JPH06113998A - 生体内挿入具 - Google Patents

生体内挿入具

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JPH06113998A
JPH06113998A JP4292593A JP29259392A JPH06113998A JP H06113998 A JPH06113998 A JP H06113998A JP 4292593 A JP4292593 A JP 4292593A JP 29259392 A JP29259392 A JP 29259392A JP H06113998 A JPH06113998 A JP H06113998A
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Yuichi Ikeda
裕一 池田
Hitoshi Mizuno
均 水野
Masahiro Kudo
正宏 工藤
Yoshihiro Kosaka
芳広 小坂
Hiroki Hibino
浩樹 日比野
Tatsuya Yamaguchi
達也 山口
Kuniaki Kami
邦彰 上
Shuichi Takayama
修一 高山
Yasuhiro Ueda
康弘 植田
Kenji Yoshino
謙二 吉野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】狭い体腔内や障害物のある体腔内に安全かつ容
易に挿入できる生体内挿入具の提供を目的としている。 【構成】生体内に挿入される挿入部1aから外方に突出
したマニピュレータアーム20と、マニピュレータアー
ム20が生体内の非検知部に接触したときにこのマニピ
ュレータアームに作用する力を検知する圧電素子21お
よび電気回路系21からなる検知部と、を有する触覚セ
ンサを備える生体内挿入具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生体内に挿入される挿入
具に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば医療用の内視鏡である挿入具は体
腔内に挿入される挿入部を有しており、この挿入部の先
端には照明手段、観察手段等の各種光学系が設けられて
いる。また、前記挿入部にはその全長にわたって鉗子や
注射針等の処置具を挿通する処置具挿通用チャンネルが
設けられている。そして、この処置具挿通用チャンネル
を通じて挿入部の先端から前記処置具を突出させて観察
組織の生検や患部組織の治療等を行なっているものであ
る。
【0003】また、前記挿入部の先端部にはこの先端部
を各種方向に湾曲させることができる湾曲機構が設けら
れており、この湾曲機構によって挿入部の先端部の向き
を自在に変えることにより、複雑に屈曲した体腔への挿
通を容易にしたり、挿入部先端に設けられた観察手段を
通じて得られる視野の方向を移動させて観察許容範囲や
処置可能範囲を広げたりしている。
【0004】このような内視鏡は、例えば特公昭48-416
31号公報、実公昭49-28388号公報、特開昭50-1581 号公
報などに示されており、実際、人体の胃、十二指腸、大
腸などの生体内部の観察や処置に広く利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の挿入具では、体腔の入口付近で挿入部を単に押し
込むことによって挿入部の先端部分を体腔内の目的部位
まで送り込んでいる。例えば、狭い管腔内に挿入部を挿
入するような場合には、挿入部を管腔内に押し込む押込
力によって挿入部の先端部が管腔を押し広げて管腔内に
おける挿入部の挿通空間を確保し、体腔内における挿入
部の目的部位への挿入が可能となるものである。また、
静脈のように、管路中に静脈弁などの障害物がある場合
には、処置具挿通用チャンネルを通じて挿入部の先端か
らフック状のメスを突出させ、このメスによって前記静
脈弁を切り裂き破壊して、静脈内における挿入部の挿通
路を確保することも行なわれている。
【0006】しかしながら、前述のように挿入部を管腔
内に押し込む押込力によって狭い管腔内に挿入部を挿入
する場合、挿入部の先端に設けられた観察手段が挿入す
る管腔の内壁などに押し付けられるため、観察手段の観
察窓に粘液が付着するなどして良好な観察視野が得られ
ない場合がある。このため、半盲目的に挿入部を管腔内
に押し込むと、不用意に管腔内を傷つける虞があった。
また、障害物を破壊して挿入部の挿通路を確保する方法
は障害物を温存しなければならない手術では行なうこと
ができない。
【0007】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、狭い体腔内や障害物
のある体腔内でも挿入部をより確実かつ容易に挿入でき
る挿入具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の挿入具は、生体内に挿入される挿入部から
外方に突出した触角部と、この触角部に作用する力を検
知する検知部とを有する触覚センサを備えることを特徴
とする。
【0009】
【作用】上記構成により、触角部が生体内の障害物ある
いは管腔の狭窄部などの被検知部に接触すると、検知部
がこの被検知部から触角部に作用する力を検知し、被検
知部に近接したことを検出する。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説
明する。図1および図2は本発明の実施例を示すもので
ある。
【0011】図1は、生体内挿入具としての内視鏡1の
挿入部1aの先端部がリンパ管10を通じてリンパ節1
2に到達した状態を示している。この内視鏡1は能動型
のものであり、挿入部1aはリンパ管10への挿入が可
能なように極めて細径に形成されている。また、挿入部
1aの先端には高輝度照明手段と高解像観察手段とが一
体となった高解像高輝度観察手段6が設けられており、
挿入部1aの挿入方向の観察ができるようになってい
る。
【0012】また、挿入部1aの全長にわたって形成さ
れた処置具挿通用チャンネル4を通じて挿入部1aの先
端から生検鉗子8を突出することができ、この生検鉗子
8によって目的部位の組織の生検を高解像高輝度観察手
段6の観察下において行なうことができるようになって
いる。
【0013】図2に示すように、内視鏡1の挿入部1a
の先端部には、触覚センサとしてのマイクロマニピュレ
ータ2が設けられている。このマイクロマニュピレータ
2の本体を構成する一対のマニピュレータアーム20が
ヒンジ22を介して回動自在に取り付けられ、これらの
一対のマニピュレータアーム20は触覚センサの触角部
を形成している。これら一対のマニピュレータアーム2
0は互いに向き合った状態で挿入部1aの先端から前方
に向けて延在している。また、各マニピュレータアーム
20の略中央部位には外側に向けて滑らかに屈曲した
“く”の字状の屈曲部25が形成されており、この屈曲
部25を力点として例えば後述するように体腔内の障害
物を外側に押し広げて挿入部1aの挿入通路を確保でき
るようになっている。
【0014】また、一対のマニピュレータアーム20の
手元側には、触覚センサの検知部とマイクロマニピュレ
ータ2の駆動機構とを兼用する圧電アクチェータが設け
られている。この圧電アクチェータは、圧電素子21と
この圧電素子21に電気的に接続された電気回路系26
とから構成されている。圧電素子21は、歪みまたは応
力が加えられると電荷が誘起され逆に電圧が加えられる
と歪みまたは応力を生じる特性を備えており、マニピュ
レータアーム20の手元側のアーム20間に挟持された
状態で設けられている。
【0015】電気回路系26は、圧電素子21が導線2
9を介して直流電源27に接続された回路構成となって
いる。また、この回路には圧電素子21の両端の電圧を
測定する電圧計23が圧電素子21と並列に接続されて
いる。さらに、直流電源27と電圧計23がコントロー
ラ24に電気的に接続されており、後述するように圧電
素子21の両端に発生する起電力を電圧計23が検知
し、この検知信号をコントローラ24が検知して直流電
源27の電圧上昇を促すことができるようになってい
る。
【0016】次に、上記構成の内視鏡1の動作について
説明する。図1に示すように内視鏡1の挿入部1aの先
端部をリンパ管10を通じてリンパ節12に導入する場
合、リンパ液の逆流を防ぐリンパ弁14が障害物となっ
てリンパ管10内における挿入部1aの進路を妨げる。
この場合、リンパ管10内を挿通される挿入部1aの先
端の触角部であるマニピュレータアーム20がまずはじ
めにリンパ弁14と接触して障害物であるリンパ弁14
の存在を検知する。この検知は次のようにして行なわれ
る。すなわち、マニピュレータアーム20がリンパ弁1
4と接触するとその接触圧によってマニピュレータアー
ム20,20にはこれを閉じる方向にモーメントが作用
する。このモーメントは圧縮応力となってマニピュレー
タアーム20間に設けられた圧電素子21に作用し圧電
素子21を僅かに圧縮変形させる。圧縮変形された圧電
素子21の両端には、前述した圧電素子21の特性によ
って、起電力が発生する。そして、この起電力が圧電素
子21と並列に接続された電圧計23を介してコントロ
ーラ24に認識されることによって、マニピュレータア
ーム20とリンパ弁14との接触すなわちリンパ弁14
の存在が検知されるものである。
【0017】圧電素子21の両端に起電力が発生したこ
とをコントローラ24が検知すると、コントローラ24
は直流電源27に電圧の上昇を働きかける。直流電源2
7の電圧上昇によって、圧電素子21は、前述した特性
により、マニピュレータアーム20を押し広げる方向に
伸長する。この圧電素子21の伸長によって、マニピュ
レータアーム20は、ヒンジ22を中心として開く方向
に回動し、リンパ弁14を押し退けて、内視鏡挿入部1
aの挿通路を確保する。
【0018】このように、本実施例の内視鏡1は、内視
鏡挿入部1aの先端部に、リンパ弁14の存在を検知す
る触覚センサとしての機能とリンパ弁14を押し退ける
機能とを兼ね備えたマニピュレータアーム20とマニピ
ュレータアーム20を駆動させる駆動機構とを備えたマ
ニュピレータを有しているため、常に視野を確保しなが
ら体腔内組織に無用の力を加えてこれに損傷を与えるこ
と無く安全に、挿入部1aを狭い管腔内や障害物のある
部分に容易に挿入することができる。また、マニピュレ
ータ2は挿入部1aの先端部の小さな空間を有効に利用
した構成となっているため超小型内視鏡に限らず各種の
マイクロアクチェータにも適合させることができる。
【0019】図3はマニピュレータ2の他の実施例を示
している。この実施例のマニピュレータ2は、第1の実
施例で示した検知部としての圧電アクチュエータを磁歪
アクチュエータに置き換え、電圧計23の代わりに電流
計30を使用した構成となっている。
【0020】すなわち、内視鏡1の挿入部1aの先端部
には触角部としての一対のマニピュレータアーム20が
ヒンジ22を介して回動自在に取り付けられており、マ
ニピュレータアーム20の手元側には触覚センサの検知
部とマイクロマニピュレータ2の駆動機構とを兼用する
磁歪アクチェータが設けられている。この磁歪アクチェ
ータは、マニピュレータアーム20の手元側のアーム2
0間に挟持された状態で設けられる磁歪材料(磁性体)
34と、磁歪材料34の周囲に配置された駆動磁場発生
用のコイル34と、コイル34と電気的に接続する電気
回路系26とから構成されている。磁歪材料34はその
軸方向に磁場が加えられて磁化すると変形し、逆に、外
部から力を加えて変形させようとすると磁化の変化が現
れる特性を備えている。
【0021】電気回路系26は、コイル34が導線29
を介して直流電源27に接続された回路構成となってい
る。また、この回路には電流計30がコイル34と直列
に接続されている。さらに、直流電源27と電流計30
がコントローラ24に電気的に接続されており、後述す
るように、コイル34周囲の磁場の変化により生じる誘
導電流を電流計30が検知し、この検知信号をコントロ
ーラ24が検知して直流電源27に電圧上昇(電流の増
大)を促すことができるようになっている。
【0022】次に、上記構成のマイクロマニピュレータ
2の動作を説明する。マニピュレータアーム20がリン
パ弁14と接触するとその接触圧によってマニピュレー
タアーム20にはモーメントが作用する。このモーメン
トは圧縮応力となってマニピュレータアーム20間に設
けられた磁歪材料34に作用し磁歪材料34を僅かに圧
縮変形させる。圧縮変形された磁歪材料34には、前述
した磁歪材料34の特性によって、磁化に変化が現れ
る。磁歪材料34の磁化の変化に伴って、磁歪材料34
を取り巻くコイル34の周囲の磁場が変化し、コイル3
4が接続する回路中に誘導電流が流れる。この誘導電流
はコイル34と直列に接続された電流計30を介してコ
ントローラ24に認識され、マニピュレータアーム20
とリンパ弁14との接触すなわちリンパ弁14の存在が
検知される。
【0023】回路中に誘導電流が流れたことをコントロ
ーラ24が検知すると、コントローラ24は直流電源2
7に電圧の上昇を働きかける。直流電源27の電圧上昇
によって、回路を流れる電流が増大し、コイル34の周
囲の磁場が変化する。これによって、磁歪材料34はそ
の軸方向に磁場が加えられて磁化し、前述した特性によ
り軸方向に伸長する。磁歪材料34の軸方向の変形によ
ってマニピュレータアーム20は押し広げられヒンジ2
2を中心として開く方向に回動する。したがって、リン
パ弁14はマニピュレータアーム20によって押し退け
られ、これによって内視鏡挿入部1aの挿通路が確保さ
れる。
【0024】図4および図5は本発明に係る挿入具の第
3実施例を示す。図4の(A)は、生体内挿入具として
の超音波プローブ40の挿入部41の先端部が動脈10
Aを通じて狭窄部12Aに到達した状態を示し、同
(B)は湾曲部12Bに到達した状態を示す。この超音
波プローブ40はその先端部に超音波振動子42を内包
し、挿入部41内に挿通したフレキシブルシャフト44
でこの超音波振動子42を回転するいわゆるメカニカル
スキャニングタイプの超音波プローブとして形成されて
いる。超音波振動子42は超音波パルスを送波し、この
反射波を画像モニタ装置に送って生体内の超音波診断を
行うことができる。
【0025】この超音波プローブ40の先端部中央に
は、触覚センサ46が設けられている。この触覚センサ
46は狭窄部12Aあるいは湾曲部12Bに接触してこ
れを検出する。
【0026】図5の(A)および(B)に示すように、
触覚センサ46は超音波プローブ40の先端部から突出
する触角部48と、この触角部48に作用する力を検知
する検知部50とから形成されている。この触角部48
は先細のひげ状の柔軟構造に形成され、略球状の先端部
48aはこれに続く手元側部分よりも大径に形成されて
いる。また、検知部50は超音波プローブ40の先端部
内に配置したシリコン基板52の中央部52aを薄肉の
ダイアフラム状に形成し、この薄肉の中央部52aから
突出する検出線54の先端側が触角部48内に一体的に
収容されている。この検出線54の反対側には、図5の
(C)に示すように検出線54の周部に均等に配置され
た4つの歪みセンサ56と、これらの各歪みセンサ56
からの信号を受ける検出回路58とが配置されており、
この検出回路58の出力信号は超音波プローブ40の挿
入部41内の図示しない導線を通って手元側に送られる
ようになっている。
【0027】次に、上記超音波プローブ40の動作につ
いて説明する。図4に示すように、超音波プローブ40
の挿入部41の先端部を動脈10A内に導入し、狭窄部
12Aあるいは湾曲部12Bに到達すると、触覚センサ
46の触角部48がまずこの狭窄部12Aあるいは湾曲
部12Bに接触し、この触角部48に作用する力で湾曲
する。このとき、触角部48の先端部48aが大径の球
状に形成されているため、生体組織を損傷することな
く、この触角部48を湾曲させる。
【0028】触角部48が湾曲すると、触角部48内に
延びる検出線54にを通じて基板52の中央部52aに
歪みを生じ、この歪みが4つの歪みセンサ56で検知さ
れる。検出回路58はこれらの4つの歪みセンサ56の
信号を受けて、基板52の中央部52aの歪みの方向お
よび大きさを検出し、これにより、狭窄部12Aあるい
は湾曲部12Bから接触覚すなわち触角部48に作用す
る力の方向および大きさが検知され、超音波プローブ4
0に対する狭窄部12Aあるいは湾曲部12Bの位置を
検知することができる。
【0029】このため、動脈10A内の狭窄部12Aあ
るいは湾曲部12Bの生体組織に無用の力を与えること
なく極めて安全かつ確実に超音波プローブ40を所要部
位まで挿入することができる。図6から図9はこのよう
な触覚センサ46の他の実施例を示す。図中、上述の実
施例と同様な部分には同様な符号を付してその詳細な説
明を省略する。
【0030】図6に示す触覚センサ46は、検出線54
の基端側の周部に4つの歪みセンサ56を等間隔に配置
した構成を備える。これらの4つの歪みセンサ56は、
触角部48が狭窄部12Aあるいは湾曲部12B(図
4)等の被検知部から力を受けて湾曲したときに、検出
線54に生じる歪みを直接検知し、図示しない検知回路
を通じて接触覚の力の大きさおよび方向が検出される。
【0031】図7の触覚センサ46は、同図の(A)に
示すように触角部48の基端部を挿入具である超音波プ
ローブの挿入部41内に強固に固定し、この挿入部41
から突出した部分が湾曲できるようになっている。検出
部50はこの軸方向中間部に配置されている。
【0032】触角部48は、図7の図の(B)から
(E)に示すように検出線54の周部に薄い被膜57を
施した構造に形成され、検出部50を構成する2対の歪
みセンサ56が互いに軸方向に離れた位置に配置されて
いる。各歪みセンサ56を収容する凹部55はそれぞれ
検出線54に一対ずつ対向して形成されており、各対の
凹部55間に形成された検出線54の薄肉部を挟んで各
対の歪みセンサ56が配置される。これらの各対の歪み
センサ56は図7の(B)および(C)に示すように、
90°異なる方向に配置されており、これらの2対の歪
みセンサ56を通じて触角部48に作用する力の方向お
よび大きさを検出することができる。
【0033】図8に示す触覚センサ46は、検出線54
の基端部54aが超音波プローブの挿入部41に形成さ
れた空間部47内に配置され、触角部48が湾曲したと
きに基端部54aが触角部48の動きに追従してこの空
間部47内を動くことができるようになっている。ま
た、検出部50は例えば発光ダイオード(LED)から
なる投光部57と、例えばフォトセンサからなる受光部
59とを2対備えている。各投光部57と受光部59と
は基端部54aを挟んで対向配置され、これらの投光部
57と受光部59とからなる各対は互いに90°ずれた
位置に配置されている。
【0034】図8の実施例による触覚センサ46は、触
角部48に力が作用して湾曲すると、検出線54の基端
部54aがこれに対応して空間部47内を移動する。こ
の状態を図8の(B)に点線で示す。このように基端部
54aが移動すると、各受光部59の受光量が変化し、
したがって90°ずれた位置で各受光部59が検出した
受光量あるいはこの変化から触角部48に作用する力の
大きさおよび方向を知ることができる。
【0035】図9に示す実施例の触覚センサ46は、触
角部48の基端部を超音波プローブの挿入部41に固定
されている。この触角部48は図9の(B)および
(C)に示すように、中心電極60の周部に感圧部62
を配置し、更にこの感圧部62の周部に外周電極64を
配置して全体を絶縁性の被膜66で覆って形成されてい
る。この感圧部62は本実施例では、例えばゴム内にカ
ーボン等の導電性材料を混入させて形成された導電性感
圧ゴムで形成してあり、これに作用する応力に応じて抵
抗値が変化する。この抵抗値の変化は中心電極60と外
周電極64とを通じて検出され、この検出値から触角部
48に作用する接触力を知ることができる。したがって
本実施例では触角部48と検出部とが一体的に形成され
る。なお、本実施例では、触角部48の先端部は大径の
球状形状に形成されていないが、上記各実施例の触角部
と同様に形成してもよいことは明らかである。
【0036】次に、図10から図15は生体内挿入具に
用いた上述の触覚センサ46の種々の実施例を示す。図
10に示す生体内挿入具は図4の実施例と同様な超音波
プローブ40として形成されており、図10の(A)に
示すように触覚センサ46の触角部48は超音波プロー
ブ40の中心軸線Xに対して角度θに傾斜配置され、そ
の先端部は軸線Xから距離T離隔して配置される。
【0037】この超音波プローブ40の場合には、動脈
10A内に挿入して狭窄部12Aに到達した後、手元側
で軸線Xを中心として回転させると、図10の(B)に
示すように触角部48がこの狭窄部12Aの表面形状に
沿って変形し、このときの触角部48の変形量あるいは
歪み量を検出することで狭窄の程度を知ることができ
る。
【0038】図11の(A)に示す超音波プローブ40
の触覚センサ46は2股形状の触角部48Aを備え、図
11の(B)の触覚センサ46はループ状の触角部48
Bを備える。2股形状の触角部48Aは幅広く接触とそ
の圧力を検出することができ、また、ループ状の触角部
48Bはその基端部の2か所で触覚検出を行うことがで
きると共に、超音波プローブ40のどちら側に強い圧力
で接触しているかを知ることができる。
【0039】図12は更に種々の形態の触角部48を有
する触覚センサ46を用いた超音波プローブ40を示
し、図12の(A)は2本の触角部48を有する触覚セ
ンサ46、同(B)は4本の触角部48を有する触覚セ
ンサ46を示し、同(C)はフォーク状に分岐した触角
部48Cを有する触覚センサ46を示す。
【0040】図12の(A)および(B)に示す触覚セ
ンサ46の各々の触角部48はそれぞれ独立して触覚検
出を行うことができ、各触角部48の変形量s,s′を
独自に検出して、狭窄部12Aの狭窄の程度を知ること
ができる。また、図12の(C)に示すフォーク状の触
角部48Cは図11の(A)に示す触角部48Aと図1
2の(A)に示す2本の触角部48との中間タイプのも
ので双方の利点を備える。
【0041】図13に示す超音波プローブ40Aは、先
端部41aの手元側に湾曲部43を設けてあり、挿入部
41内に延設された2本のアングルワイヤ45を手元側
で押し引きすることによりこの湾曲部43で湾曲操作
し、先端部41aの方向を変えることができる。この先
端部41aの先端側からは、触覚センサ46の触角部4
8が突出して設けられ、触角部48と先端部41aとの
間は滑らかに湾曲した表面形状に形成されている。
【0042】この超音波プローブ40Aは、図13の
(B)に示すように、動脈10Aからこの分岐血管10
B内に安全かつ確実に挿入することができる。このよう
な分岐血管10B内に挿入する場合には、超音波プロー
ブ40Aの先端部41aが分岐血管10Bとの血管分岐
部に到達した後、アングルワイヤ45を押し引きして先
端部41aを湾曲操作する。これにより、触角部48を
通じて血管分岐部を探り、分岐血管10Bの方向および
位置を正確に知ることができる。更に、図13の(C)
に示すように先端部41aを湾曲操作させて触角部48
で狭窄部12Aをなぞることで狭窄の程度を知ることも
できる。
【0043】図14は例えば動脈内に予め挿入留置さ
れ、内視鏡70をこれに沿って案内する生体内挿入具と
してのガイドワイヤ80に触覚センサ46を設けた実施
例を示す。
【0044】本実施例のガイドワイヤ80で案内される
内視鏡70は能動型のものであり、細径に形成された挿
入部71の先端部は湾曲部73により湾曲操作され、こ
の挿入部71の先端に設けられた観察手段74と証明手
段76とを通じて挿入方向の観察を行うことができる。
観察手段74に付着した血液等は洗浄ノズル78から吹
付けられる洗浄水等で洗い落され、内視鏡観察手段74
の視野が確保される。更に、この挿入部71内にはチャ
ンネル72が延設されており、このチャンネル72内に
挿通されたガイドワイヤ80により軸方向移動を案内さ
れる。
【0045】ガイドワイヤ80はその挿入部81に触覚
センサ46を備えている。この触覚センサ46の触角部
48は挿入部81の先端から軸方向に突出したひげ状に
形成され、このひげ状触角部48の基端部とガイドワイ
ヤ挿入部81との間は滑らかな曲面状に形成されてい
る。
【0046】このガイドワイヤ80で内視鏡70を動脈
等の内部を案内する場合は、予めガイドワイヤ80を動
脈内の所要部位間で挿通し、留置しておく。このように
ガイドワイヤ80を挿通する際、触覚センサ46を通じ
て動脈の湾曲部あるいは血管分岐部等の存在が検知さ
れ、このため穿孔の虞がなく、極めて安全かつ容易に所
要部位まで挿通することができる。そして、所要部位ま
で挿通したこのガイドワイヤ80を動脈等の内部に留置
する。この後、内視鏡70のチャンネル72にガイドワ
イヤ80を挿通し、このガイドワイヤ80に沿って内視
鏡70を移動することにより、内視鏡70が所要部位に
配置される。
【0047】最後に、図15の実施例は生体内挿入具と
しての臓器保持具82を示す。この臓器保持具82は図
示しない腹腔鏡を用いて径内視鏡的外科手術を行う際
に、図15の(A)に示すように例えば肝臓12Dを持
ち上げて支え、所要の処置を容易とする。
【0048】臓器保持具82の先端側の一側には、図1
5の(B)に示すように複数の触覚センサ46が設けら
れている。これらの各触覚センサ46は臓器保持具82
の軸方向に沿って順に配置された触角部48を有し、本
実施例ではこれらの触角部48が同様な構造に形成され
ている。
【0049】この臓器保持具82によれば、各触覚セン
サ46がその触角部48の倒れ具合すなわち触角部48
に作用する力の大きさから肝臓12Dを支える力を検出
することができ、安全性が大きく向上する。更に、この
ように、複数の触覚センサ46のそれぞれが検出する力
の大きさから、肝臓12Dに対する臓器保持具82の適
性角度あるいは位置等を検出することもでき、極めて安
全に所要の処置を行うことができる。
【0050】なお、触覚センサは極めて小さな構造に形
成されるため、上記の超小型内視鏡、超音波プローブ、
ガイドワイヤあるいは臓器保持具に限らず各種のマイク
ロアクチェータ等の生体内挿入具にも適合させることが
できる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の生体内挿
入具は、その触角部に作用する力を検知しつつ生体内に
挿入することができ、無用の力を生体組織に加えること
なく、容易かつ確実に、狭い管腔内や障害物のある部分
に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による内視鏡の使用態様を示す
説明図である。
【図2】図1の内視鏡の要部構成を示す概略図である。
【図3】他の実施例による内視鏡の要部構成を示す概略
図である。
【図4】本発明の他の実施例による超音波プローブの使
用状態を示す説明図である。
【図5】図4の超音波プローブに用いる触覚センサの説
明図である。
【図6】歪みセンサを用いた触覚センサの実施例の説明
図である。
【図7】歪みセンサを用いた触覚センサの他の実施例の
説明図である。
【図8】発光ダイオードおよびフォトセンサを用いた触
覚センサの実施例の説明図である。
【図9】感圧ゴムを用いた触覚センサの実施例の説明図
である。
【図10】触覚センサの触角部を傾斜させた超音波プロ
ーブの説明図である。
【図11】種々の形態の触角部を用いた超音波プローブ
の説明図である。
【図12】更に他の形態の触角部を用いた超音波プロー
ブの説明図である。
【図13】湾曲部を有する超音波プローブの概略および
その使用状態を示す説明図である。
【図14】本発明の実施例によるガイドワイヤの説明図
である。
【図15】他の実施例による臓器保持具の説明図であ
る。
【符号の説明】
1,70…内視鏡、2…マニュピレータ、20…マニュ
ピレータアーム、21…圧電素子、24…コントロー
ラ、27…直流電源、32…磁歪材料、34…コイル、
40…超音波プローブ、46…超音波センサ、48,4
8A,48B,48C…触角部、50…検出部、52…
基板、54…検出線、56…歪みセンサ、57…投光
部、58…検出回路、59…受光部、60,64…電
極、62…感圧部、72…チャンネル、80…ガイドワ
イヤ、82…臓器保持具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小坂 芳広 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 日比野 浩樹 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 山口 達也 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 上 邦彰 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 高山 修一 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 植田 康弘 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 吉野 謙二 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体内に挿入される挿入部から外方に突
    出した触角部と、この触角部に作用する力を検知する検
    知部とを有する触覚センサを備えることを特徴とする挿
    入具。
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