JP3236660B2 - 電子部品又は精密部品類の洗浄方法 - Google Patents

電子部品又は精密部品類の洗浄方法

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JP3236660B2
JP3236660B2 JP11046692A JP11046692A JP3236660B2 JP 3236660 B2 JP3236660 B2 JP 3236660B2 JP 11046692 A JP11046692 A JP 11046692A JP 11046692 A JP11046692 A JP 11046692A JP 3236660 B2 JP3236660 B2 JP 3236660B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品又は精密部品
類の洗浄方法、詳しくは、油脂、機械油、切削油、グリ
ース、液晶及びフラックス等の汚染物質が付着した電子
部品又は精密部品類の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
精密部品又は治工具類等の固体表面に存在する、油脂、
機械油、切削油、グリース、液晶及びフラックス等の有
機物を主体とする汚れの除去には、ケロシン、ベンゼ
ン、キシレン等の炭化水素系溶剤;トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレン等の塩素系溶剤;トリクロロ
トリフルオロエタン等のフロン系溶剤;界面活性剤やビ
ルダーを配合した水系の洗浄剤等が使用されている。特
に、電子、電気、機械等の部品には、その高洗浄性、難
燃性という特性を生かしてフロン系溶剤又は塩素系溶剤
が使用されてきた。
【0003】しかしながら、上記塩素系溶剤及びフロン
系溶剤を用いる洗浄剤は、安全性、毒性、環境汚染性等
に大きな問題を有していることが明らかにされ、国際レ
ベルでその廃止が進められている。
【0004】この様な背景から塩素系溶剤やフロン系溶
剤に替わる洗浄剤として、テルペン系溶剤、炭化水素系
溶剤、アルコール系溶剤等の溶剤系代替洗浄剤や界面活
性剤等を含有する水系の洗浄剤が開発され、これらの洗
浄剤を用いた洗浄方法は、通常、被洗浄物を洗浄剤中に
浸漬すること又はシャワーノズルを用いて洗浄剤を被洗
浄物に噴射すること等による洗浄工程、及び水等のすす
ぎ液に浸漬すること又は該すすぎ液をシャワーノズルを
用いて被洗浄物に噴射すること等によるすすぎ工程を有
する。この様な洗浄工程やすすぎ工程においては、各工
程終了後、被洗浄物に付着した液をできるだけ低減させ
ることが、洗浄剤の使用量及び排水処理性等の面から好
ましい。
【0005】上記洗浄工程やすすぎ工程において、被洗
浄物に付着した洗浄剤やすすぎ液を低減させる方法とし
ては、洗浄やすすぎの後に浸漬槽から被洗浄物をできる
だけ低速度で引き上げる方法、洗浄やすすぎの後の液切
り時間(保持時間)を長くする方法、あるいは空気等の
気体を被洗浄物に吹き付けて液切りを促進する方法等が
ある。しかし、低速度で引き上げる方法や保持時間を長
くする方法は、生産性が低下するという問題があり、ま
た、気体を被洗浄物に吹き付ける方法は、気体を噴射す
るためのノズルの形状、取付位置、角度及び個数等を被
洗浄物の形状や大きさにより最適化する必要があり、ま
た、被洗浄物が液晶パネル等の板状の形態の場合は、治
具に0.5〜数mmの間隔で数十枚セットされた状態で
洗浄されるので、すべてのパネルへの気体吹き付け効果
は期待できない。さらに、気体を過剰に吹き付けた場合
には、汚れを含んだ液が被洗浄物上で乾燥してその汚れ
成分が強く付着して洗浄が困難になる場合があるという
問題もあった。
【0006】従って、本発明の目的は、電子部品又は精
密部品類の洗浄において、簡便に、且つ短時間で効率よ
く油分(洗浄剤)付着量の低減を行い、洗浄剤の持ち出
し量を低減することを可能にする洗浄方法、即ち、排水
負荷が低く且つ排水処理性のよい電子部品類又は精密部
品類の洗浄方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、電子部品又は精密部品
類の洗浄において、被洗浄物あるいは被洗浄物を治具に
多数枚セットした状態において、洗浄工程終了後、油膜
の存在する槽から搬出する際、油分の再付着量が引き上
げ速度に依存することを知見した。
【0008】本発明は上記知見に基づいてなされたもの
で、浸漬槽中での洗浄剤による一回以上の洗浄工程及び
/又は浸漬槽中でのすすぎ液による一回以上のすすぎ工
程を有する電子部品又は精密部品類の洗浄方法におい
て、上記各工程の全ての工程又は一部の工程における上
記浸漬槽からの被洗浄物の搬出時に、該被洗浄物を90
〜500mm/secの範囲の速度で引き上げることを
特徴とする電子部品又は精密部品類の洗浄方法を提供す
るものである。
【0009】以下、本発明の洗浄方法について詳細に説
明する。本発明の洗浄方法における洗浄工程は、洗浄剤
により洗浄を行う工程である。上記洗浄工程における洗
浄方法としては、特に限定はなく、シャワー法、例え
ば、シャワーノズルを用いて洗浄剤を被洗浄物に噴射す
る方法、浸漬法、例えば、被洗浄物を洗浄槽に浸漬させ
る方法、被洗浄物を洗浄層に浸漬した状態で行う超音波
洗浄法、揺動法及び液中シャワー法等が挙げられ、該洗
浄工程は、適宜これらを組み合わせて実施される。
【0010】本発明の洗浄方法におけるすすぎ工程は、
すすぎ液により、被洗浄物表面に残留する洗浄剤や汚染
物質等をすすぎ落とす工程である。上記すすぎ工程にお
けるすすぎ方法としては、特に限定はなく、上記洗浄工
程における洗浄方法と同様に、例えば、シャワー法、浸
漬法等が挙げられ、該すすぎ工程は、適宜これらを組み
合わせて実施される。
【0011】本発明の洗浄方法は、上記洗浄工程及び/
又はすすぎ工程の中で、少なくとも一回以上の浸漬法が
行われる場合に適用される。
【0012】本発明の洗浄方法は、被洗浄物を、上記各
工程の全ての工程又は一部の工程における、浸漬槽から
の搬出時に、該被洗浄物を90〜500mm/secの
引き上げ速度で引き上げることにより、該被洗浄物への
油分の再付着量を減少させるものである。上記引き上げ
速度が90mm/sec未満では引き上げ時に油分の再
付着量が多くなり、好ましくない。また、500mm/
secより速い速度で引き上げることは操作上の問題が
ある。
【0013】以下に、図面を参照しながら本発明の洗浄
方法の原理を説明する。通常、洗浄又はすすぎ工程は、
被洗浄物1を浸漬槽に完全に浸漬した状態で行われ、該
洗浄又はすすぎ工程後、被洗浄物1は浸漬槽から引き上
げられ搬出される。その際、浸漬槽液面には、通常、被
洗浄物1から離脱した油分が油層2として存在するた
め、図1に示すように被洗浄物1にこの油層2が再付着
する。被洗浄物1の浸漬槽からの引き上げ速度が非常に
遅い領域では油分自体の表面張力により液切りが図れる
が、生産性の点で劣る。そして、引き上げ速度を増大さ
せると、該引き上げ速度の増大に伴い油分再付着量も増
大する。しかし、上記引き上げ速度が90〜500mm
/secになると、図2に示すように、水層3が油層2
と被洗浄物1との間に巻き込まれ、油層2と被洗浄物1
との接触面積が小さくなることにより、油層2が水層3
の液膜上を滑り落ちるようになる。そのため、上記油分
の付着量は、上記引き上げ速度が90〜500mm/s
ecの領域で減少する。
【0014】本発明の洗浄方法は、上記の現象を利用し
たものであり、本発明の洗浄方法によれば、被洗浄物を
生産性の高い、速い速度で引き上げ、且つ油層の再付着
量を低減することが可能となる。
【0015】尚、上記油層とは、特に限定はないが、通
常、オングストロームレベルの単分子膜から100mm
程度の油層であり、液面に位置するものである。そし
て、この油層中には、通常、被洗浄物1から離脱した油
分が存在し且つすすぎ液又は洗浄液が含有されている。
以上は、浸漬槽液面に油層が存在する場合であるが、浸
漬槽の液が、エマルジョンの様な乳化系であり、上層ほ
ど油分濃度が大きい液である場合にも、上述の油層が存
在する場合と同様な原理により、被洗浄物への正味油分
の再付着量を低減することができる。
【0016】本発明の洗浄方法において、被洗浄物を浸
漬槽から引き上げる方法は、手動で行う方法でも機械を
用いて行う方法でも良く、用途に応じて適当な手法を用
いれば良い。
【0017】本発明の洗浄方法に使用される洗浄剤とし
ては、水を含む系において、上層に洗浄剤層が浮くか、
上層ほど洗浄剤濃度が濃くなる様な洗浄剤であれば良
く、水よりも比重が小さく、しかも水に溶解しないもし
くは難溶な、例えば、炭化水素化合物、アルキルエステ
ル類、アルキルケトン類及び非イオン性界面活性剤から
選ばれる化合物を含有する洗浄剤が好ましい。
【0018】上記炭化水素化合物としては、例えば、洗
浄又はリンス工程の温度で液状である炭素数6〜30の
直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和結合を有するパラフィ
ン類、オレフィン類、あるいは芳香族炭化水素、脂環式
炭化水素を含む炭化水素化合物が挙げられる。上記アル
キルエステル類としては、例えば、洗浄又はリンス工程
の温度で液状である炭素数6〜40のモノエステル、ジ
エステル、トリエステルが挙げられ、特に炭素数6〜1
8の高級脂肪酸と炭素数1〜18のアルコールとのエス
テル;炭素数6〜18の高級脂肪酸と炭素数2〜8のジ
オール又はトリオールとのエステル;炭素数1〜18の
アルコールと炭素数2〜8のジカルボン酸又はトリカル
ボン酸とのエステルが好ましい。また、上記アルキルケ
トン類としては、炭素数6〜40のジアルキルケトンが
好ましい。
【0019】上記非イオン性界面活性剤としては、例え
ばアルキルエーテル型、アルキルアリルエーテル型、ア
ルキルチオエーテル型等のエーテル型;アルキルエステ
ル型、ソルビタンアルキルエステル型等のエステル型;
ポリオキシアルキレンアルキルアミン等のアミンとの縮
合型;ポリオキシアルキレンアルキルアマイド等のアミ
ドとの縮合型;ポリオキシエチレンとポリオキシプロピ
レンをランダム又はブロック縮合させたプルロニック又
はテトロニック型;ポリエチレンイミン系等の界面活性
剤が挙げられる。これらのうち、特に炭素数4〜22の
炭化水素基を有するものが好ましく、このような非イオ
ン性界面活性剤を含有する洗浄剤組成物は、油性汚れに
対する親和性が増大して洗浄力が向上するとともに、こ
れが混入したすすぎ洗い後のすすぎ廃液が明瞭な曇点を
示し、すすぎ廃液中の油状汚れ及び洗浄剤等の有機物を
容易に分離除去することができるので排水処理の負荷が
軽減され、排水処理性が特に良好である。
【0020】本発明の洗浄方法に用いられる洗浄剤(洗
浄剤組成物)としては、上記の成分のほか、必要に応じ
て陰イオン活性剤、陽イオン活性剤、両性活性剤、水酸
化ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウム等のアルカリ
剤、ビルダー、キレート剤、防錆剤、消泡剤等を含有す
るものを使用することもでき、また、上記の様な化合物
を用途に応じて任意に2種以上組み合わせて使用しても
よい。
【0021】また、本発明の洗浄方法に使用されるすす
ぎ液は、被洗浄物上の汚れ及び/又は洗浄剤組成物をす
すぎ洗うための液である。上記すすぎ液としては、特に
制限はないが、例えば、水道水、脱イオン水、純水ある
いは数%程度洗浄剤を含む液が用途に応じて用いられ
る。上記すすぎ液は、用途に応じた処理をした後、放流
又は再利用される。上記処理は、例えば凝集沈殿、加圧
浮上、活性汚泥、活性炭、イオン交換、膜処理方法等の
一般的な排水処理法を単独あるいは適宜組み合わせて行
うことができる。
【0022】本発明による洗浄の対象となる電子部品又
は精密部品類としては、電子部品又は精密部品類の組
立、加工又は洗浄時の保持に使用される治工具(治具)
等を包含する。
【0023】上記電子部品としては、例えば、電算機及
びその周辺機器、家電機器、通信機器、OA機器、その
他電子応用機器等に用いられるプリント配線基板;IC
リードフレーム、抵抗器、コンデンサー、リレー等接点
部材に用いられるフープ材;OA機器、時計、電算機
器、玩具、家電機器等に用いられる液晶表示器(液晶表
示デバイス);映像・音声記録/再生部品、その関連部
品等に用いられる磁気記録部品;シリコンやセラミック
スのウェハ等の半導体材料;水晶振動子等の電歪用部
品;CD、PD、複写機器、光記録機器等に用いられる
光電変換部品等が挙げられる。
【0024】上記精密部品類としては、例えば、電機部
品、精密機械部品、樹脂加工部品、光学部品等が挙げら
れる。上記電機部品としては、例えば、ブラシ、ロー
タ、ステータ、ハウジング等の電動機部品;販売機や各
種機器に用いられる発券用部品;販売機、キャッシュデ
ィスペンサ等に用いられる貨幣検査用部品などが挙げら
れる。上記精密機械部品としては、例えば、精密駆動機
器、ビデオレコーダー等に用いられるベアリング;超硬
チップ等の加工用部品などが挙げられる。上記樹脂加工
部品としては、例えば、カメラ、自動車等に用いられる
精密樹脂加工部品などが挙げられる。更に、上記光学部
品としては、例えば、カメラ、眼鏡、光学機器等に用い
られるレンズ等が挙げられ、その他、上記精密部品とし
て、例えばメガネフレーム、時計ケース、時計ベルト等
が挙げられる。
【0025】また、上記治工具類としては、上述の各種
部品例で示したような電子部品又は精密部品類の製造、
成形、加工、組立、仕上げ等を行う各種工程において取
り扱う治具、工具の他、これらの電子部品又は精密部品
類を取り扱う各種機器、その部品等が挙げられる。
【0026】本発明の洗浄方法は、上述の電子部品又は
精密部品類の中で、板状体である電子部品又は精密部品
類の洗浄時に好適な性能を発揮し、特に、フラックスの
残存したプリント配線基板やガラス基板に付着した液晶
等の洗浄時に好適な性能を発揮する。上記板状体は、実
質的に板状であればよく、部品が具備された板状体、レ
ンズ等も含む。尚、本発明の対象となる電子部品又は精
密部品類は、これらの例に限定されるものではなく、組
立加工工程において各種の加工油やフラックス等の後の
工程の妨害物質、又は製品の特性を低下させる各種の油
性汚染物質が付着している一定形状の固体表面を有する
電子部品又は精密部品類であれば、本発明の洗浄方法を
適用することができる。
【0027】更に、本発明の洗浄方法は、上記汚染物質
が、例えば、油脂、機械油、切削油、グリース、液晶、
ロジン系フラックス等の、主として有機成分の汚れであ
る場合、本発明の洗浄方法の特徴が特に発揮され、これ
らに金属粉、無機物粉等が混入した汚染物質であっても
有効である。
【0028】本発明の洗浄方法は、上述のように被洗浄
物の形状には制限されないが、板状体、特にプリント配
線基板や液晶表示デバイス等のような板状体の洗浄方法
として有効であり、該板状体が薄い程、またその表面が
滑らかである程効果的である。そこで、以下に、被洗浄
物が上記板状体である場合の本発明の洗浄方法の一実施
態様について説明する。
【0029】浸漬槽中での洗浄工程又はすすぎ工程にお
いて、多数個の板状体を治具によりセットして保持し
て、かかる状態で、これらの板状体を浸漬槽に浸漬さ
せ、洗浄工程又はすすぎ工程を実施する。この際に該板
状体の表面が鉛直面内に位置するようにセットすると、
該板状体の表面への油層の付着量が低減し好ましい。そ
して、上記各工程の全ての工程又は一部の工程におい
て、上記板状体の上記浸漬槽からの搬出時に、該板状体
を、90〜500mm/secの範囲の速度で引き上
げ、該浸漬槽から搬出する。
【0030】また、上記板状体を引き上げた後、該板状
体を面方向に傾斜させて保持して液切りを行っても良
く、さらにあらかじめ被洗浄物を面方向に傾斜させたま
ま浸漬洗浄や浸漬すすぎを行い、その後そのまま引き上
げてもよい。
【0031】上述のように本発明の洗浄方法により洗浄
を行うことにより、効率よく液切りを行って洗浄剤の使
用量を低減し、さらに系外への洗浄剤の持ち出し量を低
減することが可能になる。
【0032】
【作用】本発明の洗浄方法によれば、浸漬槽から被洗浄
物1を引き上げる際に、90〜500mm/secの速
度で引き上げるため、水層3が油層2と被洗浄物1との
間に巻き込まれ、油層2と被洗浄物1との接触面積が小
さくなることにより、油層2が水層3の液膜上を滑り落
ち、被洗浄物1に対する油分の再付着量が低減される。
【0033】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明の洗浄方法を
更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限
定されるものではない。尚、以下の実施例は、浸漬槽に
よるすすぎ工程の実施例であるが、洗浄剤と水とから成
る洗浄液を用いた浸漬槽による洗浄工程においても同様
に本発明の洗浄方法を実施できる。参考 例1 大きさ300mm×125mm、厚さ1.1mmのガラ
ス板を2枚張り合わせた液晶デバイスを、浸漬槽中で、
C14オレフィン(炭素数14のオレフィン)を用い
て、60℃で3分間洗浄した後、該液晶デバイスを、そ
の表面が鉛直面内に位置するように、すすぎ槽中の水に
浸漬し、60℃で3分間すすぎを行った。この時、液面
に厚さ2mmのC14オレフィンの油膜が存在してい
た。次いで、上記液晶デバイスを、その表面が鉛直面内
に位置した状態で引き上げて保持し、30秒間液切りを
行い、C14オレフィン付着量を測定した。引き上げ速
度が38mm/secの時のC14オレフィン付着量を
下記〔表1〕に示す。
【0034】実施例 参考 例1における引き上げ速度を95mm/secに変
更した以外は、参考例1と同様に実施し、C14オレフ
ィン付着量を測定した。その結果を下記〔表1〕に示
す。
【0035】実施例 参考 例1における引き上げ速度を169mm/secに
変更した以外は、参考例1と同様に実施し、C14オレ
フィン付着量を測定した。その結果を下記〔表1〕に示
す。
【0036】実施例 参考 例1における引き上げ速度を265mm/secに
変更した以外は、参考例1と同様に実施し、C14オレ
フィン付着量を測定した。その結果を下記〔表1〕に示
す。
【0037】比較例1参考 例1における引き上げ速度を2.0mm/secに
変更した以外は、参考例1と同様に実施し、C14オレ
フィン付着量を測定した。その結果を下記〔表1〕に示
す。
【0038】比較例2参考 例1における引き上げ速度を5.0mm/secに
変更した以外は、参考例1と同様に実施し、C14オレ
フィン付着量を測定した。その結果を下記〔表1〕に示
す。
【0039】比較例3参考 例1における引き上げ速度を17.0mm/sec
に変更した以外は、参考例1と同様に実施し、C14オ
レフィン付着量を測定した。その結果を下記〔表1〕に
示す。
【0040】
【表1】
【0041】上記〔表1〕に示すC14オレフィン付着
量は、液切り操作後液晶表示デバイスをイソプロピルア
ルコール超音波槽に1分間浸漬して抽出し、UV吸光度
計により濃度を求め、その濃度から換算した。また、上
参考例1、実施例1〜及び比較例1〜3における、
C14オレフィン付着量の引き上げ速度依存性を表すグ
ラフを図3に示した。
【0042】上記〔表1〕又は図3から判るように、実
施例1〜によれば、C14オレフィン付着量が少な
く、効率の良い洗浄を行うことができる。尚、比較例1
の場合のように、引き上げ時間を非常に遅くした場合
も、C14付着量を低減することは可能ではあるが、引
き上げに要する時間が大幅に長くなるため生産性の面で
大幅に劣る。被洗浄物を浸漬槽から40cm引き上げる
と仮定し、また、上記洗浄時間が2分である場合を考え
ると、例えば、実施例では、引き上げ速度が169.
0mm/secであるので、引き上げ時間は2.4秒と
なるので洗浄時間と引き上げ時間との合計(生産時間)
は、122.4秒となる。これに対して、比較例1の場
合には、引き上げ速度が2.0mm/secの場合に
は、40cm引き上げに要する時間は、200.0秒と
なるので、生産時間は320.0秒となる。従って、こ
の場合、上記実施例は、上記比較例1と比較して、約
62%生産時間が短く、大幅に生産性が高い。
【0043】参考例2 大きさ150mm×100mm、厚さ2mmのプリント
配線基板を、浸漬槽で洗浄剤〔(ポリオキシエチレン)
5 ノニルフェノールエーテル10重量%、(ポリオキシ
エチレン)10ラウリルエーテル20重量%、水70重量
%〕を用いて、60℃で3分間洗浄した後、該プリント
配線基板を、その表面が鉛直面内に位置するように、す
すぎ槽中の水に浸漬し、70℃で3分間すすぎを行っ
た。この時、液面に厚さ3mmの、上記非イオン活性剤
の油膜が存在した。次いで、該プリント配線基板を、そ
の表面が鉛直面内に位置した状態で引き上げて保持し、
30秒間液切りを行い、TOC(全有機炭素)成分付着
量を測定した。引き上げ速度が50mm/secの時の
TOC成分付着量を下記〔表2〕に示す。
【0044】実施例 参考例2 における、引き上げ速度を90mm/secに
変更した以外は、参考例2と同様に実施し、TOC成分
付着量を測定した。その結果を下記〔表2〕に示す。
【0045】実施例 参考例2 における、引き上げ速度を170mm/sec
に変更した以外は、参考例2と同様に実施し、TOC成
分付着量を測定した。その結果を下記〔表2〕に示す。
【0046】実施例6参考例2 における、引き上げ速度を270mm/sec
に変更した以外は、参考例2と同様に実施し、TOC成
分付着量を測定した。その結果を下記〔表2〕に示す。
【0047】比較例4参考例2 における、引き上げ速度を6mm/secに変
更した以外は、参考例2と同様に実施し、TOC成分付
着量を測定した。その結果を下記〔表2〕に示す。
【0048】比較例5参考例2 における、引き上げ速度を17mm/secに
変更した以外は、参考例2と同様に実施し、TOC成分
付着量を測定した。その結果を下記〔表2〕に示す。
【0049】
【表2】
【0050】上記〔表2〕に示すTOC成分付着量は、
液切り操作後プリント配線基板を純水超音波槽に1分間
浸漬抽出し、TOC計により濃度を求め、その濃度から
換算した。また、上記参考例2、実施例4〜6及び比較
例4及び5における、TOC成分付着量の引き上げ速度
依存性を表すグラフを図4に示した。
【0051】上記〔表2〕又は図4から判るように、本
発明の洗浄方法を示す実施例4〜6は、TOC成分付着
量が少なく、引き上げ速度が速いため、効率の良い洗浄
を行うことができる。比較例4及び5のように、引き上
げ時間を遅くした場合もTOC成分付着量を低減するこ
とは可能ではあるが、引き上げに要する時間が大幅に長
くなるため生産性の面で大幅に劣る
【0052】以上の実施例及び比較例からわかるよう
に、引き上げ時間を短くすることが出来れば大幅に生産
性を向上することができる。
【0053】
【発明の効果】本発明の電子部品又は精密部品類の洗浄
方法によれば、被洗浄物に付着した洗浄液やすすぎ液を
短時間で簡便に効率よく低減でき、系外への有機物成分
の持ち出し量を低減出来る。そのため、すすぎ工程数の
短縮を図ることができ、またすすぎ工程から排出される
排水の洗浄剤成分や汚れ成分の濃度が低下し、負荷の低
い排水処理性の良い洗浄システムを構築することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の洗浄方法による、被洗浄物を浸
漬槽から引き上げる際の油層及び水層の挙動を示す図で
ある。
【図2】図2は、本発明の洗浄方法による、被洗浄物を
浸漬槽から引き上げる際の油層及び水層の挙動を示す図
である。
【図3】図3は、参考例1、実施例1〜及び比較例1
〜3における、被洗浄物上のC14オレフィン付着量の
引き上げ速度依存性を表すグラフである。
【図4】図4は、参考例2、実施例4〜6及び比較例4
及び5における、被洗浄物上のTOC成分付着量の引き
上げ速度依存性を表すグラフである。
【符号の説明】
1 被洗浄物 2 油層 3 水層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−301526(JP,A) 特開 昭58−184479(JP,A) 特開 平4−66174(JP,A) 特開 平2−156531(JP,A) 特開 平4−78476(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B08B 1/00 - 7/04 H01L 21/304 H05K 3/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浸漬槽中での洗浄剤による一回以上の洗
    浄工程及び/又は浸漬槽中でのすすぎ液による一回以上
    のすすぎ工程を有する電子部品又は精密部品類の洗浄方
    法において、上記各工程の全ての工程又は一部の工程に
    おける上記浸漬槽からの被洗浄物の搬出時に、該被洗浄
    物を90〜500mm/secの範囲の速度で引き上げ
    ることを特徴とする電子部品又は精密部品類の洗浄方
    法。
  2. 【請求項2】 被洗浄物が板状体である請求項1記載の
    電子部品又は精密部品類の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 板状体がプリント配線基板あるいは液晶
    表示デバイスである請求項2記載の電子部品又は精密部
    品類の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 洗浄工程及びすすぎ工程において、板状
    体を、その表面が鉛直面内に位置するように上記浸漬槽
    中に保持し、該浸漬槽からの板状体の搬出時に、該板状
    体を、90〜500mm/secの範囲の速度で引き上
    げることを特徴とする請求項2又は3記載の電子部品又
    は精密部品類の洗浄方法。
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