JPH06116357A - エポキシ樹脂の精製方法 - Google Patents

エポキシ樹脂の精製方法

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JPH06116357A
JPH06116357A JP26892792A JP26892792A JPH06116357A JP H06116357 A JPH06116357 A JP H06116357A JP 26892792 A JP26892792 A JP 26892792A JP 26892792 A JP26892792 A JP 26892792A JP H06116357 A JPH06116357 A JP H06116357A
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acid
group
compound
purifying
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JP26892792A
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Katsuyuki Maeda
克幸 前田
Souzou Ikui
創三 生井
Yoshiyuki Harano
芳行 原野
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオン性物質の含有量の極めて少ない脂環式
エポキシ樹脂の製造方法を開発すること。 【構成】 (a)1分子中に1個以上のビニル基と1個
のエポキシ基を有する化合物と、(b)多塩基酸無水
物、多塩基酸、酸末端重合体、およびカルボン酸基を含
有する重合体から選ばれた少なくとも1種と、(c)1
個以上の活性水素を有する化合物から選ばれた少なくと
も1種を反応させて得られるビニル基を有する樹脂を、
過酢酸と反応させ得られるエポキシ樹脂を製造する工程
において、得られたエポキシ樹脂をアルカリ水溶液で洗
浄するエポキシ樹脂の精製方法。 【効果】 イオン性物質の含有量の極めて少ない脂環式
エポキシ樹脂の製造方法を開発することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐水性、耐候
性に優れたエポキシ樹脂の精製方法に関するものであ
る。
【0002】本発明の重合体は、エポキシ基を有するた
め、光や熱などでカチオンを生ずる開始剤や酸無水物、
フェノール、アミンなどのエポキシの硬化剤と反応させ
たりして用いることができ、塗料用樹脂や接着剤用樹脂
として有用な物質であり、耐熱性、耐候性、耐水性に優
れ、さらに耐ブロッキング性が改善されたエポキシ樹脂
である。
【0003】
【従来技術】産業界において現在最も広く使用されてい
るエポキシ樹脂はビスフェノールAとエピクロルヒドリ
ンとの反応によって製造される、いわゆる、エピビス型
エポキシ樹脂である。
【0004】この樹脂は液体から固体まで幅広い製品が
あり、エポキシ基の反応性は高くポリアミンで常温硬化
できるという利点を有している。
【0005】しかしながら、その硬化物は耐水性に優れ
強靭であるという特徴があるにもかかわらず、耐候性が
悪いこと、耐トラッキング性など電気特性が悪いこと、
熱変形温度が低いことなどの欠点がある。とくに最近、
超LSIなどの封止用樹脂にフェノールやノボラック樹
脂とエピクロルヒドリンと反応させたエポキシ樹脂が使
用されているが、樹脂中に塩素が数100ppm含ま
れ、それが電気部品の電気特性を悪くするなどの問題が
起きている。塩素を含まず電気特性、耐熱性に優れたエ
ポキシ樹脂としては脂環式エポキシ樹脂がある。
【0006】特願04−083739で提案されたエポ
キシ樹脂は、耐熱性、耐水性、耐候性に優れ、かつ従来
のエポキシ樹脂に比べ高い反応性を有し、酸無水物、フ
ェノ−ルアミン硬化が可能である。
【0007】特願平04−083739ではエポキシ樹
脂はビニル基を有する樹脂とエポキシ化剤とを反応させ
て製造することを提案している。工業生産を考慮した場
合、エポキシ化剤としては比較的安定で、反応性にも富
み、工業的に安価に入手可能な過酢酸が有利である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、過酢酸との反
応によって得られるエポキシ樹脂は塩素、金属の含有率
が極めて低いにもかかわらず、イオン性物質含有量の目
安となる抽出水電気伝導度が高かった。この原因とし
て、樹脂中に含まれる酸性物質、酢酸エステルの加水分
解による酢酸などがあげられる。ビニル基を有する樹脂
と過酢酸との反応において酸性物質や酢酸エステルの生
成を抑制することは容易ではなかった。
【0009】これらのイオン性物質はエポキシの安定性
を低下させるだけでなく、その硬化物の物性にも影響を
及ぼすと考えられる。例えば、半導体の封止用に用いた
場合、絶縁性を低下させ金属の腐食の原因となる可能性
がある。
【0010】本発明は上記の問題点を解決するものであ
り耐熱性、耐水性、耐候性に優れ、かつ酸性物質の含有
量の極めて少ない脂環式エポキシ樹脂の製造方法を提供
するものである。
【0011】このような状況から本発明者らが検討した
結果、エポキシ樹脂を製造する工程において、得られた
エポキシ樹脂をアリカリ水溶液で洗浄水洗することによ
り、抽出水電気伝導度の極めて低いエポキシ樹脂を製造
し得ることを見出だし本発明に至った。
【0012】また、用いる(a)、(b)、(c)をい
ろいろ組み合わせることによってエポキシ樹脂の特性を
変えることができ、幅広い特性を与えることもできるこ
とが明らかになった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)1分子
中に1個以上のビニル基と1個のエポキシ基を有する化
合物と、(b)多塩基酸無水物、多塩基酸、酸末端重合
体、およびカルボン酸基を含有する重合体から選ばれた
少なくとも1種と、(c)1個以上の活性水素を有する
化合物から選ばれた少なくとも1種を反応させて得られ
るビニル基を有する樹脂を、過酢酸と反応させて得られ
るエポキシ樹脂を製造する工程において得られたエポキ
シ樹脂をアルカリ水溶液で洗浄精製することを特徴とす
るエポキシ樹脂の精製方法に関するものである。
【0014】次に、本発明について、さらに詳しく説明
する。
【0015】本発明で用いる1分子中に1個のエポキシ
基と1個以上のビニル基を有する化合物は、一般式(I
V) 《iは1から5の整数、R1 ,R4 は水素原子または炭
素数が1から50のアルキル基または置換フェニル基、
2 、R3 は水素原子または炭素数が1から50のアル
キル基であり、R2 、R3 は環を巻いていてもよい。》
で表される。
【0016】(IV)で表される化合物の例は、以下に示
すような化合物である。
【0017】4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシ
ド、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン−2−オキシド、リモネンモノオキシド、トリビニル
シクロヘキサンモノオキシド、ジビニルベンゼンモノオ
キシド、ブタジエンモノオキシドや1,2−エポキシ−
9−デセンなどの(I)で表される化合物、アリルグリ
シ ジルエーテルなどの(II)で表される化合物、グリ
シジルスチリルエーテルなどの化合物などである。
【0018】さらに、以下の化合物なども用いることが
できる。
【0019】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】 これらは、それぞれ単独で用いても、2種以上を同時に
用いてもよい。
【0020】また、必要に応じて、エチレンオキシド、
プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレ
ンオキシド、α−オレフィンエポキシドなどのモノエポ
キシドや、ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4−
エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシク
ロヘキシルカルボキシレートなどのジエポキシドなど
を、上記の1分子中に1個のエポキシ基と1個以上のビ
ニル基を有する化合物と同時に用いてもよい。
【0021】さらに、本発明で用いる(b)多塩基酸無
水物または多塩基酸としては、芳香族多塩基酸およびそ
の酸無水物や脂肪族多塩基酸およびその酸無水物があ
る。芳香族多塩基酸およびその酸無水物の例としては、
無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリ
メリット酸などがある。また、脂肪族多塩基酸およびそ
の酸無水物としては、テトラヒドロフタル酸、4−メチ
ルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジ
ピン酸、マレイン酸、およびそれらの酸無水物、フマル
酸、セバシン酸、ドデカン2酸、などがある。
【0022】また、本発明で用いる酸末端重合体として
は、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコー
ルやポリテトラメチレングリコールやポリブチレングリ
コールやポリシクロヘキセングリコールやポリビニルシ
クロヘキセングリコールなどに多塩基酸を反応させた酸
末端ポリエーテル、酸末端ポリエステル、酸末端ポリブ
タジエン、酸末端ポリカプロラクトンなどがある。
【0023】また、酸末端重合体のかわりにカルボン酸
基を有するアクリル共重合体なども使用することがで
き、多塩基酸無水物、多塩基酸、酸末端重合体、および
カルボン酸基を含有する重合体は単独で用いても、2種
類以上を併用してもよい。
【0024】次に、本発明で用いる(c)活性水素を有
する化合物としては、アルコール類、フェノール類、カ
ルボン酸類、アミン類、チオール類、水酸基末端重合
体、および水酸基を含有する重合体等があげられる。
【0025】アルコール類としては、1価、2価、3価
以上のものであり、たとえば、メタノール、エタノー
ル、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリ
セリン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリ
セロール、トリグリセロールなどがあげられる。その
他、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシヒバリン酸の
ネオペンチルグリコールエステル、ジペンタエリスリト
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチ
ルペンタンジオール、1,3,5−トリス(2−ヒドロ
キシエチル)シアヌル酸、水添ビスフェノールA、水添
ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、水添ビス
フェノールAのプロピレンオキシド付加物なども用いる
ことができる。
【0026】フェノール類としては、フェノール、クレ
ゾール、カテコール、ピロガロール、ハイドロキノン、
ハイドロキノンモノメチルエーテル、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、ビスフェノールS、ビスフェノールAのエチレン
オキシド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキシ
ド付加物、フェノール樹脂、クレゾールノボラック樹脂
等がある。
【0027】本発明で用いる水酸基末端重合体として
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリ
コール、ポリシクロヘキセングリコール、ポリビニルシ
クロヘキセングリコールなどのポリエーテルポリオー
ル、水酸基末端ポリエステル、水酸基末端ポリブタジエ
ン、水酸基末端ポリカプロラクトン、ポリカーボネート
ジオールなどがある。また、水酸基末端重合体のかわり
に水酸基を有するアクリル共重合体なども使用すること
ができる。
【0028】カルボン酸類としてはギ酸、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、動植物油の脂肪酸、フマル酸、マレイン
酸、アジピン酸、ドデカン2酸、トリメリット酸、ピロ
メリット酸、ポリアクリル酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸等がある。
【0029】また,乳酸、クエン酸、オキシカプロン酸
等、水酸基とカルボン酸を共に有する化合物もあげられ
る。
【0030】アミン類としてはモノメチルアミン、ジメ
チルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、プロ
ピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、ペン
チルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、
オクチルアミン、ドデシルアミン、4,4'−ジアミノジフ
ェニルメタン、イソホロンジアミン、トルエンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、エタノー
ルアミン等がある。
【0031】チオール類としてはメチルメルカプタン、
エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、フェニル
メルカプタン等のメルカプト類、メルカプトプロピオン
酸あるいはメルカプトプロピオン酸の多価アルコールエ
ステル、例えばエチレングリコールジメルカプトプロピ
オン酸エステル,トリメチロールプロパントリメルカプ
トプロピオン酸,ペンタエリスリトールペンタメルカプ
トプロピオン酸等があげられる。
【0032】さらにその他、活性水素を有する化合物と
してはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル部分加水
分解物、デンプン、セルロース、セルロースアセテー
ト、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシエチ
ルセルロース、アクリルポリオール樹脂、スチレンアリ
ルアルコール共重合樹脂、スチレン−マレイン酸共重合
樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、
ポリエステルカルボン酸樹脂、ポリカプロラクトンポリ
オール樹脂、ポリプロピレンポリオール、ポリテトラメ
チレングリコール等がある。
【0033】また、活性水素を有する化合物は、その骨
格中に不飽和2重結合を有していても良く、具体例とし
ては、アリルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−シクロヘキ
センメタノール、テトラヒドロフタル酸等がある。
【0034】これら活性水素を有する化合物であればど
のようなものでも用いることが出来,それらは2種以上
を混合してもよい。
【0035】本発明で用いるエポキシ樹脂は、上記1分
子中に1個以上のビニル基と1個のエポキシ基を有する
化合物(a)と、多塩基酸無水物、多塩基酸、酸末端重
合体、およびカルボン酸基を含有する重合体(b)から
選ばれた少なくとも1種と、活性水素を有する化合物
(c)から選ばれた少なくとも1種を、反応させて得ら
れるビニル基を有する樹脂をさらにエポキシ化剤でエポ
キシ化して得られる。
【0036】上記出発原料である(a),(b),およ
び(c)の仕込み比率は(a)を1〜99重量部、好ま
しくは、30〜80部、(b)を99〜1重量部、好ま
しくは、20〜70部、(c)を0〜99重量部、好ま
しくは、0〜30部とする。(c)成分は場合によって
は使用しなくても良い。(c)成分を使用しない場合、
反応時間、減圧度、反応温度、などをコントロ−ルする
ことにより脱水量を検知しながら分子量をコントロ−ル
することが必要である。
【0037】(a)成分の使用量が相対的に少ない場合
は目的とするエポキシ樹脂中のエポキシ基の含有量が少
なくなる。(a)成分/(b)成分のモル比率は、0.
4〜5.0、好ましくは、0.5〜3.0である。
【0038】(a)成分の比率が高くなると末端が水酸
基となる割合が多くなり、水酸基末端とカルボキシル基
末端がある場合では、脱水反応が進むにつれ全部の末端
が水酸基となる。
【0039】逆に、(b)成分の比率が高くなると、末
端がカルボキシル基となる割合が多くなり、水酸基末端
とカルボキシル基末端がある場合では、脱水反応が進む
につれ全部の末端がカルボキシル基となる。但し、
(a)成分の比率が多くなると、(a)成分の一部が反
応せずに残ってしまう。また、(b)成分の比率が必要
以上に多くなると、(b)成分が反応せずに残ってしま
う。
【0040】ビニル基を有する樹脂を合成する反応にお
いては、カルボキシル基によるエポキシ基の開環反応を
促進する触媒と、必要に応じて、(脱水)エステル化反
応を本発明で用い得るカルボキシル基によるエポキシ基
の開環反応を促進する触媒としては、ジメチルベンジル
アミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジア
ミン、トリ−n−オクチルアミンなどの3級アミン、テ
トラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアン
モニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマ
イドなどの4級アンモニウム塩、テトラメチル尿素など
のアルキル尿素、テトラメチルグアニジンなどのアルキ
ルグアニジンなどをあげることができる。
【0041】また、本発明で用い得る開環反応を促進す
る触媒は単独で用いても、2種類以上を併用してもよ
い。この触媒はエポキシ化合物に対して0.1〜5.0
重量%、好ましくは、0.5〜3.0重量%用いるのが
よい。この開環反応は50〜200℃、好ましくは、1
00〜180℃で行う。
【0042】また、本発明で用い得る(脱水)エステル
化反応を促進する触媒としては、オクチル酸スズ、ジブ
チルスズラウレートなどのSn化合物、テトラブチルチ
タネートなどのTi化合物などがあげられる。
【0043】また、本発明で用い得る(脱水)エステル
化反応を促進する触媒は単独で用いても、2種類以上を
併用してもよい。この触媒は反応系に対して0〜100
0ppm、好ましくは、50〜500ppm用いるのが
よい。この(脱水)エステル化反応は180〜240℃
で行う。
【0044】カルボキシル基によるエポキシ基の開環反
応と(脱水)エステル化反応を順次行ってもよいが、原
料と触媒を一括仕込みした後、反応温度を反応の進行に
応じて段階的に上昇させる方法が望ましい。また、必要
に応じて(c)成分と触媒を一括仕込みした後、
(a)、(b)成分を滴下しても良い。
【0045】さて、このように合成された環状オレフィ
ンまたはビニル基を有する樹脂にエポキシ化剤を作用さ
せて、本発明のエポキシ樹脂を合成するわけであるが、
用い得るエポキシ化剤としては過酸類、ハイドロパ−オ
キサイド類などをあげることができる。
【0046】過酸類としては、過ギ酸、過酢酸、過安息
香酸、トリフルオロ過酢酸がある。このうち、過酢酸は
工業的に大量に製造されており、安価に入手でき、安定
度も高いので好ましいエポキシ化剤である。エポキシ化
の際には必要に応じて触媒を用いることができる。例え
ば、過酸の場合、炭酸ソ−ダ等のアルカリや硫酸などぼ
酸を触媒として用い得る。
【0047】エポキシ化反応は、装置や原料物性に応じ
て溶媒使用の有無や反応温度を調節して行う。
【0048】用いるエポキシ化剤の反応性によって使用
できる反応温度域は定まる。
【0049】好ましいエポキシ化剤である過酢酸につい
ていえば0〜70℃が好ましい。
【0050】0℃以下では反応が遅く、70℃では過酢
酸の分解がおきる。
【0051】また、ハイドロパーオキサイドの1例であ
るターシャリブチルハイドロパーオキサイド/モリブデ
ン二酸化物ジアセチルアセトナート系では同じ理由で2
0℃〜150℃が好ましい。
【0052】溶媒は、原料粘度の低下、エポキシ化剤の
希釈による安定化などの目的で使用することができる。
過酢酸の場合であれば芳香族化合物、エーテル類、エス
テル類などを用いることができる。
【0053】不飽和結合に対するエポキシ化剤の仕込み
モル比は不飽和結合をどれくらい残存させたいかなどの
目的に応じて変化させることができる。
【0054】エポキシ基が多い化合物が目的の場合は、
エポキシ化剤は不飽和基に対して等モルかそれ以上加え
るのが好ましい。ただし、経済性、および副反応の問題
から2倍モルを越えることは通常不利であり、過酢酸の
場合1〜1.5倍モルが好ましい。
【0055】さて、本発明はこのようにして合成したエ
ポキシ樹脂にアルカリ水溶液を加えて攪拌し、その後、
放置して分液させることにより、洗浄精製する。
【0056】攪拌時間は特に限定しないが、高温では攪
拌時間が長くなると分液が悪くなるため15分以下が好
ましい。
【0057】放置時間は完全に分液するまでとする。洗
浄回数は1〜5回が好ましい。さらに回数を増やすと分
液が悪くなり、実用的にも有利でない。
【0058】アルカリ水溶液としては、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物、
炭酸ナトリウム、リン酸カリウム等の無機塩、酢酸ナト
リウム、ナトリウムフェノラ−ト等の有機酸塩、アンモ
ニア、アミン、ピリジン等の含窒素化合物等の水溶液を
使用することができる。このとき、水溶液に水溶性の有
機溶媒を加えてもよい。アルカリの濃度は低いと洗浄能
力が小さく高いとエポキシ樹脂の安定性が悪くなるため
0.1〜20%が好ましい。
【0059】水溶液の量は分液にし易さ、洗浄能力、経
済性からエポキシ樹脂に対して10〜200%が好まし
い。
【0060】洗浄温度は20〜90℃、好ましくは40
〜80℃である。20℃以下だと分液性が悪く、90℃
以上だとエポキシ樹脂の安定性が悪くなる。
【0061】エポキシ樹脂の反応粗液はそのままアルカ
リ水溶液で洗浄できる。また、反応粗液を濃縮などの化
学工学的手段によってエポキシ樹脂を取り出してから洗
浄することもできる。
【0062】本発明によって得られるエポキシ樹脂は混
合物として得られる場合が多い。
【0063】
【発明の効果】本発明の精製方法を用いて製造したエポ
キシ樹脂はイオン性物質含有量が少ないため抽出水電気
伝導度が低く、側鎖にエポキシ基を有するため、光や熱
などでカチオンを生ずる開始剤や酸無水物、フェノー
ル、アミンなどのエポキシの硬化剤と反応させて用いる
ことができ、種々の分野に有用な物質である。
【0064】さらに、本発明の精製方法を用いて製造し
たエポキシ樹脂は、グリシジル基とは反応性が異なった
エポキシ基を有しており、塗料用樹脂や接着剤用樹脂と
して有用な物質である。特に、Tgが高くブロッキング
しにくい物は、粉体塗料の樹脂および硬化剤として有用
な物質である。
【0065】又、本発明のの精製方法を用いて製造した
エポキシ樹脂は、フェノ−ルノボラック樹脂やその他の
硬化剤を用いて架橋させることによって、ハロゲン不純
物、酸性物質の濃度の低さから優れたLSI封止剤とし
ても用いることができる。
【0066】次に、実施例を挙げて本発明を説明する。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)1分子中に1個以上のビニル基と
    1個のエポキシ基を有する化合物と、(b)多塩基酸無
    水物、多塩基酸、酸末端重合体、およびカルボン酸基を
    含有する重合体から選ばれた少なくとも1種と、(c)
    1個以上の活性水素を有する化合物から選ばれた少なく
    とも1種を反応させて得られるビニル基を有する樹脂
    を、過酢酸と反応させ得られるエポキシ樹脂を製造する
    工程において、得られたエポキシ樹脂をアルカリ水溶液
    で洗浄することを特徴とするエポキシ樹脂の精製方法。
  2. 【請求項2】 1分子中に1個以上のビニル基と1個の
    エポキシ基を有する化合物が、4−ビニルシクロヘキセ
    ン−1−オキシドである請求項1のエポキシ樹脂の精製
    方法。
  3. 【請求項3】 1分子中に1個以上のビニル基と1個の
    エポキシ基を有する化合物が、5−ビニルビシクロ
    [2.2.1]ヘプト−2−エン−2−オキシドである
    請求項1のエポキシ樹脂の精製方法。
  4. 【請求項4】 1分子中に1個以上のビニル基と1個の
    エポキシ基を有する化合物が、リモネンモノオキシドで
    ある請求項1のエポキシ樹脂の精製方法。
  5. 【請求項5】 1分子中に1個以上のビニル基と1個の
    エポキシ基を有する化合物が、下記一般式(I) 《nは0から30の整数》で表される化合物である請求
    項1のエポキシ樹脂の精製方法。
  6. 【請求項6】 1分子中に1個以上のビニル基と1個の
    エポキシ基を有する化合物が、下記一般式(II) 《n1、n2は0から30の整数》で表される化合物で
    ある請求項1のエポキシ樹脂の精製方法。
  7. 【請求項7】 1分子中に1個以上のビニル基と1個の
    エポキシ基を有する化合物が、下記一般式(III) 《Phは置換フェニル基、nは0から30の整数》で表
    される化合物である請求項1のエポキシ樹脂の精製方
    法。
  8. 【請求項8】 1個以上の活性水素を有する化合物が、
    アルコール類、水酸基末端重合体、および水酸基を含有
    する重合体である請求項1のエポキシ樹脂の精製方法。
  9. 【請求項9】 酸末端重合体が、酸末端ポリエステルで
    ある請求項1のエポキシ樹脂の精製方法。
  10. 【請求項10】 水酸基末端重合体が、水酸基末端ポリ
    エステルである請求項8のエポキシ樹脂の精製方法。
  11. 【請求項11】 水酸基末端重合体が、水酸基末端ポリ
    エーテルである請求項8のエポキシ樹脂の精製方法。
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