JPH06116099A - ほう酸アルミニウムウィスカーの製造方法 - Google Patents

ほう酸アルミニウムウィスカーの製造方法

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JPH06116099A
JPH06116099A JP21571792A JP21571792A JPH06116099A JP H06116099 A JPH06116099 A JP H06116099A JP 21571792 A JP21571792 A JP 21571792A JP 21571792 A JP21571792 A JP 21571792A JP H06116099 A JPH06116099 A JP H06116099A
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JP
Japan
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aluminum
raw material
source
whiskers
aluminum borate
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Application number
JP21571792A
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English (en)
Inventor
Masayuki Shinoyama
雅行 篠山
Shojiro Watanabe
祥二郎 渡辺
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大規模な製造設備や工程を必要としないで、
効率よく高純度のほう酸アルミニウムウィスカーを製造
すること。 【構成】 アルミニウム源とほう素源との混合原料を熱
処理してほう酸アルミニウムウィスカーを製造する際
に、上記混合原料の熱処理工程において、アルミニウム
のハロゲン化物を存在させることを特徴とするほう酸ア
ルミニウムウィスカーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック、金属、
セラミック等の強化用複合材、耐火物及び触媒等に使用
されるほう酸アルミニウムウィスカーの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ほう酸アルミニウムの構造は、1035
℃以下の温度で安定な2Al2 3 ・B2 3 型構造
と、それを越える温度でも安定な9Al2 3 ・2B2
3 型構造とに大別される(NATURE vol.195,P69-70,Jul
y 7,1962 )。後者は、結晶構造的には10Al2 3
2B2 3 型構造であるが、化合物中のAl原子の一部
がB原子に置換されるため、化学分析的には9Al2
3 ・2B2 3 組成になるとされており(窯業協会誌 v
ol.88,no.2,P78-84,1980) 、この置換作用によるものと
思われる種々の組成の9Al2 3 ・2B2 3 型構造
が今日までに発表されている。
【0003】従来、ほう酸アルミニウムウィスカーの工
業的製法としては、外部フラックス法(特公平 4-21640
号公報)が知られている。この方法は、アルミニウム源
としてアルミニウムの水酸化物及び無機塩から選ばれた
少なくとも一種と、ほう素源としてほう素の酸化物、酸
素酸及びアルカリ金属塩から選ばれた少なくとも一種と
を、アルカリ金属の塩化物、硫酸塩及び炭酸塩から選ば
れた少なくとも一種のフラックス成分の存在下900〜
1200℃の温度で加熱し反応・育成してウィスカーを
製造するものである。この方法は、高温下で溶融するフ
ラックス成分の存在により、反応成分がフラックス中に
溶解・拡散して反応するので、生成物が単結晶になりや
すく、ウィスカー合成に適しているとされている。
【0004】しかしながら、上記方法は、原料中に大量
のフラックス成分が存在するので以下の問題がある。 (1)原料の混合工程からフラックス成分の除去工程ま
でのほぼ全工程において、反応物や生成物以外のフラッ
クス成分が大量に共存するため、各工程における処理量
が大量になり設備等の大型化が必要となる。 (2)熱処理後もフラックス成分が存在するため、生成
物からそれを除去する工程と設備が必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決し、大規模な製造設備や工程を必要としな
いで、効率よく高純度のほう酸アルミニウムウィスカー
を製造することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ア
ルミニウム源とほう素源との混合原料を熱処理してほう
酸アルミニウムウィスカーを製造する際に、上記混合原
料の熱処理工程において、アルミニウムのハロゲン化物
を存在させることを特徴とするほう酸アルミニウムウィ
スカーの製造方法である。
【0007】以下、さらに詳しく本発明について説明す
る。
【0008】本発明の原料であるアルミニウム源として
は、アルミニウムの水酸化物、酸化物、珪酸塩、硫酸塩
及び硝酸塩等から選ばれた一種又は二種以上が用いら
れ、また、ほう素源としては、ほう酸、酸化ほう素、ほ
う酸のアルカリ金属塩等から選ばれた一種又は二種以上
が用いられる。
【0009】アルミニウム源とほう素源との混合割合
は、アルミニウム元素(Al)とほう素元素(B )のモル
比Al/Bが4以下特に1〜4となる範囲が好ましい。この
範囲において、9Al2 3 ・2B2 3 型構造のほう
酸アルミニウムウィスカーを製造する際のアルミニウム
のハロゲン化物の効果が顕著となる。アルミニウム源の
割合をこれよりも多くすると、熱処理時にほう素成分が
蒸発飛散してほう酸アルミニウムウィスカーのほかに不
定形粒子のアルミナ相が生成するし、一方、ほう素源の
割合をこれよりも多くすると、熱処理後に余剰のほう素
源を除去するのに長時間必要となる。
【0010】本発明の大きな特徴は、アルミニウム源と
ほう素源との混合原料を熱処理する工程において、アル
ミニウムのハロゲン化物を存在させることである。具体
的には、例えば、上記混合原料にアルミニウムのハロゲ
ン化物源を配合しておきそれを密閉雰囲気下で熱処理す
る、又は上記混合原料の熱処理工程中に系外で気化させ
て得られた気相状態のアルミニウムのハロゲン化物を反
応系内に供給することである。アルミニウムのハロゲン
化物としては、フッ化アルミニウム(AlF3)、塩化アル
ミニウム(AlCl3)等の一種又は二種以上が使用され、ま
た、アルミニウムのハロゲン化物源としては、これらの
アルミニウムのハロゲン化物のほかに、熱処理によって
アルミニウムのハロゲン化物を生成する物質も使用され
る。
【0011】アルミニウムのハロゲン化物の使用量は、
混合原料中のアルミニウム元素とほう素元素のモル比に
よって異なる。あまりにも多量であると、反応系のアル
ミニウム成分が過多となり、生成物中に酸化アルミニウ
ム相の不定形粒子が析出するので、上記したアルミニウ
ム源とほう素源との配合比においては、ほう素源とアル
ミニウムのハロゲン化物とのモル比、すなわち B/(ア
ルミニウムのハロゲン化物)モル比で2〜200とする
のが望ましい。
【0012】混合原料の熱処理温度としては、9Al2
3 ・2B2 3 型構造のほう酸アルミニウム化合物が
生成する温度である1100℃以上で、かつアルミニウ
ムのハロゲン化物が気相状態を保ち得る温度であること
が必要である。具体的には、温度1100〜1400℃
で、反応時間は4時間以内である。
【0013】反応装置としては、通常の粉末冶金で採用
されているもので十分であるが、熱処理容器は、アルミ
ニウム源、ほう素源、アルミニウムのハロゲン化物と反
応しにくい材質のものが必要であり、それにはアルミナ
製が望ましい。密閉雰囲気を実現する方法としては、フ
タ付容器が好適に採用される。
【0014】以上のようにして製造された生成物には、
ほう酸アルミニウムウィスカーのほかに余剰のほう素成
分が若干残存する場合があるので、例えば、生成物を温
水中に分散させ、ほう素成分を溶出させて分離除去す
る。この操作は、従来のように、酸溶液による長時間の
処理によってフラックス成分を除去する操作に比較して
簡単である。
【0015】
【実施例】以下、実施例と比較例をあげてさらに具体的
に本発明を説明する。
【0016】実施例1 アルミニウム源としてAl(OH)3 、ほう素源としてH3B
O3 、アルミニウムのハロゲン化物としてAlF3を用い、A
l:B :AlF3のモル比が3:1:0.05となるように
計量し、ボールミルにて混合後、アルミナ製フタ付容器
中で密閉状態とし、温度1300℃で4時間熱処理し
た。
【0017】得られた生成物を約1時間の温水洗浄処理
を行ったところ、混合原料(Al(OH)3 とH3BO3 とAlF3
合計)100gから、長さ5〜10μm、径0.1〜1
μmのウィスカー60gが得られた。そのSEM写真
(倍率2000倍)を図1に示す。
【0018】実施例2 Al2(SO4)3 、H3BO3 及びAlF3を、Al:B :AlF3のモル比
を4:1:0.05に混合した原料を用いたこと以外
は、実施例1と同様にしてウィスカーを製造したとこ
ろ、混合原料100gから、長さ約10μm、径約0.
5μmのウィスカー25gが得られた。
【0019】実施例3 Al:B :AlF3のモル比を1:1:0.05とし、それを
温度1300℃で1時間熱処理し、生成物を2時間の温
水洗浄を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてウィ
スカーを製造したところ、混合原料100gから、長さ
30〜40μm、径1〜2μmのウィスカー40gが得
られた。
【0020】実施例4 Al(OH)3 、B2O3及びAlF3を、Al:B :AlF3のモル比を
6:2:0.1に混合した原料を用いたこと以外は、実
施例1と同様にしてウィスカーを製造したところ、混合
原料100gから、長さ10〜15μm、径0.5〜
1.5μmのウィスカー55gが得られた。
【0021】実施例5 ほう素源として、B2O3のかわりにNa2B407 を用いたこと
以外は、実施例4と同様にしてウィスカーを製造したと
ころ、混合原料100gから、長さ10〜20μm、径
1〜5μmのウィスカー38gが得られた。
【0022】実施例6 γ-Al2O3、H3BO3 及びAlF3を、Al:B :AlF3のモル比を
6:2:0.1に混合した原料を用いたこと以外は、実
施例1と同様にしてウィスカーを製造したところ、混合
原料100gから、長さ約3μm、径約0.3μmのウ
ィスカー90gが得られた。
【0023】比較例1 アルミニウム源としてAl2(SO4)3 、ほう素源としてH3BO
3 、フラックス成分として K2SO4とNa2CO3(K2SO4:Na2C
O3のモル比は1:2)を用い、Al:B :フラックスのモ
ル比が4:1:12となるように計量し、ボールミルに
て混合後、温度1100℃で4時間熱処理した。
【0024】得られた生成物を、1規定塩酸水溶液で約
8時間煮沸してフラックス成分を除去したところ、長さ
30μm、径1μmのウィスカーがフラックスを含めた
混合原料100gから6g得られた。
【0025】上記実施例1〜6及び比較例1で得られた
ウィスカーをX線分析したところ、いずれも9Al2
3 ・2B2 3 型構造であることが確認された。その一
例として、実施例1によって得られたX線回折図を図2
に示す。
【0026】
【発明の効果】本発明の効果は、以下のとおりである。 (1)原料は所望組成の化合物にできるだけ近づけて配
合することができ、フラックス成分を必要としないので
その分多くの原料を処理することができるか、又は熱処
理に伴う設備を小さくすることができる。 (2)熱処理後の生成物には、ほう酸アルミニウムウィ
スカー以外の第3成分の残存量が従来法に比べて少な
く、また、その除去が容易となるので、製造設備や工程
が簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたほう酸アルミニウムウィ
スカーの繊維構造を示す倍率2000倍のSEM写真で
ある。
【図2】 実施例1で得られたほう酸アルミニウムウィ
スカーのX線回折図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム源とほう素源との混合原料
    を熱処理してほう酸アルミニウムウィスカーを製造する
    際に、上記混合原料の熱処理工程において、アルミニウ
    ムのハロゲン化物を存在させることを特徴とするほう酸
    アルミニウムウィスカーの製造方法。
JP21571792A 1992-07-22 1992-07-22 ほう酸アルミニウムウィスカーの製造方法 Pending JPH06116099A (ja)

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