JPH0611494A - オンラインセンサの校正方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オンラインセンサの校正を、簡単且つ迅速に
高精度で行う。 【構成】 測定対象である走行ストリップ１０の搬送路
に対して進入、退避自在な移動フレーム１４にオンライ
ンセンサ１２を搭載し、該移動フレーム１４の進入、退
避通路中の、前記走行ストリップ１０の搬送路外におけ
るオンラインセンサ有効域に、ストリップ面レベルで校
正試験片２２を差し出して、前記移動フレーム１４の進
入又は退避中に、オンラインセンサ１２の校正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、オンラインセンサ、即
ち、連続処理の操業下にあるストリップ（帯条材）に接
近して、種々の物理量や品質データを採取するセンサの
校正方法及び装置に係り、特に、オンラインセンサの校
正を、走行ストリップと同じレベルで、簡単且つ迅速に
高精度で行うことができ、自動化も容易なオンラインセ
ンサの校正方法及び装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】測定対象である走行ストリップの搬送路
に配設されたオンラインセンサを校正する場合、従来
は、走行ストリップの搬送路からオフラインに引き出し
たオンラインセンサの有効域に、人が校正試験片を手作
業で挿入してオンラインセンサの出力を検定していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、走行ストリッ
プの搬送路外でオンライン測定を中断して行われるオン
ラインセンサの校正作業が大変であるだけでなく、校正
試験片の挿入レベルが安定せず、再現性の高い高精度の
検定を行うことができない。又、校正作業に時間がかか
り、特にオンラインセンサが多タャンネル設けられてい
る場合には、オンライン測定時間を確保するために、あ
まり頻繁に校正を行うことができない等の、問題点を有
していた。

【０００４】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
く成されたもので、オンラインセンサの校正を、走行ス
トリップと同じレベルで、簡単且つ迅速に高精度で行う
ことができ、自動化も容易なオンラインセンサの校正方
法及び装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、オンラインセ
ンサの校正に際して、測定対象である走行ストリップの
搬送路に対して進入、退避自在な移動フレームにオンラ
インセンサを搭載し、前記移動フレームの進入、退避通
路中の、前記走行ストリップの搬送路外におけるオンラ
インセンサ有効域に、ストリップ面レベルで校正試験片
を差し出して、前記移動フレームの進入又は退避中に、
オンラインセンサの校正を行うようにして、前記課題を
達成したものである。

【０００６】又、オンラインセンサの校正装置におい
て、オンラインセンサが搭載された、測定対象である走
行ストリップの搬送路に対して進入、退避自在な移動フ
レームと、該移動フレームを走行ストリップの搬送路に
対して進入又は退避させる手段と、前記搬送路の脇に配
設され、前記移動フレームの進入、退避通路中の、前記
走行ストリップの搬送路外におけるオンラインセンサ有
効域に、ストリップ面レベルで校正試験片を出し入れす
る手段と、前記移動フレームの進入又は退避中の所定タ
イミングで、前記校正試験片をオンラインセンサ有効域
に差し出すための制御手段とを備えることにより、同じ
く前記課題を達成したものである。

【０００７】

【作用】本発明においては、測定対象である走行ストリ
ップの搬送路に対して進入、退避自在な移動フレームに
オンラインセンサを搭載し、該移動フレームの進入、退
避通路中の、前記走行ストリップの搬送路外におけるオ
ンラインセンサ有効域に、ストリップ面レベルで校正試
験片を差し出して、前記移動フレームの進入又は退避中
に、オンラインセンサの校正を行うようにしている。

【０００８】従って、オンラインセンサの校正を、走行
ストリップと同じレベルで、簡単且つ迅速に行うことが
できる。又、校正試験片の挿入レベルが安定しているの
で、再現性の高い、高精度の検定を行うことができる。
更に、自動化も容易である。

【０００９】

【実施例】以下図面を参照して、本発明の実施例を詳細
に説明する。

【００１０】本実施例に係るオンラインセンサの校正装
置は、図１に示す如く、オンラインセンサ１２が、測定
対象である走行ストリップの幅方向に例えば４個並んで
搭載された、図１の手前側にある走行ストリップ１０の
搬送路（図３参照）に対して進入、退避自在な移動フレ
ーム１４と、該移動フレーム１４を走行ストリップ１０
の搬送路に対して進入又は退避させるためのレール１
６、走行用車輪１８及びその駆動モータ２０と、前記搬
送路の脇に配設され、前記移動フレーム１４の進入、退
避通路中の、前記走行ストリップ１０の搬送路外におけ
るオンラインセンサ有効域に、ストリップ面レベルで校
正試験片２２を出し入れするための校正試験片ホルダ２
４及びその回転用エアシリンダ２６と、前記移動フレー
ム１４の進入又は退避中の所定タイミングで、前記校正
試験片２２をオンラインセンサ有効域に差し出すための
制御装置２８とを含んで構成されている。

【００１１】前記走行ストリップ１０は、例えば方向性
珪素鋼板とされる。

【００１２】前記オンラインセンサ１２は、例えば、出
願人が特開平１−２２９９６２号で提案したような、正
常粒と異常粒との超音波伝播速度の差を、鋼板面の多重
反射干渉による共振現象を利用して振幅の差に変換し、
異常粒が発生したときの振幅減衰量から異常粒を検出す
るようにした方向性珪素鋼板の結晶粒方位分布測定に際
しては、前記移動フレーム１４の下辺１４Ｌ上のセンサ
ホルダ１２Ｌ内に配設された超音波送信子、及び、前記
移動フレーム１４の上辺１４Ｕに、前記超音波送信子と
対向配置された受信子を含むセンサホルダ１２Ｕを含ん
で構成される。

【００１３】前記移動フレーム１４は、本実施例のよう
に走行ストリップ１０の下面と上面に送信子及び受信子
を対向配置する場合には、走行ストリップ１０（図１の
手前側）側が開放されたＣ字状フレームとすることがで
きる。なお、オンライン測定時には、前記移動フレーム
１４の開放端をクランプして、移動フレーム１４を方形
の閉ループとし、オンラインセンサ１２の位置や姿勢の
保持精度を高めることもできる。又、反射型のオンライ
ンセンサを、走行ストリップの片面側にのみ設ければよ
い場合には、他の形状の移動フレームを採用することも
できる。更に、移動フレーム１４の走行手段も、レール
と走行用車輪の組合せに限定されない。

【００１４】前記校正試験片２２は、例えば図２に示す
如く、前記校正試験片ホルダ２４の走行ストリップ１０
の面レベル内に並んで配設された、オンラインセンサ１
２の測定範囲の上限に対応する試験片２２Ｕと、下限に
対応する試験片２２Ｌで構成することができる。

【００１５】前記回転用エアシリンダ２６は、例えば前
記校正試験片ホルダ２４を９０°回転することによっ
て、校正試験片２２を前記移動フレーム１４の進入、退
避通路中の、前記走行ストリップ１０の搬送路外におけ
るオンラインセンサ有効域に、ストリップ面レベルで校
正試験片を出し入れするようにされている。なお、校正
試験片を出し入れする手段は、回転用エアリシンダに限
定されない。

【００１６】以下、実施例の作用を説明する。

【００１７】まず、オンライン測定中には、図３に示す
如く、移動フレーム１４が完全に走行ストリップ１０を
カバーする位置に進入され、４個のオンラインセンサ１
２−１、１２−２、１３−３、１２−４で、走行ストリ
ップ１０のオンライン測定が行われる。このとき、校正
試験片ホルダ２４は、図３に示す如く、移動フレーム１
４の移動を妨害しない待機位置に回転されている。

【００１８】一方、校正を行うに際しては、制御装置２
８に校正指令を与えると、移動フレーム１４がオフライ
ン方向（図３の左方向）に退避を開始する。その途中
で、回転用エアシリンダ２６が動作して、校正試験片ホ
ルダ２４が、図４に示す如く、走行ストリップ１０の通
板レベルの水平面内で９０°旋回され、校正試験片２２
が、移動フレーム１４内のオンラインセンサ１２の有効
域に挿入される。この状態で、移動フレーム１４を退避
させながら、１チャンネル目のオンラインセンサ１２−
１が校正される。

【００１９】移動フレーム１４のオフライン退避中に、
校正試験片２２が図５に示す如く、２チャンネル目のオ
ンラインセンサ１２−２の位置に到達すると、該２チャ
ンネル目のオンラインセンサ１２−２が校正される。

【００２０】以下同様にして、図６及び図７に示す如
く、移動フレーム１４のオフライン退避動作に合せて、
３チャンネル目のオンラインセンサ１２−３及び４チャ
ンネル目のオンラインセンサ１２−４の校正が順次行わ
れる。

【００２１】校正に際しては、各チャンネルの測定電圧
を連続サンプリングし、例えば電圧測定値が基準範囲を
超えたときにアラームを出力することができる。

【００２２】校正終了後、エアシリンダ２６を作動させ
て、校正試験片ホルダ２４を、図３に示した、移動フレ
ーム１４と平行な待機位置に戻し、移動フレーム１４を
走行ストリップ１０の搬送路に進入させて、オンライン
測定に戻る。

【００２３】なお、前記説明では、オンラインセンサ１
２の校正が、移動フレーム１４のオフライン退避中に順
次行われていたが、逆に移動フレーム１４のオンライン
への進入中に校正動作を行ったり、あるいは、オフライ
ン退避中とオンライン進入中の２回校正を行うことも可
能である。

【００２４】本実施例によれば、移動フレーム１４の進
入又は退避動作を利用して、１枚の校正試験片２２によ
り、多数のオンラインセンサ１２の校正を、順次行うこ
とができる。なお、オンラインセンサ１２の数は、前記
実施例に限定されず、例えば１個であってもよい。

【００２５】又、本実施例においては、校正試験片ホル
ダ２４に測定範囲の上限に対応する校正試験片２２Ｕ
と、下限に対応する校正試験片２２Ｌを並設しているの
で、校正を迅速に行うことができる。なお、校正試験片
を１枚のみとして、１点での校正を行ったり、あるい
は、それぞれ１枚の校正試験片を含む校正試験片ホルダ
を２つ設け、該校正試験片ホルダを交互に移動フレーム
の進入、退避通路中に差し出すことによって、本実施例
と同様の２点校正を行うことも可能である。

【００２６】前記実施例においては、本発明が、方向性
珪素鋼板の結晶粒方位分布の測定に用いられるオンライ
ンセンサの場合を例にとって説明されていたが、本発明
の適用範囲はこれに限定されず、他の測定対象の測定に
用いられる、一般のオンラインセンサの校正にも同様に
適用できることは明らかである。

【００２７】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、測
定対象である走行ストリップの搬送路に対して進入、退
避自在な移動フレームの進入、退避通路動作を利用し
て、ストリップ面レベルに装入した校正試験片により、
高精度の校正を、迅速且つ簡単に行うことができ、自動
化も容易であるという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るオンラインセンサの校正装置の実
施例の構成を示す斜視図

【図２】前記実施例で用いられている校正試験片ホルダ
の一例を示す平面図

【図３】前記実施例による校正方法を説明するための、
オンライン測定状態を示す平面図

【図４】同じく１チャンネル目のオンラインセンサ校正
状態を示す平面図

【図５】同じく２チャンネル目のオンラインセンサ校正
状態を示す平面図

【図６】同じく３チャンネル目のオンラインセンサ校正
状態を示す平面図

【図７】同じく４チャンネル目のオンラインセンサ校正
状態を示す平面図

【符号の説明】

１０…走行ストリップ １２、１２−１、１２−２、１２−３、１２−４…オン
ラインセンサ １４…移動フレーム １６…レール １８…走行用車輪 ２０…駆動モータ ２２、２２Ｕ、２２Ｌ…校正試験片 ２４…校正試験片ホルダ ２６…回転用エアシリンダ ２８…制御装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】測定対象である走行ストリップの搬送路に
   対して進入、退避自在な移動フレームにオンラインセン
   サを搭載し、 前記移動フレームの進入、退避通路中の、前記走行スト
   リップの搬送路外におけるオンラインセンサ有効域に、
   ストリップ面レベルで校正試験片を差し出して、 前記移動フレームの進入又は退避中に、オンラインセン
   サの校正を行うことを特徴とするオンラインセンサの校
   正方法。
2. 【請求項２】オンラインセンサが搭載された、測定対象
   である走行ストリップの搬送路に対して進入、退避自在
   な移動フレームと、 該移動フレームを走行ストリップの搬送路に対して進入
   又は退避させる手段と、 前記搬送路の脇に配設され、前記移動フレームの進入、
   退避通路中の、前記走行ストリップの搬送路外における
   オンラインセンサ有効域に、ストリップ面レベルで校正
   試験片を出し入れする手段と、 前記移動フレームの進入又は退避中の所定タイミング
   で、前記校正試験片をオンラインセンサ有効域に差し出
   すための制御手段と、 を備えたことを特徴とするオンラインセンサの校正装
   置。