JPH06112554A - レーザ装置 - Google Patents
レーザ装置Info
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- JPH06112554A JPH06112554A JP25832092A JP25832092A JPH06112554A JP H06112554 A JPH06112554 A JP H06112554A JP 25832092 A JP25832092 A JP 25832092A JP 25832092 A JP25832092 A JP 25832092A JP H06112554 A JPH06112554 A JP H06112554A
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- laser
- discharge
- laser device
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Abstract
(57)【要約】
【目的】放電を安定して行いレーザ出力を低下を防止す
る。 【構成】少なくとも一方の電極6の電極幅Wが放電幅W
Aと略一致されて電界強度の高い電極構造にされる。し
かし、レーザ媒質ガスのうちバッファガスを構成するN
e ガスの分圧の割合が全バッファガスの圧力に対して5
0%以上にされることにより、上記電界強度が高くなる
ことによる放電の不安定さが解消される。したがって、
レーザ運転を長期間にわたって行ったとしても放電幅を
変化させることなく安定に運転することが可能になると
ともに、たとえ100Hz 以上の高繰返し周波数運転を
行ったとしても放電が不安定となることもなくなる
る。 【構成】少なくとも一方の電極6の電極幅Wが放電幅W
Aと略一致されて電界強度の高い電極構造にされる。し
かし、レーザ媒質ガスのうちバッファガスを構成するN
e ガスの分圧の割合が全バッファガスの圧力に対して5
0%以上にされることにより、上記電界強度が高くなる
ことによる放電の不安定さが解消される。したがって、
レーザ運転を長期間にわたって行ったとしても放電幅を
変化させることなく安定に運転することが可能になると
ともに、たとえ100Hz 以上の高繰返し周波数運転を
行ったとしても放電が不安定となることもなくなる
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、材料加工、投影露光用
等の光源に用いる放電励起型のレーザ装置に関する。
等の光源に用いる放電励起型のレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】放電励起型のエキシマレーザ装置は、マ
ーキング、穴開け、アニーリングなどの材料加工のほ
か、大規模集積回路(LSI)の回路パターン制作の、
光リソグラフィー用光源として用いられている。すなわ
ち、エキシマレーザは強力な紫外光源であり、その特性
を生かして材料加工用としては主に樹脂等の有機材料へ
のマーキング、穴開けなどに用いられる。また、光リソ
グラフィーには主に縮小投影法が使われており、照明光
源により照らされた原画(レチクル)パターンの透過光
を縮小投影光学系により半導体基板上の感光性物質に投
影して回路パターンを形成する。
ーキング、穴開け、アニーリングなどの材料加工のほ
か、大規模集積回路(LSI)の回路パターン制作の、
光リソグラフィー用光源として用いられている。すなわ
ち、エキシマレーザは強力な紫外光源であり、その特性
を生かして材料加工用としては主に樹脂等の有機材料へ
のマーキング、穴開けなどに用いられる。また、光リソ
グラフィーには主に縮小投影法が使われており、照明光
源により照らされた原画(レチクル)パターンの透過光
を縮小投影光学系により半導体基板上の感光性物質に投
影して回路パターンを形成する。
【0003】ところで、上記回路パターンの投影像の分
解能は、用いられる光源の波長で制限されるため光源の
波長は可視領域から紫外領域へと次第に短波長化してい
る。従来、この紫外領域の光源として高圧水銀ランプか
ら発生するg線(463nm)、i線(365nm)が
使用されてきた。
解能は、用いられる光源の波長で制限されるため光源の
波長は可視領域から紫外領域へと次第に短波長化してい
る。従来、この紫外領域の光源として高圧水銀ランプか
ら発生するg線(463nm)、i線(365nm)が
使用されてきた。
【0004】しかしながら最小パターン線幅がメモリ容
量64MBで要求される0.25μm以下のとなるとi
線でもすでに波長としてはそろそろ限界にきている。こ
の技術的限界を解決するためのものとして深紫外(De
ep Ultra Violet)レーザ光源が有望視
されている。とくにエキシマレーザは高出力、高効率で
あり、媒質ガスの組成によりKr F(248nm)、A
r F(193nm)などの短波長で強い発振を得ること
ができる。
量64MBで要求される0.25μm以下のとなるとi
線でもすでに波長としてはそろそろ限界にきている。こ
の技術的限界を解決するためのものとして深紫外(De
ep Ultra Violet)レーザ光源が有望視
されている。とくにエキシマレーザは高出力、高効率で
あり、媒質ガスの組成によりKr F(248nm)、A
r F(193nm)などの短波長で強い発振を得ること
ができる。
【0005】一方、上記Deep−UV領域では、縮小
投影レンズ系を構成するガラス、結晶材料が非常に制約
されるため水銀ランプを用いた縮小投影レンズ系で用い
られてきた色収差補正が困難となる。そこで、レンズ系
を色収差補正するのではなくレーザ共振器内にエタロン
等の波長選択素子を配設し、出力光のスペクトル幅をレ
ンズ材の色収差が無視できる程まで小さくすることでそ
の困難さを除去している。この方法で自然発振の場合に
スペクトル幅で数nmあった線幅が数pmにまで細く狭
帯域化することができる。
投影レンズ系を構成するガラス、結晶材料が非常に制約
されるため水銀ランプを用いた縮小投影レンズ系で用い
られてきた色収差補正が困難となる。そこで、レンズ系
を色収差補正するのではなくレーザ共振器内にエタロン
等の波長選択素子を配設し、出力光のスペクトル幅をレ
ンズ材の色収差が無視できる程まで小さくすることでそ
の困難さを除去している。この方法で自然発振の場合に
スペクトル幅で数nmあった線幅が数pmにまで細く狭
帯域化することができる。
【0006】このように放電励起型のレーザ装置は産業
用光源として、広範に応用されている。しかしながら産
業への応用をしていく場合に、放電の幅が放電電極の消
耗とともに変化しそれとともにレーザのビーム幅が変化
するという問題点がある。
用光源として、広範に応用されている。しかしながら産
業への応用をしていく場合に、放電の幅が放電電極の消
耗とともに変化しそれとともにレーザのビーム幅が変化
するという問題点がある。
【0007】したがって加工用として使用する場合、こ
の変化は横モードを悪くし、ビームの集光性を変化させ
たり、出力の変化を引き起こし実用上の問題となって顕
われる。また、光リソグラフィ用の光源として使う場合
にはこの出力光の幅の変化は狭帯域エキシマレーザの実
用化において以下のような問題点をも引き起こす。
の変化は横モードを悪くし、ビームの集光性を変化させ
たり、出力の変化を引き起こし実用上の問題となって顕
われる。また、光リソグラフィ用の光源として使う場合
にはこの出力光の幅の変化は狭帯域エキシマレーザの実
用化において以下のような問題点をも引き起こす。
【0008】すなわち、狭帯域化に用いる波長選択素子
は角度分散特性を持つことはよく知られている。たとえ
ば、波長選択素子として回析格子(グレーティング)を
使った場合はスペクトル幅を小さくするためレーザの発
散角を制限する必要があり、レーザの発散角が大きいと
スペクトル幅も広がってしまうという性質を持つ。した
がって放電幅が変化し、利得領域が変化した場合、レー
ザ光のビームダイバージェンスが変化するためにスペク
トル幅も大きく変化し露光の性能を劣化させるというも
のである。
は角度分散特性を持つことはよく知られている。たとえ
ば、波長選択素子として回析格子(グレーティング)を
使った場合はスペクトル幅を小さくするためレーザの発
散角を制限する必要があり、レーザの発散角が大きいと
スペクトル幅も広がってしまうという性質を持つ。した
がって放電幅が変化し、利得領域が変化した場合、レー
ザ光のビームダイバージェンスが変化するためにスペク
トル幅も大きく変化し露光の性能を劣化させるというも
のである。
【0009】そこで、本出願人はこうした問題を解決す
るために、レーザ媒質ガスを励起し反転分布を形成する
ための一対の放電電極の少なくとも一方の電極の幅を、
放電幅に略一致させる技術に関して特許出願しており
(特願平2−219603号)、さらに、その一方の電
極の両側近傍に、電界を緩和させるための導電性構造物
を配設する技術に関して特許出願している(特願平2−
21604号)。
るために、レーザ媒質ガスを励起し反転分布を形成する
ための一対の放電電極の少なくとも一方の電極の幅を、
放電幅に略一致させる技術に関して特許出願しており
(特願平2−219603号)、さらに、その一方の電
極の両側近傍に、電界を緩和させるための導電性構造物
を配設する技術に関して特許出願している(特願平2−
21604号)。
【0010】これら技術によって、放電電極において、
一種の負のフィードバック機構による自己形状維持が実
現されるため、放電励起型のレーザ装置を長期間にわた
り放電幅を変化させることなく安定に運転させることが
可能となっている。
一種の負のフィードバック機構による自己形状維持が実
現されるため、放電励起型のレーザ装置を長期間にわた
り放電幅を変化させることなく安定に運転させることが
可能となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように電極幅を放
電幅と同じになるように狭くすることにより長期間にわ
たり放電幅を変化させることなく安定に運転することが
可能となった一方において、電極幅を狭くすることで電
極表面上における電界強度が高くなり、数十Hzの低繰
返し周波数での運転では問題がないものの、100Hz
以上の高繰返し周波数運転になると放電が不安定となり
出力が低下してしまう問題点も本発明者らによって明ら
かにされている。すなわち、図7に示すように上下一対
の電極の22、23の電極幅Wを8mmにし、放電幅に
一致させるとともに、両電極22、23間の距離dを2
5mmにした条件下(なお、放電時には約10m/sの
均一なガス流が電極長手方向に生成されているものとす
る)でレーザ運転を行うと、図6に示すように数十Hz
程度の繰返し周波数ではレーザ出力の低下は見られない
が、繰返し周波数は100数Hz に達すると、周波数増
加に応じてレーザ出力が低下しているのがわかる。本発
明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、高い
繰返し周波数(100Hz 以上)でレーザ運転を行った
としても、レーザ出力の低下を来すことがないレーザ装
置を提供することをその目的としている。
電幅と同じになるように狭くすることにより長期間にわ
たり放電幅を変化させることなく安定に運転することが
可能となった一方において、電極幅を狭くすることで電
極表面上における電界強度が高くなり、数十Hzの低繰
返し周波数での運転では問題がないものの、100Hz
以上の高繰返し周波数運転になると放電が不安定となり
出力が低下してしまう問題点も本発明者らによって明ら
かにされている。すなわち、図7に示すように上下一対
の電極の22、23の電極幅Wを8mmにし、放電幅に
一致させるとともに、両電極22、23間の距離dを2
5mmにした条件下(なお、放電時には約10m/sの
均一なガス流が電極長手方向に生成されているものとす
る)でレーザ運転を行うと、図6に示すように数十Hz
程度の繰返し周波数ではレーザ出力の低下は見られない
が、繰返し周波数は100数Hz に達すると、周波数増
加に応じてレーザ出力が低下しているのがわかる。本発
明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、高い
繰返し周波数(100Hz 以上)でレーザ運転を行った
としても、レーザ出力の低下を来すことがないレーザ装
置を提供することをその目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明の主た
る発明では、レーザチャンバの長手方向に沿って上下に
対向して配設された2つの電極間で放電を行い、前記レ
ーザチャンバ内に封入されたレーザ媒質ガスを励起して
レーザ光を発生させるレーザ装置において、前記2つの
電極のうち少なくとも一方の電極の幅を放電幅と略一致
させるとともに、前記レーザチャンバ内に封入されるバ
ッファガスのうちNe ガスが占める分圧の割合を全バッ
ファガスの圧力の50%以上にしている。
る発明では、レーザチャンバの長手方向に沿って上下に
対向して配設された2つの電極間で放電を行い、前記レ
ーザチャンバ内に封入されたレーザ媒質ガスを励起して
レーザ光を発生させるレーザ装置において、前記2つの
電極のうち少なくとも一方の電極の幅を放電幅と略一致
させるとともに、前記レーザチャンバ内に封入されるバ
ッファガスのうちNe ガスが占める分圧の割合を全バッ
ファガスの圧力の50%以上にしている。
【0013】
【作用】かかる構成によれば、少なくとも一方の電極の
電極幅が放電幅と略一致されて電界強度の高い電極構造
にされる。しかし、レーザ媒質ガスのうちバッファガス
を構成するNe ガスの分圧の割合が全バッファガスの圧
力に対して50%以上にされることにより、上記電界強
度が高くなることによる放電の不安定さが解消される。
したがって、レーザ運転を長期間にわたって行ったとし
ても放電幅を変化させることなく安定に運転することが
可能になるとともに、たとえ100Hz 以上の高繰返し
周波数の運転を行ったとしても放電が不安定となること
もなくなる。
電極幅が放電幅と略一致されて電界強度の高い電極構造
にされる。しかし、レーザ媒質ガスのうちバッファガス
を構成するNe ガスの分圧の割合が全バッファガスの圧
力に対して50%以上にされることにより、上記電界強
度が高くなることによる放電の不安定さが解消される。
したがって、レーザ運転を長期間にわたって行ったとし
ても放電幅を変化させることなく安定に運転することが
可能になるとともに、たとえ100Hz 以上の高繰返し
周波数の運転を行ったとしても放電が不安定となること
もなくなる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係るレーザ装
置の実施例について説明する。
置の実施例について説明する。
【0015】図1は放電励起型のレーザ装置として狭帯
域発振エキシマレーザ装置の構成を概念的に示したもの
である。また、図2は図1のA−A断面を示している。
域発振エキシマレーザ装置の構成を概念的に示したもの
である。また、図2は図1のA−A断面を示している。
【0016】すなわち、これら図に示すようにレーザチ
ャンバ1内にはKr 、F2 等のレーザ媒質ガスが封入さ
れ満たされており、このレーザ媒質ガスがレーザチャン
バ1の長手方向に沿って上下に配設された電極5(カソ
ード電極)、電極6(アノード電極)によって放電、励
起されることによりレーザ発振が行われる。すなわち、
レーザ光はレーザチャンバ1とフロントミラー2と波長
選択素子であるグレーティング3とで構成された光共振
器で共振され、フロントミラー2から有効なレーザ光L
として出力される。この場合、グレーティング3は発振
光を狭帯域化するとともにリアミラーとして機能するも
のであり、いわゆるリトロー配置をとっている。なお、
4はアパーチュアを示している。
ャンバ1内にはKr 、F2 等のレーザ媒質ガスが封入さ
れ満たされており、このレーザ媒質ガスがレーザチャン
バ1の長手方向に沿って上下に配設された電極5(カソ
ード電極)、電極6(アノード電極)によって放電、励
起されることによりレーザ発振が行われる。すなわち、
レーザ光はレーザチャンバ1とフロントミラー2と波長
選択素子であるグレーティング3とで構成された光共振
器で共振され、フロントミラー2から有効なレーザ光L
として出力される。この場合、グレーティング3は発振
光を狭帯域化するとともにリアミラーとして機能するも
のであり、いわゆるリトロー配置をとっている。なお、
4はアパーチュアを示している。
【0017】図2において電極5、6間において破線で
囲まれた領域は放電励起領域を概念的に示している。す
なわち、図2において、電極5は高電圧側であり、電気
的絶縁性を有している絶縁部材7によって支持されてい
る。他方の電極6は接地側であり、アノード電流戻り配
線8に接続されている。そしてこの配線8が接地される
ことにより放電電流の流れるループが形成される。これ
ら電極5、6はいわゆる主放電電極であり、これら一対
の主放電電極の両側には主放電の予備電離電極対が並べ
られている。
囲まれた領域は放電励起領域を概念的に示している。す
なわち、図2において、電極5は高電圧側であり、電気
的絶縁性を有している絶縁部材7によって支持されてい
る。他方の電極6は接地側であり、アノード電流戻り配
線8に接続されている。そしてこの配線8が接地される
ことにより放電電流の流れるループが形成される。これ
ら電極5、6はいわゆる主放電電極であり、これら一対
の主放電電極の両側には主放電の予備電離電極対が並べ
られている。
【0018】電極5の放電面5a、つまり電極5の断面
のうち電極6に対向する部分は、半径13mmの円の一
部である円弧形状に形成されている。また、電極6の電
極幅Wは8mmにされており、その放電面6aは、短長
径比が4である楕円の一部である楕円形状に形成されて
いる。これら両電極5、6の頂点間の距離dは25mm
にされており、放電幅WA、つまり発振ビーム幅が約8
mm(半値全幅で)となっている。このように放電幅W
と電極幅WAとは略一致している。また、放電幅Wは電
極間距離dよりも小さくなっている。
のうち電極6に対向する部分は、半径13mmの円の一
部である円弧形状に形成されている。また、電極6の電
極幅Wは8mmにされており、その放電面6aは、短長
径比が4である楕円の一部である楕円形状に形成されて
いる。これら両電極5、6の頂点間の距離dは25mm
にされており、放電幅WA、つまり発振ビーム幅が約8
mm(半値全幅で)となっている。このように放電幅W
と電極幅WAとは略一致している。また、放電幅Wは電
極間距離dよりも小さくなっている。
【0019】さらに、レーザチャンバ1内には、繰返し
周波数が高いときに発生する、レーザ媒質ガスの温度上
昇を抑えるために、ファンおよび熱交換器からなる送風
装置が配設されており、放電時において約10m/sの
均一なガス流が電極5、6の長手方向(レーザチャンバ
1の長手方向)に生成され、冷却が行われる。
周波数が高いときに発生する、レーザ媒質ガスの温度上
昇を抑えるために、ファンおよび熱交換器からなる送風
装置が配設されており、放電時において約10m/sの
均一なガス流が電極5、6の長手方向(レーザチャンバ
1の長手方向)に生成され、冷却が行われる。
【0020】ところで、一般にレーザ媒質ガスを構成す
るガスとしては、Kr 、F2 ガスといった希ガス、ハロ
ゲンガスの他にバッファガスがある。このバッファガス
としては一般にHe 、Ne といったガスが使用されてい
る。
るガスとしては、Kr 、F2 ガスといった希ガス、ハロ
ゲンガスの他にバッファガスがある。このバッファガス
としては一般にHe 、Ne といったガスが使用されてい
る。
【0021】そこで、バッファガスとしてHe 、Ne の
2種類を使用したときの混合割合(分圧比)をパラメー
タとして繰返し周波数に対するレーザ出力の特性を調べ
た実験結果を図3にグラフにて示す。
2種類を使用したときの混合割合(分圧比)をパラメー
タとして繰返し周波数に対するレーザ出力の特性を調べ
た実験結果を図3にグラフにて示す。
【0022】すなわち、同図に示すように、He 、Ne
の分圧比X:Y(%比)に関してNe の分圧比Y(%)
を大きくするにつれてレーザ出力が低下する繰返し周波
数が高くなっているのがわかる。この実験結果より、高
い繰り返し周波数(100Hz 以上)で運転を行ったと
しても実用上、レーザ出力の低下を来さないのは、分圧
比Yが50%以上であると判断される。
の分圧比X:Y(%比)に関してNe の分圧比Y(%)
を大きくするにつれてレーザ出力が低下する繰返し周波
数が高くなっているのがわかる。この実験結果より、高
い繰り返し周波数(100Hz 以上)で運転を行ったと
しても実用上、レーザ出力の低下を来さないのは、分圧
比Yが50%以上であると判断される。
【0023】そこで、ガス交換装置によりレーザチャン
バ1内のレーザ媒質ガスのうちバッファガスを構成する
Ne ガスの分圧の割合を全バッファガスの圧力に対して
50%以上にして、レーザ運転を長期間行ったとする。
すると、上述したように一方の電極6の電極幅Wが放電
幅WAと略一致されて電界強度の高い電極構造にされて
いる。しかし、Ne ガスの分圧の割合が上述するように
50%以上にされることにより、電界強度が高くなるこ
とによる放電の不安定さが解消されることになる。した
がって、レーザ運転を長期間にわたって行ったとしても
放電幅WAを変化させることなく安定に運転することが
可能になるとともに、たとえ100Hz以上の高繰返し
周波数運転を行ったとしても放電が不安定となることが
なくなりレーザ出力の低下を来さないということが実験
の上で明らかになった。
バ1内のレーザ媒質ガスのうちバッファガスを構成する
Ne ガスの分圧の割合を全バッファガスの圧力に対して
50%以上にして、レーザ運転を長期間行ったとする。
すると、上述したように一方の電極6の電極幅Wが放電
幅WAと略一致されて電界強度の高い電極構造にされて
いる。しかし、Ne ガスの分圧の割合が上述するように
50%以上にされることにより、電界強度が高くなるこ
とによる放電の不安定さが解消されることになる。した
がって、レーザ運転を長期間にわたって行ったとしても
放電幅WAを変化させることなく安定に運転することが
可能になるとともに、たとえ100Hz以上の高繰返し
周波数運転を行ったとしても放電が不安定となることが
なくなりレーザ出力の低下を来さないということが実験
の上で明らかになった。
【0024】ところで、また、一般にエキシマレーザ
は、レーザ媒質ガス中に電子の付着係数の大きいF2 、
Cl2 等のハロゲンガスを含んでいるため放電が不安定
になりやすいといわれている。このため電極の放電面の
形状をなめらかな曲面あるいは角のない平面等で構成
し、放電の不安定さを解消するようにしている。逆にい
うと、角、突起などの形状を有した電極だと、電界強度
が大となり放電が不安定になるからである。しかし、な
めらかな曲面で放電面を形成することは、複数の直線の
組み合わせで放電面を形成する場合に較べて製造コスト
がより大となることが明白である。
は、レーザ媒質ガス中に電子の付着係数の大きいF2 、
Cl2 等のハロゲンガスを含んでいるため放電が不安定
になりやすいといわれている。このため電極の放電面の
形状をなめらかな曲面あるいは角のない平面等で構成
し、放電の不安定さを解消するようにしている。逆にい
うと、角、突起などの形状を有した電極だと、電界強度
が大となり放電が不安定になるからである。しかし、な
めらかな曲面で放電面を形成することは、複数の直線の
組み合わせで放電面を形成する場合に較べて製造コスト
がより大となることが明白である。
【0025】ここに、上述したようにバッファガス内の
Ne ガスの割合を50%以上とすることにより電界強度
の高い電極構造であっても放電が不安定にならないとい
うことが明らかになっている。したがって、図4(a)
ないしは同図(b)に示すように、複数の直線で構成さ
れる断面を有した電極を使用したとしても、バッファガ
ス内のNe ガスの割合が50%以上であれば、放電が不
安定にならないことになる。
Ne ガスの割合を50%以上とすることにより電界強度
の高い電極構造であっても放電が不安定にならないとい
うことが明らかになっている。したがって、図4(a)
ないしは同図(b)に示すように、複数の直線で構成さ
れる断面を有した電極を使用したとしても、バッファガ
ス内のNe ガスの割合が50%以上であれば、放電が不
安定にならないことになる。
【0026】実際に、同図(a)に示すように高さh1
が20mmで、3本以上の直線で構成された、90°よ
りも大きい角部を有した電極9と高さh2 が25mmで
同じく90°よりも大きい角部を有し、かつ放電面Wが
10mmで放電幅WAと一致しているた電極10を、電
極間距離dを25mmにして、レーザ運転を行ったとし
ても、また、同図(b)に示すように高さh1 が20m
mで2本の直線で構成された90°の角部を有した電極
11と高さh2 が20mmで同じく90°の角部を有
し、かつ放電面Wが10mmで放電幅WAと一致してい
る電極12を、電極間距離dを25mmにして、レーザ
運転を行ったとしても、どちらもバッファガス内のNe
ガスの割合が50%以上であれば、アーク放電等の不良
放電に移行することなく正常な安定した高繰り返し周波
数での運転が可能であり、上述した実施例と同等の効果
が得られることが実験の結果明らかになっている。した
がって、図1の構成の電極5、6よりも形状を簡素化で
きることにより製造コスト等をより低減させることがで
きる。
が20mmで、3本以上の直線で構成された、90°よ
りも大きい角部を有した電極9と高さh2 が25mmで
同じく90°よりも大きい角部を有し、かつ放電面Wが
10mmで放電幅WAと一致しているた電極10を、電
極間距離dを25mmにして、レーザ運転を行ったとし
ても、また、同図(b)に示すように高さh1 が20m
mで2本の直線で構成された90°の角部を有した電極
11と高さh2 が20mmで同じく90°の角部を有
し、かつ放電面Wが10mmで放電幅WAと一致してい
る電極12を、電極間距離dを25mmにして、レーザ
運転を行ったとしても、どちらもバッファガス内のNe
ガスの割合が50%以上であれば、アーク放電等の不良
放電に移行することなく正常な安定した高繰り返し周波
数での運転が可能であり、上述した実施例と同等の効果
が得られることが実験の結果明らかになっている。した
がって、図1の構成の電極5、6よりも形状を簡素化で
きることにより製造コスト等をより低減させることがで
きる。
【0027】なお、図5(a)〜(e)に例示するよう
に、前出の先願(特願平2−21604号)で説明した
ような電界緩和電極を電極両側に配設するようにしても
よい。
に、前出の先願(特願平2−21604号)で説明した
ような電界緩和電極を電極両側に配設するようにしても
よい。
【0028】すなわち、同図に示すようにアノード電極
13ないしカソード電極16の電極幅方向両側に、それ
ぞれ所定の断面形状を有した、アノード電極13の周囲
の電界強度を緩和する電界緩和電極14R、14Lまた
は15R、15Lまたは18R、18Lまたは20R、
20Lが配設される。さらに同図(d)、(e)に示す
ように電界緩和電極の全部または一部が絶縁性の被覆部
材19ないしは21R、21Lによって被覆される。こ
の結果、レーザ運転時の放電をより安定化することが可
能となる。
13ないしカソード電極16の電極幅方向両側に、それ
ぞれ所定の断面形状を有した、アノード電極13の周囲
の電界強度を緩和する電界緩和電極14R、14Lまた
は15R、15Lまたは18R、18Lまたは20R、
20Lが配設される。さらに同図(d)、(e)に示す
ように電界緩和電極の全部または一部が絶縁性の被覆部
材19ないしは21R、21Lによって被覆される。こ
の結果、レーザ運転時の放電をより安定化することが可
能となる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、レ
ーザ装置がたとえ高い繰返し周波数で運転される場合で
も長期間にわたり放電幅を変化させることなく安定に運
転することができるようになる。したがって、材料加工
に本レーザ装置を使用すれば、長期にわたり安定で、ビ
ーム幅、横モードの変化のない安定な材料加工が可能で
あり、実用上きわめて有用である。
ーザ装置がたとえ高い繰返し周波数で運転される場合で
も長期間にわたり放電幅を変化させることなく安定に運
転することができるようになる。したがって、材料加工
に本レーザ装置を使用すれば、長期にわたり安定で、ビ
ーム幅、横モードの変化のない安定な材料加工が可能で
あり、実用上きわめて有用である。
【図1】図1は本発明に係るレーザ装置の構成を概念的
に示す図である。
に示す図である。
【図2】図2は図1のA−A断面を示す断面図である。
【図3】図3は実施例においてバッファガスとしてHe
、Ne の2種類を使用したときの混合割合(分圧比)
をパラメータとして繰返し周波数に対するレーザ出力の
特性を調査した実験結果を示すグラフである。
、Ne の2種類を使用したときの混合割合(分圧比)
をパラメータとして繰返し周波数に対するレーザ出力の
特性を調査した実験結果を示すグラフである。
【図4】図4は断面形状が複数の直線の組み合わせで構
成された電極を示す斜視図である。
成された電極を示す斜視図である。
【図5】図5は電極の両側に電界緩和電極を配設した実
施例を例示した図である。
施例を例示した図である。
【図6】図6は従来の技術による繰返し周波数に対する
レーザ出力の関係を示すグラフである。
レーザ出力の関係を示すグラフである。
【図7】図7は電極の断面形状を説明するために用いた
断面図である。
断面図である。
1 レーザチャンバ 5 電極(カソード電極) 6 電極(アノード電極)
Claims (8)
- 【請求項1】 レーザチャンバの長手方向に沿って
上下に対向して配設された2つの電極間で放電を行い、
前記レーザチャンバ内に封入されたレーザ媒質ガスを励
起してレーザ光を発生させるレーザ装置において、 前記2つの電極のうち少なくとも一方の電極の幅を放電
幅と略一致させるとともに、前記レーザチャンバ内に封
入されるバッファガスのうちNe ガスが占める分圧の割
合を全バッファガスの圧力の50%以上にしたことを特
徴とするレーザ装置。 - 【請求項2】 前記少なくとも一方の電極の幅を前
記2つの電極間の距離以下にした請求項1記載のレーザ
装置。 - 【請求項3】 前記少なくとも一方の電極の電極幅
方向の断面のうち、他方の電極に対向する部分の形状を
楕円の一部の形状にした請求項1記載のレーザ装置。 - 【請求項4】 前記少なくとも一方の電極の電極幅
方向の断面のうち、他方の電極に対向する部分の形状を
複数の直線で構成した請求項1記載の放電励起エキシマ
レーザ装置。 - 【請求項5】 前記少なくとも一方の電極の電極幅
方向の断面のうち、他方の電極に対向する部分は複数の
直線からなる角部を有している請求項4記載のレーザ装
置。 - 【請求項6】 前記レーザチャンバ内には、前記バ
ッファガス以外に希ガスとしてXe 、Kr 、Ar 、He
のうちいずれかとハロゲンガスとしてF2 、Cl2 のい
ずれかとが封入されている請求項1記載のレーザ装置。 - 【請求項7】 前記少なくとも一方の電極の電極幅
方向両側に導電体を配設した請求項1記載の放電励起エ
キシマレーザ装置。 - 【請求項8】 前記レーザ装置は、波長選択素子を
有した光共振器が設けられて該光共振器によって前記レ
ーザ光の発振波長を狭帯域化する狭帯域発振レーザ装置
である請求項1記載のレーザ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25832092A JPH06112554A (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | レーザ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25832092A JPH06112554A (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | レーザ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06112554A true JPH06112554A (ja) | 1994-04-22 |
Family
ID=17318609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25832092A Pending JPH06112554A (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | レーザ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06112554A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003060270A (ja) * | 2001-08-10 | 2003-02-28 | Gigaphoton Inc | パルス発振ガスレーザ装置 |
JP2007103628A (ja) * | 2005-10-04 | 2007-04-19 | Komatsu Ltd | 放電励起式パルス発振ガスレーザ装置 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63110780A (ja) * | 1986-10-29 | 1988-05-16 | Toshiba Corp | ガスレ−ザ発振装置 |
JPH01266783A (ja) * | 1988-04-18 | 1989-10-24 | Toshiba Corp | レーザ装置 |
JPH0218979A (ja) * | 1988-07-07 | 1990-01-23 | Mitsubishi Electric Corp | エキシマ・レーザ装置 |
JPH0291704A (ja) * | 1988-09-29 | 1990-03-30 | Toshiba Corp | Nc工作機械 |
JPH04101475A (ja) * | 1990-08-21 | 1992-04-02 | Komatsu Ltd | レーザ装置 |
JPH04101476A (ja) * | 1990-08-21 | 1992-04-02 | Komatsu Ltd | レーザ装置 |
-
1992
- 1992-09-28 JP JP25832092A patent/JPH06112554A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2007103628A (ja) * | 2005-10-04 | 2007-04-19 | Komatsu Ltd | 放電励起式パルス発振ガスレーザ装置 |
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