JPH06116836A - 流体噴射式織機の緯入れ制御装置 - Google Patents

流体噴射式織機の緯入れ制御装置

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JPH06116836A
JPH06116836A JP26523792A JP26523792A JPH06116836A JP H06116836 A JPH06116836 A JP H06116836A JP 26523792 A JP26523792 A JP 26523792A JP 26523792 A JP26523792 A JP 26523792A JP H06116836 A JPH06116836 A JP H06116836A
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JP26523792A
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Mitsuhiro Ara
光弘 荒
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 緯糸の挙動からキンキーなどの布欠点が発生
する可能性を監視し、布欠点の発生の可能性が高いとき
に、その防止対策を速やかに行わせる。 【構成】 緯入れ中の緯糸が反緯入れ側に到達してから
経糸に織り込まれるまでの期間、緯糸センサ24が緯糸
Yの挙動を検出する。この検出された緯糸Yの波形デー
タをA/D変換器29で離散値に時分割する。この時分
割データがニューラルネットワーク30の複数の入力ユ
ニットに入力される。ニューラルネットワーク30の入
力数は、予め時分割されるデータ数用意されている。ニ
ューラルネットワーク30は、入力された時分割波形デ
ータに応じて、予め設定された正常な波形データの形状
パターンと認識判別し、正常か異常かのデータを出力ユ
ニットから緯入れコントローラ11に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体噴射式織機におい
て、緯入れされた緯糸が反緯入れ側に到達した後、その
緯糸の伸縮に応じてキンキー(kinky)などの布欠
点が発生する可能性を監視し、布欠点発生の可能性が高
いときに、その防止対策を速やかに行えるようにした緯
入れ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、流体噴射式織機では、緯糸は、
反緯入れ側への到達時刻や緯入れ速度が一定であって
も、一定長でかつ一定張力のまま筬打ちされるものでは
なく、次のような挙動を示す。つまり、緯入れ開始後、
緯糸は、一旦最大の伸びを示した後、その伸び張力によ
る反動によって縮み緯入れ側に戻り、さらに、噴射流体
の残りなどによって再度伸びを示す。また、緯糸の糸種
の違いによって、あるいは、空気中の湿度や温度などの
環境の違いによって、緯入れ時の緯糸Yの振れや蛇行状
態、伸縮量や筬打ち時の張力等さまざまな特性が異な
る。これによって、反緯入れ側への緯糸の到達時刻が予
め設定した目標値となっていたとしても、織布にキンキ
ーなどの布欠点が発生することがある。その場合、キン
キーが発生しても、織機が自動的に停止しないので、不
良布が多量に織製されてしまうという不都合がある。
【0003】また、キンキーの発生有無は、織製後の布
で人間の目でしか判別できなかったため、織機稼動中に
おける人間による布品質の検査と、検査結果による緯入
れノズルの噴射圧力や噴射タイミングなどの緯入れ条件
の調整、あるいは、織製後の布品質検査など、多大な労
力と時間とを要する。
【0004】このようなことから、本出願人は、例え
ば、特開平2−68333号公報に開示された流体噴射
式織機の緯入れ制御装置を提案した。
【0005】これは、図5に示すようになっている。図
5において、緯糸Yは、緯糸測長貯留装置101に貯留
され、緯入れノズル102のメインノズル103に引き
通されている。メインノズル103の空気供給経路10
4は、加圧空気供給源として織物工場に設けられる元圧
105側からメインノズル103側に、圧力制御弁とし
ての電空比例弁106と圧力タンク107と電磁駆動自
己復帰形の開閉弁108とを順次配置して構成されてい
る。緯入れノズル102の複数のブロックに構成された
サブノズル群109の空気供給経路110は、元圧10
5側からサブノズル群109側に、圧力制御弁としての
電空比例弁111と圧力タンク112とサブノズル群1
09に対応する複数の電磁駆動自己復帰形の開閉弁11
3とを順次配置して構成されている。図外の経糸列の反
緯入れ側には、緯糸センサ114を所定位置に配置して
ある。緯糸センサ114は、緯入れ方向に位置を異にす
る複数の到達位置a,b,cを検出する。緯糸センサ1
14の複数の到達位置a〜cそれぞれの検出信号は、複
数の到達位置a〜cに対応する複数の信号処理回路11
5個別に通って制御回路116に出力される。複数の到
達位置a〜cは、例えば緯入れされたときの緯糸Yの先
端部の最初の初最大伸び到達位置aと、その後の縮みに
よる最大戻り到達位置bと、さらに再度伸び初めて最大
となる再最大伸び位置cとになっている。制御回路11
6は、織機主軸の回転角度位置を検出するアングルセン
サ117からの回転角度信号と、緯糸センサ114から
の到達位置信号とを入力し、これらの各入力信号を制御
回路116に予め設定された緯入れ条件に照合し、この
照合結果にもとづいて、緯糸測長貯留装置101の緯糸
解舒開始と、メインノズル103の空気供給経路104
中の開閉弁108と、サブノズル群109の空気供給経
路110中の開閉弁113それぞれに、所定のタイミン
グで駆動信号を出力するとともに、電空比例弁106,
111に圧力調節信号を出力する。特に、制御回路11
6は、アングルセンサ117からの回転角度信号と緯糸
センサ114からの到達位置信号とによって、メインノ
ズル103とサブノズル群109とからなる緯入れノズ
ル102の噴射圧力や噴射タイミングなどの緯入れ条件
が最適となるように制御している。
【0006】つまり、この織機は、緯入れ時に、緯糸測
長貯留装置101緯糸解舒開始と、この緯糸解舒開始直
前に噴射開始されるメインノズル103からの噴射流体
とによって、緯糸測長貯留装置101からメインノズル
103に引き通された緯糸Yが経糸開口内に緯入れされ
る。この緯入れ中において、サブノズル群109は、経
糸開口内を通る緯糸Yの先端部を追いかけるように加圧
空気をリレー噴射し、緯糸Yが図外のリードに形成され
た図外のエアガイドを通って経糸開口内を緯入れ側から
反緯入れ側へと飛走する。
【0007】この緯入れの終了に引き続いて、緯入れさ
れた緯糸Yは、リードの筬打ち運動と図外のヘルドによ
る経糸の開口運動とによって、図外の織り前に筬打ちさ
れるとともに経糸と上下に交錯されて織り込まれ、織布
に織製される。この後、筬打ち点付近において、メイン
ノズル103と織り前との間で、図外のカッタが経糸と
上下に交錯された緯糸Yを切断する。これら緯入れ,筬
打ち,切断が順次繰り返されて織布が織られていく。
【0008】また、緯糸センサ114が緯糸Yの反緯入
れ側への到達後の伸縮位置を、初最大伸び到達位置aと
最大戻り到達位置bと再最大伸び到達位置cとして検出
し、この各検出位置に応じて、緯入れノズル102の噴
射圧力や噴射タイミングなどの緯入れ条件を最適制御
し、織機稼動中にキンキーが発生するのを防止するよう
になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来例にあって
は、緯糸センサ114が緯入れ方向に並列された複数の
到達位置a〜cを検出する構成になっているので、緯糸
センサ114の構造が複雑になる。また、緯糸の糸種に
よって、緯糸の伸縮率が異なるため、糸種が変わるたび
に、緯糸センサ114の取り付け位置を調整する作業が
必要となる。また、緯糸Yの反緯入れ側への到達後の緯
糸の最大伸び位置と最大戻り位置を検出するだけなの
で、緯糸の振れ状態に起因するキンキーを防止する等更
にきめ細かな点での監視が要望されていた。
【0010】そこで、本発明では、緯糸の挙動からキン
キーなどの布欠点が発生する可能性を精度よく監視し、
布欠点の発生の可能性が高いときに、その防止対策を速
やかに行えるようにすることを課題にしている。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、緯糸測長
貯留装置から緯入れノズルに緯糸を引き通し、予め設定
された緯入れ条件によって緯入れノズルから流体を噴射
し、この噴射流体によって前記緯糸を経糸開口内に緯入
れし、この緯入れされた緯糸を、筬の筬打ち運動と経糸
の開口運動とによって、経糸に織り込む流体噴射式織機
において、前記緯糸が経糸開口内に緯入れされ、経糸に
織り込まれるまでの間の、緯糸の挙動を検出する検出手
段と、この検出手段からの出力信号の波形データを予め
設定された正常な波形データと比較し、この比較結果に
より布欠点の発生有無を判別する判別手段と、を備えて
いる。
【0012】第2の発明は、第1の発明の判別手段に、
前記検出手段からの出力信号の波形データを時分割する
手段と、この時分割データの正常時と異常時との相違点
をニューラルネットワークで識別する手段とを設けてあ
る。
【0013】第3の発明は、第1の発明の検出手段を、
経糸列の反緯入れ側に設置した光電式緯糸到達センサに
構成してある。
【0014】第4の発明は、第1の発明の判別手段から
の布欠点の発生有りの判別結果により、前記設定された
緯入れ条件を変更する緯入れ条件調整手段を設けてあ
る。
【0015】第5の発明は、第1の発明の判別手段から
の布欠点有りの判別結果により、警報を出力する警報手
段を設けてある。
【0016】
【作用】第1の発明では、緯入れ中において、検出手段
が緯糸が反緯入れ側に到達してから経糸に織り込まれる
までの間での、緯糸の挙動を検出し、判別手段が検出手
段からの出力信号の波形データを予め設定された正常な
波形データと比較し、この比較結果により布欠点の発生
有無を判別する。
【0017】第2の発明では、緯入れ中の所定時間に、
検出手段から得られる検出波形データをA/D変換器で
離散値に時分割する。この時分割データがニューラルネ
ットワークの複数の入力ユニットに入力される。ニュー
ラルネットワークの入力数は、予め時分割されるデータ
数用意されている。入力された時分割波形データに応じ
て、ニューラルネットワークはその波形形状のパターン
を認識判別し、正常か異常かのデータを出力ユニットか
ら出力する。
【0018】第3の発明では、光電式緯糸到達センサに
よる受光量の違いにより、緯入れの挙動を検出する。
【0019】第4の発明では、判別手段からの出力結果
に応じて、緯入れ制御の変更を行う。
【0020】第5の発明では、判別手段からの出力結果
に応じて、異常警報信号を発する。
【0021】
【実施例】図1は、一実施例としての織機の緯入れ制御
装置を示している。図1において、緯糸Yが、図外の給
糸体から緯糸測長貯留装置1の巻き付けアーム2中を通
り、巻き付けアーム2と緯糸測長貯留装置1のドラム3
との相対回転により、ドラム3の周面に巻き付けられて
貯留され、ドラム3の周面に挿入された係止爪4に係留
されつつ、緯入れ用のメインノズル5に引き通されてい
る。
【0022】メインノズル5の空気供給経路6は、加圧
空気供給源たる元圧7側からメインノズル5側に、圧力
制御弁としての電空比例弁8とサージタンク9と電磁駆
動自己復帰型の開閉弁10とを順次配置して構成されて
いる。電空比例弁8は、緯入れコントローラ11からの
出力信号により、サージタンク9内に蓄えられる空気の
圧力値を、緯入れコントローラ11に予め設定された設
定値となるように、自動的に圧力制御する。開閉弁10
は、緯入れコントローラ11からの出力信号により動作
するソレノイドコントローラ12からの出力電力と、開
閉弁10内に設けられたリターンスプリングとによっ
て、メインノズル5から加圧空気が噴射されるように、
開閉動作する。
【0023】織機のリード13の織り前側には、緯入れ
用の複数のブロックに構成されたサブノズル群14を配
設してある。サブノズル群14の空気供給経路15は、
前記元圧10側から複数のサブノズル群14側に、圧力
制御弁としての電空比例弁16とサージタンク17とサ
ブノズル群14に対応する複数の電磁駆動自己復帰型の
開閉弁18とを順次配置して構成されている。電空比例
弁16は、緯入れコントローラ11からの出力信号によ
り、サージタンク17内に蓄えられる空気の圧力値を、
緯入れコントローラ11に予め設定された設定値となる
ように、自動的に圧力制御する。複数の開閉弁18は、
ソレノイドコントローラ12からの出力電力と、開閉弁
18内に設けられたリターンスプリングとによって、緯
入れ側から反緯入れ側へと所定の開閉期間を以て順次開
閉動作する。この複数の開閉弁18の開弁により、複数
のサブノズル群14が、緯糸Yの飛走先端部を追いかけ
るように加圧空気をリレー噴射し、このサブノズル群1
4からの加圧空気の緯入れ側から反緯入れ側へのリレー
噴射により、緯糸Yがリード13に形成された図外のエ
アガイドを通って経糸開口内を緯入れ側から反緯入れ側
へと飛走して緯入れされる。
【0024】リード13の織り前側には、ストレッチノ
ズル19を、最も反緯入れ側に位置する最後のサブノズ
ル群14よりも反緯入れ側に位置して設けてある。スト
レッチノズル19は、経糸開口内に緯入れされた緯糸Y
が反緯入れ側に到達してから筬打ちされるまでの間、緯
糸に適切な張力を与えておくために、緯糸Yの先端部を
噴射される空気流によって保持するものである。ストレ
ッチノズル19の空気供給経路20は、前記元圧7側か
らストレッチノズル19側に、圧力制御弁としての電空
比例弁21とサージタンク22と電磁駆動自己復帰形の
開閉弁23とを配置して構成されている。
【0025】リード13の織り前側には、緯糸到達セン
サ24をストレッチノズル19よりも反緯入れ側に位置
して設けてある。緯糸到達センサ22は、経糸開口内に
緯入れされた緯糸Yが反緯入れ側に到達してから経糸に
織り込まれるまでの間での、緯糸Yの挙動を検出する検
出手段を構成している。具体的には、この緯糸到達セン
サ24は、光電センサ、例えば、反射型光電センサにな
っており、緯糸Yがその伸縮によって波打つことによ
り、受光量が変化し、この変化した受光量に応じて出力
レベルの異なる出力信号を緯入れコントローラ11と判
別手段23とに出力する。
【0026】緯入れコントローラ11は、緯糸到達セン
サ24の出力信号の入力時刻をアングルセンサ25から
の回転角度位置に置換し、この置換した回転角度位置な
る検出到達タイミングと、予め基準値として緯入れコン
トローラ11に設定された設定到達タイミングとの差を
演算し、その差を織機運転の準備作業で作業者によっ
て、マンマシンインターフェイス27から入力された織
機回転数と織り幅とにより求められた設定到達タイミン
グにフィードバックし、次の緯入れにおける係止爪4の
抜きタイミング,メインノズル5の噴射圧力や噴射タイ
ミング,サブノズル群14の噴射圧力や噴射タイミン
グ,ストレッチノズル19の噴射圧力や噴射タイミング
などの緯入れ条件を制御する。
【0027】判別手段23は、緯糸到達センサ24から
の出力信号を増幅する増幅器28と、増幅器28からの
出力信号を離散値に時分割するアナログデジタル変換器
(以下、A/D変換器と称する)29と、A/D変換器
29から出力される波形データを予め設定された正常な
波形データで比較判別するニューラルネットワークに構
成されたコンピュータ30とを備えている。
【0028】A/D変換器29は、増幅器28からの出
力信号を、緯糸Yの先端部が反緯入れ側に到達してから
経糸に織り込まれるまでの所定期間、例えば205度か
ら1度毎に355度までサンプリングし、このサンプリ
ングした150個の離散値データd1〜d150に時分割
し、コンピュータ30のデータメモリRAMに記憶す
る。このニューラルネットワーク30の出力は、緯入れ
コントローラ11に入力されるようになっている。
【0029】図2は、ニューラルネットワーク30のモ
デルを示している。図2において、ニューラルネットワ
ーク30は、入力層,中間層および出力層の3層の階層
ネットワークモデルになっている。
【0030】入力層は、150個の入力ユニットIi
(i=1〜150)で構成されている。150個の入力
ユニットIiには、A/D変換器25から対応する離散
値データdi(i=1〜150)が個別に入力される。
【0031】中間層は、30個の中間ユニットHj(j
=1〜30)で構成されている。30個の中間ユニット
Hjには、入力ユニットIiからの全ての信号Iiが入
力される。中間ユニットHjにおいては、各入力ユニッ
トIiからの信号Iiと重み係数Wjiとの積の総和を
算出し、この総和にオフセット値θjを加算し、この加
算値からシグモイド関数を用いて応答関数処理を行い、
0〜1の範囲で出力値Hiを求める。例えば、中間ユニ
ットH1の動作例は、各入力信号Iiと重み係数Wji
との積の総和を算出し、これにオフセット値θ1を加算
して、Y=(ΣW1i・Ii)+θ1を求める。この加算
値にシグモイド関数を用いて、H1=f(Y)を求め
る。シグモイド関数は、出力が0〜1の範囲内で単調非
減少の関数であり、実際の神経細胞の飽和的な反応の性
質を反映させたものである。したがって、各中間ユニッ
トHiの出力値は、Hj=f{(iΣWji・Ii)+
θi}となる。ただし、i=1〜150、j=1〜30
である。
【0032】出力層は、2個の出力ユニットOk(k=
1,2)で構成されている。2個の出力ユニットOkに
は、中間ユニットHjからの全ての信号Hjが入力され
る。出力ユニットOkにおいては、中間ユニットHjか
らの信号Hjと重み係数Vkjとの積の総和を算出し、
この総和にオフセット値γkを加算し、この加算値から
シグモイド関数を用いて応答関数処理を行い、0〜1の
範囲で出力値Okを求める。例えば、出力ユニットO2
の動作例は、各入力信号Hjと重み係数V2jとの積の総
和を算出し、これにオフセット値γ2を加算して、Z=
(ΣV2j・Hj)+γ2を求める。この加算値にシグモ
イド関数を用いて、O2=f(Z)を求める。シグモイ
ド関数は、出力が0〜1の範囲内で単調非減少の関数で
あり、実際の神経細胞の飽和的な反応の性質を反映させ
たものである。したがって、各出力ユニットOkの出力
値は、Ok=f{(iΣVkj・Hj)+γk}とな
る。ただし、j=1〜30、k=1,2である。
【0033】つまり、出力ユニットO1,O2の値は、緯
糸Yの挙動の良否にそれぞれの程度を数値化したもので
ある。ただし、0<Ok<1(k=1,2)である。こ
れにより、後述する学習により、重み係数Wji,Vk
jおよびオフセット値θj,γkを最適値に設定するこ
とを前提として、正常な信号波形形態ではO1の値が最
も大きくなり、キンキーの発生する波形形態ではO2
値が大きくなるとして、キンキーの発生を予測すること
ができる。具体的な波形データにて説明すると、図3
(A),(B)は横軸に主軸角度、縦軸に緯糸到達セン
サの出力電圧をとる。ここでは回路上の都合により、1
(V)が緯糸の反射光量が0で、0(V)が緯糸の反射
光量が最大値となる。図3(A)に示すような波形形態
の場合は、正常時の波形で、布品位は良好となり、出力
ユニットO1の値は0.5<O1<1.0となり、出力ユニ
ットO2の値は0<O2<0.5となる。また、図3
(B)に示すような波形形態の場合には、主軸角度が2
40(deg)〜300(deg)間で正常時よりも緯
糸Yの戻りが大きく、キンキーが発生するが、このとき
出力ユニットO1の値は0<O1<0.5となり、出力ユ
ニットO2の値は0.5<O2<1.0となる。よって、出
力ユニットO1,O2の出力値の大小関係により、キンキ
ー発生の傾向がつかめる。
【0034】次に、重み係数Wji,Vkjおよびオフ
セット値θj,γkを最適値に設定するための学習方法
について説明する。
【0035】階層型のニューラルネットワーク30にお
ける学習方法として、逆伝搬法(バックプロパゲーショ
ン法)がある。これは、規範となる教師データがあり、
実際の出力データと教師データとの誤差の2乗和を減少
するように、重み係数Wji,Vkjおよびオフセット
値θj,γkを出力層から入力層へと修正していく方法
である。
【0036】この一実施例によれば、マンマシンインタ
ーフェース27の操作により、出力ユニットO1,O2
対応した教師データ(T1,T2)を入力する。例えば、
正常な波形形態の場合の教師データ(T1,T2)OKに
は(1.0、0)が採用され、キンキー発生の波形波形
の場合の教師データ(T1,T2)NGには(0、1.
0)が採用される。学習のための実際の入力データは、
正常な緯入れ状態とキンキーを発生させた状態の2通り
で織機を運転し、それぞれの波形形状データdiを計測
して、入力ユニットIiに与える一方、それぞれの状態
の出力O1,O2に対し、教師データ(T1,T2)を与
え、出力データ(O1,O2)と教師データ(T1,T2
との誤差が少なくなるように、重み係数Wji,Vkj
およびオフセット値θj,γkを修正する。この実施例
では、織機オンライン上で学習を行ったが、オフライン
で学習した後、重み係数Wji,Vkjおよびオフセッ
ト値θj,γkをメモリRAMに記憶させても良い。
【0037】学習の結果、特定された結合重み係数Wj
i,Vkjおよびオフセット値θj,γkを持つニュー
ラルネットワークは、実際の製織における検出波形形態
の差異を明確に判別する。即ち、実際の製織における検
出波形形態が、正常な波形形態に近い場合、出力ユニッ
トのデータ(O1,O2)は教師データ(T1,T2)OK
により近い値を出力し、キンキー発生時の波形形態に近
い場合、出力ユニットのデータ(O1,O2)は教師デー
タ(T1,T2)NGにより近い値を出力する。これによ
り、現在の緯入れ状態で、キンキーの発生有無が検出さ
れる。このニューラルネットワーク30からの出力デー
タは、緯入れコントローラ11に入力され、キンキー発
生時の場合、緯入れ条件を変更する。例えば、緯入れ条
件の変更として、最終サブノズル群14の噴射終了タイ
ミングをΔt遅らせたり、ストレッチノズル19の噴射
圧力を増加させたりする。
【0038】また、キンキー発生時の場合は、ニューラ
ルネットワーク30の出力データを図外のランプデバイ
スのような警報手段に出力することにより、警報を発生
するようにしても良い。
【0039】また、コンピュータによるプログラム制御
によってニューラルネットワーク30をシミュレートす
る方式に代わり、ニューロン素子によるニューラルネッ
トワークを構成しても良い。
【0040】さらに、図4に示すように、ニューラルネ
ットワーク30による判別手段23の代わりに、信号処
理等による判別手段でも実現可能である。これは、得ら
れた時分割検出信号波形データの積分量を算出し、ある
許容範囲を持った所定の積分量との比較でキンキーを判
別するようにしたものである。A/D変換器によって時
分割された検出波形データをCPUにより積分し、所定
の積分量と比較し、それ以上であれば緯入れコントロー
ラ11にキンキー発生信号を出力するようになってい
る。この図4に示す実施例では、判別手段23として緯
入れコントローラ11と別のCPUを設けたが、これを
緯入れコントローラ11のCPUで処理させても良い。
【0041】また、本発明では、反緯入れ側に設けた緯
糸検出器からの波形データのみならず緯糸測長貯留装置
における緯糸解除検出器により得られる波形データに基
づいてキンキー発生有無を検出する場合にも適用可能で
ある。
【0042】また、本発明では、反緯入れ側に設けた緯
糸検出器からの波形データのみならず緯糸測長貯留装置
に設けた緯糸張力検出器により得られる波形データに基
づいてキンキー発生有無を検出する場合にも適用可能で
ある。
【0043】
【発明の効果】第1の発明では、緯入れ中において、緯
糸が反緯入れ側に到達してから経糸に織り込まれるまで
の間での、緯糸の挙動を検出し、この検出した波形デー
タを予め設定された正常な波形データと比較し、この比
較結果により布欠点の発生有無を判別するので、緯糸セ
ンサの構造を簡単にでき、検出精度も高くなる。しか
も、緯糸の糸種が変わっても、緯糸センサの取り付け位
置を調整する作業が不要となる。
【0044】第2の発明では、ニューラルネットワーク
が、学習によるパターン認識能力に優れているため、パ
ターンに相違が見られれば、容易に区別することができ
る。第3の発明では、光電式緯糸到達センサによる受光
量の違いにより、緯入れの挙動を検出するので、緯糸の
挙動を検出する検出手段の構造が、より一層簡単とな
る。
【0045】第4の発明では、判別手段からの出力結果
に応じて、緯入れ制御の変更を行うので、布欠点の判別
発生の高いときに、緯入れ条件を適切に自動的に制御す
ることができる。
【0046】第5の発明では、判別手段からの出力結果
に応じて、異常警報信号を発するので、布欠点の発生が
高いことを、作業者に自動的に知らせ、その防止対策を
速やかに行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示す構成図。
【図2】第1実施例のニューラルネットワークを示すモ
デル図。
【図3】検出波形データを示すものであって、(A)は
正常時の波形図、(B)はキンキー発生時の波形図。
【図4】第2実施例の要部を示す図。
【図5】従来例を示す構成図。
【符号の説明】
1…緯糸測長貯留装置 5…メインノズル 11…緯入れコントローラ 14…サブノズル群 23…判別手段 24…検出センサ 29…A/D変換器 30…ニューラルネットワーク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緯糸測長貯留装置から緯入れノズルに緯
    糸を引き通し、予め設定された緯入れ条件によって緯入
    れノズルから流体を噴射し、この噴射流体によって前記
    緯糸を経糸開口内に緯入れし、この緯入れされた緯糸
    を、筬の筬打ち運動と経糸の開口運動とによって、経糸
    に織り込む流体噴射式織機において、 前記緯糸が前記経糸開口内に緯入れされ、経糸に織り込
    まれるまでの間の、緯糸の挙動を検出する検出手段と、 この検出手段からの出力信号の波形データを予め設定さ
    れた正常な波形データと比較し、この比較結果により布
    欠点の発生有無を判別する判別手段と、 を備えたことを特徴とする流体噴射式織機の緯入れ制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記判別手段に、前記緯糸検出手段から
    の出力信号の波形データを時分割する手段と、この時分
    割データの正常時と異常時との相違点をニューラルネッ
    トワークで識別する手段とを設けた、 ことを特徴とする請求項1に記載した流体噴射式織機の
    緯入れ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記緯糸検出手段を、経糸列の反緯入れ
    側に設置した光電式緯糸到達センサに構成した、 ことを特徴とする請求項1に記載した流体噴射式織機の
    緯入れ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記判別手段からの布欠点の発生有りの
    判別結果により、前記設定された緯入れ条件を変更する
    緯入れ条件調整手段を設けた、 ことを特徴とする請求項1に記載した流体噴射式織機の
    緯入れ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記判別手段からの布欠点有りの判別結
    果により、警報を出力する警報手段を設けた、 ことを特徴とする請求項1に記載した流体噴射式織機の
    緯入れ制御装置。
JP26523792A 1991-11-22 1992-10-05 流体噴射式織機の緯入れ制御装置 Pending JPH06116836A (ja)

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KR1019930702162A KR930703494A (ko) 1991-11-22 1992-11-20 직기 제어 시스템
EP92923987A EP0573656B1 (en) 1991-11-22 1992-11-20 Control device in loom
KR2019950700009U KR960005668Y1 (ko) 1991-11-22 1992-11-20 직기제어 시스템
PCT/JP1992/001515 WO1993010296A1 (fr) 1991-11-22 1992-11-20 Dispositif de commande dans un metier a tisser
CN92114841A CN1073992A (zh) 1991-11-22 1992-11-22 织机的控制装置
TW081109519A TW261639B (ja) 1991-11-22 1992-11-27

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008127724A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Toyota Industries Corp エアジェット織機の圧縮空気異常検出方法
JP2016186144A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 株式会社豊田自動織機 エアジェット織機の緯糸検知装置

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