JPH0611808A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JPH0611808A
JPH0611808A JP6843093A JP6843093A JPH0611808A JP H0611808 A JPH0611808 A JP H0611808A JP 6843093 A JP6843093 A JP 6843093A JP 6843093 A JP6843093 A JP 6843093A JP H0611808 A JPH0611808 A JP H0611808A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の第一の目的は、安価に製造すること
ができ、発色性に優れた新規な2当量カプラーを含有す
るハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することにあ
る。本発明の第二の目的は、発色現像時に現像主薬の酸
化体と反応して、優れた画像保存性(特に優れた耐光
性、耐湿熱性)と、かつ忠実な色再現性のために必要な
シャープを可視吸収スペクトルを示し鮮やかな色画像を
与える色素を生成するハロゲン化銀カラー写真感光材料
を提供することにある。 【構成】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳
剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
て、前記ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層にアシル
基が下記の一般式[I]で表されるアシルアセトアミド
型イエローカプラーを含有すること。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀カラー写
真感光材料に関し、詳しくは安価に製造でき、発色性に
優れ、さらに画像保存性に優れた新規な2当量イエロー
カプラーをハロゲン化銀乳剤層に用いたハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料に関するものである。
【0002】
【発明の背景】近年、ハロゲン化銀カラー写真感光材料
(以下、単にカラー感光材料とも言う)においては、1
分子の色素を形成させるために4原子の銀を必要とした
従来の4当量カプラーの代わりに、現像主薬の酸化物と
反応するカプラーのカップリング位置(活性点)に適当
な置換基を導入することによって色素1分子を形成させ
るための銀を2原子で足りるようにした2当量カプラー
が多く用いられる傾向にある。
【0003】しかしながら、カラー感光材料の進歩にと
もなってカプラーに対する要求はますます厳しくなりつ
つあり、発色性のみならず色再現性、画像保存性、低沸
点及び高沸点溶媒に対する溶解性、及び分散安定性につ
いてさらなる改良が要求されるようになってきている。
【0004】色再現性と発色性を向上させる技術とし
て、環状イミド構造を有する複素環化合物を脱離基とし
て有し、さらにアニライド部の2位にアルコキシ基を導
入したイエローカプラーが知られている。例えば、特開
昭52―115219号公報にはアニライド部の2位にアルコキ
シ基を有し、脱離基としてヒダントイン基あるいはウラ
ゾール基を有するイエローカプラーが記載されている。
しかしこのカプラーはバラスト基として存在するスルフ
ァモイル基のため、耐光性に著しく劣るという欠点が存
在する。
【0005】良好な色再現性を維持したままで、さらに
耐光性を向上させたものとして、例えば、特開昭50―63
41号公報、同63―123047号公報、特開平3―125140号公
報、同3―125141号公報、および特願平2―245949号明細
書に記載されているような、アニライド部の2位にアル
コキシ基を、5位にアシルアミノ基を、脱離基としてヒ
ダントイン基あるいはウラゾール基を有するイエローカ
プラーが知られている。しかし、これらのカプラーにお
いては発色性に若干劣るため、近年の高発色化への要求
に対しては十分満足させるものではない。
【0006】発色性をさらに改良するためのひとつの手
段として、脱離基の親水性を上げることが知られてい
る。例えば、特開昭50―132926号公報にはアニライド部
の2位にアルコキシ基を、5位にアリールオキシ基で置
換されたアルキルアシルアミノ基を、脱離基として窒素
原子上が無置換のウラゾール基を有するイエローカプラ
ーが記載されている。また、特開平3―209241号公報、
同3―209242号公報、同3―209243号公報、同3―209244
号公報、同3―209460号公報、同3―209461号公報、同3
―209462号公報、同3―209463号公報、同3―209464号公
報、同3―209465号公報、同3―209466号公報、同3―209
467号公報、同3―209470号公報、同3―211548号公報、
同3―211549号公報、および同3―229248号公報等にはア
ニライド部の2位にアリールオキシ基を、5位に無置換
のアルキルアシルアミノ基を、脱離基として窒素原子上
が無置換のヒダントイン基を有するイエローカプラーが
記載されている。しかしながらこれらのカプラーにおい
ては置換基として存在するアリールオキシ基により脱離
基の親水性が相殺されてしまい、発色性は未だ十分満足
できるレベルには到達していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題に鑑
みてなされたもので、本発明の第一の目的は、安価に製
造することができ、発色性に優れた新規な2当量カプラ
ーを含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供す
ることにある。
【0008】本発明の第二の目的は、発色現像時に現像
主薬の酸化体と反応して、優れた画像保存性(特に優れ
た耐光性、耐湿熱性)と、かつ忠実な色再現性のために
必要なシャープな可視吸収スペクトルを示し鮮やかな色
画像を与える色素を生成するハロゲン化銀カラー写真感
光材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する
ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、前記ハロゲ
ン化銀乳剤層の少なくとも1層にアシル基が下記の一般
式[I]で表されるアシルアセトアミド型イエローカプ
ラーを含有することによって達成された。
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1およびR2はアルキル基または
シクロアルキル基を表す。Lはアルキレン基を表し、X
は二価の連結基を表す。R3は無置換のアルキル基ある
いはシクロアルキル基を表す。nは0または1を表す。
Zは>C(R4)R5または >NR4を表し、R4および
5は水素原子または置換基を表す。)
【0012】
【発明の具体的な説明】上記一般式[I]においてR1
よびR2で表されるアルキル基としては、直鎖あるいは
分岐のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、i―
プロピル基、t―ブチル基、n―ドデシル基、および1―
ヘキシルノニル基等が上げられる。また、R1およびR2
で表されるシクロアルキル基としては、シクロプロピル
基、シクロヘキシル基、及びアダマンチル基等が挙げら
れる。これらR1およびR2で表されるアルキル基および
シクロアルキル基はさらに置換基を有することができ、
置換基としては例えば、ハロゲン原子(例えば塩素原
子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基、アリール基
(例えばフェニル基、p-t-オクチルフェニル基、2,4-ジ
-t-アミルフェニル基等)、ヒドロキシ基、アルコキシ
基(例えばメトキシ基、2-エトキシエトキシ基等)、ア
リールオキシ基(例えばフェノキシ基、2,4-ジ-t-アミ
ルフェノキシ基、4-(4-ヒドロキシフェニルスルホニル)
フェノキシ基等)、複素環オキシ基(例えば4-ピリジル
オキシ基、2-ヘキサヒドロピラニルオキシ基等)、カル
ボニルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ピバロイル
オキシ基等のアルキルカルボニルオキシ基、ベンゾイル
オキシ基等のアリールオキシ基等)、スルホニルオキシ
基(例えばメタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメ
タンスルホニルオキシ基、n-ドデカンスルホニルオキシ
基等のアルキルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニ
ルオキシ基、p-トルエンスルホニルオキシ基等のアリー
ルスルホニルオキシ基)、カルボニル基(例えばアセチ
ル基、ピバロイル基等のアルキルカルボニル基、ベンゾ
イルイル基、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾイル
基等のアリールカルボニル基等)、オキシカルボニル基
(例えばメトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシ
カルボニル基、n-ドデシルオキシカルボニル基等のアル
コキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、2,4-ジ
-t-アミルフェノキシカルボニル基、1-ナフチルオキシ
カルボニル基等のアリールオキシカルボニル基、および
2-ピリジルオキシカルボニル基、1-フェニルピラゾリル
-5-オキシカルボニル基などの複素環オキシカルボニル
基等)、カルバモイル基(例えばジメチルカルバモイル
基、4-(2,4-ジ-t-アミルフェノキシ)ブチルアミノカル
ボニル基等のアルキルカルバモイル基、フェニルカルバ
モイル基、1-ナフチルカルバモイル基等のアリールカル
バモイル基)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル
基、トリフルオロメタンスルホニル基等のアルキルスル
ホニル基、およびp-トルエンスルホニル基等のアリール
スルホニル基)、スルファモイル基(例えばジメチルス
ルファモイル基、4-(2,4-ジ-t-アミルフェノキシ)ブチ
ルアミノスルホニル基等のアルキルスルファモイル基、
フェニルスルファモイル基等のアリールスルファモイル
基)、アミノ基(例えばジメチルアミノ基、シクロヘキ
シルアミノ基、n-ドデシルアミノ基等のアルキルアミノ
基、アニリノ基、p-t-オクチルアニリノ基等のアリール
アミノ基等)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスル
ホニルアミノ基、ヘプタフルオロプロパンスルホニルア
ミノ基、n-ヘキサデシルスルホニルアミノ基等のアルキ
ルスルホニルアミノ基、p-トルエンスルホニル基、ペン
タフルオロベンゼンスルホニルアミノ等のアリールスル
ホニルアミノ基)、アシルアミノ基(例えばアセチルア
ミノ基、ミリストイルアミノ基等のアルキルカルボニル
アミノ基、ベンゾイルアミノ基等アリールカルボニルア
ミノ基)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、t-オ
クチルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニルチ
オ基等)、および複素環チオ基(例えば1-フェニルテト
ラゾール-5-チオ基、5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール
-2-チオ基等)等が挙げられる。
【0013】R1は好ましくはアルキル基であり、分岐
アルキル基がさらに好ましく、t-ブチル基が特に好まし
い。
【0014】R2は好ましくはアルキル基であり、無置
換のアルキル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ま
しい。
【0015】上記一般式[I]においてLで表されるア
ルキレン基としては、直鎖あるいは分岐のアルキレン
基、例えば、メチレン基、エチレン基、2,3―プロピレ
ン基、および1,2―シクロヘキシレン基等が挙げられ
る。これらのアルキレン基のうち好ましくは炭素原子数
1から4までのアルキレン基である。
【0016】上記一般式[I]においてXで表される二
価の連結基としては、例えば、スルフィニル基、スルフ
ェニル基、スルホニル基、スルファモイル基、カルボニ
ル基、カルボニルオキシ基、カルバモイル基、オキシ
基、オキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、
およびスルホニルアミノ基等が挙げられる。これらの連
結基のうち好ましくはスルホニル基、スルファモイル
基、カルボニルオキシ基、カルバモイル基、オキシ基、
オキシカルボニル基、およびアシルアミノ基であり、ス
ルホニル基、カルボニルオキシ基、およびカルバモイル
基が特に好ましい。
【0017】上記一般式[I]においてnは0または1
を表し、0が好ましい。
【0018】上記一般式[I]においてR3は好ましくは
無置換のアルキル基またはシクロアルキル基であり、例
えば、上記一般式[I]においてR1およびR2で表され
るアルキル基、シクロアルキル基と同義の基を挙げるこ
とができる。これらのうちR3としてはアルキル基が好
ましく、直鎖のアルキル基がさらに好ましく、炭素原子
数15から21の直鎖のアルキル基が特に好ましい。
【0019】上記一般式[I]においてZは>C(R4
5または>NR4を表す。ここでR4およびR5で表され
る置換基としては例えば、上記一般式[I]においてR3
で表されるベンゼン環上に置換可能な基と同義の基を挙
げることができる。またこれらの置換基はさらに置換基
を有することもでき、置換基としては例えば、 上記一
般式[I]においてR3で表されるベンゼン環上に置換可
能な基と同義の基を挙げることができる。これらR4
よびR5で表される置換基は同一であっても異なってい
てもよい。また互いに結合し、環状構造を形成してもよ
い。
【0020】上記一般式[I]においてZが>C(R4
5である場合、R4およびR5で表される置換基として
はアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、およびスルホ
ニル基が好ましく、アルキル基がさらに好ましく、メチ
ル基が特に好ましい。
【0021】上記一般式[I]で表される二当量イエロ
ーカプラーはいずれかの置換基において結合し、ビス
体、トリス体、テトラキス体、あるいはポリマー体を形
成してもよい。
【0022】次に、本発明に用いられる一般式[I]で
表される二当量イエローカプラーの代表的具体例を示す
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】本発明の一般式[I]で表されるイエロー
カプラーは容易に入手できる市販の化合物を出発原料と
して用い、従来公知の方法により容易に合成することが
できる。以下、本発明の代表的な具体例を示す。
【0030】
【化9】
【0031】4当量カプラー(A)5.3gをクロロホルム
50ml中に溶解し、室温下塩化スルフリル2.0gを滴下し
た。滴下後、そのまま一時間攪拌し、反応液を水洗し
た。水洗した有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水後、
減圧下溶媒を除去した。
【0032】得られた残渣をアセトン50ml中に溶解し、
これに5,5―ジメチルヒダントイン2.5gおよび炭酸カリ
ウム2.7gを加え二時間加熱還流した。不溶物を濾別した
後、減圧下溶媒を除去した。残渣を酢酸エチル100ml中
に溶解し、5%炭酸カリウム水溶液及び希塩酸で洗浄。
有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水後、減圧下溶媒を
除去し、残渣を30mlのメタノールに溶解して再結晶を行
ない、目的とする例示カプラー(1)を得た。収量6.3g
(収率61%)。
【0033】例示カプラー(1)の構造は、NMR、I
R、およびマススペクトルにより確認した。
【0034】例示カプラー(1)以外の例示カプラー
も、それらにそれぞれ対応する原料から出発し、上記合
成例に準じて合成された。
【0035】本発明のイエローカプラーは1種または2
種以上を組み合わせて用いることができる。また、公知
のあらゆるピバロイルアセトアニリド系またはベンゾイ
ルアセトアニリド系イエローカプラーと併用することも
できる。
【0036】本発明のイエローカプラーをカラー写真感
光材料のハロゲン化銀写真乳剤中に含有させるには、例
えば、トリクレジルホスフェートまたはジブチルフタレ
ート等の沸点175℃以上の高沸点有機溶媒及び酢酸エチ
ル、メタノール、アセトン、クロロホルム、塩化メチル
またはプロピオン酸ブチルのような、従来、カプラー分
散液を調整する際に用いられている低沸点有機溶媒の1
種または2種以上に、単独でまたは併用して溶解した
後、界面活性剤を含むゼラチン水溶液と混合し、ついで
この混合物を高速度回転ミキサーまたはコロイドミルで
乳化分散させた後、得られた乳化分散液をハロゲン化銀
写真乳剤中に直接添加するか、あるいは上記乳化分散液
をセットした後、細断し、ついで水洗等の手段により低
沸点有機溶媒を除去した後、これをハロゲン化銀写真乳
剤中に添加すればよい。
【0037】一般に、本発明のイエローカプラーはハロ
ゲン化銀1モル当り約1×10-3モル〜約1モル添加する
のが好ましいが、この添加量はその適用目的により、こ
れ以外の量に変更してもよい。
【0038】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
はどのような種類および用途のものでもよく、そして、
そのハロゲン化銀としては、例えば塩化銀、臭化銀、沃
化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀等が用いられ
る。
【0039】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
には、本発明に係るイエローカプラーと共に、多色カラ
ー画像を形成するための他のカラーカプラーを含有させ
ることができる。
【0040】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
においては、色カブリ防止剤、画像安定剤、硬膜剤、可
塑剤、ポリマーラテックス、ホルマリンスカベンジャ
ー、媒染剤、現像促進剤、現像遅延剤、蛍光増白剤、マ
ット剤、溶剤、帯電防止剤、界面活性剤等を任意に用い
ることができる。
【0041】なお、本発明のイエローカプラーを含有す
るハロゲン化銀カラー写真感光材料に紫外線吸収剤を含
有させることによって、その感光材料に生ずる黄色画像
の耐久性を更に向上させることができる。
【0042】
【実施例】ついで、実施例を参照して本発明を説明する
が、本発明の実施の態様はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0043】紙支持体の片面にポリエチレンをラミネー
トしもう一方の面に酸化チタンを含有するポリエチレン
をラミネートした支持体上に、以下に示す構成の各層を
酸化チタンを含有するポリエチレン層の側に塗設し多層
ハロゲン化銀カラー写真感光材料101を作製した。塗布
液は下記の如く調製した。
【0044】第1層塗布液 イエローカプラー(1)24.4g、色素画像安定化剤(S
T−1)7.26g、色素画像安定化剤(ST−2)7.26g、
添加剤(HQ−1)0.67g、イラジエーション防止染料
(AI−3)、高沸点有機溶媒(DNP)6.05gに酢酸
エチル60mlを加え溶解し、この溶液を20%界面活性剤
(SU−1)7mlを含有する10%ゼラチン水溶液220ml
に超音波ホモジナイザーを用いて乳化分散させてイエロ
ーカプラー分散液を作製した。この分散液を下記条件に
て作製した青感性ハロゲン化銀乳剤(銀8.68g含有)と
混合し第1層塗布液を調整した。
【0045】第2層〜第7層塗布液も上記第1層塗布液
と同様に調整した。
【0046】また硬膜剤として第2層及び第4層に(H
−1)を、第7層に(H−2)を添加した。塗布助剤と
しては、界面活性剤(SU−2)、(SU−3)を添加
し、表面張力を調整した。なお以下のすべての実施例に
おいてハロゲン化銀写真感光材料中の添加量は特に記載
のない限り1m2当たりのグラム数を示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【化10】
【0050】
【化11】
【0051】
【化12】
【0052】
【化13】
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】
【化16】
【0056】
【化17】
【0057】(青感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法)40
℃に保温した2%ゼラチン水溶液1000ml中に下記(A
液)及び(B液)をpAg=6.5、pH=3.0に制御しつつ
30分かけて同時添加し、さらに下記(C液)、及び(D
液)をpAg=7.3 、pH=5.5に制御しつつ180分かけて
同時添加した。pHの制御は硫酸または水酸化ナトリウム
の水溶液を用いて行った。pAgの制御は、下記組成の
制御液を用いた。制御液の組成は、塩化ナトリウムと臭
化カリウムからなる混合ハロゲン化物塩水溶液であり、
塩化物イオンと臭化物イオンの比は99.8:0.2とし、制
御液の濃度はA液,B液を混合する際には、0.1モル/
l,C液,D液を混合する際には1モル/lとした。
【0058】(A液) 塩化ナトリウム 3.42g 臭化カリウム 0.03g 水を加えて
200ml に仕上げた (B液) 硝酸銀 10g 水を加えて 200ml に仕上げた (C液) 塩化ナトリウム 102.7g 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 600ml に仕上げた (D液) 硝酸銀 300g 水を加えて 600ml に仕上げた 添加終了後、花王アトラス社製デモールNa5%水溶液
と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った
後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.85μm,変動
係数(σ/r)=0.07、塩化銀含有率の9.5モル%の単
分散立方体乳剤EMP−1を得た。
【0059】上記乳剤EMP−1に対し、下記化合物を
用い50℃にて90分化学熟成を行い、青感性ハロゲン化銀
乳剤(Em−B)を得た。
【0060】 チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX 塩化金酸 0.5mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−1 4×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−2 1×10-4モル/モルAgX (緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法) (A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)
の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして、
平均粒径0.43μm、変動係数(σ/r)=0.08、塩化銀
含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−2を得
た。
【0061】EMP−2に対し、下記化合物を用いて55
℃で120分化学熟成を行い、緑感性ハロゲン化銀乳剤
(Em−G)を得た。
【0062】 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX 塩化金酸 1.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モルAgX 増感色素 GS−1 4×10-4モル/モルAgX (赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法)(A液)と(B
液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変
更する以外はEMP−1と同様にして、平均粒径0.50μ
m、変動係数(σ/r)=0.08、塩化銀含有率99.5モル
%の単分散立方体乳剤EMP−3を得た。
【0063】EMP−3に対して下記化合物を用いて60
℃で90分化学熟成を行い、赤感性ハロゲン化銀乳剤(E
m−R)を得た。
【0064】 チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX 塩化金酸 2.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS−1 1×10-4モル/モルAgX 変動係数は標準偏差(σ)と平均粒径(r)から計算さ
れ、
【0065】
【数1】
【0066】riは粒径を表わし、niは粒径加riであ
る粒子の数を表わす。
【0067】処理条件は下記の通りである。
【0068】 処理工程 温 度 時 間 発色現像 35.0±0.3℃ 45秒 漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 安定化 30〜34℃ 90秒 乾燥 60〜80℃ 60秒発色現像液 純水 800ml トリエタノールアミン 10g N,N-ジエチルヒドロキシルアミン 5g 臭化カリウム 0.02g 塩化カリウム 2g 亜硫酸カリウム 0.3g 1-ヒドロキシエチリデン- 1,1-ジホスホン酸 1.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0gカテコール -3,5-ジスルホン酸 二ナトリウム塩 1.0g ジエチレングリコール 10g N-エチル-N-β-メタンスルホンアミド エチル-3-メチル-4-アミノ アニリン硫酸塩 4.5g 蛍光増白剤(4,4'-ジアミノスチルベン スルホン酸誘導体) 1.0g 炭酸カリウム 27g 水を加えて全量を1lとし、pH=10.10 に調整する。
【0069】漂白定着液 エチレンジアミン四酢酸第二鉄 アンモニウム2水塩 60g エチレンジアミン四酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム (70%水溶液) 100ml 亜硫酸アンモニウム (40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1lとし、炭酸カリウム又は氷酢酸で
pH=5.7に調整する。 安定化液 5-クロロ-2-メチル-4- イソチアゾリン-3-オン 0.2g 1.2-ベンツイソチアゾリン-3-オン 0.3g エチレングリコール 1.0g 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 2.0g o-フェニルフェノールナトリウム 1.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g 水酸化アンモニウム (20%水溶液) 3.0g 蛍光増白剤(4,4'-ジアミノスチルベン スルホン酸誘導体) 1.5g 水を加えて全量を1lとし、硫酸又は水酸化カリウムで
pH=7.0に調整する。
【0070】さらに、作成した試料101の第1層のイエ
ローカプラーおよび色素画像安定化剤を、表3に示すと
おりに変更した以外は試料101と同様にして、試料102〜
114と比較試料115〜118を作成した。なお添加量は、イ
エローカプラーについては試料101における添加量と同
一モル量になるように、また、色素画像安定化剤につい
てはST−1とST−2の1:1混合物としてイエロー
カプラーの添加量の60%(重量比)になるように調整し
た。
【0071】作成した試料を白色光にて0.2秒ウェッジ
露光し、前記処理工程に従って発色現像した後、光学濃
度計(コニカ製PDA-65型)を用いて、最大発色濃度Dm
axおよび最小濃度Dminを測定した。
【0072】また、上記試料を太陽光で4週間曝射し、
初濃度1.0の所の残存濃度を測定した。
【0073】同時に露光・発色現像処理した試料を温度
85℃、湿度60%の暗所に二週間放置した後、初濃度1.0
の所の残存濃度を測定した。
【0074】さらに、カラーチェッカー(マクベス社
製)をコニカカラーSDD100(コニカ株式会社製) により
撮影・現像して得たネガフィルムをグレー部の色調を合
わせた後、上記の作成した試料にプリントし、前記処理
工程に従って発色現像し、黄色における色再現性を評価
した。
【0075】結果を表3に示す。
【0076】
【表3】
【0077】表3に示される結果から、バラスト基中に
アリールオキシ置換基を有する比較カプラーY―1およ
びY―3を用いた比較試料115および117においては、発
色性に劣っているのが分かる。同様に、アニライド環上
にアリールオキシ基を有する比較カプラーY―4を用い
た比較試料118においても発色性と色再現性に劣ってい
ることが分かる。また、脱離基であるヒダントイン基の
窒素原子上に置換基の存在する比較カプラーを用いた比
較試料116においても発色性に劣っていることが分か
る。さらに、これらの比較試料はいずれも耐光性におい
て劣っており、さらに耐湿熱性において著しく劣ってい
ることが分かる。
【0078】これに対し、本発明のカプラーを用いた本
発明試料はいずれも比較試料よりも最大発色濃度が高
く、かつ、カブリの少ない画像色素を形成するばかりで
なく、高い耐光性と耐湿熱性を示し、さらに色再現性に
優れていることが分かる。
【0079】
【発明の効果】本発明のカプラーは容易に入手できる市
販の化合物より容易に合成できた。また、本発明のカプ
ラーをカラー感材に含有させることにより、発色濃度が
高く、カブリが低く、画像保存性がよく、色再現性に優
れた画像が得られることが明かとなった。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料にお
    いて、前記ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層にアシ
    ル基が下記の一般式[I]で表されるアシルアセトアミ
    ド型イエローカプラーを含有することを特徴とするハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料。 【化1】 (式中、R1およびR2はアルキル基またはシクロアルキ
    ル基を表す。Lはアルキレン基を表し、Xは二価の連結
    基を表す。R3は無置換のアルキル基あるいはシクロア
    ルキル基を表す。nは0または1を表す。Zは>C(R
    4)R5または >NR4を表し、R4およびR5は水素原
    子または置換基を表す。)
  2. 【請求項2】 一般式[I]におけるZが>C(R4
    5である請求項1記載のハロゲン化銀カラー写真感光
    材料。
  3. 【請求項3】 一般式[I]におけるZが>NR4である
    請求項1記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  4. 【請求項4】一般式[I]におけるnが0である請求項
    2記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  5. 【請求項5】 一般式[I]におけるR3が直鎖のアルキ
    ル基である請求項4記載のハロゲン化銀カラー写真感光
    材料。
  6. 【請求項6】一般式[I]におけるR3が炭素原子数15か
    ら21のアルキル基である請求項5記載のハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料。
  7. 【請求項7】一般式[I]におけるR1がt―ブチル基で
    あり、R2、R4、およびR5がいずれもメチル基である
    請求項6記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  8. 【請求項8】 一般式[I]におけるR1がt−ブチル基
    であり、R2がメチル基であり、nが0であり、R3が炭
    素原子数13、15、17あるいは21であるアルキル基であ
    り、Zが>C(CH3)2である請求項1記載のハロゲン化銀
    カラー写真感光材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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