JPH06116581A - ボールジョイント用潤滑剤組成物 - Google Patents
ボールジョイント用潤滑剤組成物Info
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- JPH06116581A JPH06116581A JP29639592A JP29639592A JPH06116581A JP H06116581 A JPH06116581 A JP H06116581A JP 29639592 A JP29639592 A JP 29639592A JP 29639592 A JP29639592 A JP 29639592A JP H06116581 A JPH06116581 A JP H06116581A
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Abstract
のリンク部(例えばタイロッドエンド部等)に多く使用
されるボールジョイントにおいてジョイントの作動トル
クが低く、温度変化によるトルクの変動が小さくまた、
くり返し作動された後のトルクの変化並びにボールスタ
ットの変位量を極力抑えることが可能な潤滑剤組成物の
提供。 【構成】(イ)(i)25℃の粘度が3×103〜105
センチポアズの範囲内にある粘稠ポリイソプレンゴムお
よび/または(ii)鉱油および/または合成油を混合し
て25℃の粘度を3×103〜105センチポアズに調整
したポリイソプレンゴム粘稠物100重量部 (ロ)一般式(1)〜(2)に示される脂肪族アマイド
および脂肪族ビスアマイドよりなる群から選ばれた少な
くとも1種以上のアマイド化合物15〜65重量部、と
を含有することを特徴とするボールジョイント用潤滑剤
組成物。
Description
剤組成物に係わり、特に合成樹脂製ボールシートと、金
属製ボールスタット並びにソケットから構成されるボー
ルジョイントについてボールスタットとボールシート間
の潤滑に適したボールジョント用潤滑剤組成物に関する
ものである。
クボールジョイントは基本的には図1に示すように合成
樹脂製ボールシート1と金属製ボールスタット2及び金
属製ソケット3より構成されており、潤滑剤は合成樹脂
製ボールシート1と金属製ボールスタット2の間に塗布
され潤滑の機能を果す。ボールジョイントはその性能の
維持及び向上を計るため従来からいくつかの手法がとら
れており、例えば、ボールスタットの硬度を増し摩耗を
抑制したり、ボールシートにモリブデンや黒鉛あるいは
潤滑油を充填し樹脂自体の潤滑性を高めたり、またボー
ルシート内面に溝をつけ油溜(グリース溜)を設けるこ
とで潤滑性の向上を計ったもの等がある。しかしながら
これらの手法でボールジョイントの性能を向上させるに
は限度があり、また効果も小さいことからジョイントの
性能に大きく関与するグリース等の潤滑剤に頼っている
のが現状であり、より高性能なグリースへの期待は大き
い。またボールジョイントは懸架装置やかじ取り装置の
作動系の極めて重要な部分に位置しており、ジョイント
のガタ等が生じた場合は、直接的に車輌の走行性に影響
を及ぼす部品であるため、荷重下においてボールスタッ
トの変位量が変動ならびに増大することはボールジョイ
ントにとって致命的な問題となる。このことからプラス
チックボールジョイントは、ボールスタットと合成樹脂
製ボールシートをソケットに組み込む際に、ある一定の
荷重を加え、この荷重を維持した状態で組み立て合成樹
脂の粘弾性を利用してボールスタットとボールシート間
のクリアランスを可及的に小さくし、また負荷時におけ
るボールスタットの変位を極力抑える機構になってい
る。故に、ボールスタットとボールシート間にはある一
定の圧力が維持されることから、一般的な潤滑グリース
では、時間の経過と共にグリースが、ボールスタットと
ボールシート間より押し出され、作動トルクが大きくな
り、作動がくり返えされる過程において油膜破断が起
き、ボールスタットとボールシートが直接接触し摩耗が
生じ、ボールスタットの変位量が増大する。したがっ
て、ボールジョイント用潤滑剤の要求性能としては、荷
重下においてグリースが、ボールスタットとボールシー
ト間に強く付着し一定の膜厚を維持し、かつ静止状態か
ら運動状態に移った時に潤滑剤が摺動部で円滑に流動
し、またこれらはくり返し作動しても形成された潤滑膜
に変化が少なく安定した潤滑性能を与えるものでなけれ
ばならない。
やかじ取り装置のリンク部(例えばタイロッドエンド部
等)に多く使用されるボールジョイントにおいてジョイ
ントの作動トルクが低く、温度変化によるトルクの変動
が小さくまた、くり返し作動された後のトルクの変化並
びにボールスタットの変位量を極力抑えることが可能な
潤滑剤組成物を提供する点にある。
アズの範囲内にある粘稠ポリイソプレンゴムおよび/ま
たは(ii)鉱油および/または合成油を混合して25℃
の粘度を3×103〜105センチポアズに調整したポリ
イソプレンゴム粘稠物100重量部 (ロ)一般式(1)〜(2)に示される脂肪族アマイド
および脂肪族ビスアマイドよりなる群から選ばれた少な
くとも1種以上のアマイド化合物15〜65重量部、と
を含有することを特徴とするボールジョイント用潤滑剤
組成物に関する。
のアルキル基を示しR2はメチレン基またはエチレン基
を示す。)
る粘稠物は、ボールジョイントの摺動面間の付着性と円
滑な作動性に関係があり、25℃の粘度が3×103〜
105センチポアズの範囲内になければならない。粘度
が3×103センチポアズより小さいと付着性が弱く、
また潤滑膜が薄くなるため、境界面で樹脂と金属が直接
接触してしまい発生するトルクが大きくなる。一方粘度
が105センチポアズより大きいと、潤滑剤内部での粘
性抵抗が増大し、ボールジョイントにおけるトルクが上
昇する。ポリイソプレンゴムは、繰り返し単位が
合体である。ポリイソプレン以外の高分子系添加剤、例
えばポリブテン、ポリイソブチレン、ポリメタクリレー
トなどはいずれもポリイソプレンの場合と異なり、本発
明の目的を達成することができなかった。ポリイソプレ
ンゴムと、鉱油または合成油の混合比率は特に限定され
ず、混合し得られた粘稠物の粘度が3×103〜105セ
ンチポアズの範囲にあれば良い。ここで合成油とは通常
の、潤滑油あるいはグリースの基油として用いられる公
知のものを示し、例えば、ポリグリコール、ポリ−α−
オレフィン、ジエステル、ポリオールエステル、ケイ酸
エステル、ジフェニルエーテル、シリコーンなどがあ
り、特に限定されない。
稠状である(イ)成分を固体化あるいは半固体化させる
ための機能と、樹脂と金属間の摩擦係数の低減及び粘稠
物の内部流動を向上させる機能がある。その配合量が1
5重量部より少ないと潤滑剤が軟わらかすぎ流出しやす
くなったり、樹脂と金属間の潤滑性を向上させる効果が
弱くなる。一方65重量部より多いと潤滑剤は硬くなり
すぎて取り扱いが困難なわりには効果が上がりにくく、
また充填工程において圧送ができなくなる可能性があ
る。さらに本発明の潤滑剤組成物には、通常の潤滑グリ
ースに使用されている酸化防止剤、防錆剤、極圧剤等を
必要に応じて添加することができる。
体的に説明する。 実施例1 ステンレス製容器に25℃の粘度が5.2×104セン
チポアズのポリイソプレン(以下粘稠物Aと言う)を2
00g取り、次にエチレンビスステアリルアマイド(以
下アマイドAと言う)を80g添加し、撹拌しながら1
50℃まで加熱した。内容物が溶解し透明になったので
加熱をやめ、アミン系の酸化防止剤を1.0%添加し
て、常温まで冷却した後、三本ロールミルで均一に仕上
げて潤滑剤組成物を得た。
プレン60重量%と合成油として40℃の動粘度が33
センチストークスのポリ−α−オレフィン40重量%を
混合し得られた粘稠物(以下粘稠物Bと言う)の粘度を
測定したところ、25℃の粘度が8.0×104センチ
ポアズであった。そこで、ステンレス製容器にこの粘稠
物B200gを取り、つづいてアマイドA80gを添加
した。次に撹拌しながら150℃まで加熱し、内容物が
溶解し透明になったので加熱をやめアミン系の酸化防止
剤を1.0%添加し、常温まで冷却した。冷却後三本ロ
ールミルにて均一に仕上げて潤滑剤組成物を得た。
プレン30重量%と40℃の動粘度が26センチストー
クスの鉱油70重量%を混合し得られた粘稠物(以下粘
稠物Cと言う)の粘度を測定したところ、25℃の粘度
が3.6×103センチポアズであった。そこで、ステ
ンレス製容器にこの粘稠物C200gを取り、つづいて
アマイドA80gを添加した。次に撹拌しながら150
℃まで加熱し、内容物が溶解し透明になったので加熱を
やめアミン系の酸化防止剤を1.0%添加し、常温まで
冷却した。冷却後三本ロールミルにて均一に仕上げて潤
滑剤組成物を得た。
ドA40gを添加し、撹拌しながら150℃まで加熱し
た。内容物が溶解し透明になったので加熱をやめ、アミ
ン系の酸化防止剤を1.0%添加した。常温まで冷却し
た後、三本ロールミルにて均一に仕上げて潤滑剤組成物
を得た。
リルアマイド(以下アマイドBと言う)100gを添加
し、撹拌しながら150℃まで加熱した。内容物が溶解
し透明になったので加熱をやめ、アミン系の酸化防止剤
を1.0%添加して常温まで冷却した。冷却後三本ロー
ルミルにて均一に仕上げて潤滑剤組成物を得た。
ドAと、オレイルアマイド(以下アマイドCと言う)を
それぞれ50gつづ添加し、撹拌しながら150℃まで
加熱した。内容物が溶解し透明になったので加熱をや
め、アミン系の酸化防止剤を1.0%添加して常温まで
冷却した。冷却後三本ロールミルにて均一に仕上げて潤
滑剤組成物を得た。
プレン80重量%と40℃の動粘度が33センチストー
クスのポリ−α−オレフィン20重量%を混合して得ら
れた粘稠物(以下粘稠物Dと言う)の粘度を測定したと
ころ、25℃の粘度が5.0×105センチポアズであ
った。この粘稠物D200gと、アマイドA80gをス
テンレス製容器に入れ、撹拌しながら150℃まで加熱
した。以下の行程並びに方法は実施例1〜6と同じであ
る。
プレン30重量%と40℃の動粘度が26センチストー
クスの鉱油70重量%を混合し得られた粘稠物(以下粘
稠物Eと言う)の粘度は、25℃で800センチポアズ
であった。この粘稠物E200gとアマイドA80gを
ステンレス製容器に入れ、撹拌しながら150℃まで加
熱した。以下の行程並びに方法は実施例1〜6と同じで
ある。
ンレス製容器に入れ、撹拌しながら220℃まで加熱し
た。その後80℃まで急激に冷却し、アミン系の酸化防
止剤を1.0%加えた後、三本ロールミルにて均一に仕
上げた。
す。 比較例5 他社の市販汎用リチウム系グリースを示す。 比較例6 他社の市販アマイド系ボールジョイント用グリースを示
す。
1〜6の潤滑剤並びにグリースの一般性状、トルク試
験、および耐久試験の結果を表1〜表6に示す。実施例
1〜6の潤滑剤組成物はボールジョイントのトルクが常
温から低温まで低く維持され、しかも起動と回転トルク
の差が小さい。また耐久試験においてもリフト量が少な
い結果が得られた。比較例1は(イ)成分の粘度が10
5センチポアズ以上という高粘度の粘稠物を混合して得
た潤滑剤であるが、この潤滑剤は常温および低温におい
て、ともに高いトルク値を示した。比較例2は(イ)成
分の粘度が3×103以下の低い粘度の粘稠物を混合し
て得た潤滑剤であるが、この潤滑剤の常温及び低温での
回転トルクは高い値である。比較例3は実施例4で用い
たアマイドAの代わりにリチウムステアレートを配合し
たものであるが、このグリースは低温での回転トルク値
および常温での起動及び回転トルク値が大きい。比較例
4〜6は市場で広く使われているグリースであるが、比
較例4は常温でのトルク値が大きく、比較例6は低温で
のトルク値が大きい。また比較例5は常温および低温で
のトルク値が高く耐久試験後のリフト量の増加が非常に
大きい。
ールジョイント試験機を用いて各種潤滑剤組成物または
グリースのトルク試験および耐久試験を行った。 1)トルク試験の方法 ボールスタット:クロムモリブテン鋼、球状頭部の直径
20mm ボールシート :ポリアミド樹脂 〈試験条件〉・温 度 :25℃及び−20℃ ・予 圧 :1000kg ・回 転 :±30°、30cpm ・起動トルク:組立てから2時間経過後の動きはじめの
最大トルク値(kg・cm) ・回転トルク:前記起動トルクを測定後、ボールスタッ
トを10回回転させた直後のトルク値(kg・cm) 供試潤滑剤ならびにグリースは、ボールスタットとボー
ルシートの表面にそれぞれ均一に塗布して組立てた。起
動トルクは組立てから2時間経過後の動きはじめの最大
トルク値を測定し、回転トルクは、前記起動トルクを測
定した後、ボールスタットを10回回転させた直後のト
ルク値を測定した。 2)ボールジョイント耐久試験の方法 前記1)で組み立てたボールジョイントを下記の条件に
より耐久試験を行ない、ボールスタットのリフト量によ
り、その良否の判定を行った。この時のリフト量とはボ
ールスタットの軸方向に±50kgの荷重を加えた時に
ボールスタットが移動した(歪んだ)量を言う。 〈試験条件〉・温 度 :25℃ ・予 圧 :1000kg ・荷 重 :±250kg、60cpm(軸方向) ・揺 動 :±15°、50cpm ・回 転 :±30°、30cpm ・揺動回数 :106回 ・リフト測定時:±50kgを掛ける
ントに必要な潤滑性能、例えば、ボールスタットとボー
ルシートの間での強い付着力による一定の潤滑膜の維持
と、相反する流動抵抗を低く安定に保つことができる。
本発明の潤滑剤組成物は、ボールジョイントにおいての
トルクが低く、起動と回転トルクの差が小さく、また耐
久テストにおいても耐摩耗性が良好である。
示す図であり、(a)は部品とその組立ての概略を、
(b)は組立てられた製品の概略を示す図である。
能を評価する試験機の概略図である。
Claims (1)
- 【請求項1】(イ)(i)25℃の粘度が3×103〜
105センチポアズの範囲内にある粘稠ポリイソプレン
ゴムおよび/または(ii)鉱油および/または合成油を
混合して25℃の粘度を3×103〜105センチポアズ
に調整したポリイソプレンゴム粘稠物100重量部 (ロ)一般式(1)〜(2)に示される脂肪族アマイド
および脂肪族ビスアマイドよりなる群から選ばれた少な
くとも1種以上のアマイド化合物15〜65重量部、と
を含有することを特徴とするボールジョイント用潤滑剤
組成物。 【化1】 R1CONH2・・・・・・・・・・(1) R1CONHR2NHCOR1・・・ (2) (ただし、R1は炭素数15〜17の飽和または不飽和
のアルキル基を示し、R2はメチレン基またはエチレン
基を示す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4296395A JP2983778B2 (ja) | 1992-10-08 | 1992-10-08 | ボールジョイント用潤滑剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4296395A JP2983778B2 (ja) | 1992-10-08 | 1992-10-08 | ボールジョイント用潤滑剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06116581A true JPH06116581A (ja) | 1994-04-26 |
JP2983778B2 JP2983778B2 (ja) | 1999-11-29 |
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ID=17832992
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4296395A Expired - Lifetime JP2983778B2 (ja) | 1992-10-08 | 1992-10-08 | ボールジョイント用潤滑剤組成物 |
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