JPH0441960Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は蔬菜等の防除に使用され、駆動手段
を備えた動力噴霧機が備えられるセツト動噴１３
と動力噴霧機に薬剤を供給しうる薬剤タンクとが
配設される移動可能な薬剤タンク車に関するもの
である。

［従来の技術］ 従来のこの種の薬剤タンク車は、小型トラツク
等の走行装置の荷台に、薬剤タンク、動力噴霧機
を備えたセツト動噴、散布ホースが巻設されるホ
ース巻車セツト等が配設され、散布場所近くまで
走行装置を移動し、散布ホースを伸ばして散布す
る構成である。

〔考案が解決しようとする課題〕 したがつて走行装置の停車位置から散布場所ま
での距離が長い場合には、ホースを長く伸ばす必
要があり、それだけホース内の圧力降下が大きく
なり、ノズル部分の散布圧力を維持するために、
ポンプの元圧を高くする必要があり、より高価な
ポンプを必要とし、また長いホースにより、作物
を傷付けるおそれがある等の問題がある。

また蔬菜等の散布作業に際しては、背負動力散
布機により散布することも可能で、この際には長
いホースを必要とせず、前記問題はないが、薬剤
タンク容量が比較的小容量であるため、一回の散
布量に限度があり、薬剤タンクが空になる度に、
農道に止めたトラツクの荷台のタンクや近くの水
源まで戻り、薬剤等を補給する必要があり、広域
散布をする際には何度も薬剤等の補給をしなけれ
ばならず、大変面倒である。さらに散布場所が山
間部である場合、満水状態下の背負動力散布機の
移動はバランスをとりながらの作業となり、作業
者への負担も大きかつた。

［課題を解決するための手段］ この考案は以上に述べた事情に鑑みなされたも
ので、車輪２を有する第１の枠体１に薬剤タンク
２３を搭載してなる薬剤タンク車をベースとし、
これに、前記第１の枠体１に取り付けられた第２
の枠体１５に載置される第１のエンジン９及びこ
の第１のエンジン９に駆動される動力噴霧機１０
をもつセツト動噴１３と、内部に伝動軸４１が内
装される外管３９及びこの外管３９の一端に取り
付けられる第２のエンジン４０並びに前記外管３
９の他端に取り付けられて前記移動用車輪２を駆
動する減速機４２からなる走行用駆動装置とを、
着脱自在に構成してなる薬剤タンク車を提案する
ものである。

［作用］ すなわちこの考案は、車輪により走行可能な第
１の枠体にハンドル及び薬剤タンクが配設される
手押し式の薬剤タンク車をベースとし、この薬剤
タンク車の第２の枠体に、散布管と、動力噴霧機
を有するセツト動噴とを着脱自在に配設して、蔬
菜等の広域防除を容易にすると共に、走行駆動装
置を装着可能とした薬剤タンク車である。

［実施例］ 以下添付図面に基づいてこの考案の一実施例を
説明する。

第１図は、この考案による薬剤タンク車の全体
斜視図で、図中１は前部下方に軸支される車輪２
によつて走行可能なパイプ材等により枠組されて
なる第１の枠体で、この第１の枠体１の後部下方
には一対の脚３が突設され、停止した際に後部が
支持される。また枠体１の後部には一対の棒状の
ハンドル４が後方に突設されると共に、ハンドル
４の下方の第１の枠体１後部には、第２の枠体と
してのほぼ水平板状の取付台５が、肘板５ａによ
り保持されつつ後方に張り出されるように、溶接
等により固着される。

第２図に示すように、取付台５の第１の枠体１
に固着される前方端部には、断面コ字形に上方に
折曲されてなる係止部６が形成され、一方取付台
５の後端部にはほぼ垂直下方に折曲される折曲部
７が形成される。

前記取付台５上には、セツト台８上に駆動手段
であるエンジン９を有する動力噴霧機１０及びそ
の上方に燃料タンク１２が備えられるセツト動噴
１３が、セツト台８の前端部を取付台５の係止部
６に挿入係止すると共に、上端部がほぼ水平前方
に折曲されてなる押え部１４が形成されるほぼ垂
直板状の固定板１５の前記押え部１４をセツト台
８の後端部に当接し、取付台５の折曲部７に穿設
される通孔１６及び固定板１５に穿設される長孔
１７を共に貫通しかつ折曲部７の裏面に固着され
るナツト１８に、蝶ボルト１９にねじ連結するこ
とにより、着脱自在に取付台５に装着される。な
お動力噴霧機１０には、吐出口２０、吸水口２１
及び余水口２２が形成される。

前記第１の枠体１の上部には、第４図に示すよ
うに、ほぼ中空直方体に合成樹脂等により形成さ
れる薬剤タンク２３が挿入載設される。薬剤タン
ク２３の上面にはキヤツプ２４により開閉可能に
閉鎖された薬剤投入口２５が形成され、また後部
に形成される切欠部２６にはそれぞれコツク２
７，２８が備えられると共に、前記動力噴霧機１
０の吸水口２１及び余水口２２にそれぞれ連結さ
れる吸水口２９及び余水口３０が形成され、また
薬剤タンク２３の前部下方には薬剤抜き用のドレ
ン口３１が形成される。

第３図に示すように、前記第１の枠体１の前端
部ほぼ中央には、前方に張り出される台部３２が
形成され、台部３２上面には円筒状の支柱受部３
３が上下方向に立設され、支柱受部３３には支柱
３４の下端部が挿入され、かつ蝶ボルトからなる
固定ボルト３５により着脱自在に固定されて、支
柱３４が台部３２に立設される。支柱３４の上端
部にはほぼＴ字形とされるように散布管３６がほ
ぼ左右水平方向に張り出され、散布管３６には複
数のノズル３７が下方に向つて配設されると共
に、散布管３６と前記動力噴霧機１０の吐出口２
０とを連結する可撓性のホースからなる送液管３
８が配設される。

前記第１の枠体１の後部下方には、取付具Ｘを
介して外管３９が装着され、この外管３９の一端
には第２のエンジン４０が取り付けられ、このエ
ンジン４０の伝動軸４１は前記外管３９内を通つ
て前記外管３９の他端に取り付けられる減速機４
２に連結され、この減速機４２は車輪２の車軸２
ａ（第５図）と連結され、これにより車輪２は第
２のエンジン４０によつて回転駆動されるのであ
る。

［考案の効果］ この考案による薬剤タンク車は以上に述べたよ
うであるから、単なる手押し式の移動可能な薬剤
タンク車をベースとし、これにセツト動噴を着脱
可能に装着したものであるから、先ず第１にセツ
ト動噴をもつ大量散布が可動であり、また実際
上、刈払機の刈刃部分を取り除いた形態の、量産
容易な走行駆動装置を用いることにより、散布対
象物を傷めたり、巻き込んだりすることなく動力
伝達できるとともに、走行労力の軽減を図ること
ができ、更に山間傾斜地での移動が容易となる等
の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の薬剤タンク車の全体斜視
図、第２図はこの薬剤タンク車の後部側面図、第
３図はこの薬剤タンク車の前部斜視図、第４図は
この薬剤タンク車に使用される薬剤タンクの斜視
図、第５図はこの考案の薬剤タンク車の駆動系の
一部断面図である。 なお図において、１……第１の枠体、２……車
輪、４……ハンドル、５……取付台（第２の枠
体）、９……駆動手段（第１のエンジン）、１０…
…動力噴霧機、１３……セツト動噴、２０……吐
出口、２１，２９……吸水口、２２，３０……余
水口、２３……薬剤タンク、２５……薬剤投入
口、３１……ドレン口、３６……散布管、３９…
…外管、４０……第２のエンジン、４１……伝動
軸、４２……減速機である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輪２を有する第１の枠体１に薬剤タンク２３
   を搭載してなる薬剤タンク車をベースとし、これ
   に、前記第１の枠体１に取り付けられた第２の枠
   体１５に載置される第１のエンジン９及びこの第
   １のエンジン９に駆動される動力噴霧機１０をも
   つセツト動噴１３と、内部に伝動軸４１が内装さ
   れる外管３９及びこの外管３９の一端に取り付け
   られる第２のエンジン４０並びに前記外管３９の
   他端に取り付けられて前記移動用車輪２を駆動す
   る減速機４２からなる走行用駆動装置とを、着脱
   自在に構成される薬剤タンク車。