JPH0611861U - スプレーヤ用揺動ノズル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で、走行路面の凹凸、傾斜等に合
わせて噴霧ノズルが自動的に揺動させられ、効率的な薬
液散布が行えること。 【構成】 両端に噴霧ノズル７が取り付けられた適数本
のノズル管８の略中央部が車体１に設けられた支柱６に
それぞれ揺動自在に取り付けられ、前記それぞれのノズ
ル管８の略中央部の下方にそれぞれ錘１０が設けられて
なる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、農作物等に薬液、液体肥料、水等の液体を効率的に散布するための スプレーヤ用揺動ノズル装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、各種の果樹園等では、作業者が搭乗して薬液等の散布を行う走行式スプ レーヤあるいは歩行式スプレーヤが利用されている。

【０００３】 例えば、前記走行式スプレーヤは、作業者が搭乗して走行させつつ、前記車体 に搭載されたタンク内の薬液、液体肥料、水等の液体を車体後部等に設けた噴霧 ノズルから車体の進行方向の左右両側に向けて噴霧できるように構成されている 。

【０００４】 前記噴霧ノズルは、一般に車体後部等に設けた支柱に取り付けられ、また、散 布効果を高めるために特別に設けた噴霧ノズルの機械的揺動装置によって揺動す るように構成することも提案されていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来の噴霧ノズル装置では、走行路面に凹凸があった場合、あるいは傾い ている場合のいずれの場合も、噴霧ノズルが支柱に固定されているので、噴霧方 向が大きくずれてしまい、薬液、液体肥料、水等の液体の散布むらが生じる場合 があった。

【０００６】 さらに、特別に噴霧ノズルの機械的揺動装置を設けなければならず、装置が複 雑かつ高価となるものであった。

【０００７】 本考案は前記事情に鑑みてなされたもので、各種複雑な機械的揺動装置を設け る必要がなく、簡単な構成で、走行路面の凹凸、傾斜等に合わせて噴霧ノズル及 びその散布方向が自動的に変更され、効率的な薬液散布が行えるスプレーヤ用揺 動ノズル装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため、本考案は、両端に噴霧ノズルが取り付けられた適数 本のノズル管の略中央部が車体に設けられた支柱にそれぞれ揺動自在に取り付け られ、前記それぞれのノズル管の略中央部の下方にそれぞれ錘が設けられてなる 構成としたものである。

【０００９】

【作用】

本考案の揺動ノズル装置を有するスプレーヤを使用すると、傾斜地等において 車体１が傾斜した場合にも散布むらのない、効率的な薬液散布を行うことができ る。

【００１０】 すなわち、本考案の揺動ノズル装置は、両端にそれぞれ噴霧ノズル７を取り付 けたノズル管８の略中央部が、車体１に設けられた支柱６にそれぞれ揺動自在に 取り付けられ、前記ノズル管８の略中央部の下方に錘１０が取り付けられる。

【００１１】 したがって、走行路面が平坦な場合には、図４に示したように、左右の噴霧ノ ズル７がノズル管８の略中央部の下方に設けた錘１０の働きによって常にほぼ水 平を保ち、両側にある果樹等に対して散布むらのない、効率的な薬液散布が行わ れる。

【００１２】 つぎに、走行路面が平坦でなく、凹凸面、傾斜地等の場合には、図５に示され ているように、車体１は傾斜するが前記錘１０の働きによってノズル管８及びそ の両端に取り付けられた左右の噴霧ノズル７が自動的に揺動してほぼ水平を保ち 、傾斜等の影響を受けることがなく、両側の果樹等に対して散布むらのない、効 率的な薬液散布を行うことができる

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

【００１４】 図１は本考案の揺動ノズル装置を取り付けた走行式スプレーヤの概略斜視図、 図２は揺動ノズル装置部の拡大斜視図、図３は他の実施例を示す揺動ノズル装置 部の拡大斜視図、図４は平坦地での走行スプレーヤの使用状態を示す背面図、図 ５は車体傾斜時の走行スプレーヤの使用状態を示す背面図である。

【００１５】 図１に示された走行スプレーヤは、その車体１の前方に設けられる操作用ハン ドルを有する運転席２、下面に設けられた走行クローラーからなる走行装置３、 さらには前記運転席２の後方位置の前記車体１上に薬液、液体肥料、水等の液体 を溜めておくタンク４を搭載して一体に構成される。

【００１６】 そして、前記タンク４内の液体を原動機５により駆動されるポンプ（図示せず ）によって、前記車体１の後部に立設した支柱６にそれぞれ揺動自在に取り付け られたノズル管８に供給し、該ノズル管８の左右両端に取り付けられた噴霧ノズ ル７から前記車体１の進行方向の左右両側に向けて噴霧できるように構成されて いる。

【００１７】 なお、前記車体１は、作業者が搭乗するもの、あるいは作業者が歩行して操作 用ハンドルを持って走行させるもののいずれであってもよい。

【００１８】 本考案は前記支柱６に取り付けられる噴霧ノズル７部の改良に関するものであ る。

【００１９】 すなわち、図２に示されているように、左右両端に噴霧ノズル７が取り付けら れた適当長さのノズル管８の略中央部が前記支柱６の後面に揺動自在に取り付け られ、さらに、前記ノズル管８の略中央部の下方にそれぞれ錘１０が取り付けら れて構成される。

【００２０】 なお、図２の実施例では、前記ノズル管８を前記支柱６との間により戻し継手 ９を介して取り付けて構成している。

【００２１】 該より戻し継手９は詳細を図示していないが、内部に薬液、液体肥料、水等の 液体通路が設けられ、前記支柱６側の固着部分９ａと前記ノズル管８の中央部側 に連設された回動部分９ｂとが滑らかに相対回動するように構成され、図示しな い前記支柱６の内部から前記液体を前記噴霧ノズル７へ供給できる構成となって いる。

【００２２】 前記構成の本考案は、車体１の傾斜にかかわらず、前記ノズル管８の略中央部 の下方に取り付けられた錘１０の働きによって、ノズル管８及び噴霧ノズル７が 常にほぼ水平となるように揺動する。

【００２３】 なお、前記支柱６に対する前記ノズル管８の揺動自在の取り付けは、前記実施 例に限るものではなく、例えば、図３に示されているように、前記支柱６に枢支 持軸１１を設け、該枢支軸１１に前記ノズル管８の略中央部から上方へ突設した ブラケット８ａを嵌着せしめて単純に吊り下げ支持する方法であってもよい。

【００２４】 そして、前記ノズル管８の略中央部の下方に錘１０が設けられるが、該錘１０ に変えて、前記ノズル管８の略中央部の下方により戻し継手１４を介して給液管 １３からの薬液ホース１２を連結して、ノズル管８自体、及び薬液ホース１２に 錘の役目を持たせた構成としてもよい。

【００２５】 前記構成の本考案の揺動ノズル装置を有するスプレーヤは、走行路面が平坦な 場合には、図４に示されているように、噴霧ノズル７がノズル管８の略中央部の 下方に設けた錘１０の働きによって車体１の進行方向の左右両側に向けて地面と 平行に保持され、両側の果樹等に対して散布むらのない効率的な薬液散布を行う ことができる。

【００２６】 つぎに、走行路面が平坦でなく、凹凸面、傾斜地等の場合には、図５に示した ように、車体１は傾斜するが、ノズル管８の略中央部に取り付けた錘１０の働き によってノズル管８及びその両端に取り付けられた噴霧ノズル７が自動的に回動 して常時ほぼ水平を保ち、車体１の傾斜等により適度に揺動し、両側の果樹等に 対して散布むらのない効率的な薬液散布を行うことができる。

【００２７】 前記のごとく、本考案は、特別の機械的揺動装置が不要であり、簡単な機構で 散布むらのない効率のよい薬液散布を行うことができる。

【００２８】

【考案の効果】

本考案によれば、簡単な構成で走行面の凹凸、傾斜等に合わせて噴霧ノズル７ が自動的に揺動させられ、効率的な薬液散布作業を行うことができるとともに、 安価に提供できる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の揺動ノズル装置を取り付けた走行式ス
プレーヤの概略斜視図である。

【図２】揺動ノズル装置部の拡大斜視図である。

【図３】他の実施例を示す揺動ノズル装置部の拡大斜視
図である。

【図４】平坦地での走行スプレーヤの使用状態図であ
る。

【図５】車体傾斜時の走行スプレーヤの使用状態図であ
る。

【符号の説明】

１ 車体 ６ 支柱 ７ 噴霧ノズル ８ ノズル管 １０ 錘

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端に噴霧ノズル７、７が取り付けられ
   た適数本のノズル管８の略中央部が車体１に設けられた
   支柱６にそれぞれ揺動自在に取り付けられ、前記それぞ
   れのノズル管８の略中央部の下方にそれぞれ錘１０、１
   ２が設けられてなることを特徴とするスプレーヤ用揺動
   ノズル装置。