JPH06119720A - 位相同期方法及び回路並びにそれを用いたデータ検出方法及び回路 - Google Patents

位相同期方法及び回路並びにそれを用いたデータ検出方法及び回路

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JPH06119720A
JPH06119720A JP4290766A JP29076692A JPH06119720A JP H06119720 A JPH06119720 A JP H06119720A JP 4290766 A JP4290766 A JP 4290766A JP 29076692 A JP29076692 A JP 29076692A JP H06119720 A JPH06119720 A JP H06119720A
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phase
data
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zero
discrete input
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Kazuhiko Honda
和彦 本多
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 低いクロック周波数で高い分解能を得ること
ができ、マルチトラックへの対応を容易にする。 【構成】 離散データである入力データDEQOUTか
らゼロクロス点Pの有無を検出し、ゼロクロス点Pの前
後の入力データx(n),x(n−1)から直線近似等
の数値演算処理により入力データのサンプル点に対する
ゼロクロス点Pの位相pを算出する。そして、算出され
た位相pに基づいて再生クロックの位相を制御する。ま
た、離散入力信号から位相予測値におけるデータ値を数
値演算処理により算出し、得られた位相予測値における
データ値を2値化した値を検出データとして出力するデ
ータ検出手段を具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、離散入力信号から再
生クロックを生成する位相同期方法及び位相同期回路
(PLL回路)並びにこれを用いたデータ検出方法及び
データ検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】CD(コンパクト・ディスク)等で使用
されるディジタルPLL回路は、矩形状の入力信号に同
期した再生クロックを生成するもので、図17に示すよ
うに、エッジ検出器101、位相比較器102、ループ
フィルタ103及びディジタル制御発振器(DCO)1
04をループ状に接続して構成されている。ここでエッ
ジ検出器101は、図18に示す矩形状の入力信号であ
るEFM(eight-fourteen modulation )信号Aの変化
点を高い周波数(f0 )のクロックで検出し、エッジ検
出信号Bを出力する。DCO104はカウンタにより構
成され、鋸歯状にレベルが変化するディジタルデータC
を出力する。位相比較器102では、このディジタルデ
ータCをエッジ検出信号Bでサンプリングし、これを位
相検出信号Dとして出力する。位相検出信号Dは、ルー
プを安定化するループフィルタ103によってフィルタ
リングされたのちDCO104の出力の増加率、つまり
出力周波数を制御する。そして、ディジタルデータCの
MSBが再生クロックEとして出力されるようになって
いる。
【0003】このように構成されたディジタルPLL回
路は、変化点に情報を持つ矩形波を対象としているが、
PLL回路を使用する用途には、このような矩形波でな
い入力信号を取り扱わなければならないことがある。以
下、DCC(ディジタル・コンパクト・カセット)を例
にとり、矩形波とは異なる形態の入力信号について説明
する。図19は、DCCの再生系のうち、エンコーダ入
力までの部分の概略構成を示す図である。マルチトラッ
ク対応の薄膜再生ヘッド111によって磁気テープ11
0から読み取られた各トラックの再生信号は、それぞれ
プリアンプ112で所定レベルまで増幅されたのち、マ
ルチプレクサ113で時分割多重化される。時分割多重
化されるのは、後段の回路を1系統にするためである。
時分割多重化された離散アナログ信号は、A/D変換器
114でディジタルデータに変換される。変換レート
は、各トラックの転送レートfchの2倍程度に設定され
る。ディジタルデータは、磁気テープへの記録再生の際
の減衰を補償して、符号間干渉をなくすため、ディジタ
ル等化器115で等化される。ディジタル等化器115
は、IIR、FIR等のディジタルフィルタによって構
成され、トラック数分の遅延を施すことにより、マルチ
トラックの信号を時分割で処理するようにしている。デ
ィジタル等化器115の出力は、PLL回路116に入
力され、ここで再生クロックが生成されると共に、この
再生クロックに基づいた入力データの検出が行われるよ
うになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したDCCに使用
されるPLL回路では、入力信号として、ビットレート
の2倍の周波数でサンプリングされた、振幅値に情報を
持つ離散ディジタルデータが供給される。このため、上
述した矩形波を対象とするPLL回路を直接使用するこ
とができない。上述のPLL回路をDCCで使用する場
合には、離散ディジタルデータを、転送クロックfchの
数十倍の周波数で矩形波に変換した上で再度エッジ検出
する必要があり、装置の複雑化を招くという問題点があ
る。しかも、マルチトラックへの対応を考慮すると、こ
のようなPLL回路がトラック数分だけ必要になり、更
に装置が複雑化するという問題点がある。
【0005】また、上述したPLL回路では、ループの
分解能がシステムクロックの周波数f0 で決まるので、
高分解能を実現するためには高速デバイスが必要にな
り、コストアップとなる。数倍速の再生を考えると、シ
ステムクロックを数倍にする必要があり、更にコストア
ップを招くか、分解能が犠牲になるという問題点があ
る。
【0006】この発明はこのような問題点を解決するた
めになされたもので、低いクロック周波数で高い分解能
を得ることができ、マルチトラックへの対応も容易であ
る位相同期方法及び回路並びにそれを用いたデータ検出
方法及び回路を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る位相同期
方法は、離散入力信号からゼロクロス点の有無を検出
し、前記ゼロクロス点の前後の離散入力信号を用いた数
値演算処理により前記離散入力信号のサンプル点に対す
る前記ゼロクロス点の位相を算出し、上記算出された位
相に基づいて再生クロックの位相を制御することを特徴
とする。
【0008】この発明に係る位相同期回路は、離散入力
信号からゼロクロス点の有無を検出すると共に、前記ゼ
ロクロス点の前後の離散入力信号を用いた数値演算処理
により前記離散入力信号のサンプル点に対する前記ゼロ
クロス点の位相を算出する位相検出手段と、この位相検
出手段で算出された位相と位相予測値との位相差を算出
する位相比較手段と、この位相比較手段で算出された位
相差を積分処理して前記位相予測値を出力する位相予測
手段と、前記位相予測値に基づいて位相シフトされた再
生クロックを出力するクロック再生手段とを具備したこ
とを特徴とする。
【0009】また、この発明に係るデータ検出方法は、
離散入力信号からゼロクロス点の有無を検出し、前記ゼ
ロクロス点の前後の離散入力信号を用いた数値演算処理
により前記離散入力信号のサンプル点に対する前記ゼロ
クロス点の位相を算出し、上記算出された位相と位相予
測値との位相差を積分処理して前記位相予測値を算出
し、前記離散入力信号から前記位相予測値におけるデー
タ値を数値演算処理により算出し、得られた前記位相予
測値におけるデータ値を2値化した値を検出データとす
ることを特徴とする。
【0010】更に、この発明に係るデータ検出回路は、
離散入力信号からゼロクロス点の有無を検出すると共
に、前記ゼロクロス点の前後の離散入力信号を用いた数
値演算処理により前記離散入力信号のサンプル点に対す
る前記ゼロクロス点の位相を算出する位相検出手段と、
この位相検出手段で算出された位相と位相予測値との位
相差を算出する位相比較手段と、この位相比較手段で算
出された位相差を積分処理して前記位相予測値を出力す
る位相予測手段と、前記離散入力信号から前記位相予測
値におけるデータ値を数値演算処理により算出し、得ら
れた前記位相予測値におけるデータ値を2値化した値を
検出データとして出力するデータ検出手段とを具備した
ことを特徴とする。
【0011】
【作用】この発明によれば、離散入力信号の数値演算処
理によってサンプル点に対するゼロクロス点の位相及び
データを直接求めるようにしているので、離散入力信号
を一旦矩形波に変換する必要がなくなる。このため、離
散入力信号の転送クロックのレート、つまり低い周波数
での処理が可能になる。また、この発明によれば、処理
の分解能は数値演算の語長や近似方法等によって決定さ
れ、これらを適当に設定することにより、実用上十分な
分解能を得ることができる。
【0012】更に、この発明によれば、処理の基本が離
散入力信号に対する数値演算であるから、時分割多重化
処理が比較的容易に行える。一方、低周波数での処理が
可能であることから、システムクロックの周波数をトラ
ック数倍にすることも容易であり、この結果、マルチト
ラックへの対応が容易になる。また、同様の理由から、
数倍速のの可変速再生も転送クロックをそれに応じて数
倍にすることで対応することができる。
【0013】なお、この発明によれば、DSP(ディジ
タル・シグナル・プロセッサ)や高速CPUを用いたソ
フトウェアによる構成も可能であり、この場合、他の回
路とのハードウェアの共用化ができ融通性が増すという
利点がある。
【0014】
【実施例】以下、添付の図面を参照してこの発明の実施
例について説明する。図1はこの発明の実施例に係るデ
ィジタルPLL・データ検出回路の構成を示す図であ
る。この回路は、DCCのディジタル等化器の後段等に
設けられる。図示しないディジタル等化器から出力され
る離散ディジタルデータである入力データDEQOUT
は、位相検出器1で位相を検出され、位相比較器2で位
相予測器3から出力される位相予測値VCOと比較され
る。その比較結果PCは位相予測器3に入力されてい
る。位相予測器3は、ループを安定化するループフィル
タ4と位相値発生器5とから構成されている。位相値発
生器5から出力される位相予測値VCOは、データ検出
・クロック再生器6に入力されている。データ検出・ク
ロック再生器6は、再生クロック信号CLKと再生デー
タDATAとを生成出力する。以下、各部の詳細につい
て説明する。
【0015】(1)位相検出器1 図2(a)は、位相検出器1に入力される入力データD
EQOUTを示す図である。入力データDEQOUT
は、転送レートfchの2倍の周期でサンプリングされた
ディジタルデータである。このデータを滑らかに結んだ
正弦波状の仮想アナログ値が等化後の信号波形に相当す
る。FM は、入力データDEQOUTを転送する2fch
の周波数のシステムクロック、φA ,φB は、システム
クロックFM から生成される周波数fchの2相クロック
である。位相検出器1では、入力データDEQOUTか
ら数値演算によって仮想アナログ値のサンプル点に対す
るゼロクロス点Pの位相pを算出する。いま、サンプル
点n−1におけるデータDn-1 の振幅をx(n−1)、
サンプル点nにおけるデータDn の振幅をx(n)、シ
ステムクロックFM の周期を1とすると、この位相p
は、直線近似によって下記数1のように求めることがで
きる。
【0016】
【数1】p=x(n)/[x(n)−x(n−1)] (0≦p≦1)
【0017】なお、数1は、位相pをサンプル点間の1
次近似(直線補間)によって求めたが、多数次近似でよ
り高精度に求めることもできる。この場合、ハードウェ
アは多少複雑になる。
【0018】図3に、位相検出器1の構成例を示す。入
力データDEQOUTは、遅延回路11,12でそれぞ
れ1サンプルクロック分遅延される。そして、1サンプ
ル遅延データx(n)と2サンプル遅延データx(n−
1)とが減算器13及び割算器14に供給されることに
より、割算器14の出力に数1の演算結果である位相p
が求められる。この位相pは、データx(n),x(n
−1)のMSBを比較するEX−ORゲート15からな
るゼロクロス検出器16がゼロクロスを検出したときの
み、サンプルホールド回路17にホールドされる。した
がって、ゼロクロスがないときには、前値がホールドさ
れる。サンプルホールド回路17の出力が位相検出信号
PDとして位相比較器2に出力される。
【0019】また、数1の演算だけでは、位相検出幅が
システムクロックFM の1周期分、つまりデータ転送レ
ートfchの1/2周期分(=0.5Tch)しかないの
で、システムクロックFM の1周期おきに位相pと位相
p−1とを求めることにより、位相基準点をシステムク
ロックFM の2周期毎に設定し、検出幅をTch(−π〜
+π)にしている。即ち、図3において、スイッチ18
は、システムクロックFM の2倍の周期のクロックφA
によって切り替わり、0と−1とを交互に出力する。こ
の出力が加算器19に与えられ、クロックφA が“L”
のときはpが求められ、クロックφB が“H”のときは
p−1が求められる。図2(a)は、位相pが求められ
る場合(位相進み)、同図(b)は位相p−1が求めら
れる場合(位相遅れ)をそれぞれ示している。なお、数
1の除算については、種々の方法を取り得るが、ハード
ウェアの規模を考慮すると、ROMによるテーブル方式
が好適である。この場合、分子分母の絶対値をとること
により、ROMのメモリ容量を低減することができる。
また、演算誤差を少なくするためには、浮動小数点演算
を行えばよい。
【0020】(2)位相比較器2 図4は、位相比較器2の構成を示すブロック図である。
位相比較器2は、位相検出器1から出力される位相検出
信号PDと位相予測器3から出力される位相予測値VC
Oとを減算器21によって減算することにより、位相差
Δpを算出する。ここで、位相検出信号PDと位相予測
値VCOは、共に−1〜+1の範囲で変化する信号であ
るため、図5のT1 に示すように、両信号が+1から−
1又は−1から+1に変化するときに減算器21の出力
が一時的に−1未満又は+1超過となることがある。そ
こで、位相比較器2に−1未満処理部22と、+1超過
処理部23とを設けている。−1未満処理部22は、位
相差Δpが−1未満であることを比較器24によって検
出し、スイッチ25を切り替えて加算器26に+2を供
給する。また、+1超過処理部23は、位相差Δpが+
1超過であることを比較器27によって検出し、スイッ
チ28を切り替えて加算器29に−2を供給する。これ
により、位相差Δpに+2又は−2を加算し、位相差Δ
pを−2π又は+2πだけシフトさせた位相比較出力P
Cを得る。
【0021】(3)位相予測器3 位相比較出力PCは、位相予測器3のループフィルタ4
に入力される。ループフィルタ4は、図6に示すよう
に、完全1次積分型のディジタルフィルタで、アナログ
PLL回路における周波数誤差に相当するフィルタ出力
LPFを出力する。位相比較出力PCは、係数回路3
1、加算器32、遅延回路33からなるローパスフィル
タと、係数回路34とを介して加算器35によって加算
され、遅延回路36で1クロック周期遅延される。係数
回路31,36の係数K1 ,K2 をK1 =1/512 ,K
2 =1/16に設定することにより、係数回路31,36
での処理をビットシフト操作で実行することができる。
【0022】位相値発生器5は、図7に示すように、ル
ープフィルタ4の出力LPFを加算器41と遅延回路4
2とからなる積分器によって更に積分することにより、
周波数誤差を位相予測値VCOに変換するものである。
しかし、単純な積分器では、入力データDEQOUTに
周波数偏差があった場合、その値が累積され、オーバー
フロー又はアンダーフローを起こす。このため、位相検
出器1の検出幅と同じ範囲±1(±π)以内になるよう
に、+1超過では−2(−2π)し、−1未満では+2
(+2π)する。+1超過処理部43と−1未満処理部
44がこの処理を実行する。+1超過処理部43は、遅
延回路42への入力値が+1を超過したことを比較器4
5で検出し、2段構成の遅延回路46,47とANDゲ
ート48とでエッジ検出して、その検出結果でスイッチ
49を切り替えて−2を加算器50に供給する。また、
−1未満処理部44は、遅延回路42への入力値が−1
未満になったことを比較器51で検出し、2段構成の遅
延回路52,53とANDゲート54とでエッジ検出し
て、その検出結果でスイッチ55を切り替えて+2を加
算器56に供給する。
【0023】ANDゲート48,54から出力されるレ
ンジオーバー信号RO及びレンジアンダー信号RUは、
位相予測値VCOの位相がそのタイミングでシフトして
いることを意味している。但し、信号RO,RUの発生
タイミングは、後述するデータ検出・クロック再生器6
との関係から、オーバーレンジ又はアンダーレンジする
と直ちに発生するのではなく、クロックφA によりタイ
ミングをずらしている。この位相値発生器5からは、位
相予測値VCO、信号RO,RUのほかに、位相予測値
の極性を示す位相予測値極性信号VCOPが出力されて
いる。
【0024】(5)データ検出・クロック再生器6 データ検出・クロック再生器6は、入力データDEQO
UTから位相予測値VCOにおけるデータ値を数値演算
によって求めると共に、再生クロックを生成する機能を
有している。データ検出の手法を図8に基づいて説明す
る。いま、位相予測値VCOが示す位相をpv 、位相p
v におけるデータ値(予測値)をxp とすると、データ
値xp は、直線近似によって下記数2のように求めるこ
とができる。
【0025】
【数2】 xp =x(n)−[x(n)−x(n−1)]・pv
【0026】図9は、データ検出・クロック再生器6の
構成を示すブロック図である。位相検出器1から出力さ
れる遅延入力データDDAは、遅延回路61,62でそ
れぞれ1クロック分遅延され、減算器63、乗算器6
4、加算器65及び減算器66により、数2の演算処理
が実行されてデータ値xp が求められる。必要なのは、
2値のデータであるからデータ値xp のうちのMSBの
みをサンプルホールド回路67でホールドし、2値の再
生データDATAを得ている。サンプルホールドのタイ
ミングは、2相クロックφA ,φB を選択切換するスイ
ッチ68の出力であるクロックφC によって与えられ
る。
【0027】再生クロックCLKは、DPLL回路の内
部で算出されたデータDATAを転送するため、及び図
示しないテープ送りサーボの速度誤差成分をジッタ情報
として出力するために使用される。システムクロックF
M の周波数が2fchで、再生ETM(eight-ten modulq
tion)信号レートがFch前後であるから、ほぼ2回に1
回のレートで再生クロックCLKは出力される。また、
ジッタ情報は、図10に示すように、再生クロックCL
Kの位相をシステムクロックFM の1周期分だけ必要に
応じてシフトすることにより送ることができる。ところ
で、位相値発生器5の出力レンジは、±1(±π)以内
であり、これは図8からも明らかなように、システムク
ロックFM の2周期分に相当する。前述のように再生ク
ロックCLKは、システムクロックFM の1周期分を単
位としてシフトされるので、このままでは位相シフトが
行えない。そのため、レンジを0〜+1に変換し、位相
シフトをシステムクロックFM の1周期単位で行えるよ
うにするのが、図9のレンジコンバータ69である。
【0028】位相シフトは、図10に示すような2相ク
ロックφA ,φB を切り替えて行う。進みシフトの場合
はA点で、遅れシフトの場合はB点でそれぞれタイミン
グ調整を行う。このため、レンジコンバータ69は、位
相値発生器5の位相予測値極性信号VCOPをクロック
φB のタイミングでフリップフロップ71に取り込み、
位相値発生器5のレンジオーバー信号RO及びレンジア
ンダー信号RUでフリップフロップ71をそれぞれセッ
ト及びリセットする。そして、フリップフロップ71の
出力Qを遅延回路72でシステムクロックFM の出力タ
イミングに揃えることにより、位相シフト信号PSを生
成している。この位相シフト信号PSにより、クロック
φA ,φB が切り替えられ、遅延回路73及びANDゲ
ート74を介して図10に示すような再生クロックCL
Kを得ることができる。
【0029】また、この再生クロックCLKの位相シフ
トと数2の演算処理との整合をとるために、図11に示
すように、位相予測値VCOのレンジを0〜+1に変更
する必要がある。このため、レンジコンバータ69にス
イッチ75を設け、位相シフト信号PSが“1”のとき
は、位相pv に1を加算するようにしている。図8
(a)はpv を使用する場合、図8(b)はpv +1を
使用する場合についてそれぞれ示している。
【0030】図12及び図13に各部の波形を示す。こ
こでは、Fchを96KHzとし、入力データとして47K
Hz(−3%)の正弦波と、49KHz(+3%)の正弦波
を用いた。このように、この実施例に係るDPLL回路
では、周波数2FchのシステムクロックFM でサンプリ
ングされている入力データ信号列DEQOUTから位相
pを数値演算によって算出し、この位相pに基づいて位
相予測器3から位相予測値VCOを得、この位相予測値
VCOに基づいて再生クロックを生成すると共に、入力
データDEQOUTを再生クロックCLKで再サンプリ
ングし、2値量子化して出力することができる。
【0031】なお、以上は説明の便宜上、1トラック分
の処理について説明したが、各トラックのデータが時分
割多重化されているマルチトラック対応の構成とする場
合には、システムクロックFM 及び2相クロックφA ,
φB をそれぞれトラック数倍の周波数とし、1クロック
の分の遅延をトラック数段の遅延列に変更すればよい。
この場合、得られた再生クロックCLK及び再生データ
DATAの出力タイミングは、2fch×トラック数のク
ロックにより決定されるので、後段のエンコーダの処理
が容易になるという利点がある。
【0032】また、テープ媒体のディフェクトによって
ドロップアウトが検出された場合の対策としては、次の
対策が考えられる。比較的長いドロップアウトの場合に
は、ループを初期化する。また、短いドロップアウトの
場合には、ループ内のループフィルタ4の出力をホール
ドする。ホールドの方法は、前値ホールドでもよいが、
外乱に対する影響を少なくするため、図14に示すよう
に、フィルタの出力段に積分器81を設けることが望ま
しい。通常動作時には、スイッチ82,83,84が
“L”側に接続されることにより、加算器85,遅延回
路86、係数回路87及び減算器88からなる積分器8
1に位相検出信号PCの低域成分が保持される。そし
て、ディフェクトが検出されて検出信号DEFが“H”
になると、外乱の影響を防ぐため、スイッチ82を切り
替えてループフィルタ4の入力を“0”にすると共に、
積分器81の出力をループフィルタ4の出力LPFとし
て出力する。
【0033】一方、データを正確に検出するためには、
ゼロクロスポイントをアイパターンの中央位置に正確に
合わせる必要がある。このため、位相検出器1内にスラ
イスレベルコントローラを内蔵させるようにしてもよ
い。この場合の構成例を図15に示す。この回路は、基
本的にはデータの正負の期間が同じになるように、数値
演算によってフィードバック制御をかけるように動作を
する。即ち、スイッチ91は、ゼロクロス検出時
“0”、ゼロクロス非検出時“p”をそれぞれ出力す
る。スイッチ91の出力は係数回路92で2倍され、入
力データx(n−1)の符号に応じて符号回路93で符
号を付加される。符号回路93の出力は、入力データx
(n)の符号に応じて−1又は+1を出力するスイッチ
94の出力と加算器95で加算され、更に加算器96、
遅延回路97及び係数回路98からなる積分器を介して
減算器99にフィードバックされる。この回路によれ
ば、図16に示すように、加算器95の出力が−1,1
−2p,+1,2p−1,−1,…を繰返し、その累積
値がゼロになるようにスライスレベルが調整される。
【0034】なお、このDPLL回路は、位相検出及び
データ検出を数値演算により行っているので、初期状態
を自由に設定できるという利点がある。このため、位相
値発生器5の出力段に設けた遅延回路42の初期値とし
て、位相検出器1の検出出力PCと同じ値をセットする
ことも可能である。このような初期設定を行うと、ルー
プのロックイン期間を短縮することができる。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
離散入力信号の数値演算処理によってサンプル点に対す
るゼロクロス点の位相及びデータを直接求めるようにし
ているので、低いクロック周波数で高い分解能を得るこ
とができ、マルチトラックへの対応も容易になるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例に係るディジタルPLL・
データ検出回路のブロック図である。
【図2】 同回路における位相検出動作を説明するため
の図である。
【図3】 同回路における位相検出器の構成を示すブロ
ック図である。
【図4】 同回路における位相比較器の構成を示すブロ
ック図である。
【図5】 同位相比較器の動作を説明するための図であ
る。
【図6】 同回路におけるループフィルタの構成を示す
ブロック図である。
【図7】 同回路における位相値発生器の構成を示すブ
ロック図である。
【図8】 同回路におけるデータ検出動作を説明するた
めの図である。
【図9】 同回路におけるデータ検出・クロック再生器
の構成を示すブロック図である。
【図10】 同回路における再生クロック生成動作を説
明するためのタイミングチャートである。
【図11】 同回路におけるデータ検出動作を説明する
ための図である。
【図12】 同回路の各部の動作波形図である。
【図13】 同回路の各部の動作波形図である。
【図14】 同回路におけるディフェクト対策付きルー
プフィルタの構成を示すブロック図である。
【図15】 同回路におけるスライスレベル調整機能付
き位相検出器の構成を示すブロック図である。
【図16】 同回路におけるスライスレベル調整処理を
説明するための図である。
【図17】 従来のディジタルPLL回路の構成を示す
ブロック図である。
【図18】 同PLL回路の動作波形図である。
【図19】 DCCの再生処理部のブロック図である。
【符号の説明】
1…位相検出器、2…位相比較器、3…位相予測器、4
…ループフィルタ、5…位相値発生器、6…データ検出
・クロック再生器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離散入力信号からゼロクロス点の有無を
    検出し、 前記ゼロクロス点の前後の離散入力信号を用いた数値演
    算処理により前記離散入力信号のサンプル点に対する前
    記ゼロクロス点の位相を算出し、 上記算出された位相に基づいて再生クロックの位相を制
    御することを特徴とする位相同期方法。
  2. 【請求項2】 離散入力信号からゼロクロス点の有無を
    検出すると共に、前記ゼロクロス点の前後の離散入力信
    号を用いた数値演算処理により前記離散入力信号のサン
    プル点に対する前記ゼロクロス点の位相を算出する位相
    検出手段と、 この位相検出手段で算出された位相と位相予測値との位
    相差を算出する位相比較手段と、 この位相比較手段で算出された位相差を積分処理して前
    記位相予測値を出力する位相予測手段と、 前記位相予測値に基づいて位相シフトされた再生クロッ
    クを出力するクロック再生手段とを具備したことを特徴
    とする位相同期回路。
  3. 【請求項3】 離散入力信号からゼロクロス点の有無を
    検出し、 前記ゼロクロス点の前後の離散入力信号を用いた数値演
    算処理により前記離散入力信号のサンプル点に対する前
    記ゼロクロス点の位相を算出し、 上記算出された位相と位相予測値との位相差を積分処理
    して前記位相予測値を算出し、 前記離散入力信号から前記位相予測値におけるデータ値
    を数値演算処理により算出し、 得られた前記位相予測値におけるデータ値を2値化した
    値を検出データとすることを特徴とするデータ検出方
    法。
  4. 【請求項4】 離散入力信号からゼロクロス点の有無を
    検出すると共に、前記ゼロクロス点の前後の離散入力信
    号を用いた数値演算処理により前記離散入力信号のサン
    プル点に対する前記ゼロクロス点の位相を算出する位相
    検出手段と、 この位相検出手段で算出された位相と位相予測値との位
    相差を算出する位相比較手段と、 この位相比較手段で算出された位相差を積分処理して前
    記位相予測値を出力する位相予測手段と、 前記離散入力信号から前記位相予測値におけるデータ値
    を数値演算処理により算出し、得られた前記位相予測値
    におけるデータ値を2値化した値を検出データとして出
    力するデータ検出手段とを具備したことを特徴とするデ
    ータ検出回路。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010130366A (ja) * 2008-11-27 2010-06-10 Fujitsu Ltd データ復元回路、データ復元方法、及びデータ受信装置
JP2011035846A (ja) * 2009-08-05 2011-02-17 Fujitsu Ltd 位相比較器及びその位相比較器を用いたクロック・リカバリ回路
JP2014187529A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Fujitsu Ltd 受信回路、及び半導体集積回路
JP2015005812A (ja) * 2013-06-19 2015-01-08 富士通株式会社 受信回路および受信方法

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