JPH06115310A - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
重荷重用空気入りラジアルタイヤInfo
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- JPH06115310A JPH06115310A JP4267388A JP26738892A JPH06115310A JP H06115310 A JPH06115310 A JP H06115310A JP 4267388 A JP4267388 A JP 4267388A JP 26738892 A JP26738892 A JP 26738892A JP H06115310 A JPH06115310 A JP H06115310A
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- wavy
- belt
- winding layer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 クラウン部における優れた耐セパレーション
性を備えサイド凹凸のない重荷重用空気入りラジアルタ
イヤを提案することである。 【構成】 1プライ以上のラジアルカーカスと2層以上
のスチールコード層からなるベルトとトレッド部とを備
え、ベルトとカーカスとの間に波形にくせずけされてト
レッド円周に沿う配列になる多数本のスチールコードの
ウエイビィコード巻回層を少なくとも1層設けて成る空
気入りラジアルタイヤにおいて、ウエイビィコードはそ
のタイヤ赤道面への投影が波形をなす。
性を備えサイド凹凸のない重荷重用空気入りラジアルタ
イヤを提案することである。 【構成】 1プライ以上のラジアルカーカスと2層以上
のスチールコード層からなるベルトとトレッド部とを備
え、ベルトとカーカスとの間に波形にくせずけされてト
レッド円周に沿う配列になる多数本のスチールコードの
ウエイビィコード巻回層を少なくとも1層設けて成る空
気入りラジアルタイヤにおいて、ウエイビィコードはそ
のタイヤ赤道面への投影が波形をなす。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ベルトのセパレーシ
ョン耐久性を高めることを目的として専ら張力を負担す
る層をクラウン部に備えた重荷重用空気入りラジアルタ
イヤに関し、この張力負担層に波形にくせずけしたスチ
ールコードからなるウエイビィコード巻回層を用い、そ
の際のウエイビィコードに特有な挙動に起因して発生す
るセパレーション故障並びにサイド凹凸を抑制してセパ
レーション耐久性を一段と高めたサイドウォール外観の
良い重荷重用空気入りラジアルタイヤに関するものであ
る。
ョン耐久性を高めることを目的として専ら張力を負担す
る層をクラウン部に備えた重荷重用空気入りラジアルタ
イヤに関し、この張力負担層に波形にくせずけしたスチ
ールコードからなるウエイビィコード巻回層を用い、そ
の際のウエイビィコードに特有な挙動に起因して発生す
るセパレーション故障並びにサイド凹凸を抑制してセパ
レーション耐久性を一段と高めたサイドウォール外観の
良い重荷重用空気入りラジアルタイヤに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】トラック・バス、産業車両、建設車両な
どに使用される重荷重用空気入りラジアルタイヤにおけ
るベルトのセパレーション耐久性を向上させる手段とし
てベルトに加わる張力を軽減することが知られている
が、なかでも専ら張力を負担する層を別途ベルトに付け
加えることによりベルト張力を軽減することが有効であ
るとされている。この張力負担層として、波形にくせず
けされた伸びの少ないスチールコードの多数本をトレッ
ド円周に沿って配列したウエイビィコード巻回層がよく
知られている。なおこの波形は正弦波状の曲線をとるこ
とが多い。
どに使用される重荷重用空気入りラジアルタイヤにおけ
るベルトのセパレーション耐久性を向上させる手段とし
てベルトに加わる張力を軽減することが知られている
が、なかでも専ら張力を負担する層を別途ベルトに付け
加えることによりベルト張力を軽減することが有効であ
るとされている。この張力負担層として、波形にくせず
けされた伸びの少ないスチールコードの多数本をトレッ
ド円周に沿って配列したウエイビィコード巻回層がよく
知られている。なおこの波形は正弦波状の曲線をとるこ
とが多い。
【0003】ウエイビィコード巻回層は、タイヤに内圧
を充填した際の張力負担層として機能しベルトに加わる
張力を軽減してベルトの耐セパレーション性を向上させ
る効果と、また走行に伴うタイヤの径成長を抑制するこ
とでベルトのセパレーション耐久性を高める効果とをも
たらすものである。この効果を有効に発揮させるため上
記巻回層はベルトとカーカスとの間に設け、また巻回層
におけるウエイビィコードはその波形を幅方向に寝かせ
た配置とするものである。
を充填した際の張力負担層として機能しベルトに加わる
張力を軽減してベルトの耐セパレーション性を向上させ
る効果と、また走行に伴うタイヤの径成長を抑制するこ
とでベルトのセパレーション耐久性を高める効果とをも
たらすものである。この効果を有効に発揮させるため上
記巻回層はベルトとカーカスとの間に設け、また巻回層
におけるウエイビィコードはその波形を幅方向に寝かせ
た配置とするものである。
【0004】上述のウエイビィコード巻回層を備えるタ
イヤが内圧の充填の下で転動する際、図4の(a)に1
本のウエイビィコードCwの一部を展開して模式により
示すように、非接地状態では図の上下に示す矢印の向き
に大きな張力Tを受けて直状となるが、接地状態になる
と圧縮力が働いて張力Tが大きく緩和され、図に示す左
右に向かう矢印の向きに弾性復元して波形を呈すること
となる。つまりウエイビィコードは転動中に直状と波形
状との間の変形を繰り返すことを見出した。
イヤが内圧の充填の下で転動する際、図4の(a)に1
本のウエイビィコードCwの一部を展開して模式により
示すように、非接地状態では図の上下に示す矢印の向き
に大きな張力Tを受けて直状となるが、接地状態になる
と圧縮力が働いて張力Tが大きく緩和され、図に示す左
右に向かう矢印の向きに弾性復元して波形を呈すること
となる。つまりウエイビィコードは転動中に直状と波形
状との間の変形を繰り返すことを見出した。
【0005】ウエイビィコードが上述のような繰返変形
を行うと、ウエイビィコード巻回層は転動中に幅の伸縮
を繰り返すこととなり、その結果この巻回層とそれを挟
むベルトのスチールコード層及びカーカスプライとの間
に大きな剪断歪み振幅が繰り返し生じることになる。こ
のためたとえベルト端セパレーションが抑制されても剪
断歪み振幅が繰り返し加えられる層間にセパレーション
が先に発生することになり、ウエイビィコード巻回層を
単に設けるというだけではクラウン部に高いセパレーシ
ョン耐久性を期待することができないことがわかった。
を行うと、ウエイビィコード巻回層は転動中に幅の伸縮
を繰り返すこととなり、その結果この巻回層とそれを挟
むベルトのスチールコード層及びカーカスプライとの間
に大きな剪断歪み振幅が繰り返し生じることになる。こ
のためたとえベルト端セパレーションが抑制されても剪
断歪み振幅が繰り返し加えられる層間にセパレーション
が先に発生することになり、ウエイビィコード巻回層を
単に設けるというだけではクラウン部に高いセパレーシ
ョン耐久性を期待することができないことがわかった。
【0006】またウエイビィコード巻回層を備えたタイ
ヤをインフレートした際、サイドウォール部に放射方向
の凹部と凸部とが交互にあらわれる、いわゆるサイド凹
凸が発生することが新たな問題として提起されるように
なってきた。このサイド凹凸はタイヤのサイズが大型に
なるほど外観で一層明確に識別できるようになり、使用
者が大きな不信感を抱くところとなり改善が強く望まれ
るようになった。
ヤをインフレートした際、サイドウォール部に放射方向
の凹部と凸部とが交互にあらわれる、いわゆるサイド凹
凸が発生することが新たな問題として提起されるように
なってきた。このサイド凹凸はタイヤのサイズが大型に
なるほど外観で一層明確に識別できるようになり、使用
者が大きな不信感を抱くところとなり改善が強く望まれ
るようになった。
【0007】サイド凹凸が起きる原因を図4の(b)に
基ずいて説明する。図4の(b)はインフレート前の多
数本(図示の例は3本)のウエイビィコードCwとラジ
アルカーカスのプライコードCとを展開して模式により
あらわしたものである。なお各ウエイビィコードCwは
巻回層の幅方向に全幅にわたって波の山の頂部P、谷の
底部Qのそれぞれを揃えるのが通例である。
基ずいて説明する。図4の(b)はインフレート前の多
数本(図示の例は3本)のウエイビィコードCwとラジ
アルカーカスのプライコードCとを展開して模式により
あらわしたものである。なお各ウエイビィコードCwは
巻回層の幅方向に全幅にわたって波の山の頂部P、谷の
底部Qのそれぞれを揃えるのが通例である。
【0008】タイヤがインフレートされるとウエイビィ
コードCwは張力Tにより直状に変形するので頂部Pは
矢印が示す左向きに、底部Qは矢印が示す右向きにそれ
ぞれ移動する。その際、ウエイビィコードCwとプライ
コードとは薄いゴム層を介して互いに結合しているの
で、頂部Pの下近傍に位置するプライコードCには大き
な矢印で示す左向きの力が作用し、底部Qの下近傍に位
置するプライコードCには右向きの力が作用する。その
結果、図4の(b)の右側にあるプライコードCでは、
頂部P近傍のプライコードCはタイヤ内方に引張られて
凹む傾向を示し、底部Q近傍のプライコードCはタイヤ
外方に張出して凸となる傾向を示すためサイド凹凸が発
生することを突き止めた。図4の(b)の左側のプライ
コードにおいても同様である。
コードCwは張力Tにより直状に変形するので頂部Pは
矢印が示す左向きに、底部Qは矢印が示す右向きにそれ
ぞれ移動する。その際、ウエイビィコードCwとプライ
コードとは薄いゴム層を介して互いに結合しているの
で、頂部Pの下近傍に位置するプライコードCには大き
な矢印で示す左向きの力が作用し、底部Qの下近傍に位
置するプライコードCには右向きの力が作用する。その
結果、図4の(b)の右側にあるプライコードCでは、
頂部P近傍のプライコードCはタイヤ内方に引張られて
凹む傾向を示し、底部Q近傍のプライコードCはタイヤ
外方に張出して凸となる傾向を示すためサイド凹凸が発
生することを突き止めた。図4の(b)の左側のプライ
コードにおいても同様である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがってこの発明の
目的は、波形にくせずけされてトレッドの円周に沿う配
列になる多数本のスチールコードのウエイビィコード巻
回層をベルトとカーカスとの間に設けてベルトにおける
高度な耐セパレーション性の確保を前提とし、ウエイビ
ィコード巻回層が原因となるセパレーションの発生並び
にサイド凹凸の発生を抑制した重荷重用空気入りラジア
ルタイヤを提案することにある。
目的は、波形にくせずけされてトレッドの円周に沿う配
列になる多数本のスチールコードのウエイビィコード巻
回層をベルトとカーカスとの間に設けてベルトにおける
高度な耐セパレーション性の確保を前提とし、ウエイビ
ィコード巻回層が原因となるセパレーションの発生並び
にサイド凹凸の発生を抑制した重荷重用空気入りラジア
ルタイヤを提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の重荷重用空気
入りラジアルタイヤは、一対のビードコアに跨ってトロ
イド状に連なる、ラジアル配列のスチールコードよりな
る1プライ以上のカーカスと、カーカスの外周側に配設
された2層以上のスチールコード層からなるベルトと、
ベルトの更に外周側に配設されたトレッド部とを備え、
ベルトとカーカスとの間に波形にくせずけされてトレッ
ド円周に沿う配列になる多数本のスチールコードのウエ
イビィコード巻回層を少なくとも1層設けて成る空気入
りラジアルタイヤにおいて、上記巻回層におけるウエイ
ビィコードはそのタイヤ赤道面への投影が波形をなすこ
とを特徴とするものである。
入りラジアルタイヤは、一対のビードコアに跨ってトロ
イド状に連なる、ラジアル配列のスチールコードよりな
る1プライ以上のカーカスと、カーカスの外周側に配設
された2層以上のスチールコード層からなるベルトと、
ベルトの更に外周側に配設されたトレッド部とを備え、
ベルトとカーカスとの間に波形にくせずけされてトレッ
ド円周に沿う配列になる多数本のスチールコードのウエ
イビィコード巻回層を少なくとも1層設けて成る空気入
りラジアルタイヤにおいて、上記巻回層におけるウエイ
ビィコードはそのタイヤ赤道面への投影が波形をなすこ
とを特徴とするものである。
【0011】この発明を図面に基ずいてさらに具体的に
説明する。図1はこの発明の重荷重用空気入りラジアル
タイヤ1のタイヤ回転軸心を含む平面による断面をタイ
ヤ赤道面Eより右半分について示す。図2の(a)には
図1におけるベルトとその近傍の構成を模式により示
し、図2の(b)ではウエイビィコードの一部を展開し
て示した。図2の(c)に、図2の(a)に示す円Sで
囲んだ要部につきこれを拡大してタイヤ赤道面Eととも
に示す。
説明する。図1はこの発明の重荷重用空気入りラジアル
タイヤ1のタイヤ回転軸心を含む平面による断面をタイ
ヤ赤道面Eより右半分について示す。図2の(a)には
図1におけるベルトとその近傍の構成を模式により示
し、図2の(b)ではウエイビィコードの一部を展開し
て示した。図2の(c)に、図2の(a)に示す円Sで
囲んだ要部につきこれを拡大してタイヤ赤道面Eととも
に示す。
【0012】図1において、2はカーカス、3はビード
コア、4はベルト、5はトレッド部、6はウエイビィコ
ード巻回層である。カーカス2は1プライ以上(図示の
例は1プライ)のラジアル配列としたスチールコードよ
りなり、一対のビードコア3(片側のみ示す)に跨って
トロイド状に連なる。ベルト4は2層以上(図示の例は
5層)のスチールコード層からなりカーカス2の外周側
に配設される。ベルト4とカーカス2との間にウエイビ
ィコード巻回層6を少なくとも1層(図示の例は1層)
設ける。
コア、4はベルト、5はトレッド部、6はウエイビィコ
ード巻回層である。カーカス2は1プライ以上(図示の
例は1プライ)のラジアル配列としたスチールコードよ
りなり、一対のビードコア3(片側のみ示す)に跨って
トロイド状に連なる。ベルト4は2層以上(図示の例は
5層)のスチールコード層からなりカーカス2の外周側
に配設される。ベルト4とカーカス2との間にウエイビ
ィコード巻回層6を少なくとも1層(図示の例は1層)
設ける。
【0013】図2の(a)及び(b)において、ウエイ
ビィコード巻回層6は周期λと振幅2aとをもって波形
にくせずけされたスチールコード、すなわちウエイビィ
コードCwの多数本をトレッド円周に沿って配列した構
成になる。
ビィコード巻回層6は周期λと振幅2aとをもって波形
にくせずけされたスチールコード、すなわちウエイビィ
コードCwの多数本をトレッド円周に沿って配列した構
成になる。
【0014】波形にくせずけされるスチールコードは切
断時伸びが2〜3%の本質的に非伸長性のコードとする
のが望ましい。また波形は図示の例でP及びQを頂部お
よび底部とする正弦波状としているるが、その他四角形
状または三角形状としてもよい。さらに巻回層6は1本
または複数本のウエイビィコードCwをカーカス2の外
周側に螺旋巻きして形成するか、または所定の本数のウ
エイビィコードCwを揃えてゴム中に埋設した層を巻回
してオーバーラップジョイントにより形成するか、いず
れの形成であっても可としタイヤの用途に従っていずれ
かを適宜選択するものである。
断時伸びが2〜3%の本質的に非伸長性のコードとする
のが望ましい。また波形は図示の例でP及びQを頂部お
よび底部とする正弦波状としているるが、その他四角形
状または三角形状としてもよい。さらに巻回層6は1本
または複数本のウエイビィコードCwをカーカス2の外
周側に螺旋巻きして形成するか、または所定の本数のウ
エイビィコードCwを揃えてゴム中に埋設した層を巻回
してオーバーラップジョイントにより形成するか、いず
れの形成であっても可としタイヤの用途に従っていずれ
かを適宜選択するものである。
【0015】巻回層6におけるウエイビィコードCwは
そのタイヤ赤道面Eへの投影が波形をなすものである。
これを図2の(c)に基ずいてさらに具体的に説明す
る。尚図2の(c)におけるCwは、図2の(b)に示
したウエイビィコードCwをその長手方向に向かって見
通した際に得られる形状を示すものである。
そのタイヤ赤道面Eへの投影が波形をなすものである。
これを図2の(c)に基ずいてさらに具体的に説明す
る。尚図2の(c)におけるCwは、図2の(b)に示
したウエイビィコードCwをその長手方向に向かって見
通した際に得られる形状を示すものである。
【0016】図2の(c)において、P及びQは図2の
(b)に示すウエイビィコードCwの波の頂部P及び底
部Qにそれぞれ対応し、2tは巻回層6の厚さTの方向
に沿うP及びQの間の高さを示す。つまりウエイビィコ
ードCwは波の頂部P及び底部Qが交互に高さ2tの間
を亙りながらトレッド円周に沿って配列されるものであ
る。頂部P及び底部Qのタイヤ赤道面Eへの投影をPe
及びQeとすれば、ウエイビィコードCwのタイヤ赤道
面Eへ投影される波はその頂部及び底部をPe及びQe
とする振幅が2tの波となる。
(b)に示すウエイビィコードCwの波の頂部P及び底
部Qにそれぞれ対応し、2tは巻回層6の厚さTの方向
に沿うP及びQの間の高さを示す。つまりウエイビィコ
ードCwは波の頂部P及び底部Qが交互に高さ2tの間
を亙りながらトレッド円周に沿って配列されるものであ
る。頂部P及び底部Qのタイヤ赤道面Eへの投影をPe
及びQeとすれば、ウエイビィコードCwのタイヤ赤道
面Eへ投影される波はその頂部及び底部をPe及びQe
とする振幅が2tの波となる。
【0017】巻回層6におけるウエイビィコードCwの
波形の傾きの度合は2t/2aすなわちt/aで決ま
り、0.3≦t/a<1とするのが望ましい。
波形の傾きの度合は2t/2aすなわちt/aで決ま
り、0.3≦t/a<1とするのが望ましい。
【0018】
【作用】図3の(a)、(b)及び(c)に基ずいて作
用を以下に説明する。図3の(a)は、ウエイビィコー
ド巻回層6における1本のウエイビィコードCwを展開
して示すものであり、CW−1はタイヤ1をインフレー
トした際に張力Tが作用して直状となったウエイビィコ
ードCwを示し、Cw−2は接地状態において圧縮され
て振幅が大きくなったウエイビィコードCwを示す。タ
イヤ1の転動とともにウエイビィコードCwはCw−1
とCw−2との間の移動を伴う変形を繰り返すこととな
る。波の山と谷はPとPaとの間、QとQaとの間の移
動となる。
用を以下に説明する。図3の(a)は、ウエイビィコー
ド巻回層6における1本のウエイビィコードCwを展開
して示すものであり、CW−1はタイヤ1をインフレー
トした際に張力Tが作用して直状となったウエイビィコ
ードCwを示し、Cw−2は接地状態において圧縮され
て振幅が大きくなったウエイビィコードCwを示す。タ
イヤ1の転動とともにウエイビィコードCwはCw−1
とCw−2との間の移動を伴う変形を繰り返すこととな
る。波の山と谷はPとPaとの間、QとQaとの間の移
動となる。
【0019】図3の(b)は図2の(c)と同様にウエ
イビィコードCwをあらわしたものであり、ウエイビィ
コードCwの波形を傾けることによりP〜Pa間の移動
量Px及びQ〜Qa間の移動量Qxはそれぞれ、巻回層
6の幅方向に向かう成分Py及びQyと、これに垂直な
成分Pz及びQzとに分けられる。よって接地状態と非
接地状態との間で生じる巻回層6の幅の変化量は成分P
yのみに依存して緩和されることとなる。この変化量の
緩和は、図3の(c)に示すように波形を横置きとする
従来のウエイビィコード巻回層の場合と比較すれば明ら
かであり、緩和の度合は波形の傾斜の度合、すなわちt
/aに応じて決まる。
イビィコードCwをあらわしたものであり、ウエイビィ
コードCwの波形を傾けることによりP〜Pa間の移動
量Px及びQ〜Qa間の移動量Qxはそれぞれ、巻回層
6の幅方向に向かう成分Py及びQyと、これに垂直な
成分Pz及びQzとに分けられる。よって接地状態と非
接地状態との間で生じる巻回層6の幅の変化量は成分P
yのみに依存して緩和されることとなる。この変化量の
緩和は、図3の(c)に示すように波形を横置きとする
従来のウエイビィコード巻回層の場合と比較すれば明ら
かであり、緩和の度合は波形の傾斜の度合、すなわちt
/aに応じて決まる。
【0020】まず、上述のようにウエイビィコード巻回
層6における幅の変化量が緩和されると巻回層6とそれ
に隣接するベルト4のコード層との間及びカーカスプラ
イとの間のそれぞれの剪断歪み振幅の大きさが緩和され
ることになり、その結果これら層間におけるセパレーシ
ョン発生を有効に抑制することができる。
層6における幅の変化量が緩和されると巻回層6とそれ
に隣接するベルト4のコード層との間及びカーカスプラ
イとの間のそれぞれの剪断歪み振幅の大きさが緩和され
ることになり、その結果これら層間におけるセパレーシ
ョン発生を有効に抑制することができる。
【0021】次に、巻回層6におけるウエイビィコード
Cwはタイヤのインフレート時に直状となって張力負担
層としての機能を発揮するのでベルト4における各コー
ド層の張力負担を効果的に軽減することにより、ベルト
4の端部に発生するセパレーションをも有効に抑制で
き、上述の点と併せてタイヤのクラウン部におけるセパ
レーション耐久性を顕著に高めることができるのであ
る。
Cwはタイヤのインフレート時に直状となって張力負担
層としての機能を発揮するのでベルト4における各コー
ド層の張力負担を効果的に軽減することにより、ベルト
4の端部に発生するセパレーションをも有効に抑制で
き、上述の点と併せてタイヤのクラウン部におけるセパ
レーション耐久性を顕著に高めることができるのであ
る。
【0022】更に、上記の巻回層6の幅方向に向かうウ
エイビィコードCwの移動成分Py及びQyは従来のタ
イヤにおける移動量Px及びQxに比しより小さいの
で、カーカス2におけるスチールコードをタイヤ内側に
引張り込む力及び外側に押しやる力が大幅に軽減され、
サイド凹凸は生じなくなる。
エイビィコードCwの移動成分Py及びQyは従来のタ
イヤにおける移動量Px及びQxに比しより小さいの
で、カーカス2におけるスチールコードをタイヤ内側に
引張り込む力及び外側に押しやる力が大幅に軽減され、
サイド凹凸は生じなくなる。
【0023】上述の効果はt/a≧0.3の場合に明確
にあらわれ、t/a<0.3では明確にあらわれない。
またt/a=1とすると、ウエイビィコード巻回層6に
そのコードの長手方向に沿う段差の大きい凹凸が生じる
と同時に巻回層に隣接するベルト4のコード層及びカー
カス2にも同様な凹凸がつけられ、タイヤのラジアルフ
ォースバリエーション(RFV)が悪化し乗り心地が損
なわれ、またセパレーションの原因ともなるので不可で
ある。
にあらわれ、t/a<0.3では明確にあらわれない。
またt/a=1とすると、ウエイビィコード巻回層6に
そのコードの長手方向に沿う段差の大きい凹凸が生じる
と同時に巻回層に隣接するベルト4のコード層及びカー
カス2にも同様な凹凸がつけられ、タイヤのラジアルフ
ォースバリエーション(RFV)が悪化し乗り心地が損
なわれ、またセパレーションの原因ともなるので不可で
ある。
【0024】
【実施例】サイズが45/65R45の建設車両用空気
入りラジアルタイヤをとりあげた。タイヤは図1に示す
構成に準じ、カーカス2はスチールコードからなる1プ
ライのラジアルカーカスであり、ベルト4は5層のスチ
ールコード層からなり、各層におけるスチールコードは
タイヤ赤道面Eに対して傾斜し、互いに隣接する層にお
いて交差する配列になる。ベルト4とカーカス2との間
に1層のウエイビィコード巻回層6を設けた。
入りラジアルタイヤをとりあげた。タイヤは図1に示す
構成に準じ、カーカス2はスチールコードからなる1プ
ライのラジアルカーカスであり、ベルト4は5層のスチ
ールコード層からなり、各層におけるスチールコードは
タイヤ赤道面Eに対して傾斜し、互いに隣接する層にお
いて交差する配列になる。ベルト4とカーカス2との間
に1層のウエイビィコード巻回層6を設けた。
【0025】ウエイビィコードCwには直径が2.3m
m(強度560kg/本)のスチールコードを用い、実
施例1は振幅2aを3.3mm、実施例2では2.8m
mとし、周期λを両者40mmとして正弦波状にくせず
けしたものを、図2の(a)に示す傾きの高さ2tを、
実施例1は1mm、実施例2では2mmとしてウエイビ
ィコード巻回層6を形成した。なおウエイビィコードC
wの打込数は両実施例ともに50mm当たり13本とし
た。
m(強度560kg/本)のスチールコードを用い、実
施例1は振幅2aを3.3mm、実施例2では2.8m
mとし、周期λを両者40mmとして正弦波状にくせず
けしたものを、図2の(a)に示す傾きの高さ2tを、
実施例1は1mm、実施例2では2mmとしてウエイビ
ィコード巻回層6を形成した。なおウエイビィコードC
wの打込数は両実施例ともに50mm当たり13本とし
た。
【0026】従来例及び比較例の各タイヤを準備した。
ウエイビィコードCwについて従来例は振幅2aを3.
5mm、比較例では2.4mmとし、層中における傾き
の高さ2tを従来例は0mm、比較例で2.4mmと
し、これらを除く他は実施例に合わせた。
ウエイビィコードCwについて従来例は振幅2aを3.
5mm、比較例では2.4mmとし、層中における傾き
の高さ2tを従来例は0mm、比較例で2.4mmと
し、これらを除く他は実施例に合わせた。
【0027】上述の各タイヤにつき下記する2種類のテ
ストを行った。まず各タイヤを標準リムに組み込み、正
規内圧5.25kg/cm2 を充填して目視及び触感によ
りサイドウォール部の凹凸をチェックした。結果を表1
に示す。
ストを行った。まず各タイヤを標準リムに組み込み、正
規内圧5.25kg/cm2 を充填して目視及び触感によ
りサイドウォール部の凹凸をチェックした。結果を表1
に示す。
【0028】
【表1】
【0029】次に室内ドラム試験機にて上記正規内圧、
正規荷重40トン、一定速度条件の下で3600km走
行させた後、タイヤを解剖してベルトの凹凸及びプライ
とベルトのセパレーションを評価した。なおベルトの凹
凸はウエイビィコード巻回層に隣接するコード層に生じ
るものである。結果を表1に示す。
正規荷重40トン、一定速度条件の下で3600km走
行させた後、タイヤを解剖してベルトの凹凸及びプライ
とベルトのセパレーションを評価した。なおベルトの凹
凸はウエイビィコード巻回層に隣接するコード層に生じ
るものである。結果を表1に示す。
【0030】表1に示すように実施例1、2の各タイヤ
はサイド凹凸が検知されず、乗り心地を損いセパレーシ
ョンをもたらすベルトの凹凸がなく、またウエイビィコ
ード巻回層に起因するカーカスプライ及び隣接ベルトコ
ード層のセパレーションは見出せなかった。なお全ての
タイヤにベルト端部のセパレーションは発生していなか
った。
はサイド凹凸が検知されず、乗り心地を損いセパレーシ
ョンをもたらすベルトの凹凸がなく、またウエイビィコ
ード巻回層に起因するカーカスプライ及び隣接ベルトコ
ード層のセパレーションは見出せなかった。なお全ての
タイヤにベルト端部のセパレーションは発生していなか
った。
【0031】
【発明の効果】この発明によれば、多数本のスチールコ
ードからなるウエイビィコード巻回層をベルトとカーカ
スとの間に設けてベルト端部の良好な耐セパレーション
性を確保しながら、ウエイビィコード巻回層そのものが
原因となるセパレーション発生がなくクラウン部全体の
耐セパレーション性が高く、かつサイド凹凸が検知され
ない重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供できる。
ードからなるウエイビィコード巻回層をベルトとカーカ
スとの間に設けてベルト端部の良好な耐セパレーション
性を確保しながら、ウエイビィコード巻回層そのものが
原因となるセパレーション発生がなくクラウン部全体の
耐セパレーション性が高く、かつサイド凹凸が検知され
ない重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供できる。
【図1】この発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤの
右半分の断面を示す。
右半分の断面を示す。
【図2】(a)、(b)、(c)はこの発明のウエイビ
ィコードとその配置を示す。
ィコードとその配置を示す。
【図3】(a)、(b)、(c)はウエイビィコードの
挙動を示す。
挙動を示す。
【図4】(a)、(b)、(c)はウエイビィコードの
挙動と作用を示す。
挙動と作用を示す。
2 カーカス 4 ベルト 6 ウエイビィコード巻回層 Cw ウエイビィコード E タイヤ赤道面
Claims (1)
- 【請求項1】 一対のビードコアに跨ってトロイド状に
連なる、ラジアル配列のスチールコードよりなる1プラ
イ以上のカーカスと、カーカスの外周側に配設された2
層以上のスチールコード層からなるベルトと、ベルトの
更に外周側に配設されたトレッド部とを備え、ベルトと
カーカスとの間に波形にくせずけされてトレッド円周に
沿う配列になる多数本のスチールコードのウエイビィコ
ード巻回層を少なくとも1層設けて成る空気入りラジア
ルタイヤにおいて、 上記巻回層におけるウエイビィコードはそのタイヤ赤道
面への投影が波形をなすことを特徴とする重荷重用空気
入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4267388A JPH06115310A (ja) | 1992-10-06 | 1992-10-06 | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4267388A JPH06115310A (ja) | 1992-10-06 | 1992-10-06 | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06115310A true JPH06115310A (ja) | 1994-04-26 |
Family
ID=17444160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4267388A Pending JPH06115310A (ja) | 1992-10-06 | 1992-10-06 | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06115310A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008162319A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
JP2008162366A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Bridgestone Corp | ラジアルタイヤ |
-
1992
- 1992-10-06 JP JP4267388A patent/JPH06115310A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008162319A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
JP2008162366A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Bridgestone Corp | ラジアルタイヤ |
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