JPH06114351A - 電子部品又は精密部品類の洗浄方法及びその装置 - Google Patents
電子部品又は精密部品類の洗浄方法及びその装置Info
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- JPH06114351A JPH06114351A JP27131292A JP27131292A JPH06114351A JP H06114351 A JPH06114351 A JP H06114351A JP 27131292 A JP27131292 A JP 27131292A JP 27131292 A JP27131292 A JP 27131292A JP H06114351 A JPH06114351 A JP H06114351A
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Abstract
損することなく、簡便に、かつ短時間で効率よく複数枚
の被洗浄物を洗浄することを可能にする電子部品又は精
密部品類の洗浄方法及びその装置を提供すること。 【構成】 本発明の電子部品又は精密部品類の洗浄方法
は、洗浄液による一回以上の洗浄工程及び/又はすすぎ
液による一回以上のすすぎ工程を有する、電子部品又は
精密部品類の洗浄方法において、上記洗浄液又はすすぎ
液を仕込んだ洗浄槽内に、被洗浄物保持治具を装備した
回転軸を配設すると共に、被洗浄物を上記被洗浄物保持
治具により保持し、邪魔板を、上記被洗浄物保持治具の
回転面に対して略平行に且つ少なくとも該邪魔板の一部
が上記被洗浄物の回転半径内に入るように設置し、上記
回転軸を回転させることにより被洗浄物を回転させて洗
浄することを特徴とする。
Description
類の洗浄方法及びその装置、詳しくは、油脂、機械油、
切削油、グリース、液晶及びフラックス等の汚染物質が
付着した電子部品又は精密部品類の洗浄方法及びその装
置に関する。
精密部品又は治工具類等の固体表面に存在する、油脂、
機械油、切削油、グリース、液晶及びフラックス等の有
機物を主体とする汚れの除去には、ケロシン、ベンゼ
ン、キシレン等の炭化水素系溶剤;トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレン等の塩素系溶剤;トリクロロ
トリフルオロエタン等のフロン系溶剤;界面活性剤やビ
ルダーを配合した水系の洗浄液等が使用されている。特
に、電子、電気、機械等の部品には、その高洗浄性、難
燃性という特性を生かしてフロン系溶剤又は塩素系溶剤
が使用されてきた。
系溶剤を用いる洗浄液は、安全性、毒性、環境汚染性等
に大きな問題を有していることが明らかにされ、国際レ
ベルでその廃止が進められている。
剤に替わる洗浄液として、テルペン系溶剤、炭化水素系
溶剤、アルコール系溶剤等の溶剤系代替洗浄液や界面活
性剤等を含有する水系の洗浄液が開発され、これらの洗
浄液を用いた洗浄方法は、通常、被洗浄物を洗浄液中に
浸漬すること又はシャワーノズルを用いて洗浄液を被洗
浄物に噴射すること等による洗浄工程とこれらの洗浄工
程と同様にして実施されるすすぎ工程とを有する。
による洗浄工程又はすすぎ工程において適用される洗浄
方法としては、超音波振動法、揺動法、液中シャワー法
及び液中回転法等が挙げられる。また、シャワーノズル
を用いて洗浄液又はすすぎ液を被洗浄物に噴射すること
等による洗浄工程又はすすぎ工程において適用される洗
浄方法としては、シャワーノズルとして回転ノズルを用
いる方法及び被洗浄物を回転させながら洗浄液又はすす
ぎ液を被洗浄物に噴射する方法等が挙げられる。
体が破損する場合があるという問題があり、上記揺動
法、上記液中シャワー法、及び上記シャワーノズルを用
いて洗浄液を被洗浄物に噴射すること等による方法は、
被洗浄物が単数の場合には効果的であるが、治具に複数
の被洗浄物がセットされた場合には全ての被洗浄物を効
率よく均一に洗浄することが困難となるという問題があ
った。また、上記液中回転法(実開昭61−10913
6号公報参照)は、上記の問題を解決する比較的良好な
手段であるが、この場合にも治具に複数の被洗浄物がセ
ットされた場合には被洗浄物間の液が共回りすることに
よって被洗浄物周辺の液の更新が行われ難いため洗浄性
が低下するという問題があった。
密部品類の洗浄において、被洗浄物を破損することな
く、簡便に、かつ短時間で効率よく複数枚の被洗浄物を
洗浄することを可能にする電子部品又は精密部品類の洗
浄方法及びその装置を提供することにある。
を達成すべく鋭意研究した結果、被洗浄物保持治具によ
り被洗浄物を保持し、液中回転法により複数の被洗浄物
を洗浄する際に、該被洗浄物保持治具の間に邪魔板を挿
入することにより洗浄性が向上することを知見した。本
発明は、上記知見に基づいてなされたもので、洗浄液に
よる一回以上の洗浄工程及び/又はすすぎ液による一回
以上のすすぎ工程を有する、電子部品又は精密部品類の
洗浄方法において、上記洗浄液又はすすぎ液を仕込んだ
洗浄槽内に、被洗浄物保持治具を装備した回転軸を配設
すると共に、被洗浄物を上記被洗浄物保持治具により保
持し、邪魔板を、上記被洗浄物保持治具の回転面に対し
て略平行に且つ少なくとも該邪魔板の一部が上記被洗浄
物の回転半径内に入るように設置し、上記回転軸を回転
させることにより被洗浄物を回転させて洗浄することを
特徴とする電子部品又は精密部品類の洗浄方法を提供す
るものである。また、本発明は、本発明の洗浄方法に用
いられる好ましい洗浄装置として、被洗浄物の入出口を
備えた洗浄槽と、該洗浄槽内に配設され、複数の被洗浄
物保持治具を装備した回転軸と、該被洗浄物の間に該被
洗浄物保持治具の回転面に対して略平行に挿入可能な複
数枚の邪魔板と、上記回転軸を回転させる回転手段とを
具備することを特徴とする電子部品又は精密部品類の洗
浄装置を提供するものである。
明する。本発明の洗浄方法における洗浄工程は、洗浄液
により洗浄を行う工程である。上記洗浄工程における洗
浄方法としては、特に限定はなく、浸漬法(被洗浄物を
洗浄槽に浸漬させる方法)、例えば、超音波法、揺動
法、液中シャワー法、液中回転法等が挙げられ、又、シ
ャワー法(シャワーノズルを用いて洗浄液を被洗浄物に
噴射する方法)、例えば、シャワーノズルとして回転ノ
ズルを用いる方法、被洗浄物を回転させながら洗浄液を
被洗浄物に噴射する方法等が挙げられ、該洗浄工程は適
宜これらを組み合わせて実施される。
すすぎ液により、被洗浄物表面に残留する洗浄液や汚染
物質等をすすぎ落とす工程である。上記すすぎ工程にお
けるすすぎ方法としては、特に限定はなく、上記洗浄工
程における洗浄方法と同様に、例えば、シャワー法、浸
漬法等が挙げられ、該すすぎ工程は、適宜これらを組み
合わせて実施される。
による洗浄工程に用いられる洗浄槽が挙げられる。
に配設される回転軸に装備される上記被洗浄物保持治具
としては、被洗浄物を保持し、邪魔板を、上記被洗浄物
保持治具の回転面に対して略平行に且つ少なくとも該邪
魔板の一部が上記被洗浄物の回転半径内に入るように設
置できるものであれば、特に制限されないが、好ましい
ものとしては、例えば、図1〜図4に示されるものが挙
げられる。
2に鉛直に固定された2つの保持杆4と該保持杆4それ
ぞれの先端に設けられ被洗浄物1を挟持する保持部5と
からなり、該保持部5は、挟持用ネジ6を備えている。
上記被洗浄物保持治具3は、上記回転軸2の軸回り及び
軸方向に、適宜な数を設けることができる。尚、上記保
持杆4は、回転軸2に、実質的に直交しておればよく、
多少の傾きがあってもよい。図1に示す被洗浄物保持治
具による場合、上記被洗浄物1は、図1に示す如く、上
記保持部5に、上記挟持用ネジ6で該保持部5を締めつ
けることにより挟持される。
軸2に直交させ且つ該回転軸2を貫通させて該回転軸2
に嵌装された保持板14と、該保持板14の外部に設け
られた被洗浄物1を保持する保持部15とを具備してい
る。尚、上記保持板14は、上記回転軸2に実質的に直
交しておればよく、多少の傾きがあってもよい。そし
て、該保持部15は、図2に示すように留め具16、留
め具固定棒17及び留め具固定ネジ18を備えており、
該留め具16、該留め具固定棒17及び該留め具固定ネ
ジ18により被洗浄物1を保持するようになしてある。
上記被洗浄物保持治具13は、上記回転軸2の軸方向
に、適宜な数を設けることができる。尚、上記留め具1
6及び上記保持板14には、上記被洗浄物1との接触部
に、該被洗浄物1を安定状態に保持するために該被洗浄
物1の形状に応じた凹部(図示せず)等を設けてある。
図2に示す被洗浄物保持治具13による場合、上記被洗
浄物1は、図2に示す如く、上記留め具16を上記回転
軸2の中心方向に移動させ、該留め具16と上記保持板
14との間に上記留め具固定ネジ18で締めつけること
により両側から把持される。
軸2に直交させ且つ該回転軸2を貫通させて該回転軸2
に嵌装された保持板24と、該保持板24の内部に設け
られた被洗浄物1を保持する保持部25とを具備してい
る。尚、上記保持板24は、上記回転軸2に実質的に直
交しておればよく、多少の傾きがあってもよい。上記保
持部25は、図3に示すように、保持板24の内部に、
保持する被洗浄物1の形状に合わせて移動可能に設けら
れている。即ち、上記保持部25は、上記回転軸2の半
径方向外側25aを固定し、上記回転軸2の半径方向内
側25bを可動とし、スプリング(図示せず)を用いて
被洗浄物1を締めつけるようになしてある。図3に例示
した保持板24は矩形板状体であるが、上記保持板24
としては、円板、又はその他の形状の板状体が挙げら
れ、上記被洗浄物保持治具23は、上記回転軸2の軸方
向に、適宜な数を設けることができる。図3に示す被洗
浄物保持治具23による場合、上記被洗浄物1は、図3
に示す如く、上記保持部25により、各頂点部分を固定
されて保持される。
に示した被洗浄物保持治具23と同様の被洗浄物保持治
具であり、保持板34が円形状である他は被洗浄物保持
治具23と同じである。図4に示す被洗浄物保持治具3
3による場合、被洗浄物1は、図4に示す如く、保持部
35により、各頂点部分を固定されて保持される。
板は、上記被洗浄物保持治具の回転面に対して略平行に
且つ少なくとも該邪魔板の一部が上記被洗浄物の回転半
径内に入るように設置される。
曲した形状等が挙げられるが、板状体が好ましい。
5を参照しながら説明する。
5に示すように、軌跡として回転円C1 を描く。上記回
転円C1 の円周と被洗浄物1の内側に接する円C2 の円
周との間の距離(回転円の半径方向の距離)をL1 と
し、邪魔板45の先端部と該邪魔板45を横切る上記回
転円C1 の円周との間の距離をLとする。上記邪魔板4
5の一部が上記被洗浄物1の回転半径内に入るように設
置することが好ましく、L≧0.5L1 となるように設
置することが洗浄の効果を向上する観点からより好まし
く、L≧L1 となるように設置することが更に好まし
い。
回転半径内に入らない場合には、洗浄性に及ぼす邪魔板
の効果は小さくなる。
洗浄物の幅をb(図5参照)とすると、強度的に問題が
なければ特に限定されないが、0.05b≦B≦1.0
bとすることが好ましい。上記邪魔板45の回転軸2の
軸方向の長さD(被洗浄物回転面に対する垂直な方向の
長さ)は、被洗浄物1の種類、形状等によるが、通常、
1mm以上とされ、この長さDが大きいほど洗浄性向上
の効果が発揮されるが、被洗浄物1が複数の場合には、
被洗浄物保持治具44,44間の間隔から被洗浄物1の
厚さを引いた間隔をD1 とすると、0.1D1 ≦D≦
0.9D1 とするのが好ましい。
複数の被洗浄物保持治具44の各々に被洗浄物1を保持
して洗浄する場合に特に有効である。
転方法としては、回転軸の一方の端をモーター等を駆動
源とする回転駆動装置に接続させる方法等が挙げられ
る。この場合、安定のため回転軸の他方の端をベアリン
グ等の機構で保持することが好ましい。
さ及び形状等により異なるが、被洗浄物の中心における
速度(線速度)が、好ましくは0.1m/s〜30m/
s、さらに好ましくは1m/s〜30m/sとなるよう
な回転速度とすればよい。上記被洗浄物の中心における
速度(線速度)が0.1m/s未満であると、洗浄効果
が小さく、30m/s超としても洗浄効果の向上が少な
く、また動力面において経済的に不利である。
準とせずに、例えば、部品を搭載したプリント配線基板
等であれば、その部品の位置を基準としてもよく、ま
た、特に汚れを落としたい部位を基準にするなど、目的
に合わせて適宜な部位を基準として設定すればよい。
でもよく、所定時間ごとに反転させてもよく、被洗浄物
の形状及び汚れの性状により適宜選択すればよい。
ては、特に限定はないが、動植物から得られるd−リモ
ネン等のテルペン類を有効成分とするテルペン系溶剤、
ケロシン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素を有効成分
とする炭化水素系溶剤、イソプロピルアルコール、エチ
ルアルコール、メチルアルコール等の低級アルコールを
有効成分とするアルコール系溶剤等の溶剤系代替洗浄
液、界面活性剤、及び水酸化ナトリウム、オルソケイ酸
ナトリウム等のアルカリ剤を含有する水系代替洗浄液あ
るいはこれらの希釈液があげられる。
チオン性、両イオン性、非イオン性界面活性剤等が用い
られるが電子部品等の部材への影響を考慮すると非イオ
ン性界面活性剤が好ましく、例えばアルキルエーテル
型、アルキルアリルエーテル型、アルキルチオエーテル
型等のエーテル型;アルキルエステル型、ソルビタンア
ルキルエステル型等のエステル型;ポリオキシアルキレ
ンアルキルアミン等のアミンとの縮合型;ポリオキシア
ルキレンアルキルアマイド等のアミドとの縮合型;ポリ
オキシエチレンとポリオキシプロピレンをランダム又は
ブロック縮合させたプルロニック又はテトロニック型;
ポリエチレンイミン系等の界面活性剤が挙げられる。こ
れらのうち、特に炭素数4〜22の炭化水素基を有する
ものが好ましい。
する洗浄液組成物は、これが混入したすすぎ洗い後のす
すぎ廃液が明瞭な曇点を示し、すすぎ廃液中の油状汚れ
及び洗浄液等の有機物を容易に分離除去することができ
るので排水処理の負荷が軽減され、排水処理性が特に良
好である。
活性剤と、炭化水素化合物、難水溶性のアルキルエステ
ル類及びアルキルケトン類から選ばれる化合物とを含有
する洗浄液等も用いることができる。
又はリンス工程の温度で液状である炭素数6〜30の直
鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和結合を有するパラフィン
類、オレフィン類、あるいは芳香族炭化水素、脂環式炭
化水素を含む炭化水素化合物が挙げられる。上記アルキ
ルエステル類としては、例えば、洗浄又はリンス工程の
温度で液状である炭素数6〜40のモノエステル、ジエ
ステル、トリエステルが挙げられ、特に炭素数6〜18
の高級脂肪酸と炭素数1〜18のアルコールのエステ
ル;炭素数6〜18の高級脂肪酸と炭素数2〜8のジオ
ール又はトリオールとのエステル;炭素数1〜18のア
ルコールと炭素数2〜8のジカルボン酸又はトリカルボ
ン酸とのエステルが好ましい。また、上記アルキルケト
ン類としては、炭素数6〜40のジアルキルケトンが好
ましい。
浄液組成物)としては、上記の成分のほか、必要に応じ
てビルダー、キレート剤、防錆剤、消泡剤等を含有する
ものを使用することもでき、また、上記の様な化合物を
用途に応じて任意に2種以上組み合わせて使用してもよ
い。
水、純水等により除去可能な性質の汚れである場合に
は、これらの水を洗浄液として使用してもよい。
ぎ液は、被洗浄物上の汚れ及び/又は洗浄液組成物をす
すぎ洗うための液である。上記すすぎ液としては、特に
制限はないが、例えば、水道水、脱イオン水、純水ある
いは数%程度洗浄液を含む液が用途に応じて用いられ
る。上記すすぎ液は、浄化処理をした後、放流又は再利
用される。上記浄化処理は、例えば凝集沈殿、加圧浮
上、活性汚泥、活性炭、イオン交換、膜処理方法等の一
般的な排水処理法を単独あるいは適宜組み合わせて行う
ことができる。
は精密部品類としては、電子部品又は精密部品類の組
立、加工又は洗浄時の保持に使用される治工具(治具)
等を包含する。
びその周辺機器、家電機器、通信機器、OA機器、その
他電子応用機器等に用いられるプリント配線基板;IC
リードフレーム、抵抗器、コンデンサー、リレー等接点
部材に用いられるフープ材;OA機器、時計、電算機
器、玩具、家電機器等に用いられる液晶表示器(液晶表
示デバイス);映像・音声記録/再生部品、その関連部
品等に用いられる磁気記録部品;シリコンやセラミック
スのウェハ等の半導体材料;水晶振動子等の電歪用部
品;CD、PD、複写機器、光記録機器等に用いられる
光電変換部品等が挙げられる。
品、精密機械部品、樹脂加工部品、光学部品等が挙げら
れる。上記電機部品としては、例えば、ブラシ、ロー
タ、ステータ、ハウジング等の電動機部品;販売機や各
種機器に用いられる発券用部品;販売機、キャッシュデ
ィスペンサ等に用いられる貨幣検査用部品などが挙げら
れる。上記精密機械部品としては、例えば、精密駆動機
器、ビデオレコーダー等に用いられるベアリング;超硬
チップ等の加工用部品などが挙げられる。上記樹脂加工
部品としては、例えば、カメラ、自動車等に用いられる
精密樹脂加工部品などが挙げられる。更に、上記光学部
品としては、例えば、カメラ、眼鏡、光学機器等に用い
られるレンズ等が挙げられ、その他、上記精密部品とし
て、例えばメガネフレーム、時計ケース、時計ベルト等
が挙げられる。
部品例で示したような電子部品又は精密部品類の製造、
成形、加工、組立、仕上げ等を行う各種工程において取
り扱う治具、工具の他、これらの電子部品又は精密部品
類を取り扱う各種機器、その部品等が挙げられる。
精密部品類の中で、特に、フラックスの残存したプリン
ト配線基板やガラス基板に付着した液晶等の洗浄時に好
適な性能を発揮する。尚、本発明の対象となる電子部品
又は精密部品類は、これらの例に限定されるものではな
く、組立加工工程において各種の加工油やフラックス等
の後の工程の妨害物質、又は製品の特性を低下させる各
種の油性汚染物質が付着している電子部品又は精密部品
類であれば、本発明の洗浄方法を適用することができ
る。
が、例えば、油脂、機械油、切削油、グリース、液晶、
ロジン系フラックス等の、主として有機成分の汚れであ
る場合、本発明の洗浄方法の特徴が特に発揮され、これ
らに金属粉、無機物粉等が混入した汚染物質であっても
有効である。
物の形状には制限されないが、プリント配線基板のよう
な板状体の洗浄方法として特に有効である。
態様に基づいて説明する。先ず、被洗浄物を前述のよう
な回転軸に装備した被洗浄物保持治具を介して保持す
る。上記被洗浄物保持治具により被洗浄物を保持する際
の向きとしては、通常、被洗浄物が板状体の場合には、
該板状体の面が、上記回転軸に対して垂直になるような
向きとする。次いで、邪魔板を、上記被洗浄物保持治具
の回転面に対して略平行に且つ少なくとも該邪魔板の一
部が上記被洗浄物の回転半径内に入るように設置した
後、洗浄液を被洗浄物が浸漬される様に仕込む。次に、
被洗浄物を上記被洗浄物保持治具により保持した状態
で、上記回転軸を回転させることにより被洗浄物を回転
させて洗浄する洗浄方法により洗浄工程を行った後、被
洗浄物が液相に浸漬しない状態にして回転による液切り
を行う。被洗浄物が液相に浸漬しない状態にする方法と
しては、回転軸の回転駆動装置及び回転軸を上方に移動
させる方法、及び液相を槽底部等から排除する方法など
が挙げられる。
程を行った後、すすぎ液に浸漬しない状態にして回転に
よる液切りを行う。すすぎ工程は、通常、1回以上行わ
れるが、洗浄工程のみの場合もある。このように、被洗
浄物を液相に浸漬しない状態で回転させることによる液
切りは、排水負荷の低減に効果的であり、また最終すす
ぎ終了後には被洗浄物の乾燥にも効果的である。
を被洗浄物に吹き付ける方法等の、周知の液切り促進方
法を併用することができる。
洗浄方法の上述した洗浄方法と共に通常の洗浄方法を適
宜併用することができる。
洗浄方法において用いられる好ましい洗浄装置の一実施
例について、図面を参照しながら説明する。図6(a)
は、本発明の洗浄装置を示す縦断面図、図6(b)は、
図6(a)の洗浄装置における洗浄時の一要部を示す平
面図、図6(c)は、図6(a)の洗浄装置における被
洗浄物入出時の一要部を示す平面図、図7は、本発明の
洗浄装置の別の例を示す縦断面図である。
浄物の入出口を備えた洗浄槽41と、該洗浄槽41内に
配設され、複数の被洗浄物保持治具44を装備した回転
軸42と、該被洗浄物保持治具44,44の間に該被洗
浄物保持治具44の回転面に対して略平行に挿入可能な
複数枚の邪魔板45と、上記回転軸42を回転させる回
転手段とを具備する。本実施例においては、上記回転軸
42は上記洗浄槽41内に鉛直に配されている。上記洗
浄槽41には、その底部に該洗浄槽41内の液相の排出
孔43が設けられ、該排出孔43は、先端に弁47を具
備し、また、該洗浄槽41は、上部に蓋50が装着でき
るようになしてある。上記洗浄槽41の底部には、複数
の被洗浄物保持治具44を装備した回転軸42を回転さ
せる軸受け48が設けられている。上記軸受け48は、
上記洗浄槽41の外部でモーター等を駆動源とする回転
駆動装置49に接続されている。上記邪魔板45は、図
6(c)に示す状態から、邪魔板回転軸46を中心とし
て回転移動させることにより、図6(b)に示すように
上記被洗浄物保持治具44,44間に挿入できるように
なしてあり、洗浄槽の蓋50を開けて被洗浄物保持治具
44を装備した回転軸42と共に被洗浄物1の入出を行
うことが可能になっている。
際は、回転軸42に装備された被洗浄物保持治具44に
被洗浄物1を保持させると共に、邪魔板45を図6
(c)の状態に移動させた後、該回転軸42を軸受け4
8に接続固定し、該邪魔板45を図6(b)に示すよう
に被洗浄物保持治具44,44間に挿入して固定ネジ等
(図示せず)により所定位置に固定し、蓋50を閉じ
る。次に、洗浄槽41の底部の弁47を開いて洗浄液を
供給し、供給終了後、弁47を閉じ、回転駆動装置49
により軸受け48を駆動させ、回転軸42及び被洗浄物
1を回転させることにより、洗浄工程を実施する。洗浄
工程終了後は、弁47を開き、排出孔43から洗浄液を
排出する。洗浄液排出後は、回転の遠心力を利用して液
切りを行うことができる。洗浄工程終了後は、邪魔板4
5を再び図6(c)の位置に移動させ、蓋50を開けて
回転軸42及び被洗浄物1を取り出すことができる。ま
た、必要に応じて上記洗浄工程終了後に同様の操作によ
りすすぎ工程を行ったのち回転軸42及び被洗浄物1を
取り出すこともできる。
よい。また、必要に応じてシャワーノズル、超音波発振
装置、さらに乾燥用電熱器又は乾燥用熱風を導入できる
ようなノズルを上記洗浄槽41内に設置してもよい。
した洗浄装置においては被洗浄物保持治具44一枚あた
りに二枚挿入されるが、一枚あるいは三枚以上挿入する
形式であってもよく、必要に応じて枚数を増やすことが
可能である。
置の別の例である。図7に示した洗浄装置60は、邪魔
板65を、邪魔板駆動装置66により平行移動させて被
洗浄物保持治具64,64間に挿入できるようになして
ある他は、図6に示した洗浄装置と同様に構成してな
る。
に、被洗浄物保持治具を装備した回転軸を配設すると共
に、被洗浄物を上記被洗浄物保持治具により保持し、邪
魔板を、上記被洗浄物保持治具の回転面に対して略平行
に且つ少なくとも該邪魔板の一部が上記被洗浄物の回転
半径内に入るように設置し、上記回転軸を回転させるこ
とにより被洗浄物を回転させて洗浄する場合において、
被洗浄物が回転により邪魔板へ接近する際、被洗浄物に
対して液相から及ぼされるせん断力が一時的に増大し、
該被洗浄物の表面に付着した汚れ又は残留洗浄液を該表
面から剥離させる作用が増大し、洗浄及び/又はすすぎ
を促進する。
に接近する際、該被洗浄物付近の圧力上昇が起こり、ま
た、該被洗浄物が邪魔板から遠ざかる場合には該被洗浄
物付近の圧力降下が起こることに起因する。
いる場合、該部品の搭載部分が邪魔板に接近する際に
は、上記の圧力上昇により該部品の周囲(外側)から該
部品裏(内側)への液の流れが発生し、逆に該部品の搭
載部分が邪魔板から遠ざかる際には、上記の圧力降下に
より該部品裏(内側)から該部品の周囲(外側)への液
の流れが発生する。その結果、該部品裏(内側)におい
ても液の更新が確実に行われ、洗浄及び/又はすすぎが
促進される。
板に接近することと邪魔板から遠ざかることが周期的に
繰り返されることによって、単なる液中回転法に比べ
て、被洗浄物の洗浄/すすぎ効果が向上する。
持治具の回転面に対して略平行に且つ少なくとも該邪魔
板の一部が上記被洗浄物の回転半径内に入るように設置
して、被洗浄物を回転させて洗浄を行うことにより、被
洗浄物が複数で、且つその保持間隔が狭い場合でも洗浄
性及び/又はすすぎ性が低下することなく、効率よく洗
浄を行うことができ、同一空間内での被洗浄物処理量を
増大させることができる。
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。 実施例1 図8に示すような大きさ30mm×50mm、厚さ2m
mのガラスエポキシ樹脂81上に大きさ25mm×25
mm、厚さ1mmのガラス82を、そのクリアランスが
100μmとなるように該ガラスの中心部83を接着剤
により該ガラスエポキシ樹脂上に一点で保持するように
固定し、その隙間に汚れ物質として、フラックス84
(日本はんだRX363−207Bテトラヒドロフラン
抽出分)を充填した試料(被洗浄物)85を作製した。
装置において、図3に示す被洗浄物保持治具で図3に示
す如く保持し、被洗浄物の表面と、該被洗浄物に対向す
る保持板との間隔が20mmの状態とし、該被洗浄物が
液面に対して水平になるようにセットした。なおL1 は
35mm、被洗浄物の内側に接する円の半径は30mm
であった。次いで、邪魔板を、上記被洗浄物保持治具間
に挿入して図6(b)の位置で固定した。上記邪魔板
は、前記Lが50mm、前記回転円の接線方向の長さB
が10mm、回転軸の軸方向の長さDが10mmの矩形
板であり、被洗浄物表面と該邪魔板(被洗浄物に対向す
る邪魔板)との距離a=5mmであった。次に、洗浄槽
中に、上記被洗浄物及び被洗浄物保持治具が完全に浸漬
するように洗浄液を満たし、上記回転軸を、被洗浄物の
ガラス中心部において1.5m/sとなるように回転さ
せて60℃で10分間洗浄を行った。また、洗浄液とし
ては、非イオン界面活性剤40wt%、C14オレフィ
ン40wt%、水20wt%の混合物を用いた。更に、
被洗浄物の表面と、該被洗浄物に対向する保持板との間
隔を30mm(a=10mm)及び40mm(a=15
mm)とした他は、上記と同様にして洗浄を行った。洗
浄後の試料におけるフラックス除去率を下記〔表1〕に
示す。
洗浄物の表面と、該被洗浄物に対向する保持板との間隔
を20mm、30mm及び40mmとして洗浄を行っ
た。洗浄後の試料におけるフラックス除去率を下記〔表
1〕に示す。
ラックス充填部分の面積に対する、洗浄後のフラックス
の除去されていた部分の面積の比として算出した。
ラックス除去率の、被洗浄物の表面と該被洗浄物に対向
する保持板との間隔に対する依存性を表すグラフを図9
に示す。
明の洗浄方法によれば、フラックス除去率は邪魔板のな
い場合に比べて洗浄性が高く、しかも邪魔板がない場合
には被洗浄物の表面と、該被洗浄物に対向する保持板と
の間隔が狭くなると液の共回りによる洗浄性の低下が起
こるが、邪魔板を用いることによってこれを防ぐことが
できる。従って、本発明の洗浄方法によれば、高洗浄性
により洗浄時間の短縮がなされ、更に、同一空間内で被
洗浄物を多く処理することができ、生産性の向上が期待
できる。
の洗浄装置において、大きさ140mm×100mmの
ロジン系フラックスで処理したプリント基板を図1に示
す被洗浄物保持治具でL1 が110mm、被洗浄物の内
側に接する円の半径が140mmの状態で保持し、被洗
浄物の間隔を20mmとなるように図1に示す如く保持
し、該被洗浄物が液面に対して水平になるようにセット
した。次いで、邪魔板を、上記被洗浄物間に挿入して図
6(b)の位置で固定した。上記邪魔板は、前記Lが1
20mm、前記回転円の接線方向の長さが10mm、回
転軸の軸方向の長さが10mmの矩形板であり、被洗浄
物表面と該邪魔板(被洗浄物に対向する邪魔板)との距
離a=5mmであった。次いで、水道水を用いて上記洗
浄工程と同様にしてすすぎ工程(予備すすぎ)を実施
し、最後に純水を用いて上記洗浄工程と同様にしてすす
ぎ工程(最終すすぎ)を実施した。その後、洗浄の効果
を調べるため、MIL−P−28809に従って洗浄性
試験を行い、オメガメータ(日本メタル製、600R−
SC)により、イオン残渣の測定を行った結果、その測
定値は、0.6μg/in2 であり、イオン残渣の許容
値14μg/in2 を大幅にクリアする良好な洗浄性が
発揮されたことがわかった。
方法によれば、被洗浄物の汚れを短時間で、簡便に且つ
効率よく除去でき、また、多くの被洗浄物の処理が可能
である。更に洗浄工程またはすすぎ工程において効率よ
く簡便に液切りがなされるため、洗浄剤の使用量、排水
負荷の低減及び乾燥時間の短縮化を図ることができる。
従って、経済的且つ生産性の高い洗浄を行うことができ
る。
被洗浄物保持治具の一例を示す斜視図である。
被洗浄物保持治具の別の例を示す斜視図である。
被洗浄物保持治具の更に別の例を示す斜視図である。
被洗浄物保持治具の更に別の例を示す斜視図である。
邪魔板の好ましい設置位置を説明するための概略図であ
る。
縦断面図、図6(b)は、図6(a)の洗浄装置におけ
る洗浄時の一要部を示す平面図、図6(c)は、図6
(a)の洗浄装置における被洗浄物入出時の一要部を示
す平面図である。
面図である。
試料を示す平面図であり、図8(b)は、その側面図で
ある。
クス除去率の、被洗浄物の表面と該被洗浄物に対向する
保持板との間隔aに対する依存性を表すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 洗浄液による一回以上の洗浄工程及び/
又はすすぎ液による一回以上のすすぎ工程を有する、電
子部品又は精密部品類の洗浄方法において、上記洗浄液
又はすすぎ液を仕込んだ洗浄槽内に、被洗浄物保持治具
を装備した回転軸を配設すると共に、被洗浄物を上記被
洗浄物保持治具により保持し、邪魔板を、上記被洗浄物
保持治具の回転面に対して略平行に且つ少なくとも該邪
魔板の一部が上記被洗浄物の回転半径内に入るように設
置し、上記回転軸を回転させることにより被洗浄物を回
転させて洗浄することを特徴とする電子部品又は精密部
品類の洗浄方法。 - 【請求項2】 上記被洗浄物保持治具を装備した上記回
転軸が、垂直に配設されていることを特徴とする請求項
1記載の電子部品又は精密部品類の洗浄方法。 - 【請求項3】 上記被洗浄物が板状体である請求項1又
は2記載の電子部品又は精密部品類の洗浄方法。 - 【請求項4】 上記板状体がプリント基板である請求項
3記載の電子部品又は精密部品類の洗浄方法。 - 【請求項5】 被洗浄物の入出口を備えた洗浄槽と、該
洗浄槽内に配設され、複数の被洗浄物保持治具を装備し
た回転軸と、該被洗浄物の間に該被洗浄物保持治具の回
転面に対して略平行に挿入可能な複数枚の邪魔板と、上
記回転軸を回転させる回転手段とを具備することを特徴
とする電子部品又は精密部品類の洗浄装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4271312A JP3020360B2 (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 電子部品又は精密部品類の洗浄方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4271312A JP3020360B2 (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 電子部品又は精密部品類の洗浄方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06114351A true JPH06114351A (ja) | 1994-04-26 |
JP3020360B2 JP3020360B2 (ja) | 2000-03-15 |
Family
ID=17498300
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4271312A Expired - Lifetime JP3020360B2 (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 電子部品又は精密部品類の洗浄方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3020360B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010279923A (ja) * | 2009-06-08 | 2010-12-16 | Denso Corp | 基板洗浄用治具 |
-
1992
- 1992-10-09 JP JP4271312A patent/JP3020360B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010279923A (ja) * | 2009-06-08 | 2010-12-16 | Denso Corp | 基板洗浄用治具 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3020360B2 (ja) | 2000-03-15 |
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