JPH06117389A - 耐摩耗性のすぐれたロータリーコンプレッサの銅溶浸Fe基焼結合金製ベーン部材 - Google Patents

耐摩耗性のすぐれたロータリーコンプレッサの銅溶浸Fe基焼結合金製ベーン部材

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Publication number
JPH06117389A
JPH06117389A JP29086392A JP29086392A JPH06117389A JP H06117389 A JPH06117389 A JP H06117389A JP 29086392 A JP29086392 A JP 29086392A JP 29086392 A JP29086392 A JP 29086392A JP H06117389 A JPH06117389 A JP H06117389A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered alloy
vane member
alloy
wear resistance
rotary compressor
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP29086392A
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English (en)
Inventor
Koji Kobayashi
孝司 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性にすぐれ、かつ相手攻撃性も低いロ
ータリーコンプレッサのベーン部材を提供する。 【構成】 ロータリーコンプレッサのベーン部材が、5
〜20%の空孔率を有する炭化物分散析出型Fe基焼結
合金に、CuまたはCu合金を溶浸してなる銅溶浸Fe
基焼結合金からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば冷蔵庫やエア
コンなどに組込まれて使用されるロータリーコンプレッ
サの構造部材であるベーン部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ロータリーコンプレッサのベーン
部材(以下、単にベーン部材という)として、特開平1
−188649号公報に記載されるFe基焼結合金はじ
め、その他多くのFe基焼結合金が用いられていること
は良く知られるところである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年のロータリ
ーコンプレッサの小型化および高出力化はめざましく、
これに伴ない、これの構造部材であるベーン部材にも一
段と薄肉化および小型化が要求され、かつより一層苛酷
な条件下での使用を予儀なくされ、さらに最近ではオゾ
ン層破壊の原因となっているフロンR12に代ってフロ
ン134aを冷媒として使用する傾向になりつつある
が、かかる使用環境下では、従来の各種Fe基焼結合金
製ベーン部材は、摩耗進行が速く、比較的短時間で使用
寿命に至るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、耐摩耗性のすぐれたベーン部材
を開発すべく研究を行なった結果、ベーン部材を、5〜
20%の空孔率を有する炭化物分散析出型Fe基焼結合
金に、CuまたはCu合金を溶浸してなる銅溶浸Fe基
焼結合金で構成すると、この結果の銅溶浸Fe基焼結合
金製ベーン部材は、苛酷な条件下での実用にもすぐれた
耐摩耗性を示し、著しく長期に亘ってすぐれた性能を発
揮するという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、ベーン部材を、5〜20%の空
孔率を有する炭化物分散析出型Fe基焼結合金に、Cu
またはCu合金を溶浸してなる銅溶浸Fe基焼結合金で
構成した点に特徴を有するものである。
【0006】なお、この発明のベーン部材を構成するF
e基焼結合金の空孔率を5〜20%と定めたのは、その
割合が5%未満では、銅溶浸が十分に行なわれず、この
結果十分な気密性および耐食性、さらになじみ性を確保
することができないばかりでなく、相手部材であるロー
ラーピストンに対する相手攻撃性が大きく、一方その割
合が20%を越えると耐摩耗性が急激に低下するように
なるという理由からである。
【0007】また、この発明のベーン部材を構成する炭
化物分散析出型Fe基焼結合金としては、重量%で(以
下、組成に関する%は重量%を示す)、分散相形成成分
として、Ni:1〜10%含有のMo−Ni合金、C
o:1〜10%含有のMo−Co合金、およびNi:1
〜10%とCo:1〜10%含有のMo−Ni−Co合
金のうちの1種または2種以上:2〜20%、を含有
し、いずれも素地形成成分として、C:1〜3%、
Si:0.3〜1.5%、Cr:2〜16%、
Mo:1〜5%、V:0.4〜3%、を含有し、さ
らに必要に応じて、Ni:0.1〜2%、 Co:
0.1〜5%、のうちの1種または2種、を含有し、残
りがFeと不可避不純物からなる組成をもつものが望ま
しい。
【0008】
【実施例】つぎに、この発明のベーン部材を実施例によ
り具体的に説明する。原料粉末として、いずれも100
mesh以下の粒度をもち、かつ表1,2に示される成分組
成をもった水アトマイズの素地形成用Fe基合金粉末A
〜Q並びにア〜オ、さらに10〜50μmの範囲内の所
定の平均粒径をもち、かつ表3に示される成分組成をも
った分散相形成用Mo合金粉末a〜qと金属Mo粉末、
そして粒度:−325mesh以下の黒鉛粉末を用意し、こ
れら原料粉末を、表4,5に示される配合組成に配合
し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、2
〜7ton /cm2 の範囲内の所定の圧力で圧粉体にプレス
成形し、この圧粉体を真空雰囲気中、1090〜114
0℃の範囲内の所定の温度に1.5時間保持の条件で焼
結して、実質的に配合組成と同一の成分組成を有し、い
ずれも幅:20mm×長さ:17mm×厚さ:4mmの長方形
板状にして、相手部材であるローラーピストンと当接す
る長手方向の片側端面をR4の曲面とし、かつ表4,5
にそれぞれ示される空孔率をもったFe基焼結合金、並
びに上記の特開平1−188649号公報に記載される
Fe基焼結合金に相当する組成をもったFe基焼結合金
で構成された従来Fe基焼結合金製ベーン部材(以下、
従来焼結ベーン部材という)1〜5を製造し、さらに前
記従来焼結ベーン部材1〜5を除いた前記Fe基焼結合
金に、無酸素銅(純銅という)、Cu−3%Coの組成
をもったCu合金(Cu合金1という)、およびCu−
2.5%Fe−1.5%Zn−1.5%Mnの組成をも
ったCu合金(Cu合金2という)を、同じく表4,5
に示される組合せで載置し、この状態で真空雰囲気中、
温度:1090℃に15分間保持の条件で銅溶浸を行な
い、銅溶浸後、1000〜1050℃の範囲内の所定温
度からガス強制冷却により焼入れと、500〜600℃
の範囲内の所定温度に2時間保持の焼戻しの熱処理を2
回繰り返し施して素地に炭化物を十分に分散析出させる
ことにより本発明銅溶浸Fe基焼結合金製ベーン部材
(以下、本発明銅溶浸焼結ベーン部材という)1〜17
をそれぞれ製造した。
【0009】つぎに、この結果得られた本発明銅溶浸焼
結ベーン部材1〜17および従来焼結ベーン部材1〜5
を、 圧縮室の寸法:内径41mm×幅20mm、 ローラーピストンの材質:FC300の熱処理材、 ローラーピストンの寸法:外径32mm×幅20mm、 からなるロータリーコンプレッサに組込み、 使用冷媒:フロン134a、 ローラーピストンへの押付力:17kgf 、 ローラーピストンの回転数:600r.p.m.、 試験時間:3000時間、 の条件で実機試験を行ない、最大摩耗深さを測定した。
これらの測定結果を表4,5に相手部材であるローラー
ピストンの最大摩耗深さと共に示した。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】
【表4】
【0014】
【表5】
【0015】
【発明の効果】表4,5に示される結果から、本発明銅
溶浸焼結ベーン部材1〜17は、厳しい腐食環境下で従
来焼結ベーン部材1〜5に比して一段とすぐれた耐摩耗
性を示し、かつ相手攻撃性も著しく低いことが明らかで
ある。上述のように、この発明の銅溶浸Fe基焼結合金
製ベーン部材は、苛酷な条件下での実用に際しても、き
わめて低い相手攻撃性を保持した状態で、すぐれた耐摩
耗性を発揮し、ロータリーコンプレッサの小型化および
高性能化に十分対応することができるなど工業上有用な
特性を有するのである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5〜20%の空孔率を有する炭化物分散
    析出型Fe基焼結合金に、CuまたはCu合金を溶浸し
    てなる銅溶浸Fe基焼結合金で構成したことを特徴とす
    る耐摩耗性のすぐれたロータリーコンプレッサの銅溶浸
    Fe基焼結合金製ベーン部材。
JP29086392A 1992-10-05 1992-10-05 耐摩耗性のすぐれたロータリーコンプレッサの銅溶浸Fe基焼結合金製ベーン部材 Withdrawn JPH06117389A (ja)

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JP29086392A JPH06117389A (ja) 1992-10-05 1992-10-05 耐摩耗性のすぐれたロータリーコンプレッサの銅溶浸Fe基焼結合金製ベーン部材

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JP29086392A Withdrawn JPH06117389A (ja) 1992-10-05 1992-10-05 耐摩耗性のすぐれたロータリーコンプレッサの銅溶浸Fe基焼結合金製ベーン部材

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JP (1) JPH06117389A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1158171A1 (en) * 1994-04-28 2001-11-28 Kabushiki Kaisha Toshiba Compressor

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