JPH06117428A - エンジンのコンロッド - Google Patents
エンジンのコンロッドInfo
- Publication number
- JPH06117428A JPH06117428A JP26506292A JP26506292A JPH06117428A JP H06117428 A JPH06117428 A JP H06117428A JP 26506292 A JP26506292 A JP 26506292A JP 26506292 A JP26506292 A JP 26506292A JP H06117428 A JPH06117428 A JP H06117428A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- connecting rod
- oil passage
- small end
- hollow
- oil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【目的】 コンロッドの軽量化を図るため、全体を断面
中空状に形成して大きな断面係数が得られるようにす
る。また、小端部ブッシュ内周にグルーブを加工しなく
て済むようにコンロッドの中空内部を利用してピストン
冠面冷却用の給油通路を形成する。 【構成】 コンロッド全体をピストンピンおよびクラン
クピンの軸方向と直交する平面にて半割中空状に形成す
ると共に、これら一対の素材２０を分割面にアモルファ
ス合金シートを挟んで接合一体化する。コンロッド小端
部２１に中空内部をめぐる油通路３０を形成し、この油
通路３０を小端部２１外周に開口するピストン冠面冷却
用の噴孔３１を設ける。
中空状に形成して大きな断面係数が得られるようにす
る。また、小端部ブッシュ内周にグルーブを加工しなく
て済むようにコンロッドの中空内部を利用してピストン
冠面冷却用の給油通路を形成する。 【構成】 コンロッド全体をピストンピンおよびクラン
クピンの軸方向と直交する平面にて半割中空状に形成す
ると共に、これら一対の素材２０を分割面にアモルファ
ス合金シートを挟んで接合一体化する。コンロッド小端
部２１に中空内部をめぐる油通路３０を形成し、この油
通路３０を小端部２１外周に開口するピストン冠面冷却
用の噴孔３１を設ける。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明はエンジンのコンロッド
に関する。
に関する。
【０００２】
【従来の技術】エンジンのピストンとクランクシャフト
を連結してピストンの往復運動をクランクシャフトの回
転運動に変換するコンロッドとして、図７のように構成
したものが知られている（実開平１ー６５４１４号公
報）。
を連結してピストンの往復運動をクランクシャフトの回
転運動に変換するコンロッドとして、図７のように構成
したものが知られている（実開平１ー６５４１４号公
報）。
【０００３】この場合、小端部１のブッシュ３内面には
潤滑油を円周方向へ導くグルーブ４と、このグルーブ４
を小端部１外周に開口するピストン冠面冷却用の噴孔５
が形成される。また、大端部２のメタル６内面にはクラ
ンクピン外周の油穴からの潤滑油を円周方向へ導く油溝
７が設けられる。
潤滑油を円周方向へ導くグルーブ４と、このグルーブ４
を小端部１外周に開口するピストン冠面冷却用の噴孔５
が形成される。また、大端部２のメタル６内面にはクラ
ンクピン外周の油穴からの潤滑油を円周方向へ導く油溝
７が設けられる。
【０００４】そして、小端部１のグルーブ４と大端部２
の油溝７を結ぶ連通路８が桿部９を貫通するように形成
され、クランクピンの油穴から大端部２のメタル６内面
への供給油の一部を油溝７から連通路８を通して小端部
１のブッシュ３内面に、さらにグルーブ４を経て噴孔５
からピストン冠面冷却用として噴射させるようになって
いる。
の油溝７を結ぶ連通路８が桿部９を貫通するように形成
され、クランクピンの油穴から大端部２のメタル６内面
への供給油の一部を油溝７から連通路８を通して小端部
１のブッシュ３内面に、さらにグルーブ４を経て噴孔５
からピストン冠面冷却用として噴射させるようになって
いる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
コンロッドは吸気行程での引張力や爆発行程での圧縮力
のほか、回転による慣性力が原因の引張力および圧縮力
を受けるが、大端部２から小端部１までの全体が鍛造に
より中実構造に作られているため、これらの応力に耐え
る剛性を効率よく確保（例えば、同一断面積でより高い
断面係数を持たせる）することができず、したがって十
分な軽量化を図れないという問題点があった。
コンロッドは吸気行程での引張力や爆発行程での圧縮力
のほか、回転による慣性力が原因の引張力および圧縮力
を受けるが、大端部２から小端部１までの全体が鍛造に
より中実構造に作られているため、これらの応力に耐え
る剛性を効率よく確保（例えば、同一断面積でより高い
断面係数を持たせる）することができず、したがって十
分な軽量化を図れないという問題点があった。
【０００６】また、大端部２の一部潤滑油を小端部１の
噴孔５へと供給する給油通路の一部として、小端部１の
ブッシュ３内面にグルーブ４が形成されるが、これだと
グルーブ４によりピストンピンとの摺動面が狭まる分だ
け、面圧が大きくなるために潤滑状況の悪化をもたら
す。しかも、グルーブ４の形成には特殊加工が必要であ
り、コストアップの招くという問題もあった。
噴孔５へと供給する給油通路の一部として、小端部１の
ブッシュ３内面にグルーブ４が形成されるが、これだと
グルーブ４によりピストンピンとの摺動面が狭まる分だ
け、面圧が大きくなるために潤滑状況の悪化をもたら
す。しかも、グルーブ４の形成には特殊加工が必要であ
り、コストアップの招くという問題もあった。
【０００７】この発明はこのような問題点を解決するこ
とを目的とする。
とを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】そのため、この発明はエ
ンジンのピストンとクランクシャフトを連結してピスト
ンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換する
コンロッドにおいて、コンロッド全体をピストンピンお
よびクランクピンの軸方向と直交する平面にて半割中空
状に形成すると共に、これら一対の素材を分割面にアモ
ルファス合金シートを挟んで接合一体化したものである
（請求項１）。この場合、コンロッド全体の中空内部で
必要な部位にリブを形成する（請求項２）。
ンジンのピストンとクランクシャフトを連結してピスト
ンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換する
コンロッドにおいて、コンロッド全体をピストンピンお
よびクランクピンの軸方向と直交する平面にて半割中空
状に形成すると共に、これら一対の素材を分割面にアモ
ルファス合金シートを挟んで接合一体化したものである
（請求項１）。この場合、コンロッド全体の中空内部で
必要な部位にリブを形成する（請求項２）。
【０００９】また、コンロッド小端部に中空内部をめぐ
る油通路を形成すると共に、この油通路を小端部外周に
開口するピストン冠面冷却用の噴孔を設ける（請求項
３）。コンロッド大端部に中空内部を利用してメタル背
面をめぐる冷却用の油通路を形成すると共に、この油通
路をメタル内周に開口する通孔を設ける（請求項４）。
る油通路を形成すると共に、この油通路を小端部外周に
開口するピストン冠面冷却用の噴孔を設ける（請求項
３）。コンロッド大端部に中空内部を利用してメタル背
面をめぐる冷却用の油通路を形成すると共に、この油通
路をメタル内周に開口する通孔を設ける（請求項４）。
【００１０】さらに、コンロッド桿部の中空内部に大端
部内の油通路と小端部内の油通路を結ぶ連通路を形成す
る（請求項５）。エンジン回転速度が所定値以上になる
と連通路を開いて大端部側から小端部側への潤滑油の流
れを許容するチェック弁を設ける（請求項６）。
部内の油通路と小端部内の油通路を結ぶ連通路を形成す
る（請求項５）。エンジン回転速度が所定値以上になる
と連通路を開いて大端部側から小端部側への潤滑油の流
れを許容するチェック弁を設ける（請求項６）。
【００１１】
【作用】この発明の請求項１によると、コンロッド全体
を容易に中空構造に形成でき、中実構造の場合に較べる
と同一断面積でより高い断面係数を確保できる。つま
り、効率よく剛性をアップさせることが可能なため、十
分な軽量化を実現できることになる。請求項２では中空
内部の必要な部位にリブを形成することで、局部的な圧
縮，座屈，曲げ応力が原因の変形を効果的に防止でき
る。
を容易に中空構造に形成でき、中実構造の場合に較べる
と同一断面積でより高い断面係数を確保できる。つま
り、効率よく剛性をアップさせることが可能なため、十
分な軽量化を実現できることになる。請求項２では中空
内部の必要な部位にリブを形成することで、局部的な圧
縮，座屈，曲げ応力が原因の変形を効果的に防止でき
る。
【００１２】また、請求項３によりピストン冠面冷却用
の給油通路として、コンロッド小端部に中空内部をめぐ
る油通路を形成すると共に、この油通路を小端部外周に
開口するピストン冠面冷却用の噴孔を設けると、小端部
のブッシュ内面にグルーブを加工しなくて済むので、良
好な潤滑性能の確保および低コスト化の実現に有利とな
る。大端部については請求項４により中空内部を利用し
てメタル背面をめぐる冷却用の油通路を形成すると共
に、この油通路をメタル内周に開口する通孔を設ける
と、メタル温度の過度な上昇を抑制できるため、摩耗の
低減および潤滑油の劣化防止などが図れる。
の給油通路として、コンロッド小端部に中空内部をめぐ
る油通路を形成すると共に、この油通路を小端部外周に
開口するピストン冠面冷却用の噴孔を設けると、小端部
のブッシュ内面にグルーブを加工しなくて済むので、良
好な潤滑性能の確保および低コスト化の実現に有利とな
る。大端部については請求項４により中空内部を利用し
てメタル背面をめぐる冷却用の油通路を形成すると共
に、この油通路をメタル内周に開口する通孔を設ける
と、メタル温度の過度な上昇を抑制できるため、摩耗の
低減および潤滑油の劣化防止などが図れる。
【００１３】さらに、請求項１のコンロッド全体は半割
中空構造のため、大端部内の油通路ならびに小端部内の
油通路ばかりか、これらを結ぶ連通路も桿部内に容易に
形成できるのであり、請求項５によればクランクシャフ
トの油穴から大端部への供給油の一部は大端部内の油通
路からメタル背面を冷却しながら、桿部内の連通路を通
して小端部内の油通路へと導かれ、小端部外周の噴孔か
らピストン冠面冷却用に噴出することになる。
中空構造のため、大端部内の油通路ならびに小端部内の
油通路ばかりか、これらを結ぶ連通路も桿部内に容易に
形成できるのであり、請求項５によればクランクシャフ
トの油穴から大端部への供給油の一部は大端部内の油通
路からメタル背面を冷却しながら、桿部内の連通路を通
して小端部内の油通路へと導かれ、小端部外周の噴孔か
らピストン冠面冷却用に噴出することになる。
【００１４】請求項６では連通路にチェック弁を設ける
ことにより、エンジン低回転時に連通路を閉じることが
可能なため、ピストン冠面および大端部メタルを必要以
上に冷却することもない。
ことにより、エンジン低回転時に連通路を閉じることが
可能なため、ピストン冠面および大端部メタルを必要以
上に冷却することもない。
【００１５】
【実施例】図１はコンロッド組成部品としてその全体を
ピストンピンおよびクランクピンの軸方向と直交する平
面にて２分割する素材１０の正面（分割面）を表すもの
で、これら一対の素材１０はそれぞれ鋳造により断面箱
型の中空状に形成される。図２に小端部１１と桿部１２
と大端部１３の各断面形状をそれぞれ従来例と比較して
示す。
ピストンピンおよびクランクピンの軸方向と直交する平
面にて２分割する素材１０の正面（分割面）を表すもの
で、これら一対の素材１０はそれぞれ鋳造により断面箱
型の中空状に形成される。図２に小端部１１と桿部１２
と大端部１３の各断面形状をそれぞれ従来例と比較して
示す。
【００１６】素材１０の中空内部には必要な部位を補強
するため、この例では桿部との接続部を含む大端部１３
および小端部１１にリブ１４〜１７が一体に形成され
る。リブ１４〜１６は主に爆発力や慣性力を全体で受け
て小端部１１および大端部１３の局部的な変形を抑える
トラス状に構成され、さらにリブ１７で大端部１３のク
ローズインに対して補強するようになっている。
するため、この例では桿部との接続部を含む大端部１３
および小端部１１にリブ１４〜１７が一体に形成され
る。リブ１４〜１６は主に爆発力や慣性力を全体で受け
て小端部１１および大端部１３の局部的な変形を抑える
トラス状に構成され、さらにリブ１７で大端部１３のク
ローズインに対して補強するようになっている。
【００１７】そして、コンロッドは一対の素材１０をこ
れらの分割面にアモルファス合金シートを挟んで接合一
体化することにより組成され、小端部１１の内周にブッ
シュが、大端部１３の内周にメタルがそれぞれ組み付け
られる。なお、大端部１３はクランクピンに対する分解
組み立ての容易な水平分割式のため、素材１０をロッド
本体側１０Ａとキャップ部側１０Ｂに分けて別途にアモ
ルファス合金シートで接合一体化されるのである。１８
はロッド本体側１０Ａとキャップ部側１０Ｂを締着する
ボルトを示す。
れらの分割面にアモルファス合金シートを挟んで接合一
体化することにより組成され、小端部１１の内周にブッ
シュが、大端部１３の内周にメタルがそれぞれ組み付け
られる。なお、大端部１３はクランクピンに対する分解
組み立ての容易な水平分割式のため、素材１０をロッド
本体側１０Ａとキャップ部側１０Ｂに分けて別途にアモ
ルファス合金シートで接合一体化されるのである。１８
はロッド本体側１０Ａとキャップ部側１０Ｂを締着する
ボルトを示す。
【００１８】このような構成により、コンロッドは全体
が断面箱型の中空構造に簡単かつ容易に形成でき、中実
構造の場合に較べると同一断面積でより高い断面係数を
確保できる。例えば、図２の桿部１２のＢ−Ｂ断面にお
いて爆発力を受ける場合、ｘ軸回りの断面係数は断面Ｉ
型の従来例と比較すると同一断面積で約２倍に増大す
る。つまり、コンロッド全体の剛性を効率よくアップさ
せることが可能なため、十分な軽量化を実現できること
になる。また、中空内部の必要な部位にリブ１４〜１７
を設けたので、局部的な圧縮，座屈，曲げ応力が原因の
各種変形を効果的に防止できる。
が断面箱型の中空構造に簡単かつ容易に形成でき、中実
構造の場合に較べると同一断面積でより高い断面係数を
確保できる。例えば、図２の桿部１２のＢ−Ｂ断面にお
いて爆発力を受ける場合、ｘ軸回りの断面係数は断面Ｉ
型の従来例と比較すると同一断面積で約２倍に増大す
る。つまり、コンロッド全体の剛性を効率よくアップさ
せることが可能なため、十分な軽量化を実現できること
になる。また、中空内部の必要な部位にリブ１４〜１７
を設けたので、局部的な圧縮，座屈，曲げ応力が原因の
各種変形を効果的に防止できる。
【００１９】図３，図４はコンロッド内部に大端部メタ
ル冷却用およびピストン冠面冷却用の一連の給油通路を
設ける他の実施例で、この場合でも素材２０はロッド本
体側をピストンピンおよびクランクピンの軸方向と直交
する平面で２分割する素材２０Ａと、大端部のキャップ
部側を同じく２分割する素材２０Ｂとからなり、コンロ
ッドはこれら各一対の素材２０Ａ，２０Ｂをそれぞれ分
割面にアモルファス合金シートを挟んで接合一体化する
ことにより断面箱型の中空状に組成され、小端部２１の
内周にブッシュ２４が、大端部２２の内周にメタル２５
Ａ，２５Ｂが組み付けられる。
ル冷却用およびピストン冠面冷却用の一連の給油通路を
設ける他の実施例で、この場合でも素材２０はロッド本
体側をピストンピンおよびクランクピンの軸方向と直交
する平面で２分割する素材２０Ａと、大端部のキャップ
部側を同じく２分割する素材２０Ｂとからなり、コンロ
ッドはこれら各一対の素材２０Ａ，２０Ｂをそれぞれ分
割面にアモルファス合金シートを挟んで接合一体化する
ことにより断面箱型の中空状に組成され、小端部２１の
内周にブッシュ２４が、大端部２２の内周にメタル２５
Ａ，２５Ｂが組み付けられる。
【００２０】コンロッドの組成状態において、その中空
内部に一連の給油通路を構成するため、メタル２５Ｂ内
面にはクランクピンからの潤滑油を円周方向へ導く油溝
２６が形成され、油溝２６の両端をメタル２５Ｂ背面に
開口する油穴２７が設けられる。大端部２２には中空内
部を利用してメタル２５Ａ，２５Ｂ背面をめぐる冷却用
の油通路２８が形成され、その内周に油通路２８をメタ
ル２５Ａ，２５Ｂ背面に当てる壁面（リブとなる）を残
して断続的に開口する複数の切除穴２９が設けられる。
小端部２１には中空内部をめぐる油通路３０が形成さ
れ、油通路３０を小端部２１外周に開口するピストン冠
面冷却用の噴孔３１が設けられる。桿部２３の中空内部
には素材２０Ａの樋壁３２により大端部２２内の油通路
２８と小端部２１内の油通路３０を結ぶ連通路３３が形
成される。
内部に一連の給油通路を構成するため、メタル２５Ｂ内
面にはクランクピンからの潤滑油を円周方向へ導く油溝
２６が形成され、油溝２６の両端をメタル２５Ｂ背面に
開口する油穴２７が設けられる。大端部２２には中空内
部を利用してメタル２５Ａ，２５Ｂ背面をめぐる冷却用
の油通路２８が形成され、その内周に油通路２８をメタ
ル２５Ａ，２５Ｂ背面に当てる壁面（リブとなる）を残
して断続的に開口する複数の切除穴２９が設けられる。
小端部２１には中空内部をめぐる油通路３０が形成さ
れ、油通路３０を小端部２１外周に開口するピストン冠
面冷却用の噴孔３１が設けられる。桿部２３の中空内部
には素材２０Ａの樋壁３２により大端部２２内の油通路
２８と小端部２１内の油通路３０を結ぶ連通路３３が形
成される。
【００２１】そして、クランクピンからの潤滑油は大端
部２２のメタル２５Ａ，２５Ｂ内面に供給され、その一
部がメタル２５Ｂの油穴２７から切除穴２９を通して大
端部２２内の油通路２８に入り、メタル２５Ａ，２５Ｂ
背面を冷却しながらさらに桿部２３内の連通路３３から
小端部２１内の油通路３０へと流れ、噴孔３１からピス
トン冠面部へ向けて噴出される。なお、大端部２２内に
は油通路２８を横断する補強リブ３５が形成され、これ
らのリブ３５に油通路２８を連通する油穴３９（切欠
き）が設けられる。
部２２のメタル２５Ａ，２５Ｂ内面に供給され、その一
部がメタル２５Ｂの油穴２７から切除穴２９を通して大
端部２２内の油通路２８に入り、メタル２５Ａ，２５Ｂ
背面を冷却しながらさらに桿部２３内の連通路３３から
小端部２１内の油通路３０へと流れ、噴孔３１からピス
トン冠面部へ向けて噴出される。なお、大端部２２内に
は油通路２８を横断する補強リブ３５が形成され、これ
らのリブ３５に油通路２８を連通する油穴３９（切欠
き）が設けられる。
【００２２】このように、ピストン冠面冷却用の給油通
路としてコンロッド小端部２１に中空内部をめぐる油通
路３０を形成すると共に、この油通路３０を小端部２１
外周に開口するピストン冠面冷却用の噴孔３１を設ける
ので、小端部２１のブッシュ２４内周にグルーブを加工
しなくて済むため、従来に較べてピストンピンとの面圧
が低下つまり潤滑状況の向上が得られる。大端部２２に
ついては中空内部の油通路２８を循環する潤滑油によ
り、メタル温度の過度な上昇を抑制できるため、摩耗の
低減および潤滑油の劣化防止などが図れる。
路としてコンロッド小端部２１に中空内部をめぐる油通
路３０を形成すると共に、この油通路３０を小端部２１
外周に開口するピストン冠面冷却用の噴孔３１を設ける
ので、小端部２１のブッシュ２４内周にグルーブを加工
しなくて済むため、従来に較べてピストンピンとの面圧
が低下つまり潤滑状況の向上が得られる。大端部２２に
ついては中空内部の油通路２８を循環する潤滑油によ
り、メタル温度の過度な上昇を抑制できるため、摩耗の
低減および潤滑油の劣化防止などが図れる。
【００２３】しかも、コンロッド全体が半割中空構造の
ため、大端部２２内の油通路２８ならびに小端部２１内
の油通路３０ばかりか、桿部２３内でこれらを結ぶ連通
路３３なども素材２０の鋳造時に一体形成できるので、
グルーブの特殊加工および桿部内の長い通路加工などの
省略化により低コストで簡単かつ容易に製作可能とな
る。
ため、大端部２２内の油通路２８ならびに小端部２１内
の油通路３０ばかりか、桿部２３内でこれらを結ぶ連通
路３３なども素材２０の鋳造時に一体形成できるので、
グルーブの特殊加工および桿部内の長い通路加工などの
省略化により低コストで簡単かつ容易に製作可能とな
る。
【００２４】なお、エンジン低回転時には大端部メタル
２５Ａ，２５Ｂおよびピストン冠面の冷却をあまり必要
としないため、図５，図６のようにスプリング４０の設
定荷重で桿部２３内の連通路３３を閉じると共に、エン
ジン回転速度が所定値以上に上昇すると上下方向への慣
性力および油圧を受けて大端部２２側から小端部２１側
への潤滑油の流れを許容するように開くチェックボール
４１を設けると良い。
２５Ａ，２５Ｂおよびピストン冠面の冷却をあまり必要
としないため、図５，図６のようにスプリング４０の設
定荷重で桿部２３内の連通路３３を閉じると共に、エン
ジン回転速度が所定値以上に上昇すると上下方向への慣
性力および油圧を受けて大端部２２側から小端部２１側
への潤滑油の流れを許容するように開くチェックボール
４１を設けると良い。
【００２５】
【発明の効果】以上要するにこの発明によれば、エンジ
ンのピストンとクランクシャフトを連結してピストンの
往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換するコン
ロッドにおいて、コンロッド全体をピストンピンおよび
クランクピンの軸方向と直交する平面にて半割中空状に
形成すると共に、これら一対の素材を分割面にアモルフ
ァス合金シートを挟んで接合一体化したので、コンロッ
ド全体を容易に中空構造に形成でき、中実構造の場合に
較べると同一断面積でより高い断面係数を確保できる。
したがって、効率よく剛性をアップさせることが可能な
ため、コンロッドの十分な軽量化を実現できることにな
る。また、中空内部の必要な部位にリブを形成すること
で、局部的な圧縮，座屈，曲げ応力が原因の変形を効果
的に防止できる。
ンのピストンとクランクシャフトを連結してピストンの
往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換するコン
ロッドにおいて、コンロッド全体をピストンピンおよび
クランクピンの軸方向と直交する平面にて半割中空状に
形成すると共に、これら一対の素材を分割面にアモルフ
ァス合金シートを挟んで接合一体化したので、コンロッ
ド全体を容易に中空構造に形成でき、中実構造の場合に
較べると同一断面積でより高い断面係数を確保できる。
したがって、効率よく剛性をアップさせることが可能な
ため、コンロッドの十分な軽量化を実現できることにな
る。また、中空内部の必要な部位にリブを形成すること
で、局部的な圧縮，座屈，曲げ応力が原因の変形を効果
的に防止できる。
【００２６】ピストン冠面冷却用の給油通路としてコン
ロッド小端部に中空内部をめぐる油通路を形成すると共
に、この油通路を小端部外周に開口するピストン冠面冷
却用の噴孔を設けると、小端部のブッシュ内面にグルー
ブを特殊加工しなくて済むので、良好な潤滑性能の確保
および低コスト化の実現に有利となる。大端部について
は中空内部を利用してメタル背面をめぐる冷却用の油通
路を形成すると共に、この油通路をメタル内周に開口す
る通孔を設けると、メタル温度の過度な上昇を抑制つま
り摩耗の低減および潤滑油の劣化防止などが図れる。
ロッド小端部に中空内部をめぐる油通路を形成すると共
に、この油通路を小端部外周に開口するピストン冠面冷
却用の噴孔を設けると、小端部のブッシュ内面にグルー
ブを特殊加工しなくて済むので、良好な潤滑性能の確保
および低コスト化の実現に有利となる。大端部について
は中空内部を利用してメタル背面をめぐる冷却用の油通
路を形成すると共に、この油通路をメタル内周に開口す
る通孔を設けると、メタル温度の過度な上昇を抑制つま
り摩耗の低減および潤滑油の劣化防止などが図れる。
【００２７】コンロッド全体は半割中空構造のため、大
端部内の油通路ならびに小端部内の油通路ばかりか、こ
れらを結ぶ連通路も桿部内に簡単かつ容易に一体形成で
きるため、グルーブの特殊加工および桿部内の長い通路
加工の廃止により低コストで製作可能となる。連通路に
チェック弁を設ければ、エンジン低回転時に連通路が閉
じられるため、ピストン冠面および大端部メタルを必要
以上に冷却することもない。
端部内の油通路ならびに小端部内の油通路ばかりか、こ
れらを結ぶ連通路も桿部内に簡単かつ容易に一体形成で
きるため、グルーブの特殊加工および桿部内の長い通路
加工の廃止により低コストで製作可能となる。連通路に
チェック弁を設ければ、エンジン低回転時に連通路が閉
じられるため、ピストン冠面および大端部メタルを必要
以上に冷却することもない。
【図１】この発明の実施例を示すコンロッドの半割断面
図である。
図である。
【図２】同じく図１のＡ−Ａ，Ｂ−Ｂ，Ｃ−Ｃの断面を
それぞれ従来例と比較して表す説明図である。
それぞれ従来例と比較して表す説明図である。
【図３】他の実施例を示すコンロッドの一部分解斜視図
である。
である。
【図４】同じく図３のＤ−Ｄの断面図である。
【図５】別の実施例を示すコンロッドの一部分解斜視図
である。
である。
【図６】同じく図５のＥ−Ｅの断面図である。
【図７】従来例を説明するコンロッド組付状態の断面図
と大端部メタルの斜視図である。
と大端部メタルの斜視図である。
１０，２０ 素材 １１，２１ 小端部 １３，２２ 大端部 １２，２３ 桿部 １４〜１７，３５ リブ ２４ 小端部ブッシュ ２５Ａ，２５Ｂ 大端部メタル ２６ 油溝 ２７ 油穴 ２８ 大端部内の油通路 ２９ 切除穴 ３０ 小端部内の油通路 ３１ 噴孔 ３３ 連通路 ４０ スプリング ４１ チェックボール
Claims (6)
- 【請求項１】 エンジンのピストンとクランクシャフト
を連結してピストンの往復運動をクランクシャフトの回
転運動に変換するコンロッドにおいて、コンロッド全体
をピストンピンおよびクランクピンの軸方向と直交する
平面にて半割中空状に形成すると共に、これら一対の素
材を分割面にアモルファス合金シートを挟んで接合一体
化したことを特徴とするエンジンのコンロッド。 - 【請求項２】 コンロッド全体の中空内部で必要な部位
にリブを形成したことを特徴とする請求項１に記載のコ
ンロッド。 - 【請求項３】 コンロッド小端部に中空内部をめぐる油
通路を形成すると共に、この油通路を小端部外周に開口
するピストン冠面冷却用の噴孔を備えたことを特徴とす
る請求項１に記載のコンロッド。 - 【請求項４】 コンロッド大端部に中空内部を利用して
メタル背面をめぐる冷却用の油通路を形成すると共に、
この油通路をメタル内周に開口する通孔を備えたことを
特徴とする請求項１に記載のコンロッド。 - 【請求項５】 コンロッド小端部に中空内部をめぐる油
通路を形成し、この油通路を小端部外周に開口するピス
トン冠面冷却用の噴孔を設けると共に、コンロッド大端
部に中空内部を利用してメタル背面をめぐる冷却用の油
通路を形成し、この油通路をメタル内周に開口する通孔
を設ける一方、コンロッド桿部の中空内部に大端部内の
油通路と小端部内の油通路を結ぶ連通路を形成したこと
を特徴とする請求項１に記載のコンロッド。 - 【請求項６】 エンジン回転速度が所定値以上になると
連通路を開いて大端部側から小端部側への潤滑油の流れ
を許容するチェック弁を設けたことを特徴とする請求項
５に記載のコンロッド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26506292A JPH06117428A (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | エンジンのコンロッド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26506292A JPH06117428A (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | エンジンのコンロッド |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06117428A true JPH06117428A (ja) | 1994-04-26 |
Family
ID=17412061
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26506292A Pending JPH06117428A (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | エンジンのコンロッド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06117428A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006077931A (ja) * | 2004-09-10 | 2006-03-23 | Toyota Motor Corp | 内燃機関のコネクティングロッド |
| AT501810A1 (de) * | 2005-05-11 | 2006-11-15 | O St Feingussgesellschaft M B | Hochrobuste, leichtgewichtige pleuelstange |
| US7367305B2 (en) | 2003-11-07 | 2008-05-06 | Honda Motor Co., Ltd. | Internal combustion engine and connecting rod therefor |
| EP2123375A1 (de) * | 2008-05-20 | 2009-11-25 | O. St. Feingussgesellschaft m. b. H. | Hohler Pleuel |
| JP2015514950A (ja) * | 2012-04-27 | 2015-05-21 | ボーグワーナー インコーポレーテッド | 連結ロッド |
-
1992
- 1992-10-02 JP JP26506292A patent/JPH06117428A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7367305B2 (en) | 2003-11-07 | 2008-05-06 | Honda Motor Co., Ltd. | Internal combustion engine and connecting rod therefor |
| JP2006077931A (ja) * | 2004-09-10 | 2006-03-23 | Toyota Motor Corp | 内燃機関のコネクティングロッド |
| AT501810A1 (de) * | 2005-05-11 | 2006-11-15 | O St Feingussgesellschaft M B | Hochrobuste, leichtgewichtige pleuelstange |
| AT501810B1 (de) * | 2005-05-11 | 2007-02-15 | O St Feingussgesellschaft M B | Hochrobuste, leichtgewichtige pleuelstange |
| EP1722114A3 (de) * | 2005-05-11 | 2008-05-14 | O. St. Feingussgesellschaft m. b. H. | Hochrobuste, leichtgewichtige Pleuelstange |
| EP2123375A1 (de) * | 2008-05-20 | 2009-11-25 | O. St. Feingussgesellschaft m. b. H. | Hohler Pleuel |
| JP2015514950A (ja) * | 2012-04-27 | 2015-05-21 | ボーグワーナー インコーポレーテッド | 連結ロッド |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| KR100776941B1 (ko) | 스트로크 가변 엔진 | |
| US4073220A (en) | Piston assembly | |
| WO2005033529A1 (ja) | トルクロッド構造 | |
| US20080271562A1 (en) | Connecting rod for internal combustion engine and method of manufacturing the connecting rod | |
| US20030188633A1 (en) | Piston for internal combustion engine | |
| US3482467A (en) | Connecting rod | |
| US7533649B2 (en) | Piston for an internal combustion engine | |
| WO2002070927A1 (en) | Unified multi-piece piston and method of manufacture | |
| US4465029A (en) | Reinforced crankcase for an internal combustion engine with a balancer shaft | |
| JPH06117428A (ja) | エンジンのコンロッド | |
| US20040154578A1 (en) | Engine connecting rod for high performance applications and method of manufacture | |
| US6945213B2 (en) | Cylinder block for multicylinder engine | |
| US7384196B2 (en) | Bearing cover for a crankshaft bearing of an internal combustion engine | |
| EP0430362A1 (en) | Pistons | |
| US6481989B2 (en) | Trochoidal design rotary piston engine and method of making same | |
| JP6354792B2 (ja) | 内燃機関用ピストン | |
| CN2937514Y (zh) | 具有贯穿螺栓结构的发动机 | |
| JP2001289117A (ja) | 内燃機関用ピストン | |
| US6485183B1 (en) | Plain bearing for connecting rods | |
| US1336546A (en) | Crank or crank-shaft of internal-combustion engines | |
| US4970769A (en) | Method for producing cylinder having scavenging passages for two-cycle internal combustion engine | |
| WO2018216503A1 (ja) | 内燃機関のピストン | |
| US6539836B2 (en) | Piston for internal combustion engine | |
| JPH0138279Y2 (ja) | ||
| JP4766534B2 (ja) | 内燃機関用コンロッド |