からも粉体自体の電気
的特性のばらつきを小さくできることを見出し、本発明
を成したものである。
【0009】そこで請求項1の発明は、主成分である酸
化亜鉛に、副成分としてBi,Mn,Co,Sb,S
i,B,Pdのうち少なくとも1種類以上含有させて主
原料を作成し、この主原料にBaを混合して焼成した
後、該焼結体中のBa相を溶解させ、これによりバリス
タ特性を有するセラミック粉体を分離生成したことを特
徴とする電圧非直線抵抗体磁器組成物の製造方法であ
る。また、請求項2の発明は、上記主原料に対してBa
をBaCO3 に換算して10〜50wt%添加したことを特徴
としている。
【0010】ここで、本発明のセラミック粉体を得るに
は、上記焼結体を、例えば熱水中で超音波を印加しなが
ら煮沸して該焼結体中のBa相を溶解する。これにより
焼結体からセラミック粉体が分離することとなる。この
ようにして得られたセラミック粉体を分級して大きさを
揃え、これを成形した後、焼成することによりセラミッ
クバリスタが製造される。また樹脂バリスタを製造する
場合は、上記分級したセラミック粉体に樹脂を混合し、
この混合物を成形することとなる。
【0011】また、上記BaCO3 の添加量を限定した
のは、この添加量を10wt%以下にするとZnOの分離性
が悪くなり、凝集のない粒子が得られ難くなるからであ
り、また添加量が50wt%を越えると十分に成長したZn
Oの結晶が得られなくなるからである。
【0012】
【作用】本発明に係る電圧非直線抵抗体磁器組成物の製
造方法によれば、バリスタ特性を発現する金属酸化物を
含有した酸化亜鉛にBaを混合して焼成した後、この焼
結体中のBa相を溶解することによってセラミック粉体
を分離生成したので、このセラミック粉体を一定範囲内
の大きさに分級することによってばらつきのない、均一
化した半導体粒子が得られる。その結果、これにより製
造されたセラミックバリスタのバリスタ電圧や静電容量
のばらつきを回避でき、さらにはサージ耐量,静電気許
容度試験耐量を向上できる。
【0013】また、本発明は、焼結体中のBa相を溶解
してセラミック粉体を得る方法であるので、従来の機械
的に粉砕する場合のようなセラミック粉体の内部に結晶
粒界が存在することはないから、この粉体自体の電気的
特性のばらつきを小さくすることができる。その結果、
上記分級したセラミック粉体と樹脂とを混合して樹脂バ
リスタを製造する場合の電気的特性のばらつきを回避で
き、上述と同様の効果が得られる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。本実施例
では、本発明の製造方法により電圧非直線抵抗体磁器組
成物を製造し、これの効果を確認するために行った特性
試験について説明する。まず、本実施例の半導体磁器組
成物を得るための一製造方法を説明する。
【0015】ZnO(96.0mol %) を主成分とし、これ
にバリスタ特性を発現するCoCO 3 (1.0mol%) ,M
nCO3 (0.5mol%) ,Sb2 3 (2.0mol%) ,Bi
2 3 (0.5mol%) をそれぞれ上記モル比となるよう調
合して主原料を作成する。この主原料をジルコニアボー
ルにより湿式粉砕して平均粒径1μm 以下の混合粉末を
作成する。
【0016】次に、上記混合粉末を800 ℃で2時間仮焼
成した後、これにBaCO3 を10〜50wt%加えてジルコ
ニアボールにより粉砕し、これにより平均粒径3μm 以
下の混合粉末を作成する。次いでこの混合粉末を造粒し
た後、成形し、この成形体を1300℃で5時間焼成する。
これにより粒成長した焼結体を得る。
【0017】そして、上記焼結体を熱水中に入れ、これ
に15分間隔で2分間超音波を印加しながら煮沸する。す
ると上記焼結体中のBaO相が溶解し、これにより焼結
体からセラミック粉体が分離される。このようにして得
られたセラミック粉体をふるい分けて所定の大きさごと
に分級する。これにより本実施例のセラミック粉体が製
造される。
【0018】
【表1】
【0019】表1は、上記製造方法により得られたセラ
ミック粉体へのBaCO3 添加量をそれぞれ5,10,20,
30,40,50,60,70重量%と変化させ、この添加量と粉体特
性との関係を調べた結果を示す。この表からも明らかな
ように、添加量が50wt%を越えると( No. 6,7参
照)、結晶粒子の成長が十分でなく粒径のばらつきが大
きい。また表には記していないが、添加量を5%にする
とセラミック粉体の分離性が悪く凝集した粉体となって
いる。これに対して、添加量が10〜50wt%のものは( N
o. 1〜5参照)、粉体の分離性も良く、しかも十分に
成長したセラミック粉体が得られており、結晶粒径が均
一化している。
【0020】図1は、本実施例で得られたセラミック粉
体を、直径3mm, 高さ3mmの容器内に詰め込み、これの
電圧−電流特性を測定した結果を示す図である。図中、
△印はセラミック粉体の大きさをD50=57.1μm とした
場合を示し、○印はD50=85.8μm とした場合を示す。
同図からも明らかなように、本実施例のセラミック粉体
(△印参照)の場合は、優れたバリスタ特性が得られて
いることがわかる。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明に係る電圧非直線抵
抗体磁器組成物の製造方法によれば、バリスタ特性を発
現する金属酸化物を含有する酸化亜鉛にBaを混合して
焼成した後、この焼結体中のBa相を溶解してセラミッ
ク粉体を分離生成したので、これによりばらつきのない
均一化した半導体粒子が得られるとともに、セラミック
粉体の内部に結晶粒界の存在をなくすことができ、その
結果セラミックバリスタや樹脂バリスタを製造する際の
バリスタ電圧や静電容量のばらつきを回避できるととも
に、サージ耐量,静電気許容度試験耐量を向上できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による効果を確認するために
行った試験結果を示す特性図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分である酸化亜鉛に、副成分として
    Bi,Mn,Co,Sb,Si,B,Pdのうち少なく
    とも1種類以上含有させて主原料を作成し、この主原料
    にBaを混合して焼成した後、該焼結体中のBa相を溶
    解させて該焼結体からバリスタ特性を有するセラミック
    粉体を分離したことを特徴とする電圧非直線抵抗体磁器
    組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記主原料に混合さ
    れるBaがBaCO 3 に換算して主原料の10〜50wt%で
    あることを特徴とする電圧非直線抵抗体磁器組成物の製
    造方法。
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