JPH06117954A - ガス供給設備異常検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスメータより上流側のガス漏れを検出す
る。 【構成】 ガス流量がなくなった状態をガス流量検出手
段９が検出すると、その信号を受けて計時手段１０が計
時を開始するとともに、閉塞圧記憶手段１１がガス流量
停止時のガス圧力センサ８の信号を記憶する。その後、
計時手段１０が所定のタイミングで信号を発し、その信
号に同期してガス圧比較手段１２がガス圧力センサ８の
信号を取り込み、その信号値と閉塞圧記憶手段１１に記
憶されている値とを比較する。比較した結果、圧力差が
所定値以上でない場合には、ガス供給設備内でガス漏れ
が発生していると判定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガス圧力調整器の異常
及びガス供給配管からのガス漏れを検出するガス供給設
備異常検出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ガス漏れによる爆発事故や、ガス
器具の消し忘れによる火災事故などを防ぐために、ガス
メータの中に、ガス漏れやガス器具の使用時間を監視
し、長時間にわたってガス器具が使われ続けた場合ガス
器具の消し忘れであると判断し、ガスの供給を停止する
ガス遮断装置が組み込まれていた。この装置により、ガ
スメータから下流側に対してガス利用上の安全性が確保
されていた。

【０００３】一方、ガスメータの上流側、例えば、ＬＰ
ガスの場合では、ボンベからガスメータまでの安全管理
については、所定の時期（例、２年に一度）に作業者が
現場に出向いて安全チェックを行っていた。図４は従来
のガス供給設備におけるメータ上流側の安全チェック方
法のブロック構成図である。図４において、１はＬＰガ
スボンベ、２はボンベの元栓、３は圧力調整器、４はガ
スメータ、５はガス器具、６は圧力計、７はペンレコー
ダである。

【０００４】以上のように構成された従来のガス供給設
備では、作業者が現場に出向き、圧力調整器３とガスメ
ータ４の間のガス配管の途中に圧力計６を接続し、ペン
レコーダ７によりガス配管内部のガス圧力を測定してい
た。すなわち、ガスメータ４に内蔵されているガス遮断
弁、及び、ボンベの元栓２を閉じ、ペンレコーダ７に記
録される値を観測し、もしガス漏れがあれば時間ととも
に記録されるガス圧力は低下していくので判定できた。

【０００５】また、圧力調整器３の圧力調整能力につい
てもチェックされ、ＬＰガスボンベの元栓２及びガスメ
ータ４内のガス遮断弁を開状態にし、ガス器具５を通常
の使用状態として圧力計６によりガス圧力を測定してい
た。測定されたガス圧力が所定の値（２３０〜３３０
（mmＨ₂ Ｏ））の間にあれば正常であり、それ以外であ
れば圧力調整器の故障と判断していた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、作業者がいちいち現場に行き、圧力チェ
ック機器を設置して安全確認を行う必要があり、手間と
時間がかかるとともに、常時監視出来ないという課題を
有していた。

【０００７】本発明は、かかる従来の課題を解決するも
ので、自動的にガス供給設備の異常、すなわち、メータ
より上流側のガス漏れを検出することのできるガス供給
設備異常検出装置を提供することを第１の目的とする。

【０００８】さらに本発明は、ガス使用が停止されたと
きのガス圧力センサの信号から閉塞圧をチェックしガス
圧調整器の異常を監視するが、この値が異常であっても
メータより上流側のガス漏れを検出することのできるガ
ス供給設備異常検出装置を提供することを第２の目的と
する。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決し第１の
目的を達成するために、本発明のガス供給設備異常検出
装置は、ガス供給設備である圧力調整器より下流側のガ
ス供給設備のガス圧を検出するガス圧センサと、ガス供
給設備を流れるガス流量を検出するガス流量検出手段
と、前記ガス流量検出手段からガス使用が停止された信
号を受けて作動する計時手段と、同じくガス使用が停止
されたときの前記ガス圧力センサの信号を記憶する閉塞
圧記憶手段と、前記計時手段からの信号に基づく所定の
タイミングで前記ガス圧力センサの信号を前記閉塞圧記
憶手段に保持された値と比較するガス圧比較手段とを備
えたものである。

【００１０】また、第２の目的を達成するために本発明
は、上記構成に加えて、閉塞圧記憶手段に保持された値
を規定された第１の圧力値と比較する閉塞圧異常判定手
段を有し、前記閉塞圧異常判定手段にて異常と判定され
てもガス圧比較手段を計時手段からの信号に基づく所定
のタイミングで作動させるものである。

【００１１】

【作用】本発明は、上記した構成によって、ガス器具が
使われていて、その後、使用が停止した状態、すなわ
ち、ガス流量がなくなった状態をガス流量検出手段が検
出すると、その信号を受けて計時手段が計時を開始する
とともに、閉塞圧記憶手段がガス流量停止時のガス圧力
センサの信号を記憶する。その後、計時手段が所定のタ
イミングで信号を発し、その信号に同期してガス圧比較
手段がガス圧力センサの信号を取り込み、その信号値と
閉塞圧記憶手段に記憶されている値とを比較する。比較
した結果、圧力差が所定値以上ない場合には、ガス供給
設備内でガス漏れが発生している可能性があると判定さ
れ、警報などを発する。

【００１２】また、本発明は、閉塞圧異常判定手段で閉
塞圧記憶手段に保持された値を規定の第１の圧力値と比
較し、この値以上の場合には閉塞圧異常と判定する。ま
た、閉塞圧異常であっても、ガス圧比較手段を計時手段
からの信号に基づく所定のタイミングで作動させる。こ
の操作により、ガス供給設備内のメータ上流側ガス漏れ
を閉塞圧異常、すなわち、圧力調整器異常とは個別に検
出する。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【００１４】（実施例１）図１において、本発明のガス
供給設備異常検出装置１４は、ガス供給設備である圧力
調整器３より下流側のガス供給設備のガス圧を検出する
ガス圧センサ８と、ガス供給設備を流れるガス流量を検
出するガス流量検出手段９と、前記ガス流量検出手段９
からガス使用が停止された信号を受けて作動する計時手
段１０と、同じくガス使用が停止されたときの前記ガス
圧力センサ８の信号を記憶する閉塞圧記憶手段１１と、
前記計時手段１０からの信号に基づく所定のタイミング
で前記ガス圧力センサ８の信号を前記閉塞圧記憶手段１
１に保持された値と比較するガス圧比較手段１２から構
成されている。また、１３は警報手段である。

【００１５】上記構成においてガス器具が使用されてい
て停止したとき、ガス流量検出手段９がガス使用停止を
検出し、この検出信号を受けて閉塞圧記憶手段１１がガ
ス使用停止時のガス圧センサ８の検出値を記憶する。ま
た、計時手段１０は同じく前記ガス使用停止の検出信号
を受けて計時を開始する。前記計時手段１０は計時開始
以降所定のタイミング（例えば１時間毎）で信号を発
し、ガス圧比較手段１２はこの信号を受けて、ガス圧力
センサ８の信号を閉塞圧記憶手段１１に保持された値と
比較する。この比較の結果、所定のタイミング毎に検出
されたガス圧力センサ８の信号と閉塞圧記憶手段１１に
保持された値の差が所定値以上ない状態がある期間継続
すると異常と判断し、警報手段１３を作動させる。すな
わち、日々の経過の中では日射によりガス供給設備内の
温度が上昇し、ガス漏れがない場合には温度の上昇と共
にガス圧力も上昇する。しかし、ある期間（例えば、３
０日間）の中に、ガス流量停止状態におけるガス圧上昇
が観測されない場合には、ガス供給設備の中（特にメー
タより上流側）でガス漏れが発生している可能性がある
と判断して、警報を発する。

【００１６】ここで、計時手段１０はガスが使用されて
いないとき、すなわち、ガス流量検出手段９がガス使用
を検出していないときに計時を継続し、前述のように所
定のタイミングで信号を発する。また、ガス圧比較手段
１２も前記計時手段が作動しているときに作動する。そ
して、ガス流量停止状態におけるガス圧上昇が観測され
ない状態をある期間観測するのは、天候などにより日射
が十分に得られず温度上昇が少ないためにガス圧の上昇
が観測出来ない場合を考慮したためである。

【００１７】このように、本発明のガス供給設備異常検
出装置１４によれば、ガスメータの設置された現場に作
業者が出向くことなく、自動的にガス供給設備の異常、
すなわち、メータより上流側のガス漏れを検出すること
ができる。

【００１８】（実施例２）図２において、本発明のガス
供給設備異常検出装置１６は、閉塞圧記憶手段１１に保
持された値を規定された第１の圧力値と比較する閉塞圧
異常判定手段１５を有している。なお図１と同じ番号を
付した構成要素は、同じ機能を有する。

【００１９】上記構成において、閉塞圧異常判定手段１
５で閉塞圧記憶手段１１に保持された値を規定の第１の
圧力値と比較し、この値以上の場合には閉塞圧異常と判
定する。このように閉塞圧異常が判定されれば、圧力調
整器の調整能力が異常であることが分かる。ところで、
閉塞圧異常が判定された場合でも、ガス圧比較手段１２
を計時手段１０からの信号に基づく所定のタイミングで
作動させ、ガス圧力センサ８の信号を閉塞圧記憶手段１
１に保持された値と比較する。そして、その差が所定値
以上でない状態がある期間継続すれば、前述したように
異常と判定し警報手段１３を作動させる。

【００２０】この動作を図３で説明する。同図の横軸は
経過時間を示し、縦軸はガス圧の変化を示している。ガ
スが使用される前、すなわちガス流量がない状態では圧
力はｐ１であり、時間ｔ１でガスが使われ始めると圧力
はｐ２となる。同じガス流量が流れている間は、圧力調
整器が作動してほぼ同じ圧力ｐ２を維持する。時間ｔ２
でガス使用が停止すると、圧力は復帰する。この時の圧
力が閉塞圧であり、この後、周囲温度の上昇に伴ってガ
ス供給設備内の温度も上昇し、従ってガス圧力も上がっ
ていることが分かる。ところで、時間ｔ２でガス使用が
停止したときの圧力は第１の圧力値を越えているが、本
発明の実施例ではその後もガス圧比較手段１２を作動さ
せガス漏れを監視している。

【００２１】このように、本発明のガス供給設備異常検
出装置１６によれば、閉塞圧異常判定手段１５にて異常
と判定されてもガス圧比較手段１２を計時手段１０から
の信号に基づく所定のタイミングで作動させることによ
り、ガス供給設備内のメータ上流側のガス漏れを、閉塞
圧異常、すなわち、圧力調整器異常とは個別に検出する
ことができる。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明のガス供給設備異常
検出装置によれば、次の効果が得られる。 （１）計時手段からの信号に対応し、ガス圧力センサの
信号と閉塞圧記憶手段に保持された圧力値とを比較し、
その差が所定値以上でない状態がある期間継続した場合
には異常と判断する。したがって、作業者がガスメータ
の設置された現場に出向くことなく、自動的にガス供給
設備の異常、すなわち、ガスメータより上流側のガス漏
れを検出することができる。 （２）閉塞圧異常が判定された場合でも、計時手段から
の信号に対応させてガス圧比較手段を作動させ、ガス圧
力センサからの信号と閉塞圧記憶手段に保持された圧力
値とを比較するので、ガスメータ上流側のガス漏れを、
閉塞圧異常、すなわち圧力調整器異常とは個別に検出す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるガス供給設備異常検
出装置の機能ブロック構成図

【図２】本発明の他の実施例におけるガス供給設備異常
検出装置の機能ブロック構成図

【図３】同装置におけるガス圧変化特性図

【図４】従来のガス供給設備の安全性をチェックする場
合のブロック構成図

【符号の説明】

８ ガス圧力センサ ９ ガス流量検出手段 １０ 計時手段 １１ 閉塞圧記憶手段 １２ ガス圧比較手段 １４，１６ ガス供給設備異常検出装置 １５ 閉塞圧異常判定手段

フロントページの続き (72)発明者 坪井 誠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ガス圧力調整器より下流側に設けられたガ
   ス供給設備のガス圧を検出するガス圧力センサと、前記
   ガス供給設備を流れるガス流量を検出するガス流量検出
   手段と、ガスの使用が停止された場合、前記ガス流量検
   出手段からの信号を受けて作動する計時手段及び、前記
   ガス圧力センサからの信号を記憶する閉塞圧記憶手段
   と、前記計時手段からの信号に基づいて前記ガス圧力セ
   ンサの信号と前記閉塞圧記憶手段に保持された圧力値と
   を比較するガス圧比較手段から構成されたガス供給設備
   異常検出装置。
2. 【請求項２】閉塞圧記憶手段に保持された圧力値と規定
   された第１の圧力値とを比較する閉塞圧異常判定手段を
   有し、前記閉塞圧異常判定手段にて異常と判定されても
   計時手段からの信号に基づいてガス圧比較手段を作動さ
   せる請求項１記載のガス供給設備異常検出装置。